JP2007197411A - 液体口腔用組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観に優れており、かつ外観の経時安定性に優れた液体口腔用組成物を製造できる方法を提供する。
【解決手段】(A)油性成分、(B)ノニオン界面活性剤、および(D)エタノールを混合して油性混合液を調製する油性混合液調整工程と、(C)アニオン界面活性剤をクラフト点以上の温度で水に溶解させてアニオン界面活性剤水溶液を調製するアニオン界面活性剤水溶液調製工程と、前記油性混合液および前記アニオン界面活性剤水溶液を混合する混合工程を有することを特徴とする液体口腔用組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗口剤等の液体口腔用組成物の製造方法に関する。
一般に、う蝕や歯周病などの口腔疾患の予防において、その原因菌を殺菌することは重要なファクターと考えられており、非カチオン性殺菌剤やカチオン性殺菌剤が配合された液体口腔用組成物が知られている。
油溶性の高い非カチオン性殺菌剤を液体口腔用組成物に配合する場合、そのままでは水への溶解性が低いため、ノニオン界面活性剤を配合することによって可溶化させている。
例えば、下記特許文献1の実施例7には、グリセリン、エタノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、甘味量(グリチルリチン)、有効成分(トラネキサム酸)、香料、および水が配合された液体透明口腔用組成物が記載されている。
下記特許文献2の実施例13には、グリセリン、エタノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、非カチオン性殺菌剤(トリクロサン)、緩衝剤(クエン酸、クエン酸ナトリウム)、多価アルコール(キシリトール)、有効成分(トラネキサム酸)、香料、および水のほかに、非イオン界面活性剤、トリ脂肪酸グリセリル、多価アルコールおよび水からなる平均粒径200nmのエマルジョンを配合した液体口腔用組成物が記載されている。
特開昭61−152621号公報 特開2005−179231号公報
洗口剤等の液体口腔用組成物製品にあっては、澄明な外観が安定して得られ、かつ外観が長期にわたって変化しないことが重要であるが、従来の液体口腔用組成物においても、製造方法によっては濁りや沈殿(オリ)が発生する場合があることがわかってきた。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、外観に優れており、かつ外観の経時安定性に優れた液体口腔用組成物を製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、(A)油性成分、(B)ノニオン界面活性剤、および(D)エタノールを混合して油性混合液を調製する油性混合液調整工程と、(C)アニオン界面活性剤をクラフト点以上の温度で水に溶解させてアニオン界面活性剤水溶液を調製するアニオン界面活性剤水溶液調製工程と、前記油性混合液および前記アニオン界面活性剤水溶液を混合する混合工程を有することを特徴とする液体口腔用組成物の製造方法である。
第2の態様は、第1の態様において、さらに、前記混合工程で得られた混合液を、前記(C)アニオン界面活性剤のクラフト点以上の温度でろ過する工程を有する液体口腔用組成物の製造方法である。
第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記アニオン界面活性剤水溶液調製工程において、(E)エタノール以外の水溶性成分を前記アニオン界面活性剤水溶液に含有させる液体口腔用組成物の製造方法である。
第4の態様は、第1〜3のいずれかの態様において、さらに、(E)エタノール以外の水溶性成分を水に溶解させて水性混合液を調製する水性混合液調製工程を有し、前記混合工程において、前記油性混合液、前記アニオン界面活性剤水溶液、および前記水性混合液を混合する液体口腔用組成物の製造方法である。
本発明の方法によれば、外観に優れており、かつ外観の経時安定性に優れた液体口腔用組成物を製造することができる。
本発明における液体口腔用組成物は(A)油性成分、(B)ノニオン界面活性剤、(C)アニオン界面活性剤、(D)エタノール、および(F)水を必須成分として含有する。さらに(E)エタノール以外の水溶性成分を含有させてもよい。
[(A)油性成分(以下、(A)成分ということもある。)]
本発明における(A)油性成分は、25℃の水への溶解度が「0.1g/100g水」以下であるものをいう。なお本発明において、ノニオン界面活性剤は(A)成分から除かれるものとする。
油性成分の具体例としては、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の非カチオン性殺菌剤;ビタミンA,E及びその誘導体、グリチルレチン酸、アズレン誘導体、ステロイド、抗プラスミン剤等の油溶性薬用成分;カミツレ、センブリ等の生薬の有機溶媒抽出物;メントール、ペパーミントオイル、カルボン、アネトール等の香料;スクワラン、パラフィン、シリコーン、各種脂肪酸、動植物油等の油剤などが挙げられる。(A)成分は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、非カチオン性殺菌剤および香料は液体口腔用組成物の構成成分として重要である。特に、非カチオン性殺菌剤としてトリクロサンとイソプロピルメチルフェノール用いると、浮遊菌に対する殺菌効果、および歯垢などの口腔内のバイオフィルムに対する浸透殺菌効果の両方が良好に得られる。
本発明の液体口腔用組成物における(A)成分の配合量は、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.01〜1.0質量%がより好ましい。(A)成分の配合量を上記範囲の下限値以上とすることにより、殺菌力等の有効性の付与や使用感を向上させる香味を付与でき、上限値以下とすることにより良好な使用感が得られる。
また本発明の液体口腔用組成物における非カチオン性殺菌剤の濃度(複数種配合した場合は合計の濃度、以下同様。)は、0.01〜0.2質量%が好ましく、0.02〜0.2質量%がより好ましい。該濃度を0.01質量%以上とすることにより良好な殺菌力が得られる。また0.2質量%以下とすることにより、非カチオン性殺菌剤を良好に溶解することができ、液体口腔用組成物の保存安定性が良好になる。
本発明の液体口腔用組成物における香料の濃度は、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。該濃度を上記範囲内とすることにより良好な香味が得られる。
[(B)ノニオン界面活性剤(以下、(B)成分ということもある。)]
本発明における(B)ノニオン界面活性剤としては、エチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.ということもある)が40〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又は炭素鎖長が16〜18のアルキル鎖長でエチレンオキサイドの平均付加モル数(E.O.)が10〜40モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。(B)成分は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のE.O.が40モル以上であれば、低温保存における析出が良好に防止される。また100モルを超えるものは一般には市販されていない。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのE.O.が10モル以上であれば、低温保存における析出が良好に防止される。40モルを超えるものは一般には市販されていない。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの炭素鎖長が16以上であれば、苦味や刺激が良好に抑えられ、18以下であれば低温保存において良好な外観安定性が得られる。
(B)成分の具体例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E.O.40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E.O.60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E.O.100)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(E.O.30)等が挙げられる。
本発明の液体口腔用組成物における(B)ノニオン界面活性剤の濃度は、0.1〜2.0質量%が好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。(B)成分の濃度を0.1質量%以上とすることにより外観が向上する。また2.0質量%以下とすることにより殺菌力の低下が良好に抑えられる。
また上記(A)成分として配合される非カチオン性殺菌剤の配合量を1とするときの、(B)ノニオン界面活性剤の配合量の質量比(ノニオン界面活性剤/非カチオン性殺菌剤)の値は0.5〜200が好ましく、1〜100がより好ましい。ノニオン界面活性剤の配合割合を0.5以上とすることにより非カチオン性殺菌剤の良好な溶解性が得られ、200以下とすることにより殺菌力の低下が抑えられる。
[(C)アニオン界面活性剤(以下、(C)成分ということもある。)]
本発明におけるアニオン界面活性剤としては、良好な保存安定性を達成するために、クラフト点が5℃〜25℃、好ましくは10℃〜15℃であるアニオン界面活性剤が用いられる。
本発明における界面活性剤のクラフト点とは、以下の測定方法によって得られる値である。まず、測定対象とする界面活性剤を水に添加して均一な試料水溶液100mgを調製する。この試料水溶液における界面活性剤の濃度は10mmol/Lとし、該試料水溶液の初期の液温は35℃とする。
次いで、該試料水溶液(100mg)を恒温槽に入れ、5℃/時間の割合で液温を徐々に降下させ、液の濁りまたは結晶の析出が生じ始めたときの液温Aを測定する。続いて、該液温Aより10℃低い温度まで液温を降下させた後、5℃/時間の割合で液温を徐々に上昇させ、液が透明になったときの液温Bを測定する。該液度Aと液温Bの高い方の値をクラフト点とする。
(C)成分としては、アルキル硫酸塩等の高級アルコール系アニオン界面活性剤が好ましく、例えばアルキル硫酸ナトリウム等が好適である。特に「ラウリル硫酸ナトリウム」または「ラウリル硫酸ナトリウムを主成分とするアルキル硫酸ナトリウム混合物」が好ましく用いられる。該混合物における組成は、例えば炭素鎖C8以下のアルキル硫酸ナトリウム(以下、同様)が1質量%以下、C10が12〜16質量%、C12が70〜74質量%、C14が12〜16質量%、C16以上が1質量%以下が好ましい。
(C)成分は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(C)成分を2種以上併用する場合は、それらの混合物について上記の測定方法でクラフト点を決める。
本発明の液体口腔用組成物における(C)アニオン界面活性剤の濃度は、0.05〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。(C)成分の濃度を0.05質量%以上とすることにより外観の長期的な保存安定性が向上する。また1.0質量%以下とすることにより、液体口腔用組成物の使用時における刺激が抑えられ、良好な使用感を得るうえで好ましい。
[(D)エタノール(以下、(D)成分ということもある。)]
エタノールは市販のものを適宜使用することができる。純度95質量%以上のものが好ましい。合成アルコール、発酵アルコールのいずれも使用できる。
本発明の液体口腔用組成物における(D)エタノールの濃度は、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。エタノール濃度を3質量%以上とすることにより、外観安定性が向上し、20質量%以下とすることにより液体口腔用組成物の使用時における刺激が抑えられ、良好な使用感を得るうえで好ましい。
[(E)エタノール以外の水溶性成分(以下、(E)成分ということもある。)]
本発明における(E)水溶性成分(エタノール以外)としては、液体口腔用組成物の構成成分として公知の水溶性成分を適宜用いることができる。本発明における「水溶性成分」とは25℃の水への溶解度が「0.1g/100g水」を超えるものをいう。
本発明の口腔用組成物は、液体歯磨、洗口剤、デンタルリンス、口中清涼剤等として調製することができ、本発明の効果を妨げない範囲で、各々の用途に応じた種々の公知成分を配合することができる。
本発明における(E)成分は、例えば、湿潤剤、粘調剤、増粘剤、防腐剤、甘味剤、pH調整剤、水溶性の有効成分、着色料等である。
湿潤剤の具体例としては、ソルビトール、グリセリン、マルチット、ラクチット等が挙げられる。これらを配合する場合、その配合量は、組成物全体の1〜15質量%であることが好ましい。
粘調剤の具体例としては、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらを配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.5〜5質量%であることが好ましい。
増粘剤の具体例としては、キサンタンガム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらを配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.01〜0.5質量%であることが好ましい。
防腐剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
甘味剤の具体例としては、キシリトール、サッカリンナトリウム、ステビオサイド等が挙げられる。
pH調整剤の具体例としては、フタル酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸及び炭酸並びにそれらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩;リボ核酸及びその塩類;水酸化ナトリウムなどがあげられる。pH調整剤は1種又は2種以上を用いることができる。特にリン酸および/またはクエン酸とそれらのナトリウム塩を組み合わせて用いることが好ましい。液体口腔用組成物の25℃におけるpHは、一般に5〜10程度に調整される。
水溶性の有効成分の具体例としては、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸などの抗炎症剤;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、リテックエンザイム等の酵素;フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム当のフッ化物;アズレン;塩化リゾチーム;アスコルビン酸等のビタミンC類;銅クロロフィリンナトリウム;タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物抽出物;グルコン酸銅;カロペプタイド;ポリリン酸ナトリウム;水溶性無機リン酸化合物等が挙げられる。なお、これらの有効成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定することができる。
着色料の具体例としては、青色1号、黄色4号、赤色106号等が挙げられる。
本発明の液体口腔用組成物における(E)成分の配合量は特に限定されないが、通常25質量%以下であり、好ましくは1〜15質量%程度である。
[(F)水]
本発明における水としては、イオン交換水;逆浸透膜処理水(RO水)等の純水;蒸留水等が用いられる。粧原基・日局規格の精製水を使用できる。
本発明の液体口腔用組成物における(F)水の配合量は特に限定されないが、通常50〜95質量%程度であり、好ましくは70〜90質量%程度である。
<製造方法>
[第1の実施形態]
以下、本発明の液体口腔用組成物の製造方法の第1の実施形態を説明する。
(1)油性混合液調整工程
まず、(A)油性成分、(B)ノニオン界面活性剤、および(D)エタノールを混合して油性混合液を調製する。
具体的には、第1の混合槽内に(A)油性成分、(B)ノニオン界面活性剤、および(D)エタノールを投入し、各成分が完全に溶解して均一な溶液となるまで撹拌して油性混合液を得る。混合時の液温は特に限定されず、15〜25℃程度の常温でよい。
(2)アニオン界面活性剤水溶液調製工程
これとは別に、(C)アニオン界面活性剤をクラフト点以上の温度で水に溶解させてアニオン界面活性剤水溶液を調製する。
具体的には、第2の混合槽内に(C)アニオン界面活性剤および水を投入し、該混合槽内の液温が、配合されているアニオン界面活性剤のクラフト点以上の所定の温度となるように温度を制御しつつ、撹拌してアニオン界面活性剤を溶解させる。必要であれば加熱する。
第2の混合槽において、アニオン界面活性剤を水に溶解させる際の液温は、アニオン界面活性剤のクラフト点以上であればよいが、溶解時間を短縮(製造時のタイムサイクルを短縮)させる点からはクラフト点よりも10〜35℃程度高い温度であることが好ましい。例えば30〜40℃の範囲内が好ましい。該液温の上限は配合されているアニオン界面活性剤の曇点であり、より好ましくはクラフト点よりも35℃高い温度以下である。
本実施形態において、第2の混合槽に投入する水は、液体口腔用組成物に配合される水のうちの一部であり、残部は後の工程で使用する。
(C)アニオン界面活性剤を良好に溶解させるために、(C)アニオン界面活性剤の配合量(質量)を1とすると、第2の混合槽に投入する水の質量はその20倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。
第2の混合槽に投入する水の量の上限は、該混合槽の容量にもより特に制限されないが、水が多いほど加熱する場合に必要な熱エネルギーが増大するため、(C)アニオン界面活性剤の配合量(質量)の300倍以下が好ましい。
本実施形態において、(E)エタノール以外の水溶性成分は、その全量を本工程でアニオン界面活性剤水溶液に含有させてもよく、全量を後の工程で残りの水に溶解させて水性混合液としてもよく、あるいは(E)成分の一部をアニオン界面活性剤水溶液に含有させ、残りを水性混合液に含有させてもよい。
(E)成分の一部または全部をアニオン界面活性剤水溶液に含有させる場合は、このアニオン界面活性剤水溶液調製工程において、第2の混合槽内に前記(C)アニオン界面活性剤および水に加えて(E)成分を投入し、前述したように、該混合槽内の液温が配合されているアニオン界面活性剤のクラフト点以上の前記所定の温度となるように制御しつつ撹拌して、(C)アニオン界面活性剤および(E)成分を溶解させる。
本実施形態では、アニオン界面活性剤水溶液調製工程において水の一部を使用し、(E)成分の溶解性の向上等の点から、(E)成分の一部を本工程でアニオン界面活性剤水溶液に含有させ、残りを後の工程で水性混合液に含有させることが好ましい。
(E)成分の一部をアニオン界面活性剤水溶液に含有させる場合、配合させる(E)成分のうち、どれをアニオン界面活性剤水溶液に含有させるかは適宜選択できる。例えば、上記に挙げた(E)成分の中でも、pH調整剤や甘味剤は、第二の混合槽で確実、完全に短時間で溶解させるため、アニオン界面活性剤水溶液に含有させることが好ましい。
一方、粘調剤や湿潤剤は容易に均一混合が可能であり、特に製造条件等の制限はないため、水性混合液に含有させれば良い。
有効成分は配合時の温度履歴による劣化防止の点で、水性混合液に含有させることが好ましい。
また、増粘剤、防腐剤、着色料は、適宜選択可能であるが、製造時の作業性を考慮した場合、水性混合液に含有させることが好ましい。
[水性混合液調製工程]
本実施形態において、(E)成分の一部をアニオン界面活性剤水溶液に含有させ、残りを水性混合液に含有させる場合、および(E)成分の全部を水性混合液に含有させる場合は、アニオン界面活性剤水溶液調製工程で使用しなかった水の残部を用いて、(E)成分を水に溶解させて水性混合液を調製する。
具体的には、第3の混合槽内に(E)成分の一部又は全部、および水の残部を投入し、(E)成分が完全に溶解して均一な溶液となるまで撹拌して水性混合液を得る。混合時の液温は特に限定されず、15〜25℃程度の常温でよい。
[混合工程]
しかる後に、それぞれ別個に調製した油性混合液、アニオン界面活性剤水溶液、および水性混合液を混合して混合液を得る。
混合の順序は特に限定されないが、まず水性混合液と油性混合液を混合した後、これらの混合液とアニオン界面活性剤水溶液を混合する方法が、系を容易に可溶化する点で好ましい。これらの混合は、例えば第3の混合槽内で行うことができる。
水性混合液と油性混合液とを混合する際の液温は特に限定されず、15〜25℃程度の常温でよい。
水性混合液および油性混合液と、アニオン界面活性剤水溶液を混合する際の液温は特に限定されないが、配合されているアニオン界面活性剤水溶液のクラフト点以上であることが好ましい。アニオン界面活性剤水溶液調製工程で得られたアニオン界面活性剤水溶液が常温よりも高い場合、冷却せずに水性混合液および油性混合液と混合することが好ましい。
なお本実施形態において、(E)成分の全部をアニオン界面活性剤水溶液に含有させる場合は、本混合工程において、油性混合液と、アニオン界面活性剤水溶液と、アニオン界面活性剤水溶液調製工程で使用しなかった水の残部を混合する。
すなわち、前記水性混合液調製工程を行わず、混合工程では、水性混合液に代えて水の残部を用いるほかは上記と同様に混合工程を行って混合液を得る。
[ろ過工程]
前記混合工程で得られる混合液は、そのままで液体口腔用組成物とすることもできるが、該混合液を、配合されているアニオン界面活性剤のクラフト点以上の温度でろ過する工程を行うことにより、外観の保存安定性がより向上する。
ろ過される混合液の液温は、クラフト点以上の温度であればよいが、ろ材の目詰まりを良好に防止するためには、クラフト点よりも5℃以上高い温度であることが好ましく、10℃以上高い温度であることが好ましい。該液温の上限は、配合されているアニオン界面活性剤の曇点以下であればよいが、液体口腔用組成物の香味劣化を良好に防止するためには、40℃以下が好ましく、35℃以下がより好ましい。
ろ過に使用するろ材の目開きは、各メーカーの各製品でメーカー保証されている定格ろ過精度の値が1〜25μmが好ましく、2〜15μmがより好ましい。該ろ過精度が1μm以上であればろ材の目詰まりが良好に防止され、25μm以下であればろ過による保存安定性の向上効果が良好に得られる。
ろ材として、具体的にはPMM(登録商標)メタルメンブレンフィルター(日本ポール社製)等のステンレス焼結ろ過筒;セラポア(登録商標)ろ過筒(日本濾水機社製)等の素焼きろ過筒などを好適に使用できる。
本実施形態の方法を用いて液体口腔用組成物を製造すると、後述の実施例に示されるように、歯垢に対する浸透殺菌効果が良好であるとともに、製造直後の外観に優れ、かつ外観の経時安定性にも優れた液体口腔用組成物が得られる。
その理由は明らかではないが、本実施形態の製造方法によれば、液体口腔用組成物における構成成分がそれぞれ格段に安定した状態で溶解されるためと考えられる。特に(A)油性成分を、(B)ノニオン界面活性剤および(D)エタノールとともに混合して溶解させることによって、(A)成分の安定した溶解状態が得られると考えられる。また、これとは別に(C)アニオン界面活性剤をクラフト点以上の温度で水に溶解させることによって、(C)成分の安定した溶解状態が得られると考えられる。
[第2の実施形態]
本実施形態が前記第1の実施形態と異なる点は、アニオン界面活性剤水溶液調製工程において水の全量を使用する点である。本実施形態においては、水の残部が無いため、(E)成分の全部をアニオン界面活性剤水溶液に含有させる。
すなわち、本実施形態において(1)油性混合液調整工程は前記第1の実施形態と同様である。
(2)アニオン界面活性剤水溶液調製工程においては、第2の混合槽内に(C)アニオン界面活性剤、配合する水の全部、および(E)エタノール以外の水溶性成分の全部を投入し、該混合槽内の液温が、配合されているアニオン界面活性剤のクラフト点以上の所定の温度となるように温度を制御しつつ、撹拌して溶解させる。必要であれば加熱する。混合時の液温は第1の実施形態と同様である。
そして、前記第1の実施形態における水性混合液調製工程は行わず、混合工程において(1)油性混合液調整工程で得た油性混合液と(2)アニオン界面活性剤水溶液調製工程で得られたアニオン界面活性剤水溶液とを混合して混合液を得る。
油性混合液とアニオン界面活性剤水溶液を混合する際の液温は特に限定されないが、後述するろ過工程を行う場合は、配合されているアニオン界面活性剤のクラフト点以上の温度で混合することが好ましい。該混合時の液温については、前記第1の実施形態と同様である。
この後、前記第1の実施形態と同様にろ過工程を行うことが好ましい。
本実施形態の方法によっても、前記第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1〜5)
表1および表2に示した配合量(単位は質量%)および条件で液体口腔用組成物を製造した。
製造される液体口腔用組成物の全量(仕込量)が30kgの場合、下記第1〜3の混合槽としては、4枚パドル羽根を備えた容積36リットルの配合槽をそれぞれ用いた。また該仕込み量が6000kgの場合は、第1および第2の混合槽として3枚プロペラ羽根を備えた容積200リットルの配合槽を用い、第3の混合槽としては4枚パドル羽根を2段備えた容積7000リットルの配合槽を用いた。
また表1,2に記載されている成分は以下の通りである。
(A)成分:イソプロピルメチルフェノール(大阪化成社製)、トリクロサン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、香料(製品名:LCCAM−F、ライオン(株)小田原工場調合)。
(B)成分:ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル(日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ社製)。
(C)成分:ラウリル硫酸ナトリウム(単一製品、成分名:ラウリル硫酸ナトリウム CAS No.151−21−3、東邦化学社製)(クラフト点:15℃)。
(D)成分:エタノール(純度95質量%以上、日本アルコール販売社製)。
(E)成分:クエン酸(扶桑化学社製)、クエン酸ナトリウム(扶桑化学社製)、キシリトール(ロケット・フルーレ社製)、グリセリン(阪本薬品工業(株)社製)、プロプレングリコール(旭電化(株)社製)、ε−アミノカプロン酸(味の素(株)社製)。
(F)水:精製水。
まず、第1の混合槽に、(A)成分、(B)成分、および(D)エタノールを投入し、常温(18℃)で、各成分が完全に溶解して均一な溶液(目視にて確認)となるまで撹拌混合して、油性混合液を調製した。
これとは別に、第2の混合槽に、(C)成分、(E)成分の一部、および精製水の一部を投入し、表に記載のアニオン水溶液調製温度で撹拌混合して、アニオン界面活性剤水溶液(表ではアニオン水溶液と略記する。)を調製した。
また、これとは別に第3の混合槽に(E)成分の残部および精製水の残部を投入し、常温(22℃)で撹拌混合して水性混合液(表では水性液と略記する。)を調製した。
こうして第3の混合槽内で水性混合液を調製した後、これに上記で得た油性混合液を流入して撹拌混合した。
さらに上記で得たアニオン界面活性剤水溶液をそのままの温度で流入して撹拌混合し、混合液を得た。
得られた混合液をろ過する場合、ろ過時の混合液の温度は、表に記載のろ過温度とした。ろ過筒としてはPMMメタルメンブレンフィルター M020タイプ(製品名、日本ポール社製、定格ろ過精度2.0μm)または同M050タイプ(製品名、日本ポール社製、定格ろ過精度5.0μm)を用いた。
このようにして得られた混合液、またはろ過を行った場合は得られたろ液を液体口腔用組成物として、下記(1)〜(4)の評価項目について以下の方法で評価を行った。評価結果を表1,2に示す。
(1)アニオン界面活性剤水溶液調製工程で得られたアニオン界面活性剤水溶液の外観。
(2)製造直後の液体口腔用組成物の外観。
(3)保存後の外観:50℃で保存した組成物及び−5℃で保存した組成物のそれぞれについて1ヶ月後及び3ヶ月後の外観。
(4)浸透殺菌効果。
前記評価項目(1)〜(3)における外観の評価は以下の基準で行った。
[外観評価基準]
◎:白濁、沈殿がなく、透明である。
○:ごくわずかに、沈殿があるが、透明である。
△:微濁もしくはオリが認められる。
×:かなりの白濁又は沈殿物が認められる。
前記評価項目(4)における浸透殺菌効果の評価は以下の方法で行った。
[モデル歯垢の作製]
直径7mm×厚さ3.5mmのハイドロキシアパタイト(HA)板(旭光学社製)を、0.45μmのフィルターで濾過したヒト無刺激唾液で4時間処理したものをモデル歯垢作製の担体に用いた。培養液は、トリプチケースソイブロス(Difco社製)30gを1Lの精製水に溶解した液にヘミン(シグマ社製)5mg、メナジオン(シグマ社製)0.5mgを添加したものを用いた。モデル歯垢を作製するために、口腔常在細菌としてストレプトコッカス ゴルドニアイ ATCC51656株及びアクチノマイセス ナエスランディ ATCC51655株、病原性細菌としてポルフィロモナス ジンジバリス ATCC33277株を用いた。これら3菌種をそれぞれ2×10cfu/mL(cfu:colony forming units)になるように上述の培養液に接種し、唾液処理したHA担体と共に37℃,嫌気条件下(5%炭酸ガス、95%窒素)で2週間連続培養(培養液の置換率は10Vol%とした)を行い、HA表面に3菌種混合のモデル歯垢を形成させた。
[モデル歯垢に対する浸透殺菌効果]
形成させたモデル歯垢をサンプル(液体口腔用組成物)2mLに3分間浸漬し、滅菌生理食塩水1mLで6回洗浄した。その後、滅菌生理食塩水4mLで超音波処理(200μA、10秒間)によりモデル歯垢を分散し、10質量%綿羊脱繊血含有トリプチケースソイ寒天平板(Difco社製)及び硫酸カナマイシン(200mg/L:シグマ社製)含有トリプチケースソイ血液寒天平板に50μL塗沫し、嫌気的条件下で培養した。生育したコロニーを計測し、残存するポルフィロモナス ジンジバリス菌の菌数(cfu)を求め、下記の基準に則り、判定した。
[判定基準]
◎:生菌数が10未満。
○:生菌数が10以上10未満。
△:生菌数が10以上10未満。
×:生菌数が10以上。
Figure 2007197411
Figure 2007197411
表1,2の結果より、本発明の製造方法により製造された実施例1〜10の液体口腔用組成物は、製造直後の外観、保存後の外観、および浸透殺菌効果のいずれも良好であった。これらの実施例においては、アニオン界面活性剤水溶液の外観が良好であることから、アニオン界面活性剤が良好に溶解されていることがわかる。
またろ過の有無が異なる実施例3と実施例5とを比べると、ろ過を行うことにより保存後の外観評価が向上していることがわかる。
一方、アニオン界面活性剤水溶液の調製温度が5℃である比較例1〜5では、いずれも浸透殺菌効果は良好であるが、アニオン界面活性剤水溶液の外観が劣っていた。そして、ろ過を行った比較例1では製造直後の外観および1ヶ月保存後の外観はやや向上したものの、3ヶ月後には微濁もしくはオリが認められた。ろ過を行わなかった他の比較例は製造直後の外観および保存後の外観のいずれも良くなかった。



Claims (4)

  1. (A)油性成分、(B)ノニオン界面活性剤、および(D)エタノールを混合して油性混合液を調製する油性混合液調整工程と、
    (C)アニオン界面活性剤をクラフト点以上の温度で水に溶解させてアニオン界面活性剤水溶液を調製するアニオン界面活性剤水溶液調製工程と、
    前記油性混合液および前記アニオン界面活性剤水溶液を混合する混合工程を有することを特徴とする液体口腔用組成物の製造方法。
  2. さらに、前記混合工程で得られた混合液を、前記(C)アニオン界面活性剤のクラフト点以上の温度でろ過する工程を有することを特徴とする請求項1記載の液体口腔用組成物の製造方法。
  3. 前記アニオン界面活性剤水溶液調製工程において、(E)エタノール以外の水溶性成分を前記アニオン界面活性剤水溶液に含有させることを特徴とする請求項1または2に記載の液体口腔用組成物の製造方法。
  4. さらに、(E)エタノール以外の水溶性成分を水に溶解させて水性混合液を調製する水性混合液調製工程を有し、
    前記混合工程において、前記油性混合液、前記アニオン界面活性剤水溶液、および前記水性混合液を混合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体口腔用組成物の製造方法。

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JP2011168506A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Lion Corp 口腔用組成物の製造方法

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