JP4873154B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents
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Description
また、液体口腔用組成物に上記非イオン性界面活性剤を加えてラウリル硫酸ナトリウムを配合すると、バイオフィルムへの浸透殺菌力が更に向上し、キシリトール、シンナミックアルデヒド、オレンジオイル、アネトールの1種又は2種以上を配合すると、殺菌剤由来の苦味を緩和し、嗜好性が向上することを知見し、本発明をなすに至った。
(A)イソプロピルメチルフェノール、
(B)トリクロサン、
(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又は炭素鎖長が16〜18のアルキル鎖長でエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜40モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(D)エタノール
を含有することを特徴とする液体口腔用組成物を提供する。この場合、更に、(E)ラウリル硫酸ナトリウム、及び/又は(F)キシリトール、シンナミックアルデヒド、オレンジオイル、アネトールの1種又は2種以上を含有することが好適である。
なお、下記例に示す%は特にことわらない限り質量%を意味し、部は質量部を意味する。また、表中のpHは、調整直後に東亜電波工業製のpHメーター(型番HM−30S)を用いて測定し、25℃,3分後の値を示した。
(1)浮遊菌に対する殺菌効果
使用した菌液は、培養液としてトリプチケースソイブロス(Difco製)30gを1Lの精製水に溶解したものを、口腔常在細菌としてアクチノマイセス ナエスランディ ATCC51655株を用い、37℃,嫌気条件下(5%炭酸ガス、95%窒素)で1日培養した液の550nmでの透過度が20になるように生理食塩水を加えて調製した。表1、表2及び表3に示したサンプル2.7mLに菌液0.3mLを加え、撹拌後、37℃で1分間反応させ、再び撹拌後、予め2.7mLの培養液の入った試験管を5本用意し、その1番目の試験管に0.3mLを加え、撹拌した。この液0.3mLを採取し、2番目の試験管に加え、撹拌した。この操作を同様に3〜5番の試験管に順に行った。1、3、5番の試験管中の培養液を撹拌後、10%綿羊脱繊血含有トリプチケースソイ寒天平板(Difco製)に50μL塗沫し、嫌気的条件下で培養した。生育したコロニーを計測し、残存するアクチノマイセス ナエスランディ菌の菌数(cfu)を求め、下記の基準に則り、判定した。
判定基準
○:生菌数が103未満
△:生菌数が103以上104未満
×:生菌数が104以上
(1)モデル歯垢の作製方法
直径7mm×厚さ3.5mmのハイドロキシアパタイト(HA)板(旭光学社製)を0.45μmのフィルターで濾過したヒト無刺激唾液で4時間処理したものをモデル歯垢作製の担体に用い、培養液は、トリプチケースソイブロス(Difco製)30gを1Lの精製水に溶解した液にヘミン(シグマ社製)5mg、メナジオン(シグマ社製)0.5mgを添加したものを用いた。モデル歯垢を作製するために、口腔常在細菌としてストレプトコッカス ゴルドニアイ ATCC51656株及びアクチノマイセス ナエスランディ ATCC51655株、病原性細菌としてポルフィロモナス ジンジバリス ATCC33277株を用いた。これら3菌種をそれぞれ2×107cfu/mL(cfu:colony forming units)になるように上述の培養液に接種し、唾液処理したHA担体と共に37℃,嫌気条件下(5%炭酸ガス、95%窒素)で2週間連続培養(培養液の置換率は10Vol%とした)を行い、HA表面に3菌種混合のモデル歯垢を形成させた。
形成させたモデル歯垢を表1、表2及び表3に示したサンプル2mLに3分間浸漬し、滅菌生理食塩水1mLで6回洗浄した。その後、滅菌生理食塩水4mLで超音波処理(200μA、10秒間)によりモデル歯垢を分散し、10%綿羊脱繊血含有トリプチケースソイ寒天平板(Difco製)及び硫酸カナマイシン(200mg/L:シグマ社製)含有トリプチケースソイ血液寒天平板に50μL塗沫し、嫌気的条件下で培養した。生育したコロニーを計測し、残存するポルフィロモナス ジンジバリス菌の菌数(cfu)を求め、下記の基準に則り、判定した。
判定基準
◎:生菌数が106未満
○:生菌数が106以上107未満
△:生菌数が107以上108未満
×:生菌数が108以上
(1)外観安定性
表1、表2及び表3に示したサンプルを満注量500mLのPET容器に450mL充填し、50℃及び−5℃恒温槽に1ヶ月保存後の外観安定性を下記基準に則り、目視判定した。
外観安定性評価基準
○:白濁、沈殿がなく、透明である。
△:微濁もしくはオリが認められる。
×:かなりの白濁又は沈殿物が認められる。
(1)使用感評価
表3に示したサンプル10mLを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の苦味について下記の3段階で評価し、10名の平均点を算出した。
洗口後の苦味
3:苦味が認められなかった。
2:やや苦味が認められた。
1:苦味が認められた。
A イソプロピルメチルフェノール 0.05%
B トリクロサン 0.05
C ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
D エタノール 5
E ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
F シンナミックアルデヒド 0.01
プロピレングリコール 2
トラネキサム酸 0.06
グリチルリチン酸ジカリウム 0.06
グリセリン 5
クエン酸 0.06
クエン酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.01
香料A 0.3
水 残
計 100.0%
pH 6.3
浮遊菌に対する殺菌力 ○
バイオフィルムへの殺菌力 ◎
外観安定性(50℃) ○
外観安定性(−5℃) ○
使用感評価(洗口後の苦味) 2.7
A イソプロピルメチルフェノール 0.05%
B トリクロサン 0.02
C ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.3
D エタノール 10
E ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
F キシリトール 4
F シンナミックアルデヒド 0.003
ε−アミノカプロン酸 0.03
プロピレングリコール 2
グリセリン 2
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.3
香料B 0.2
水 残
計 100.0%
pH 6.7
浮遊菌に対する殺菌力 ○
バイオフィルムへの殺菌力 ◎
外観安定性(50℃) ○
外観安定性(−5℃) ○
使用感評価(洗口後の苦味) 2.8
A イソプロピルメチルフェノール 0.02%
B トリクロサン 0.02
C ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 0.4
D エタノール 7
E ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
F キシリトール 7
プロピレングリコール 3
カチオン化セルロース 0.05
酢酸dl−α−トコフェノール 0.05
グリセリン 5
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.3
フッ化ナトリウム 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
香料C 0.2
水 残
計 100.0%
pH 6.6
浮遊菌に対する殺菌力 ○
バイオフィルムへの殺菌力 ◎
外観安定性(50℃) ○
外観安定性(−5℃) ○
使用感評価(洗口後の苦味) 2.7
A イソプロピルメチルフェノール 0.08%
B トリクロサン 0.04
C ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油 0.3
C ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 0.2
D エタノール 15
E ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
F オレンジオイル 0.02
プロピレングリコール 1
ピロリン酸ナトリウム 0.05
ポリリン酸ナトリウム 0.05
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.3
香料D 0.4
水 残
計 100.0%
pH 6.7
浮遊菌に対する殺菌力 ○
バイオフィルムへの殺菌力 ◎
外観安定性(50℃) ○
外観安定性(−5℃) ○
使用感評価(洗口後の苦味) 2.6
A イソプロピルメチルフェノール 0.06%
B トリクロサン 0.03
C ポリオキシエチレン(40)ステアリルエーテル 0.5
D エタノール 3
E ラウリル硫酸ナトリウム 0.05
F キシリトール 3
F アネトール 0.04
プロピレングリコール 2
銅クロロフィリンナトリウム 0.01
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.5
アスパルテーム 0.02
キシリトール 5
デキストラナーゼ 0.2
香料E 0.2
水 残
計 100.0%
pH 6.8
浮遊菌に対する殺菌力 ○
バイオフィルムへの殺菌力 ◎
外観安定性(50℃) ○
外観安定性(−5℃) ○
使用感評価(洗口後の苦味) 2.7
A イソプロピルメチルフェノール 0.05%
B トリクロサン 0.08
C ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 2
D エタノール 20
E ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
プロピレングリコール 2
ポリエチレングリコール600 3
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.005
塩化リゾチーム 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
香料F 0.2
水 残
計 100.0%
pH 6.8
浮遊菌に対する殺菌力 ○
バイオフィルムへの殺菌力 ◎
外観安定性(50℃) ○
外観安定性(−5℃) ○
Claims (6)
- (A)イソプロピルメチルフェノール、
(B)トリクロサン、
(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又は炭素鎖長が16〜18のアルキル鎖長でエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜40モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(D)エタノール
を含有することを特徴とする液体口腔用組成物。 - (A)イソプロピルメチルフェノールの配合量が組成物全体の0.01〜0.1質量%、(B)トリクロサンの配合量が組成物全体の0.01〜0.1質量%、(C)成分の配合量が組成物全体の0.1〜2質量%、(D)エタノールの配合量が組成物全体の3〜20質量%である請求の範囲第1項記載の液体口腔用組成物。
- 更に、(E)ラウリル硫酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の液体口腔用組成物。
- (E)ラウリル硫酸ナトリウムの配合量が組成物全体の0.05〜1質量%である請求の範囲第3項記載の液体口腔用組成物。
- 更に、(F)キシリトール、シンナミックアルデヒド、オレンジオイル、アネトールの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
- キシリトールの配合量が組成物全体の0.1〜10質量%、シンナミックアルデヒドの配合量が組成物全体の0.0001〜0.05質量%、オレンジオイルの配合量が組成物全体の0.0005〜0.05質量%、アネトールの配合量が組成物全体の0.0005〜0.05質量%である請求の範囲第5項記載の液体口腔用組成物。
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