JP5143763B2 - 荷重検出装置 - Google Patents

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本発明は、荷重検出装置に関し、特に、概略平板状の計量台を支持すると共にこの計量台に被計量物が載置されることによって印加される荷重に応じた歪を生じる柱型の起歪体と、この起歪体に取り付けられており当該起歪体に生じる歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、起歪体が傾斜することに起因して荷重検出信号に発生する第1誤差を補償する第1誤差補償手段と、を具備する、荷重検出装置に関する。
この種の荷重検出装置として、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術は、例えばトラックスケールに用いられる。トラックスケールにおいては、一般に、概略矩形平板状の計量台が設けられており、この計量台の下方の4隅に、荷重検出装置としてのロードセルが1台ずつ、つまり合計4台、配置される。それぞれのロードセルは、柱状の起歪体を有しており、この起歪体は、直立した状態で計量台を支持する。計量台に被計量物としてのトラックが載置されると、このトラックの重量に応じた荷重が各ロードセルの起歪体に分散して印加される。これにより、起歪体は、垂直方向に圧縮されると共に、水平方向に伸張される。この起歪体の垂直方向の圧縮歪と水平方向の伸張歪とのそれぞれを検出するために、当該起歪体の側面には、荷重検出手段としての4つの圧縮歪検出用ストレインゲージと4つの伸張歪検出用ストレインゲージとが貼着されている。これらのストレインゲージは、ホイートストンブリッジ回路を構成しており、このホイートストンブリッジ回路は、起歪体に印加される荷重に応じた電圧の荷重検出信号(重量測定信号)を生成する。この荷重検出信号に基づいて、起歪体への印加荷重に応じた荷重検出値(荷重出力)が求められ、各ロードセルによる当該荷重検出値が合算されることで、トラックの重量が求められる。
ところで、計量台の剛性に対してトラックの重量が過大であると、計量台が撓み、これに伴い、起歪体が傾斜することがある。すると、起歪体に曲げモーメントが作用し、この曲げモーメントの大きさと方向とに応じた曲げ歪が当該起歪体に生じる。そして、この曲げ歪に起因する第1誤差としての曲げ歪誤差が荷重検出信号に発生する。この曲げ歪誤差を補償するために、従来技術では、上述した荷重検出手段としてのストレインゲージとは別に、曲げ歪検出手段としての4つのストレインゲージが、起歪体に貼着されている。この曲げ歪検出手段としての4つのストレインゲージは、上述とは別の2組のホイートストンブリッジ回路を構成しており、これら2組のホイートストンブリッジ回路から得られる2つの曲げ歪検出信号に基づいて、起歪体に生じる曲げ歪みの大きさと方向とが求められる。そして、この曲げ歪の大きさと方向とに基づいて、曲げ歪誤差が求められ、この曲げ歪誤差が荷重検出信号(荷重検出値)から除去されることで、当該曲げ歪誤差が補償される。
特開2007−33127号公報
上述のように、従来技術では、曲げ歪の大きさと方向とに基づいて、曲げ歪誤差が求められる。つまり、曲げ歪の大きさ(曲げ歪量)をMとし、当該曲げ歪の方向を表す方向角(起歪体が基準とする方向に対する曲げ歪の方向の角度)をαとし、曲げ歪誤差をEとすると、曲げ歪誤差Eは、次の式1のように、曲げ歪の大きさMと方向角αとを変数とする関数によって表される。
《式1》
E=f(M,α)
そして、この式1の関係を導き出すために、従来技術では、個々のロードセルについて、予め次のような試験が行われる。
まず、起歪体が直立した状態となるように、当該起歪体を含むロードセルが所定の試験機に装着される。そして、この直立状態にある起歪体に定格荷重が印加され、このときに得られる荷重検出値が、曲げ歪誤差Eを含まない真の荷重検出値とされる。
続いて、起歪体の中心軸が垂直軸に対して或る角度を成すように、当該起歪体が斜めに傾けられる。そして、この傾斜状態にある起歪体に定格荷重が印加される。これにより、起歪体に曲げ歪が生じる。さらに、起歪体の傾斜角度が一定に維持されながら、当該起歪体が垂直軸を中心として所定角度ずつ回される。つまり、曲げ歪の方向角αが所定角度ずつ変更される。そして、それぞれの方向角αごとの荷重検出値から真の荷重検出値が減算されることで、当該それぞれの方向角αごとの曲げ歪誤差Eが求められる。なお、方向角αは、上述した2つの曲げ歪検出信号に基づいて、求められる。
これと同時に、当該2つの曲げ歪検出信号に基づいて、それぞれの方向角αごとの曲げ歪の大きさMが求められる。この曲げ歪の大きさMは、方向角α(起歪体が傾斜している方向)によって変わるが、その変動は比較的に小さい。従って、曲げ歪の大きさMについては、それぞれの方向角αごとの当該曲げ歪の大きさMの平均値が、今現在の起歪体の傾斜角度に対応する代表値とされる。これにより、式1において、曲げ歪の大きさMが当該代表値であるときのそれぞれの方向角αと曲げ歪誤差Eとの関係が導き出される。そして、導き出された関係は、メモリ回路等の記憶手段に記憶される。
さらに、起歪体の傾斜角度が変更された上で、同じ作業が繰り返される。これにより、曲げ歪の大きさMが別の代表値であるときのそれぞれの方向角αと曲げ歪誤差Eとの関係が導き出される。そして、この関係もまた、記憶手段に記憶される。この結果、記憶手段には、互いに異なる2種類の曲げ歪の大きさMと、それぞれの方向角αと、これらの組合せに応じた曲げ歪誤差Eと、の関係、つまり式1を満足する複数の関係が、記憶される。これをもって、一連の試験が終了する。
この試験の終了後、それぞれのロードセルがトラックスケールに組み込まれ、つまり上述の如く計量台の下方に設置される。そして、トラックスケールの稼働時には、それぞれのロードセルごとに、荷重検出信号に基づいて、荷重検出値が求められる。併せて、2つの曲げ歪検出信号に基づいて、曲げ歪の大きさMと方向角αとが求められる。さらに、この曲げ歪の大きさMと方向角αとが記憶手段に記憶されている式1の関係と照合されることで、当該曲げ歪の大きさMと方向角αとに応じた曲げ歪誤差Eが求められる。そして、この曲げ歪誤差Eが荷重検出値から除去されることで、当該曲げ歪誤差Eが補償された補償後荷重検出値が求められ、さらに、各ロードセルによる当該補償後荷重検出値が合算されることで、トラックの重量が求められる。
ここで、上述した試験時の状態を図解すると、例えば図4に示すようになる。なお、この図4においては、ロードセル100として、概略円柱状の起歪体102を有する円柱(コラム)型と呼ばれるものが例示されている。具体的には、起歪体102は、その長さ方向における中程部分104を起歪部としており、図4には示さないが、この起歪部104に、上述した荷重検出手段としての合計8つのストレインゲージと、曲げ歪検出手段としての4つのストレインゲージとが、貼着されている。そして、起歪体102の両端部分106および108は、起歪部104よりも太めに形成されている。また、起歪体102の両端面110および112は、比較的に大きな曲率で概略ドーム状に突出した曲面形状とされている。さらに、起歪体102は、両端部分106および108を外部に露出させた状態で、概略直方体状の金属製のケース114によって覆われている。
この起歪体102を含むロードセル100は、まず、当該起歪体102が直立した状態となるように、つまり起歪体102の中心軸116が垂直方向に延伸するように、試験機118に装着される。このとき、起歪体102の下端面110は、試験機118を構成する下側荷重受け具120の下側荷重受け面122に接触する。そして、起歪体102の上端面112は、下側荷重受け具120と対を成す上側荷重受け具124の上側荷重受け面126に接触する。より詳しく説明すると、下側荷重受け面122は、水平な平面であり、この下側荷重受け面122に、起歪体102の下端面110の中心Pが、点接触する。そして、上側荷重受け面126もまた、水平な平面であり、この上側荷重受け面126に、起歪体102の上端面112の中心Qが、点接触する。
なお、下側荷重受け面122の周りは、当該下側荷重受け面122から起歪体102がズレ落ちるのを防止するべく、上方に突出した壁部128によって囲まれている。そして、この下側荷重受け面122を有する下側荷重受け具120は、水平床面130上に設置されている。一方、上側荷重受け面126の周りにも、同様の壁部132が設けられている。そして、この上側荷重受け面126を有する上側荷重受け具124は、ホルダ134に設けられた貫通孔136内に挿通されており、当該ホルダ134は、水平床面130に対して垂直なホルダ支持面138に固定されている。そして、上述した定格荷重を含む負荷荷重Wは、上側荷重受け具124を介して、起歪体102に印加される。
これに対して、起歪体102が傾斜しているときは、例えば図5に示すようになる。この図5に示すように、下側荷重受け具120が水平床面130に沿って適宜にスライドされることで、起歪体102が傾斜する。つまり、起歪体102の中心軸116が、垂直軸140に対して、或る角度θを成すようになる。すると、起歪体102の下端面110の下側荷重受け面122との接触点(着力点)が、当該起歪体102の下端面110の中心Pから別の位置P’に変わる。これと同様に、起歪体102の上端面112の上側荷重受け面126との接触点も、当該起歪体102の上端面112の中心Qから別の位置Q’に変わる。この状態で、起歪体102に荷重Wが印加されると、当該起歪体102に曲げ歪が生じる。そして、起歪体102の傾斜方向と傾斜角度θ(下側荷重受け具120のスライド方向とスライド量)とが適当に変更されることによって、曲げ歪の大きさMと方向角αとが変えられ、その時々の曲げ歪誤差Eが求められることで、上述した式1の関係が導き出される。
しかしながら、この試験によって導き出された式1の関係が実際の稼働時に適用されるだけでは、誤差補償として不十分である。
即ち、図6に示すように、トラックスケール150においては、上述した試験機118におけるのと同様の下側荷重受け具152が備えられており、この下側荷重受け具152の下側荷重受け面154に、起歪体102の下端面110が点接触する。なお、下側荷重受け具152は、水平な設置平面156に固定されている。そして、下側荷重受け具152と対を成す上側荷重受け具158が、計量台160の下面(裏面)に固定されており、この上側荷重受け具158の上側荷重受け面162に、起歪体102の上端面112が点接触する。ここで、図示しないトラックが計量台160に載置されることによって当該計量台160が撓み、これにより、起歪体102が図5に示したのと同じ方向に同じ角度θだけ傾斜する、と仮定する。すると、計量台160の撓みに伴って、上側荷重受け具158の上側荷重受け面162が傾斜し、つまり水平でなくなる。この結果、荷重Wの印加方向(垂直方向)とは別の方向にも、当該荷重Wの印加による外力が作用する。また、起歪体102の上端面112の上側荷重受け面162との接触点が、図5に示したのとはさらに別の位置Q”に変わる。要するに、起歪体102に対する荷重Wの印加態様が、図5に示した試験時と相違する。従って、例えば、荷重Wの大きさが試験時と同じであったとしても、起歪体102に生じる曲げ歪の態様、特に大きさMが、当該試験時とは異なってくる。言い換えれば、起歪体102に生じる曲げ歪の大きさMと方向角αとが試験時と同じであっても、荷重Wの検出値に含まれる曲げ歪誤差Eが当該試験時とは異なる。
つまり、従来技術では、起歪体102が傾斜することに起因する曲げ歪誤差Eを補償する機能は備えられているものの、計量台160が撓んで上側荷重受け面162が傾斜することに起因する第2の誤差、言わば荷重受け面傾斜誤差、については、何ら補償されず、況して想定すらされていないため、正確な誤差補償を実現することができない。これは、当然に、荷重検出精度の低下を招く。
そこで、本発明は、曲げ歪誤差Eを含む第1誤差のみならず、荷重受け面傾斜誤差を含む第2の誤差をも適切に補償することによって、従来よりも高精度な荷重検出装置を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明の荷重検出装置は、概略平板状の計量台を支持すると共にこの計量台に被計量物が載置されることによって印加される荷重に応じた歪を生じる柱型の起歪体と、この起歪体に取り付けられており当該起歪体に生じる歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、起歪体が傾斜することに起因して荷重検出信号に発生する第1誤差を補償する第1誤差補償手段と、を具備する。さらに、計量台が撓むことに起因して第1誤差以外に荷重検出信号に発生する第2誤差を補償する第2誤差補償手段をも、具備する。
即ち、本発明によれば、起歪体が傾斜すると、これに起因して、荷重検出信号に第1誤差が発生する。この第1誤差は、主に、起歪体に曲げ歪が生じることによる曲げ歪誤差であり、この曲げ歪誤差を含む第1誤差は、第1誤差補償手段によって補償される。さらに、計量台が撓むと、当該計量台を介して起歪体に印加される荷重の態様が変わり、これに起因して、荷重検出信号に第1誤差以外の第2誤差が発生する。そして、この第2誤差は、第2誤差補償手段によって補償される。
なお、第2誤差は、計量台の撓みの程度に応じて、増減する。また、この計量台の撓みの程度に応じて、起歪体の傾斜の程度も増減する。これに伴い、起歪体に生じる曲げ歪みの程度が増減し、ひいては曲げ歪誤差を含む第1誤差が増減する。つまり、第2誤差は、第1誤差と相関する。従って、例えば、第1誤差補償手段が、第1誤差を補償するに当たって、当該第1誤差を求める場合、第2誤差補償手段は、この第1誤差補償手段によって求められた第1誤差に基づいて、第2誤差を求め、これを補償するものとしてもよい。
そして、この場合、第1誤差補償手段は、計量台が撓みを生じていない正規状態にあることを前提として、第1誤差を求めるものとし、第2誤差補償手段は、当該計量台が正規状態にあることを前提として求められた第1誤差に基づいて、第2誤差を求めるものとしてもよい。
さらに、第2誤差補償手段は、第1誤差補償手段によって求められた第1誤差に所定のパラメータを適用することで、例えば当該パラメータとして係数を乗ずることで、第2誤差を求めるものとしてもよい。
また、特に、本発明がトラックスケールに用いられる場合、常套的には、計量台は、複数の起歪体によって支持される。そして、これら複数の起歪体それぞれに、荷重検出手段が取り付けられる。さらに、第1誤差補償手段は、それぞれの荷重検出手段が生成する荷重検出信号ごとに第1誤差を求める。このような場合には、第2誤差補償手段は、それぞれの荷重検出信号ごとに求められた第1誤差に対して個別のパラメータを適用することで、当該それぞれの荷重検出信号ごとに第2誤差を求めるものとしてもよい。
これに代えて、第2誤差補償手段は、それぞれの荷重検出信号ごとに求められた第1誤差に対して共通のパラメータを適用することで、全ての荷重検出信号を総合した総合荷重検出信号についての第2誤差を求めるものとしてもよい。
なお、このように総合荷重検出信号についての第2誤差が求められる場合、被計量物の重量によって、計量台の撓みの程度が変わり、ひいては当該第2誤差が変わるものと、推察される。この第2誤差の変動分を補うべく、パラメータは、被計量物の重量に基づいて補正されるものとしてもよく、つまり当該被計量物の重量値を変数とする関数としてもよい。ただし、被計量物の重量は未知であるので、これに代えて、総合荷重検出信号を変数としてもよい。さらに、第1誤差が補償された後の総合荷重検出信号を当該変数としてもよい。
ここで言うパラメータは、事前の調整作業において求められるのが、望ましい。即ち、事前の調整作業においては、スパン等の諸特性を確認したり補正したりするため等に、重量が既知の基準負荷が被計量物として計量台に載置される。これを利用して、当該基準負荷の重量と、これが計量台に載置されているときに得られる荷重検出信号と、第1誤差と、に基づいて、パラメータが求められれば、当該パラメータを求めるための特別な作業の増加が抑制される。
また、この事前の調整作業における基準負荷は、複数であってもよい。つまり、事前の調整作業においては、互いに異なる態様の複数の基準負荷が用意されるのが、常套である。従って、これら複数の基準負荷が計量台に個別に載置されたときに得られる複数の荷重検出信号と、複数の第1誤差と、当該複数の基準負荷それぞれの重量値と、に基づいて、パラメータが求められれば、当該パラメータとして、より正確なものが得られる。なお、ここで言う互いに異なる態様とは、例えば各基準負荷それぞれの重量が互いに異なることや、計量台における当該各基準負荷それぞれの載置位置が互いに異なることを言う。
そして、このように複数の基準負荷を用いて事前の調整作業が行われる場合、当該複数の基準負荷が計量台に個別に載置されたときに得られる複数の荷重検出信号を記憶しておく記憶手段を、さらに備えてもよい。そして、この記憶手段に記憶されているそれぞれの荷重検出信号について、第1誤差補償手段による補償と第2誤差補償手段による補償とが成された結果、つまり第1誤差と第2誤差との両方が補償された後の補償後荷重検出信号
を、出力する出力手段を、さらに備えてもよい。このようにすれば、それぞれの基準負荷に対応する荷重検出信号について、適切な誤差補償が成されているかどうかを、確認することができる。しかも、それぞれの基準負荷を改めて計量台に載置し直す必要もない。
上述したように、本発明によれば、曲げ歪誤差を含む第1誤差のみならず、計量台が撓むことに起因する当該第1誤差以外の第2誤差についても、適切に補償される。従って、第2誤差を補償することができない上述の従来技術に比べて、より高精度な荷重検出装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るトラックスケールの概略構成を示すブロック図である。 同実施形態における計量台を上方から見た図解図である。 同実施形態における調整作業時の負荷パターンを示す図解図である。 従来のロードセルの試験時の状態を示す図解図である 図4とは別の状態を示す図解図である。 従来のロードセルの問題点を説明するための図解図である。
本発明の第1実施形態について、トラックスケールを例に挙げて説明する。
図1に示すように、本第1実施形態に係るトラックスケール10は、例えば地面に設置される計量部30と、この計量部30を視認できる室内に設置されるデータプロセッサ50と、これら計量部30とデータプロセッサ50とを結ぶ通信ライン70と、を備えている。このうち、計量部30は、図示しない被計量物としてのトラックが載置される計量台32と、この計量台32を支持する互いに同一規格の複数の荷重検出装置、例えば4つのディジタル式ロードセル34,34,…と、を備えている。
具体的には、計量台32は、図2に示すような矩形平板である。そして、この計量台32の下方の4隅位置に、各ロードセル34,34,…が配置されている。また、各ロードセル34,34,…には、“LC1”,“LC2”,“LC3”および“LC4”という個別の識別符号が付されている。詳しくは、図2において左下隅に配置されているロードセル24に、“LC1”という識別符号が付されており、右下隅に配置されているロードセル24に、“LC2”という識別符号が付されている。そして、右上隅に配置されているロードセル24に、“LC3”という識別符号が付されており、左上隅に配置されているロードセル24に、“LC4”という識別符号が付されている。なお、これ以降の説明においては、これら各ロードセル34,34,…について、適宜に当該“LC1”,“LC2”,“LC3”および“LC4”という識別符号を用いて表現することがある。
図1に戻って、計量台32にトラックが載置されると、このトラックの重量Wtに応じた荷重が各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4に分散して印加される。すると、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4は、それぞれに印加された荷重W1,W2,W3およびW4の大きさを表すディジタル態様の荷重検出信号W1’,W2’,W3’およびW4’を出力する。なお、これらの荷重検出信号W1’,W2’,W3’およびW4’には、計量台32の重量を含む初期荷重成分も含まれるが、ここでは、説明の便宜上、当該初期荷重成分については、予め除去されているものとする。これらの荷重検出信号W1’,W2’,W3’およびW4’は、通信ライン70を介して、データプロセッサ30に送られる。
併せて、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4は、後述する曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4を表すディジタル態様の曲げ歪誤差信号(以下、この曲げ歪誤差信号についてもE1,E2,E3およびE4という符号を用いて表現する。)をも出力する。そして、この曲げ歪誤差信号E1,E2,E3およびE4もまた、通信ライン70を介して、データプロセッサ50に送られる。
データプロセッサ50は、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4から送られてくる荷重検出信号W1、W2,W3およびW4と曲げ歪誤差信号E1,E2,E3およびE4との入力を受け付けるインタフェース回路52を備えている。そして、このインタフェース回路52に入力された荷重検出信号W1’、W2’,W3’およびW4’と曲げ歪誤差信号E1,E2,E3およびE4とは、さらに第1誤差補償手段および第2誤差補償手段としての機能を兼ね備えた制御手段としてのCPU(Central
Processing Unit)54に入力される。CPU54は、入力された荷重検出信号W1、W2,W3およびW4と曲げ歪誤差信号E1,E2,E3およびE4とに基づいて、言い換えれば各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’と当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4とに基づいて、トラックの重量Wtを求め、詳しくは、次の式2に基づいて、重量測定値Wt’を算出する。
《式2》
Wt’=(W1’+W2’+W3’+W4’)−(K1・E1+K2・E2+K3・E3+K4・E4)
この式2において、K1,K2,K3およびK4は、パラメータとしての誤差補償係数であり、これについては、後で詳しく説明する。また、本来ならば、この式2に、いわゆるスパン係数も含まれるのであるが、このスパン係数については、説明の便宜上、ここでは“1”とする。
CPU54は、この式2に基づいて算出した重量測定値Wt’を、出力手段としてのディスプレイ56に表示する。このディスプレイ56の表示から、オペレータは、トラックの重量Wtを認識することができる。なお、ディスプレイ56は、インタフェース回路52を介して、CPU54に接続されている。また、CPU54には、インタフェース回路52を介して、当該CPU54に各種命令を入力するための入力手段としての操作キー58も接続されている。そして、CPU54の動作は、記憶手段としてのメモリ回路60に記憶されている制御プログラムによって制御される。
ところで、本第1実施形態におけるそれぞれのロードセル34(LC1,LC2,LC3およびLC4)は、図4〜図6に示したロードセル100と同様のものである。即ち、詳しい図示は省略するが、それぞれのロードセル34は、概略円柱状の起歪体を有している。そして、この起歪体の側面に、荷重検出手段としての合計8つのストレインゲージと、曲げ歪検出手段としての4つのストレインゲージとが、貼着されている。このうち、荷重検出手段としての各ストレインゲージは、1組のホイートストンブリッジ回路を構成しており、曲げ歪検出手段としての各ストレインゲージは、別の2組のホイートストンブリッジ回路を構成している。さらに、起歪体の両端面は、比較的に大きな曲率で概略ドーム状に突出した曲面形状とされている。そして、起歪体は、その両端部分を外部に露出させた状態で、概略直方体状のケースによって覆われている。
本第1実施形態においても、それぞれのロードセル34について、図4および図5を参照しながら説明したのと同じ要領で、式1の関係を導き出すための試験が行われる。そして、この試験後のロードセル34が、図6を参照しながら説明したのと同様に、トラックスケール10に組み込まれ、つまり計量台32の下方に設置される。
トラックスケール10の稼働時において、それぞれのロードセル34に荷重Wn(n;1〜4の任意の数字)が印加されると、荷重検出用のホイートストンブリッジ回路が、当該荷重Wnに応じたアナログ態様の荷重検出信号Wn’を生成する。そして、この荷重検出信号Wn’は、ディジタル態様に変換された後、上述の如く通信ライン70を介して、データプロセッサ50に送られ、ひいてはCPU54に入力される。
また、それぞれのロードセル34において、起歪体が傾斜すると、当該起歪体に曲げ歪が生じる。そして、この曲げ歪の大きさMと方向角αとが、曲げ歪検出用の2組のホイートストンブリッジ回路から得られる2つの曲げ歪検出信号に基づいて、求められる。さらに、当該曲げ歪の大きさMと方向角αとが式1の関係と照合されることで、曲げ歪誤差Enが求められる。そして、この曲げ歪誤差Enを表す曲げ歪誤差信号Enもまた、通信ライン70を介して、データプロセッサ50に送られ、ひいてはCPU54に入力される。
そしてさらに、計量台32が撓んで、図6に示したのと同様に、当該計量台32の起歪体との接触面(厳密には図6における上側荷重受け面162に対応する平面)が水平でなくなると、曲げ歪誤差Enとは別の第2の誤差、言わば荷重受け面傾斜誤差En’が生じる。つまり、それぞれのロードセル34から得られる荷重検出信号(荷重検出値)Wn’には、曲げ歪誤差Enと荷重受け面傾斜誤差En’とを足し合わせた次の式3で表される総合誤差En”が含まれることになる。
《式3》
En”=En+En’
ここで、荷重受け面傾斜誤差En’に注目すると、この荷重受け面傾斜誤差En’は、計量台32の撓みの程度に応じて、つまり当該計量台32の起歪体との接触面の傾斜に応じて、増減する。その一方で、計量台32の撓みの程度に応じて、起歪体の傾斜の程度も増減するので、これに伴い、起歪体に生じる曲げ歪みの程度が増減し、ひいては曲げ歪誤差Enが増減する。即ち、荷重受け面傾斜誤差En’は、曲げ歪誤差Enに相関し、次の式4によって表される。
《式4》
En’=f(En)
さらに、荷重受け面傾斜誤差En’が、例えば曲げ歪誤差Enに比例するものと見なすと、当該荷重受け面傾斜誤差En’は、或る係数knを用いて、次の式5のように表される。
《式5》
En’=kn・En
そして、この式5を上述の式3に代入すると、総合誤差En”は、次の式6によって表される。
《式6》
En”=En+kn・En=(1+kn)・En
加えて、この式5における“1+kn”をKnという上述した誤差補償係数で纏めると、当該式6は、次の式7のようになる。
《式7》
En”=Kn・En
この式7から分かるように、それぞれのロードセル34についての誤差補償係数Kn(K1,K2,K3およびK4)が判明すれば、上述した式2に基づいて、総合誤差En”が除去された正確な重量測定値Wt’を得ることができる。
そこで、本第1実施形態では、それぞれのロードセル34についての誤差補償係数Knを求めるための事前の調整作業が、次の要領で実施される。なお、厳密に言えば、この調整作業は、本来、トラックスケール10全体としてのスパン等の諸特性を確認したり再調整したりするために成されるものであり、本第1実施形態では、これと並行して(言わばついでに)当該誤差補償係数Knが求められる。
まず、重量Woが既知の基準分銅90が、複数、例えば4つ、用意される。なお、それぞれの基準分銅90の重量Woは、例えば用意されている当該基準分銅90の個数によってトラックスケール10の定格荷重Wsを除した値と等価であり、つまりWo=Ws/4である。
そして、図3(a)に示すように、2つの基準分銅90および90が、計量台32の中央O付近に載置される。具体的には、これら2つの基準分銅90および90は、計量台32の長さ方向に沿う中心線L1上に並べられ、各々自身が当該中心線L1に関して線対称となるように、かつ、計量台32の短辺方向に沿う中心軸L2に関して互いに線対称となるように、載置される。これによって、計量台32の中央O付近に負荷荷重Wtとして定格荷重Wsの半分の荷重Ws/2(Wo+Wo)が印加された、言わば中央負荷パターンが、形成される。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’は、それぞれW1a、W2a,W3aおよびW4aとして、上述したメモリ回路60に記憶される。併せて、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4もまた、それぞれE1a,E2a,E3aおよびE4aとして、メモリ回路60に記憶される。そして、これらの荷重検出値W1a、W2a,W3aおよびW4aと、曲げ歪誤差E1a,E2a,E3aおよびE4aと、計量台32に印加されている実際の負荷荷重値Wt(=Ws/2)とが、上述の式2に代入されることで、次の式8が得られる。
《式8》
Ws/2=(W1a+W2a+W3a+W4a)−(K1・E1a+K2・E2a+K3・E3a+K4・E4a)
なお、このとき、参考用として、荷重検出値W1a、W2a,W3aおよびW4aのみを足し合わせた、言わば誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1a+W2a+W3a+W4a)が求められ、ディスプレイ56に表示されるようにしてもよい。また、これに代えて、若しくはこれと同時に、曲げ歪誤差E1a,E2a,E3aおよびE4aのみが補償された、言わば仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1a+W2a+W3a+W4a)−(E1a+E2a+E3a+E4a))が求められ、ディスプレイ56に表示されるようにしてもよい。
次に、例えば図3(b)に示すように、2つの基準分銅90および90が、計量台32の中央Oよりも乗り入れ側(同図において左側)に寄せて載置される。具体的には、図3(a)に示した状態から、各基準分銅90および90が、当該計量台32の乗り入れ側へ2・Aという距離だけスライドされる。これによって、計量台32の中央Oよりも乗り入れ側に負荷荷重Wtとして定格荷重Wsの半分の荷重Ws/2が印加された、言わば乗り入れ側負荷パターンが、形成される。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’は、それぞれW1b、W2b,W3bおよびW4bとして、メモリ回路60に記憶される。また、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4も、それぞれE1b,E2b,E3bおよびE4bとして、メモリ回路60に記憶される。そして、これらの荷重検出値W1b、W2b,W3bおよびW4bと、曲げ歪誤差E1b,E2b,E3bおよびE4bと、計量台32に印加されている実際の負荷荷重値Wt(=Ws/2)とが、式2に代入されることで、次の式9が得られる。
《式9》
Ws/2=(W1b+W2b+W3b+W4b)−(K1・E1b+K2・E2b+K3・E3b+K4・E4b)
なお、このときも、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1b+W2b+W3b+W4b)が求められ、ディスプレイ56に表示されるようにしてもよい。また、これに代えて、若しくはこれと同時に、仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1b+W2b+W3b+W4b)−(E1b+E2b+E3b+E4b))が求められ、ディスプレイ56に表示されるようにしてもよい。
続いて、図3(c)に示すように、2つの基準分銅90および90が、計量台32の中央Oよりも降車側(同図において右側)に寄せて載置される。具体的には、図3(b)に示した状態から、各基準分銅90および90が、当該計量台32の降車側へ4・Aという距離だけスライドされる。これによって、計量台32の中央Oよりも降車側に負荷荷重Wtとして定格荷重Wsの半分の荷重Ws/2が印加された、言わば降車側負荷パターンが、形成される。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’は、それぞれW1c、W2c,W3cおよびW4cとして、メモリ回路60に記憶される。また、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4も、それぞれE1c,E2c,E3cおよびE4cとして、メモリ回路60に記憶される。そして、これらの荷重検出値W1c、W2c,W3cおよびW4cと、曲げ歪誤差E1c,E2c,E3cおよびE4cと、計量台32に印加されている実際の負荷荷重値Wt(=Ws/2)とが、式2に代入されることで、次の式10が得られる。
《式10》
Ws/2=(W1c+W2c+W3c+W4c)−(K1・E1c+K2・E2c+K3・E3c+K4・E4c)
なお、このときも、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1c+W2c+W3c+W4c)と、仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1c+W2c+W3c+W4c)−(E1c+E2c+E3c+E4c))と、の一方または両方が求められ、ディスプレイ58に表示されるようにしてもよい。
さらに、図3(d)に示すように、全4つの基準分銅90,90,…が、計量台32の全体にわたって一様に載置される。具体的には、図3(c)に示した状態に対して、図3(b)に示した状態が組み合わされるように、2つの基準分銅90および90がさらに加えられる。これにより、計量台32の全体にわたって一様に定格荷重Ws(=4・Wo)と等価な負荷荷重Wtが印加された、言わば定格負荷パターンが、形成される。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’は、それぞれW1d、W2d,W3dおよびW4dとして、メモリ回路60に記憶される。また、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4も、それぞれE1d,E2d,E3dおよびE4dとして、メモリ回路60に記憶される。そして、これらの荷重検出値W1d、W2d,W3dおよびW4dと、曲げ歪誤差E1d,E2d,E3dおよびE4dと、計量台32に印加されている実際の負荷荷重値Wt(=Ws)とが、式2に代入されることで、次の式11が得られる。
《式11》
Ws=(W1d+W2d+W3d+W4d)−(K1・E1d+K2・E2d+K3・E3d+K4・E4d)
なお、このときも、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1d+W2d+W3d+W4d)と、仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1d+W2d+W3d+W4d)−(E1d+E2d+E3d+E4d))と、の一方または両方が求められ、ディスプレイ58に表示されてもよい。
このようにして得られた式8〜式11の4つの方程式が連立して解かれることで、各ロードセルにLC1,LC2,LC3およびLC4についての4つの誤差補償係数K1,K2,K3およびK4が求められる。そして、求められた各誤差補償係数K1,K2,K3およびK4は、メモリ回路60に記憶される。これをもって、(上述したスパン等の諸特性を確認したり再調整したりするための他の作業が終えたことを含めて)事前の調整作業が終了する。
そして、トラックスケール10の稼働時においては、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4から得られる荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’と、曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4と、調整作業で求められた各誤差補償係数K1,K2,K3およびK4とが、式2に代入されることによって、正確な重量測定値Wt’が求められる。
このように、本第1実施形態によれば、それぞれのロードセル34の曲げ歪誤差Enのみならず、計量台32が撓むことに起因する当該曲げ歪誤差En以外の荷重受け面傾斜誤差En’についても、適切に補償される。従って、この荷重受け面傾斜誤差En’を補償することができない上述した従来技術に比べて、より高精度な誤差補償を実現することができ、ひいてはトラックの重量Wtをより正確に求めることができる。
また、この正確な誤差補償を実現するために必要な誤差補償係数Knは、元々スパン等の諸特性を確認したり再調整したりするために行われる事前の調整作業において、言わばついでに求められる。従って、この誤差補償係数Knを求めるための余分な作業の追加が抑制され、つまり作業コストの増大が抑えられる。
なお、事前の調整作業においては、誤差補償係数Knが求められた後、この求められた誤差補償係数Knが適切であるかどうかを、次の要領で確認することができる。即ち、事前の調整作業において、誤差補償係数Knが求められた後、メモリ回路60に記憶されているそれぞれの負荷パターンごとの荷重検出値Wn’(Wna,Wnb,WncおよびWnd)と曲げ歪誤差En(Ena.Enb,EncおよびEnd)とが、例えば操作キー58の操作によって、適宜に呼び出される。そして、呼び出された荷重検出値Wn’と曲げ歪誤差Enとが、誤差補償係数Knと共に、式2に代入されることによって、重量測定値Wt’が求められ、ディスプレイ56に表示される。従って、オペレータは、ディスプレイ56に表示された重量測定値Wt’と、これに対応する実際の負荷荷重値Wtと、を比較することによって、当該重量測定値Wt’が正確であるかどうか、言い換えれば誤差補償係数Knが適切であるかどうかを、確認することができる。しかも、この確認に際しては、それぞれの基準分銅90を改めて計量台32に載置し直す必要はなく、つまり図3に示したそれぞれの負荷パターンを再現する必要はない。ゆえに、この確認のための作業コストの増大は、略皆無である。また、このとき、参考用として、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1’+W2’+W3’+W4’)、或いは曲げ歪誤差Enのみが補償された仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1’+W2’+W3’+W4’)−(E1+E2+E3+E4))が求められ、ディスプレイ56に表示されるようにしてもよい。
この事前の調整作業においては、図3に示した負荷パターンに限らず、例えば基準分銅90の載置個数や載置位置が適宜に変更されることで、別の負荷パターンが形成されてもよい。また、基準分銅90として、互いに重量Woの異なるものが、採用されてもよい。
さらに、本第1実施形態においては、上述した式8〜式11の4つの方程式が連立して解かれることで、各誤差補償係数Kn(K1,K2,K3およびK4)が求められることとしたが、これ以外の手法によって、当該各誤差補償係数Knが求められてもよい。一例として、最小2乗法を用いた手法について、簡単に説明する。
図示は省略するが、まず、トラックスケール10の定格荷重Ws以下の適当な既知重量、例えばWs/2という重量、を持つ基準分銅が、1つ用意される。そして、この基準分銅が計量台32の様々な位置に載置されることで、R通りの負荷パターンが形成され、それぞれの負荷パターンが形成されているときの各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’と、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4とが、メモリ回路60に記憶される。ここで、或る負荷パターンを、r(r;1〜Rの任意の数字)という符号で表し、当該或る負荷パターンrが形成されているときの各荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’を、それぞれW1r、W2r,W3rおよびW4rWとし、各曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4を、それぞれE1r,E2r,E3rおよびE4rとすると、上述した式2に基づいて、次の式12の関係が成り立つ。
《式12》
Ws/2=(W1r+W2r+W3r+W4r)−(K1・E1r+K2・E2r+K3・E3r+K4・E4r)
そして、この式12において、真の負荷荷重値Wtである左辺と、当該負荷荷重値Wtの測定値Wt’である右辺と、の間に誤差δrがあるとすると、この誤差δrは、次の式13によって表される。
《式13》
δr=Ws/2−{(W1r+W2r+W3r+W4r)−(K1・E1r+K2・E2r+K3・E3r+K4・E4r)}
さらに、R通りの全ての負荷パターンについての当該誤差δrの2乗和をεとすると、この2乗和εは、次の式14によって求められる。
《式14》
ε=Σ{δr} where r=1〜R
この2乗和εが最小になるように、各誤差補償係数K1,K2,K3およびK4が求められればよい。即ち、次の式15〜式18で表される4つの方程式が連立して解かれることによって、当該各誤差補償係数K1,K2,K3およびK4が求められる。
《式15》
∂ε/∂K1=0
《式16》
∂ε/∂K2=0
《式17》
∂ε/∂K3=0
《式18》
∂ε/∂K4=0
このようにして、最小2乗法を用いることによっても、各誤差補償係数Kn(K1,K2,K3およびK4)を求めることができる。なお、この手法における基準分銅の重量は、Ws/2に限らず、例えばWsや{3/4}・Ws、Ws/4であってもよく、要するに既知であればよい。また、最小2乗法以外の回帰分析法を用いてもよい。
さらに、本第1実施形態においては、上述の式2に基づいて重量測定値Wt’が求められるようにしたが、言い換えればデータプロセッサ50(CPU54)によって一括して誤差補償が行われるようにしたが、これに限らない。例えば、事前の調整作業で求められた誤差補償係数Knがそれぞれのロードセル34に送られ、当該それぞれのロードセル34において個別に誤差補償が行われるようにしてもよい。つまり、それぞれのロードセル34ごとに誤差補償後の荷重検出値Wn”(=Wn’−Kn・En)が求められてもよい。そして、それぞれのロードセル34による誤差補償後の荷重検出値Wn”がデータプロセッサ50に送られ、互いに合算されることによって、正確な重量測定値Wt’(=W1”+W2”+W3”+W4”)が求められるようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について、説明する。
上述したように、第1実施形態においては、それぞれのロードセル34ごとの誤差補償係数Knが求められたが、本第2実施形態においては、全てのロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4に共通の誤差補償係数K(=1+k)が求められる。つまり、全てのロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4について、共通の誤差補償係数K(=K1=K2=K3=K4)が適用される。そして、この共通の誤差補償係数Kを含む次の式19に基づいて、重量測定値Wt’が求められる。
《式19》
Wt=(W1’+W2’+W3’+W4’)−K・(E1+E2+E3+E4)
この式19に含まれる誤差補償係数Kを求めるために、本第2実施形態では、上述した事前の調整作業において、計量台32に定格荷重Wsと等価な負荷荷重Wt(=Ws)が印加され、例えば図3(d)に示した定格負荷パターンが形成される。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’が、それぞれW1s、W2s,W3sおよびW4sであり、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4が、それぞれE1s,E2s,E3sおよびE4sである、とすると、これらと、今現在実際に計量台32に印加されている負荷荷重値Wt(=Ws)とが、式19に代入されることで、次の式20が得られる。
《式20》
Ws=(W1s+W2s+W3s+W4s)−K・(E1s+E2s+E3s+E4s)
なお、このとき、第1実施形態と同様に、参考用として、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1s+W2s+W3s+W4s)と、仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1s+W2s+W3s+W4s)−(E1s+E2s+E3s+E4s))と、の一方または両方が求められ、ディスプレイ56に表示されるようにしてもよい。
そして、この式20の方程式が解かれることによって、誤差補償係数Kが求められる。求められた誤差補償係数Kは、メモリ回路60に記憶され、これをもって、事前の調整作業が終了する。
トラックスケール10の稼働時においては、各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4から得られる荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’と、曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4と、調整作業で求められた当該誤差補償係数Kとが、式19に代入されることで、正確な重量測定値Wt’が求められる。そして、求められた重量測定値Wt’は、上述したようにディスプレイ60に表示される。
なお、本第2実施形態においても、データプロセッサ50側で一括して誤差補償が行われるが、それぞれのロードセル34において個別に当該誤差補償が行われるようにしてもよい。即ち、調整作業で求められた誤差補償係数Kがそれぞれのロードセル34に送られ、当該それぞれのロードセル34において個別に誤差補償後の荷重検出値Wn”(=Wn’−K・En)が求められるようにしてもよい。そして、それぞれのロードセル34による誤差補償後の荷重検出値Wn”がデータプロセッサ50側で合算されることによって、正確な重量測定値Wt’(=W1”+W2”+W3”+W4”)が求められてもよい。
また、誤差補償係数Kを求めるための調整作業において、計量台32に印加される荷重Wtを定格荷重Wsと等価としたが、これに限らない。例えば、図3の(a)〜(c)に示したいずれかの負荷パターンが形成されるようにしてもよいし、これらとはさらに別の負荷パターンが形成されるようにしてもよい。
続いて、本発明の第3実施形態について、説明する。
本第3実施形態は、第2実施形態における誤差補償係数Kを、計量台32に印加される荷重(つまり被計量物の重量)Wtの関数として取り扱うものである。即ち、計量台32に撓みが生じたとき、この撓みの程度は、当該計量台32に印加される荷重Wtによって変わる。従って、例えば計量台32に印加される荷重Wtが変わると、当該計量台32の撓みの程度が変わり、ひいては上述した荷重受け面傾斜誤差En’が変わることになる。そこで、本第3実施形態においては、この荷重受け面傾斜誤差En’の変動分を補うべく、誤差補償係数Kが、次の式21で表されるように、計量台32に印加される荷重Wtの変数として取り扱われる。
《式21》
K=f(Wt)
ただし、計量台32に印加される荷重Wtは未知であるため、これに代えて、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1’+W2’+W3’+W4’)が、変数として採用される。つまり、実用上の誤差補償係数Kは、次の式22によって表される。
《式22》
K=f(Wt”)
そして、この式22によって表される誤差補償係数Kを求めるために、本第3実施形態においては、次の要領で、事前の調整作業が行われる。
まず、計量台32に、荷重Wtとして、既知荷重、例えば定格荷重Wsの1/4の荷重Ws/4が、印加される。このWs/4という荷重Wtの印加は、第1実施形態におけるのと同じ基準分銅90が1つだけ計量台32の適当な位置に載置されることによって実現されてもよいし、別の基準分銅が載置されることによって実現されてもよい。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’が、それぞれW11、W21,W31およびW41であり、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4が、それぞれE11,E21,E31およびE41である、とすると、これらと、今現在実際に計量台32に印加されている負荷荷重値Wt(=Ws/4)とが、上述の式19に代入されることで、次の式23が得られる。
《式23》
Ws/4=(W11+W21+W31+W41)−K・(E11+E21+E31+E41)
そして、この式23の方程式が解かれることによって、誤差補償係数Kが求められる。求められた誤差補償係数Kは、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの1/4未満(Wt”<Ws/4)であるときのための係数Kaとして、メモリ回路60に記憶される。
次に、計量台32に、荷重Wtとして、例えば定格荷重Wsの1/2の荷重Ws/2が、印加される。このWs/2という荷重Wtの印加は、上述した基準分銅90が2つ計量台32の適当な位置に載置されることによって実現されてもよいし、別の基準分銅が載置されることによって実現されてもよい。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’が、それぞれW12、W22,W32およびW42であり、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4が、それぞれE12,E22,E32およびE42である、とすると、これらと、今現在実際に計量台32に印加されている負荷荷重値Wt(=Ws/2)とが、上述の式19に代入されることで、次の式24が得られる。
《式24》
Ws/2=(W12+W22+W32+W42)−K・(E12+E22+E32+E42)
そして、この式24の方程式が解かれることによって、誤差補償係数Kが求められる。求められた誤差補償係数Kは、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの1/4以上かつ当該定格荷重Wsの1/2未満(Ws/4≦Wt”<Ws/2)であるときのための係数Kbとして、メモリ回路60に記憶される。
続いて、計量台32に、荷重Wtとして、例えば定格荷重Wsの3/4の荷重{3/4}・Wsが、印加される。この{3/4}・Wsという荷重Wtの印加は、上述した基準分銅90が3つ計量台32の適当な位置に載置されることによって実現されてもよいし、別の基準分銅が載置されることによって実現されてもよい。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’が、それぞれW13、W23,W33およびW43であり、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4が、それぞれE13,E23,E33およびE43である、とすると、これらと、今現在実際に計量台32に印加されている負荷荷重値Wt(={3/4}・Ws)とが、上述の式19に代入されることで、次の式25が得られる。
《式25》
(3/4)・Ws=(W13+W23+W33+W43)−K・(E13+E23+E33+E43)
そして、この式25の方程式が解かれることによって、誤差補償係数Kが求められる。求められた誤差補償係数Kは、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの1/2以上かつ当該定格荷重Wsの3/4未満(Ws/2≦Wt”<{3/4}・Ws)であるときのための係数Kcとして、メモリ回路60に記憶される。
さらに、計量台32に、定格荷重Wsと等価な荷重Wt(=Wt)が印加される。この荷重Wtの印加は、図3(d)に示した定格負荷パターンが形成されることによって実現されてもよいし、これとは別の態様で実現されてもよい。そして、このときに得られる各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4による荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’が、それぞれW14、W24,W34およびW44であり、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4における曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4が、それぞれE14,E24,E34およびE44である、とすると、これらと、今現在実際に計量台32に印加されている負荷荷重値Wt(=Ws)とが、上述の式19に代入されることで、次の式26が得られる。
《式26》
Ws=(W14+W24+W34+W44)−K・(E14+E24+E34+E44)
そして、この式26の方程式が解かれることによって、誤差補償係数Kが求められる。求められた誤差補償係数Kは、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの3/4以上(Wt”≧{3/4}・Ws)であるときのための係数Kdとして、メモリ回路60に記憶される。これをもって、事前の調整作業が終了する。
トラックスケール10の稼働時においては、各ロードセルC1,LC2,LC3およびLC4から得られる荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’が足し合わされることで、誤差補償前の重量測定値Wt”(=W1’+W2’+W3’+W4’)が求められる。そして、この誤差補償前の重量測定値Wt”に基づいて、上述の式19に代入される誤差補償係数Kが決定される。
例えば、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの1/4未満(Wt”<Ws/4)であるときは、誤差補償係数Kとして、係数Kaが、式19に代入される。そして、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの1/4以上かつ当該定格荷重Wsの1/2未満(Ws/4≦Wt”<Ws/2)であるときは、誤差補償係数Kとして、係数Kbが、式19に代入される。さらに、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの1/2以上かつ当該定格荷重Wsの3/4未満(Ws/2≦Wt”<{3/4}・Ws)であるときは、誤差補償係数Kとして、係数Kcが、式19に代入される。そして、誤差補償前の重量測定値Wt”が定格荷重Wsの3/4以上(Wt”≧{3/4}・Ws)であるときは、誤差補償係数Kとして、係数Kdが、式19に代入される。
そして、このように適宜の誤差補償係数Kが代入された式19に基づいて、つまり当該式19に各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4からの荷重検出値W1’、W2’,W3’およびW4’と曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4とがさらに代入されることによって、正確な重量測定値Wt’が求められる。
このように、本第3実施形態によれば、第2実施形態における誤差補償係数Kが、計量台32に印加される荷重Wtと相関する誤差補償前の重量測定値Wt”の関数として取り扱われるので、当該第2実施形態に比べて、さらに正確な誤差補償を実現することができ、ひいてはより正確な重量測定値Wtを求めることができる。
なお、本第3実施形態においては、誤差補償前の重量測定値Wt”(つまりは計量台32に印加される荷重Wt)を4つのランクに区分し、これら4つのランクに対応する4つの誤差補償係数Ka,Kb,KcおよびKdを用意したが、当該ランクの数は4以外でもよい。また、最小2乗法等の回帰分析法によって、誤差補償前の重量測定値Wt”と誤差補償係数Kとの関係(K=f(Wt”))を導き出し、この関係式から任意の誤差補償前の重量測定値Wt”に対応する誤差補償係数Kを求め、これを式19に代入するようにしてもよい。
さらに、誤差補償前の重量測定値Wt”に代えて、曲げ歪誤差E1,E2,E3およびE4のみが補償された仮補償後の重量測定値Wu”(=(W1+W2+W3+W4)−(E1+E2+E3+E4))が採用されてもよい。つまり、誤差補償係数Kが、次の式27によって表されるものとしてもよい。
《式27》
K=f(Wu”)
以上の説明においては、トラックスケール10に本発明を適用する場合について説明したが、トラックスケール10以外にも本発明を適用できることは、言うまでもない。
また、ロードセル34の設置台数は、4台に限らず、これ以外の台数であってもよい。常套的には、偶数台とされ、4台以外であれば、例えば6台または8台とされる。
そして、ロードセル34として、ディジタル式のものを採用したが、アナログ式のものを採用してもよい。また、当該ロードセル34として、概略円柱状の起歪体を有するものを採用したが、概略角柱状などの柱状以外の柱状起歪体を有するものを採用してもよい。
さらに、上述した式1に基づいて、曲げ歪誤差E(厳密にはEn)を求めることとしたが、これに限らない。例えば、この曲げ歪誤差Eは、起歪体に印加される荷重W(厳密にはWn)と、図6に示した当該起歪体の傾斜角度θと、当該起歪体の傾斜方向と、に基づいて、求めることができる。このうち、起歪体に印加される荷重Wは、当該起歪体を有するロードセルによる荷重検出値W’(厳密にはWn’)によって、代替することができる。そして、起歪体の傾斜角度θは、例えば特開2001−255216号公報の図5に開示されているような環状の静電容量式の傾斜センサを起歪体に取り付けることによって、この傾斜センサの出力から求めることができる。また、起歪体の傾斜方向も、当該傾斜センサの出力から、或る基準方向に対する当該傾斜方向の角度α(曲げ歪の方向角αと同様の定義である)として、求めることができる。つまり、曲げ歪誤差Eは、次の式21に基づいて求めることができる。そして、この式28に基づいて求められた曲げ歪誤差Eを、本発明で採用してもよい。
《式28》
E=f(W’,θ,α)
勿論、これ以外の方法によって、曲げ歪誤差Eを求めてもよい。
10 トラックスケール
30 計量部
32 計量台
34 ロードセル
50 データプロセッサ
54 CPU

Claims (11)

  1. 両端面が概略ドーム状に突出した曲面形状とされており、概略平板状の計量台の下面に設けられた上側荷重受け具の上側荷重受け面に該両端面の一方である上端面を接触させると共に該上側荷重受け具の下方に設けられた下側荷重受け具の下側荷重受け面に該両端面の他方である下端面を接触させた状態で該計量台を支持し、該計量台に被計量物が載置されることによって印加される荷重に応じた歪みを生じる柱型の起歪体と、
    上記起歪体に取り付けられており該起歪体に生じる上記歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、
    上記起歪体が傾斜することに伴い該起歪体の上記上端面と上記上側荷重受け面との接触点および該起歪体の上記下端面と上記下側荷重受け面との接触点が変わることに起因して上記荷重検出信号に発生する第1誤差を補償する第1誤差補償手段と、
    を具備する荷重検出装置において、
    上記計量台が撓むことに伴い上記起歪体の上記上端面と上記上側荷重受け面との接触点がさらに変わることに起因して上記第1誤差以外に上記荷重検出信号に発生する第2誤差を補償する第2誤差補償手段を具備すること、
    を特徴とする荷重検出装置。
  2. 上記第1誤差補償手段は上記第1誤差を補償するに当たって該第1誤差を求め、
    上記第2誤差補償手段は上記第2誤差を補償するに当たって上記第1誤差補償手段によって求められた上記第1誤差に基づいて該第2誤差を求める、
    請求項1に記載の荷重検出装置。
  3. 概略平板状の計量台を支持すると共に該計量台に被計量物が載置されることによって印加される荷重に応じた歪を生じる柱型の起歪体と、
    上記起歪体に取り付けられており該起歪体に生じる上記歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、
    上記起歪体が傾斜することに起因して上記荷重検出信号に発生する第1誤差を補償する第1誤差補償手段と、
    を具備する荷重検出装置において、
    上記計量台が撓むことに起因して上記第1誤差以外に上記荷重検出信号に発生する第2誤差を補償する第2誤差補償手段をさらに具備し、
    上記第1誤差補償手段は上記第1誤差を補償するに当たって該第1誤差を求め、
    上記第2誤差補償手段は上記第2誤差を補償するに当たって上記第1誤差補償手段によって求められた上記第1誤差に基づいて該第2誤差を求めること、
    を特徴とする荷重検出装置。
  4. 上記第1誤差補償手段によって求められる上記第1誤差は上記起歪体に曲げ歪が生じることに起因する曲げ歪誤差を含み、
    上記第2誤差補償手段は上記計量台が撓みを生じていない正規状態にあることを前提として求められた上記第1誤差に基づいて上記第2誤差を求める、
    請求項2または3に記載の荷重検出装置。
  5. 上記第2誤差補償手段は上記第1誤差補償手段によって求められた上記第1誤差に所定のパラメータを適用することで上記第2誤差を求める、
    請求項2ないし4のいずれかに記載の荷重検出装置。
  6. 上記計量台は複数の上記起歪体によって支持されており、
    上記複数の起歪体それぞれに上記荷重検出手段が取り付けられており、
    上記第1誤差補償手段はそれぞれの上記荷重検出手段が生成する上記荷重検出信号ごとに上記第1誤差を求め、
    上記第2誤差補償手段はそれぞれの上記荷重検出信号ごとに求められた上記第1誤差に対して個別の上記パラメータを適用することで該それぞれの荷重検出信号ごとに上記第2誤差を求める、
    請求項に記載の荷重検出装置。
  7. 上記計量台は複数の上記起歪体によって支持されており、
    上記複数の起歪体それぞれに上記荷重検出手段が取り付けられており、
    上記第1誤差補償手段はそれぞれの上記荷重検出手段が生成する上記荷重検出信号ごとに上記第1誤差を求め、
    上記第2誤差補償手段はそれぞれの上記荷重検出信号ごとに求められた上記第1誤差に対して共通の上記パラメータを適用することで全ての該荷重検出信号を総合した総合荷重検出信号についての上記第2誤差を求める、
    請求項に記載の荷重検出装置。
  8. 上記パラメータは上記総合荷重検出信号を変数として含む関数である、
    請求項に記載の荷重検出装置。
  9. 上記パラメータは上記被計量物として重量が既知の基準負荷が上記計量台に載置されたときに得られる上記荷重検出信号と上記第1誤差と該基準負荷の重量値とに基づいて求められる、
    請求項5ないし8のいずれかに記載の荷重検出装置。
  10. 上記パラメータは互いに異なる態様の複数の上記基準負荷が上記計量台に個別に載置されたときに得られる複数の上記荷重検出信号と複数の上記第1誤差と該複数の基準負荷それぞれの重量値とに基づいて求められる、
    請求項に記載の荷重検出装置。
  11. 上記複数の基準負荷に対応する上記複数の荷重検出信号を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段に記憶されている上記複数の荷重検出信号それぞれについて上記第1誤差補償手段による補償と上記第2誤差補償手段による補償とが成された結果を出力する出力手段と、をさらに備える、
    請求項10に記載の荷重検出装置。
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