JP5145332B2 - プローブカード - Google Patents

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Description

本発明は、電気信号の入力または出力に用いられる配線構造を含む複数の導電領域が表面上に形成された検査対象に関して、その配線構造に対する電気的接続を行うプローブカードに関するものである。
従来、例えば液晶ディスプレイを構成する液晶パネルのドライバ回路等にTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Film)等のTCP(Tape Carrier Package)を用いた構成が知られている。TCPは、表面に配線構造を形成したフレキシブルなフィルム基材上に半導体チップを搭載し、搭載した半導体チップを樹脂によって封止することによって形成される。
TCPを製造する際には、他の半導体集積回路の場合と同様に不良品の検出等の目的で電気的な検査が行われる。具体的には、例えばフィルム基材上に形成された配線構造における電気的短絡・断線等の有無の検査や、半導体チップを搭載した後に配線構造を介して所定の検査信号を半導体チップに対して入出力する動作特性検査等が行われる。電気的な検査を行う際には、導電性を有するプローブを用いて検査信号の入出力を行うが、プローブを検査対象の所定箇所に接触させるためには、フィルム基材上に形成された配線構造とプローブとの正確な位置合わせを行う必要がある。そのため、従来の検査装置では、入出力端子と配線構造との接触部分を視認するための機構が設けられている。
接触部分を視認するための技術として、接触部分から外部に至るまで直線的に延びる貫通孔を形成し、この貫通孔を介して接触部分の位置関係を外部から視認可能とした技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平4−307953号公報
しかしながら、プローブが検査対象の表面に対してその表面と略直交する方向から接触する場合には、カメラを用いてプローブの先端と検査対象の電極との接触状態を確認しようとしても、プローブの先端と検査対象の電極とが重なり合ってしまい、両者の接触状態を確認することが難しく、位置合わせに苦慮する場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検査対象の表面に対してその表面と略直交する方向から接触するプローブを用いる場合であっても、プローブと検査対象との位置合わせを容易にかつ適確に行うことができるプローブカードを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るプローブカードは、検査対象と検査用の信号を生成する回路構造との間を電気的に接続して信号の送受信を行うプローブカードであって、各々が導電性材料からなり、長手方向の一端が前記検査対象の表面に対して当該表面と略直交する方向から接触する複数のプローブと、各々が板厚方向に貫通して前記複数のプローブのいずれかを収容する複数の孔部を有するとともに、板厚方向に貫通する第1開口部を有するプローブホルダと、前記プローブホルダに固着され、前記複数のプローブおよび前記回路構造と電気的に接続される配線部を有するとともに、板厚方向に貫通して前記第1開口部と連通する第2開口部を有する配線基板と、前記第1および第2開口部を前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に延長した3次元領域の内部に位置する先端部をそれぞれ有する複数のマーク部材と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るプローブカードは、上記発明において、前記複数のマーク部材の各々が有する先端部は、前記複数のプローブが前記検査対象の表面の所定位置に接触する際、前記検査対象の表面にそれぞれ設けられる複数の位置合わせ用領域のいずれかと前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に沿って重なる位置に配置されたことを特徴とする。
また、本発明に係るプローブカードは、上記発明において、前記検査対象は、フィルム状をなす絶縁性材料の表面に、各々が前記複数の位置合わせ用領域を有する複数の回路形成領域が長手方向に沿って設けられたものであり、前記複数のマーク部材の各々が有する先端部は、前記複数のプローブが前記複数の回路形成領域のいずれかと接触する際、この接触する回路形成領域に隣接した回路形成領域の表面に設けられる前記複数の位置合わせ用領域のいずれかと前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に沿って重なる位置に配置されたことを特徴とする。
また、本発明に係るプローブカードは、上記発明において、前記複数のマーク部材は、前記プローブホルダに設けられたことを特徴とする。
また、本発明に係るプローブカードは、上記発明において、前記複数のマーク部材の中には、先端部の最先端が前記複数のプローブのうち列状に並んだ部分の配列方向と略平行な直線を通過するマーク部材が二つ以上含まれ、前記直線を通過する二つ以上のマーク部材の先端部の最先端同士の間隔の最大値は、前記複数のプローブの一部が列状に並んだ部分の列の長さと略等しいことを特徴とする。
また、本発明に係るプローブカードは、上記発明において、前記マーク部材の先端部の最先端を通過し、かつ前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向と直交する平面は、前記複数のプローブがフルストロークしたときに前記プローブホルダから突出する各プローブの最先端を通過する先端面よりも前記配線基板に近いことを特徴とする。
本発明に係るプローブカードによれば、各々が導電性材料からなり、長手方向の一端が検査対象の表面に対して当該表面と略直交する方向から接触する複数のプローブと、各々が板厚方向に貫通して複数のプローブのいずれかを収容する複数の孔部を有するとともに、板厚方向に貫通する第1開口部を有するプローブホルダと、このプローブホルダに固着され、複数のプローブおよび回路構造と電気的に接続される配線部を有するとともに、板厚方向に貫通して第1開口部と連通する第2開口部を有する配線基板と、第1および第2開口部をプローブホルダおよび配線基板の板厚方向に延長した3次元領域の内部に位置する先端部をそれぞれ有する複数のマーク部材と、を備えたため、長手方向が検査対象の表面に対してその表面と略直交する方向から接触するプローブを用いる場合であっても、複数のマーク部材を用いることによってプローブと検査対象との位置合わせを容易にかつ適確に行うことが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るプローブカードの要部の構成を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係るプローブカードおよび被接触体(検査対象)の要部の構成を示す図である。 図3は、プローブホルダおよび被接触体の要部の構成を示す斜視図である。 図4は、プローブホルダの構成を示す平面図である。 図5は、プローブおよびプローブホルダのプローブ収容部分の構成を示す部分断面図である。 図6は、プローブのフルストローク時の先端面とマーク部材の先端部の最先端を通過する基準面との位置関係を示す図である。 図7は、マーク部材とテストパッドとの位置合わせの概要を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1の一変形例に係るプローブカードが備えるマーク部材の構成と、このマーク部材を用いて行う位置合わせの概要を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態2に係るプローブカードの要部の構成を示す断面図である。 図10は、本発明の実施の形態2に係るプローブカードが備えるプローブホルダとマーク部材の構成を示す平面図である。 図11は、本発明の実施の形態3に係るプローブカードの要部の構成を示す断面図である。 図12は、本発明の実施の形態3に係るプローブカードが備えるプローブホルダとマーク部材の構成を示す平面図である。
符号の説明
1、9、18 プローブカード
2 プローブ
3、16、19 プローブホルダ
4、17 配線基板
5、8 マーク部材
5a、8a 先端部
6 リード線
6e 端部
7 カメラ
10 被接触体(検査対象)
10a 回路形成領域
11 チップ搭載領域
12 インナーリード
13 アウターリード
14、14p テストパッド
15 スプロケットホール
21、22 針状部材
23 バネ部材
31、191 第1基板
32、192 第2基板
33、193 第3基板
41、171 配線部
42、172 第2開口部
100 信号処理回路
164、197、332 第1開口部
194、195、196 開口部
200 ネジ部材
311、321、331 孔部
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。なお、図面は模式的なものであって、各部分の厚みと幅との関係、それぞれの部分の厚みの比率などは現実のものとは異なる場合もあることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプローブカードの要部の構成を示す平面図である。同図に示すプローブカード1は、検査対象である被接触体10の電気特性を検査する装置であり、長手方向の一端が被接触体10の表面と接触可能な複数のプローブ2と、各々が板厚方向に貫通されて成り、複数のプローブ2を個別に収容する複数の孔部を有するプローブホルダ3と、プローブホルダ3に固着され、各プローブ2の端部のうち被接触体10に接触しない端部と電気的に接続されるとともに、被接触体10に送信する信号を生成する回路構造と電気的に接続される配線基板4と、複数のプローブ2を被接触体10に接触させる際の位置合わせを行う複数のマーク部材5と、を備える。
図2は、プローブカード1および被接触体10の要部の構成を示す図である。図2に示すプローブカード1は、図1のA−A線断面図である。図3は、プローブホルダ3および被接触体10の要部の構成を示す斜視図である。図4は、プローブホルダ3の構成を示す平面図であり、図1の中央部の拡大図である。図5は、プローブ2およびプローブホルダ3のプローブ収容部分の構成を示す部分断面図である。以下、図1〜図5を参照して、プローブカード1および被接触体10の詳細な構成を説明する。
まず、被接触体10の構成を説明する。被接触体10は、図2および図3に示すように、フィルム状の絶縁性材料の表面に、複数の回路形成領域10aが、長手方向に沿って一定間隔で形成されている。回路形成領域10aは、半導体チップを搭載するチップ搭載領域11と、チップ搭載領域11に接続される複数のインナーリード12と、複数のインナーリード12にそれぞれ接続される複数のアウターリード13と、複数のアウターリード13にそれぞれ接続され、検査時に電気信号の入出力に用いられる複数のテストパッド14と、を備える。
複数のテストパッド14は、各々が長方形状の表面を有し、チップ搭載領域11を挟んで互いに平行な二つの列をなすように分散して配設されている。複数のテストパッド14の中には、通常のテストパッド14としての機能に加えて、プローブカード1との位置合わせを行うための位置合わせ用領域としての機能を有するものがある。以後、位置合わせ用領域としての機能も有するテストパッド14のことを「テストパッド14p」という。本実施の形態1において、テストパッド14pは、複数のテストパッド14がそれぞれ並んでいる2つの列のうちの一方の列の両端に位置している。なお、図2および図3では、チップ搭載領域11に半導体チップが搭載される前の状態を示しているが、本実施の形態1では、半導体チップを搭載した被接触体を検査することも可能である。
プローブ2は、図5に示すように、長手方向の両端に配置される針状部材21および22と、針状部材21および22を連結するバネ部材23とを有する。針状部材21、22およびバネ部材23は、金属等の導電性材料によってそれぞれ形成され、針状部材21とバネ部材23、針状部材22とバネ部材23が互いに固着することによって物理的に一体となっており、長手方向に沿って伸縮自在である。このような構成を有する複数のプローブ2は、被接触体10の複数のテストパッド14の配置パターンと対応して互いに平行な2列に配置され、各々が対応するテストパッド14の表面と略直交する方向から物理的に接触することにより、被接触体10に対して所定の電気信号の入力または出力を行う。なお、複数のプローブ2の配置パターンは直線的に2列に配置されている場合に限られるわけではなく、被接触体10の回路形成領域10aのテストパッド14の配置パターンに応じて定められる。例えば、複数のプローブ2がジグザグに並んで列状をなすような配置パターンもある。
プローブホルダ3は、被接触体10と対向する側に位置する第1基板31と、第1基板に積層される第2基板32と、第2基板に積層される第3基板33とを有する。第1基板31および第2基板32は、互いに連通してプローブ2を収容する孔部311および321をそれぞれ有する。他方、第3基板33は、孔部311および321と連通し、リード線6を収容する孔部331を有する。第1基板31、第2基板32、第3基板33は、それぞれ絶縁性材料によって形成され、ネジ部材200によって互いに固着される。第3基板33には、板厚方向に貫通する第1開口部332が設けられている(図2〜図4を参照)。
配線基板4は円盤状をなし、被接触体10と対向しない側(図2の下面側)の表面にパターン形成された配線部41と、プローブホルダ3の第1開口部332と連通する第2開口部42とを有する。配線部41には、プローブ2の針状部材21と一端が接触するリード線6の他端が所定の箇所に半田付けされている。配線部41は、検査用の信号を生成出力する回路構造である信号処理回路100に所定の配線を介して電気的に接続されている。
配線基板4の配線部41とプローブ2の針状部材22とを電気的に接続するリード線6は、図5に示すように針状部材22と接触する端部6eが潰し加工されている。端部6eは、リード線6を第3基板33の孔部331に挿通したときの抜け止め機能を有する。なお、リード線6の端部6eと孔部331との間に接着剤を注入することによってリード線6を第3基板33に接着してもよい。接着剤を適用する場合には、リード線の端部を潰し加工しなくてもよい。
マーク部材5は、プローブホルダ3の第1基板31に二つ設けられている。マーク部材5は、図2に示すように、第1開口部332および第2開口部42の連通部分をプローブホルダ3および配線基板4の板厚方向に延長した3次元領域Dの内部に位置する先端部5aを有する。マーク部材5の先端部5aは、プローブ2が被接触体10の回路形成領域10aに接触する際、この回路形成領域10aに隣接する回路形成領域10aの二つのテストパッド14pとプローブホルダ3および配線基板4の板厚方向(図2の上下方向)に沿ってそれぞれ重なる位置に配置されている。マーク部材5の表面のうち被接触体10と対向する側の表面は、プローブホルダ3の第1基板31の表面のうちプローブ2が外部へ突出している表面と面一である。マーク部材5の先端部5aは、図2に示すように、最先端に近づくほどプローブホルダ3および配線基板4の板厚方向(図2の上下方向)の厚さが小さくなるテーパ形状の断面を有している。
二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士を結ぶ直線Lは、列状に並んだプローブ2の配列方向(図4の上下方向)と平行である。また、二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士の間隔dは、列状に並んだプローブ2の列の長さと略等しい。なお、二つのマーク部材5の中間位置に、先端部5aの最先端が直線Lを通過する一または複数のマーク部材5をさらに設けることも可能である。このように複数のマーク部材5の先端部5aの最先端が一つの直線を通過する場合には、その中の二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士の間隔の最大値が、列状に並んだプローブ2の列の長さと略等しくなるようにすればよい。
図6は、プローブ2がフルストロークした時に被接触体10と接触する側のプローブ2の最先端を通過する先端面とマーク部材5の先端部5aの最先端を通過する水平方向の基準面との位置関係を示す図である。図6において、マーク部材5の水平方向の基準面H2は、プローブ2のフルストローク時の先端面H1よりもΔhだけ配線基板4に近い。これにより、マーク部材5が被接触体10と接触することがなく、検査時にマーク部材5が被接触体10の表面を傷つけないで済む。Δhの具体的な値は、例えば1mm程度であり、0.1〜0.3mm程度であればより好ましい。
マーク部材5の先端部5aは、配線基板4の表面のうちプローブホルダ3が固着されていない表面側から第2開口部42、第1開口部332を介して目視可能である。本実施の形態1では、図2に示すように、配線基板4の表面のうちプローブホルダ3が固着されていない表面側にカメラ7を設置し、カメラ7が撮像した画像をもとにしてマーク部材5と被接触体10の位置合わせを行う。カメラ7はCCDカメラ等の小型カメラであり、配線基板4の表面と略平行な一つの平面(図2の左右方向と略平行な平面)内で互いに直交する方向にそれぞれ移動可能である。カメラ7には、撮像領域に光を照射する発光部が設けられている(図示せず)。この発光部は、カメラ7と別体でもよい。
図7は、被接触体10の検査前に行うマーク部材5の先端部5aと被接触体10のテストパッド14pとの位置合わせの概要を示す図であり、カメラ7によって撮影している画像の一部を模式的に示す図である。マーク部材5の先端部5aと被接触体10のテストパッド14pとの位置合わせを行う際には、プローブカード1または被接触体10を動かすことにより、先端部5aの最先端とテストパッド14pの中心とがプローブホルダ3および配線基板4の板厚方向に沿って重なって見えるようにする。
上述したように、マーク部材5の先端部5aは、最先端に近づくほどプローブホルダ3および配線基板4の板厚方向の厚さが小さくなるテーパ形状の断面を有している。このため、先端部5aの最先端におけるプローブホルダ3および配線基板4の板厚方向の厚さを可能な限り小さくすれば、カメラ7から先端部5aの最先端までの距離とカメラ7からテストパッド14pの表面までの距離との差を可能な範囲で最小にすることができ、カメラ7がマーク部材5とテストパッド14pの両方を鮮明に撮影することができるようになる。
なお、図7では、マーク部材5の先端部5aの最先端とテストパッド14pの中心を位置合わせしていたが、マーク部材5の先端部5aの最先端とテストパッド14pの外周の適当な位置を位置合わせするようにしてもよい。
マーク部材5とテストパッド14pとの位置合わせを行った後、被接触体10とプローブカード1を接近させると、マーク部材5と位置合わせされたテストパッド14pを有する回路形成領域10aに隣接した回路形成領域10aが有する複数のテストパッド14(テストパッド14pを含む)と各テストパッド14に対応する複数のプローブ2とを正確に接触させることができる。この後、信号処理回路100から検査用の信号を出力させることにより、被接触体10の電気的検査を行う。一つの回路形成領域10aに対する検査が終了した後は、被接触体10とプローブ2との接触を解除し、被接触体10を長手方向に沿って移動する。この移動は、被接触体10の幅方向の両端部に、長手方向に沿って一定の間隔で設けられたスプロケットホール15を介してハンドラーにより行う。被接触体10を移動した後、隣接する回路形成領域10aに対して上記同様の位置合わせを行う。このようにして、被接触体10の全ての回路形成領域10aに対する検査を順次行う。
以上説明した本発明の実施の形態1に係るプローブカードによれば、各々が導電性材料からなり、長手方向の一端が検査対象の表面に対して当該表面と略直交する方向から接触する複数のプローブと、各々が板厚方向に貫通して複数のプローブのいずれかを収容する複数の孔部を有するとともに、板厚方向に貫通する第1開口部を有するプローブホルダと、このプローブホルダに固着され、複数のプローブおよび回路構造と電気的に接続される配線部を有するとともに、板厚方向に貫通して第1開口部と連通する第2開口部を有する配線基板と、第1および第2開口部をプローブホルダおよび配線基板の板厚方向に延長した3次元領域の内部に位置する先端部をそれぞれ有する複数のマーク部材と、を備えたため、長手方向が検査対象の表面に対してその表面と略直交する方向から接触するプローブを用いる場合であっても、複数のマーク部材を用いることによってプローブと検査対象との位置合わせを容易にかつ適確に行うことが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、マーク部材周辺の開口部を大きくとることができるため、カメラ近傍から照射される光もマーク部材周辺に到達しやすく、カメラで撮像する画像が明るく、検査対象表面のパターンを広範囲で目視することができるため、初期の位置合わせが非常に容易となる。
なお、マーク部材の先端部の形状は、上述したものに限られるわけではない。図8は、本実施の形態1の一変形例に係るプローブカードが備えるマーク部材の構成と、このマーク部材を用いて行う位置合わせの概要を示す図である。同図に示すマーク部材8は、テストパッド14pの一辺と同じ幅を有する帯状の先端部8aを備える。本変形例においては、マーク部材8の先端部8aの最先端をなす直線が、テストパッド14pの一辺(図8に示す場合には、アウターリード13が接続する辺と対向する辺)と一致するように位置合わせを行う。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係るプローブカードの要部の構成を示す断面図である。図10は、本実施の形態2に係るプローブカードが備えるプローブホルダおよびマーク部材の構成を示す平面図である。これらの図に示すプローブカード9は、複数のプローブ2、プローブホルダ16、配線基板17および複数のマーク部材5を備える。
プローブホルダ16は、四つのマーク部材5が設けられた第1基板161と、第1基板161に積層される第2基板162と、第2基板162に積層される第3基板163とを備える。第3基板163には、板厚方向に貫通する二つの第1開口部164が設けられている。プローブ2を収容する第1基板161および第2基板162の孔部の構成は、上記実施の形態1で説明したプローブホルダ3の第1基板31の孔部311および第2基板32の孔部321の構成(図5を参照)とそれぞれ同じである。また、リード線6を挿通する第3基板163の孔部の構成は、プローブホルダ3の第3基板33の孔部331の構成(図5を参照)と同じである。
配線基板17は円盤状をなし、被接触体10と対向しない側(図9の下面側)の表面にパターン形成された配線部171と、プローブホルダ16の二つの第1開口部164とそれぞれ連通する二つの第2開口部172とを有する。配線部171には、プローブ2の針状部材21と一端が接触するリード線6の他端が所定の箇所に半田付けされている。配線部171は、所定の配線を介して信号処理回路100にも電気的に接続されている。
マーク部材5は、プローブホルダ16の第1基板161に四つ設けられている。マーク部材5は、各々が第1開口部164および第2開口部172の連通部分をプローブホルダ16および配線基板17の板厚方向(図9の上下方向)に延長した二つの3次元領域D2のいずれかの内部に位置する先端部5aを有する。マーク部材5の先端部5aは、プローブ2が被接触体10の回路形成領域10aに接触する際、この回路形成領域10aの両側で各々隣接する二つの回路形成領域10aがそれぞれ有する所定のテストパッド14pと、プローブホルダ16および配線基板17の板厚方向(図9の上下方向)に沿ってそれぞれ重なる位置に配置されている。このため、本実施の形態2において、被接触体10の回路形成領域10aで位置合わせ用領域としての機能を有するテストパッド14pは、回路形成領域10aの四隅にそれぞれ配置されたテストパッド14である。
図10に示すように、同じ3次元領域D2内に位置する二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士を結ぶ直線L2は、一列に並んだプローブ2の配列方向(図10の上下方向)と平行であり、この二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士の間隔d2は、列状に並んだプローブ2の列の長さと略等しい。
カメラ7を用いてプローブカード9と被接触体10との位置合わせを行う際には、プローブ2を接触させる回路形成領域10aの長手方向の両側で隣接した二つの回路形成領域10aがそれぞれ有するテストパッド14pのうち、プローブ2を接触させる回路形成領域10aまでの距離が短い方のテストパッド14pの中心の位置と、対応するマーク部材5の先端部5aの最先端の位置とが、プローブホルダ16および配線基板17の板厚方向に沿って重なって見えるように調整する。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、一段と精度の高い位置合わせを行うことが可能となる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係るプローブカードの要部の構成を示す断面図である。図12は、本実施の形態3に係るプローブカードが備えるプローブホルダおよびマーク部材の構成を示す平面図である。これらの図に示すプローブカード18は、複数のプローブ2、プローブホルダ19、配線基板4および複数のマーク部材5を備える。
プローブホルダ19は、二つのマーク部材5が設けられた第1基板191と、第1基板191に積層される第2基板192と、第2基板192に積層される第3基板193とを備える。第1基板191には、板厚方向に貫通する開口部194が設けられている。第2基板192および第3基板193にも、各基板の板厚方向に貫通し、第1基板191の開口部194と連通する開口部195および196がそれぞれ設けられている。3つの開口部194〜196は、第1開口部197を形成している。第1開口部197は、配線基板4の第2開口部42と連通している。プローブ2を収容する第1基板191および第2基板192の孔部の構成は、上記実施の形態1で説明したプローブホルダ3の第1基板31の孔部311および第2基板32の孔部321の構成(図5を参照)とそれぞれ同じである。また、リード線6を挿通する第3基板193の孔部の構成は、プローブホルダ3の第3基板33の孔部331の構成(図5を参照)と同じである。
マーク部材5は、プローブホルダ19の第1基板191に二つ設けられている。マーク部材5は、図12に示すように、第1開口部197および第2開口部42の連通部分をプローブホルダ19および配線基板4の板厚方向(図12の上下方向)に延長した3次元領域D3の内部に位置する先端部5aを有する。二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士を結ぶ直線L3は、列状に並んだプローブ2の配列方向(図12の上下方向)と平行である。また、二つのマーク部材5の先端部5aの最先端同士の間隔d3は、列状に並んだプローブ2の列の長さと略等しい。本実施の形態3においては、マーク部材5の先端部5aがプローブ2の方向を指向しており、上記実施の形態1に係るプローブカード1が備えるマーク部材5の先端部5aと逆方向を指向している。
カメラ7を用いてプローブカード18と被接触体10との位置合わせを行う際には、プローブ2を接触させる回路形成領域10aに隣接する回路形成領域10aのテストパッド14pの中心の位置と各テストパッド14pに対応したマーク部材5の先端部5aの最先端の位置とが、プローブホルダ19および配線基板4の板厚方向に沿って重なって見えるようにする。
以上説明した本発明の実施の形態3に係るプローブカードによれば、上記実施の形態1と同様、長手方向が検査対象の表面に対してその表面と略直交する方向から接触するプローブを用いる場合であっても、プローブと検査対象との位置合わせを容易にかつ適確に行うことができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を詳述してきたが、本発明は上述した三つの実施の形態によって限定されるべきものではない。例えば、マーク部材を第1基板と一体に構成することも可能である。
また、マーク部材は、プローブホルダとの位置関係が正確であればどの場所に設けてもよく、例えばプローブカードの配線基板に設けることも可能である。
さらに、テストパッドと位置合わせをする代わりに、適当な位置にアライメント用のマーク部材(位置合わせ用領域)を別に設けてもよい。例えば、プローブ用配線などでカメラの視野に障害が発生する等の問題がある場合には、プローブが接触する検査対象の回路形成領域内の適当な位置にアライメント用のマーク部材を設けるようにしてもよい。また、テストパッドとアライメント用のマーク部材を併用して位置合わせを行うようにしてもよい。アライメント用のマーク部材の先端部の表面形状は、三角形や四角形以外の多角形や円形でもよい。
なお、本発明で適用するプローブは、テストパッドや電極に垂直にコンタクトするものであればよく、バネ部材の外周を被覆するパイプ状部材を備えたプローブでもよい。また、バネ部材を有しないワイヤー型のプローブでもよいし、板状をなすブレード型のプローブでもよい。さらに、リード線と接触する側の端部で針状部材を用いることなく、リード線とバネ部材とを直接接触させるようにしてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
以上のように、本発明に係るプローブカードは、電気信号の入力または出力に用いられる配線構造を含む複数の導電領域が表面上に形成された検査対象に関して、その配線構造に対する電気的接続を行うのに有用であり、特に、TCPを製造する際の電気的な検査に適している。

Claims (5)

  1. 検査対象と検査用の信号を生成する回路構造との間を電気的に接続して信号の送受信を行うプローブカードであって、
    各々が導電性材料からなり、長手方向の一端が前記検査対象の表面に対して当該表面と略直交する方向から接触する複数のプローブと、
    各々が板厚方向に貫通して前記複数のプローブのいずれかを収容する複数の孔部を有するとともに、板厚方向に貫通する第1開口部を有するプローブホルダと、
    前記プローブホルダに固着され、前記複数のプローブおよび前記回路構造と電気的に接続される配線部を有するとともに、板厚方向に貫通して前記第1開口部と連通する第2開口部を有する配線基板と、
    前記第1および第2開口部を前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に延長した3次元領域の内部に位置する先端部をそれぞれ有する複数のマーク部材と、
    を備え
    前記マーク部材の先端部の最先端を通過し、かつ前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向と直交する平面は、前記複数のプローブがフルストロークしたときに前記プローブホルダから突出する各プローブの最先端を通過する先端面よりも前記配線基板に近いことを特徴とするプローブカード。
  2. 前記複数のマーク部材の中には、先端部の最先端が前記複数のプローブのうち列状に並んだ部分の配列方向と略平行な直線を通過するマーク部材が二つ以上含まれ、
    前記直線を通過する二つ以上のマーク部材の先端部の最先端同士の間隔の最大値は、前記複数のプローブの一部が列状に並んだ部分の列の長さと略等しいことを特徴とする請求項1記載のプローブカード。
  3. 検査対象と検査用の信号を生成する回路構造との間を電気的に接続して信号の送受信を行うプローブカードであって、
    各々が導電性材料からなり、長手方向の一端が前記検査対象の表面に対して当該表面と略直交する方向から接触する複数のプローブと、
    各々が板厚方向に貫通して前記複数のプローブのいずれかを収容する複数の孔部を有するとともに、板厚方向に貫通する第1開口部を有するプローブホルダと、
    前記プローブホルダに固着され、前記複数のプローブおよび前記回路構造と電気的に接続される配線部を有するとともに、板厚方向に貫通して前記第1開口部と連通する第2開口部を有する配線基板と、
    前記第1および第2開口部を前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に延長した3次元領域の内部に位置する先端部をそれぞれ有する複数のマーク部材と、
    を備え、
    前記複数のマーク部材の各々が有する先端部は、前記複数のプローブが前記検査対象の表面の所定位置に接触する際、前記検査対象の表面にそれぞれ設けられる複数の位置合わせ用領域のいずれかと前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に沿って重なる位置に配置され、
    前記検査対象は、フィルム状をなす絶縁性材料の表面に、各々が前記複数の位置合わせ用領域を有する複数の回路形成領域が長手方向に沿って設けられたものであり、
    前記複数のマーク部材の各々が有する先端部は、前記複数のプローブが前記複数の回路形成領域のいずれかと接触する際、この接触する回路形成領域に隣接した回路形成領域の表面に設けられる前記複数の位置合わせ用領域のいずれかと前記プローブホルダおよび前記配線基板の板厚方向に沿って重なる位置に配置されたことを特徴とするローブカード。
  4. 前記複数のマーク部材は、前記プローブホルダに設けられたことを特徴とする請求項記載のプローブカード。
  5. 前記複数のマーク部材の中には、先端部の最先端が前記複数のプローブのうち列状に並んだ部分の配列方向と略平行な直線を通過するマーク部材が二つ以上含まれ、
    前記直線を通過する二つ以上のマーク部材の先端部の最先端同士の間隔の最大値は、前記複数のプローブの一部が列状に並んだ部分の列の長さと略等しいことを特徴とする請求項記載のプローブカード。
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