JP5143956B2 - 階高節減型鋼コンクリート合成スラブ・梁用成形鋼板組立梁 - Google Patents
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Description
本発明の他の側面による好適な実施形態によれば、複数枚の成形鋼板を貼り合わせてなる梁において、腹部鋼板と、前記腹部鋼板の下部の一方側に貼着され、底面部と、前記底面部の一方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた側面垂直部と、前記側面垂直部の上端から水平に折り曲げられた受け部および前記底面部の他方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた第1の中央垂直部を有するように成形された第1の下成形鋼板と、前記第1の下成形鋼板と対称または非対称の断面形状を有し、前記腹部鋼板を基準として対称的に前記腹部鋼板の下部の他方側に貼着される第2の下成形鋼板と、前記腹部鋼板の上部の一方側に貼着され、頂面部と、前記頂面部の一方の側縁から垂直下向きに折り曲げられた第2の中央垂直部とを有するように成形された第1の上成形鋼板と、前記第1の上成形鋼板と対称または非対称の断面形状を有し、前記腹部鋼板を基準として対称的に前記腹部鋼板の上部の他方側に貼着される第2の上成形鋼板と、を備える。
本実施形態に係る成形鋼板組立梁は、厚さ1〜10mm程度の薄い鋼板を曲げ加工やロール成形して製作された4枚の成形鋼板を貼り合わせてなる。このため、成形可能な鋼板幅の制限を満足しつつ、丈の大きな成形鋼板組立梁を提供することができる。
図2に示すように、本実施形態に係る成形鋼板組立梁の受け部113の上にデッキプレート300の端部を掛け渡してスラブ鉄筋410を配筋した後にコンクリート400を打設すれば、合成梁・スラブを構成することができる。図2には、受け部113の上にデッキプレート300が据置されることが示してあるが、スラブシステムは、デッキプレート300に限定されるものではなく、コンクリート製品であるプレキャストコンクリート底板が据置可能であることはいうまでもない。本実施形態に係る成形鋼板組立梁を用いた合成梁・スラブは、コンクリートおよび鋼材の長所を最大限に活用したものであり、上部圧縮側の場合、上部の鋼材の量を最少化させ、コンクリートに埋め込むことにより、付着性能および耐火性能を向上させ、部分モーメントの反り抵抗性能に寄与できる鋼板プレートの補強施工が容易である。下部引張フランジの両端の側面垂直部は高さが調節自在であるため、適用可能なスラブシステムに制限がなく、様々なスパンと丈に適用可能である。特に、下フランジ両端の側面垂直部はコンクリート打設時に鋳型としての役割を果たし、適用されるスラブシステムに応じて対応可能に高さが調節自在であり、施工時および合成時にねじれおよびせん断性能の向上に寄与することができる。
図3(a)に示す変形例は、第1および第2の上成形鋼板210、220を突き合わせて溶接し、第1および第2の上成形鋼板210、220の第2の中央垂直部212の下部の外側に第1および第2の下成形鋼板110、120を貼着した構造であり、第1および第2の下成形鋼板110、120を互いに離間させて貼り合わせることにより形成された空間部130を用いて天井仕上板や補強板を設置するためのインサート鉄物を容易に固定することができる。図3(b)に示す変形例は、第1および第2の上成形鋼板210、220の第2の中央垂直部212の下端を外方に向かって水平に折り曲げて第1の折曲腹部213をさらに形成したものである。このようにして形成された第1の折曲腹部213はコンクリートとの付着面積の増大により合成作用を増大させ、中央垂直部114、212と側面垂直部112とによって形成された空間部に満たされるコンクリートの拘束効果を高めることができる。また、第1の折曲腹部213と受け部113とを連結する覆板230をさらに設けることにより、揚重時や施工時に作業者の荷重によって断面が離間することを防止し、コンクリートの拘束効果を一層高めることができる。図3(c)に示す変形例は、第1および第2の下成形鋼板110、120の第1の中央垂直部114の上端から外方に向かって水平に折り曲げられた第2の折曲腹部115をさらに形成したものである。この第2の折曲腹部115は、図3(b)に示す第1の折曲腹部213と同様に、内部に満たされるコンクリートの拘束効果を向上させる。
上述した本発明の実施形態は、第1および第2の下成形鋼板110、120と、第1および第2の上成形鋼板210、220とが左右対称となっていた。しかしながら、第1および第2の下成形鋼板110、120と、第1および第2の上成形鋼板210、220とは互いに非対称的な断面形状を有していてもよい。すなわち、図4(a)に示すように、側面垂直部112の長さを異ならせることにより、第1および第2の下成形鋼板110、120の受け部113に異なるスラブシステム、例えば、図4(b)に示すように、側面垂直部112の高さが低い第2の下成形鋼板120の受け部113の上には丈の深いデッキプレート300(いわゆる「ディープデッキ」と称する)を載せ、高い第1の下成形鋼板110の受け部113の上には丈の浅いデッキプレート310(鋼板の上にトラス鉄筋を貼り合わせたデッキプレートであり、いわゆる「トラスデッキ」と称する)を載せて施工することができる。そして、図4(c)に示すように、梁の設置位置に応じて第1および第2の下成形鋼板110、120の底面部111の幅を異ならせてもよい。また、前記実施形態においては、第1および第2の下成形鋼板110、120の底面部111と、第1および第2の上成形鋼板210、220の頂面部211の幅とが異なる場合について説明したが、図4(d)に示すように、底面部111および頂面部211の幅を同幅にしてもよい。一方、図4(e)に示すように、第1および第2の下成形鋼板110、120の第1の中央垂直部114、または、図4(f)に示すように、第1および第2の上成形鋼板210、220の第2の中央垂直部212には複数の開口部214を形成してもよい。この開口部214は、中央垂直部114、212の左右に打設されたコンクリートを連設せしめ、スラブ鉄筋を手軽に貫通させることができて、水平せん断耐力の向上を図ることができ、電気/配管用の設備空間としても活用することができる。
本実施形態に係る成形鋼板組立梁は、腹部鋼板100の上下両側に第1および第2の下成形鋼板110、120と、第1および第2の上成形鋼板210、220とを貼着してなる。前記腹部鋼板100は平板状を呈し、前記第1および第2の下成形鋼板110、120は、上述した第1の実施形態の第1および第2の下成形鋼板110、120と同様に、互いに同じ断面形状を有し、内部にコンクリートの満たされる空間を形成するために、底面部111と、前記底面部111の一方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた側面垂直部112および前記底面部111の他方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた第1の中央垂直部114を有するように1枚の鋼板を成形して製作される。そして、スラブシステムを据置するために、前記側面垂直部112の上端から水平に内方または外方に向かって折り曲げられて受け部113が形成される。また、前記第1および第2の上成形鋼板210、220も、上述した第1の実施形態の第1および第2の上成形鋼板210、220と同様に、互いに同じ断面形状を有し、頂面部211と、前記頂面部211の一方の側縁から垂直下向きに折り曲げられた第2の中央垂直部212とを有するように1枚の鋼板を成形して製作される。腹部鋼板100と、第1および第2の下成形鋼板110、120および第1および第2の上成形鋼板210、220は、同図に示すように、ボルト接合または溶接接合により貼り合わせられる。
図6(a)に示す変形例においては、前記第1および第2の上成形鋼板210、220を前記腹部鋼板100の上端の一部が突き出るように前記腹部鋼板100の両側に貼着していた。また、前記第1および第2の上成形鋼板210、220の頂面部の上に突き出た前記腹部鋼板100の上面には複数の溝部104を形成し、前記腹部鋼板100には複数の開口部102を形成していた。この開口部102は、隣り合うスラブ間の連続性を確保するとともに、ダウエル作用を通じてコンクリートとの一体性を向上させ、スラブ下端筋を手軽に貫通させることができて、水平せん断耐力の向上を図ることができ、電気/配管用の設備空間としても活用可能である。図6(b)に示す変形例においては、前記第1および第2の下成形鋼板110、120の第1の中央垂直部114の上端から外方に向かって水平に折り曲げられた折曲腹部115をさらに形成していた。このようにして形成された折曲腹部115は、下成形鋼板の中央垂直部および側面垂直部によって形成された空間部に満たされるコンクリートの拘束効果を向上させることができる。
前記実施形態においては、第1および第2の下成形鋼板110、120と、第1および第2の上成形鋼板210、220とが左右対称である場合について説明したが、第1および第2の下成形鋼板110、120と、第1および第2の上成形鋼板210、220とはそれぞれ互いに非対称的な断面形状を有していてもよい。すなわち、図7(a)に示すように、側面垂直部112の長さを異ならせることにより、第1および第2の下成形鋼板110、120の受け部113に異なるスラブシステム、例えば、側面垂直部の長さが短い第2の下成形鋼板120の受け部113の上には丈の深いデッキプレート300(いわゆる、「ディープデッキ」と称する)を載せ、長さが長い第1の下成形鋼板110の受け部113の上には丈の浅いデッキプレート310(鋼板の上にトラス鉄筋を貼着したデッキプレートであり、いわゆる「トラスデッキ」と称する)を載せて施工することができる。そして、図7(b)に示すように、第1および第2の下成形鋼板110、120の底面部111の幅を異ならせてもよい。さらに、前記実施形態においては、第1および第2の下成形鋼板110、120の底面部111と、第1および第2の上成形鋼板210、220の頂面部211との幅が異なる場合についてのみ説明したが、図7(c)に示すように、底面部111と頂面部211との幅を同幅にしてもよい。
以上、本発明を例示の図面を参照して説明したが、本明細書に開示された実施形態と図面によって本発明が限定されることはなく、本発明の技術思想の範囲内であれば、通常の技術者によって様々な変形が可能である。
11 下フランジ
12 プレート
20 デッキプレート
100 腹部鋼板
102 開口部
104 溝部
110 第1の下成形鋼板
111 底面部
112 側面垂直部
113 受け部
114 第1の中央垂直部
115 第2の折曲腹部
120 第2の下成形鋼板
130 空間部
210 第1の上成形鋼板
211 頂面部
212 第2の中央垂直部
213 第1の折曲腹部
214 開口部
220 第2の上成形鋼板
230 覆板
300 デッキプレート(「ディープデッキ」)
310 デッキプレート(「トラスデッキ」)
400 コンクリート
410 スラブ鉄筋
Claims (10)
- 複数枚の成形鋼板を貼り合わせてなり、スラブが丈内に納まることで階高の節減が図れる梁において、
底面部と、前記底面部の一方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた側面垂直部と、前記側面垂直部の上端から水平に折り曲げられた受け部および前記底面部の他方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた第1の中央垂直部を有するように成形された第1の下成形鋼板と、
前記第1の下成形鋼板と対称または非対称の断面形状を有し、前記第1の下成形鋼板の第1の中央垂直部を基準として対称的に配置されて前記第1の下成形鋼板と貼り合わせられる第2の下成形鋼板と、
頂面部と、前記頂面部の一方の側縁から垂直下向きに折り曲げられた第2の中央垂直部とを有するように成形され、前記第1の下成形鋼板の第1の中央垂直部の上部の一方側に貼着される第1の上成形鋼板と、
前記第1の上成形鋼板と対称または非対称の断面形状を有し、前記第1の上成形鋼板の第2の中央垂直部を基準として対称的に配置されて前記第2の下成形鋼板の第1の中央垂直部の上部の他方側に貼着される第2の上成形鋼板と、
を備えることを特徴とする成形鋼板組立梁。 - 前記第1および第2の上成形鋼板の第2の中央垂直部の下端から外方に向かって水平に折り曲げられた第1の折曲腹部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の成形鋼板組立梁。
- 前記第1および第2の下成形鋼板の第1の中央垂直部の上端から外方に向かって水平に折り曲げられた第2の折曲腹部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の成形鋼板組立梁。
- 前記第1および第2の下成形鋼板の第1の中央垂直部または前記第1および第2の上成形鋼板の第2の中央垂直部には複数の開口部が形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成形鋼板組立梁。
- 前記受け部と第1の折曲腹部または第2の折曲腹部とを連結して前記受け部と第1の折曲腹部または第2の折曲腹部との間の離間を拘束し、且つ、これらの間の下部空間を覆う覆板をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の成形鋼板組立梁。
- 複数枚の成形鋼板を貼り合わせてなる梁において、
腹部鋼板と、
前記腹部鋼板の下部の一方側に貼着され、底面部と、前記底面部の一方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた側面垂直部と、前記側面垂直部の上端から水平に折り曲げられた受け部および前記底面部の他方の側縁から垂直上向きに折り曲げられた第1の中央垂直部を有するように成形された第1の下成形鋼板と、
前記第1の下成形鋼板と対称または非対称の断面形状を有し、前記腹部鋼板を基準として対称的に前記腹部鋼板の下部の他方側に貼着される第2の下成形鋼板と、
前記腹部鋼板の上部の一方側に貼着され、頂面部と、前記頂面部の一方の側縁から垂直下向きに折り曲げられた第2の中央垂直部とを有するように成形された第1の上成形鋼板と、
前記第1の上成形鋼板と対称または非対称の断面形状を有し、前記腹部鋼板を基準として対称的に前記腹部鋼板の上部の他方側に貼着される第2の上成形鋼板と、
を備えることを特徴とする成形鋼板組立梁。 - 前記腹部鋼板には複数の開口部が形成されたことを特徴とする請求項6に記載の成形鋼板組立梁。
- 前記第1および第2の下成形鋼板の第1の中央垂直部の上端から外方に向かって水平に折り曲げられた折曲腹部をさらに備える請求項6または7に記載のことを特徴とする成形鋼板組立梁。
- 前記第1および第2の上成形鋼板は、前記腹部鋼板の上端の一部が突き出るように前記腹部鋼板の両側に貼着されることを特徴とする請求項6または7に記載の成形鋼板組立梁。
- 前記第1および第2の上成形鋼板の頂面部の上に突き出た前記腹部鋼板の上面には複数の溝部が形成されたことを特徴とする請求項9に記載の成形鋼板組立梁。
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