JP5144910B2 - 薬効成分複合化微粒子水分散液およびその製造方法、並びに口腔用組成物 - Google Patents
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Description
この口腔用組成物は、微細炭酸カルシウムとデキストラナーゼと他の成分とを単に混合することにより形成されているため、口腔用組成物中の微細炭酸カルシウム粒子が再凝集して粒径が粗大化しやすく、そのために表面積が低下して、薬効成分の炭酸カルシウムへの吸着効率が不充分となる場合がある。
この技術では、薬効成分が油分などの水難溶性物質であり、この水難溶性物質を炭酸カルシウム微粒子で被覆して、水中に分散させている。したがって、薬効成分が水溶性である場合には、水溶性薬効成分が水相に溶出してしまうため、薬効成分微粒子自体を形成することができず、目的を達することができない。
上記特許文献3〜9に開示の技術では、有効成分は高分子化合物に限定されており、組成物の粘度が高くなり、口腔用途に使用した場合、プラーク内部など口腔内細部への浸透、滞留効率には限界がある。また、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトはプラークへの付着性が低く、薬効成分の口腔内滞留性が低いという課題が残る。
この技術では、ハイドロキシアパタイトはプラークへの付着性が低く、薬効成分の口腔内滞留性が低いという課題が残る。
この技術では、炭酸カルシウム粒子は平均粒径が1μm以上の粒子が使用されており、また炭酸カルシウム粒子と薬効成分を配合しているだけで、薬効成分の炭酸カルシウムへの担持効率が不充分であるため、薬効成分のプラークへの浸透、滞留性および口腔内滞留性が不充分であるという課題が残る。
この技術では、炭酸カルシウムを反応によって生成させる必要があり、副生成物が生じ、例えば、口腔用組成物として使用する場合、他の配合成分の安定性に悪影響を及ぼす懸念がある。また、ナノカプセルが再凝集により粒径が粗大化してしまい、薬効成分のプラークへの浸透、滞留性および口腔内滞留性が不充分になるという懸念がある。また、反応によって形成させた炭酸カルシウムの膜厚が小さすぎるため、水中で炭酸カルシウムが溶解する懸念がある。よって、口腔用組成物として使用する場合、炭酸カルシウムによる薬効成分のプラークへの浸透、滞留性および口腔内滞留性が低下するという課題が残る。
本発明にかかる薬効成分複合化微粒子水分散液は、(B)炭酸カルシウム微粒子に(A)水溶性薬効成分化合物が担持されてなる薬効成分複合化微粒子が水中に分散されてなる構成を有する。
本発明において、炭酸カルシウム微粒子に担持させる水溶性薬効成分化合物は、アニオン性官能基を有し、分子量が30以上1000以下である。
アニオン性官能基の配合効果は、炭酸カルシウム微粒子への水溶性薬効成分化合物の吸着性が向上する点にある。炭酸カルシウムのカルシウムと、アニオン性官能基との間に、キレート効果による吸引力が働くためと考えられる。また、この水溶性薬効成分化合物の炭酸カルシウム表面への担持によって、炭酸カルシウム微粒子の活性な表面が水溶性薬効成分化合物によって被覆されることになる。その結果、炭酸カルシウム微粒子同士が再凝集しにくくなるので、水溶媒中における炭酸カルシウム微粒子の分散安定性が向上する。
本発明において、「分子量が30〜1000の水溶性薬効成分化合物」とは、分子量が30以上1000以下であり、かつ該水溶性薬効成分化合物10質量%を90質量%の水に添加した時、25℃において完全に溶解する化合物を意味する。
なお、該水溶性薬効成分化合物が分子量分布を有する化合物である場合には、前記規定の分子量は数平均分子量で表されるものとする。
分子量が30未満となると、炭酸カルシウム微粒子への水溶性薬効成分化合物の吸着性が低下し、薬効成分複合化微粒子の分散安定性が低下することがあるので、好ましくない。一方、分子量が1000を超えると、薬効成分複合化微粒子の水分散液が増粘することになり、この増粘により、口腔用途に使用した場合、プラーク内部など口腔内細部への浸透、滞留効率が低下することがあるので、好ましくない。
本発明に用いられる炭酸カルシウム微粒子は、前記水溶性薬効成分化合物を水媒体中において安定的に保持し、口腔の細部に滞留させ、口腔内のプラーク内に効率的に放出させる役目を果たす水溶性薬効成分化合物の担体であり、体積平均粒径が1nm〜1μmであることが好ましい。
体積平均粒径が1nm未満となると、水溶媒中の炭酸カルシウムの大部分が水に溶解してしまうことがあり、炭酸カルシウムによる水溶性薬効成分化合物担持効果が得られなくなる場合があり、好ましくない。他方、体積平均粒径が1μmを超えると、水溶媒中における薬効成分複合化微粒子の分散安定性が低下することがある。さらに、口腔用途に使用した場合、プラーク内部など口腔内細部への浸透、滞留効率が低下することがある。
本発明において、水溶性薬効成分化合物は、炭酸カルシウム微粒子によって担持されており、その結果、水媒体中に安定に分散する薬効成分複合化微粒子が形成されている。この薬効成分複合化微粒子における水溶性薬効成分化合物の担持量は、水溶性薬効成分化合物と炭酸カルシウムとの質量比で示すと、水溶性薬効成分化合物:炭酸カルシウム=1:9〜9:1であることが、好ましい。
本発明の薬効成分複合化微粒子水分散液は、炭酸カルシウム微粒子の表面に水溶性薬効成分化合物が被覆する形で担持されてなる薬効成分複合化微粒子が、水に分散されてなる薬液である。前述のように、薬効成分複合化微粒子においては、炭酸カルシウム微粒子は、水溶性薬効成分化合物により被覆されているので、微粒子同士が再凝集しにくく、安定して分散している。また、水溶性薬効成分化合物は、炭酸カルシウム微粒子の表面を覆うようにして、炭酸カルシウム微粒子に確実に担持され、水媒体中においても、炭酸カルシウム微粒子から解離することがない。したがって、本発明の薬効成分複合化微粒子水分散液をそのまま、好ましくは必要に応じて他の成分を混合して口腔用組成物として、口腔内に投与すれば、薬効成分複合化微粒子は容易にプラークへ浸透し、プラーク内に滞留し、プラーク内にて高濃度の水溶性薬効成分化合物を滞留させる。
薬効成分複合化微粒子の濃度が1質量%未満となると、薬効成分複合化微粒子による作用、効果が充分に得られないことがあるので、好ましくない。一方、薬効成分複合化微粒子の濃度が20質量%を超えると、水分散液の粘度が上昇し、物性が悪化することがあるので、好ましくない。
水分散液中の薬効成分複合化微粒子の25℃におけるpHが6未満となると、炭酸カルシウム微粒子が溶解しやすくなり、水分散液中の薬効成分複合化微粒子の安定性が低下する可能性があるので、好ましくない。一方、このpHが9を超えると、水分散液を口腔用組成物として使用する場合、使用性や味が悪くなる場合があるので、好ましくない。
本発明の口腔用組成物は、前記薬効成分複合化微粒子水分散液に口腔投与に必要な他の成分を混合してなる組成物である。
本発明の口腔用組成物は、本発明の薬効成分複合化微粒子水分散液を含有することにより、う蝕、歯周病、口臭、歯面への色素沈着などの口腔内トラブルを予防又は改善することができる。本発明の口腔用組成物の剤形としては、洗口剤、歯磨剤が可能であり、好ましくは洗口剤として実用に供することができる。
これらの研磨剤の配合量は、歯磨剤(口腔用組成物)全体の2〜20質量%、特に5〜15質量%とすることが好ましい。
これらの配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができるが、歯磨剤(口腔用組成物)全体の0.1〜2質量%、特に0.3〜1質量%が好適である。
これらの界面活性剤の配合量は、歯磨剤(口腔用組成物)全体の0.1〜5質量%、特に0.1〜2質量%とすることが好ましい。
これらの配合量は、歯磨剤(口腔用組成物)全体の5〜50質量%、特に20〜45質量%とすることが好ましい。
口腔用組成物の25℃におけるpHが6未満の場合には、炭酸カルシウム微粒子が溶解しやすく、含有する薬効成分複合化微粒子の安定性が低下する可能性があり、逆にpHが9を超える場合には、使用性や味が悪くなる場合がある。必要に応じて、pH調整剤として、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等を適量配合し得る。
本発明にかかる薬効成分複合化微粒子水分散液の製造方法は、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物を水分中に溶解または分散させて薬効成分水溶液または水分散液を得る(F1)薬効成分化合物液調製工程と、炭酸カルシウムの微粒子凝集体と水とから体積平均粒径1nm〜1μmの炭酸カルシウム微粒子が水中に分散されてなる炭酸カルシウム微粒子水分散液を得る(F2)炭酸カルシウム微粒子水分散液調製工程と、前記薬効成分水溶液または水分散液と前記炭酸カルシウム微粒子水分散液とを混合して、水溶性薬効成分化合物:炭酸カルシウム=1:9〜9:1の比で前記炭酸カルシウムに前記水溶性薬効成分化合物が担持された薬効成分複合化微粒子を得る(F3)薬効成分複合化微粒子調製工程と、を有する。
アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物を、水分中に添加し、撹拌により溶解または分散させる。この時、いかなる装置を用いて溶解または分散させてもよいが、水分が気泡を巻き込まないようにする。
炭酸カルシウムを体積平均粒径1nm〜1μmに微粒化するのは、体積平均粒径1nm〜1μmに微粒化できれば、いかなる装置を用いて調製しても構わないが、例えば、慣用の微粒化装置を用いて粉砕することにより調製することができる。このような微粒化装置を具体的に挙げると、ビーズミルやボールミル、各種メディアレスミル、超音波分散機などを用いることができる。本発明に用いることができる微粒化装置としては、例えば、ウルトラアペックスミル(商品名:寿工業(株)製)、フィルミックス(商品名:プライミクス(株)製)、ディスコプレックス(商品名:ホソカワアルピネ社製)、ACM−Aパルベライザ(商品名:ホソカワミクロン(株)製)、ナノカット(商品名:(株)マツボー製)、CLEAR SS−5、クレアミックス(商品名:エムテクニック(株)製)、超音波分散機UH−600SR(商品名:(株)エスエムテー製)、超音波ホモジナイザー(商品名:Dr.Hielscher社製)等が挙げられる。
上記工程(F1)で得られた薬効成分水溶液または水分散液と、上記工程(F2)で得られた炭酸カルシウム微粒子水分散液とを、水溶性薬効成分化合物:炭酸カルシウム=1:9〜9:1の比で混合することにより、体積平均粒径5nm〜1μmの薬効成分複合化微粒子の水分散液を得る(複合化工程)。この混合は、上記工程(F1)と工程(F2)でそれぞれ得られた水溶液または水分散液を均一撹拌できる混合装置を用いることにより行なうことができる。
前記工程(F3)で得られた水分散液を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察することにより、水溶性薬効成分化合物が炭酸カルシウム微粒子の表面に吸着していることを確認することでき、この確認により薬効成分複合化微粒子が形成されていることが確認できる。
前記工程(F2)で得られた炭酸カルシウム微粒子水分散液を、粒度分布測定装置[例えば、動的光散乱法型の粒度分析計(例えば、日機装株式会社のナノトラック粒度分布測定装置あるいはマイクロトラック粒度分布測定装置)]により測定したり、または透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、所定個数(例えば、10個)の炭酸カルシウム微粒子それぞれの粒径を測定し、算術平均により算出する。
例えば、アニオン性官能基を有する水溶性薬効成分化合物が、この分子内のアルキル基がそれぞれ異なる化合物からなる混合物である場合、この分子量は1H−NMR測定により求めることができる。すなわち、秤量した水溶性薬効成分化合物と秤量した内部標準とをNMRチューブに入れ、溶媒(重メタノールなど)を添加し、これを1H−NMR測定する。この測定により求められた水溶性薬効成分化合物の添加量、および内部標準の分子量と添加量から、水溶性薬効成分化合物の分子量が算出される。
前記工程(F3)で得られた水分散液の水相に溶解または分散している水溶性薬効成分化合物の含有量を測定し、これを薬効成分複合化微粒子水分散液全体に含まれる水溶性薬効成分化合物の含有量から減算する。この減算により得られた差の量が炭酸カルシウム微粒子に担持されている水溶性薬効成分化合物量である。
前記工程(F3)で得られた薬効成分複合化微粒子水分散液を、粒度分布測定装置[例えば、動的光散乱法型の粒度分析計(例えば、日機装株式会社のナノトラック粒度分布測定装置あるいはマイクロトラック粒度分布測定装置)]により測定するか、または透過型電子顕微鏡(TEM)観察により所定個数(例えば、10個)の薬効成分複合化微粒子それぞれの粒径を測定して、算術平均により算出する。
炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名「ポアカル−N」)25gを純水437.5gに分散させた。これをビーズミル(寿工業(株)製、商品名「ウルトラアペックスミルUAM−015」)の原液タンクに仕込み、分散させながらミル内に供給して(流量10kg/hr)、ZrO2のφ0.1mmビーズを用いて30分間粉砕を行なった(ミル回転数4,350rpm)。これにより炭酸カルシウム微粒子を得た。
上記炭酸カルシウム微粒子の体積平均粒径は、上記炭酸カルシウムの粉砕条件に対し、炭酸カルシウムとともに分散剤としてクエン酸三ナトリウム(純正化学(株)製)を水難溶性無機カルシウム塩の重量に対して3倍量添加(凝集防止剤として)して粉砕を行い、得られた炭酸カルシウム微粒子の水分散液のうち2mLを動的光散乱式マイクロトラックUPA−150(商品名:日機装(株)製)で10分間計測することにより求めた。測定の結果、体積平均粒径は20nmであった。
得られた薬効成分複合化微粒子水分散液のうち2mLを動的光散乱式マイクロトラックUPA−150(商品名:日機装(株)製)で10分間計測した結果、体積平均粒径は0.21μmであった。
得られた薬効成分複合化微粒子水分散液を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより、水溶性薬効成分化合物が炭酸カルシウム微粒子に吸着していることを確認した。その結果を図1に示す。
上記ADAEG(アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物)の水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」、有効成分濃度40質量%)50mgと内部標準1,1,2,2−テトラクロロエタン(分子量167.86)4mgとをNMRチューブに入れ、重メタノール約0.4mLを溶媒として添加した。これを1H−NMR測定した。6.5ppmのピークが1,1,2,2−テトラクロロエタンであり、この積分値を2とし、ADAEGの0.9ppmのピーク面積(3H)を求めたところ、積分値は8.024であった。この値からADAEGの数平均分子量を算出した結果、313.61であった。
得られた薬効成分複合化微粒子水分散液約1gに水を加えて100mLにした。このうち1mLを採取し、1mol/L塩酸(和光純薬工業(株)製)を約0.3mL加えて完全に溶解させ、さらに水を加えて10mLにした。このうち1mLを採取し、原子吸光用塩化ランタン溶液(和光純薬工業(株)製)を0.5mL加え、水で全量を10mLとした。この溶液に関して、原子吸光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、商品名「日立Z−5310」)を用いて溶液中のカルシウム濃度を測定し、炭酸カルシウム分子量100.09、およびカルシウム原子量40.08から、薬効成分複合化微粒子水分散液に含まれる炭酸カルシウムの量を算出した。
得られた薬効成分複合化微粒子に担持されている水溶性薬効成分化合物量を求め、この実際の担持量と、水溶性薬効成分化合物(ADAEG)の仕込量とから、複合化効率を、以下のようにして、求めた。
得られた薬効成分複合化微粒子水分散液のうち約200mgと、内部標準とする1,1,2,2−テトラクロロエタン約4mgとをNMRチューブに入れ、重メタノール約0.4mLを溶媒として添加した。これを1H−NMR測定し、ADAEGの量を分析した。6.5ppmのピークが1,1,2,2−テトラクロロエタンであり、この積分値を2とし、ADAEGの0.9ppmのピーク面積(3H)を求めた。この値から薬効成分複合化微粒子水分散液中のADAEGの含有量を算出した結果、3.0質量%であった。
得られた薬効成分複合化微粒子水分散液のうち20gを遠心分離(10000G、1hr)し、上清のうち5gを分取した。この上清を0.10μmポアのフィルターを通して濾過し、濾液を得た。この濾液のうち約400mgと、内部標準とする1,1,2,2−テトラクロロエタン約4mgとをNMRチューブに入れ、重メタノール約0.4mLを溶媒として添加した。これをNMR測定した。6.5ppmのピークが1,1,2,2−テトラクロロエタンであり、この積分値を2とし、ADAEGの0.9ppmのピーク面積(3H)を求めた。この値から濾液中のADAEGの含有量を算出した。さらに、濾液中のADAEG含有量から、薬効成分複合化微粒子水分散液中の、炭酸カルシウムに吸着していないADAEGの量を算出した結果、0.01質量%であった。
得られた水分散液の水相に溶解または分散している水溶性薬効成分化合物の含有量を、薬効成分複合化微粒子水分散液全体に含まれる水溶性薬効成分化合物の含有量から減算して、炭酸カルシウム微粒子の表面に吸着している水溶性薬効成分化合物担持量を求めた。
純水を412.5g、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」)を62.5g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子とを複合化した薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
炭酸カルシウムの水分散液の粉砕時間を5分間とし、さらにADAEGの水溶液を添加した後の粉砕時間をさらに5分間とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を462.5g、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」)を12.5g使用した以外は、実験例1と同様に操作を行い、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
炭酸カルシウムを5g、純水を432.5g、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」)を62.5g使用した以外は、実験例1と同様に操作を行い、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を460g、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物としてN−ラウロイルサルコシンナトリウム(東京化成工業(株)製)を15g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、N−ラウロイルサルコシンナトリウムと炭酸カルシウム微粒子とを複合化した薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を450g、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物としてN−ラウロイルサルコシンナトリウム(東京化成工業(株)製)を25g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、N−ラウロイルサルコシンナトリウムと炭酸カルシウム微粒子とを複合化した薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を419g、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物としてポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの水溶液(日光ケミカルズ(株)製、商品名「NIKKOL SBL−2N−27」、有効成分濃度27質量%)を56g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムと炭酸カルシウム微粒子とを複合化した薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を382g、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物としてポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの水溶液(日光ケミカルズ(株)製、商品名「NIKKOL SBL−2N−27」、有効成分濃度27質量%)を93g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムと炭酸カルシウム微粒子とを複合化した薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
1Lビーカーにて、炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製ポアカル−N)25gを純水437.5gに分散させた。さらに、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」)37.5gを添加し、スターラーチップ(4cm長)で10分間撹拌を行った(500rpm)。このようにして、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との混合液500gを得た。
炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名「ポアカル−N」)25gを純水437.5gに分散させた。これをビーズミル(寿工業(株)製、商品名「ウルトラアペックスミルUAM−015」)の原液タンクに仕込み、分散させながらミル内に供給して(流量10kg/hr)、ZrO2のφ0.1mmビーズを用いて5分間粉砕を行なった(ミル回転数4,350rpm)。この分散液を取り出して1Lビーカーに入れ、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」、有効成分濃度40質量%)37.5gと混合し、スターラーチップ(4cm長)で10分間撹拌を行った(回転数500rpm)。撹拌後、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を470g、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」)を5g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
炭酸カルシウムを5g、純水を338.75g、ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製、商品名「レボンLAG−40」)を156.25g使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、ADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
純水を460g、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物としてN−ラウロイルサルコシンナトリウム(東京化成工業(株)製)を15g使用した以外は、比較例1と同様に操作を行い、N−ラウロイルサルコシンナトリウムと炭酸カルシウム微粒子との混合液500gを得た。
純水を419g、アニオン性官能基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物としてポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの水溶液(日光ケミカルズ(株)製、商品名「NIKKOL SBL−2N−27」、有効成分濃度27質量%)を56g使用した以外は、比較例1と同様に操作を行い、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムと炭酸カルシウム微粒子との混合液500gを得た。
炭酸カルシウムの代わりに、リン酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名「メカール−P」)を使用した以外は、実施例1と同様に操作を行い、ADAEGとリン酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子の水分散液500gを得た。
なお、上記リン酸カルシウム微粒子の体積平均粒径は、前記実施例1おける炭酸カルシウム微粒子の体積平均粒径と同様に測定した。測定の結果、体積平均粒径は11nmであった。
ADAEGの水溶液(三洋化成(株)製レボンLAG−40)37.5gと、純水462.5gを混合、撹拌し、均一なADAEG水分散液500gを得た。
口腔用組成物として、下記(表3)に示す組成の洗口剤を調製した。まず、スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機を装着したステンレス製容器に、規定量の精製水を投入し、下記(表3)に示す配合成分のうち前記実施例1で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液と、水溶性成分(ポリオキシエチレン(平均EO付加モル数40)硬化ヒマシ油とエタノール以外)を撹拌しながら投入、分散させた(A液)。一方、スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機を装着した別のステンレス製容器に、規定量のエタノールを投入し、ポリオキシエチレン(平均EO付加モル数40)硬化ヒマシ油をエタノールに溶解させた溶液を撹拌しながら投入、溶解させた(B液)。A液を含む容器に、B液を加え、10分撹拌し、洗口剤を得た。得られた洗口剤の25℃におけるpHを測定したところ、8.0であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例2で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を4.1%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.9であった。
薬効成分複合化微粒子の水分散液として、実施例3で調製した薬効成分複合化微粒子の水分散液を6.5%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様に洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.9であった。
薬効成分複合化微粒子の水分散液として、実施例4で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を20%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.0であった。
薬効成分複合化微粒子の水分散液として、実施例5で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を4.1%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.4であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例6で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を13.8%(洗口剤中のN−ラウロイルサルコシンナトリウム含量として0.4%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.1であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例7で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を8.0%(洗口剤中のN−ラウロイルサルコシンナトリウム含量として0.4%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.0であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例8で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を6.8%(洗口剤中のポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.0であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例9で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を4.1%(洗口剤中のポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.9であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例1で調製したADAEGと炭酸カルシウム微粒子との混合液を6.6%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.2であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、比較例2で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を6.5%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.1であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、比較例3で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を50%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは9.5であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、比較例4で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を1.6%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.3であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例5で調製したN−ラウロイルサルコシンナトリウムと炭酸カルシウム微粒子との混合液を13.4%(洗口剤中のN−ラウロイルサルコシンナトリウム含量として0.4%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.3であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例6で調製したポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムと炭酸カルシウム微粒子との混合液を6.8%(洗口剤中のポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは8.2であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例7で調製したADAEGとリン酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子水分散液を6.6%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.4であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例8で調製したADAEGの水分散液を6.6%(洗口剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例10と同様にして洗口剤を調製した。得られた洗口剤の25℃におけるpHは7.3であった。
口腔用組成物として下記(表4)に配合成分の歯磨剤を調製した。まず、精製水中に水溶成分(70%ソルビトール、モノフルオロリン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム)を常温で混合溶解させてA相を調製した。一方、プロピレングリコール中に、グリセリン、キサンタンガムを常温で溶解・分散させてB相を調製した。次に、撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。C相中に、前記実施例1で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液と、香料、無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウム等を添加し、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、4kPaまで減圧し脱泡を行い、歯磨剤1.0kgを得た。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.6であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例2で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を4.1%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.5であった。
薬効成分複合化微粒子の水分散液として、実施例3で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を6.5%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.5であった。
薬効成分複合化微粒子の水分散液として、実施例4で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を20%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.6であった。
薬効成分複合化微粒子の水分散液として、実施例5で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を4.1%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.2であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例6で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を13.8%(歯磨剤中のN−ラウロイルサルコシンナトリウム含量として0.4%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.7であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例7で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を8.0%(歯磨剤中のN−ラウロイルサルコシンナトリウム含量として0.4%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.6であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例8で調製した薬効成分複合化微粒子水分散液を6.8%(歯磨剤中のポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.6であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液として、前記実施例9で調製した薬効成分複合化微粒子の水分散液を4.1%(歯磨剤中のポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.5であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例1で調製したADAEGと炭酸カルシウム微粒子との混合液を6.6%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.7であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例2で調製したADAEGと炭酸カルシウム微粒子との複合化微粒子水分散液を6.5%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.7であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例4で調製したADAEGと炭酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子水分散液を1.6%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.2であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例5で調製したN−ラウロイルサルコシンナトリウムと炭酸カルシウム微粒子との混合液を13.4%(歯磨剤中のN−ラウロイルサルコシンナトリウム含量として0.4%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.7であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例6で調製したポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムと炭酸カルシウム微粒子との混合液を6.8%(歯磨剤中のポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.8であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例7で調製したADAEGとリン酸カルシウム微粒子との薬効成分複合化微粒子水分散液を6.6%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.4であった。
薬効成分複合化微粒子水分散液の替わりに、前記比較例8で調製したADAEGの水分散液を6.6%(歯磨剤中のADAEG含量として0.2%)を用いた以外は、実施例19と同様にして歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤の25℃におけるpHは7.3であった。
前記実施例10〜18および比較例9〜16の洗口剤と、前記実施例19〜27および比較例17〜23の歯磨剤の評価を以下のようにして行った。
直径7mm×厚さ3.5mmのハイドロキシアパタイト(HA)板(ペンタックス(株)製)を、0.45μmのフィルターで濾過したヒト無刺激唾液で4時間処理した。このHA板をモデル歯垢作成の担体に用いた。
(殺菌効果判定基準)
◎:生菌数が106未満
○:生菌数が106以上107未満
△:生菌数が107以上108未満
×:生菌数が108以上
底面にI型コラーゲンコートを施した6穴シャーレ(住友ベークライト(株)製、商品名「スミロンセルタイトC−1プレート6F」)に、前記短時間殺菌効果確認実験と同様に各実施例および比較例の洗口剤:純水=10:1希釈液10mL、歯磨剤:純水=1:3希釈液10mLを投入し、3分間振蕩した。その後、前記各6穴シャーレを、10mLの生理食塩水で10回洗浄し、1mol/L塩酸(和光純薬工業(株)製)2mLを滴下し、5分間放置して、各6穴シャーレのコラーゲン膜に吸着していた薬効成分複合化微粒子を酸溶解させた。その後、溶解したカルシウムを、原子吸光光度計(日立Z−5310、(株)日立ハイテクノロジーズ製)により、分析した。分析の結果得られた各6穴シャーレ(ウエル)に滞留していたカルシウムの質量を下記判定基準により4段階に分けて、薬効成分複合化微粒子の口腔内滞留性を評価した。
(滞留性判定基準)
◎:Caとして60μg/ウェル以上
○:Caとして40μg/ウェル以上60μg/ウェル未満
△:Caとして20μg/ウェル以上40μg/ウェル未満
×:Caとして20μg/ウェル未満
以下の基準に従って、実施例および比較例の口腔組成物の総合評価を行った。
(総合評価判定基準)
◎:短時間殺菌効果と口腔内滞留性がともに◎
○:短時間殺菌効果と口腔内滞留性がともに○以上(いずれも◎を除く)
△:短時間殺菌効果と口腔内滞留性の少なくとも一方が△で、かつ×が1項目もない
×:短時間殺菌効果と口腔内滞留性の少なくとも一方が×
2 炭酸カルシウムの微粒子
3 薬効成分複合化微粒子
Claims (6)
- 炭酸カルシウム微粒子に水溶性薬効成分化合物が担持されてなる薬効成分複合化微粒子が水中に分散されてなる薬効成分複合化微粒子水分散液であって、
前記水溶性薬効成分化合物がカルボキシル基及び/又は硫酸基を有するとともに分子量が30以上1000以下であり、前記薬効成分複合化微粒子の体積平均粒径が10nm〜500nmであり、該薬効成分複合化微粒子における水溶性薬効成分化合物と炭酸カルシウムとの質量比(水溶性薬効成分化合物:炭酸カルシウム)が1:7〜5:1であることを特徴とする薬効成分複合化微粒子水分散液。 - 前記炭酸カルシウムの体積平均粒径が5nm〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の薬効成分複合化微粒子水分散液。
- 前記水溶性薬効成分化合物が、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N−アシルサルコシン塩及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる一種以上の化合物である請求項1または2に記載の薬効成分複合化微粒子水分散液。
- カルボキシル基及び/又は硫酸基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物を水分中に溶解または分散させて薬効成分水溶液または水分散液を得る薬効成分化合物液調製工程と、炭酸カルシウムの微粒子凝集体を水に分散させた後、前記微粒子凝集体を粉砕することにより体積平均粒径5nm〜500nmの炭酸カルシウム微粒子が水中に分散されてなる炭酸カルシウム微粒子水分散液を得る炭酸カルシウム微粒子水分散液調製工程と、前記薬効成分水溶液または水分散液と前記炭酸カルシウム微粒子水分散液とを混合して水溶性薬効成分化合物:炭酸カルシウム=1:7〜5:1の比で前記炭酸カルシウムに前記水溶性薬効成分化合物が担持された薬効成分複合化微粒子を得る薬効成分複合化微粒子調製工程とを経て得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬効成分複合化微粒子水分散液。
- カルボキシル基及び/又は硫酸基を有する分子量30以上1000以下の水溶性薬効成分化合物を水分中に溶解または分散させて薬効成分水溶液または水分散液を得る薬効成分化合物液調製工程と、
炭酸カルシウムの微粒子凝集体を水に分散させた後、前記微粒子凝集体を粉砕することにより体積平均粒径1nm〜1μmの炭酸カルシウム微粒子が水中に分散されてなる炭酸カルシウム微粒子水分散液を得る炭酸カルシウム微粒子水分散液調製工程と、
前記薬効成分水溶液または水分散液と前記炭酸カルシウム微粒子水分散液とを混合して、水溶性薬効成分化合物:炭酸カルシウム=1:9〜9:1の比で前記炭酸カルシウムに前記水溶性薬効成分化合物が担持された薬効成分複合化微粒子を得る薬効成分複合化微粒子調製工程と、
を有することを特徴とする薬効成分複合化微粒子水分散液の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬効成分複合化微粒子水分散液、又は、請求項5に記載の製造方法により製造される薬効成分複合化微粒子水分散液を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
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