JP5141077B2 - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

発光装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5141077B2
JP5141077B2 JP2007097868A JP2007097868A JP5141077B2 JP 5141077 B2 JP5141077 B2 JP 5141077B2 JP 2007097868 A JP2007097868 A JP 2007097868A JP 2007097868 A JP2007097868 A JP 2007097868A JP 5141077 B2 JP5141077 B2 JP 5141077B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light emitting
coating film
emitting element
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007097868A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008258334A (ja
Inventor
将嗣 市川
芳樹 里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Corp
Original Assignee
Nichia Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Corp filed Critical Nichia Corp
Priority to JP2007097868A priority Critical patent/JP5141077B2/ja
Publication of JP2008258334A publication Critical patent/JP2008258334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5141077B2 publication Critical patent/JP5141077B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/481Disposition
    • H01L2224/48151Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/48221Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/48245Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic
    • H01L2224/48247Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic connecting the wire to a bond pad of the item
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/484Connecting portions
    • H01L2224/48463Connecting portions the connecting portion on the bonding area of the semiconductor or solid-state body being a ball bond
    • H01L2224/48465Connecting portions the connecting portion on the bonding area of the semiconductor or solid-state body being a ball bond the other connecting portion not on the bonding area being a wedge bond, i.e. ball-to-wedge, regular stitch
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/013Alloys
    • H01L2924/0132Binary Alloys
    • H01L2924/01322Eutectic Alloys, i.e. obtained by a liquid transforming into two solid phases
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/30Technical effects
    • H01L2924/301Electrical effects
    • H01L2924/3025Electromagnetic shielding

Description

本発明は、発光素子と、その発光素子からの光によって励起されて発光する光変換部材と、を備えた発光装置およびその形成方法に関する。
窒化物半導体発光素子どの発光素子光源を、蛍光体で光変換、波長変換して、その変換光、若しくは変換光と光源との光合成により、白色発光させる発光装置が種々研究、開発されている。
この蛍光体は、発光装置内で光源と発光装置の光取り出し部との光路上に配置されるが、種々の配置方法があり、特に光源である発光素子表面に、蛍光体膜を形成する方法について、盛んに研究、開発がなされている。
例えば、下記特許文献1には、発光装置の蛍光体膜を、透光性材料を含む粒子状蛍光体の溶液を滴下(ポッティイング)、硬化させて、粒子状蛍光体が、透光性材料を結着材として形成させることが開示されている。また、下記特許文献3には、蛍光体膜を樹脂で含浸させて、複合的な被覆膜を形成することが開示されている。
また、下記特許文献2には、蛍光体膜を電気泳動沈着により、発光素子の表面に蛍光物質および該蛍光物質を固着させる結着材を堆積させることにより形成させることが開示されている。
特開2004-088013号公報 特開2003-069086号公報 特開2005-268431号公報
蛍光体膜の形成において、蛍光体粒子と骨格構造となる結着剤との複合膜は、多孔質性の膜となり易く、その様な膜質では、発光素子からの光取り出し効率が低くなる課題がある。また、この様な多孔質膜に樹脂を含浸させて、その膜質を補改善させうる方法では、多孔質膜のバラツキがあり、含浸の制御が困難な傾向にある。
また、電着による蛍光体の付着は、電極となる導電膜と蛍光体及び結着剤との複合膜の形成であり、構造が複雑なため膜質・特性の製造バラツキが大きくなる傾向にある。また、電着後の導電膜は光取り出しを妨げるものとなり、膜を改質すれば、その改質状態の制御、改質膜と蛍光体粒子他との接着性などの膜質特性などの問題がある。さらに蛍光体粒子は、多くの場合、導電膜上に分散された状態で被着され、粒子間の間隙を埋める部材、その構造の制御に依存して、その蛍光体及び複合膜の光学特性、接着強度の各特性が得られるが、その間隙は微細であるため、その充填部材の組成・構造の制御が困難な課題がある。高くした複合膜の形成が困難となり、その結果、信頼性、光取り出し特性に優れた複合膜を得ることが困難となる。
本発明は、上記事情に鑑み、光取り出し特性に優れた蛍光体含有の被覆膜を有する発光装置、更には信頼性、量産性に優れた被覆膜の発光装置及びその製造方法である。
本発明の第1の形態に係る発光装置は、発光素子の光出射表面の少なくとも一部に、透光性の第1の被覆膜と、第1の被覆膜を下地として膜中に蛍光体粒子が分布された第2の被覆膜と、を含む被覆部材を有し、第2の被覆膜が、蛍光体粒子間に介在する透光性部材を有する発光装置である。
上記形態に係るその他の態様としては、(1)第1の被覆膜が層状であり、第2の被覆膜が蛍光体粒子間において第1の被覆膜表面から起立するように設けられている、(2)被覆部材の表面上を覆うように、透光性の樹脂被覆部材が設けられている、(3)第1の被覆膜と前記第2の被覆膜が、同一の絶縁組成物を有して、互いに異なる結晶構造である、(4)発光素子が、基板と、その上に設けられた半導体構造と、を有し、被覆部材が、半導体構造の側面と、半導体構造が設けられた表面に対向する基板表面と、半導体構造の側面と表面との間の基板側面と、を覆うように設けられている、(5)発光素子が、支持体に載置されており、被覆部材が、支持体に対向する発光素子の表面を露出させて設けられている、(6)半導体構造と支持体とにそれぞれ電極が設けられ、発光素子の電極と、支持体の電極とが、互いに対向して電気的に接続されている、(7)発光素子が支持体上に複数載置され、発光素子の被覆部材の表面上を覆うように透光性の樹脂被覆部材が設けられ、被覆部材が発光素子間で分離され、前記樹脂被覆部材が発光素子間を架設するように設けられている、がある。
また、本発明の第2の形態に係る発光装置の製造方法は、発光素子の光出射表面の少なくとも一部を覆って蛍光体を含む被覆膜が設けられた発光装置の製造方法において、発光素子表面の少なくとも一部の上に、第1の被覆膜を形成する工程と、第1の被覆膜の表面に蛍光体と接着性部材を堆積させ、互いに凝着させて、第2の被覆膜を形成する工程と、第1の被覆膜を改質して、透光性とする改質工程と、を具備してなる発光装置の製造方法。
上記形態に係るその他の態様としては、(1)第1の被覆膜改質工程が、第1の被覆膜を酸化させる処理である、(2)第1の被覆膜形成工程において、第1の被覆膜を導通可能な導電性膜で形成し、第2の被覆膜形成工程において、接着性部材と前記蛍光体とを有する溶液中に、発光素子を浸漬させ、導電性の第1の被覆膜に導通して、蛍光体を電気泳動させて、第1の被覆膜上に被着させ、第1の被覆膜改質工程において、導電性の第1の被覆膜を絶縁性に改質する、(3)第1の被覆膜形成工程において、発光素子を支持体上に複数載置し、第1の被覆膜は、支持体上で発光素子間を架設して、導通可能な配線を形成する、(4)支持体が伸縮性の基材と接着層を有し、第1の被覆膜形成工程において、接着層に接着された発光素子の露出表面に形成する、(5)支持体が導電層を有し、第1の被覆膜は支持体の導電層に電気的に接続され、導通可能な配線を形成する、(6)第2の被覆膜を覆う透光性の樹脂被覆部材を形成する工程を具備する、がある。
本発明の発光装置は、透光性の第1の被覆膜上に、分散配置された蛍光体粒子間を充填するように透光性部材が設けられた第2の被覆膜との複合膜とすることで、光取り出し特性に優れ、発光素子駆動による光変換の発熱でも膜変化、劣化の小さい信頼性に優れる発光装置とすることができる。
また、その発光装置の製造方法は、下地の第1の被覆膜上に、分散した蛍光体粒子と、それを凝着させる接着性部材と、による第2の被覆膜により、その第2の被覆膜の膜質、例えば多孔質性、により、第1の被覆膜を容易に透光性へと改質可能とでき、安定した下地層の形成とその改質を可能とし、第1,2の被覆膜による好適な複合膜の形成が可能となる。特に、導電性の下地(第1の被覆膜)に導通して、電気泳動などにより、蛍光体粒子を被着させる場合には、その電着時に要求される膜質、改質後の安定な透光性の下地に要求される膜質を共に実現することができる。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置、その製造方法は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに特定しない。特に、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
〔第1実施形態〕
本発明の発光装置の一例は、図3に示すように発光素子100の表面、その基板110背面と側面と半導体構造120側面、を覆うように第1,2の被覆膜10,20を有する被覆部材1が設けられている。更に、この第1,2の被覆膜10,20が積層された被覆部材1の上に、付加的に第3の被覆膜として、例えば樹脂を用いて、内側の被覆部材1を覆う透光性の被覆部材30を設けることができる。被覆部材1は、第1の被覆膜10が発光素子100表面に設けられ、その第1の被覆膜10を下地として、その上に、蛍光体粒子21が分布し、その間隙に透光性部材22が配置されて成形された第2の被覆膜20が設けられた構造を有している。ここで、図3は本発明の発光装置例に係る断面を説明する断面概略図であり、丸囲み部はその一部を拡大した図である。
この図に観るように、第1の被覆膜10が発光素子表面を比較的均質、例えば膜厚、表面凹凸の各性質、な下地膜として設けられて透光性を有し、その下地膜の上に、蛍光体粒子21が間隔を置いて配置され、その粒子間に透光性部材22が配置され、好ましくは粒子の間隙を充填するように配置されている。このように、比較的に、表面が平坦で、膜厚が均一で、それが被覆膜のほぼ全域に比較的一様な膜質であることで、蛍光体粒子と発光素子との距離を略一定とでき、発光むらの小さい光変換の被覆部材とでき、また、蛍光体粒子が安定して第1の被覆膜に被着されているため信頼性に優れた被覆部材とできる。
これは、蛍光体粒子と発光素子との距離、すなわち第1の被覆膜の膜厚、が変化して分布する形態であると、蛍光体粒子が近い領域(薄膜部)と遠い領域(厚膜部)では発光素子の光量が変化し、変換光の量も変化するため、結果として発光素子の光及び/又は蛍光体の変換光の発光むら、若しくはそれら発光・変換光の合成で色むらが生じることによる。また、均質な膜、特に表面の平坦性、に劣る下地膜であると、被覆膜1形成時に蛍光体粒子の分布状態にむらが発生し、その密な領域では発光素子の発光に対する光変換率が高く、疎な領域ではそれが低くなり、結果として得られる発光装置は、発光むら、色むらが発生するが、均質な膜の第1の被覆膜であることで、その問題を低く抑えることができる。
また、本発明の被覆膜1は、蛍光体粒子21間に配置される透光性部材22により、その部材間に挟まれた蛍光体粒子21を挟持して、強固に固着させることができる。このように、下地の第1の被覆膜10と、間隙に介在する透光性部材22とにより、被覆膜1中に蛍光体粒子を安定的に、また強固に担持する骨格構造を形成することができる。
図3の例では、第2の被覆膜20の透光性部材22は、第1の被覆膜10表面に間隔を置いて被着した蛍光体粒子21から露出した表面に、起立した構造が形成されている。このような構造であることで、被覆部材成形等の製造時の熱処理、素子駆動時の励起・変換による粒子の発熱など、による蛍光体粒子21の熱膨張・収縮に適し、光伝搬、光取り出しに優れたものとでき、断面幅が第1の被覆膜側が幅広である、特に図示するように尖形である、形状において、これらが好適に機能し、また後述する樹脂被覆部材、透光性部材との接合で接触面積を大きくでき、好適に接着でき、第1の被覆膜から好適に光を伝搬・導出できる。また、図示しないが、粒子の分布が疎な領域では、透光性部材は比較的層状の形態をとっている。このような例の他に、粒子間を充填するような形態、粒子を覆うような形態、これら及び上記例の組合せの形態とすることもできる。
第1の被覆膜10は、透光性を有して、第2の被覆膜20に光を伝搬させる。このため、第1の被覆膜は、上述したように比較的均質な膜、好ましくは、膜の膜厚、表面の平坦性の膜内均一性が高い、具体的には、第2の被覆膜よりも高いことで、第2の被覆膜へより均質な光伝搬が実現される。さらに、絶縁性であることで、電気駆動の発光素子との接触、特に、半導体構造への接触において、短絡させずに信頼性の高い膜を形成できる。透光性の導電膜としては、ITOなどの透明導電膜を用いることができ、透光性の絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などの酸化物、窒化ケイ素などの窒化物などを用いることができ、これら無機物の他に有機物、例えば後述する封止部材の材料、も用いることができる。好ましくは後述の実施例で示すように、無機酸化物の絶縁膜であり、比較的平坦な表面で均質な膜形成が可能であり、絶縁性を有することである。また、後述する第2実施形態の材料を用いることができる。
第2の被覆膜20は、少なくとも、蛍光体粒子と、透光性部材とを有し、蛍光体粒子は後述のものを用いることができ、透光性部材は前記第1の被覆膜と同様な材料、後述の第2実施形態の材料を用いることができる。
また、第1,2の被覆膜には、各機能を失わない程度に、他の材料、例えば光拡散剤、などを混入させることもできる。第1,2の被覆膜は、同種の材料・組成物であってもよく、異なる材料であっても良い。異なる材料の場合には、異種材料間の接着強度が問題となるため、適宜材料を選択する。また、屈折率差がある場合には、第1の被覆膜を第2の被覆膜より屈折率が高くなるように設けることで、低くする場合に比して光取り出しが向上し好ましい。各膜の寸法は特に限定されないが、膜厚5nm〜10μm程度、第1の被覆膜として具体的には、比較的均質な膜を形成するために膜厚20nm以上程度、光変換を効率的にするために500nm以下程度、第2の被覆膜は蛍光体粒子の粒径以上とし、例えば膜厚0.1〜10μm程度とする。
第1,2の被覆膜、特に第1の被覆膜と透光性部材とが、同一の絶縁材料、組成物であると、両者の接着強度が向上でき、また、屈折率差を小さくでき光の取り出しに有利となり、好ましい。更に、第1,2の被覆膜10,20、若しくは第1の被覆膜と透光性部材が、異なる結晶構造であることで、各膜、部材の機能を高めた構造とでき好ましい。具体的には、第2の被覆膜、透光性部材は、蛍光体粒子を担持する機能を有しているため、比較的柱状、針状などの微細粒子の凝集体、凝着した構造でもって、粒子間を充填、挟持する骨格構造を形成し、他方、第1の被覆膜は、第2の被覆膜の下地として、比較的均質な膜で供されることが好ましいため、膜状構造であることが好ましい。また、このように、各膜の機能が相違して、異なる結晶構造とすることで、各機能を好適に発現させることができる。さらに、電子線回折図形においても、好ましくは異なる結晶、更に好ましくは異なる結晶相として観察されること良い。これらは、透過電子顕微鏡観察・像、その電子線回折の手段により見出すことができる。具体的な第1,2の被覆膜としては、後述の実施例で示す酸化アルミニウムがあり、その他に酸化チタン、酸化ケイ素、などが挙げられる。
図2の部分拡大図に観るように、第2の被覆膜20は蛍光体21が分布してその隙間を充填する透光性部材22が介在する構造となり、更に後述の第3の被覆膜30が設けられる形態では、その第2の被覆膜20領域に一部が侵入、含浸されて、それらの各部材が混在する混在部24が設けられる形態をとりうる。これにより強固な第2の被覆層が、被覆部材1中に形成でき好ましい。
以上の被覆部材に、その被覆部材を覆う透光性の被覆部材、例えば第3の被覆膜として、透光性樹脂からなる樹脂被覆部材を設けても良い。樹脂被覆部材は、第2の被覆膜の蛍光体粒子、透光性部材間の空隙を充填するように設けられることで、光取り出し効率が向上させることができ、また、第2の被覆膜が比較的多孔性の構造であるため、それをより安定な膜とすることができ、取扱を容易にすることができる。樹脂被覆部材の樹脂材料は後述する材料を用いることができる。また、第1,2の被覆膜の被覆部材の表面を、後述する発光装置内で発光素子を封止する封止部材で覆うこともできる。また、樹脂以外に、無機物、無機物と有機物の混成組成物、などを用いて第3の被覆膜、外側の透光性被覆部材を設けても良い。
本発明の発光装置の形態は、図3〜6に示すように、支持体104上に発光素子100が載置される形態、また、その支持体104の電極に電気的に接続された形態、を備える装置、図6に示すように支持体上の発光素子を封止した形態を備える発光装置202、図5に示すように、発光装置203の支持体となる載置部222にその支持体載置の素子を載置する形態、を備える装置、などがある。
図3,4に示す形態では、支持体104の上に、上記発光素子100に被覆部材1を有する素子被覆体103を載置させた素子積層体105の形態であり、それを発光装置201(図3:201A、図4A:201B、図5201C)とすることも、それを備えた発光装置(例えば図5の構造)とすることもできる。支持体104表面に設けられた支持体の電極・導電体141が発光素子100の電極に対向し、各電極131,132が各極性の配線導体141a,141b、若しくはその上に設けられた電極143に電気的にそれぞれ接続するように、バンプ、半田などの導電性接着材170を介して、載置される。電極形成面以外の発光素子100露出表面、具体的には基板110の背面・側面と半導体構造120側面、には被覆部材1が設けられた素子被覆体103を備えている。
また、図4Bに示すように、1つの支持体104上に複数の発光素子100(103)を載置する発光装置201Cでは、回路は各発光素子を直列、並列とそれらを組合せること、逆並列として交流駆動させることなどの回路構造とすることができる。回路は、図4に示すように、支持体側に設けられた配線導体141により形成することができる。各発光素子100の被覆部材1、又はその外側に設けられる後述の樹脂被覆部材30の素子被覆体103の形態としては、素子間で共通の被覆部材とすることもでき、特に少なくとも被覆部材1は、各々素子に設けられ、相互に分離された形態、すなわち図示するように被覆部材1を有する素子被覆体103が支持体上に離間して配置される形態とする方が、発光むら、色むらを低く抑えることができ好ましい。他方、被覆部材1及び/又は樹脂被覆部材30の一部を素子間で架設するように延在さること、特に、被覆部材1を素子間で分離して、樹脂被覆部材20を連結させる形態とすることもできる。この形態であれば、蛍光体の光変換部材を有する被覆部材1は、各発光素子で発光、色むらを抑えて形成され、発光装置全体では、複数の素子を覆うように一体的に設けられた透光性樹脂の被覆部材により、素子間の発光、色ばらつきを抑え、素子間の暗部の影響を連結部による光接続で小さくできる。また、素子間に配置される架設部の被覆部材1、第1の被覆膜10bを備えることで、の蛍光体により、そこに到達する光、特に主発光観察側とは逆方向の支持体側に出射する光、例えば被覆部材1から露出された発光素子の光出射面からの光、を好適に光変換させる素子積層体、発光装置とすることもでき、また、複数の素子を搭載した素子積層体、発光装置に限らず、発光素子に近接して上記架設部と同様に被覆部材、第1の被覆膜を、支持体の載置表面上、発光装置の基体220・載置部222などに設けることができる。
図2に示す形態では、支持体の基材140上の接着層145に発光素子が接着されて、被覆部材1が設けられる様子を示し、支持体104から露出された領域、すなわち発光素子の一部を被覆する接着層145から露出した領域、具体的には基板110の背面・側面と半導体構造120側面、には被覆部材1が設けられている。
図5に示す形態では、載置部222に、上述した被覆部材1を有する発光素子100(素子被覆体103)が支持体104に載置された素子積層体105、例えば図4Aに示す構造のもの、が搭載される発光装置203を示している。装置203の発光開口部(光取出窓部)側に素子被覆体103の被覆部材1側が配向され、その発光素子100表面、すなわち、載置面以外の発光素子表面、具体的には基板110の背面・側面と半導体構造120側面、には被覆部材1が設けられている。
図6に示す形態では、発光素子100(素子被覆体103)が載置される支持体104を、発光装置の基体として、その発光素子100(103)を封止部材230で封止した構造を有する発光装置202を示すものであり、上記素子積層体を封止して、その素子積層体と封止部材とで発光装置筐体を形成する構造となっている。この例では、支持体104において、その基材140に設けられる配線導体141が、素子載置側で、素子をフリップチップ実装で導通させ、その基材対向面側で、外部取り出し電極143として設けられる構造となっている。このような発光装置202は、支持体104に導体配線による配線、回路構造を設けて、若しくはそのような配線基板を支持体に用いて、本発明の発光素子と電気的に接続して、封止し、支持体を各素子単位、複数の素子を備えた装置単位で分離することで、得られる。
図4A,5に示す素子積層体103に用いられる支持体104は、図に示すように、基材として、各導電型140a,140bなどを有する半導体素子、若しくはバリスタとして供する電気回路を設けて、保護素子、例えばツェナーダイオードを用いることもでき、この時、素子積層体103は各素子100と104とが接続された回路構造を有する。
図5,6に示す発光装置は、装置の基材若しくは筐体220に窓部となる開口部230が設けられ、反射壁223などを有する構造(図5)、封止部材の光学レンズ部231から主に取り出される構造(図6)、を有し、それらを組み合わせた窓構造とすることもできる。各発光装置の実装部は、装置の基体220、リード電極210、素子載置部の部材221のいずれか若しくはそれらを含む実装部を形成する構造(図5)、支持体の配線で外部電極143を形成する構造(図6)とできる。また、素子100若しくは素子被覆体103又は素子積層体と、発光装置の載置部若しくは支持体とは、導電性接着部材170、素子実装面に対向する面側の接着層160(図4)・電極143(図5)などを介して、固着並びに導通される形態でも、支持体の配線導体141若しくは電極143(図4,5)にワイヤー250接続される形態でも、それらを組み合わせた形態(図5)でも良い。この導電性接着の材料としては半田、共晶材、などを用いることができる。
以上、説明の通り、被覆部材1、又はそれに加えて第3の被覆膜30、が設けられる発光素子100の表面領域は、少なくとも発光素子の光取り出し、光出射領域の一部、好ましくは略全領域であり、更に好ましくは支持体から露出された領域、具体的には支持体に対向する載置面側以外の領域の一部、好ましくはその領域の略全面に設けられる。光取り出し領域以外への被覆部材形成は、特に要しないが、被覆部材の接着強度、信頼性などを向上させたり、被覆面積を大きくしたり、する目的などで、非発光部、光取り出し部以外の領域に、設けても良く、具体例として遮光・反射部材からなる発光素子の電極の場合にその電極表面上にまで延設させる形態などがある。
また、図の例では、支持体にフリップチップ実装して、基板側を主発光側としているが、これに限らず、電極形成面側、側面側を主発光側とする発光装置に用いることもできる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態として、上述した発光装置の製造方法について図を用いて説明する。併せて、本発明の各構成要素、構成部品、構成部材、並びに、各工程で得られる発光素子、発光装置について説明する。
発光素子100と、その発光素子と異なる波長を発光する蛍光物質を含有する被覆不在1と、を備えた発光装置の製造方法は、発光素子表面の少なくとも一部に第1の被覆膜(11)を形成する工程と、蛍光体粒子と接着部材とを素子表面に堆積させ、第2の被覆膜を形成する工程と、第1の被覆膜(12)を透光性に改質する工程とを具備する。第2の被覆膜20形成工程は、具体的には、第1の被覆膜を導電性の膜11として形成し、蛍光物質21と透光性の接着部材23とを含む第一の溶液41中に、発光素子100を配置させる工程と、上記第一の溶液41中における電気泳動により、蛍光物質21を上記発光素子に堆積させる工程(図1B)と、を具備して、第2の被覆膜20が形成される。また、上記改質工程として具体的には、酸化雰囲気、例えば水蒸気雰囲気で加熱処理して、透光性膜12に改質させ、更には電気泳動時の導電性膜11を、絶縁性の膜12に改質させる。更に、被覆部材10に付加的に、樹脂などの透光性材料の被覆部材30を形成する工程を備えても良く、その工程について具体的には、前記被覆部材1が設けられた発光素子100を配置して、該被覆部材1の上に、透光性の材料を塗布、若しくは素子をその透光性材料を含む溶液42中に浸漬して、第3の被覆膜30を形成する(図1C)。また、被覆部材1中により深く含浸させる例としては、透光性材料を主材料として含む第二の溶液42中に、上記蛍光物質が堆積された発光素子を配置させる工程と、上記第二の溶液42中における電気泳動により、上記蛍光物質の堆積物に、上記第二の溶液に含まれる透光性材料を含浸させる工程と、を具備する形態がある。以下、各工程について詳しく説明する。
(第1,2の被覆膜)
第1,2の被覆膜形成工程について、第2の被覆膜20を通常の塗布方法、例えば蛍光体と結着剤を有する蛍光体バインダーを塗布すること、それを成膜する方法の他、電解液により堆積させる場合には、発光素子の表面に、導電性の第1の被覆膜を形成して、それを導通して堆積させることができる。後者は、下地の第1の被覆膜が導電性の材料とされているときは、その導電性膜11、若しくはそれに導通する発光素子、支持体の配線層141、とそれに対向配置される電極70に電圧を印加することにより、帯電された蛍光物質を電気泳動させて発光素子100の第1の被覆膜(導電性)11上に堆積させることができる。
本形態の第1の被覆膜(11)の形成工程において、発光素子を導電部材にて被覆する工程を有するとき、非透光性若しくは低い透光性の導電部材11を、透光性若しくは高い透光性を有する部材に改質させる工程を備えることが好ましい。例えば、電気泳動沈着の電解液に導電部材の材料を溶解させる材料を含有させることにより、導電部材を溶解させてイオン化させたり、導電部材を加熱することにより、発光素子の光に対して透光性を有する膜12に改質させ、更に酸化物にしたりする工程を有することが好ましい。好ましくは、酸化処理して酸化物を生成することであり、これにより第2の被覆膜と良好な接着性を有する透光性の下地膜12が形成できる。この酸化処理について、具体的には、図1Dに示すように酸素などの酸化雰囲気、水蒸気などの高湿雰囲気などの雰囲気45に晒して、加熱処理などの熱処理により、酸化物を生成できる。この時の条件としては特に限定されないが、他の部材、発光素子が変質等の悪影響が及ばない条件で形成されることが好ましく、例えば温度は、100℃〜300℃である。この導電性の第1の被覆膜11の改質工程は、第2の被覆膜の電着後、更には、上記樹脂膜を塗布形成する場合に第3の被覆膜である被覆部材を形成する前、若しくは上記その第3の被覆膜の電着後、に実施する。
なお、導電部材が透光性であるとき、例えば、透光性導電部材の一種であるITO(インジウムと錫の複合酸化物)であるときには、このような工程は必要とされないが、第2の被覆膜の電着時の印加により、多くの場合に還元されて、膜が失透、若しくは黒化して、光透過率の低下、発光装置の光出力が低下する。その場合、この還元による失透、黒化から回復させるために熱処理して、再度透明化させる必要がある。
発光素子100を支持体104などに載置して、第1の被覆膜を形成する。第2の被覆膜20形成に電着を用いる場合には、第1の被覆膜に導電性部材11を用い、発光素子を所定の厚みにて被覆する導電部材1を形成する。したがって、発光素子を導電部材で被覆する形態は、導電部材が発光素子に接触して配置される形態に限定されることなく、導電部材と発光素子との間に、他の部材(例えば、透光性の樹脂やガラスなど)を介して導電部材が発光素子に配置される形態を含むものとする。
導電部材11の厚みは、電気泳動沈着の開始から終了まで導電性を有し、且つ電気泳動沈着の工程後は、透光性を有する部材に変換されるように、電解液に含有されて導電部材を溶解させる物質の量、電気泳動沈着の工程における電圧、その電圧の印加時間などを考慮して決定される。
図1Aから図1Dは、本実施形態の発光装置の製造方法の一具体例における各工程を示す模式的な断面図である。以下、図面を参照し、具体例を用いながら本形態における発光装置の製造方法を説明する。
図3は、本形態における発光装置の模式的な断面図である。本実施形態の発光装置の一例は、支持体104に載置された、若しくは図示するように支持体104の配線導体141にフリップチップ実装された、発光素子100と、その発光素子の発光観測面側を被覆する蛍光体含有の被覆部材1と、備えた発光装置200であり、具体的には支持基板とその上に載置された発光素子との素子積層体105の形態を有する発光装置であり、またその発光素子は被覆部材を備えた素子被覆体103の形態である。なお、本形態の発光素子の実装形態は、フリップチップ実装に限定されることなく、上記第1実施形態で説明した種々の形態(図3〜6)、発光素子の電極を発光観測面方向(支持体と反対側)に向けて実装する形態、発光装置の基体220などの実装部222に載置された形態でも良い。
(電着工程)
第2の被覆膜20の形成に電着を用いる場合には、蛍光体21及び接着部材を有する電着用の電解溶液を用意する。具体的には、有機金属材料のゾル溶液に蛍光物質を含有させた第一の電解液を調製する。これにより、蛍光物質を帯電させる。ここで、本実施形態における有機金属材料のゾルは、電気泳動沈着の後、乾燥させてゲル化させることにより蛍光物質の結着材、すなわち接着部材として機能する。したがって、別工程にて蛍光物質を帯電させる必要はなく、結着材の材料自体で蛍光物質を容易に帯電させることができるため、作業性よく発光装置を製造することができる。
電着用の電解液41には、第1の被覆膜の導電性部材を一部溶解させる物質を含むことができる。なお、別の形態にあっては、有機金属を材料とするゾルの溶液そのものが導電性部材を一部溶解させるものであってもよい。第一の電解液で導電性部材を溶解、除去する場合には、その導電性部材と発光素子表面との間に、別途、第1の被覆膜、例えば透光性の絶縁膜を設ける形態とすることもできる。第一の電解液は、例えば、導電性部材をアルミニウムとするとき、有機金属を材料とするゾルを、アルミニウムアルコレートを材料とするアルミナゾルとしたり、電解液にアルミニウムを溶解させる酸やアルカリ、例えば、アルカリ土類金属のイオン(Mg2+など)を含んだ硝酸を含有させたりすることができる。
上記第一の溶液41に添加する接着部材となる透光性材料としては、金属アルコキシドが好適に利用され、具体的にはAl、Sn、Si、Ti、Y、Pbあるいはアルカリ土類金属から選択される元素を構成元素として含む有機金属材料である。このような金属アルコキシドを電解液に含むことにより、電解液に水分を含む従来の形成方法と比較して、水素ガスなどの気泡を発生させることなく、光学特性を劣化させることのない良好な形状の蛍光体含有の第2の被覆膜を形成させることができる。また、このような金属アルコキシドは、加水分解などにより、ゾル溶液となったり、最終的にゲル化したりし易い。そのため、上記金属の群から選択される1種以上の元素を含む酸化物あるいは水酸化物からなる結着材22により蛍光体21が固着されてなる蛍光体層を形成させることが容易にできる。
以下、電解液に含まれる具体的材料として、アルミニウムアルコレートを例にとり説明する。アルミニウムアルコレート、あるいはアルミニウムアルコキサイドと有機溶剤とを所定の割合で混合してなるアルミナゾル中に蛍光体を分散させた混合液を電解液とする。
さらに、電解液は、例えば、イソプロピルアルコールを母液とする溶液に、有機溶剤としてアセトン、有機金属材料としてアルミナゾルおよび蛍光物質を含有させて混合溶液とすることが好ましい。
アルミニウムアルコレート(あるいはアルミニウムアルコキサイド)の一種であるアルミニウムイソプロポキサイド、アルミニウムエトキサイドあるいはアルミニウムブトキサイドは、常温で無色透明の液体であり、水酸化アルミニウムを生成し、その後、乾燥させると酸化アルミニウムを生成する。
アルミニウムイソプロポキサイドを含むゾル溶液に、蛍光体を含有させて電解液とし、その電解液中で蛍光体を帯電させることができる。さらに、その電解液中で電気泳動沈着させた後、ゲル化により生成するアルミニウムの酸化物や水酸化物を結着材として蛍光体を発光素子に固着させることができる。このゲル化は、加熱および乾燥により促進させることができる。
(配線構造)
図1Aに示されるように、発光素子100の第2の被覆膜20の電着形成には、発光素子100が載置された支持体104上に配線構造141を形成する形態を用いることができる。配線構造は、発光素子100の露出表面に設けられ、第2の被覆膜20形成領域に設けられる下地領域の導電性部材11、例えば少なくとも一部が第1の被覆膜となる領域の導電性部材、その発光素子被覆部11aと、複数の発光素子を載置する場合には素子間を配線連結する架設部11bと、外部電源に接続する接続部と、を少なくとも設ける。前記配線連結部に当たる架設部は、支持基板の配線部と電気的に接続された導線性部材、若しくは電気的に接続された発光素子の通電部に電気的に接続する導電性部材、がある場合には省略できる。配線連結部を設ける場合は、図に観るように、発光素子間を導通するように、支持体上、それと発光素子表面の導電性部材との間の領域に設けられる。尚、この配線連結部の形成は、上記導電性部材と一体で形成されても良く、導電性部材とは別に、予め支持体側に設けるなどの形態でも良い。
発光素子を支持体に配置させた後、図1Aに示されるように、支持体の導体配線の上など、必要に応じて、発光素子100周辺の各部位を、枠体で各素子を区画したり、支持体上、加えて発光素子表面の一部に絶縁部材にてマスク70したり、して、被覆部材の形状を画定する。マスクとなる絶縁部材の材料は、例えば、二酸化ケイ素からなる無機材料や、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂のような樹脂材料とすることが好ましい。
支持体上に配置された発光素子を区画する区画部50にそれを担う枠体51を設けた後、図1Aに示されるように、導電部材11にて発光素子100の側面および上面を被覆する。また図では区画部50の導電性膜の区画部11cが相互に分離させているが、相互に連結させ電気的に接続させる形態とするこもできる。本形態における導電部材11の配置方法として、例えば、蒸着法、スパッタリング、スクリーン印刷、インクジェット塗布、スプレー塗布あるいはそれらを組み合わせた方法を挙げることができる。
導電性部材の材料には、発光素子を形成している半導体、基板の材料と接触抵抗が良好な金属、それらとの密着性が良好な金属とすることが好ましい。また、第一の電解液41で導電性部材を溶解、更には除去する場合には、電解液に可溶な金属を用いる。このような導電部材の材料として、例えば、窒化物半導体と接触抵抗が良好なAl(アルミニウム)、Ti(チタン)の金属材料または合金が挙げられる。このように、発光素子からの光に対して透光性を有する膜に改質することができる材料とすることにより、発光素子からの光が損失することなく、光取り出し効率の高い発光装置とすることができる。
導電性部材11が被覆された発光素子100の素子被覆体103、を支持体104に載置した素子積層体105を第一の電解液中に配置させる(図1B)。通常、量産性を良くするため、複数の発光素子が載置された支持体単位、若しくはその支持体複数を一群としてその単位で実施されるが、発光素子単体について実施しても良い。
この時、導電性部材11、発光素子10およびその発光素子を搭載した支持体を第一の電解液に浸漬させ、導電性部材11は、被覆部11a若しくはそれと接続する架設部11bが導体配線141に接続して、図に示すように支持体104の配線層141を介して外部の電源と電気的に接続させてある。
蛍光物質の帯電と異なる極性の電圧を導電性部材11に印加する。印加する電圧の大きさや電圧を印加する時間は、所望の色度の光を得るための蛍光体層の層厚や、作業性を考慮して調整される。本工程により、蛍光物質は、第一の電解液41の中を電気泳動して、発光素子の第1の被覆膜上に堆積される。また、導電部材11は、電解液に導電部材を溶解させる成分が含有されているとき、その成分により徐々に溶解される。
具体的には、図1Bに示されるように、蛍光物質を含有させた第一の電解液中に、導電性部材11(被覆部11a)により被覆された発光素子100を浸漬させた後、導電性部材11に所定の電圧を印加する。ここで、上述した支持体104に設けられた導体配線141を介して、それに電気的に接続された導電性部材10に電圧を印加することが好ましい。これにより、導電性部材11に電圧を印加することが容易にでき、帯電された蛍光物質は、導電性部材11の方向に電気泳動する。そして、蛍光物質は、導電部材11の表面に、金属アルコキシドのゾルと共に堆積する。また、配線141上の架設部11cにも第2の被覆膜20cを設ける構造とできる。
なお、導電性部材11に離間して、その導電性部材11に印加された電圧と異なる極性(すなわち、蛍光物質の帯電と同じ極性)の電極70を、電解液中に設ける。これにより、電極間で帯電された蛍光物質を電気泳動させることができる。
本発明では、第1,2の被覆膜、導電性部材と第2の被覆膜、を有する被覆部材を形成した後、第3の被覆膜30として、透光性材料を設ける工程を付加的に備えても良い。この第3の被覆膜は、前記第1実施形態の通り、透光性樹脂層を形成しても良く、図1Cに示すように、その形成には、通常の樹脂層の塗布、硬化を用いることができる。
第3の被覆膜に樹脂層を形成する工程としては、図5に示す発光装置の封止部材と同様な樹脂材料を用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂若しくはそれらの複合物など耐候性に優れた透光性樹脂を挙げることができ、その他に硝子をあげることができる。樹脂層を塗布して、例えば、スプレー塗布、ポッティング、スクリーン印刷などの方法を用いて、形成された樹脂層を硬化、例えば熱処理硬化、させる。この時、樹脂層形成には、上述した枠体を用いて樹脂層を成型する方法を用いる。例えば、支持体上に載置される複数の発光素子を、1つ若しくは複数の発光素子に区画する方法を用い、樹脂層を成型する。
また、この方法とは別に、以下に示す、電着方法を用いること、上記樹脂層と組み合わせた積層構造とすることもできる。 具体的には、有機金属材料を主な材料とし、蛍光物質を実質的に含有しない第二の電解液を調製する。例えば、有機金属材料のゾル溶液に蛍光物質を含有させない他は、上記第一の電解液と同じ有機金属材料を含む第二の電解液を調製して、使用することができる。
そして、上記第2の被覆膜の電着工程と同様にして、第二の電解液中における電気泳動沈着をする。なお、導電性部材に印加される電圧は、有機金属材料のゾル粒子の電荷と異なる電荷とする。これにより、上記第2の被覆膜形成工程において堆積された蛍光物質の堆積層の空洞、例えば上記第1実施形態に示す構造中に、第二の電解液に含まれる材料が含浸される。
第2の被覆膜の構成部材について、上記蛍光物質の平均粒径が1μmから10μmであるとき、上記接着部材の透光性材料の粒子の平均粒径は、上記蛍光物質の平均粒径よりも小さい1nmから200nmであることが好ましい。このように、透光性材料の粒径を調整することにより、電気泳動により形成された蛍光物質の堆積物内の空洞に透光性材料を容易に含浸させることができるからである。また、蛍光体の粒径は、上記平均粒径の範囲のものだけでなく、ナノ粒子の蛍光体、例えば5nm〜200nm程度の粒径のものも用いることができる。
上記第一の電解液および上記第二の電解液を用いる形態では、それぞれ含まれる透光性材料の屈折率は、略同じであることが好ましい。さらに、上記蛍光物質の屈折率と、上記透光性材料の屈折率が略同じであることが好ましい。このように、各材料の屈折率差を小さくすることにより、全反射を抑制して蛍光体層からの光取りだし効率を向上させることができるからである。
以上説明した第3の被覆膜30は、本発明において発光素子を覆う被覆部材に必須ではなく、発光装置の封止部材230で代用することもでき、その場合には、第3の被覆膜形成工程を省略する。
上記第3の被覆膜工程の後、発光素子を被覆する導電部材あるいはその導電部材への堆積物を自然乾燥あるいは加熱する。これにより、第2の被覆膜、第3の被覆膜を成形する。更に、第1の被覆膜の改質、透光性及びそれに加えて絶縁性の被覆膜12の形成も同時に実施することができる。具体的には、高温の水蒸気を含む条件下、例えば温度100℃以上で湿度85%以上の高温高湿の条件下、で加熱することにより、電気泳動沈着後も残存している導電性部材の透光性への改質をさせることができる。また、堆積物に含まれる余分な溶媒を除去し、第2,3の被覆膜に用いられるゾル溶液のゲル化を促進させることにより蛍光体が結着され、発光素子に蛍光体層を形成することができる。なお、本工程後、導電性部材は、発光素子の光を透過させれば、そのような分布状態あるいは膜厚で、ある程度残存していてもよい。
(発光素子100)
本形態における発光素子100として、LEDチップについて説明する。LEDチップを構成する発光素子としては、ZnSeやGaNなど種々の半導体により形成された半導体発光素子を挙げることができるが、蛍光物質を使用する場合には、その蛍光物質を効率良く励起できる短波長が発光可能な窒化物半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好適に挙げられる。半導体の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。具体的には、図3に観るように、基板110の上に、基板の材料、成長方法により省略可能な下地層121を介して、相互に異なる導電型の半導体層(第1導電型層122、第2導電型層124)と発光層123、基板側から符号の番号順に積層するなどして、発光構造を有する半導体構造を設けた構造などを用いることができる。
このようなLEDチップは、基板110に半導体材料を積層させてチップ化したものである。窒化物半導体を積層させるための基板の材料として、例えば、サファイア、スピネルなどの絶縁性基板や、GaN、SiC、Si、ZnOなどの導電性基板が好適に用いられる。
窒化物半導体を結晶性良く積層させることができるため、窒化物半導体を積層させるための絶縁性基板としてサファイア基板が好適に利用される。本形態にかかる形成方法は、このような絶縁性基板を有する発光素子に対しても好適に利用される。さらに、本形態にかかる導電部材として、基板に対して密着性がよい金属材料が選択される。例えば、サファイア基板に対する導電部材として、アルミニウムが選択される。
また、本形態にかかる発光素子は、半導体を基板に積層させてなる上述の発光素子の他、窒化物半導体を、銅およびタングステンを含む導電性の支持基板に接合させた発光素子とすることもできる。
発光素子の基板の側面は、発光素子の光取り出し効率を考慮して傾斜面とされることがある。電気泳動沈着による形成方法により、ポッティングや印刷など他の形成方法と比較して、このような傾斜面にも均一な膜厚で蛍光体層を形成することができる。このような傾斜面を有する発光素子について、本形態における発光素子は、支持体に対して、傾斜面が上(発光観測側)を向くように、即ち支持体の発光素子搭載面の反対側に向くように、配置されることが好ましい。これにより、傾斜面に配置される導電部材が上記電極の方向に向けられるため、側面が傾斜されていない発光素子と比較して、発光素子の側面方向への蛍光物質の電気泳動、堆積が効率よく行われる。
(支持体104)
本形態における支持体の一例としては、少なくとも発光素子の電極と対向する側の面に導体配線141が、例えばその基体140上に施されており、フリップチップ実装された発光素子を保持するための基体である。例えば、発光装置全体の内、発光素子を搭載した素子積層体を構成することができ、更には外部電極を供する配線基板(図6の例など)として供することもできる。支持体側に電極を供する場合、例えば図5の接着層160、図6の外部電極層143、には、発光素子の電極と電気的に接続された状態で上記被覆部材が形成されても良い。その他に、後述の実施形態に示すように、被覆部材を形成するために、一時的に担持されるような粘着層145を備えた基材140を用いることも出来る。
発光素子を実装する支持体の材料は、AlN、Al、SiC、GaAs、BN、C(ダイヤモンド)などが好ましい。より好ましくは、発光素子と熱膨張係数がほぼ等しいもの、例えば、窒化物系半導体を材料とする発光素子に対して窒化アルミニウム(AlN)が選択される。これにより、支持体と発光素子との間に発生する熱応力の影響を緩和することができる。
(蛍光体21)
蛍光体は、発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光物質であり、第2の被覆膜、被覆部材はそれを含有する部材である。蛍光体を含有する第2の被覆膜、被覆部材は、レンズのような光学素子に配置させたり、光ファイバの先端に配置させたりすることもできる。このような被覆部材、被覆膜は、蛍光物質と、その蛍光物質を固着させるための結着材と、から形成されている。特に、本形態における結着材は、金属アルコキシドのゾル溶液のゲル化生成物とすることができる。また、蛍光体含有被覆膜の発光素子への固定を強化させるため、あるいは外部環境から保護するため、電気泳動沈着により形成された蛍光体含有の被覆膜は、上述したように、第3の被覆膜、封止部材など、材料としてはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの透光性樹脂やガラスなど、他の透光性部材をもって被覆されている構造が好ましい。
蛍光物質は、発光素子の光を変換させるものであり、発光素子からの光をより長波長に変換させるものの方が効率がよい。発光素子からの光がエネルギーの高い短波長の可視光の場合、アルミニウム酸化物系蛍光体の一種であるセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG:Ce)が好適に用いられる。特に、YAG:Ce蛍光体は、その含有量によってLEDチップからの青色系の光を一部吸収して補色となる黄色系の光を発するため、白色系の混色光を発する高出力な発光ダイオードを、比較的簡単に形成することができる。
本実施形態における蛍光体は、電解液中を電気泳動しやすい形状および大きさとされていることが好ましい。特に、電解液中での電気泳動について、蛍光体の形状は、ほぼ球形の粒子状とされていることが好ましい。また、蛍光体粒子表面に、表面被覆膜を設ける表面処理により、被覆膜の帯電を利用することもできる。
なお、蛍光体粒子の粒径としては、体積基準粒度分布曲線により得られる値であり、体積基準粒度分布曲線は、レーザ回折・散乱法により蛍光体の粒度分布を測定し得られるものである。具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、濃度が0.05%であるヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に蛍光体を分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000A)により、粒径範囲0.03μm〜700μmにて測定し得られたものである。
〔第3実施形態〕
第3実施形態としては、第2実施形態における各被覆膜、被覆部材の形成において、一時的に発光素子を被着、保持する支持体を用いる点で異なる変形例である。
具体的には、半導体素子ウエハを接着するウエハシートを用いることができる。これに限らず、支持基体140に発光素子チップを接着可能な接着層145を有する支持体014、加えて伸長、折り曲げ可能な基材140、接着層145の改質及びそれによるチップ剥離が容易な部材であると更に好ましい。
図2は、その一例を示す模式断面図であり、発光素子100が支持体104に被着され、具体的には、支持体の接着層145に発光素子の一部表面が覆われて固着されている。このような被着形態は、上記実施形態のように、発光装置の基体に実装若しくは基体となる実装用の支持体に載置する場合と同様に、発光素子ウエハから素子チップを個々に搬送して、被着させることもできるが、好ましくは、ウエハシートと同様に、発光素子ウエハを支持体に被着させ、素子チップに割断、分離して、図2の形態とすること、更には、その割断、分離され支持体に担持された発光素子ウエハを、別の支持体に転写する形態が好適に利用できる。これは、個々の素子チップの搬送、及び実装する方法では、その工程が煩雑となり、製造時間、設備を要し、量産性に劣ること、更に、実装精度が、上記素子ウエハの形態に比べて、極めて低いことなどが挙げられ、また半導体ウエハ状で保持されて製造できるため、半導体製造プロセスが利用できる。また、このようにして得られる各素子の素子被覆体103を、発光装置に搭載させて利用することもでき、第3の被覆膜などにより、素子単位で封止された発光装置として用いることもできる。
このように各素子に分離された支持体上の素子ウエハに、上記実施形態の各被覆膜10,20(30)、被覆部材1、樹脂層30、を形成することで、発光素子に蛍光体含有の被覆部材1を有する素子被覆体103、その発光装置を形成でき、また素子被覆体103を備えた発光装置が得られる。具体的には、図示するように、支持体104に被着された素子ウエハに対して、上記第1の被覆膜、第2の被覆膜、所望により第3の被覆膜、樹脂層を形成する。この時、各々分離された発光素子チップは、図示するように、適宜間隔を設けて支持体上に配置され、各素子単位で、各被覆膜、被覆部材、樹脂層を形成すると好ましい。上記素子ウエハの間隔を狭めて、上記素子積層体105と同様に、複数の素子を覆う被覆膜・第3の被覆膜を形成する形態、また各素子に分割せずにウエハに対して被覆膜・第3の被覆膜を形成する形態、その後に各素子に分離する形態、とすることもできる。好ましい例として、上記実施形態で説明した電着により第2の被覆膜を形成する方法を以下に示す。
先ず、上記支持体上に配置された発光素子に対して、図示するように、導電性部材の第1の被覆膜11を形成する。次に、このウエハシートを電着用の電解液に浸漬して、電圧を印加して、接着部材と蛍光体粒子とを導電性部材上に被着させ第2の被覆膜20を形成する。更に必要に応じて、上記実施形態の第3の被覆膜、上記電着による透光性材料、及び/又は樹脂層を形成する。そのようにして形成された被覆部材を、乾燥、硬化、第1の被覆膜の改質、を経て、成形された被覆部材を得る。
このようにして得られる発光装置は、図3に示すように、支持体上に、接着層から露出した発光素子表面に被覆部材が設けられた発光素子が複数配置されたものとなり、所望に応じて、別の発光装置、照明器具へ、この被覆部材付き発光素子を搬送、実装する。この際に、発光素子チップ間の被覆部材の連結部は、伸長可能、折り曲げ可能な基材を利用して、素子チップの吸着、抜き出し、突き上げ治具により押しだしなどで、各チップを取り出す際に、分離させることができる。また、電着工程後に設けられる第3の被覆膜、樹脂層において、導電性部材は不要となるため、上記支持体から取り出し、連結部の分離、を実施して別の支持体、発光装置へ搬送、実装しても良く、基材の伸縮性、折り曲げの性質を利用して、例えば支持体の伸長による連結部の分離・剥離、その他発光素子、連結部への変形、機械的圧力負荷により、電着後に連結部を分離させることもできる。
以上の各実施形態において、支持体上及び発光素子に設けられる被覆部材、第3の被覆膜の各部位について、説明する。図1などに示されるように、素子間、若しくは素子近接されて、支持体104の実装面、例えば配線導体141の表面に、素子間を連結する連結部(第1の被覆膜10b、第2の被覆膜20b)は、上述したように、他の膜の部位(例えば素子被覆部)と架設して相互に電気的に接続して電着に用いる形態と、発光装置若しくは素子積層体として支持体上に設けられた被覆部として利用する形態とがある。後者は、上述したように、支持体表面、具体的には導体配線141部分に被覆部、特に蛍光体を有する第2の被覆膜が設けられることで、この被覆部(第2の被覆膜20b)に到達する光を光変換可能な素子積層体105、又はその発光装置202若しくはそれを用いた発光装置とでき好ましい。この時、この部における第2の被覆膜の形成は上述した第1の被覆膜12b(導電性膜11b)を下地として形成する方法では上記第1実施形態のように強固な接着が形成され好ましい。別の方法・形態として、配線導体141で導通させ電着させることで直接第2の被覆膜をその表面、特に素子の近接部に設けることができる。この場合、素子被覆導電膜11aが配線導体141に導通する膜とするなどして、支持体上の架設部となる導電性膜11bが不要となり、ため、第1の被覆膜形成、特に素子被覆部の形成と、第2の被覆膜形成、特に素子被覆部と支持体上の近接部の形成と、を分離でき、また各膜の形成領域を相違させる形態、例えば第1の被覆膜を素子領域とし第2の被覆膜を支持体と素子の表面領域とする形態とできる。支持体表面、配線導体表面に第2の被覆膜が設けられることで、上記改質工程におけるその部分の改質を保護する保護膜として機能させることもでき好ましく、特に配線導体に導通・電着させることでその導通部を選択的に膜形成して、特に素子実装面に及ぶ領域も保護でき、光変換領域とでき更に好ましい。また、上述したマスク60を用いて、素子被覆部以外の領域を除去することもできる。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
図3は、本実施例における発光装置200の模式的な断面図である。本実施例の発光装置200は、窒化ガリウム系半導体を材料として形成された発光素子100と、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を含む被覆部材10と、その被覆部材10を被覆する透光性部材30と、備えた発光装置である。図1Aから図1Dは、本実施例の発光装置の製造方法における各工程を示す模式的な断面図である。以下、本実施例の発光装置の形成方法について説明する。
本実施例の発光素子は、絶縁性の透光性基板110であるサファイア基板に窒化ガリウム系半導体を積層させた半導体構造120を有するLEDチップ100である。まず、図1Aに示されるように、LEDチップ100をサブマウントにフリップチップ実装する。すなわち、サブマウントに施された導体配線に発光素子の正電極および負電極を、それぞれAuバンプで接合する。本実施例のLEDチップ100は、同一のサブマウントの基板に複数のLEDチップが実装される。また、発光素子と支持体との間に生じた隙間にはシリコーン樹脂を充填させる。このように、発光素子と支持体との間に生じた隙間を埋めることにより、後述の導電膜から絶縁させておくこともできる。
図1Aに示されるように、LEDチップ100を被覆する導電性部材11を形成させるため、アルミニウムを材料とするスパッタリングを行う。本実施例では、膜厚が50〜200nmのAl導電膜をLEDチップ100のサファイア基板110の表面および半導体の側面側露出部分を被覆するように形成する。なお、この導電膜は、サブマウントの上にも形成されており、サブマウント3の上の導電膜は、LEDチップ100を被覆する導電膜に電気的に接続させてある。
本実施例の第一の電解液は、アルミニウムアルコレートを材料とするアルミナゾル(1重量%)に、有機溶剤としてイソプロピルアルコール(93重量%)と、帯電剤として硝酸マグネシウム(1重量%)と、蛍光物質としてイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(5重量%)と、を含有させたものである。本実施例におけるイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、平均粒径が3μmであり、屈折率が1.8である。
図1Bに示されるように、第一の電解液中に、LEDチップが実装されたサブマウントの基板を配置して、導電部材に電圧を印加することにより、LEDチップ100上に蛍光体を電気泳動沈着させる。印加する電圧は、100Vとし、電気泳動の時間は、1分間とする。これにより、発光素子の上に膜厚が約20μmの第2の被覆膜が形成される。
続いて、図1Cに示すように、1つの発光素子に区画された枠体の内部に、シリコーン樹脂を充填して、樹脂層を形成する。
続いて、高温の水蒸気下にてAl導電膜を酸化処理して、透光性化する。すなわち、反応炉内の120℃、湿度85%の条件下にて、Al導電膜を12時間放置することにより、非透光性であるAl導電膜のアルミニウムを、透光性酸化物である酸化アルミニウムにする。
最後に、所望の大きさにサブマウントの基板を分割して個片化することにより、図3に示される発光装置200を得ることができる。同一のサブマウントの基板に複数の発光素子を実装して分割することにより、略同じ蛍光体層を有する発光装置を一度に大量に形成させることができる。
本発明に発光装置、その製造方法は、信号、照明、ディスプレイ、インジケータ、携帯電話のバックライトなどの各種光源として利用することができる。
本発明の一実施例にかかる発光装置の製造方法を示す断面概略図。 本発明の一実施例にかかる発光装置の製造方法を示す断面概略図。 本発明の一実施例にかかる発光装置の製造方法を示す断面概略図。 本発明の一実施例にかかる発光装置の製造方法を示す断面概略図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置の製造方法を示す断面概略図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置を示す断面概略図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置を示す断面概略図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置を示す断面概略図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置を示す断面概略図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置を示す断面概略図。
符号の説明
1:被覆部材、10:第1の被覆膜,11:導電性被膜(11a:被覆部,11b:架設部(配線連結部),11c:区画部・枠体部),12:改質膜(12a:被覆部,12b:架設部,12c:区画部)、20:第2の被覆膜,21:蛍光体粒子,22:透光性部材,24:含浸部(混在部)、30:第3の被覆膜(樹脂被覆部材)、41:第2の溶液,42:第2の溶液,45:改質雰囲気、50:区画部,51:枠体,60:マスク,70:電極、
100:発光素子,103:素子被覆体、104:支持基板,140:基材・基体,141:配線導体,142:絶縁部,143:電極,145:粘着層、105:素子積層体、
110:基板、120:半導体構造,121:下地層,122:第1導電型層,123:発光層,124:第2導電型層,131:第1電極(第1導電型層側),132:第2電極(第2導電型層側)(132a:全面電極,132b:パッド電極),135:絶縁保護膜、
160:接着部材・電極層,170:接着部材、200〜203:発光装置,210:リード電極,220:基体・筐体(発光装置),230:封止部材,231:レンズ部,250:ワイヤー

Claims (4)

  1. 発光素子の光出射表面の少なくとも一部を覆って蛍光体を含む被覆部材が設けられた発光装置の製造方法において、
    基材と接着層を有する支持体上に前記発光素子を載置し、前記発光素子表面の少なくとも一部の上に、第1の被覆膜を層状に形成する工程と、
    前記第1の被覆膜の表面に蛍光体と透光性の接着性部材を堆積させ、互いに凝着させて、第2の被覆膜を形成する工程と、
    前記第1の被覆膜を透光性改質し、前記第2の被覆膜と同一の絶縁組成物を形成する工程と、
    前記第2の被覆膜を覆う透光性の樹脂被覆部材である第3の被覆膜を形成する工程と、
    前記発光素子を前記支持体から剥離する工程と、
    を具備してなる発光装置の製造方法。
  2. 前記第1の被覆膜形成する工程において、前記発光素子を支持体上に複数載置し、前記第1の被覆膜は、前記支持体上で該発光素子間を架設して、導通可能な配線を形成する請求項に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記第1の被覆膜改質する工程が、第1の被覆膜を酸化させる処理である請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記支持体が導電層を有し、前記第1の被覆膜は該支持体の導電層に電気的に接続され、
    導通可能な配線を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
JP2007097868A 2007-04-03 2007-04-03 発光装置及びその製造方法 Active JP5141077B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097868A JP5141077B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 発光装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097868A JP5141077B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 発光装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008258334A JP2008258334A (ja) 2008-10-23
JP5141077B2 true JP5141077B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=39981620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007097868A Active JP5141077B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 発光装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5141077B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005019376A1 (de) * 2005-04-26 2006-11-02 Patent-Treuhand-Gesellschaft für elektrische Glühlampen mbH Lumineszenzkonversions-LED
TWI456798B (zh) * 2010-04-23 2014-10-11 Formosa Epitaxy Inc 發光裝置之製造方法
WO2011145794A1 (ko) 2010-05-18 2011-11-24 서울반도체 주식회사 파장변환층을 갖는 발광 다이오드 칩과 그 제조 방법, 및 그것을 포함하는 패키지 및 그 제조 방법
CN103003966B (zh) * 2010-05-18 2016-08-10 首尔半导体株式会社 具有波长变换层的发光二级管芯片及其制造方法,以及包括其的封装件及其制造方法
JP5962102B2 (ja) 2011-03-24 2016-08-03 日亜化学工業株式会社 発光装置及びその製造方法
US8957429B2 (en) * 2012-02-07 2015-02-17 Epistar Corporation Light emitting diode with wavelength conversion layer
JP2014139998A (ja) 2013-01-21 2014-07-31 Toshiba Corp 半導体発光装置
JP6209949B2 (ja) 2013-11-13 2017-10-11 日亜化学工業株式会社 発光装置及び発光装置の製造方法
JP6237181B2 (ja) 2013-12-06 2017-11-29 日亜化学工業株式会社 発光装置の製造方法
TWI565102B (zh) * 2015-04-29 2017-01-01 隆達電子股份有限公司 發光二極體模組及使用該發光二極體模組的燈具
JP6288061B2 (ja) * 2015-12-10 2018-03-07 日亜化学工業株式会社 発光装置の製造方法
KR102116988B1 (ko) * 2016-08-11 2020-06-01 삼성전자 주식회사 광원 모듈, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 백라이트 유닛
JP6508368B2 (ja) * 2018-02-07 2019-05-08 日亜化学工業株式会社 発光装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4792751B2 (ja) * 2005-01-26 2011-10-12 日亜化学工業株式会社 発光装置およびその製造方法
JP2008545269A (ja) * 2005-07-01 2008-12-11 ラミナ ライティング インコーポレーテッド 白色発光ダイオード及びダイオードアレイを有する照明装置、それらの製造方法及び製造装置
JP4810977B2 (ja) * 2005-11-08 2011-11-09 日亜化学工業株式会社 発光装置およびその形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008258334A (ja) 2008-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5141077B2 (ja) 発光装置及びその製造方法
JP4835333B2 (ja) 発光装置の形成方法
JP2008300580A (ja) 発光素子及び発光装置
RU2489774C2 (ru) Светоизлучающее устройство и способ его изготовления
JP4810977B2 (ja) 発光装置およびその形成方法
JP5582048B2 (ja) 発光装置
JP5747527B2 (ja) 発光装置の製造方法
JP4799606B2 (ja) 光半導体装置及び光半導体装置の製造方法
US8026533B2 (en) Light emitting device and method of manufacturing the same
JP4962270B2 (ja) 発光装置及びこれの製造方法
WO2011099384A1 (ja) 発光装置および発光装置の製造方法
JP2010199547A (ja) 発光装置及びその製造方法
TW201025671A (en) LED device and method of packaging the same
JP2012151191A (ja) Led用配線基板、発光モジュール、led用配線基板の製造方法、及び発光モジュールの製造方法
TW200905907A (en) Package structure of compound semiconductor device and fabrication method thereof
US10230025B2 (en) Light emitting device having wavelength conversion layer with filling particles
CN108630673B (zh) 发光装置和发光装置的制造方法
CN102683555A (zh) 发光二极管封装结构及封装方法
JP2011146480A (ja) 発光装置および発光装置の製造方法
JP5308618B2 (ja) 半導体発光装置
JP4961827B2 (ja) 発光装置及びその製造方法
CN109681846B (zh) 波长转换装置及其制备方法
JP6102116B2 (ja) 発光装置の製造方法
JP6402914B2 (ja) 発光装置の製造方法
JP2014158052A (ja) 発光装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5141077

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250