JP5145671B2 - 電磁波シールド部材の製造方法及び電磁波シールド部材並びに画像表示装置 - Google Patents

電磁波シールド部材の製造方法及び電磁波シールド部材並びに画像表示装置 Download PDF

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本発明は、例えば、CRTやPDP、液晶、ELなどの画像表示装置の画像を表示する前面側に設けられてこの前面から発生する電磁波を遮断するための電磁波シールド部材の製造方法及びこの方法で製造される電磁波シールド部材並びにこの電磁波シールド部材を備えた画像表示装置に関する。
従来、例えば、CRTやPDP、液晶、ELなどの画像表示装置(ディスプレイ)では、例えば、筐体を金属体または高導電体にしたり、回路基板同士の間に金属板を設置したり、ケーブルに金属箔を巻き付けたりすることにより、ディスプレイから発生する電磁波が外部に放出されることを防止している。また、画像を表示するディスプレイの前面においては、画像の視認性を確保するため、メッシュ状に形成したり、透明性を有する導電層を備えた電磁波シールド部材(EMI(Electro-Magnetic Interference)シールド部材)を設けて、画像の視認性を確保しつつこの前面から発生する電磁波ノイズを遮断するようにしている。そして、これらの対策により、電磁波ノイズが影響して、眼精疲労、目の充血、肩こり、偏頭痛などの人体的な障害や周辺の電子機器の動作不良障害が発生することを防止している。
また、ディスプレイの前面側に設けられる電磁波シールド部材には、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるような、透明なフィルム上に金属または金属酸化物を蒸着し薄膜導電層を形成して構成したものがある。この電磁波シールド部材においては、薄膜導電層が数十〜数千Åの厚さで形成されることで、ディスプレイの前面に設けた場合においても可視光を透過させることができ、視認性の低下を招くことを防止している。しかしながら、このように薄膜導電層を数十〜数千Åの非常に薄い厚さで形成した場合には、視認性を確保できる反面、逆に薄膜導電層の表面抵抗が大きくなってしまい電磁波シールドの効果が十分に得られない場合があった。
また、電磁波シールド部材には、例えば特許文献3に開示されるような、良導電性繊維を透明基材に埋め込んで構成したものもある。この電磁波シールド部材においては、透明基材に分散配置した良導電性繊維の隙間を可視光が透過することで視認性を確保するようにしているが、良導電性繊維の隙間から電磁波漏れが生じないように良導電性繊維の太さ(繊維径)を例えば35μmと太くする必要がある。このため、この電磁波シールド部材をディスプレイの前面に配置した際に、繊維が見えてしまうという問題があった。
これに対し、例えば特許文献4に開示されるような、透明プラスチック基材の表面に接着層を介して金属箔(導電層)を貼り合わせ、この段階で、金属箔をケミカルエッチングプロセスによって部分的に除去してなるメッシュ状の導電層(幾何学形状の導電層)を備えた電磁波シールド部材がある。この電磁波シールド部材においては、ケミカルエッチングプロセス、すなわちサブトラクティブ法を用いて電磁波シールドに寄与する導電層(金属箔)を形成することで、この幾何学図形の金属箔のライン幅を25μm以下、ライン間隔(可視光が透過する開口部の幅)を500μm以上、ライン厚みを18μm以下に形成することができる。
しかしながら、上記の特許文献4に開示された電磁波シールド部材においては、ケミカルエッチングプロセス(サブトラクティブ法)を用いて形成されるため、金属箔を精度良く幾何学図形を呈するように形成することが困難であり、可視光が透過する開口部が精度良く形成できないため、可視光の透過率にばらつきが生じたり、電磁波シールド部材が画面上に見えてしまい、視認性や透明性を十分に確保することができない場合があった。
すなわち、この電磁波シールド部材Bでは、例えば図9及び図10に示すように、金属箔(導電層1)を方形状にエッチングする場合には、レジスト2で覆われた部分の金属箔1が、厚さd1方向の直交方向にエッチング(サイド・エッチ)され、金属箔1の側面1aがテーパー状に形成されてしまう。このように、エッチングで金属箔1を幾何学形状に形成する場合には、その条件出しが難しく、導電層1のライン幅d2ひいては可視光が透過する開口部3の幅d3を所望の幅で精度良く形成することが困難である。
また、図9に示すように、開口部3をエッチングで形成する際に、開口部3の隅角部3a近傍にエッチング液の滞留(液だまり)が生じやすく、この液だまりによりエッチングが不十分となって隅角部3aが丸まって形成されてしまい、精度良く方形状の幾何学図形を呈するように導電層1を形成できない。このため、開口部3が所望の幾何学形状で形成できず、透過率にばらつきが生じてしまう。
本発明は、上記事情を鑑み、確実に電磁波を遮断することができ、好適な可視光透過率を備えて透明性を確保することが可能な電磁波シールド部材の製造方法及び電磁波シールド部材並びにこれを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の電磁波シールド部材の製造方法は、画像表示装置の画像を表示する前面側に設けられて前記前面から発生する電磁波を遮断するメッシュ状の導電層を備えた電磁波シールド部材の製造方法であって、インジウムを含む第一の導電性物質を透明のプラスチックフィルム上に一様に積層形成した後に、フォトリソグラフィーを用いて前記第一の導電性物質上に積層形成したレジストのパターニングを行い、該パターニングで形成した前記第一の導電性物質が露出する凹部に、前記第一の導電性物質と異なる金属の第二の導電性物質を充填形成した段階で、前記レジストを除去するとともに該レジストの除去により露出した前記第一の導電性物質を除去して、前記第一の導電性物質と前記第二の導電性物質からなる幾何学形状の前記導電層を形成することを特徴とする。
また、本発明の電磁波シールド部材の製造方法においては、前記第一の導電性物質と前記第二の導電性物質を積層してなるラインの幅を5μmから10μmとし、隣り合うラインの間隔を200μmから300μmとして前記導電層を形成することが望ましい。
本発明の電磁波シールド部材は、上記のいずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法を用いて形成されていることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、上記の電磁波シールド部材が画像を表示する前面側に設けられていることを特徴とする。
本発明の電磁波シールド部材の製造方法及びこの方法を用いて形成される電磁波シールド部材並びにこの電磁波シールド部材を備えた画像表示装置によれば、プラスチックフィルム上に積層形成した第一の導電性物質上に、フォトリソグラフィーを用いてレジストパターンを形成し、このパターンの凹部に第二の導電性物質を充填形成して、幾何学形状の導電層を形成することによって、すなわち、アディティブ法(セミアディティブ法)を用いて電磁波シールド部材が形成されるため、従来のサブトラクティブ法を用いる場合と比較して、第二の導電性物質の側面を確実に垂直に形成することができ、また、開口部の隅角部を確実に顕在化させて形成することができる。これにより、精度良く幾何学図形を呈する開口部を形成できるため、電磁シールド効果を確保しつつ確実に所望の可視光の透過率を備えた電磁波シールド部材を形成することができる。よって、このように形成した電磁波シールド部材を画像表示装置の前面側に設けることで、視認性を十分に確保して、且つこの電磁波シールド部材が画面上に見えない透明性を得ることができる。
以下、図1から図8を参照し、本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造方法及び電磁波シールド部材並びに画像表示装置について説明する。本実施形態は、例えばCRTやPDP、液晶、ELなどの画像表示装置(ディスプレイ)の前面に取り付けられてこの前面からから発生する電磁波ノイズを遮断するためのEMI(Electro-Magnetic Interference)シールド部材(電磁波シールド部材)の製造方法及びEMIシールド部材並びに画像表示装置に関するものである。
本実施形態の電磁波シールド部材Aは、図1及び図2に示すように、透明のプラスチックフィルム10上に、平面視で略正方形の複数の開口部3が規則的に配列した幾何学形状(メッシュ状)の導電層1が積層されて一体に形成されている。
プラスチックフィルム(基材)10は、その厚さd4が50μm程度に形成された無色透明のPET(polyethylene terephthalate)フィルムであり、可視光の屈曲率が例えば1.575とされている。また、プラスチックフィルム10の導電層1を積層した一面10aは、粗化処理が施され、導電層1との密着性(一体性)が十分に確保されるように凹凸状に形成されている。なお、導電層1との密着性を重視する必要がない場合には、すなわちプラスチックフィルム10と導電層1の接着強度が十分に確保できる場合には、必ずしもプラスチックフィルム10の一面10aが粗化処理されていなくてもよい。
一方、導電層1は、プラスチックフィルム10に接合する下端側の第一の導電性物質(第一の導電性層)11と、この第一の導電性物質11に積層した上端側の第二の導電性物質(第二の導電性層)12とが一体に積層されて形成されている。また、本実施形態において、第一の導電性物質11は、ITO(Indium Tin Oxide)であり、その厚さd5が0.1μm程度で形成されている。第二の導電性物質12は、銅もしくはニッケル(第一の導電性物質11と異なる金属)であり、その厚さd6が5μm程度で形成されている。また、このように第一の導電性物質11と第二の導電性物質12が一体に積層形成されなる導電層1は、図1及び図2に示すように、厚さd1方向に延びる側面1aが垂直に延設され、断面視で一対の側面1aを結ぶライン幅d2が上端から下端まで略一定に形成されている。これにより、導電層1は、複数の開口部3のそれぞれの幅(ライン間隔)d3が略一定に形成され、各開口部3の隅角部3aが略直角に交差して顕在化した幾何学形状を呈するように形成されている。また、本実施形態では、このように形成した導電層1のライン幅d2が5μm程度とされ、開口部3の幅d3が195μm程度とされている。
ついで、上記の構成からなる電磁波シールド部材Aを製造する方法について説明し、本実施形態の電磁波シールド部材Aの製造方法及び電磁波シールド部材A並びにこの電磁波シールド部材Aを備えた画像表示装置の作用及び効果について説明する。
本実施形態の電磁波シールド部材Aは、フォトリソグラフィーのセミアディティブ法を用いて製造されるものであり、はじめに、図3に示すプラスチックフィルム10を用意し、図4に示すように、このプラスチックフィルム10上(一面10a)にスパッタ法もしくは蒸着法によってITO(第一の導電性層)11を一様に成膜(積層形成)する。ついで、図5に示すように、ドライフィルムレジスト(例えば旭化成エレクトロニクス製:サンフォート)2をITO11上に貼り付けてレジスト2を積層形成し、このレジスト2を露光、現像してパターニングを行い、図6に示すように、メッシュ状の幾何学形状の凹部13を形成する。このとき、レジスト2を露光、現像しパターニングする際には、露光光として紫外(UV)光、現像液としては炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。また、凹部13の幅(ライン幅d2)は5μm程度とされ、レジストパターンの幅(開口部3の幅d3)が195μmとされる。そして、ITO11の端部から給電を行なうとともに、電解めっき(電解銅めっきもしくは電解ニッケルめっき)によって、図7に示すように、凹部13のITO11上に銅もしくはニッケル(第二の導電性物質)12を凹部13内に充填して積層形成する。このとき、凹部13内の銅もしくはニッケル12の厚さd6が5μm程度となるようにめっきを行なう。ついで、図8に示すように、レジスト2を剥離(除去)する。レジスト2を剥離する際のレジスト剥離液としては水酸化ナトリウム水溶液が用いられる。そして、最後に、クイックエッチングによってレジスト2で覆われていた部分のITO11を溶解させて除去して、図1及び図2に示したメッシュ状で幾何学形状を呈する導電層1を備えた本実施形態の電磁波シールド部材Aが製造される。第一の導電性物質11であるITOをクイックエッチングする際のエッチング液としては、例えば関東化学製ITO−06Nを用いることができる。
このように製造した電磁波シールド部材Aは、図9及び図10に示したサブトラクティブ法を用いて製造される従来の電磁波シールド部材Bと比較して、レジストパターンの凹部13内に銅もしくはニッケル12をめっきして導電層1が形成されるため、すなわち従来の電磁波シールド部材Bのように、導電層1を形成する際にケミカルエッチングを用いないため、導電層1の側面1aがサイドエッチによりテーパー状に形成されることがなく、また、エッチング液の滞留によって開口部3の隅角部3aが丸まってしまうことがない。このため、本実施形態の電磁波シールド部材Aは、導電層1の側面1aが垂直に形成され、規則的に配列した複数の開口部3がそれぞれ所望の開口面積を備えて精度良く形成される。さらに、このようにセミアディティブ法を用いて導電層1を形成することによって、ライン幅d2が5μm程度となる非常に細線化した導電層1を形成することができる。また、銅もしくはニッケルをめっきして第二の導電層12を形成する際に、めっき条件を調整することで容易に導電層1の厚さd1を調整することができ、導電層1の厚膜化を容易に図ることができる。
そして、例えば、このように製造した電磁波シールド部材Aを画像表示装置の前面に貼り付けた場合には、画像表示装置の前面からの可視光が透明のプラスチックフィルム10を透過するとともに導電層1の開口部3を通じて外部に透過する。このとき、電磁波シールド部材Aの開口部3が規定の面積をもって精度良く形成され、且つセミアディティブ法を用いて形成することで導電層1のライン幅d2が小さく形成されているため、この電磁波シールド部材Aは、ヘイズや透明性などの光学特性に優れ、従来の電磁波シールド部材Bのように、画面上に見えてしまうことがなく、明るい画像を提供することが可能になる。
さらに、導電層1を細線化した場合においても、ドライフィルムの膜厚とめっき条件を調整することで、導電層1を容易に厚く形成でき、これにより、画像表示装置の前面から発生する電磁気ノイズを確実に遮断することができる。
したがって、本実施形態の電磁波シールド部材Aの製造方法及びこの方法を用いて形成される電磁波シールド部材A並びにこの電磁波シールド部材Aを備えた画像表示装置によれば、アディティブ法(セミアディティブ法)を用いて電磁波シールド部材Aが形成されることにより、従来のサブトラクティブ法を用いる場合と比較して、開口部3を精度良く形成でき、電磁シールド効果を確保しつつ確実に優れた可視光の透過性を得ることができる。よって、このように形成した電磁波シールド部材Aを画像表示装置の前面側に備えることで、視認性を十分に確保して、且つこの電磁波シールド部材Aが画面上に見えてしまう不都合を解消することができる。
また、第一の導電性物質11がスパッタ法もしくは蒸着法でプラスチックフィルム10上に形成されることによって、プラスチックフィルム10と導電層1を確実に一体形成することができる。スパッタ法としては、イオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリング法等を用いることができ、蒸着法としては抵抗加熱蒸着法、電子ビーム(EB)加熱蒸着法を用いることができる。
さらに、電界めっき法により形成される第二の導電性物質12を銅もしくはニッケルとすることによって、確実に導電層1を優れた導電性を備えて形成でき、確実に電磁シールド効果を得ることができる。
また、基材10として透明性及び耐熱性に優れるPETを用いることで、安価で取扱性に優れた電磁波シールド性と透明性を十分に確保した接着フィルムを提供することができる。
なお、本発明は、上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、プラスチックフィルム10をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであるとしたが、その他にも公知のプラスチックフィルムを用いることができる。例えば、フィルム形成材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、アクリル樹脂を用いることができる。
また、巻き取り可能なロール状のプラスチックフィルムを用いることで、ロール・ツー・ロール方式により、連続して電磁波シールド部材を製造することが可能となる。また、本実施形態では、レジスト材料として、ドライフィルムレジストの旭化成エレクトロニクス製サンフォートを例示したが、その他のものも使用することができる。例えば、ドライフィルムレジストとして日立化成製フォテック、ニチゴーモートンALPHOを用いることができる。また、液状のレジスト材料を用いることもできる。また、これらの材料変更に応じて、レジスト2をパターニングする際の露光光、現像液、レジストを剥離する際の剥離液、第一の導電性物質11をクイックエッチングする際のエッチング液は適宜選択される。
また、本実施形態では、第二の導電性層12を形成する際に、電解銅めっきもしくは電解ニッケルめっきを用いるものとしているが、電解銅めっきによって導電層1を形成する場合には、シアン銅浴、硫酸銅浴を用いることで好適な導電層1を形成することができ、このうち、硫酸銅浴を用いる場合には、硫酸と硫酸銅の配合比によって区別されるハイスロー浴、低濃度浴、一般浴のいずれを用いてもよく、例えば、その組成を硫酸銅60g/L、硫酸200g/L、塩素イオン50mg/Lとしたハイスロー浴を用いた場合には、通電量を5ASDとして5分間程度めっき処理することで本実施形態の導電層1を形成することができる。また、ニッケルをめっきする場合には、通常用いられているワット浴、スルファミン酸浴を用いることで本実施形態と同様に好適な導電層1を形成することができる。
以下に、図1、図2、図9及び図10を参照し、本発明の実施例を具体的に説明する。但し、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
本実施例は、セミアディティブ法を用いて形成した本発明に係る電磁波シールド部材Aと、従来の電磁波シールド部材とを用い、それぞれの電磁波シールド部材のシールド特性及び光学特性を比較することによって、本発明に係る電磁波シールド部材Aの優位性を明らかにしたものである。
本発明に係る電磁波シールド部材Aには、厚さd4が50μmのPET基材10上に、第一の導電性物質11をITOとし、第二の導電性物質12を銅として形成した導電層1を備える実施例1及び実施例2の2種類の電磁波シールド部材A1、A2を用いている。ここで、実施例1の電磁波シールド部材A1は、図1及び図2に示した電磁波シールド部材Aであり、導電層1のライン幅d2を5μm、ライン間隔d3を200μm、ライン高さd1を5μmとして形成されている。実施例2の電磁波シールド部材A2は、導電層1のライン幅d2が10μm、ライン間隔d3が300μm、ライン高さd1が5μmとなるように形成されている。
一方、従来の電磁波シールド部材には、比較例1と比較例2と比較例3の3種類の電磁波シールド部材B1、B2、B3を用いており、このうち、比較例1(B1)は、厚さが50μmのPET基材上の全面に、導電性材料であるITOをスパッタ法により2000Åの厚さで成膜して形成されている。また、比較例2(B2)は、厚さが50μmのPET基材上の全面に、導電性材料であるアルミニウム(Al)を2000Åの厚さで蒸着して形成されている。比較例3(B3)は、図9及び図10に示したものであり、厚さが50μmのPET基材上に、接着剤を介して粗面化した銅箔を貼り合わせ、これをエッチング加工することによって、すなわちサブトラクティブ法を用いて形成されている。この比較例3(B3)の電磁波シールド部材においては、導電層のライン幅d2が10μm、ライン間隔d3が300μmとされ、メッシュ状の幾何学形状で形成されている。
そして、上記の実施例1、2及び比較例1、2、3の各電磁波シールド部材A1、A2、B1、B2、B3に対し、ヘイズ(曇り度合い:曇価)、非視認性(透明性)、電磁波シールド性を測定し、各測定値を比較することによって優劣を確認している。ここで、本実施例において、ヘイズは、JIS K7105を用いて測定し、波長400nm〜800nmの平均値から求めている。また、非視認性は、各電磁波シールド部材A1、A2、B1、B2、B3をそれぞれアクリル板で挟み、0.5m離れたところから目視して図形が視認可能か否かを確認しており、視認不能である場合を優(◎)、概ね視認できないと判断される場合を良(○)、視認可能である場合を劣(×)として評価している。電磁波シールド性は、各電磁波シールド部材A1、A2、B1、B2、B3をそれぞれ一辺が12cmの正方形に切り出し、アンリツ社製のEMI測定システムを用いてKEC(関西電子工業振興センター)法に準拠した方法でそれぞれの電磁波シールド特性を測定している。このとき、本実施例では、周波数300MHzの電磁波を各電磁波シールド部材A1、A2、B1、B2、B3にそれぞれ照射し、何dBのシールド効果が得られるかを測定して評価している。
上記のように行なった試験結果を表1に示す。
この結果、本発明に係る実施例1(A1)及び実施例2(A2)は、ヘイズ(曇り度合い)が18%、20%を示し、ITO薄膜を形成した比較例1(A1)の15%よりは大きいが、アルミニウム薄膜を形成した比較例2(A2)及びサブトラクティブ法を用いて形成した比較例3(B3)よりも小さな値を示すことが確認された。また、非視認性は、ライン幅d2が小さく細線化した実施例1(A1)が特に優れることが確認された。さらに、実施例1(A1)及び実施例2(A2)は、導電層1のライン高さd1が比較例3(B3)の半分であるにもかかわらず、比較例3(B3)とほぼ同等の電磁波シールド性を備えることが確認され、PET基材上の全面にITO薄膜やアルミニウム薄膜を形成した比較例1(B1)と比較例2(B2)よりも大幅に電磁波シールド性に優れることが確認された。
Figure 0005145671
以上の結果から、本発明に係る電磁波シールド部材A(A1、A2)は、ヘイズ、透明性(非視認性)、電磁波シールド性を総合的に判断して従来の電磁波シールド部材よりも高レベルの光学特性と電磁波シールド特性を兼ね備えることが実証された。
本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の一部を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造において、プラスチックフィルムを用意した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造において、プラスチックフィルム上に第一の導電性物質を一様に積層形成した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造において、第一の導電性物質上にレジストを積層した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造において、積層したレジストを露光・現像してパターニングを行った状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造において、レジストのパターニングによって形成した凹部に第二の導電性物質を充填形成した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド部材の製造において、レジストを除去して導電層を形成した状態を示す断面図である。 従来の電磁波シールド部材の一部を示す平面図である。 従来の電磁波シールド部材の一部を示す断面図である。
符号の説明
1 導電層
1a 側面
2 レジスト
3 開口部
3a 隅角部
10 プラスチックフィルム(基材)
10a 一面
11 第一の導電性物質(第一の導電性層、ITO)
12 第二の導電性物質(第二の導電性層、銅もしくはニッケル)
13 凹部
A 電磁波シールド部材
B 従来の電磁波シールド部材

Claims (4)

  1. 画像表示装置の画像を表示する前面側に設けられて前記前面から発生する電磁波を遮断するメッシュ状の導電層を備えた電磁波シールド部材の製造方法であって、
    インジウムを含む第一の導電性物質を透明のプラスチックフィルム上に一様に積層形成した後に、フォトリソグラフィーを用いて前記第一の導電性物質上に積層形成したレジストのパターニングを行い、該パターニングで形成した前記第一の導電性物質が露出する凹部に、前記第一の導電性物質と異なる金属の第二の導電性物質を充填形成した段階で、前記レジストを除去するとともに該レジストの除去により露出した前記第一の導電性物質を除去して、前記第一の導電性物質と前記第二の導電性物質からなる幾何学形状の前記導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法。
  2. 請求項1記載の電磁波シールド部材の製造方法において、
    前記第一の導電性物質と前記第二の導電性物質を積層してなるラインの幅を5μmから10μmとし、隣り合うラインの間隔を200μmから300μmとして前記導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法。
  3. 請求項2に記載の電磁波シールド部材の製造方法を用いて形成されていることを特徴とする電磁波シールド部材。
  4. 請求項3記載の電磁波シールド部材が画像を表示する前面側に設けられていることを特徴とする画像表示装置。
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