JP2005071179A - Rfidデータキャリア - Google Patents

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幸人 安藤
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Abstract

【課題】交信距離の低下を軽減する。
【解決手段】基材11上にIC部12とアンテナ部13とを実装してなるRFIDデータキャリアCにおいて、基材11を紙で構成し、基材11とアンテナ部13との間に誘電率の変化が少なくかつ耐水性を有する材料で構成した被覆層21を設けるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、R/Wからの電波によって各種データの送受信が非接触で行われるRFIDデータキャリアに関する。
近年、商品や荷物などの物品に関する各種データを読み書きして物品の識別管理を行うためのデータキャリアシステムとして、物品に取り付けるRFIDデータキャリアと、アンテナおよびコントローラを備えたR/Wとを利用したシステムが構築されている(例えば特許文献1参照)。
この種のデータキャリアシステムでは、R/Wコントローラで制御されるR/Wアンテナから送信される電波通信によって、RFIDデータキャリアに対して非接触で各種データの読み出しと書き込みが行えるのが特徴である。
RFIDデータキャリアとしては、合成樹脂製の基材の上にICチップとアンテナ部とを実装したものが一般的である。また、R/WとRFIDデータキャリアとの間の通信方式としては、静電結合方式,電磁誘導方式,マイクロ波方式,光通信方式などの各種方式が考えられているが、R/WアンテナとRFIDデータキャリアとの間の交信距離の問題やシステム構築コストの観点から、この中でも電磁誘導方式やマイクロ波方式のものが多数実用化されている。
特開2000−322545号公報
ところで、RFIDデータキャリアを構成する基材として合成樹脂に替えて紙を使用して、R/WとRFIDデータキャリアとの間の通信方式にマイクロ波方式を採用した場合には、以下のような問題点がある。
すなわち、マイクロ波方式で利用されるマイクロ波帯の電波はノイズに強い特性があるが、同時に水分に弱いという特性を有していて水に吸収され易い。一方で、基材となる紙にアンテナ部を直接形成した場合には、紙が湿気などで吸湿しているとマイクロ波の電波が紙に吸収されてしまう。また、紙の誘電率の変化が起こる。このように、基材上で誘電率が変化するとアンテナ部の共振周波数にズレが生じ、RFIDデータキャリアとR/Wアンテナとの間の交信距離が低下してしまうという不具合がある。なお、RFIDデータキャリアアンテナの導電体部からの距離が近いほど誘電率の変化の影響が大きい。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、R/Wとの交信距離の低下を軽減できるRFIDデータキャリアを提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、紙で構成された基材と、前記基材の上に設けられ、外部R/WからのUHF〜マイクロ波帯域の電波でデータの送受信を行う通信手段、および該データを書き換え可能または読み出しのみ可能に格納する格納手段を有するIC部と、前記IC部に接続された導電体からなるアンテナ部と、前記基材と前記アンテナ部との間に設けられ、誘電率の変化が少なくかつ耐水性を有する材料で構成された被覆層と、を備えたことを特徴とするRFIDデータキャリアを提供するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記被覆層が、前記アンテナ部のパターン形状と略同一のパターン形状で形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記アンテナ部が、前記IC部に接続されたループ状または線状の放射器と、該放射器を挟んで対向配置された線状の導波器および反射器とを備えたパターンで構成され、前記被覆層が、前記基材と前記放射器との間に限定して設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記被覆層が、ポリエステル樹脂またはアクリル系樹脂からなる合成樹脂フィルムであることを特徴とする。
さらにまた、請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記被覆層が、ポリエステル樹脂またはアクリル系樹脂からなる合成樹脂を含有した紫外線硬化型インキまたは蒸発乾燥型インキであることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記被覆層は、誘電率が3〜30程度の高誘電率の材料で構成されていることを特徴とする。
さらに、請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記被覆層は、隠蔽性の高い材料で構成されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項8に係る発明は、請求項1に記載のRFIDデータキャリアにおいて、前記被覆層にミシン加工またはハーフカット加工が施されていることを特徴とする。
本発明に係るRFIDデータキャリアによれば、紙で構成された基材と導電体で構成されたアンテナ部との間には、誘電率の変化が少なくかつ耐水性を有する材料で構成された被覆層が設けられており、通信時に基材が湿気などで水分を含んでいた場合であっても、被覆層は吸水しにくく誘電率の変化が少ないので、アンテナ部の共振周波数のズレが減少してR/Wアンテナとの交信距離の低下を軽減できるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のRFIDデータキャリアC1は、所要形状に成形された基材11の上にIC部12とアンテナ部13とを実装したものである。このRFIDデータキャリアC1は、周波数がUHF(956MHz)〜マイクロ波(2.45GHz)帯域の電波を利用して通信を行う電波方式を採用しており、静電結合方式や電磁誘導方式などの他の通信方式に比べると交信距離が比較的広範囲(約1〜4m)に亘るのが特徴である。
そして、外部のR/Wコントローラで制御されるR/Wアンテナから送信されたマイクロ波帯域の電波をRFIDデータキャリアC1のアンテナ部13で受信することでR/WとRFIDデータキャリアCとの間で各種データの送受信が行われる。
本実施形態において、基材11は紙で構成されるものであり、上質紙,コート紙,合成紙などの各種の紙類を用いるものとする。基材11にこのような紙類を使用することにより、合成樹脂やその他の材料を使用した場合に比べると、RFIDデータキャリアC1を廉価に製作できるとともにその薄型・軽量化を図ることができる。また、基材11に必要事項を印刷できるという利点もあり、特にプリンタ適性が非常に優れている。
IC部12は、R/Wコントローラとの間でR/Wアンテナを介して各種データの送受信を行う通信手段と、各種データを書き換え可能に記憶する記憶手段とを備えていれば良く、例えば通信回路とメモリとが内蔵された薄型ICチップを使用できる。また、メモリとしてEEPROMやフラッシュメモリを用いることで電池レスタイプのデータキャリアとすることが可能である。
アンテナ部13は、IC部12に電気的に接続された導電性の皮膜で構成され、例えば銀ペースト,黒鉛,カーボンなどを含有した導電性インキを基材11にパターン印刷することで形成できる。本実施形態のアンテナ部13はその素子のパターン形状として9素子からなる八木・宇田アンテナ形状を採用している。
すなわち、アンテナ部13は、IC部12に接続された放射器13−1と、この放射器13−1を挟んで前後段に対向配置される導波器13−2と反射器13−3とを備えて構成されている。
前段の導波器13−2は、放射器13−1の素子の長さよりもやや短い直線状の素子で構成される。本実施形態では6本の素子からなる導波器13−2,13−2,…が、放射器13−1からλ/4の距離を隔てて放射器13−1に対して同間隔で平行配置されている。これらの導波器13−2,13−2,…は、R/Wアンテナから送信されたUHF〜マイクロ波帯域の電波を強めながら放射器13−1に向けて送り込む作用をする。
中段の放射器13−1は、IC部12に2端で接続されたループ状または線状の素子で構成されており、1素子の長さはλ/2である。放射器13−1は、外部から到来する電波や導波器13−2から送り込まれた電波を捕捉する機能を有するとともに外部に電波を放射する機能も有している。
後段の反射器13−3は、放射器13−1の素子の長さよりも少し長めの直線状の素子で構成される。本実施形態では1本の反射器13−3が、放射器13−1からλ/4の距離を隔てて放射器13−1に対して平行配置されている。この反射器13−3は、導波器13−2から放射器13−1へと送り込まれた電波のうちで捕捉できずに漏れた電波を反射させて放射器13−1へと送り返す作用をする。
さらに、本実施形態のRFIDデータキャリアC1では、基材11とアンテナ部13とが直接触れることのないように、両者間にはアンテナ部13に比して誘電率の変化が少なくかつ耐水性を有する材料で構成された被覆層21が基材11の片側全面に設けられている。
吸水による誘電率の変化が少なく耐水性を有する材料としては、次に挙げる熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂が用いられる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂,ポリプロピレンやポリエチレンやポリブチレンなどのオレフィン系樹脂,ポリフェニレンサルファイドやポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチック,ポリ塩化ビニル,アクリル樹脂,フッ素樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂が考えられる。
その形成方法としては、この種の合成樹脂からなるフィルムを基材11上に粘着剤で貼着する構成や、この種の合成樹脂を含有した紫外線硬化型(UV)インキや蒸発乾燥型インキを公知の印刷方式で印刷する構成を採用することができる。
また、被覆層21の膜厚は少なくとも1μm以上有していれば効果がある。
ところで、マイクロ波帯域の電波は水に吸収され易い性質を有しており、また、媒体が水を吸収するとその媒体の誘電率が変化してアンテナ部の共振周波数にズレが生じ、データキャリアの交信距離が低下してしまうのは前述の通りである。また、RFIDデータキャリアアンテナの導電体部からの距離が近いほど誘電率の変化の影響が大きい。
そこで、本実施形態のように、媒体となる紙で構成された基材11と導電体で構成されたアンテナ部13との間にこのような被覆層21が設けられていると、通信時に基材11が湿気で水分を含んでいた場合であっても、被覆層21は誘電率の変化が少ないので、アンテナ部13の共振周波数のズレが減少してR/Wのアンテナとの交信距離の低下を軽減できるのである。
また、本発明では、図1に示した構成に替えて図2ないし図8に示すような様々な変形例が考えられる。なお、図2ないし図8に示すRFIDデータキャリアC2ないしC8において、図1に示したRFIDデータキャリアC1と同一部材については同一符号を附してその詳細な説明は省略する。
まず、図2に示したRFIDデータキャリアC2では、被覆層21が、アンテナ部13を構成する素子のパターン形状と同一のパターン形状で基材11上に部分的に形成されている点に特徴がある。
すなわち、本実施形態では、アンテナ部13の素子のパターン形状がループ状または線状の放射器13−1と、直線状の導波器13−2,13−2,…と、直線状の反射器13−3とで構成されていることから、被覆層21についてもループ状または線状の被覆層21−1と、直線状の被覆層21−2,21−2,…と、直線状の被覆層21−3とからなる略同一のパターン形状で構成されている。なお、被覆層21が基材11とアンテナ部13との間に設けられる点は図1と同様である。
本実施形態では、特に被覆層21を紫外線硬化型インキで印刷する方法を採用した場合において、高価な紫外線硬化型インキの使用箇所が図1に比べて省スペースで済むので製作コストの削減が図れるとともに、印刷パターンがアンテナ部13の形状と同一形状なので製作を容易に行えるという利点がある。また、紙製の基材11に印刷インキを使用したものであるからリサイクル性も優れている。
また、アンテナ部13の素子のパターン形状として、放射器13−1と導波器13−2と反射器13−3とで構成された八木・宇田アンテナ形状を採用した場合には、図3に示すように、少なくとも基材11と放射器13−1との間の箇所に限定して放射器13−1と同じくループ状または線状の被覆層21−1を形成するだけでも良い。このような構成であっても基材11にアンテナ部13を直接形成した構成に比べて交信距離の低下を防ぐことが可能になる。
さらには、アンテナ部13を構成する素子のパターン形状として、図4に示すようなダイポールアンテナ形状や、図5に示すようなメアンダラインアンテナ形状とすることもできる。この場合にも基材11とアンテナ部13とが直接触れることのないように両者間に被覆層21が設けられるものとする。
すなわち、図4のRFIDデータキャリアC4は、IC部12の両端から直線状に延びる一対のダイポールアンテナ素子13−4,13−4が形成されており、このダイポールアンテナ素子13−4と基材11との間に帯状の被覆層21−4が形成されている。
また、図5のRFIDデータキャリアC5は、図4のダイポールアンテナ素子13−4の一変形例として、IC部12の両端から延びる一対のアンテナ素子をジグザグに折り返してなるメアンダラインアンテナ素子13−5,13−5が形成されており、このメアンダラインアンテナ素子13−5と基材11との間に拡幅の帯状の被覆層21−5が形成されている。
このように、アンテナ部13を構成する素子のパターン形状としてダイポールアンテナ形状やメアンダライン形状を採用する場合には、少なくともアンテナ部13のパターン形状と略同一形状(望ましくは基材11の片側全面)であって、基材11とアンテナ部13との間に被覆層21を設けることで、基材11にアンテナ部13を直接形成した場合に比べて交信距離の低下を軽減できる。
続いて、図6に示すRFIDデータキャリアC6は、紙製の基材11上に形成される被覆層31が誘電率の高い材料で構成されていることが特徴である。誘電率としては3〜30程度の範囲が好適である。その理由は、後述の波長短縮効果により、誘電率が高いほど導電体部を紙から遠く離した場合と同じ効果があり、また、あまり誘電率が高すぎると損失となってしまうためである。高誘電率の材料の例としては、熱可塑性樹脂ではポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂(誘電率:3.2),熱硬化性樹脂ではエポキシ樹脂(誘電率:4.0〜4.6),ポリウレタン樹脂(誘電率:4.2〜7.6)などが挙げられる。これらの合成樹脂は基材11上に塗料としてパターン塗布される。
そして、この被覆層31の上には銀ペースト,黒鉛,カーボンなどを含有した導電性インキでアンテナ部13が形成され、アンテナ部13を構成する素子のパターン形状としてダイポールアンテナ形状が採用されている。
ところで、周波数fの電波が真空中における光速度cで伝搬するときにその波長λは次の数式1の関係式で表わせる。
Figure 2005071179
一方で、伝送路であるアンテナ部13内を電波が伝搬する速度は一般に真空中の光速度cよりも遅いので、アンテナ部13における波長λはλよりも短くなる。ここで、λ/λを波長短縮率pというが、この波長短縮率pは誘電率εを用いて次の数式2の関係式で表わせる。
Figure 2005071179
数式2において波長短縮率pは誘電率εの平方根の逆数であるから、誘電率εの値が高くなれば波長短縮率pの値が小さくなり、これにより波長λの長さを短縮できることが分かる。すなわち、被覆層31を高誘電率の材料で構成することでアンテナ部13の長さをλ/2よりも短く形成して共振させることが可能になる。例えばUHF(956MHz)ではλ/2(約15cm)よりも短く、マイクロ波(2.45GHz)ではλ/2(約6cm)よりも短い長さのアンテナ部13を形成できる。
したがって、本実施形態のRFIDデータキャリアC6では、上述した各実施形態と同様に基材11にアンテナ部13を直接形成した構成に比べて交信距離の低下を防ぐことができ、加えてアンテナ部13を短くすることでRFIDデータキャリアC6の小型・軽量化を図ることができるので、このRFIDデータキャリアC6を小さなサイズの帳票に貼付する場合に好適である。
次に、図7に示すRFIDデータキャリアC7では、紙製の基材11上に形成される被覆層41が隠蔽性の高い材料で構成されていることが特徴である。隠蔽性の高い材料としては、例えば顔料に酸化チタンを含有した白色系インキを塗布する構成や、白色フィルムを貼着する構成が考えられる。被覆層41は少なくともアンテナ部13の形状と略同一形状に形成され、より好ましくは基材11の片側全面に設けられる。
そして、この被覆層41の上には銀ペースト,黒鉛,カーボンなどを含有した導電性インキでアンテナ部13が形成され、アンテナ部13を構成する素子のパターン形状はダイポールアンテナ形状が採用されている。また、基材11の反対面には各種印刷インキによる目視情報部42が印刷されている。
このRFIDデータキャリアC7によると、隠蔽性を有する被覆層41によってアンテナ部13が基材11の反対側に透けて見えることがなくなる。このため、アンテナ部13とは反対側の基材11上に印刷された目視情報部42の視認性が向上するという利点がある。なお、本実施形態においても基材11とアンテナ部13との間に被覆層41があることで、上述した各実施形態と同様に基材11にアンテナ部13を直接形成した構成に比べて交信距離の低下を防ぐことができる。
さらに、図8に示すRFIDデータキャリアC8は、基材11の上に形成される被覆層51にハーフカット加工が施されていることが特徴である。本実施形態では、被覆層51の一構成例として合成樹脂製のフィルム部14にあらかじめIC部12とアンテナ部13が印刷されたインレイを紙製の基材11の上に貼着する構成を採用している。そして、このインレイのフィルム部14にアンテナ部13を避けるようにして複数本のハーフカット部52,52,…が形成されている。
同図のようにアンテナ部13を構成する素子のパターン形状に八木・宇田アンテナ形状を採用した場合には、ハーフカット部52は、放射器13−1と反射器13−3との間、放射器13−1と導波器13−2との間、さらには導波器13−2,13−2間にそれぞれ直線状に形成される。
ところで、このRFIDデータキャリアC8に対して例えばサーマルプリンタで印字処理を施す場合に、サーマルヘッドの熱によって紙製の基材11は伸縮し易い。また、使用環境によっては吸脱湿による基材11の伸縮も起こり得る。一方で、合成樹脂製のフィルム部14は温度や湿度の変化による伸縮が起きにくい。このような要因で、インレイを貼付したRFIDデータキャリアC8ではカールが発生し易くなっている。
本実施形態では、インレイのフィルム部14に上述したようなハーフカット部52が形成されているので、このハーフカット部52によって紙製の基材11の伸縮に応じてフィルム部14も自在に伸縮してカールの発生を効果的に防ぐことができる。したがって、本実施形態のRFIDデータキャリアC8は、サーマルプリンタによる印字特性や耐環境性に優れたものになる。
なお、このようなカール抑止効果は特に基材11の上に大きな面積のインレイを貼着する場合に顕著に発揮される。また、ハーフカット加工を施してハーフカット部52を形成する構成の替わりに、ミシン加工を施してミシン目を形成する構成を採用しても同様なカール抑止効果が得られる。
以上のように構成されたRFIDデータキャリアCは、例えば車両の出庫管理に必要な物流管理票としての用途が考えられる。
図9に示すように、現状では、バーコードなどの光学式読み取り文字を印刷した紙製の管理票を車両に取り付けておき、この管理票を光学式読み取り装置で読み取り、そして目視により手入力して出庫するという一連の作業が行われており、装置による読み取りと手入力に多大な手間を要していた。
そこで、このRFIDデータキャリアCを物流管理票として使用し、基材11は紙製で印刷も可能であるから必要項目を印刷して車両に取り付けておけば、あとはR/Wアンテナを通過させるだけでIC部12のメモリに記憶された各種データを自動で読み取ることができ、しかも目視による確認も行えて出庫することが可能になる。したがって、現状の読み取りや手入力といった手間が省けてその労力が格段に軽減されるとともに、出庫管理に要する時間の大幅な短縮化を図ることができる。
続いて、本発明の具体的な実施例について説明する。
下記の試料1ないし試料5のRFIDデータキャリアを製作し、ドライヤーで数分間乾燥させたものを試験前のサンプル、室温40℃・湿度90%の環境下で2時間放置したものを試験後のサンプルとして、試験前と試験後におけるそれぞれのデータキャリアの最大交信距離とその変化率を室温24℃・湿度50%の環境下で測定した。
(1)試料1…紙製の基材上にアンテナ部を直接形成したもの
(2)試料2…紙製の基材上にPET樹脂フィルムを片面全面貼着した被覆層を設けて被覆層上にアンテナ部を形成したもの
(3)試料3…紙製の基材上にポリエステル樹脂をアンテナのパターン形状で片面部分印刷した被覆層を設けて被覆層上にアンテナ部を形成したもの
(4)試料4…紙製の基材上に紫外線硬化型インキを片面全面印刷した被覆層を設けて被覆層上にアンテナ部を形成したもの
(5)試料5…紙製の基材上にPET樹脂フィルムを放射器の形状のみに片面部分貼着した被覆層を設けて被覆層上にアンテナ部を形成したもの
試料1ないし試料5において、アンテナ部の形状は図1ないし図3に示した9素子八木・宇田アンテナ形状を採用した。また、R/Wアンテナは4素子直線偏波、R/WはJRFSロングレンジタイプを使用した。
そして、試料1ないし試料5の試験前のサンプルと試験後のサンプルにおける最大交信距離を読み出しと書き込みの両方について測定した結果を下記の表1に示す。なお、表1中で最大交信距離はその単位をcmで示し、変化率は(試験前の最大交信距離−試験後の最大交信距離)/(試験前の最大交信距離)×100(%)で示している。
Figure 2005071179
表1の試験結果から明らかなように、基材上にアンテナ部を直接形成した試料1については、読み出しと書き込みの両方で最大交信距離が50%以上も低下した。
各々の読み出しの変化率を見てみると、試料1は55.7%、試料2は5.2%、試料3と試料4はともに11.0%、試料5は41.4%であった。また、各々の書き込みの変化率を見てみると、試料1は62.2%、試料2は19.0%、試料3と試料4はともに29.8%、試料5は54.8%であった。このことから、読み出しよりも書き込みの方が最大交信距離の変化率が若干高くなるものの、試料2,試料3,試料4,および試料5は、試料1に比べると読み出しと書き込みの双方において最大交信距離の変化率を軽減させることができた。
したがって、基材上にアンテナ部を直接形成するよりも、基材上に被覆層を設けてその被覆層上にアンテナ部を形成する方が最大交信距離の変化率を抑えることができ、RFIDデータキャリアとR/Wアンテナとの交信距離の低下を軽減できることが判明した。
続いて、試料2ないし試料5について読み出しと書き込みの変化率を見ると、それぞれ試料2が5.2%と19.0%、試料3が11.0%と29.8%、試料4が11.0%と29.8%、試料5が41.4%と54.8%であり、試料2から試料5にかけて変化率が徐々に増加しているのが読み取れる。
このことから、被覆層を設ける場合には、放射器の形状のみに部分印刷するよりもアンテナのパターン形状で部分印刷した方がより交信距離の低下を軽減できた。
なお、試料2と試料4について読み出しと書き込みの双方の変化率を比べると、試料2が5.2%と19.0%であるのに対して、試料4が11.0%と29.8%であり、試料4よりも試料2の方が変化率は小さくなっている。このことから、被覆層を基材の片面全面に設ける場合にあっては、樹脂含有の紫外線硬化型インキを印刷するよりも樹脂フィルムを貼着する方が望ましいことが判明した。
本発明に係るRFIDデータキャリアの第1実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第2実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第3実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第4実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第5実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第6実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第7実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの第8実施形態を示す(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図。 本発明に係るRFIDデータキャリアの使用例を説明する図。
符号の説明
C(C1〜C8)…RFIDデータキャリア
11…基材
12…IC部
13…アンテナ部
13−1…放射器
13−2…導波器
13−3…反射器
13−4…ダイポールアンテナ素子
13−5…メアンダラインアンテナ素子
14…フィルム部
21(21−1,21−2,21−3,21−4,21−5)…被覆層
31…高誘電率被覆層
41…高隠蔽性被覆層
42…目視情報部
51…被覆層
52…ハーフカット部

Claims (8)

  1. 紙で構成された基材と、
    前記基材の上に設けられ、外部R/WからのUHF〜マイクロ波帯域の電波でデータの送受信を行う通信手段、および該データを書き換え可能または読み出しのみ可能に格納する格納手段を有するIC部と、
    前記IC部に接続された導電体からなるアンテナ部と、
    前記基材と前記アンテナ部との間に設けられ、誘電率の変化が少なくかつ耐水性を有する材料で構成された被覆層と、
    を備えた
    ことを特徴とするRFIDデータキャリア。
  2. 前記被覆層が、前記アンテナ部のパターン形状と略同一のパターン形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のRFIDデータキャリア。
  3. 前記アンテナ部が、前記IC部に接続されたループ状または線状の放射器と、該放射器を挟んで対向配置された線状の導波器および反射器とを備えたパターンで構成され、前記被覆層が、前記基材と前記放射器との間に限定して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のRFIDデータキャリア。
  4. 前記被覆層が、ポリエステル樹脂またはアクリル系樹脂からなる合成樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリア。
  5. 前記被覆層が、ポリエステル樹脂またはアクリル系樹脂からなる合成樹脂を含有した紫外線硬化型インキまたは蒸発乾燥型インキであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリア。
  6. 前記被覆層は、誘電率が3〜30程度の高誘電率の材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリア。
  7. 前記被覆層は、隠蔽性の高い材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のRFIDデータキャリア。
  8. 前記被覆層にミシン加工またはハーフカット加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載のRFIDデータキャリア。
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