JP5142040B2 - ガス分離膜エレメント、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゼオライト膜を備えたガス分離膜エレメント及びその製造方法に関する。特に二酸化炭素ガスの分離に適する膜エレメントの作製に関する。
ゼオライトは、結晶中に数オングストローム(Å)の微細孔を有するアルミノケイ酸塩であり、例えばY型ゼオライトは約7.4Åの微細孔を有する。かかる化合物からなる膜を備えた膜エレメントは、この微細孔による分子ふるい作用を利用して混合ガスから特定のガス種を選択的に分離可能な分離膜(手段)として応用されている。このような膜エレメントは、例えば、特許文献1〜4に記載されるように、燃焼排煙からの二酸化炭素の分離回収、燃料電池に供給される水素含有ガスからの一酸化炭素の分離(除去)等の好適な手段として利用され得る。
ゼオライト膜(例えばY型ゼオライト膜)エレメントの製造方法としては、典型的には、特許文献1及び2に記載されるように、目的とするゼオライトが形成されるように種々の原料成分を含む溶液中に多孔質支持体を浸漬し、水熱処理を行うことにより上記支持体上にゼオライト(多結晶)膜を形成する方法が挙げられる。この方法によれば、上記支持体表面上のみならず、該表面下の細孔内にもゼオライトが多結晶として成長し、ゼオライト多結晶のアンカー部(本明細書でいうゼオライト内部結晶層)が形成される。そして、このようなアンカー部を備える膜構造はガス(例えば二酸化炭素ガス)分離性能の向上に有効であるとされている。
特開平10−36113号公報 特開平10−36114号公報 特許第3871501号公報 特許第3509561号公報
しかし、上記の方法によって多孔質支持体上に得られたゼオライト膜には、該支持体上で核生成及び結晶成長した膜結晶層以外に、水熱処理中に原料溶液内で発生した結晶が上記支持体(上記膜結晶層)上に降り積もった堆積層も存在し、該堆積層が厚く形成されてしまう。この堆積層は隙間等の欠陥が多く不完全な構造であり、かかるゼオライト膜の膜性能(典型的にはガス透過性能と分離したいガス種の分離性能)は、成膜条件を同じにしてもばらつき、安定しない(再現性が低い)という問題があった。
上記問題点を解決するために、例えば特許文献4では、得られたゼオライト膜表面を研磨する等の手段により、上記ゼオライト堆積層の一部(又は全部)を除去する方法が提案されている。
一方、本発明者らは、二酸化炭素分離膜として好適なゼオライト膜の開発の過程で、ゼオライト膜の性能は上記堆積層の存在以外に、該膜を支持する多孔質支持体の表面下に形成されるゼオライト内部結晶層の厚さによっても影響され得ることを見出した。
本発明は、多孔質支持体上にゼオライト膜(典型的にはY型ゼオライト膜)を備えた膜エレメントであって、該支持体表面上に形成されるゼオライト膜(膜結晶層及び堆積層)の厚さと、該支持体表面下に形成されるゼオライト内部結晶層の厚さを制御することにより、高い分離性能を有するガス分離膜エレメントを提供することを目的とする。また、当該ガス分離膜エレメントの製造方法を提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく本発明によって提供される二酸化炭素ガス分離膜エレメントは、水熱合成によって、多孔質支持体の表面上に所定厚さのY型ゼオライト膜と、該支持体の表面下に所定厚さのY型ゼオライト内部結晶層とを形成してなる。そして、前記ゼオライト膜の厚さAが、1.5μm≦A≦5.0μm、及び前記ゼオライト内部結晶層Bの厚さが、3.0μm≦B≦8.0μmであり、且つ前記ゼオライト内部結晶層の厚さBの前記ゼオライト膜の厚さAに対する比が、1≦B/A≦4、特に好ましくは1.7≦B/A≦3.5である。
ゼオライト膜(例えばY型ゼオライト膜)を例えばα‐アルミナ等の多孔質な支持体の表面に形成させて膜エレメントを製造する一つの好ましい方法として、水熱合成法が挙げられる。この方法によりゼオライト膜を形成させると、典型的には、上記多孔質支持体の表面上にゼオライト膜が形成されると共に、該支持体表面下において、該支持体の細孔内でゼオライトが結晶成長してなるゼオライト内部結晶層が形成される。また、上記ゼオライト膜は、主に上記支持体の表面上で核生成及び結晶成長してなるゼオライト膜結晶層と、水熱処理中に原料溶液内で発生した結晶が上記膜結晶層上に降り積もった堆積層とからなる。
水熱合成法で膜エレメントを製造すると、成膜条件等により上記ゼオライト膜及び内部結晶層の厚さが様々に異なる膜エレメントが得られる。ここで、ゼオライトはその結晶構造内に微細孔を有しており、当該微細孔による分子ふるい作用によって、複数種のガスを含む混合ガス(例えば大気や燃焼排ガス)から特定のガス成分(例えば二酸化炭素)を選択的に分離し得る。このため、上記ゼオライト膜の厚さ及び内部結晶層の厚さが異なれば上記微細孔のサイズも異なり得るので、上記ゼオライト膜及び内部結晶層の厚さを制御することにより、上記膜エレメントは様々なガス種を選択的に分離できる分離膜として機能し得ると考えられる。
本発明者は、二酸化炭素を好適に分離し得るゼオライト膜エレメントを開発するにあたり鋭意検討した結果、水熱合成により得られたゼオライト膜エレメントが二酸化炭素分離膜エレメントとして好ましい場合における上記ゼオライト膜の厚さと上記ゼオライト内部結晶層の厚さを見出した。即ち、かかる構成のゼオライト膜エレメントによれば、上記ゼオライト膜の厚さ及び上記ゼオライト内部結晶層の厚さがそれぞれ1.5μm≦A≦5.0μm、及び3.0μm≦B≦8.0μm(ここで、Aは上記ゼオライト膜の厚さであり、Bはゼオライト内部結晶層の厚さである。)の範囲内にあるゼオライト膜エレメントであって、更に上記ゼオライト内部結晶層の厚さの上記ゼオライト膜の厚さに対する比が1≦B/A≦4(特に好ましくは1.7≦B/A≦3.5)の範囲内にあるゼオライト膜エレメントは、特定のガスを分離する性能の高い膜エレメントとして好適であり、特に二酸化炭素分離性能の高い膜エレメントとして好ましく用いることができる。
ここに開示されるガス分離膜エレメントの好ましい一態様では、前記多孔質支持体に形成されたゼオライト膜及びゼオライト内部結晶層はY型ゼオライトである。
かかる態様では、上記ゼオライト膜及びゼオライト内部結晶層の結晶系がY型であることにより、上記ゼオライト膜及びゼオライト内部結晶層の厚さ及び両者の比のそれぞれが上記各範囲を満たす膜エレメントは、特定のガス、特に二酸化炭素をより高い次元で分離し得る好ましい膜エレメントとなり得る。
また、上記ゼオライト膜の厚さ、ゼオライト内部結晶層の厚さ、及び両者の比のそれぞれが上記各範囲を満たす膜エレメントは、二酸化炭素ガスと窒素ガスとを含む混合ガスを接触させた際に、該混合ガス中の二酸化炭素の窒素に対する分離係数が20以上となる分離性能で前記二酸化炭素を分離し得る。このため、かかるゼオライト膜エレメントは、優れた分離性能の二酸化炭素分離膜エレメントとして好ましく用いることができる。
一方、本発明者は、上記ゼオライト膜の厚さと上記ゼオライト内部結晶層の厚さが水熱合成の合成温度、合成時間、及び合成中の原料溶液の攪拌速度の各条件によって制御され得ることも見出した。これらの知見を複数個の二酸化炭素分離膜エレメントを製造するプロセスに反映させることにより、即ち、上記製造プロセスにおいて、得られた膜エレメントの良否を上記知見に基づいて判定する手段、及び次の工程にフィードバックして成膜条件を最適化していく手段を導入することにより、二酸化炭素分離膜エレメントとして好適なゼオライト膜エレメントを製造する方法を発明するに至った。
従って、本発明によって混合ガスから所定のガス種(例えば二酸化炭素)を分離可能なガス分離膜エレメントの製造方法が提供される。この製造方法は、水熱合成によって、多孔質支持体の表面上に所定厚さのゼオライト膜と、該支持体の表面下に所定厚さのゼオライト内部結晶層とを形成してなるガス分離膜エレメントを製造する方法であって、成膜条件を最適化しつつ所望のガス分離性能を発揮し得るガス分離膜エレメントを高確率(高効率)に複数製造し得る方法である。当該方法は以下の工程を包含する。即ち、まず前記水熱合成用原料溶液を用意する。次に、該溶液を前記多孔質支持体に付与し、所定条件の合成温度、合成時間、及び攪拌速度の下で前記ゼオライト膜と前記ゼオライト内部結晶層とを形成し、第1の二酸化炭素分離膜エレメントを作製する。次に、該第1の膜エレメントにおける前記ゼオライト膜の厚さと、前記ゼオライト内部結晶層の厚さを測定する。そして、前記測定したゼオライト膜の厚さとゼオライト内部結晶層の厚さを、以下の条件:(1)1.5μm≦A≦5.0μm、(2)3.0μm≦B≦8.0μm、ここで、Aは前記ゼオライト膜の厚さであり、Bは前記ゼオライト内部結晶層の厚さである;と比較する。
次に、前記比較により、前記(1)及び(2)を共に満たすと判定された場合には、前記第1の膜エレメントを良品として選択すると共に、前記合成温度、合成時間、及び攪拌速度をいずれも同じ条件のままにして、第2の二酸化炭素分離膜エレメントを作製する。或いは、前記比較により、前記(1)及び(2)のうち少なくともどちらか一方を満たしていないと判定された場合において、前記Aが前記条件(1)の上限を上回る、及び/又は前記Bが前記条件(2)の下限を下回る場合には、前記合成温度を下げる、及び/又は前記合成時間を縮める、及び/又は攪拌速度を上げる、の各条件に変更して、第2の二酸化炭素分離膜エレメントを作製する。また、前記Aが前記条件(1)の下限を下回る、及び/又は前記Bが前記条件(2)の上限を上回る場合には、前記合成温度を上げる、及び/又は前記合成時間を延ばす、及び/又は攪拌速度を下げる、の各条件に変更して、第2の二酸化炭素分離膜エレメントを作製する。更に、前記A及びBがいずれも前記条件(1)及び条件(2)の上限を上回る場合には、前記合成時間を縮める条件に変更して、第2の二酸化炭素分離膜エレメントを作製する。また、前記A及びBがいずれも前記条件(1)及び条件(2)の下限を下回る場合には、前記合成時間を延ばす条件に変更して、第2の二酸化炭素分離膜エレメントを作製する。
かかる製造方法によれば、まず、水熱合成により第1のゼオライト膜エレメントを作製し、この膜エレメントの所定箇所(典型的には端部)の断面に現われている多孔質支持体の表面上に形成されるゼオライト膜と、該支持体の表面下に形成されるゼオライト内部結晶層のそれぞれの厚さを測定し、それらの測定値を上記判定条件(1)及び(2)と比較する。これら判定条件(1)及び(2)は、ガス分離膜エレメント(特に二酸化炭素分離膜エレメント)として良好な分離性能を有するゼオライト膜エレメントが備え得る厚さである。このため、上記第1の膜エレメントがガス分離膜エレメントとして好ましいか否かを判定することができる。
また、上記比較により、第1の膜エレメントが上記判定条件(1)及び(2)のうち少なくともどちらか一方を満たしていないと判定された場合には、水熱合成の合成温度、合成時間、及び原料溶液の攪拌速度の各成膜条件を適宜変更し、変更後の成膜条件で第2の膜エレメント(即ち、第1(最初)の膜エレメントの作製後に作製される一つ又は複数の膜エレメント)を作製する。任意ではあるが、第2の膜エレメントについても、第1の膜エレメントと同様に上記判定条件(1),(2)と比較して、判定結果に基づいて上記各成膜条件を変更し、変更した成膜条件でその後(第3)の膜エレメントを作製することができる。このように上記各成膜条件が次の膜エレメント作製(製造)時にフィードバックされて最適化され得るので、上記ゼオライト膜の厚さとゼオライト内部結晶層の厚さとが制御された好ましい二酸化炭素分離膜エレメントを複数製造することができ得る。
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、前記測定したゼオライト膜の厚さとゼオライト内部結晶層の厚さの比を、更に以下の条件、(3)1≦B/A≦4(特に好ましくは1.7≦B/A≦3.5)と比較することを包含する。
かかる態様では、上記測定されたゼオライト内部結晶層の厚さのゼオライト膜の厚さに対する比と上記条件(3)とを更に比較することにより、より高い分離性能を有するガス分離、特に二酸化炭素分離に適するガス分離膜エレメントを好ましく選択、製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、前記原料溶液は、水熱合成によりY型ゼオライト膜が形成されるように調製されている原料溶液である。
上記判定条件(1)〜(3)は、多様な結晶系のゼオライト膜を備えた膜エレメントに好ましく適用することができるが、上記判定条件(1)〜(3)は、かかる原料溶液を用いてY型ゼオライト膜エレメントを製造する場合に特に好ましく適用される。
上記判定条件(1)〜(3)に基づいて良否が判定され、良品として選択されたゼオライト膜エレメントは、二酸化炭素ガスと窒素ガスとを含む混合ガスを接触させた際に、該ガス中の二酸化炭素の窒素に対する分離係数が20以上となる分離性能で前記二酸化炭素を分離し得る。このため、良品と判定されて選択された上記ゼオライト膜エレメントは、優れた分離性能を有する二酸化炭素分離膜エレメントとして好ましく利用することができる。
また、本発明によって、ここに開示されるいずれかの製造方法により得られる二酸化炭素分離膜エレメントが提供される。かかる二酸化炭素分離膜エレメントは、多孔質支持体の表面上に所定厚さのゼオライト膜と、該支持体の表面下に所定厚さのゼオライト内部結晶層とが形成され、前記ゼオライト膜の厚さ、及び前記ゼオライト内部結晶層の厚さが前記条件(1)〜(3)をいずれも満たしている。
かかる構成のゼオライト膜エレメントは、上記判定条件(1)〜(3)に基づいて良品と判定されて選択されたものであるため、二酸化炭素分離性能が高い膜エレメントとなり得る。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明のガス分離膜エレメントは、水熱合成によって、多孔質支持体の表面上にゼオライト膜と、該支持体の表面下にゼオライト内部結晶層とを形成してなり、上記ゼオライト膜の厚さと、上記ゼオライト内部結晶層の厚さ、且つ両者の比がそれぞれ所定の範囲内に制御されたものである。ここで、ゼオライト膜とは、ガス分離膜エレメント(ゼオライト膜エレメント)において多孔質支持体の表面より上面で核生成及び結晶成長した膜結晶層と、水熱合成用原料溶液内で生じたゼオライト結晶が上記膜結晶層の上に降り積もってなる堆積層との層状部分をいう。また、上記多孔質支持体の表面下における細孔内で核生成及び結晶成長した結晶層は、ゼオライト内部結晶層という。
また、本発明に係るガス分離膜エレメントの製造方法は、水熱合成により多孔質支持体にゼオライトからなる層(即ちゼオライト膜とゼオライト内部結晶層)を形成して膜エレメントを作製(製造)する工程を包含する。これに加えて、かかる製造方法は、出来上がった(製造された)膜エレメントにおける上記ゼオライト層の厚さを測定する工程、その測定値を所定条件と比較することにより上記膜エレメントの良否を判定し、良品を選択する工程、及び上記測定値に基づいて成膜条件を適宜変更(最適化)して次の膜エレメントの製造工程に反映させる(フィードバックする)工程を包含する。
以下、本発明のガス分離膜エレメントについて、本発明の好ましい一実施形態に係る製造方法を説明しつつ、図1及び図2を参照にして説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離膜エレメントの製造方法のフローチャートである。図2は、本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離膜エレメント10の構造を模式的に表した断面図である。
まず、図1を用いて、かかる製造方法における膜エレメントの作製工程(ステップS10〜S20)について説明する。上記のように、この工程は上記ゼオライトからなる層を多孔質支持体に形成する工程である。該ゼオライト層を多孔質支持体に形成する方法としては各種の手法を用いることができるが、本発明に係る製造方法は、水熱合成法を特に好ましく採用することができる。
まず、水熱合成用原料溶液を用意する(ステップS10)。この溶液は、典型的には、ゼオライトの原料となるアルカリ源、アルミナ源、シリカ源、等を含む各種原料を水で溶解した高粘性の水溶液であるが、この形態に限られない。本明細書において「原料溶液」には、各種原料を水系溶媒(典型的には水)に分散した所謂ゾル(即ち流動性のあるコロイド溶液)の形態も本明細書における原料溶液に包含される。これらの原料は、従来のゼオライト製造に用いられる各種原料を好ましく用いることができる。例えば、アルカリ源としてアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物や各種の塩(典型的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウム)が挙げられる。また、アルミナ源としては、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。また、シリカ源としては、コロイダルシリカ、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)等が挙げられる。これらの原料を所定割合(即ち、所望のゼオライト結晶系(型)の組成(モル比)に応じたアルカリ(NaO)、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)及び水(HO)の配合比)で混合(典型的には攪拌混合)し、上記原料溶液を調製すればよい。ここに開示される製造方法では、当該原料溶液としてY型ゼオライト用に配合調製されたものを好ましく用いることができる。なお、必要に応じて上記原料溶液に結晶化促進剤(例えばテトラプロピルアンモニウムブロマイド等)を添加してもよい。
ここに開示される二酸化炭素分離膜エレメントを構成する多孔質支持体としては、該多孔質支持体に形成されるゼオライト膜、及びゼオライト内部結晶層の微細孔よりも大きな細孔を有するものが好ましい。このような支持体としては、例えば、サブミクロン(例えば0.1〜1.0μm)から数μm程度の孔径の細孔を有するセラミック系多孔質体が挙げられ、典型的にはα‐アルミナ等のセラミック系多孔質体を上記多孔質支持体として好ましく用いることができる。形状については、上記ゼオライト膜とゼオライト内部結晶層とが成長し得る形状であれば、特に限定されない。例えば、板状、管状、膜状、ペレット状、モノリス状(ハニカム状)等が挙げられる。また、この成形方法についても、押出し成形、プレス成形、鋳込み成形等の各種方法を所望の形状に応じて採用することができる。また、2層以上の積層構造を有する支持体でもよく、例えば2層目以降を形成する方向に沿って、相対的な平均細孔径が徐々に小さくなるように多孔質層が積層された構造の支持体でもよい。また、該多孔質層の各層の材質は同じでも異なっていてもよい。かかる構造の場合には、例えばディップコーティング法等の方法を採用して2層目以降を積層すればよい。
なお、上記多孔質支持体の作製は、上記ステップS10の水熱合成用原料溶液を用意(調製)する前に実施しておいてもよい。
次に、上記多孔質支持体を上記水熱合成用原料溶液に付与(典型的には浸漬)して水熱処理する(ステップS20)。まず、該原料溶液をオートクレーブ(例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))製)に充填し、このオートクレーブ内に上記多孔質支持体を入れて、所定条件で水熱合成を行う。オートクレーブとしては、従来公知の市販されたものを利用すればよい。なお、この水熱合成(水熱処理)は、典型的には上記オートクレーブに付設されている加熱装置(温度制御装置を含む)や攪拌装置等の周辺装置を稼働して行えばよい。
ここに開示される製造方法では、水熱合成(成膜)条件として、合成温度(加熱温度)、合成時間(加熱時間)、及び多孔質支持体を浸漬させている原料溶液の攪拌速度(以下、単に「攪拌速度」ということもある。)の3条件に主に注目し、この成膜条件を適宜変更することで好適な膜エレメントを作製することとする。
上記成膜条件の一つである合成温度については、70℃〜200℃程度が好ましく、より好ましくは70℃〜90℃である。後述するように合成温度条件を変更(調整)する際は、例えば70℃〜80℃の範囲内で行うことが好ましい。また、上記成膜条件のうちの合成時間については、3時間〜100時間程度が好ましい。より好ましくは3時間〜48時間であり、当該範囲内で合成時間条件を調整することが好ましい。
上記成膜条件のうちの攪拌速度については、200回転/min(rpm)〜600回転/min(rpm)が好ましく、より好ましくは350回転/min(rpm)〜500回転/min(rpm)である。原料溶液を攪拌する攪拌装置において、攪拌様式としては内部攪拌式、振とう式、回転式等が挙げられるが、本発明に係る製造方法では内部攪拌式を好ましく採用することができる。例えば、先端に攪拌翼(羽根)を設けた攪拌棒を上記オートクレーブ内に収容し、該攪拌翼を底部付近において上記攪拌(回転)速度で回転することにより上記原料溶液を攪拌すればよい。
また、上記多孔質支持体にゼオライト膜及び内部結晶層を形成する(成膜する)にあたり、成膜促進のために予め該多孔質支持体表面(外面及びその周辺における細孔内壁面)にゼオライト粉末(例えばNa−X型のゼオライト粉末)を擦り付けておいてもよい。
上記のような条件下で水熱合成を実施することにより、図2に示されるように、多孔質支持体1にはゼオライトからなる層が形成される。即ち、該多孔質支持体1の表面1a上には、該表面1a上でゼオライトが核生成及び結晶成長した膜結晶層4a、及び原料溶液内で生じたゼオライト結晶が上記膜結晶層4a上に降り積もった堆積層4b(即ち、膜結晶層4a及び堆積層4bとからなるゼオライト膜4)が形成されると共に、該支持体1の表面1a下には、ある深さ領域にわたって該支持体1の細孔2内でゼオライトが核生成及び結晶成長した部分(即ちゼオライト内部結晶層3)が形成される。ここで、上記成膜条件下において上記多孔質支持体1に対して水熱処理を行うと、上記ゼオライト膜4は、例えば1μm〜10μm程度の厚さを有して上記表面1a上に形成され得る。また、ゼオライト内部結晶層3は、例えば1μm〜20μm程度の深さ(厚さ)を有して上記表面1a下に形成され得る。
上記ゼオライト膜と内部結晶層とが形成された多孔質支持体については、水熱合成(処理)終了後、オートクレーブから取り出されて、例えば35℃〜80℃程度の温水で洗浄され、常温〜100℃の温度下で24時間程度の乾燥を行う。上記原料溶液中に結晶化促進剤等が添加されている場合には、この後、例えば600℃程度で上記多孔質支持体を焼成して上記結晶化促進剤等を除去するとよい。
このようにして、第1のゼオライト膜エレメント(本発明の一実施形態に係るY型ゼオライト膜エレメント)を作製することができる。
次に、上記第1の膜エレメントにおけるゼオライト膜の厚さと、ゼオライト内部結晶層の厚さを測定する(ステップS30)。この測定方法は特に限定されないが、例えば上記膜エレメントの実使用の際に支障のないような部分(典型的には端部付近)において、該部分の膜構造を壊さないような切断手段で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察する方法が好ましく用いられる。
次に、上記第1の膜エレメントにおけるゼオライト膜の厚さ(この値をAとする。)と、ゼオライト内部結晶層の厚さ(この値をBとする。)の測定値を所定の判定条件と比較することにより、上記膜エレメントの良否を判定し、即ち、該判定条件を満たすものをガス分離(典型的には二酸化炭素分離)性能が高い「良品」と判定し、好ましいガス分離膜エレメントとして選択する(ステップS40)。ここで、「良品」と判定され得るガス分離膜エレメントの典型例としては、当該膜エレメントに二酸化炭素を含む混合ガスを供給し、接触させた際に、該ガス中に含まれる二酸化炭素のそれ以外のガス成分(例えば窒素ガスや水素ガス)に対する分離係数が高くなるような分離性能を有して二酸化炭素を選択的に分離し得るものが挙げられる。例えば、二酸化炭素ガスと窒素ガスとを含む混合ガスを接触させた際に、二酸化炭素の窒素に対する分離係数が20以上となることが好ましい。このような優れた二酸化炭素分離性能を有する膜エレメントの判定については、例えば、以下のような判定条件に基づいて好ましく行うことができる。
即ち、上記第1の膜エレメントにおけるAとBの測定値を判定条件(1)(即ち、1.5μm≦A≦5.0μm)及び判定条件(2)(即ち、3.0μm≦B≦8.0μm)と比較し、上記測定値がそれぞれ上記判定条件(1)又は(2)を満たすか否かを判定すればよい。まず、上記測定値のうちAの測定値を判定条件(1)と比較し、またBの測定値を判定条件(2)と比較する。そして、上記Aの測定値が判定条件(1)を満たし、且つ上記Bの測定値が判定条件(2)を満たす場合には、上記第1の膜エレメントを良品と判定し、選択することとする。また、この膜エレメントの成膜条件(即ち合成温度、合成時間及び攪拌速度)を好適条件であるとして、第2の膜エレメントを作製するときの条件(成膜条件)として採用(維持)する(ステップS50)。即ち、第2の膜エレメントの作製は、第1の膜エレメントの作製時と同一条件で実施することとする(ステップS70)。
一方、上記Aの測定値が判定条件(1)を満たしていない、及び/又は上記Bの測定値が判定条件(2)を満たしていない場合、即ち、該A,Bの測定値のうち少なくとも一方が判定条件(1)又は(2)を満たしていない場合には、上記第1の膜エレメントは二酸化炭素分離膜エレメントとして好適ではないと判定する。また、このときの成膜条件は調整を要するものとし、上記Aの測定値とBの測定値の大きさに応じて上記成膜条件を適宜変更して調整することとする(ステップS60)。
上記のように、A,Bの測定値のうち少なくとも一方が上記判定条件(1)又は(2)を満たしていない場合には、第2の膜エレメントを作製するときの成膜条件を変更して調整する(ステップS60)。ここで、上記ゼオライト膜の厚さA及びゼオライト内部結晶層の厚さBは、上記成膜条件、即ち水熱合成時の合成温度、合成時間、及び攪拌速度という人為的に調整可能な条件に対して依存する傾向が認められるため、この傾向に基づいて上記成膜条件を調整して最適化していけばよい。当該傾向とは、上記合成温度(70℃〜80℃の範囲内)、上記合成時間(3時間〜48時間の範囲内)、及び上記攪拌速度(350rpm〜500rpmの範囲内)において、合成温度が上記範囲内で低く、合成時間が上記範囲内で長い条件の下では、ゼオライト膜の厚さ(A)よりもゼオライト内部結晶層の厚さ(B)が大きくなり易い傾向がある。この傾向は、ゼオライト膜のうち膜結晶層がある厚さを境にして成長が止まり、逆に原料溶液中に溶解して結晶化度が低下すると共に、その分多孔質支持体の表面下への結晶成長が進行するためと考えられる。
また、上記合成温度が上記範囲内で高く、上記合成時間が上記範囲内で短い条件下では、ゼオライト膜の膜結晶層もゼオライト内部結晶層も結晶成長が適度に進行し得るため、「良品」と判定し得るような好ましいガス分離性能(典型的には二酸化炭素分離性能)が実現される傾向がある。
一方、攪拌速度が上記範囲内で小さいと、原料溶液中に生じたゼオライト結晶が上記膜結晶層の上に堆積し易くなり、堆積層が厚くなると考えられる。この結果、全体として上記ゼオライト膜の厚さ(A)が大きくなり易い傾向が認められる。このため、例えば上記合成温度が高く、上記合成時間が短い条件下でも、攪拌速度が小さい場合には上記Aが判定条件(1)の上限を上回り易い。
従って、上記成膜条件の調整は、以下のようにして好ましく行うことができる。
まず、ゼオライト膜の厚さ(A)の測定値が判定条件(1)の上限(即ち5.0μm)を上回ったとき、及び/又はゼオライト内部結晶層(B)の測定値が判定条件(2)の下限(即ち3.0μm)を下回ったときには、第1の膜エレメントでの成膜条件よりも、(i)合成温度を下げる、(ii)合成時間を縮める、(iii)攪拌速度を下げる、の各条件(i)〜(iii)の少なくとも一つを採用して変更し、この変更後の成膜条件下で第2の膜エレメントを好ましく作製する(ステップS70)。
また、上記Aの測定値が上記条件(1)の下限(即ち1.5μm)を下回ったとき、及び/又は上記Bの測定値が上記条件(2)の上限(即ち8.0μm)を上回ったときには、第1の膜エレメントでの成膜条件よりも、(iv)合成温度を上げる、(v)合成時間を延ばす、(vi)攪拌速度を上げる、の各条件(iv)〜(vi)の少なくとも一つを採用して変更し、この変更後の成膜条件下で第2の膜エレメントを作製することが好ましい。
更に、上記A及びBの測定値がいずれも上記判定条件(1)及び判定条件(2)の上限を上回る場合には、全体的にゼオライトの結晶成長を抑制するために、上記合成時間を縮める条件に変更するとよい。また、このときの攪拌速度はやや大きめに設定(変更)して上記堆積層に起因する上記Aの増加を適度に抑制してもよい。
一方、上記A及びBがいずれも上記条件(1)及び条件(2)の下限を下回る場合には、全体的にゼオライトの結晶成長が進行していないと判断し、上記合成時間を延ばす条件に変更するとよい。なお、上記成膜条件を変更する際に、その変更する度合いは上記A及び/又はBの測定値が上記判定条件(1)及び/又は(2)を逸脱する大きさに応じて適宜調整すれば良い。
また、より好適な二酸化炭素分離性能を有する膜エレメントを選択する際には、別の判定条件として、更に判定条件(3)に基づいて第1の膜エレメントの判定を行うことが好ましい。即ち、上記判定条件(1)及び(2)を満たして「良品」と判定された第1の膜エレメントにおいて、測定された上記ゼオライト内部結晶層の厚さ(B)の上記ゼオライト膜の厚さ(A)に対する比(B/A)を算出する。そして、この比と判定条件(3)(即ち、1≦B/A≦4、特に好ましくは1.7≦B/A≦3.5)とを比較し、該判定条件(3)を満たしている膜エレメントをより好適な二酸化炭素分離性能を有する「良品」として判定し、選択することができる。
上記判定条件(3)との比較により、上記B/Aの値が判定条件(3)の上限(即ち4)を上回った場合には、上記Aに対してBが大き過ぎるか、或いは上記Bに対してAが小さ過ぎるかのどちらかであるので、上記条件(iv)〜(vi)の少なくとも一つを採用して変更することができる。
また、上記B/Aの値が上記判定条件(3)の下限(即ち1)を下回った場合には、上記Aに対してBが小さ過ぎるか、或いは上記Bに対してAが大き過ぎるかのどちらかであるので、上記条件(i)〜(iii)の少なくとも一つを採用して変更することができる。
以上のようにして、上記判定条件(1)及び(2)(より好ましくは更に判定条件(3))に基づいて第1の膜エレメントのガス分離膜エレメントとしての良否を判定して良品を選択する。また、良品と判定されなかった場合においても、そのときの成膜条件(合成温度、合成時間、攪拌速度)が適宜改善(変更)されて、次の(第2の)膜エレメント作製時にフィードバックされる。この結果、上記ゼオライト膜の厚さとゼオライト内部結晶層の厚さとが制御されて、優れたガス分離性能(典型的には二酸化炭素分離性能)を備える好ましいガス分離膜エレメントを高確率(高効率)に複数製造することができる。
以下、図1〜図4を参照しつつ、二酸化炭素ガス分離に関する本発明に係る実施例について説明するが、本発明を係る具体例に示すものに限定するものではない。図3は、本実施例の実施により得られた膜エレメントの断面を示す電子顕微鏡写真である。図4は、二酸化炭素分離試験装置20の主要構成部分を説明する模式図である。
<例1;多孔質支持体の作製>
まず、多孔質支持体1を作製した。即ち、平均粒径約1μmのα−アルミナ粉末を有機バインダ(メチルセルロース)、ワックス及び水と共に混練して押出成形用の坏土を調製した。この坏土を市販の押出成形機により押出成形して乾燥させた後、大気雰囲気中で1400℃〜1500℃で2時間焼成することにより、管状(外径5mm〜10mm、内径6mm、長さ300mm〜500mm)の多孔質支持体(α−アルミナ支持体)1を11本作製した。一般的な水銀圧入法により測定した該支持体1の平均細孔径は約150nm、気孔率は35%であった。
<例2;水熱合成用原料溶液の用意>
次に、水熱合成用原料溶液を用意(調製)した。即ち、アルカリ源として水酸化ナトリウム、アルミナ源としてアルミン酸ナトリウム、シリカ源として水ガラス(NaOをそれぞれ脱イオン水に溶解させ、これを室温で20時間程度攪拌して熟成した。熟成後に得られた溶液の調製時の組成はモル比でAl:SiO:NaO:HO=1:10:14:798であった。
<例3;第1の膜エレメントの作製>
次に、多孔質支持体1を水熱処理して第1の膜エレメントを作製した。即ち、上記多孔質支持体1の外壁面(外周面)に対して市販のNa−X型ゼオライト粒子(粒径約2μm、Si/Al比1.25)を擦り込み、上記原料溶液を充填したオートクレーブ(容量約500mL)に該多孔質支持体1を入れて浸漬させた。70℃〜80℃の温度条件下で、350rpm〜500rpmの攪拌速度で上記オートクレーブ内の原料溶液を攪拌しながら、水熱反応を3時間〜48時間行った。これにより、管状の多孔質支持体1の外周面にY型ゼオライト膜4(及び、多孔質支持体1の表面1a下の内部結晶層3)を形成した。その後、Y型ゼオライト膜4が形成された多孔質支持体1を上記オートクレーブから取り出して、脱イオン水で洗浄して常温で24時間乾燥させた。このようにして、Y型ゼオライト膜4が形成されたY型ゼオライト膜エレメント10を作製した。ここで、上記合成温度条件、合成時間条件、及び攪拌速度条件(即ち、成膜条件)を変えて、3通りの成膜条件1〜3の下で合計11本のY型ゼオライト膜エレメント10を作製し、得られた該エレメントを試料1〜11とした。表1に上記成膜条件1〜3の条件内容を示すと共に、表2に各試料1〜11と成膜条件1〜3との対応を示す。
<例4;ゼオライト膜4の膜厚と内部結晶層3の厚さ測定>
次に、得られた合計11種類の試料1〜11(即ち、上記Y型ゼオライト膜エレメント10)のそれぞれに形成されたゼオライト膜4の厚さと内部結晶層3の厚さを測定した。
まず、上記膜エレメント10の端部を100mm〜200mm程度切断し、切り落とされた端部の上記切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察すると共に、上記ゼオライト膜4の厚さ(A)と内部結晶層3の厚さ(B)を測定した。また、該Bの測定値のAの測定値に対する比(B/A)を求めた。試料1〜11における測定結果を表2に示すと共に、上記試料6の切断面を図3に示す。
<例5;COとNの混合ガスにおけるCO分離性能評価>
次に、図4に示されるような主要構成部を含む分離試験装置20を用いて、試料1〜11の二酸化炭素(CO)の分離性能を評価した。
上記分離試験装置20は、上記作製された試料1〜11(即ち、管状のY型ゼオライト膜エレメント10)を組み込んで構築されたものである。当該装置20は、例えば温度制御可能な恒温槽(図示せず)内に配置された容器22と、該容器22内に配置された上記膜エレメント10とをCO分離に係る主要構成部とする装置である。図3に示されるように、上記容器22は、その内部に配置された管状の膜エレメント10の外周壁面の外側を取り囲む空間(外部ガス通路)22aと、上記膜エレメント10における多孔質支持体1の内周壁面で構成される空間(内部ガス通路)22bとの二重管構造となっている。また、上記外部ガス通路22aには外部ガス供給口24と外部ガス排出口25が設けられていると共に、上記内部ガス通路22bの両端には内部ガス供給口26と内部ガス排出口27とが設けられている。これにより、上記分離試験装置20では、外部のガス供給源から外部ガス通路22aと内部ガス通路22bのそれぞれに別個独立してガスを供給することができる。また、外部ガス通路22aから排出されるガスと内部ガス通路22bから排出されるガスとを別々に回収することができる。内部ガス通路22bの排出側流路には、図示しないTCD検出器を備えたガスクロマトグラフが装備されており、そこを流れるガス濃度(組成)を測定することができる。
本実施例では、COを含む混合ガスを外部ガス供給口24から供給し、外部ガス通路22aを流通させることにより、その過程で上記ガスを膜エレメント10の外周壁面(即ちゼオライト膜4)に接触させ、更に外部ガス排出口25から排出させる。また、スウィープガスとして例えばヘリウム(He)等の不活性ガスを内部ガス供給口26から供給し、内部ガス通路22bを流通させて内部ガス排出口27から排出させる。ここで、上記混合ガスのうち上記膜エレメント10(におけるゼオライト膜4及び多孔質支持体1)を透過して外部ガス通路22aから内部ガス通路22bへ流入してきたガス成分は、上記スウィープガスと共に内部ガス排出口27から排出されて、上記ガスクロマトグラフへと流れる。
上記例3で得られた試料1〜11におけるCO分離性能を評価するにあたり、上記COを含む混合ガスとして2種類の混合ガスを用いた。その一つがCO50mol%、窒素(N)50mol%の混合ガスである。もう一つがCO50mol%、水素(H)50mol%の混合ガスである。
上記COとNの混合ガスを用いたCO分離性能評価試験は以下の通りで行った。即ち、まず、試料1(膜エレメント10)を上記分離試験装置20の容器22内にセットした。上記混合ガスを外部ガス供給口24から外部ガス通路22a内に所定の流速で供給した。スウィープガスとしてHeを内部ガス供給口26から内部ガス通路22b内に所定の流速で供給した。上記膜エレメント10を透過して外部ガス通路22aから内部ガス通路22bに流入した上記ガス成分と上記スウィープガスを内部ガス排出口27から排出させ、この対象ガスの組成を上記ガスクロマトグラフで分析した。なお、該内部ガス通路22bのガス流速はセッケン膜流量計(図示せず)により測定した。
CO及びNのそれぞれのガス透過率は次式:Q=A/{(Pr−Pp)・S・t};から算出した。ここで、Qはガス透過率[mol/m・s・Pa]を、Aは透過量(mol)を、Prは供給側即ち外部ガス通路22a側の圧力[Pa]を、Ppは内部ガス通路22b側の圧力[Pa]を、Sは断面積[m]を、tは時間[秒:s]を、それぞれ表す。また、分離係数(透過係数)(CO/N)は、CO透過率とN透過率との比率即ち次式:α=QCO2/QN2;から算出した。ここで、αはCO分離係数(透過係数)を、QCO2はCO透過率を、QN2はN透過率を、それぞれ表す。
試料2〜11についても、上記と同様にしてCO分離性能(CO分離係数;CO/N)を評価した。これらの評価結果を表3に示す。
<例6;COとHの混合ガスにおけるCO分離性能評価>
次に、COを含む混合ガスとして、CO50mol%、H50mol%の混合ガスを用いた。そして、試料1〜11の全てについて上記例5と同様の評価試験を行い、CO分離性能(CO分離係数;CO/H)を評価した。その評価結果を表3に示す。
まず、図3に示されるように、多孔質支持体の表面上にはゼオライト膜が形成されると共に、該支持体の表面下には内部結晶層が形成されることがわかった。
また、表1及び表2に示されるように、合成温度、合成時間、攪拌速度という3つの成膜条件により、多孔質支持体に形成されるゼオライト膜と内部結晶層の厚さが変わることが分かった。また、この厚さと上記成膜条件との相関性として、以下のような傾向があった。即ち、該成膜条件の範囲においては、合成温度が高く合成時間が短いと、ゼオライト膜の厚さ(A)を1.5μm〜3μmで、且つ内部結晶層の厚さ(B)を3μm〜8μmに調整し得ると共に、B/A比を1〜4(特に好ましくは1.7〜3.5)に調整し得る。また、合成温度が低く合成時間が長いと、多孔質支持体の表面下での結晶成長が進み、上記Aに比べてBが大きくなる。一方、合成温度が高く合成時間が短くても、原料溶液の攪拌速度が小さいと、ゼオライト膜のうちの堆積層の厚さが増加し得るため、上記Aが上昇する。
次に、表2と表3に示されるように、COの分離性能(CO分離係数)は、ゼオライト膜の厚さ(A)のみならず、内部結晶層の厚さ(B)にも依存し得ることが分かった。また、上記CO分離性能は、このAとBの比にも相関性が認められた。特に、試料1〜5に示されるように、Aが1.5μm〜3μm、Bが3μm〜8μm、且つB/A比が1.7〜3.5である膜エレメントではCOを含む混合ガスの分離性能が優れており、特にCOとNの混合ガスにおけるCOの分離係数CO/Nが20以上となった。また、上記試料1〜5における上記性能は、試料6〜11に比べて有意な差があった。
以上より、合成温度、合成時間、攪拌速度という3つの成膜条件により、COの分離性能を左右し得るゼオライト膜及び内部結晶層の厚さを調整できることがわかった。また、上記成膜条件と上記厚さには相関性が認められるため、該成膜条件を調整することにより、優れたガス分離(特にCO分離)性能を発揮し得る厚さで多孔質支持体にゼオライト膜及び内部結晶層を形成し、好ましいガス(特にCO)分離膜エレメントを製造することができる。
以上、本発明を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、さらに別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えうるものである。
本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離膜エレメントの製造方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離膜エレメントの構造を模式的に表した断面図である。 本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離膜エレメントの断面を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の一実施例に係る二酸化炭素分離試験装置の主要構成部分を説明する模式図である。
符号の説明
1 多孔質支持体
2 細孔
3 内部結晶層
4 ゼオライト膜
4a 膜結晶層
4b 堆積層
10 ゼオライト膜エレメント
20 二酸化炭素分離試験装置
22 容器
22a 外部ガス通路
22b 内部ガス通路

Claims (6)

  1. 水熱合成によって、多孔質支持体の表面上に所定厚さのY型ゼオライト膜と、該支持体の表面下に所定厚さのY型ゼオライト内部結晶層とを形成してなる二酸化炭素ガス分離膜エレメントであって、
    前記ゼオライト膜の厚さAが、1.5μm≦A≦5.0μm、及び前記ゼオライト内部結晶層の厚さBが、3.0μm≦B≦8.0μmであり、且つ前記ゼオライト内部結晶層の厚さBの前記ゼオライト膜の厚さAに対する比が、1≦B/A≦4である、二酸化炭素ガス分離膜エレメント。
  2. 二酸化炭素ガスと窒素ガスとを含む混合ガスを接触させた際に、該ガス中の二酸化炭素の窒素に対する分離係数が20以上となる分離性能で二酸化炭素を分離する、請求項1に記載のガス分離膜エレメント。
  3. 前記ゼオライト内部結晶層の厚さBの前記ゼオライト膜の厚さAに対する比が、1.7≦B/A≦3.5である、請求項1又は2に記載のガス分離膜エレメント。
  4. 水熱合成によって、多孔質支持体の表面上に所定厚さのY型ゼオライト膜と、該支持体の表面下に所定厚さのY型ゼオライト内部結晶層とを形成してなる所望のガス分離性能を発揮し得る二酸化炭素ガス分離膜エレメントを複数製造する方法であって、
    前記水熱合成用原料溶液を用意すること、
    該溶液を前記多孔質支持体に付与し、所定条件の合成温度、合成時間、及び攪拌速度の下で前記ゼオライト膜と前記ゼオライト内部結晶層とを形成し、第1のガス分離膜エレメントを作製すること、
    該第1の膜エレメントにおける前記ゼオライト膜の厚さと、前記ゼオライト内部結晶層の厚さを測定すること、
    前記測定したゼオライト膜の厚さとゼオライト内部結晶層の厚さを、以下の条件:
    (1)1.5μm≦A≦5.0μm
    (2)3.0μm≦B≦8.0μm
    (3)1≦B/A≦4
    ここで、Aは前記ゼオライト膜の厚さであり、Bは前記ゼオライト内部結晶層の厚さである;
    と比較すること、及び、
    前記比較により、前記(1)〜(3)をいずれも満たすと判定された場合には、
    前記第1の膜エレメントを良品として選択すると共に、前記合成温度、合成時間、及び攪拌速度をいずれも同じ条件のままにして、第2のガス分離膜エレメントを作製すること、或いは、
    前記比較により、前記(1)及び(2)のうち少なくともどちらか一方を満たしていないと判定された場合において、
    前記Aが前記条件(1)の上限を上回る、及び/又は前記Bが前記条件(2)の下限を下回る場合には、前記合成温度を下げる、及び/又は前記合成時間を縮める、及び/又は前記攪拌速度を上げる、の各条件に変更して、第2のガス分離膜エレメントを作製すること、
    また、前記Aが前記条件(1)の下限を下回る、及び/又は前記Bが前記条件(2)の上限を上回る場合には、前記合成温度を上げる、及び/又は前記合成時間を延ばす、及び/又は前記攪拌速度を下げる、の各条件に変更して、第2のガス分離膜エレメントを作製すること、
    更に、前記A及びBがいずれも前記条件(1)及び条件(2)の上限を上回る場合には、前記合成時間を縮める条件に変更して、第2のガス分離膜エレメントを作製すること、
    前記A及びBがいずれも前記条件(1)及び条件(2)の下限を下回る場合には、前記合成時間を延ばす条件に変更して、第2のガス分離膜エレメントを作製すること、
    更に、前記B/Aの値が前記条件(3)の上限を上回る場合には、前記合成温度を上げる、前記合成時間を延ばす、前記攪拌速度を下げる、の各条件の少なくとも一つを採用して変更した成膜条件下で第2のガス分離膜エレメントを作製すること、
    また、前記B/Aの値が前記条件(3)の下限を下回る場合には、前記合成温度を下げる、前記合成時間を縮める、前記攪拌速度を上げる、の各条件の少なくとも一つを採用して変更した成膜条件下で第2のガス分離膜エレメントを作製すること、
    を包含する、所望のガス分離性能を発揮し得る二酸化炭素ガス分離膜エレメントを複数製造する方法。
  5. 前記膜エレメントは、二酸化炭素ガスと窒素ガスとを含む混合ガスを接触させた際に、該ガス中の二酸化炭素の窒素に対する分離係数が20以上となる分離性能で前記二酸化炭素を分離する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記条件(3)が1.7≦B/A≦3.5である、請求項4又は5に記載の製造方法。
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