JP5142144B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はプリント配線板の製造方法に関する。特に銅張積層板にプリプレグ層(絶縁層)と銅箔を更に積層した多層積層板の表面の銅箔側からレーザー光を照射して、表面の銅箔とその下の内層(プリプレグ層)に貫通孔(ビア)を形成するプリント配線板の製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化、高密度化、高機能化により、プリント配線板においても高密度回路形成が要求されている。この要求を満たすべく、多層プリント配線板においては層間接続のためにBVH(Blind Via hole)などの貫通孔(ビア)が形成される。
その際の孔あけの手段として、加工効率やコスト面から炭酸ガスレーザーなどのレーザー加工が多く取り入れられている。
従来は、レーザーで多層積層板にビアを形成するためには、まず、ビアをあける部分の表層側の銅箔をエッチングによって除去しておき、その後、銅層間(前記表層側に銅箔が存在したところから内層の銅箔の表面までの間)に位置する絶縁層(プリプレグ層から形成された絶縁層など)のみをレーザーで孔あけするコンフォーマル・マスク法が採用されていた。
しかし、コンフォーマル・マスク法では、エッチングのコストがかかる上、エッチングによる銅除去の信頼性、あるいは銅層間の回路の位置あわせ精度などの技術的な問題もあった。そのため近年ではこのようなコンフォーマル・マスク法にかえて表層側の銅箔上からレーザーを照射して孔を形成するダイレクト法が考えられている(例えば下記特許文献1〜4参照)。
このようなダイレクト法による孔あけ方法では、レーザー加工時に孔の周囲に銅の飛散りが生じる。この銅の飛散り物を除去せずにビアにめっき加工した場合には、後工程におけるめっき工程で、めっき金属の異常析出などの不良が生じる可能性がある。
そこで、塩化第二鉄、過硫酸塩系、またはアンモニア系の銅のエッチング液でこの飛散り物を除去する従来技術が提案されている(下記特許文献5参照)。
特開2004−154843号公報 特開2004−154844号公報 特開2004−273911号公報 特開2004−281872号公報 特開2007−129147号公報
しかしながら、これらの従来の銅のエッチング液では、飛散り物を完全に除去するまでエッチングするとビア底に位置する内層の銅層や多層積層板表面側の銅層までエッチングしてしまうという問題が生じていた。
本発明は、ダイレクトレーザー加工で多層積層板にビアを形成する場合に、ビア底に位置する内層の銅層や多層積層板表面側の銅層表面を過剰にエッチングすることなく銅の飛散り物を確実に除去できるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明のプリント配線板の製造方法は、
多層積層板の最外層の銅または銅合金表面にレーザー光を照射してビアを形成するプリント配線板の製造方法において、
レーザー光照射後に前記最外層の銅または銅合金表面に、スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比が3〜5であるエッチング液であって、硫酸および過酸化水素を含むエッチング液をスプレー処理で接触させることを特徴とする。
前記プリント配線板の製造方法においては、エッチング液の硫酸の濃度が3wt%〜25wt%であり、過酸化水素濃度が1wt%〜15wt%であることが好ましい。
前記プリント配線板の製造方法においては、前記エッチング液のスプレー処理におけるエッチング速度が2μm/min〜8μm/minであるエッチング液を用いることが好ましい。
前記プリント配線板の製造方法においては、前記エッチング液が、脂肪族又は脂環式アミン、アルコール、テトラゾール化合物、非イオン界面活性剤から選ばれた少なくとも1種を更に含んでいることが好ましい。
また、前記プリント配線板の製造方法においては、エッチング液の溶媒が水であることが好ましい。
本発明によれば、ダイレクトレーザー加工で多層積層板にビアを形成する場合に、ビア底に位置する内層の銅層や多層積層板表面側の銅層表面を過剰にエッチングすることなく銅の飛散り物を確実に除去できる。
本発明は、基板の表面に銅が積層された銅張積層板にプリプレグ層(絶縁層)が積層され、その表面に銅箔が形成されている多層積層板を用いてプリント配線板を製造する製造方法に好適である。プリント配線板の配線回路を形成する銅または銅合金を特に断らない限り、以下まとめて銅と表す。銅合金としては、プリント配線板の配線回路を形成するに特に支障をきたさない従来から用いられている銅合金が用いられる。
以下、理解を容易にするため、このようなダイレクトレーザー加工法を用いた通常のプリント配線板の製造工程の代表例を、図を引用しながら説明する。
図3はダイレクトレーザー加工法によるビア形成工程を有するプリント配線板製造プロセスの一部を示す概略断面図である。
図3(a)は基板1の両面に銅層2が積層された銅張積層板3の断面図である。次に、図3(b)に示すように銅層2の上に内層回路形成用のレジストパターン4を形成後、図3(c)に示すようにレジストをマスクとして銅層2の不要部分をエッチング除去し、銅層2からなる内層配線回路2´を形成する。次に、図3(d)に示すように、内層配線回路2´を形成した内層配線基板5の上下両面にプリプレグ層(絶縁層)6と表層の銅箔7をそれぞれ積層し、この例では合計4層の銅層を有する積層板を作製した。但し、4層の銅層を有する積層板は一例であって、これのみに限定されるものではない。次に、図3(e)に示すように、レーザー光によるダイレクトビア加工を行うのであるが、その前に、レーザー光を照射する部分の表層の銅箔7の表面をレーザー加工を容易にするための黒化還元処理や粗化処理などの表面処理(図示せず)を行っておくことが好ましい。
かくして、表面処理した銅層を有する積層板にレーザー20を照射し、ビア加工を行う。このとき、ビア開口部周辺に後述するように溶融飛散した銅の飛び散り物も形成されてしまう(図3(e)では図示していない。後述する図1の符号22参照。)。本発明ではここで後述する本発明のエッチング液を用いてスプレー処理により銅の飛び散り物を除去するのである。本発明のプリント配線板の製造方法は、この銅の飛び散り物の除去方法に特徴を有するものである。銅の飛び散り物の除去に関しては、後述する。
次にビアが形成された多層積層板は、以後の工程の図示を省略しているが、通常、形成したビアの層間導通形成のため、ビア内壁も含めて銅めっきし、更に表層(図3の場合には上側と下側の銅箔7)の銅層をパターン化して表層の銅層の配線回路を形成し、多層プリント配線板が作製されるのが一般的である。
以下、本発明の各要件について詳細に説明する。
(1)銅表面
基板1としては、例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂含浸基板(ガラスエポキシ基板)、アラミド繊維強化エポキシ樹脂含浸基板(アラミドエポキシ基板)などの樹脂を含む基板(樹脂基板)などが挙げられる。
前記基板1の表面に銅層2が積層され銅張積層板3とされ、これに絶縁層とされるプリプレグ層6が積層され、その表面に銅箔7が形成されて多層積層板が構成される。絶縁層6は、例えばエポキシ樹脂等の樹脂層や繊維強化樹脂層を使用できる。この多層積層板の断面模式図を図2に示した。本来、プリント配線板とする場合には、図3(a)〜図3(d)に示したように、銅張積層板3の銅層2をパターニングして内層配線回路2´を形成した内層配線基板5の上下両面に絶縁層(プリプレグ層)6を形成するのであるが、図2ではこのパターニングを省略して図示したものである。
前記表層の銅箔7表面には、波長9.3μm〜10.6μmにおける吸光度が0.05以上(好ましくは0.07以上)となる加工層を形成しておくことによって、特に炭酸ガスレーザーでレーザー加工する場合には低いエネルギーでレーザー加工が行えるため好ましい。
このような加工層を形成する方法としては、例えば、黒化還元処理や、有機酸系または硫酸過酸化水素系の粗化剤や表面処理剤などで表層を前処理することで形成することが可能である。このような表面処理用の前処理剤の市販品としては、例えば硫酸過酸化水素系のレーザー加工用前処理剤“メックV ボンド”(メック株式会社製)などが代表例として挙げられる。
(2)レーザー照射加工
本発明で使用されるレーザーは、加工効率やコスト面から炭酸ガスレーザーが特に適している。
炭酸ガスレーザーは、赤外線波長領域である9.3μm〜10.6μmの波長を使用する。加工エネルギーは孔をあける表面の銅箔の厚みなどによって適宜選択できるが、例えば8〜27mJで1ショット照射して穿孔することができる。さらに好ましくは、低い加工エネルギーである2〜5mJにて2ショット目を照射することで、ビア底の銅層面のクリーニングができる。なお、かならずしも2ショット照射する必要はない。また、必要であれば、3ショット以上照射させてもいい。
ここで、炭酸ガスレーザーの加工エネルギーとは、加工に必要な出力と周波数の商(加工エネルギー[J]=出力[W]/周波数[Hz])をいう。
(3)エッチング処理
上記炭酸ガスレーザー加工後(例えば図3(e)の工程後)に、図1で示すようにエッチング液21のスプレー処理で銅の飛散り物22を除去する。
図1にこの銅の飛散部分を除去している様子を概念的に示した断面図を示した。図3(e)の上部の一部(ビアが形成されている近傍部分)を拡大し、エッチング液のスプレーされている状態を概念的に描き加えた断面図である。
図1において、22が銅の飛び散り物、21がスプレーされている本発明で用いるエッチング液を示し、その他の部分は、図3(e)と同じ部分には同一の符号を付している。但し、図2にビアを形成した場合も合わせて理解できるよう、内層の銅層2は、図2の場合にはパターニングされていないので符号2が当てはまり、図3(e)の如くパターニングして内層配線回路2´を形成されている場合には符号2´が当てはまることになる。
ここでいう銅の飛散り物とは、ビア開口部周辺の銅箔表面に飛び散った銅の塊や、ビア開口部周縁に突起状に残った銅をいう。図1では符号22で示した。
このような銅の飛び散り物が残ったまま次工程で銅めっき処理を施すと、飛散り物の付近に空隙が生じたり、均一なめっきができないなどのめっき不良が生じたりする可能性がある。
飛散りを除去するためのエッチング液としては、銅を溶解させることができる液である必要があるが、同時にビアの底部に位置する内層の銅層2(2´)や多層積層板表面側の銅層7表面を必要以上エッチングしないことが要求される。そのため、下記のような要件が必要である。
<1> 飛散り物除去性
ビア開口部周辺の多層積層板表面側の銅箔表面の飛散り物は表面に物理的に付着しているので、横方向のエッチングを優先するエッチング液、または横方向と縦方向のエッチング性に差のないエッチング液を使用した場合に除去しやすい傾向にある。
縦方向のエッチング性が高い液の場合には、銅の飛散りが除去される前に、ビア底部に位置する内層の銅層2(2´)や多層積層板表面側の銅層7表面がエッチングされてしまうおそれがある。
<2> ビア底部のエッチング
飛散り物除去のためにビア付近の多層積層板表面側の銅層7表面側からスプレーでエッチング処理を行った場合に、ビア内部、および外部のエッチング液の状態は図1のようになっていると考えられる。
すなわち、表面側の銅層7表面においてはスプレーから直接エッチング液が当たるため常にエッチング液が入れ替わっている状態、すなわち新鮮なエッチング液が常に供給されている状態である。
一方、ビア内部23においては、非常に狭小な部分であるためエッチング液の入れ替わりが少なくエッチング液によるディップ処理に近い状態になっていると考えられる。
よって、ビア底部に位置する内層の銅層2(2´)の過剰エッチングを防止するためにはディップ状態でのエッチング速度が遅ければ底部の銅層の過剰エッチングを抑制することができる。
上記の要件を満たす液として、本発明では、スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比が3〜5であるエッチング液を使用することとした。
好ましくは、スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比が3.5〜4であることが望ましい。
エッチング速度の比が3以上であればビア底部に位置する銅層2(2´)や多層積層板表面側の銅層7表面を過剰にエッチングすることなく飛び散りを除去することができる。
一方、エッチング速度の比が5以下であれば、縦方向のエッチング速度が速すぎて、飛び散りを除去する前に銅層2(2´)や多層積層板表面側の銅層7表面が過剰にエッチングされるということがない。
さらに、スプレー処理におけるエッチング速度は、2μm〜8μmであることが望ましい。
スプレー処理におけるエッチング速度がこの範囲であれば、縦方向と横方向へのエッチング速度のバランスを保ち、ビア底部に位置する銅層2(2´)や多層積層板表面側の銅層7表面を過剰にエッチングすることなく飛び散りを除去することができるので好ましい。
このようなエッチング液を使用することで、銅の飛散り物を除去することができると同時にビア底部の銅層の過剰エッチングを抑制できる。
スプレー処理とディップ処理でのエッチング速度の測定は、例えば、スプレー処理におけるエッチング速度は、室温(20〜35℃)の範囲の中で適切な温度を設定し、一定のスプレー圧0.05〜0.2MPaの範囲から適切な圧力を設定した状態で測定する。一方比較するディップ処理におけるエッチング速度は、比較するスプレー処理と同じ温度の液に浸漬して、それぞれ目的とするエッチング量(2〜5μm)までエッチングしたときの速度を測定し、スプレー処理におけるエッチング速度とディップ処理におけるエッチング速度を比較する。
尚、本発明における各エッチング速度は、スプレー処理においては、液温度25℃、スプレー圧0.1MPaの条件で、ディップ処理においては、液温度25℃の条件で、電解銅箔を5μmエッチングするまでエッチングした時の速度をそれぞれいう。
尚、エッチング速度は、エッチング前の銅の重量とエッチング後の銅の重量の差を測定する重量法で求める。
本発明に適したエッチング液としては、硫酸および過酸化水素をベースとした液が好ましい。
硫酸および過酸化水素をベースとしたエッチング液は、他のベース液のエッチング液、例えば、塩化第二銅系、塩化第二鉄系、有機酸系のエッチング液に比べて横方向のエッチング性が高いため、飛散り物のように縦方向のエッチングでは除去しにくいものの除去性に優れている。
スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比を3〜5にするためには、まず、種々の添加剤や、エッチング液の濡れ性を上げるような界面活性剤などを添加することが好ましい。具体的には脂肪族又は脂環式アミン、アルコール、テトラゾール化合物、メチルエステル化合物、非イオン性界面活性剤などがある。
さらに、脂肪族アミンとしては炭素数が1〜12の脂肪族アミンが好ましく、脂肪族アミンの具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、エチレンジアミン、2−エチルヘキシルアミンなどが挙げられる。
脂環式アミンの具体例としては、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げられる。
テトラゾール化合物の具体例としては、1H−テトラゾール、5H‐メチル‐1H‐テトラゾール、5‐フェニル‐1H‐テトラゾール、5‐メルカプト‐1H‐テトラゾール、1‐メチル‐5‐エチル‐1H‐テトラゾールなどが挙げられる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、プロピレンジグリセリルエーテル、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
これらの添加剤を添加することで、銅の飛び散りを確実に除去することができる本願発明のエッチング液のようなエッチング速度およびエッチング速度の比の液にすることが容易にできる。
これらの添加剤は、1種類または2種類以上を適宜選択して使用することができる。特に、脂環式アミンとテトラゾール化合物を併用すると、飛び散り除去性にすぐれたエッチング液になる。
これらの添加剤の使用量は、特に限定するものではないが液の全量に対して0.001〜2wt%が好ましく、0.01〜0.5wt%の範囲がより好ましい。
さらに、過酸化水素の量を下記範囲に調整することが好ましい。
過酸化水素:1wt%〜15wt%、好ましくは2wt%〜10wt%、さらに好ましくは2wt%〜5wt%。
過酸化水素濃度が上記範囲よりも低くなるとスプレー処理におけるエッチング速度が低下すると同時にディップ処理におけるエッチング速度はスプレー処理におけるエッチング速度ほど低下しないため、スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比が3よりも小さくなる。従って、銅の飛散り物を除去するのに時間がかかりすぎ、その間にビア底に位置する銅層のエッチングが進んでしまう傾向が生じやすくなる。
さらに過酸化水素濃度が上記範囲より高い場合には、エッチング速度が高くなりすぎて適切なエッチング時間の設定が困難になる傾向となる。従って、過酸化水素の濃度は上記範囲とすることが好ましい。
また、硫酸の濃度範囲は以下の範囲に調整することが好ましい。
硫酸濃度:3wt%〜25wt%、好ましくは5wt%〜20wt%、さらに好ましくは6wt%〜10wt%。
硫酸の濃度が上記範囲より少なくなると過酸化水素が分解しやすくなる傾向がある。一方、硫酸の濃度が上記範囲よりも多くなると硫酸銅が析出しやすくなる傾向がある。従って、硫酸の濃度は上記範囲とすることが好ましい。
以下、本発明の理解を一層容易にするため実施例を引用して、本発明を更に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
基板1の両面に銅層2が形成されているコア材(松下電工製“R−1766”)にレーザー加工対応プリプレグ(60μm厚 松下電工製 “R1661ED”)と銅箔(12μm厚 三井金属鉱業製“3EC−III”)を積層し、図2に示す試験基板を作成した。但し、試験基板であるので、多層積層板表面側の銅層7もビア底部に位置する内層の銅層2もパターン化して配線回路を形成せずに実験したものである。
上記図2に示す試験基板の表面を、硫酸過酸化水素系のレーザー加工前処理剤(“メックV ボンド”メック株式会社製)でエッチング処理をして表面層の銅7の厚みを9.6μmにした。このレーザー加工前処理をすることでレーザー加工が低エネルギーで行えるという利点がある。
炭酸ガスレーザー機(日立ビアメカニクス製 "LC−2G212/2C")を使用して、レーザー照射側(表面側)の径が100μm、底面側の直径が80μm〜100μmとなるように次の加工条件でビアを形成した。
尚、下記の条件の記載で『/』の前後はレーザー照射を2ショット照射で行った場合の1回目と2回目の条件をそれぞれ示している。
出力(W):17.75mJ/3.60mJ
周波数(Hz):1000
ショット数:1/1 (上記出力、周波数を1回ずつ採用)
パルス幅(μs):36/10
表1に示す実施例1〜12、比較例1〜4および比較例6〜8の各液を小型スプレー機に入れて上記ビアを形成した各試験基板を5μmエッチング(重量法)できるようにエッチングを行った。
尚、実施例1〜12、比較例1〜4および6〜8の各液のエッチング速度は以下のような条件で測定した。
ディップ処理エッチング速度:液温25℃の時、各エッチング液で試験基板を5μmエッチングを行った時の時間とエッチング前とエッチング後の銅の重量を測定してエッチング速度を計算する。
スプレー処理エッチング速度:液温25℃、スプレー圧0.1MPaで試験基板を5μmエッチングした時の時間とエッチング前とエッチング後の銅の重量を測定してエッチング速度を計算する。
尚、レーザー加工後、エッチングを行わなかった試験基板を比較例5とした。
エッチング後、各試験基板を実体顕微鏡で表面観察を行い、銅の飛散り物除去性を目視観察した。
飛散り物除去性の評価は、500箇所観察したうち、すべての飛散り物が完全に除去されていたものを○、一箇所でも除去されていない箇所があれば×とした。
さらにクロスセクションを作成し実体顕微鏡で当該断面の観察を行い、ビア底の銅層の減少量を計測した。
ビア底の銅層の減少量は、クロスセクションを見て、元の銅の上端線を延長線として引き、この線からどのくらいエッチングされているかを測定することで概算エッチング量を計算により出した。
結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜12は、硫酸および過酸化水素系以外のエッチング液である比較例3、4、および7に比べて飛散り物除去性が良好であった。同時に、実施例1〜12は、エッチング速度においてスプレーエッチング速度とディップエッチング速度の差が少ない比較例1、2および6に比較してビア底の銅層のエッチング量が少ないことが明らかである。更に実施例1〜12は、スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比が5よりも大きいエッチング液を使用した比較例8に比較して飛散り物除去性が良好であった。
よって実施例1〜12に示した本発明方法は銅の飛散り物除去性とビア底の銅層のエッチング抑制性の両方を満たすことがわかる。
Figure 0005142144
Figure 0005142144
本発明は、ダイレクトレーザー加工で多層積層板にビアを形成する工程を含むプリント配線板の製造方法に有効に利用可能である。
本発明方法において、銅の飛散部分を除去している様子を概念的に示した断面図。 本発明の実施例で用いた試験基板のビア形成前の多層積層板の断面模式図。 ダイレクトレーザー加工法によるビア形成工程を有するプリント配線板製造プロセスの一部を示す概略断面図。
符号の説明
1 基板
2 銅層
2´ 内層配線回路
3 銅張積層板
4 レジストパターン
5 内層配線基板
6 絶縁層(プリプレグ層)
7 銅箔
20 レーザー
21 スプレーされているエッチング液
22 銅の飛散り物
23 ビア内部

Claims (2)

  1. 多層積層板の最外層の銅または銅合金表面にレーザー光を照射してビアを形成するプリント配線板の製造方法において、
    レーザー光照射後に前記最外層の銅または銅合金表面に、スプレー処理におけるエッチング速度/ディップ処理におけるエッチング速度の比が3〜5であるエッチング液であって、硫酸3wt%〜25wt%、過酸化水素1wt%〜15wt%および添加剤0.001〜2wt%を含むエッチング液をスプレー処理で接触させる工程を有し、
    前記スプレー処理におけるエッチング速度は、温度25℃の前記エッチング液を用いて、スプレー圧0.1MPaの条件で、電解銅箔を5μmエッチングするまでエッチングした時の速度であり、
    前記ディップ処理におけるエッチング速度は、温度25℃の前記エッチング液を用いて、電解銅箔を5μmエッチングするまでエッチングした時の速度であり、
    前記エッチング液は、前記添加剤として、脂肪族又は脂環式アミンとテトラゾール化合物とを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 前記エッチング液のスプレー処理におけるエッチング速度が2μm/min〜8μm/minである請求項記載のプリント配線板の製造方法。
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