JP5145069B2 - 給湯システム - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯タンクを備えた給湯システムに関し、特に、システム内に配備される配管の凍結を防止する技術に関する。
従来より、ヒートポンプにより水を沸き上げ、貯湯タンクに貯留した湯を配管を介してカランや食洗機等の湯使用端末に供給する給湯システムが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この種のシステムでは、配管の凍結を防止するために、温度センサにより外気温度を検出し、外気温検出温度が設定温度を下回るとヒートポンプによる沸き上げ運転を行って、経路内の湯又は水を循環させるようにしている。また、配管の凍結を防止する手段として、配管内の水を加熱するヒータを備えた給湯システムがある。
特開2006−57871号公報 特開2004−198057号公報
しかしながら、上記沸き上げ運転を行う給湯システムでは、沸き上げ運転が終了してから配管が凍結するまで時間が経過していない場合であっても、外気温検出温度が設定温度を下回ると、沸き上げ運転が行われることがあり、不必要な沸き上げ運転を行うことによる無駄な電力を消費する。また、上記ヒータを備えた給湯システムでは、部品数増加によるコストアップを招来する。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、無駄な電力を消費することなく、低コストでシステム内に配備される配管の凍結を防止する給湯システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、水と加熱された湯とを貯留する1又は複数の貯湯タンクと、前記貯湯タンクに接続される送水配管と、前記貯湯タンクに接続される送湯配管と、前記送水配管を介して給水した貯湯タンク内の水を沸き上げ、沸き上げた湯を前記送湯配管を介して貯湯タンクに送り込む熱源機と、前記熱源機を制御する制御部とを備えた給湯システムにおいて、外気温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記制御部は、前記温度検出手段による外気温検出温度が設定温度を下回り、かつ前記熱源機による沸き上げ運転が第1の設定時間行われていないときに、当該熱源機による沸き上げ運転を第2の設定時間行うものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の設定時間は、前記温度検出手段による外気温検出温度が高い程、長く設定されるものである。
請求項1の発明によれば、温度検出手段による外気温検出温度が設定温度を下回り、かつ熱源機による沸き上げ運転が第1の設定時間行われていないときに、熱源機による沸き上げ運転が第2の設定時間行なわれる。これにより、送水配管及び送湯配管内の湯水が循環することになり、無駄な電力を消費することなく、送水配管及び送湯配管の凍結を防止できる。また、送水配管及び送湯配管の凍結を防止する手段としてヒータを設ける場合に比べて、部品数が少ないので、システムの低コスト化が図れる。
請求項2の発明によれば、熱源機による沸き上げ運転の回数が低減され、消費電力を削減することができる。
本発明の一実施形態に係る給湯システムについて図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係る給湯システム1の構成を示す。給湯システム1は、水と加熱された湯を貯湯するメインタンク2a及びサブタンク2bから成る貯湯タンク2と、貯湯タンク2内の水を加熱するヒートポンプである熱源機3と、システム全体を制御する制御部4とを備える。メインタンク2aは、底部において給水配管51と繋がっており、給水を受けて水を貯留する。
熱源機3は、給水口がメインタンク2aの底部と送水配管61によって繋がっており、湯取り出し口が配管71a、71b、71c、71dから成る送湯配管71によってメインタンク2aの頂部に繋がっている。熱源機3は、送湯ポンプを内蔵しており、送水配管61を介してメインタンク2aの底部の水を吸引して沸き上げ、沸き上げた湯を送湯配管71を介してメインタンク2aの頂部に送り込む。
送湯配管71は、切替弁81においてメインタンク2aの中層部に繋がる送湯配管72に分岐しており、切替弁82においてサブタンク2bの頂部に繋がる送湯配管73に分岐している。切替弁81は、熱源機3が沸き上げた湯の送湯先を送湯配管71の配管71b側と送湯配管72側とに切り替える。切替弁82は、沸き上げられた湯の送湯先を送湯配管71の配管71d側と送湯配管73側とに切り替える。ここで、送湯配管71の配管71cは、高温給湯口に繋がる給湯配管91に合流しており、上記切替弁82は、高温給湯口への給湯元を、上述と同様に送湯配管71の配管71d側と送湯配管73側とに切り替える。
サブタンク2bは、底部において給水配管51から分岐した給水配管52と繋がっており、給水を受けて水を貯留する。サブタンク2bの底部は送水配管62と繋がっており、送水配管62は上述の送水配管61に合流する。従って、熱源機3は、上述のメインタンク2aに加えて、送水配管62、61を介してサブタンク2bの底部の水を吸引して沸き上げ、沸き上げた湯を送湯配管71、73を介してサブタンク2bの頂部に送り込む。
メインタンク2aの中層部は、配管92a、92b、92cから成る給湯配管92によって中温給湯口に繋がっている。給湯配管92は、切替弁83において給湯配管91から分岐した給湯配管93と繋がっており、混合弁84において給水配管51に合流する給水配管53に分岐している。切替弁83は、中温給湯口への給湯元を給湯配管92の配管92a側と給湯配管93側とに切り替える。混合弁84は、メインタンク2a及びサブタンク2bに貯留された湯と、給水配管53からの給水との混合比率を調整するためのものである。
ここで、給湯システム1は、外気温度を検出する温度センサ(温度検出手段)10を備える。温度センサ10は、例えば、屋外に設置される貯湯タンク2及びヒートポンプを収容する筐体(図示しない)に取り付けられる。制御部4は、上述した送水配管61、62及び送湯配管71、72、73の凍結を防止するため、温度センサ10により検出された外気温検出温度に基づいて、熱源機3及び切替弁81、82、83の動作を制御し、送水配管61、62及び送水配管71、72、73によって構成される複数の沸き上げ経路について熱源機3による沸き上げ運転を行う。制御部4は、外気温検出温度が設定温度を下回り、かつ熱源機3による沸き上げ運転が第1の設定時間行われていないときに、沸き上げ運転が行われていない沸き上げ経路について、熱源機3による沸き上げ運転を第2の設定時間行う。ここで、設定温度、第1の設定時間及び第2の設定時間は、制御部4に内蔵されるメモリに予め記憶されるものであり、下記表1は、設定温度を5℃としたときの第1の設定時間及び第2の設定時間の一例を示す。
Figure 0005145069
第1の設定時間は、外気温検出温度に応じて所定の値が設定されるように、所定の温度範囲毎にテーブル化されており、外気温度が低くなると配管の凍結が発生しやすいので、外気温検出温度が低くなるのに従って小さい値となっている。ここでは、外気温検出温度が5℃以下0℃未満のとき、第1の設定時間は60分に設定され、外気温検出温度が0℃以下−5℃未満のとき、第1の設定時間は30分に設定され、設定温度が−5℃以下10℃未満のとき、第1の設定時間は15分に設定され、外気温検出温度が−10℃以下のとき、第1の設定時間は10分に設定されるようになっている。第2の設定時間も、第1の設定時間と同様にテーブル化されており、ここでは、表に記す全ての温度範囲に対して1分に設定されるようになっている。
次に、上記のように構成された給湯システム1の動作について説明する。図2は、メインタンク2aの水を高温に沸き上げるときの動作と湯水の経路を示す。制御部4は、切替弁81を配管71b側に切り替えると共に、切替弁82を配管71d側に切り替える。制御部4が熱源機3による沸き上げ運転を行うと、図中の沸き上げ経路L1(点線で示す)に示されるように、熱源機3の送湯ポンプにより、メインタンク2aの底部の水が送水配管61を通って熱源機3に入り、沸き上げられた湯が配管71a、71b、71c、71dを通ってメインタンク2aの頂部に送られる。
なお、メインタンク2aの高温湯を給湯するとき、制御部4は、切替弁82を配管71d側に切り替える。高温給湯口が開かれると、図中の給湯経路M1(一点鎖線で示す)に示されるように、給水圧により給水が給水配管51からメインタンク2aの底部に入り、メインタンク2a内の湯が押し上げられ、メインタンク2aの頂部の高温湯が配管71d、71c、給湯配管91を通って高温給湯口から給湯される。
図3は、サブタンク2bの水を高温に沸き上げるときの動作と湯水の経路を示す。制御部4は、切替弁81を配管71b側に切り替えると共に、切替弁82を送湯配管73側に切り替える。制御部4が熱源機3による沸き上げ運転を行うと、図中の沸き上げ経路L2(点線で示す)に示されるように、熱源機3の送湯ポンプにより、サブタンク2bの底部の水が送水配管62、61を通って熱源機3に入り、沸き上げられた湯が配管71a、71b、71c、送湯配管73を通ってサブタンク2bの頂部に送られる。
なお、サブタンク2bの高温湯を給湯するとき、制御部4は、切替弁82を送湯配管73側に切り替える。高温給湯口が開かれると、図中の給湯経路M2(一点鎖線で示す)に示されるように、給水圧により給水が給水配管51、52からサブタンク2bの底部に入り、サブタンク2b内の湯が押し上げられ、サブタンク2bの頂部の高温湯が送湯配管73、配管71c、給湯配管91を通って高温給湯口から給湯される。
図4は、メインタンク2aの水を中温に沸き上げるときの動作と湯水の経路を示す。制御部4は、切替弁81を送湯配管72側に切り替える。制御部4が熱源機3による沸き上げ運転を行うと、図中の沸き上げ経路L3(点線で示す)に示されるように、熱源機3の送湯ポンプにより、メインタンク2aの底部の水が送水配管61を通って熱源機3に入り、沸き上げられた湯が配管71a、送湯配管72を通ってメインタンク2aの中層部に送られる。
なお、中温湯を給湯するとき、メインタンク2aに中温湯がある場合には、制御部4は、切替弁83を配管92a側に切り替える。中温給湯口が開かれると、図中の給湯経路M3(一点鎖線で示す)に示されるように、給水圧により給水が給水配管51からメインタンク2aの底部に入り、メインタンク2aの中層部の中温湯が配管92a、92bを通って混合弁84に送られる。混合弁84に送られた中温湯は、所定の混合比率で給水配管53からの給水と混合され、中配管92cを通って中温給湯口から給湯される。また、メインタンク2aに中温湯がない場合には、制御部4は、切替弁82を配管71d側に切り替えると共に、切替弁83を給湯配管93側に切り替える。中温給湯口が開かれると、図中の給湯経路M4(2点鎖線で示す)に示されるように、給水圧により給水が給水配管51からメインタンク2aの底部に入り、メインタンク2aの頂部の高温湯が配管71d、71c、給湯配管91、93、配管92bを通って混合弁84に送られる。混合弁84に送られた高温湯は、所定の混合比率で給水配管53からの給水と混合され、配管92cを通って中温給湯口から給湯される。
次に、送水配管61、62及び送湯配管71、72、73の凍結を防止するための沸き上げ運転を行うときの制御部4の処理手順について説明する。図5は、上記処理のフローチャートを示す。ここで、制御部4は、温度センサ10から出力される検出信号から外気温検出温度を一定時間(例えば、10分)毎に取得するものとする。制御部4は、温度センサ10の外気温検出温度を取得すると(#1)、外気温検出温度が設定温度を下回るかどうかを判断する(#2)。上記判断の結果、外気温検出温度が設定温度を下回るとき(#3でYES)、制御部4は、第1の設定時間及び第2の設定時間を外気温検出温度に応じた値に設定する(#4)。一方で、外気温検出温度が設定温度を下回らないとき(#3でNO)、制御部4は、何も行わず本処理を終了する。
第1の設定時間及び第2の設定時間を設定した(#4)後、制御部4は、熱源機3による沸き上げ運転が第1の設定時間行われていないかどうか、つまり、熱源機3による沸き上げ運転が終了してから第1の設定時間経過しているかどうかを判断する(#5)。このとき、制御部4は、上述の図2で示す沸き上げ経路L1、図3で示す沸き上げ経路L2、図4で示す沸き上げ経路L3それぞれについて上記判断を行う。ここで、#5の処理において判断される沸き上げ運転とは、配管の凍結を防止するための沸き上げ運転に限られず、貯留タンクの湯を沸き上げるための沸き上げ運転を含む。上記判断の結果、熱源機3による沸き上げ運転が終了してから第1の設定時間経過しているとき(#6でYES)、制御部4は、第1の設定時間経過している沸き上げ経路について、熱源機3による沸き上げ運転を第2の設定時間行い(#7)、本処理を終了する。一方で、第1の設定時間経過していないとき(#6でNO)、制御部4は、熱源機3による沸き上げ運転を行わず、本処理を終了する。
以上、本実施形態に係る給湯システム1によれば、温度センサ10による外気温検出温度が設定温度を下回り、かつ熱源機3による沸き上げ運転が第1の設定時間行われていないときに、沸き上げ運転が行われていない沸き上げ経路について、熱源機3による沸き上げ運転が第2の設定時間行なわれる。これにより、送水配管61、62及び送湯配管71、72、73内の湯水が循環することになり、無駄な電力を消費することなく、送水配管61、62及び送湯配管71、72、73の凍結を防止できる。また、熱源機3による沸き上げ運転の回数が低減され、消費電力を削減することができる。また、送水配管61、62及び送湯配管71、72、73の凍結を防止する手段としてヒータを本システムに設ける場合に比べて、部品数が少ないので、システムの低コスト化が図れる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、給湯システム1が2つのタンクを備えた構成について例示したが、単数のタンクで構成されるものであってもよいし、3つ以上のタンクで構成されるものであってもよい。また、熱源機3はヒートポンプに限られず、燃焼式の湯沸器であってもよい。また、タンクの頂部とは、タンクの頂上部分だけでなく、タンクの上部全体を含み、タンクの底部とは、タンクの底面部分だけでなく、タンクの下部全体を含む。
本発明の一実施形態に係る給湯システムを示す構成図。 メインタンクの水を高温に沸き上げる動作を示す説明図。 サブタンクの水を高温に沸き上げる動作を示す説明図。 メインタンクの水を中温に沸き上げる動作を示す説明図。 配管の凍結を防止するための沸き上げ運転を行うときの制御部の処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 給湯システム
2a メインタンク
2b サブタンク
2 貯湯タンク
3 熱源機
4 制御部
10 温度センサ
61、62 送水配管
71、72、73 送湯配管

Claims (2)

  1. 水と加熱された湯とを貯留する1又は複数の貯湯タンクと、前記貯湯タンクに接続される送水配管と、前記貯湯タンクに接続される送湯配管と、前記送水配管を介して給水した貯湯タンク内の水を沸き上げ、沸き上げた湯を前記送湯配管を介して貯湯タンクに送り込む熱源機と、前記熱源機を制御する制御部とを備えた給湯システムにおいて、
    外気温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記温度検出手段による外気温検出温度が設定温度を下回り、かつ前記熱源機による沸き上げ運転が第1の設定時間行われていないときに、当該熱源機による沸き上げ運転を第2の設定時間行うことを特徴とする給湯システム。
  2. 前記第1の設定時間は、前記温度検出手段による外気温検出温度が高い程、長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
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