JP2018095570A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔バイオフィルム殺菌効果が経時においても優れ、また、苦味が抑制され味も良好な口腔用組成物を提供する。
【解決手段】(A)非イオン性殺菌剤、
(B)塩化ベンザルコニウム、
(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、及び
(D)フッ素含有化合物
を含有することを特徴とする口腔用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、口腔バイオフィルム殺菌効果が経時においても優れ、味もよい口腔用組成物に関する。
歯垢抑制成分としてのトリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤は、口腔バイオフィルム殺菌に有効であるが単独での殺菌力は十分とは言い難く、また、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性殺菌剤では、バイオフィルム内の細菌まで殺菌することはできず、バイオフィルム殺菌効果を満足に付与し難かった。
トリクロサン含有口腔用組成物に、セチルピリジニウムクロライド等のアルキルピリジニジム塩とサリチル酸又はその塩とを併用することでトリクロサンの歯牙への吸着・滞留性を向上し、歯垢形成を抑制する技術が特許文献1(特許第3427229号公報)に提案され、また、口腔用組成物に配合したトリクロサン又はイソプロピルメチルフェノールの容器への吸着防止のために塩化セチルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とを特定割合で配合し、殺菌力を改善する技術が特許文献2(特許第4200374号公報)に提案されているが、特許文献1、2は、バイオフィルム殺菌に着目しておらずバイオフィルム殺菌効果は不明である。
一方、口腔用組成物にアスコルビン酸エステル又はその塩を安定化配合する技術は、特許文献3〜5(特許第5526619号公報、特許第5834881号公報、特開2009−149565号公報)に提案されている。特許文献3は、アスコルビン酸エステル又はその塩、イソプロピルメチルフェノール、特定のノニオン性界面活性剤を含有し、更にキレート剤を特定割合で含有する練歯磨剤組成物が保存後も殺菌力、口臭予防効果等が優れること、特許文献4は、アスコルビン酸エステル又はその塩、カチオン性高分子、イソプロピルメチルフェノール、特定の非イオン性界面活性剤及び特定のポリエチレングリコールを含有する歯磨剤組成物が高い口臭予防効果を有すること、特許文献5は、アスコルビン酸エステル塩、カチオン性高分子物質及びフッ素化合物を特定割合で含有する歯磨剤組成物が保存後も歯肉炎予防効果に優れることを開示している。特許文献6(特開2013−129600号公報)には、特定香料によって味が改善したアスコルビン酸リン酸エステル又はその塩含有の歯磨剤組成物が提案されている。しかし、特許文献3〜6には、バイオフィルム殺菌効果について言及がない。
特許第3427229号公報 特許第4200374号公報 特許第5526619号公報 特許第5834881号公報 特開2009−149565号公報 特開2013−129600号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔バイオフィルム殺菌効果が経時においても優れ、味もよい口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)非イオン性殺菌剤、(B)塩化ベンザルコニウム、(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、及び(D)フッ素含有化合物を組み合わせて配合すると、口腔バイオフィルム殺菌効果が経時においても優れ、また、苦味が抑制され味も良好な口腔用組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
更に詳述すると、カチオン性殺菌剤である塩化ベンザルコニウムによるバイオフィルム浸透殺菌作用は弱く、また、アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩やフッ素含有化合物にはバイオフィルム浸透殺菌作用が認められないが、本発明では(A)成分に(B)成分を併用し、更に(C)、(D)成分を配合して四者を組み合わせると、意外にも、(A)成分による口腔バイオフィルム浸透殺菌作用が高まると共に安定化し、経時においても優れた口腔バイオフィルム殺菌効果を奏する。この場合、(A)、(B)、(C)、(D)成分の組み合わせにおいて、特に(D)成分によって、とりわけ(D)成分を(B)成分に併用することによって(C)成分の安定性が向上し、かつ、(B)、(C)成分の併用系によって、(A)成分による口腔バイオフィルム浸透殺菌作用が向上すると共に経時においても安定的に発現する。また、(A)、(B)成分に(D)成分を組み合わせると独特な異味を伴う苦味が強く生じるが、かかる苦味は(C)成分を併用することによって抑制される。従って、本発明では、後述の実施例に示すようにバイオフィルム殺菌力が製造直後及び40℃で3ヶ月間という長期保存後も優れ、アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩が40℃で3ヶ月間保存後も高率で残存し、また、苦味が抑制され良好な味を与える。本発明の作用効果は、(A)、(B)、(C)、(D)成分のいずれかを欠くと劣り目的が達成されない。
従って、本発明は、
(A)非イオン性殺菌剤、
(B)塩化ベンザルコニウム、
(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、及び
(D)フッ素含有化合物
を含有することを特徴とする口腔用組成物
を提供する。
本発明によれば、口腔バイオフィルム殺菌効果が経時においても優れ、苦味が抑制され味もよい口腔用組成物を提供できる。また、口腔バイオフィルム殺菌に有効であることから、歯周疾患の予防又は抑制用として好適な製剤を提供できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)非イオン性殺菌剤、(B)塩化ベンザルコニウム、(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、及び(D)フッ素含有化合物を含有する。
(A)非イオン性殺菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等が挙げられ、特にイソプロピルメチルフェノールが好ましい。
(A)非イオン性殺菌剤の配合量は、組成物全体の0.01〜0.3%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.02〜0.1%である。配合量が0.01%以上であると、バイオフィルム殺菌効果が十分に優れ、0.3%以下であると、十分に可溶化し、また、それ自身の独特な異味の発現を防止し、十分に苦味を抑制できる。
(B)塩化ベンザルコニウムの配合量は、組成物全体の0.001〜0.5%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.1%である。配合量が0.001%以上であると、(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩が十分に安定化し、経時でもバイオフィルム殺菌効果が十分に優れる。0.5%以下であると、十分に苦味を抑制できる。
(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩は、好ましくはアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウムであり、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムがより好ましい。
アスコルビン酸リン酸エステルとしては、アスコルビン酸の2,3,5,6位のいずれかの水酸基の1つ又は2つ以上がリン酸、ポリリン酸等の化合物のエステルとなったもの、例えば、アスコルビン酸−2−リン酸エステル、アスコルビン酸−3−リン酸エステル、アスコルビン酸−6−リン酸エステル、アスコルビン酸−2−ポリリン酸エステル等が挙げられ、これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。これらから選ばれる1種又は2種以上を使用し得るが、特に、組成物の安定性の点から、アスコルビン酸の2位又は3位の水酸基がリン酸エステル化された誘導体が好ましく、より好ましくはアスコルビン酸−2−リン酸エステルのマグネシウム塩やナトリウム塩であり、とりわけ好ましくはマグネシウム塩である。
(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩の配合量は、組成物全体の0.1〜0.8%が好ましく、より好ましくは0.2〜0.5%である。0.1%以上であると、経時でもバイオフィルム殺菌効果が十分に優れ、苦味が抑制される。0.8%以下であると、それ自身が十分に安定化する。
(D)フッ素含有化合物としては、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。特に、(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩の安定性の点から、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、とりわけモノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。
(D)フッ素含有化合物の配合量は、フッ素として組成物全体の0.05〜0.2%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.1%である。この範囲内であると、(C)成分が十分に安定化する。0.05%未満であったり、0.2%を超えると、(C)成分の安定性が劣る場合がある。
フッ素含有化合物は、前記フッ素の配合量の範囲内で配合され、その配合量は、フッ素の配合量から換算して求めることができる。例えば、フッ化ナトリウムの場合、その好ましい配合量は、組成物全体の0.1〜0.5%、特に0.1〜0.3%である。モノフルオロリン酸ナトリウムの場合、その好ましい配合量は組成物全体の0.4〜1.5%、特に0.4〜0.8%である。
本発明において、(A)非イオン性殺菌剤、(B)塩化ベンザルコニウム及び(C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩の合計配合量は、組成物全体の0.2〜1%が好ましく、より好ましくは0.3〜0.7%である。0.2%以上であると、経時でもバイオフィルム殺菌効果が十分に優れ、経時でも苦味が十分に抑制される。1%以下であると、本発明の効果を十分に維持できる。
また、(A)、(B)及び(C)成分の合計含有量と(D)成分のフッ素としての含有量との割合を示す(D)/((A)+(B)+(C))は、質量比として0.05〜1が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5、更に好ましくは0.15〜0.4である。この範囲内であると、(A)成分の安定性、バイオフィルム殺菌効果及び苦味のなさがより優れる。
本発明の口腔用組成物は、特に練歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、とりわけ練歯磨として好適であり、上記成分に加えて、その他の公知成分を必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。例えば、練歯磨剤では研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、香料、(A),(B),(C),(D)成分以外の有効成分などを配合できる。なお、配合量は本発明の効果を妨げない範囲で通常量でよい。
研磨剤としては、沈降性シリカ、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられ、1種又は2種以上を配合できる。研磨剤の配合量は通常、2〜50%、特に10〜30%である。
粘稠剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。これら粘稠剤の配合量は通常、5〜50%、特に20〜45%である。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸誘導体、キサンタンガム等のガム類、カラギーナン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムなどの有機粘結剤、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ等の無機粘結剤が挙げられる。粘結剤の配合量は、練歯磨には0.1〜5%、液体歯磨及び洗口剤には0〜5%配合することができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、脂肪酸アルカノールアミド等が用いられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ジステアリルメチルアンモニウム等のアルキルアンモニウム型、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等の酢酸ベタイン型、アルキルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、通常、0.001〜10%、特に0.01〜5%である。
なお、特にエチレンオキサイドの平均付加モル数5〜30のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やアルキル基の炭素数が14〜18かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜30のポリオキシエチレンアルキルエーテルといった、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれるノニオン性界面活性剤を配合する場合、これらの配合量は0.5%以下、特に0.2%以下、更に0.1%以下でもよく、また、配合しなくても(0%)よい。
着色剤としては青色1号、黄色4号、二酸化チタン等、甘味剤としてはサッカリンナトリウム等が挙げられる。防腐剤としては、メチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料や、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等が挙げられ、1種又は2種以上を使用できる。上記香料素材の配合量は、0.000001〜1%が好ましく、また、上記香料素材を使用した賦香用香料の配合量は、0.1〜2%が好ましい。
有効成分としては、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン等の抗炎症剤、デキストラナーゼ等の酵素、水溶性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、ビタミン類、植物抽出物などが挙げられる。これら有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を常法によって調製し、下記方法で評価した。結果を表に併記した。
なお、下記に示すバイオフィルム殺菌力及び苦味のなさの評価サンプルは、製造直後品と保存後品(40℃で3ヶ月間保存品)を用いた。
(1)アスコルビン酸リン酸エステル塩の安定性の評価方法
アスコルビン酸リン酸エステル塩の定量
各歯磨剤組成物0.1gを測り取り、10mmol/Lのリン酸緩衝液(1.5mmol/Lリン酸二水素カリウム、23.5mmol/Lリン酸水素二カリウム、pH8.0)を加え、振とう機で20分間激しく撹拌した後、10mLにメスアップした。この液1mLを取り、前処理用フィルターで濾過した後、高速液体クロマトグラフィー(ポンプ:日本分光(株)製、PU1580、オートサンプラー:(株)島津製作所製、SIL−10A、UV検出器:(株)島津製作所製、SPD−6A、記録装置:(株)島津製作所製、C−R4A)を用い、絶対検量線法にて定量を行った。移動相は25mmol/Lリン酸二水素カリウム+5mmol/Lテトラブチルアンモニウム/アセトニトリル=91/9混液(容量比)、カラムは直径約4.6mm、長さ約150mmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの(TSK−gel ODS−80Ts、東ソー(株)製)、カラム温度約50℃、検出波長240nm、流速は0.8mL/分としてアスコルビン酸リン酸エステル塩の保持時間を約7分とした。
40℃で3ヶ月間保存品中のアスコルビン酸リン酸エステル塩の含有量を算出し、−5℃で3ヶ月間保存品中のアスコルビン酸リン酸エステル塩の含有量を100%とした場合の残存率を求め、安定性を下記の評価基準に基づき判定した。
評価基準
○:残存率が95%以上100%以下
△:残存率が90%以上95%未満
×:残存率が90%未満
(2)バイオフィルム殺菌力の評価方法
(2−1)モデル歯周病原性バイオフィルムの作製方法
直径7mm×厚さ3.5mmのハイドロキシアパタイト(HA)板(旭光学工業(株)製)を0.45μmのフィルターでろ過したヒト無刺激唾液で4時間処理したものをモデルバイオフィルム作製の担体に用い、培養液は、ベイサルメディウムムチン培養液(BMM)*1を用いた。モデルバイオフィルムを作製するために使用した菌株はAmerican Type Culture Collectionより購入したアクチノマイセス ヴィスコサス(Actinomyces viscosus)ATCC43146、ベイヨネラ パルビュラ(Veillonella parvula)ATCC17745、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)ATCC10953、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)ATCC33277を用いた。これら4菌種は予めBMM3,000mLを入れたRotating Disk Ractor(培養槽)にそれぞれ1×107cfu/mL(cfu:colony forming units)になるように接種し、唾液処理したHA担体と共に37℃、嫌気条件下(5%炭酸ガス、95%窒素)で24時間培養した。その後、同条件でBMMを置換率5vol%/時間の割合で連続的に供給し10日間培養を行い、HA表面に4菌種混合のモデルバイオフィルムを形成させた。
*1:BMMの組成(1リットル中の質量で表す。)
プロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製):4g/L
トリプトン(Becton and Dickinson社製):2g/L
イーストエキストラクト(Becton and Dickinson社製):
2g/L
ムチン(シグマ アルドリッチ社製):5g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製):2.5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業(株)製):0.5mg/L
KCl(和光純薬工業(株)製):1g/L
システイン(和光純薬工業(株)製):0.2g/L
蒸留水:残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
(2−2)モデルバイオフィルムに対する殺菌効果
形成させたモデルバイオフィルムは24穴マルチプレート(住友ベークライト社製)に移し、これに歯磨剤組成物の3倍希釈液(人工唾液により希釈)のサンプル2mLを加え3分間浸漬し、PBS(和光純薬工業(株)製)1mLで6回洗浄した後、同バッファー4mLを添加した試験管(直径13mm×100mm)内で超音波処理(200μA、10秒)により分散した。この分散液をPBSで10段階希釈を施し、硫酸カナマイシン含有血液寒天平板に50μL塗沫し、嫌気的条件下で培養した。生育したコロニー数を計測し、モデルバイオフィルムあたりの歯周病細菌(ポルフィロモナス ジンジバリス)の生菌数(cfu/Biofilm)を求めた。
試験製剤のバイオフィルム殺菌効果は、下記式によってコントロール(PBS 2mL処置)に対する歯周病細菌の殺菌率を求め、この殺菌率から下記の評価基準に則り評価し、バイオフィルム殺菌力を判定した。
歯周病細菌の殺菌率=
コントロールの歯周病細菌数(cfu/Biofilm)/試験製剤の歯周病細菌数(cfu/Biofilm)
評価基準
◎:殺菌率が100以上1,000未満
○:殺菌率が10以上100未満
△:殺菌率が1以上10未満
×:殺菌率が1未満
(3)苦味のなさの評価方法
歯磨剤組成物1gを歯ブラシ上にのせ、3分間ブラッシングした際に感じる苦味について、被験者6名が下記評点基準に基づき官能評価した。6名の平均値を求め、平均値から下記評価基準に基づき苦味のなさを判定した。
評点基準
5:苦味を感じない
4:苦味を殆ど感じない
3:やや苦味を感じる
2:苦味を感じる
1:強い苦味を感じる
評価基準
◎:平均値が4点以上5点以下
○:平均値が3点以上4点未満
△:平均値が2点以上3点未満
×:平均値が1点以上2点未満
Figure 2018095570
Figure 2018095570
Figure 2018095570

Claims (6)

  1. (A)非イオン性殺菌剤、
    (B)塩化ベンザルコニウム、
    (C)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、及び
    (D)フッ素含有化合物
    を含有することを特徴とする口腔用組成物。
  2. (A)非イオン性殺菌剤が、イソプロピルメチルフェノールである請求項1記載の口腔用組成物。
  3. (A)、(B)及び(C)成分の合計含有量を示す(A)+(B)+(C)が0.2〜1質量%である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. (A)成分を0.01〜0.3質量%、(B)成分を0.001〜0.5質量%、(C)成分を0.1〜0.8質量%、(D)成分をフッ素として0.05〜0.2質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  5. (A)、(B)及び(C)成分の合計含有量と(D)成分のフッ素としての含有量との割合を示す(D)/((A)+(B)+(C))が、質量比として0.05〜1である請求項1〜4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  6. 歯磨剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
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