JP2005340785A - プリント基板およびプリント基板の加工方法並びにプリント基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導体層と絶縁層とを交互に積層するプリント基板において、第1層目Fの導体層の表面に、レーザ光を吸収するが、導体層を溶解させるエッチング液には溶解しない被覆層を設ける。この場合、裏面側の導体層の表面に、前記被覆層を設けるとよい。また、導体層の材質をCuを主成分とするものとし、被覆層の主たる材質をCuOとし、被覆層の厚さを0.6μm以上とするとよい。
【選択図】図1
Description
この場合、裏面側の導体層の表面に、前記被覆層を設けることができる。
また、前記導体層の材質をCuを主成分とするものとし、前記被覆層の主たる材質をCuOとすることができる。
また、前記被覆層の厚さを0.6μm以上とすることができる。
また、内層に配置される内層導体層の材質をCuを主成分とするものとし、レーザにより貫通穴を加工される前記内層導体層の表面粗さを0.2μm以上とすることができる。
この場合、前記処理液を、塩化第2鉄液FeCl3、または過流酸アンモニウム液、または過流酸ナトリウム液のいずれかにすることができる。
本発明に係るプリント基板の第1層目の導体層(以下、第1層という)である銅箔1の厚さは5〜18μmであり、表面(A面側)の銅に接する部分には粗い点線で示す主成分がCu2O(酸化第一銅)であるCu2O層3が、Cu2O層3の上側(A面側)には細かい点線で示す主成分がCuO(酸化第二銅)であるCuO層2が形成されている。本発明におけるCuO層2の厚さは0.6μm以上(好ましくは0.8μm以上)であり、従来のプリント基板に採用されていたCuO層2の3倍程度の厚みに形成されている(すなわち、従来のCuO層2の厚さは0.2μm以下である)。また、一点鎖線で示す銅箔1の絶縁層(以下、第1の絶縁層という)5と接する面(マット面、図のB面側である)4は、素材の段階で粗化および防錆処理が施されている。
図2は、CO2レーザのパルス巾と加工される穴径との関係を示す図であり、図中の黒丸はCuO層の厚さが1μmの場合を、黒四角は表面をエッチング処理により表面に2?3μmの凹凸を設けた場合を、白四角はCuO層の厚さが0.2μmの場合である。なお、銅箔の板厚は12μmであり、レーザのピーク強度は同じである。
図3は、本発明による止まり穴形成工程を模式的に示した図であり、(a)は穴あけ工程終了時、(b)は光沢面の薄膜化または除去工程終了時、(c)は酸化膜CuO層除去工程終了時、(d)は膨潤・デスミア工程終了時、(e)はめっき工程終了時、をそれぞれ示している。
同図(a)に示すように、CO2レーザにより穴を加工すると、穴入り口周辺にはリング状の光沢面(図中の太線)20が形成されると共に、穴の入り口径は内部の穴径よりも小径になる。そして、銅箔1の内部の穴に被さっている部分がオーバーハング部15である。
すなわち、第1層を加工する際、照射されたエネルギの一部は拡散により半径方向に拡散する結果、加工部を中心として等高線状の温度勾配が生じる。そして、蒸発温度に達した部分は除去される。一方、液化温度以上気化温度未満の領域は溶融するものの、レーザ光の照射が終了すると共に凝固する。このとき、溶融に伴いCuと結合していた酸素が遊離する、すなわちCuOが還元されるので、再擬固した部分のほとんどが銅成分だけになり、光沢面20を形成する。光沢面20の巾Wはレーザのビーム径をD、穴の仕上り径をDTとすると(D−DT)/2であり、ビームモード(横モード)、出力密度、パルス形状、穴径に依存するが、通常20〜50μmである。
そこで、本発明では、以下のようにしてオーバーハング部15を処理する。
すなわち、エッチング液として、水1リットル当たり、塩化第2鉄を370g溶解させた溶液、または過流酸アンモニウムを200g溶解させた溶液、あるいは過流酸ナトリウムを150g溶解させた溶液を採用し、エッチング時間をコントロールすると、絶縁層の樹脂を除去せず、かつ、銅成分だけを融解することができる。この結果、穴入り口周辺のリング状の銅溶融部を選択的に除去することができ、同図(b)に示すように、オーバーハング部15を総て除去することもできる。以下、オーバーハング部15を除去するこの工程を、オーバーハング除去工程という。
(1)同図aの状態から、フィデューシャル8を露出させる。この場合は、同図bに示すように、エネルギ分布がトップハット形のビーム(Bt)をフィデューシャル8の中心軸の周りに半径を変えて回転させ、座繰り加工により第1層(導体層F)を加工する。このとき、第2層が導体層Sであるので、ビーム強度をある程度大きくすることができる。(2)露出させたフィデューシャル8を基準にして、第1層の所望の位置に穴を明ける。
このとき、第1層の入り口穴の直径を100μmとすると、第1層の加工条件として、例えば、パルス周波数1KHz、平均出力4Wとする。なお、このとき、第1層の加工条件を、加工部直下の絶縁層5ができるだけ残るような条件を選択すると、穴の壁面の傾きを所望の形状にすることができる(同図c)。
(3)第2層までの絶縁層5を加工する(同図d)。このとき、ビームの直径は第1層に明けられた穴の直径よりも小径とする。そして、側壁傾斜比率(穴入口径に対する穴底径の比率)を約90%以上にする場合はエネルギ分布をトップハット分布のビーム(同図Bt)により、側壁傾斜比率を80〜90%にする場合はエネルギ分布をラウンドトップハット分布(トップハット分布の場合は光軸に直角な方向のエネルギ分布が略一様であるのに対し、ラウンドトップハット分布の場合は、エネルギ分布が球形状である。)のビーム(同図Br)により、側壁傾斜比率を80%以下にする場合はエネルギ分布をガウシアン分布にしたビーム(同図Bg)により加工をする。
なお、絶縁層5を加工する際のエネルギは、第1層を加工するときのエネルギの1/3〜1/5にするとよい。
このように、絶縁層5を加工する際のビーム径を第1層に明けられた穴の直径よりも小径にすると、穴側壁のえぐれ(穴入口の銅オバーハング)を小さくすることができる。
(1)同図aの状態から、フィデューシャル8を露出させる。この場合は、エネルギ分布がトップハット形のビームをフィデューシャル8の中心軸の周りに半径を変えて回転させ、座繰り加工により第1層(導体層F)を加工する。このとき、第2層が銅箔Tであるので、銅箔Tを損傷しないように配慮する(同図b)。
(2)露出させたフィデューシャル8を基準にして、第1層の所望の位置に穴を明ける。
この実施例の場合は、第3層目までの穴を加工するので、第1層目の入り口穴の直径Daを150〜200μmの穴を加工する(同図c)。
(3)第2層目までの絶縁層5を加工する。この場合、ビームの直径は第1層に明けられた穴の直径よりも小径とする。また、第2層の表面に絶縁物が5〜15μm(同図cにおける寸法t)残るようにするとよい。
(4)第2層目に穴を明ける。この場合、ビームの径Dbを、第1層目と第2層目の間の絶縁物を加工したビーム径Daよりも小径とする(例えば、75〜125μm)。また、上記〔実施例3〕の(3)で説明したように、要求される側壁傾斜比率に従い、エネルギ分布をトップハット分布、ラウンドトップハット分布またはガウシアン分布のいずれかを採用する(同図d)。
このように、表面から第n番目の導体層を加工する際、レーザの径を表面から第n−1番目(ただし、n≧2)の導体層に形成された穴の径よりも小径にすると、第n−1番目の導体層のオバーハングを小さくすることができる。
この場合は、上記〔実施例3〕における手順(1)が終了した場合と同じであるので、重複する説明を省略する。
図7は、本発明により第1層目から裏面の第4まで貫通穴を形成する例である。貫通穴を加工する場合、加工終了時におけるレーザビームの先端は裏面の導体層を突き抜けるので、通常は、プリント基板とテーブルとの間にバックアッププレートを配置してテーブルが損傷することを予防する。なお、図示における裏面の導体層は導体層Fであっても導体層Tのいずれであってもよい。
例えば、図示のようにバックアッププレート10を使用して、100μmの貫通穴を形成する場合(同図a)、パルス周波数を1HKzとしておき、平均出力7〜9W、パルス巾30〜40μsの1パルスのビームにより導体層Fに穴を明け(同図b)、加工部平均出力で16〜20W、パルス巾80〜100μsの1パルスのビームにより第1層目直下の絶縁物から第3層目を貫通する穴を明け(同図c)、さらに、パルス巾80〜100μsの1パルスのビームにより第3層目直下の絶縁物から第4層目を貫通する穴を明け(同図d)、加工部平均出力で12〜14W、パルス巾50〜60μsの1パルスのビームにより第4層目の穴径を大きくすることにより(同図e)、各部の穴径のばらつきが少ない穴を加工できる。
導体層Fの入り口径D1は約75μm、絶縁物の直径D2はいずれも約90〜100μm、中間の導体層Tの穴径はいずれも80〜90μm、裏面の導体層Tの穴径は約50μmである。すなわち、穴入口のオーバーハング長は15μm以下、内層導体層の突出し10μm以下、穴出口のオーバーハング長を25μm以下に仕上がる。
S 導体層(内層)
T 導体層(内層)
Claims (9)
- 導体層と絶縁層とを交互に積層するプリント基板において、
第1層目の導体層の表面に、レーザ光を吸収するが、導体層を溶解させるエッチング液には溶解しない被覆層を設けることを特徴とするプリント基板。 - 裏面側の導体層の表面に、前記被覆層を設けることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
- 前記導体層の材質をCuを主成分とするものとし、前記被覆層の主たる材質をCuOとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリント基板。
- 前記被覆層の厚さを0.6μm以上とすることを特徴とする請求項3に記載のプリント基板。
- 内層に配置される内層導体層の材質をCuを主成分とするものとし、レーザにより貫通穴を加工される前記内層導体層の表面粗さを0.2μm以上とすることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプリント基板。
- 請求項3または請求項4に記載のプリント基板における前記被覆層および絶縁層は溶解させず、主としてCu成分を溶解させる処理液により、レーザ加工によって生じた穴入口部のオーバーハング部を除去することを特徴とするプリント基板の製造方法。
- 前記処理液を、塩化第2鉄液FeCl3、または過流酸アンモニウム液、または過流酸ナトリウム液のいずれかとすることを特徴とする請求項6に記載のプリント基板の製造方法。
- プリント基板の内層導体層に形成された位置決めマークをレーザ加工により露出させ、露出させた位置決めマークに基づいて加工を行うことを特徴とするプリント基板の加工方法。
- 表面から第n−1番目(ただし、n≧2)の導体層に形成された穴の径よりも小径のレーザにより第n番目の導体層を加工することを特徴とするプリント基板の加工方法。
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