JP5141333B2 - 車両の車線逸脱警報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両の走行車線からの逸脱判定時に、警報を行う車両の車線逸脱警報装置に関するものである。
従来より、白線等の走行区分線により区画された走行車線からの自車両の逸脱を抑制するために、自車両の予想される進路を推定することにより、自車両の走行車線からの逸脱が予測されたときに警報を行う車両の車線逸脱警報装置が知られている。この種の車線逸脱警報装置では、自車両の予想される進路と白線との交点までの距離や該進路と白線とのなす角度(ヨー角)等に基づいて、自車両の走行車線からの逸脱を予測するものが多いが、ヨー角が誤差を含んでいる場合には、自車両が走行車線から逸脱する可能性が低いにも拘わらず、逸脱警報が頻繁に発せられることがある。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1に示す車線逸脱警報装置では、ヨー角と自車両の白線に対する横位置とが所定の閾値を超えているか否かを判断し、これらヨー角及び横位置のいずれか一方又は両方が所定の閾値以下である場合には、逸脱警報を行わないようにすることにより、自車両が走行車線から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えている。
特開2005−346395号公報
ところで、図7に示すように、車両Wが走行している走行車線119の形状がカーブが連続する屈曲形状(走行車線がワインディングロード)であるときには、該車両の乗員が、図7(a)に示すように、車両Wを道形に走行させることは少なく、図7(b)に示すように、ショートカットさせるために車両Wをカーブ内側の白線117近傍で走行させることが多い。このように、乗員が意図的に白線117の近傍を走行させる場合、上記特許文献1のものでは、自車両が走行車線119から逸脱する可能性が低いにも拘わらず、逸脱警報が頻繁に発せられて乗員が違和感を感じるおそれがある。
一方、従来の車線逸脱警報装置では、車載のカメラ等により撮像された画像に基づいて、道路上における自車両前方の白線等を検知し、該白線等に基づいて走行車線を認識するものが多いが、自車両が走行している走行車線の形状が曲率半径が大きいカーブ形状であるときは、走行車線の認識率が低下することから、自車両が白線等を踏んでいないにも拘わらず、逸脱警報が頻繁に発せられるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自車両の走行車線からの逸脱判定時に、警報を行う車両の車線逸脱警報装置において、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を行う技術を提供することにある。
第1の発明は、自車両が現在走行している走行車線を認識する走行車線認識手段と、該自車両の今後予想される進路を推定する進路推定手段と、上記走行車線認識手段により認識された走行車線に略平行に延びるように設定された判定ラインと該進路推定手段により推定された進路とに基づいて、上記自車両が該判定ラインから逸脱したこと又は逸脱しそうなことをもって該自車両の該走行車線からの逸脱を判定する車線逸脱判定手段と、該車線逸脱判定手段により逸脱と判定されたときに、警報を行う警報手段とを備えている車両の車線逸脱警報装置であって、上記自車両前方の走行車線の形状を認識する走行車線形状認識手段と、上記走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状に応じて上記判定ラインを設定する判定ライン設定手段とをさらに備え、上記判定ライン設定手段は、上記走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状が直線形状であるときには、上記判定ラインとして第1判定ラインである白線を設定する一方、上記走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状が、カーブが連続する屈曲形状であるとき、又は、曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であるときには、上記判定ラインとして、該白線よりも上記走行車線の幅方向外側の第2判定ラインを設定するように構成されていることを特徴とするものである。
このように、自車両が判定ラインから逸脱したこと又は逸脱しそうなことをもって自車両の走行車線からの逸脱を判定するとともに、走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状に応じて判定ラインを設定するので、自車両が走行している走行車線の形状が、乗員が意図的に走行車線の側端で自車両を走行させるような形状や、走行車線認識手段による走行車線の認識率が低下するような形状であっても、自車両が走行車線から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えることができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を行うことができる。
また、判定ライン設定手段は、走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状がカーブが連続する屈曲形状であるときには、判定ラインとして、該走行車線の形状が直線形状のときに設定される第1判定ラインよりも走行車線の幅方向外側の第2判定ラインを設定するので、乗員が意図的に走行車線の側端で自車両を走行させる可能性が特に高いカーブが連続する走行車線を自車両が走行する場合にも、自車両が走行車線から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えることができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を確実に行うことができる。
さらに、判定ライン設定手段は、走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状が曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であるときには、判定ラインとして、該走行車線の形状が直線形状のときに設定される第1判定ラインよりも走行車線の幅方向外側の第2判定ラインを設定するので、走行車線認識手段による走行車線の認識率が特に低下する、曲率半径が所定値よりも大きいカーブを自車両が走行する場合にも、自車両が走行車線から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えることができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御をより確実に行うことができる。
また、走行区分線を第1判定ラインとして設定することにより、乗員は第1定ラインを認識しながら自車両を走行させるので、逸脱警報が発せられるか否かを予見することができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を一層確実に行うことができる。
の発明は、上記第1の発明において、上記自車両前方を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された画像に基づいて、道路上における上記自車両前方の白線を検知する区分線検知手段とをさらに備えており、上記走行車線認識手段は、上記区分線検知手段により検知された白線に基づいて上記走行車線を認識するように構成されていることを特徴とするものである。
このように、走行車線認識手段は、区分線検知手段により検知された走行区分線に基づいて走行車線を認識するので、自車両が走行している走行車線を正確に認識することができる。また、車線逸脱判定手段による自車両の走行車線からの逸脱をより正確に判定することができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御をより一層確実に行うことができる。
の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記進路推定手段は、上記自車両のヨーレートと車速とに基づいて上記進路を推定するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、自車両の今後予想される進路の推定を容易に具現化できる。
本発明によれば、自車両が判定ラインから逸脱したこと又は逸脱しそうなことをもって自車両の走行車線からの逸脱を判定するとともに、走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状に応じて判定ラインを設定するので、自車両が走行している走行車線の形状に拘わらず、自車両の逸脱の可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えて、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車線逸脱警報装置を搭載した車両W(自車両に相当し、本実施形態では自動車である)を示す。同図において、符号1は車両Wに設けられた各種機器の制御を行うECUであり、符号3はスピーカ(警報手段)であり、符号5は車両Wの前方を撮像するCCDカメラ(撮像手段)である。
上記スピーカ3,3は、車両Wの乗員に対して各種の情報を音声によって報知するものであり、ECU1によって、その作動が制御されるようになっている。
上記CCDカメラ5は、車両Wのフロントガラス(図示せず)の中央上端部に取り付けられていて、車両W前方の走行車線を区画する線や中央線や車道と歩道との境界線等の走行区分線を撮像するようになっている。図1の例では、CCDカメラ5により車両W前方の左右両側の白線17,17が撮像される。
また、上記車両Wには、ナビゲーション装置11が設けられており、このナビゲーション装置11は、図2に示すように、車両Wの現在位置を検出するGPSセンサ11aと道路形状情報を含む道路地図情報を記憶するDVD−ROM11bとを有している。これらGPSセンサ11a及びDVD−ROM11bは、ECU1に接続されていて、それぞれの情報をECU1に入力するようになっている。そして、ナビゲーション装置11は、GPSセンサ11aにより検出された車両Wの現在位置情報と、DVD−ROM11bに記憶された道路地図情報とに基づいて、ナビゲーションを行うようになっている。
さらに、上記車両Wには、車両Wに生じるヨーレートを検出するヨーレートセンサ7と、車両Wの車速を検出する車速センサ9とが設けられており、これら各センサ7,9からの検出情報が上記ECU1に入力されるようになっている。
次に、図2を参照しながら、車線逸脱警報装置による制御について説明する。上記CCDカメラ5により撮像された画像データは、ECU1内の区分線検知部1aに入力される。この区分線検知部(区分線検知手段)1aは、該画像データに基づいて画像処理を行い、道路上における車両W前方に設けられた走行区分線を検知するように構成されている。図1の例では、車両Wの左右両側に設けられた白線17,17が検知されることになる。
上記区分線検知部1aにおける区分線検知結果は、ECU1内の走行車線認識部1bに入力される。この走行車線認識部(走行車線認識手段)1bは、区分線検知部1aにより検知された走行区分線に基づいて、具体的には、検知された車両W左右両側の2本の走行区分線内(これらの走行区分線によって区画された範囲)を車両Wが現在走行している走行車線として認識するように構成されている。図1の例では、走行車線認識部1bは、区分線検知部1aにより車両W前方に白線17,17が検知されると、該検知された左右両側の白線17,17内を車両Wの走行車線19として認識する。
上記走行車線認識部1bにより認識された走行車線19の情報は、ECU1内の走行車線形状認識部1cに入力される。この走行車線形状認識部(走行車線形状認識手段)1cは、走行車線19の情報と上記ナビゲーション装置11のDVD−ROM11bに記憶された道路形状情報とに基づいて、車両Wが現在走行している走行車線の形状を認識するように構成されている。図3の例では、走行車線19の形状を直線形状であると認識し、図4の例では、走行車線19の形状をカーブが連続する屈曲形状であると認識し、図5の例では、走行車線19の形状を曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であると認識する。
上記走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状情報は、ECU1内の判定ライン設定部1dに入力される。この判定ライン設定部(判定ライン設定手段)1dは、走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状に応じて、該走行車線19と平行に延びて車両Wの該走行車線19からの逸脱を判定する際の基準となる判定ラインを設定するように構成されている。
より詳しくは、判定ライン設定部1dは、走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状が直線形状であるときには、判定ラインとして第1判定ラインを設定する一方、走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状が、カーブが連続する屈曲形状又は曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であるときには、判定ラインとして、第1判定ラインよりも走行車線19の幅方向外側の第2判定ラインを設定するように構成されている。
具体的には、図3の例では、走行車線形状認識部1cにより走行車線19の形状が直線形状であると認識されると、判定ライン設定部1dは、車両Wの走行車線19からの逸脱を判定する際の基準となる判定ラインとして第1判定ライン13,13を車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁に設定するようになっている。
また、図4の例では、走行車線形状認識部1cにより走行車線19の形状がカーブが連続する屈曲形状(走行車線19がワインディングロード)であると認識されると、判定ライン設定部1dは、判定ラインとして、車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁(第1判定ライン)よりも走行車線19の幅方向外側の第2判定ライン15,15を車両W左右両側に設定するようになっている。
さらに、図5の例では、走行車線形状認識部1cにより走行車線19の形状が曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であると認識されると、判定ライン設定部1dは、判定ラインとして、車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁(第1判定ライン)よりも走行車線19の幅方向外側の第2判定ライン15,15を車両W左右両側に設定するようになっている。
なお、走行車線19の形状が、カーブが連続する屈曲形状ではなく且つ曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状ではない場合には、判定ライン設定部1dは、判定ラインとして第1判定ライン13,13を車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁に設定するようになっている。
以上のように、判定ライン設定部1dにより走行車線19の形状に応じて設定された判定ラインの情報は、ECU1内の車線逸脱判定部1fに入力される。
一方、上記ヨーレートセンサ7及び上記車速センサ9からの検出情報(車両Wのヨーレート及び走行速度)がECU1に入力されると、ECU1内の進路推定部(進路推定手段)1eにより車両Wの今後予想される進路(予想進路)が推定される。この進路推定部1eは、車両Wのヨーレート及び走行速度に基づいて、車両Wの進行方向及び進行速度(速度ベクトル)を算出して車両Wの予想進路を推定するように構成されている。
具体的には、図3の例で車両Wにヨーレートが発生していないときには、例えば、車両Wは図中の矢印25の方向に直進すると推定され、また、図5の例で車両Wの走行速度が速く且つヨーレートが小さいときには、例えば、車両Wは図中の矢印23の方向に緩やかに曲がりながら進行すると推定される。このように、進路推定部1eにより推定された車両Wの予想進路の情報は、判定ラインの情報と同様に、ECU1内の車線逸脱判定部1fに入力される。
上記車線逸脱判定部(車線逸脱判定手段)1fは、車両Wが判定ラインから逸脱したこと又は逸脱しそうなことをもって車両Wの走行車線19からの逸脱を判定するように構成されている。具体的には、車線逸脱判定部1fは、進路推定部1eにより推定された車両Wの予想進路と、判定ライン設定部1dにより設定された第1判定ライン13,13又は第2判定ライン15,15とが交わったこと又は交わりそうなことをもって車両Wの走行車線19からの逸脱を予測判定するようになっている。なお、本実施形態では、「判定ラインから逸脱した」とは、車両Wの前輪21,21が第1判定ライン13,13又は第2判定ライン15,15を実際に踏んだことを、「判定ラインから逸脱しそう」とは、車両Wの前輪21,21が第1判定ライン13,13又は第2判定ライン15,15を踏むおそれがある(第1判定ライン13,13又は第2判定ライン15,15に過度に近接する)ことを意味する。
具体的には、図3の例では、車両Wの予想進路と第1判定ライン13,13とが交わる(又は交わりそうになる)と、車線逸脱判定部1fは車両Wが走行車線19から逸脱したものとみなす。
これに対し、図4の例では、走行車線19の形状がカーブが連続する屈曲形状であることから、乗員がショートカットさせるために車両Wをカーブ内側の白線17近傍で走行させて車両Wの予想進路と車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁とが交わっても(又は交わりそうになっても)、車線逸脱判定部1fは車両Wが走行車線19から逸脱したものとは判定せず、車両Wの予想進路と第2判定ライン15,15とが交わった(又は交わりそうになった)ときに初めて車線逸脱判定部1fは車両Wが走行車線19から逸脱したものとみなす。
また、図5の例では、走行車線19の形状が曲率半径が大きいカーブ形状であるため走行車線19(白線17,17)の認識率が低下し、車両Wの予想進路と車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁とが交わっていない(又は交わりそうにない)にも拘わらず、これらが交わっている(又は交わりそうである)と誤認されても、車線逸脱判定部1fは車両Wが走行車線19から逸脱したものとは判定せず、車両Wの予想進路と第2判定ライン15,15とが交わった(又は交わりそうになった)ときに初めて車線逸脱判定部1fは車両Wが走行車線19から逸脱したものとみなす。
そして、上記車線逸脱判定部1fにより車両Wの走行車線19からの逸脱が判定されると、上記ECU1は上記スピーカ3,3を作動させて車両Wの乗員に対して車両Wの走行車線19からの逸脱を音声によって警報するように構成されている。
ここで、白線17,17の幅方向外側縁よりも走行車線19の幅方向外側に第2判定ライン15,15を設定すると、例えば、白線17,17よりも外側に側溝等がある場合には車両Wの前輪21が該側溝に嵌る(脱輪する)ことが懸念されるが、図4に示すように、走行車線19の形状がカーブが連続する屈曲形状である場合には、通常、車両Wの走行速度は遅いので、警報後の乗員のブレーキ操作により脱輪が回避される可能性が高い。また、図5に示すように、走行車線19の形状が曲率半径が大きいカーブ形状である場合には、車両Wの走行速度が速くても、車両Wの進行方向における路肩部分の長さLが長いので、警報後の乗員のブレーキ操作により脱輪が回避される可能性が高い。
−車線逸脱警報装置の処理動作−
ここで、車線逸脱警報装置の処理動作について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、最初のステップS1では、CCDカメラ5により撮像された画像に基づいて車両W前方の白線17,17を検知し、しかる後にステップS2に進む。
次のステップS2では、ステップS1で検知された車両Wの左右両側の2本の白線17,17内を車両Wの走行車線19として認識し、しかる後にステップS3に進む。
次のステップS3では、ナビゲーション装置11からの道路形状情報に基づいてステップS2で認識された走行車線19の形状を認識し、しかる後にステップS4に進む。
次のステップS4では、走行車線19が直線形状か否かを判定する。このステップS4の判定がYESであるときは、ステップS5に進んで、判定ラインとして第1判定ライン13,13を設定し、しかる後にステップS9に進む。一方、ステップS4の判定がNOであるときは、ステップS6に進む。
ステップS6では、走行車線19がカーブが連続する屈曲形状か否かを判定する。このステップS6の判定がYESであるときは、ステップS8に進んで、判定ラインとして第2判定ライン15,15を設定し、しかる後にステップS9に進む一方、ステップS6の判定がNOであるときは、ステップS7に進む。
次のステップS7では、走行車線19が曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状か否かを判定する。このステップS7の判定がYESであるときは、ステップS8に進んで、判定ラインとして第2判定ライン15,15を設定し、しかる後にステップS9に進む。一方、ステップS7の判定がNOであるときは、ステップS5に進んで、判定ラインとして第1判定ライン13,13を設定し、しかる後にステップS9に進む。
次のステップS9では、判定ラインとして設定された第1判定ライン13,13又は第2判定ライン15,15を基準として車両Wが走行車線19から逸脱するか否かを判定する。このステップS9の判定がNOであるときは、リターンする。
一方、ステップS9の判定がYESであるときには、ステップS10に進んで、スピーカ3,3を作動させて警報を行い、しかる後にリターンする。
−効果−
本実施形態によれば、車両Wが判定ラインから逸脱したこと又は逸脱しそうなことをもって車両Wの走行車線19からの逸脱を判定するとともに、走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状に応じて判定ラインを設定するので、車両Wが走行している走行車線19の形状が、乗員が意図的に走行車線19の側端で車両Wを走行させるような形状や、走行車線認識部1bによる走行車線19の認識率が低下するような形状であっても、車両Wが走行車線19から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えることができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を行うことができる。
また、判定ライン設定部1dは、走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状がカーブが連続する屈曲形状であるときには、判定ラインとして、通常時の第1判定ライン13,13よりも走行車線19の幅方向外側の第2判定ライン15,15を設定するので、乗員が意図的に走行車線19の側端で自車両Wを走行させる可能性が特に高いカーブが連続する走行車線19を車両Wが走行する場合にも、車両Wが走行車線19から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えることができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を確実に行うことができる。
さらに、判定ライン設定部1dは、走行車線形状認識部1cにより認識された走行車線19の形状が曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であるときには、判定ラインとして、通常時の第1判定ライン13,13よりも走行車線19の幅方向外側の第2判定ライン15,15を設定するので、走行車線認識部1bによる走行車線19の認識率が特に低下する、曲率半径が所定値よりも大きいカーブを車両Wが走行する場合にも、車両Wが走行車線19から逸脱する可能性が低いときに逸脱警報が頻繁に発せられるのを抑えることができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御をより確実に行うことができる。
また、白線17,17の幅方向外側縁を第1判定ライン13,13として設定することにより、乗員は第1定ラインを認識しながら車両Wを走行させるので、逸脱警報が発せられるか否かを予見することができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御を一層確実に行うことができる。
さらに、走行車線認識部1bは、区分線検知部1aにより検知された白線17,17に基づいて走行車線19を認識するので、車両Wが走行している走行車線19を正確に認識することができる。特に、白線17,17の幅方向外側縁を第1判定ライン13,13として設定した場合には、車線逸脱判定部1fによる車両Wの走行車線19からの逸脱をより正確に判定することができる。したがって、乗員にとって違和感のない逸脱警報制御をより一層確実に行うことができる。
また、進路推定部1eは、車両Wのヨーレートと車速とに基づいて進路を推定するように構成されているので、車両Wの進路の推定を容易に具現化できる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、走行車線形状認識部1cは、ナビゲーション装置11のDVD−ROM11bに記憶された道路形状情報に基づいて、車両Wが現在走行している走行車線19の形状を認識するように構成されているが、これに限らず、例えば、CCDカメラ5により撮像された画像データに基づいて走行車線19の形状を認識するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1判定ライン13,13を車両W左右両側の白線17,17の幅方向外側縁に設定したが、これに限らず、例えば、白線17,17の幅方向内側縁や幅方向の中心線に設定してもよいし、白線17,17の幅方向内側縁よりも内側や白線17,17の幅方向外側縁よりも外側に設定してもよい。
さらに、上記実施形態では、車両Wのヨーレート及び走行速度に基づいて車両Wの予想進路を推定するように構成されているが、これに限らず、例えば、ステアリングホイールの舵角に基づいて車両Wの予想進路を推定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車両Wの乗員に対して音声によって逸脱警報するように構成されているが、これに限らず、例えば、インストルメントパネルに設けられた警告灯を点滅させることにより車両Wの乗員に対して逸脱警報するようにしてもよい。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、自車両の走行車線からの逸脱判定時に、警報を行う車両の車線逸脱警報装置等について有用である。
本発明に係る車線逸脱警報装置を搭載した車両を模式的に示す斜視図である。 車線逸脱警報装置の構成を示すブロック図である。 走行車線が直線形状である場合の判定ラインの設定状態を模式的に示す平面図である。 走行車線がカーブが連続する屈曲形状である場合の判定ラインの設定状態を模式的に示す平面図である。 走行車線が曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状である場合の判定ラインの設定状態を模式的に示す平面図である。 車線逸脱警報装置の処理動作を示すフローチャートである。 走行車線がカーブが連続する屈曲形状である場合の車両の走行経路を模式的に示す平面図である。
1a 区分線検知部(区分線検知手段)
1b 走行車線認識部(走行車線認識手段)
1c 走行車線形状認識部(走行車線形状認識手段)
1d 判定ライン設定部(判定ライン設定手段)
1e 進路推定部(進路推定手段)
1f 車線逸脱判定部(車線逸脱判定手段)
3 スピーカ(警報手段)
5 CCDカメラ(撮像手段)
13 第1判定ライン
15 第2判定ライン
17 白線(走行区分線)
19 走行車線
W 車両(自車両)

Claims (3)

  1. 自車両が現在走行している走行車線を認識する走行車線認識手段と、該自車両の今後予想される進路を推定する進路推定手段と、上記走行車線認識手段により認識された走行車線に略平行に延びるように設定された判定ラインと該進路推定手段により推定された進路とに基づいて、上記自車両が該判定ラインから逸脱したこと又は逸脱しそうなことをもって該自車両の該走行車線からの逸脱を判定する車線逸脱判定手段と、該車線逸脱判定手段により逸脱と判定されたときに、警報を行う警報手段とを備えている車両の車線逸脱警報装置であって、
    上記自車両前方の走行車線の形状を認識する走行車線形状認識手段と、
    上記走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状に応じて上記判定ラインを設定する判定ライン設定手段とをさらに備え
    上記判定ライン設定手段は、上記走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状が直線形状であるときには、上記判定ラインとして第1判定ラインである白線を設定する一方、上記走行車線形状認識手段により認識された走行車線の形状が、カーブが連続する屈曲形状であるとき、又は、曲率半径が所定値よりも大きいカーブ形状であるときには、上記判定ラインとして、該白線よりも上記走行車線の幅方向外側の第2判定ラインを設定するように構成されていることを特徴とする車両の車線逸脱警報装置。
  2. 請求項記載の車両の車線逸脱警報装置において、
    上記自車両前方を撮像する撮像手段と、
    上記撮像手段により撮像された画像に基づいて、道路上における上記自車両前方の白線を検知する区分線検知手段とをさらに備えており、
    上記走行車線認識手段は、上記区分線検知手段により検知された白線に基づいて上記走行車線を認識するように構成されていることを特徴とする車両の車線逸脱警報装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両の車線逸脱警報装置において、
    上記進路推定手段は、上記自車両のヨーレートと車速とに基づいて上記進路を推定するように構成されていることを特徴とする車両の車線逸脱警報装置。
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