JP5141170B2 - 車輪転舵機構 - Google Patents
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Description
この車輪転舵機構は、ステアリングホイールや操舵アクチュエータからの操舵入力を伝達される操舵軸を、右転舵軸の一方と交差するよう配置してこの交差部に、操舵軸から当該一方の転舵軸へ操舵入力が回転として伝達されるようにする伝動機構を設け、
当該一方の転舵軸と他方の転舵軸との間に、該一方の転舵軸から他方の転舵軸へ回転がそのまま伝達される左右転舵軸同回転状態、および、上記一方の転舵軸から他方の転舵軸へ回転が逆転下に伝達される左右転舵軸逆回転状態の間での状態切り替えを司る同逆転切り替え機構を設けたものである。
図14(a)に例示するごとく、主操舵輪(左右前輪)1FL,1FRや左右後輪1RL,1RRに用いて、左右前輪1FL,1FRのみの転舵により、車両を通常通りに旋回走行させる通常旋回モードに有用であるのはもとより、
図14(b)に例示するごとく、主操舵輪(左右前輪)1FL,1FRおよび左右後輪1RL,1RRに用いて、左右前輪1FL,1FRの転舵時に左右後輪1RL,1RRを逆方向へ転舵することにより(後輪逆相転舵により)、車両を小さな半径で旋回走行させる小廻り旋回モードや、
図14(c)に例示するごとく、左右前輪1FL,1FRの転舵時に左右後輪1RL,1RRを同方向へ転舵することにより(後輪同相転舵により)、車両の安定した(アンダーステア傾向の)旋回走行を行わせる旋回走行安定モードや、
図14(d)に例示するごとく、左右前輪1FL,1FRの相互逆向き転舵および左右後輪1RL,1RRの相互逆向き転舵と、4輪の個別モータ駆動とにより、車両を同じ位置において回転させる定点回転モードや、
図14(e)に例示するごとく、左右前輪1FL,1FRの90度転舵および左右後輪1RL,1RRの90度転舵と、4輪の個別モータ駆動とにより、車両を車幅方向に走行させる横移動モードを実現することができる。
つまり一般的な車両にあっては、操舵力の軽減や直進安定性の向上を図るなどの目的で、車輪の転舵軸を提供するキングピン軸線が路面と交差する点と、車輪タイヤの路面接地点との間における距離を短くするのが、つまりキングピン軸線の路面との交点を車輪タイヤの路面接地点に接近させるのが常識的である。
車輪タイヤがサスペンション装置と干渉し、サスペンション装置の設置スペースを確保するのが困難であるし、サスペンション装置との干渉を考慮すると車輪舵角を大きくするにも限界があり、定点回転モードや横移動モードで要求される大舵角転舵が不可能であるという問題があった。
先ず、本発明の前提となる車輪転舵機構を説明するに、これは、
車輪を回転自在に支持した車輪支持部材を転舵軸線の周りに転舵させて車両の操向を行う車輪転舵機構である。
前記転舵軸線として、車両上方から見て相互にオフセットさせた小舵角用転舵軸線と、大舵角用転舵軸線とを設定し、
小舵角転舵時は前記小舵角用転舵軸線を、また大舵角転舵時は前記大舵角用転舵軸線を選択的に使用して、該選択された転舵軸線の周りに前記車輪支持部材を転舵させるよう構成したことを特徴とするものである。
これにより、大舵角転舵時に車輪タイヤがサスペンション装置と干渉するのを緩和し得て、サスペンション装置の設置スペースを確保し易くなると共に、サスペンション装置との干渉を考慮しても車輪舵角を大きくすることができ、前記の定点回転モードや横移動モードで要求される大舵角転舵を実現可能で、前記の諸問題を解消することができる。
図1は、本発明の一実施例になる車輪転舵機構の原理を車両前後方向に見て示す原理図で、1は転舵すべき車輪、2は、この車輪1を回転自在に支持した車輪支持部材をそれぞれ示す。
なお本実施例において車両は、各車輪を個々の電動モータにより駆動して走行する電動車両とし、
車輪1を駆動する電動モータは、図示しなかったが車輪支持部材2内に内蔵し、該電動モータの減速回転出力軸3を車輪1に結合するものとする。
これがため、操舵力を入力されて大舵角用転舵軸線O2の周りに回転する大舵角用転舵軸4を回転自在に支持した大舵角用転舵軸支持部材5を設け、この大舵角用転舵軸支持部材5を車体6に対し、周知のサスペンション装置を含む任意の手段(図示せず)で取り付ける。
大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aおよび下腕部5bにそれぞれ連なるよう配して、小舵角用転舵軸支持部材7を成す小舵角用転舵軸上端支持片7aおよび小舵角用転舵軸下端支持片7bを設け、
これら小舵角用転舵軸上端支持片7aおよび小舵角用転舵軸下端支持片7b間に小舵角用転舵軸8を回転自在に支持する。
このため、図1では図示を省略したが、大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aおよび下腕部5bと、小舵角用転舵軸上端支持片7aおよび小舵角用転舵軸下端支持片7bとを、以下のように相関させる。
大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aに、図2(b)に示すごとく小舵角用転舵軸上端支持片7aに近い先端において下側切り欠き11を形成し、小舵角用転舵軸上端支持片7aには、図3(a),(b)に示すごとく上腕部5aに近い先端において上側切り欠き12を形成する。
これら切り欠き11,12は、大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aと小舵角用転舵軸上端支持片7aとを図4,5に示すごとく重ね合わせるときにこれらが相互に連なるような形状および大きさとする。
この重合状態で大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aおよび小舵角用転舵軸上端支持片7aの相互に整列した軸受け孔13,14内に、図4,5に示すごとく大舵角用転舵軸4の上端を回転自在に挿入する。
小舵角用転舵軸下端支持片7bを大舵角用転舵軸支持部材5の下腕部5bに連なるよう配置すると共に、この下腕部5bに対し大舵角用転舵軸線O2の周りで相対回転し得るよう取り付け、
大舵角用転舵軸4の下端および小舵角用転舵軸8の下端を、大舵角用転舵軸支持部材5の下腕部5bおよび小舵角用転舵軸下端支持片7bにより回転自在に支持する。
これらキー溝16,17は、大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aおよび小舵角用転舵軸上端支持片7aが一直線上に整列した相対回転位置で相互に整列して連続したキー溝を形成するものとする。
このキー21はキー溝内スライド部に開口して設けた矩形切り欠き21aと、その両側における残存スライド部21b,21cとを有し、
ちょうど大舵角用転舵軸4および小舵角用転舵軸8の上端面に同時に被さる程度の長さとする。
キー21を図4,5に示すごとく、小舵角用転舵軸8の上端に被さらなくなる図示の転舵軸支持部材間結合位置まで左行させるとき、矩形切り欠き21aが大舵角用転舵軸4の上端位置に整列して大舵角用転舵軸4の回転を許可するような位置に矩形切り欠き21aを形成し、
残存スライド部21bの長さは、大舵角用転舵軸4の上端におけるキー溝18の長さ以下とする。
従ってキー溝16〜19およびキー21は、本発明における転舵軸支持部材間結合手段を提供する。
従ってキー溝16〜19およびキー21は、本発明における小舵角用転舵軸回転ロック手段と、大舵角用転舵軸4および小舵角用転舵軸支持部材7間の直結手段をも提供する。
上記の相対回転がこれに対応した方向へのみ許可されるよう、図2(a)、図4(a)、および図6(a)に示すごとく、大舵角用転舵軸支持部材5の上腕部5aに丸み付き隅角部22を形成し、大舵角用転舵軸支持部材5の下腕部5bにも同様な丸み付き隅角部を形成する。
キー21を図6,7に示すように右行させて小舵角用転舵軸回転ロック位置兼大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間直結位置にするとき、キー21がこの位置を越えて右行することのないようにするストッパーを設けるのが、
キー21の操作に関する制御を容易にする意味合いにおいて好ましいのは言うまでもない。
車輪1を小舵角で転舵させればよい場合、車輪1を非転舵中立位置にする図4,5の状態においてキー21を同図に示すごとく左行させ、転舵軸支持部材間結合位置にする。
このときキー21は、小舵角用転舵軸8の上端に被さることがなくてキー溝17から外れているため、小舵角用転舵軸8が小舵角用転舵軸支持部材7に対し回転可能であると共に、矩形切り欠き21aが大舵角用転舵軸4の上端位置に整列しているため、大舵角用転舵軸4も大舵角用転舵軸支持部時5に対し回転可能である。
図8,9により例示すると、操舵入力に伴う大舵角用転舵軸4の回転が図8に矢αで示す方向のものである場合、平歯車組20を介して小舵角用転舵軸8は同図に矢βの逆方向へ平歯車組20のギヤ比で決まる小さな角度だけ回転され、小舵角用転舵軸8に固設された図1の車輪支持部材2、従って車輪1は対応する方向へ同角度だけ転舵される。
図10により付言すると、大舵角転舵方向が図10に矢δで示す方向であるから、操舵入力に伴って大舵角用転舵軸4は同図に矢γで示す方向へ回転される。
かかる小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)の大舵角用転舵軸線O2周りにおける矢δで示す方向への回転中、キー21の残存スライド部21cがキー溝17,19の双方に係合して小舵角用転舵軸8の小舵角用転舵軸線O1周りにおける自転を阻止しているため、小舵角用転舵軸8に図1のごとくに固設された車輪支持部材2、従って車輪1が小舵角用転舵軸線O1の周りで勝手に転舵することはない。
ところで、キー21を介した大舵角用転舵軸4から小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)への回転伝動比が1:1であることから、小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)の大舵角用転舵軸線O2周りにおける矢δで示す回転は比較的大きくなり、前記減速歯車組20を介した小舵角転舵時よりも車輪1を大舵角用転舵軸線O2の周りに矢δで示す方向へ大きく転舵することができる。
大舵角用転舵軸線O2を小舵角用転舵軸線O1から切り離して、大舵角用転舵軸線O2が路面と交差する交点と車輪タイヤの路面接地点との間の距離が比較的大きくなるようなものとすることができる。
大舵角用転舵軸線O2が路面と交差する交点と車輪タイヤの路面接地点との間の距離を比較的大きくして上記の作用効果が得られるようにするという目的を確実に達成しつつ、
小舵角用転舵軸線O1に関しては、これが路面と交差する交点と車輪タイヤの路面接地点との間の距離が小さくなるようなものとして、一般的に要求される操舵力の軽減や直進安定性の向上をも実現することができる。
車輪1が大舵角転舵時に真上から路面に接することとなり、車輪タイヤの接地性を向上させることができる。
この場合、車輪1が大舵角転舵時に車幅方向内方へ入り込まず、ホイールハウスの拡大を抑制することができる。
この場合、車輪1が大舵角転舵中に駆動されて車輪タイヤと路面間における滑りを低減されると共に接地面近傍で転舵力を発生されて転舵トルクの低減を図ることができる。
車輪転舵機構が車輪1を非転舵中立位置にする状態の時しか上記の切り替えを行うことができない。
本実施例においては、大舵角用転舵軸支持部材5に対する小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)および小舵角用転舵軸下端支持片7b(小舵角用転舵軸支持部材7)の大舵角用転舵軸線O2周りにおける相対回転をそれぞれ適宜阻止するよう、これら大舵角用転舵軸支持部材5と、小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)および小舵角用転舵軸下端支持片7b(小舵角用転舵軸支持部材7)との間にそれぞれ、電磁式を可とする転舵軸支持部材間結合クラッチ31,32を設ける。
これら転舵軸支持部材間結合クラッチ31,32は、本発明における転舵軸支持部材間結合手段に相当する。
この小舵角用転舵軸固定クラッチ33は、本発明における小舵角用転舵軸回転ロック手段に相当する。
この直結クラッチ34は、本発明における大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間直結手段に相当する。
車輪1を小舵角で転舵させる間は、クラッチ31〜34の締結・解放を以下のように行わせて、車輪1を小舵角用転舵軸線O1の周りに転舵させるようにする。
小舵角用転舵軸固定クラッチ33は解放しておき、これにより小舵角用転舵軸8の軸線O1周りにおける自転を許可し、
直結クラッチ34も解放しておき、これにより大舵角用転舵軸4を小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)に直結しないで、両者間を切り離しておく。
よって、小舵角用転舵軸8に固設された図1の車輪支持部材2、従って車輪1が、小舵角用転舵軸線O1の周りで対応する方向へ同角度だけ転舵される。
小舵角用転舵軸固定クラッチ33は締結しておき、これにより小舵角用転舵軸8が軸線O1周り自転し得ないようにしておき、
直結クラッチ34も締結しておき、これにより大舵角用転舵軸4を小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)に直結しておく。
ところで、締結状態の直結クラッチ34を介した大舵角用転舵軸4から小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)への回転伝動比が1:1であることから、小舵角用転舵軸上端支持片7a(小舵角用転舵軸支持部材7)の大舵角用転舵軸線O2周りにおける回転は比較的大きくなり、前記減速平歯車組20を介した小舵角転舵時よりも車輪1を大舵角用転舵軸線O2の周りに大きく転舵することができる。
大舵角用転舵軸線O2を小舵角用転舵軸線O1から切り離して、大舵角用転舵軸線O2が路面と交差する交点と車輪タイヤの路面接地点との間の距離が比較的大きくなるようなものとすることができる。
図12(a)に示す非転舵中立状態から、同図(b)に示す小舵角転舵状態までの小舵角領域においては、車輪1を小舵角用転舵軸線O1周りで転舵させるために、転舵軸支持部材間結合クラッチ31,32を締結させると共に、小舵角用転舵軸固定クラッチ33および直結クラッチ34を解放させる。
本実施例においては、大舵角用転舵軸4および小舵角用転舵軸8間を回転係合させるのに、前記実施例のように減速平歯車組20を用いる代わりに減速傘歯車組41を用いる。
この場合、小舵角用転舵軸線O1を前記した操舵力軽減のためや、直進安定性のために傾斜させたとしても、大舵角用転舵軸線O2を車両水平面に対しほぼ垂直に延在するよう配置することができる。
2 車輪支持部材
3 モータ減速回転出力軸
O1 小舵角用転舵軸線
O2 大舵角用転舵軸線
4 大舵角用転舵軸
5 大舵角用転舵軸支持部材
6 車体6
7 小舵角用転舵軸支持部材
8 小舵角用転舵軸
11 下側切り欠き
12 上側切り欠き
13,14,15 軸受け孔
16〜19 キー溝(転舵軸支持部材間結合手段:小舵角用転舵軸回転ロック手段:直結手段)
20 減速平歯車組
21 キー(転舵軸支持部材間結合手段:小舵角用転舵軸回転ロック手段:直結手段)
21a 矩形切り欠き
21b,21c 残存スライド部
22 丸み付き隅角部
31,32 転舵軸支持部材間結合クラッチ(転舵軸支持部材間結合手段)
33 小舵角用転舵軸固定クラッチ(小舵角用転舵軸回転ロック手段)
34 直結クラッチ(大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間直結手段)
41 減速傘歯車組
Claims (10)
- 車輪を回転自在に支持した車輪支持部材を転舵軸線の周りに転舵させて車両の操向を行う車輪転舵機構において、
前記転舵軸線として、車両上方から見て相互にオフセットさせた小舵角用転舵軸線と、大舵角用転舵軸線とを設定し、
小舵角転舵時は前記小舵角用転舵軸線を、また大舵角転舵時は前記大舵角用転舵軸線を選択的に使用して、該選択された転舵軸線の周りに前記車輪支持部材を転舵させるよう構成したことを特徴とする車輪転舵機構。
- 請求項1に記載の車輪転舵機構において、
前記大舵角用転舵軸線を、車両上方から見て前記小舵角用転舵軸線に対し車幅方向内側へオフセットさせたことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項1または2に記載の車輪転舵機構において、
前記大舵角用転舵軸線を、車両上方から見て前記小舵角用転舵軸線に対し車両前後方向前側へオフセットさせたことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車輪転舵機構において、
前記大舵角用転舵軸線を、車両水平面に対しほぼ垂直に延在するよう配置したことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車輪転舵機構において、
前記大舵角用転舵軸線の周りにおける転舵中は車輪を駆動して該転舵を助成するアシスト力を付与するよう構成したことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車輪転舵機構において、
前記大舵角用転舵軸線の周りに回転する大舵角用転舵軸を回転自在に支持した大舵角用転舵軸支持部材、および、小舵角用転舵軸線の周りに車輪支持部材を伴って回転する小舵角用転舵軸を回転自在に支持した小舵角用転舵軸支持部材とを具え、
大舵角用転舵軸支持部材を車体に取り付けると共に、小舵角用転舵軸支持部材を大舵角用転舵軸支持部材に対し、大舵角用転舵軸線周りに相対回転可能に取り付け、
大舵角用転舵軸に操舵力を回転として入力すると共に、大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸間を回転係合させ、
大舵角用転舵軸支持部材に対する小舵角用転舵軸支持部材の前記相対回転を阻止する転舵軸支持部材間結合手段と、小舵角用転舵軸を小舵角用転舵軸支持部材に対し回転不能にする小舵角用転舵軸回転ロック手段、および、大舵角用転舵軸を小舵角用転舵軸支持部材に直結する直結手段とを設けたことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項6に記載の車輪転舵機構において、
前記転舵軸支持部材間結合手段、小舵角用転舵軸回転ロック手段、および直結手段は、前記大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸の回転軸線を横切る面内に配して相互に整列するよう大舵角用転舵軸支持部材、大舵角用転舵軸、小舵角用転舵軸支持部材、および小舵角用転舵軸にそれぞれ設けたキー溝と、これらキー溝内をスライドする共通な1個のキーとで構成し、
該キーの転舵軸支持部材間結合位置で大舵角用転舵軸支持部材に対する小舵角用転舵軸支持部材の前記相対回転を阻止するよう、また、該キーの小舵角用転舵軸回転ロック位置兼大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間直結位置で大舵角用転舵軸支持部材に対する小舵角用転舵軸支持部材の前記相対回転を許可し、且つ、小舵角用転舵軸の回転を阻止すると共に大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間を直結するよう前記キーを形成したものであることを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項7に記載の車輪転舵機構において、
前記キーを前記キー溝内でのスライド中、前記転舵軸支持部材間結合位置と、小舵角用転舵軸回転ロック位置兼大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間直結位置とで停止させるストッパを設けたことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項6に記載の車輪転舵機構において、
前記転舵軸支持部材間結合手段は、大舵角用転舵軸支持部材に対する小舵角用転舵軸支持部材の前記相対回転を阻止するようこれら大舵角用転舵軸支持部材および小舵角用転舵軸支持部材間に設けた転舵軸支持部材間結合クラッチとし、
前記小舵角用転舵軸回転ロック手段は、小舵角用転舵軸の回転を阻止するよう小舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間に設けた小舵角用転舵軸固定クラッチとし、
前記直結手段は、大舵角用転舵軸を小舵角用転舵軸支持部材に直結するよう大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸支持部材間に設けた直結クラッチとしたことを特徴とする車輪転舵機構。 - 請求項6〜9のいずれか1項に記載の車輪転舵機構において、
前記大舵角用転舵軸および小舵角用転舵軸間を傘歯車により回転係合させ、大舵角用転舵軸線を、車両水平面に対しほぼ垂直に延在するよう配置したことを特徴とする車輪転舵機構。
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