JP5140568B2 - 多層膜のエッチング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層膜のエッチング方法に関し、特に半導体装置等の技術分野で用いる金属膜と酸化物膜とからなる多層膜のエッチング方法に関する。
従来、金属膜と酸化物膜とからなる多層膜をエッチングする際には、各層の膜組成により最適なエッチング条件が異なることや、エッチング条件を同じにしてエッチングしたとしてもエッチングレートに差異があるために各層のエッチング形状に整合性がとれないこと等に鑑みて、通常、各層毎にエッチングガス及びエッチング条件を設定して行っているのが通常である。
従来の多層膜のエッチングについて、図1(a)、(b)、(c−1)及び(c−2)に示すエッチングプロセスに基づいて説明する。基板S上にSiO等からなる酸化物膜101及びAl等からなる金属膜102をこの順番で多層に積層したものに対し、最上層の金属膜102の上にレジスト103を塗布し(図1(a))、次いでフォトリソグラフィ法によりパターン化(レジストパターン103a)する(図1(b))。その後、金属膜102及び酸化物膜101を順次プラズマエッチングする。この場合、金属膜102に対しては通常SF系のエッチングガスを用いてラジカルエッチング(プラズマ中でフッ素のラジカルが発生)を行い、また、酸化物膜101に対しては通常CF系のエッチングガスを用いてイオンエッチング(プラズマ中でフッ化炭素のイオンが発生)を行う。金属膜102の場合、金属膜102のエッチングは横方向に進むために、図1(c−1)に示すように、金属膜102がアンダカットされた形状(金属膜102a)になり、酸化物膜101は通常の形状(酸化物膜101a)にエッチングされ得る。また、金属膜102や酸化物膜101のエッチング条件を最適化しても、酸化物膜101の加工幅が下層にいくほどすぼまり、図1(c−2)に示すように、金属膜102d、102c、102bと酸化物膜101c、101bとが階段形状になるという問題が生じる。
上記した図1(c−1)に示す金属膜102aのようなアンダカットが生じるのは、次のような理由による。金属膜102のエッチング条件における金属膜102と酸化物膜101とのエッチングレートの関係は、金属膜102のエッチングレートをLとし、酸化物膜101のエッチングレートをLoxとすれば、L>Loxとなる。金属膜102を十分にエッチング(オーバーエッチング:O/E)してから次の酸化物膜101のエッチングに移る必要があるため、金属膜のO/Eの際に横方向にエッチングが進行する。その結果、金属膜102のみが金属膜102aのようにアンダカット形状となる。その他にも、金属膜102でレジスト103が多量に消耗されてしまう(レジストパターン103b)ため、深掘りが困難となるという問題もある。
また、金属膜と酸化物膜とが、図1(c−2)に示すように階段形状になるのは、次のような理由による。金属膜102d、102c、102bのようにアンダカットを最小限に抑え、次の酸化物膜のエッチングを行おうとすると、コーナー部に残った金属膜が酸化物膜のエッチングマスクとして作用し、酸化物膜の加工幅がシュリンクしながらエッチングが進行する。その結果、金属膜102d、102c、102bと酸化物膜101c、101bとのように階段形状になる。この場合も、金属膜でレジストが多量に消耗されてしまう(レジストパターン103c)ため、深掘りが困難となるという問題もある。
多層膜の一括エッチング方法として、金属膜とITO膜との多層膜を、BClとHIとの混合ガスでエッチングする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−151380号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、金属膜がアンダカットされることもなく、また、金属膜と酸化物膜とが階段形状になることもなく、エッチング面が垂直形状となるようにする多層膜のエッチング方法を提供することにある。
本発明の多層膜のエッチング方法は、基板上に設けられた少なくとも1種の金属膜と少なくとも1種の酸化物膜とからなる多層膜で、最上層の金属膜上にレジストパターンを備えたものをエッチングする方法であって、エッチングガスとして、SFガス、Clガス、SiFガス、HBrガス、及びBClガスから選ばれたプラズマ中でラジカルを発生するガスと、CFガスのプラズマ中でイオンを発生するガスとを、総流量基準で、(ラジカルを発生するガス)/(イオンを発生するガス)=10〜50%/90〜50%の割合で用いて前記多層膜を一括エッチングすることを特徴とする。
上記特定のエッチングガスを用いることにより、金属膜がアンダカットされることもなく、また、金属膜と酸化物膜とが階段形状になることもなく、複数の金属膜と酸化物膜とからなる多層膜のエッチングが可能となる。多層膜の層の数には特に制限はない。
このラジカル発生ガスの流量が50%を超え、イオン発生ガスの流量が50%未満であると、多層膜のエッチングレートが急低下する。また、ラジカル発生ガスの流量が10%未満であり、イオン発生ガスの流量が90%を超えると、多層膜とレジストとの選択比が急に低下する。
上記エッチング方法において、基板を載置する基板ステージである基板電極上で基板の周囲に設けられているフォーカスリングとして、Al、AlN又はYから作製されたフォーカスリング、又は石英表面上にAl、AlN又はYからなる溶射膜、CV膜又はスパッタ膜を設けたフォーカスリングを用いて、エッチングを行うことを特徴とする。
上記特定のフォーカスリングを用いてエッチングを行うことにより、レジスト膜のエッチングに影響を与える酸素が発生せず、その結果、対レジスト選択性に影響を与えることもなく、複数の金属膜と酸化物膜とからなる多層膜のエッチング面が垂直形状となるエッチングが可能になる。
上記一括エッチングを行った後、一括エッチングされた多層膜をフッ酸溶液、フッ化アンモニウム溶液に浸漬して、ウエットエッチングし、全ての酸化物膜が横方向にエッチングされた形状として得、かつ全ての金属膜を一括エッチングした後の形状を維持する多層膜を得ることを特徴とする
上記一括エッチングを行った後、一括エッチングされた多層膜の内壁面のうち最下層の酸化物膜を除いた全ての膜の内壁面に対して、Arを導入し、スパッタ法によりフッ化物からなる保護膜を形成した後に、これをフッ酸溶液、フッ化アンモニウム溶液に浸漬して、ウエットエッチングし、最下層の酸化物膜のみ横方向にエッチングされた形状として得、かつその他の酸化物膜及び金属膜を一括エッチングした後の形状を維持する多層膜を得ることを特徴とする。
本発明によれば、複数の金属膜と酸化物膜とからなる多層膜のエッチングにおいて、金属膜がアンダカットされることもなく、また、金属膜と酸化物膜とが階段形状になることもなく、エッチング面が垂直形状になるという効果を奏することができる。
本発明に係る多層膜のエッチング方法の実施の形態によれば、基板上に設けられた少なくとも1種の金属膜と少なくとも1種の酸化物膜とからなる多層膜を一括エッチングする際に、エッチングガスとして、プラズマ中でラジカルを発生するガスである、SFガス、NFガス、Clガス、SiClガス、SiFガス、HBrガス、HClガス、HFガス及びHIガス等から選ばれたハロゲン化水素ガス、BClガス、ClFガス、IFガス、並びにXeFガスから選ばれたガスと、プラズマ中でイオンを発生するガスであるCFガス、CHFガス、CHガス、CHFガス、CFIガス、Cガス、Cガス、Cガス、Cガス、Cガス、Cガス、及びC10ガス等から選ばれたCF系ガスとを、総流量基準で、(前者のラジカルを発生するガス)/(後者のイオンを発生するガス)=10〜50%/90〜50%の割合で用い、また、基板を載置する基板ステージである基板電極上で基板の周囲に設けられているフォーカスリング(電極押さえ部材)としてAl、AlN又はYから作製されたフォーカスリング、又は石英表面上にAl、AlN又はYからなる溶射膜、CVD膜又はスパッタ膜を設けたフォーカスリングを用いて、総膜厚が50μm以下、好ましくは5〜50μmの多層膜を一括エッチングすることにより、金属膜がアンダカットされることもなく、また、金属膜と酸化物膜とが階段形状になることもなく、エッチング面が垂直形状となる多層膜の一括エッチングを行うことができる。エッチングガスは、上記割合で混合したものを真空チャンバー内へ導入しても良いし、上記割合の各ガスを別々に真空チャンバー内へ導入しても良い。
上記多層膜の総膜厚は50μm以下であればよく、薄い膜厚のものは容易に一括エッチングできるので、下限に制限はないが、好ましくは5〜50μmである。50μmを超えると、一括エッチングに時間がかかり過ぎ、エッチング面の形状が垂直形状になり難くなる。
エッチングガスとして用いることができる好ましいガスは、例えば、SF/CFガス、BCl/CFガス、NF/CFガス及びSiF/CFガス等のようなガスの組み合わせを挙げることができる。
金属膜としては、多層膜を搭載する半導体分野等で用いる金属膜であれば制限なく適用することができる。好ましくは、例えば、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Ta、W、Pt、Au、Ag、Ir等の金属からなる膜である。多層膜を構成する各金属膜は同じ金属からなる膜であっても、異なる金属からなる膜であっても、適宜適用することができる。
酸化物膜としては、多層膜を搭載する半導体分野等で用いる酸化物膜であれば制限なく適用することができる。好ましくは、SiO、TiO、W、VCr等の酸化物からなる膜である。多層膜を構成する各酸化物膜は同じ酸化物からなる膜であっても、異なる酸化物からなる膜であっても、適宜適用することができる。
また、エッチング条件としては、各金属膜及び各酸化物膜をエッチングする公知の条件であれ適用可能であり、例えば、プラズマ発生用高周波電源の電力:2300Wの条件下で、エッチングガスを導入し、3.0Paの圧力下、基板のエッチングを行った。
本発明による多層膜の一括エッチングを行うためのドライエッチング装置としては、公知のドライエッチング装置(特開2002−343775号公報等に記載された装置)であれば良く、例えば、放電プラズマ(NLDプラズマ)を用いるNDLプラズマエッチング装置を挙げることができる。
ここで、図2を参照し、本発明で用いるエッチング装置について説明する。このエッチング装置201は、磁場ゼロを含む領域に発生させた放電プラズマ(NLDプラズマ)を用いるものであり、ドライポンプ又はロータリーポンプやターボ分子ポンプ等の真空排気手段202を設けた真空チャンバー203を有する。
真空チャンバー203は、石英等の誘電体製の円筒状側壁204を有する上部のプラズマ発生室205と下部の基板処理室206とから構成されている。円筒状側壁204の外側には、三つの磁場コイル207a、207b及び207cが所定の間隔を置いて設けられ、磁場発生手段を構成する。三つの磁場コイル207a、207b及び207cは、その外側を上下から囲むように高透磁率材料製のヨーク部材(図示せず)に取付けられている。この場合、上側及び下側の各磁場コイル207a及び207cには、同方向の電流を流し、中間の磁場コイル207bには逆向きの電流を流すようにしている。これにより、中間の磁場コイル207bのレベル付近で円筒状側壁204の内側に連続した磁場ゼロの位置ができ、環状磁気中性線208が形成される。
環状磁気中性線208の大きさは、上側及び下側の各磁場コイル207a及び207cに流す電流と中間の磁場コイル207bに流す電流との比を変えることで適宜設定でき、環状磁気中性線208の上下方向の位置は、上側及び下側の各磁場コイル207a及び207cに流す電流の比によって適宜設定できる。また、中間の磁場コイル207bに流す電流を増していくと、環状磁気中性線208の径は小さくなり、同時に磁場ゼロの位置での磁場の勾配も緩やかになってゆく。中間の磁場コイル207bと円筒状側壁204との間には、高周波電場発生用のアンテナコイル209が設けられ、このアンテナコイル209は第1高周波電源210に接続され、磁場発生手段を構成する。そして、三つの磁場コイル207a、207b及び207cによって真空チャンバー203の上部に形成された環状磁気中性線208に沿って交番磁場を加え、この磁気中性線に放電プラズマ(NLDプラズマ)を発生させるように構成されている。
基板処理室206内には、環状磁気中性線208の作る面に対向して、基板Sが載置される基板ステージである断面円形の基板電極211が絶縁体部材(図示せず)を介して設けられている。この基板電極211は、コンデンサ212を介して第2高周波電源213に接続され、電位的に浮遊電極となって負のバイアス電位となるように構成されている。
また、プラズマ発生室205の上部に設けられた天板214は、絶縁体部材(図示せず)を介して円筒状側壁204の上部フランジに密封固着され、電位的に浮遊状態の対向電極として機能する。この天板の内面には、真空チャンバー203内にエッチングガスを導入するガス導入手段215が設けられ、このガス導入手段215は、ガス流量制御手段(図示せず)を介してガス源に接続されている。この天板214に、第1高周波電源210から可変コンデンサを介してアンテナコイル209へ至る給電路の途中から分岐してコンデンサを介して高周波電力が印加されるようにし、この対向電極に自己バイアスを発生するように構成されていても良い。
上記基板電極211上には、プロセスガスのフローやプラズマを基板S表面に向けるために、基板Sを囲むフォーカスリング(電極押さえ部材)216が設けられている。このフォーカスリング216は、通常石英から構成されているが、石英から発生する酸素のために、本発明のエッチングを行うと、マスクとしてのレジストパターンがダメージを受け、マスクの選択比が完全でなくなり、レジストの消耗が生じる。そのために、上記エッチング方法を実施する際には、Al、AlN又はYから作製されたフォーカスリング、又は石英表面上にAl、AlN又はYからなる溶射膜、CVD膜又はスパッタ膜を設けたフォーカスリングを用いて、エッチングプロセス中のレジストの消耗を防止している。
上記Al、AlN及びYからなる溶射膜、CVD膜及びスパッタ膜は、石英表面に十分に密着して形成されることが必要であり、例えばフォーカスリングの全表面に対して公知の溶射法、CVD法又はスパッタリング法で形成することができる。この膜厚は、100〜300μm程度であれば、本発明のエッチング中に膜剥離が生じることもない。
上記溶射法による膜は、公知の方法、例えば特開2003−166043号公報記載の方法等で形成でき、特に制限されるものではない。例えば、公知の減圧プラズマ溶射法等のプラズマ溶射法に従って、所定の温度で、密着性の良い緻密な溶射膜を所定の膜厚で形成することができる。
上記CVD法による膜は、公知の方法、例えば、イットリア膜の場合、前駆体材料としてY(C1119)、キャリアガスとして窒素(10sccm)、希釈ガスとしてO(500〜1000sccm)を用い、基板温度400〜500℃、チャンバー圧力133〜1330Paの条件で、基板全表面に密着性の良い緻密なイットリア膜を所定の膜厚で形成することができる。
上記スパッタ法による膜は、公知の方法、例えばイットリア膜の場合、基板ホルダー上に基板を載置した後、真空ポンプによって高真空状態まで排気し、ガス導入孔からアルゴンガスを6.7×10−2Paの圧力まで導入し、その後、RF電源を起動して高周波電圧を発生させ、イットリア膜形成用ターゲットに1.0kWのRFスパッタ電力を投入し、磁気回路によって基板表面に平行磁場を形成しながらRFマグネトロンスパッタを行い、基板全表面に密着性の良い緻密なイットリア膜を所定の膜厚で形成することができる。マグネトロンスパッタ中は、基板加熱用ヒータを用い、基板の温度を270℃程度に保つことが好ましい。
上記のように構成されたエッチング装置201を用い、上記したエッチングガスを真空チャンバー内に導入して多層膜をエッチングすることによって、一括エッチングが可能となる。
次に、図2に示すエッチング装置を用いて行う、本発明に係る多層膜の一括エッチング方法の実施の形態について説明する。エッチングガスとして、上記したSF系ガス、NF系ガス、ハロゲンガス、ハロゲン化水素ガス、及びハロゲン化ホウ素ガスから選択したガスと、CF系ガスとを所定の割合で用い、0.1〜5Paの圧力下で、基板上に酸化物膜及び金属膜を各3層形成した多層膜に対してエッチングを行った結果について、図3(a)、(b)、及び(c)に示すエッチングプロセスを参照して説明する。この金属膜及び酸化物膜は、スパッタ法により公知の条件下で形成した。
基板S上にSiO膜、TiO膜等の酸化物膜301及びAl膜等の金属膜302をこの順番で多層(合計6層)に積層したものに対し、最上層の金属膜302の上にレジスト303を塗布し(図3(a))、次いでフォトリソグラフィ法によりパターン化(レジストパターン303a)する(図3(b))。その後、上記エッチングガスを用いて多層膜を一括エッチングする。その結果、金属膜302がアンダカットされることなくエッチングされて金属膜302aとなり、酸化物膜301もエッチングされて酸化物膜301aとなり、金属膜302aと酸化物膜301aとは同じエッチング形状が得られる。金属膜302aと酸化物膜301aとが階段形状になることもなく(図3(c))、垂直形状のエッチング面が得られる。このエッチングの場合には、レジストパターンの消耗は従来の場合と比べて極めて少なく(レジストパターン303a)、所望の深掘りが可能である。
次いで、上記多層膜の一括エッチング後にさらにウエットエッチングを行い、所定のホール、トレンチを形成する場合について、図3(d−1)及び(d−2)を参照して説明する。
上記したようにして多層膜を一括エッチングし、エッチング面が垂直形状のものを得た後に、さらにフッ酸溶液、フッ化アンモニウム溶液に数秒から数分間浸漬して、ウエットエッチングする。その結果、一括エッチングされた後の多層膜のエッチング面である内壁面を保護することなく、そのままウエットエッチングした場合には、全ての酸化物膜が横方向にエッチングされた形状(酸化物膜301b)が得られ(図3(d−1))、金属膜は一括エッチングした後の形状(金属膜302a)を維持する。また、一括エッチングされた後の多層膜の内壁面のうち最下層の酸化物膜301を除いた全ての膜の内壁面(エッチング面)に対して、スパッタ法によりフッ化物からなる保護膜を形成した後に、上記と同様な条件でウエットエッチングすると、図3(d−2)に示すように、最下層の酸化物膜301のみにおいて選択的に横方向にエッチングされた形状(酸化物膜301c)が得られ、その他の酸化物膜及び金属膜は一括エッチングした後の形状を維持した(酸化物膜301a、金属膜302a)。上記スパッタ法による保護膜の形成は、Arを30sccm導入し、圧力2.0Pa下、ターゲットとしてPTFEを用い、ターゲットに500Wの電圧を印加して行った。
上記のようにして多層膜の一括エッチング後のエッチング工程で得られた所定の形状のホール/トレンチを有する多層膜は、このホール/トレンチの底部に電子を放出するフィールドエミッタを形成すれば、例えば、SiO膜等の層間絶縁膜と導電性金属の金属膜とからなる厚膜(5〜50μm)の多層構造が必要な電子光学系におけるフィールドエミッタディスプレイのような技術分野で利用可能である。
以下、実施例により本発明について具体的に説明する。
図2に示すエッチング装置を用いて、レジストパターンが表面に形成された多層膜の一括エッチングを行った。多層膜として、基板上に形成されたNbとSiOからなる6層の膜を用い、エッチングガスとしてCF及びSFガスを用い、プラズマエッチングを行った。この多層膜の各層の厚みは、830nm以上とし、総膜厚が5μmとなるようにした。
このプラズマエッチングの条件として、プラズマ発生用高周波電源(13.56MHz)の電力を2300W(アンテナパワー)、基板バイアス高周波電源(12.56MHz)の電力を300W(バイアスパワー)の条件下で、エッチングガスを導入し、3.0Paの圧力下、基板設定温度20℃で所定の時間放電し、基板のエッチングを行った。
エッチングガスとしては、全流量を55sccmとし、CF/SFガス=53/2sccm、50/5sccm、45/10sccm及び25/30sccmの割合の4種類の混合ガスを用い、エッチングを行った。この流量比を%に換算すると、それぞれ、CF/SFガス=96/4%、91/9%、82/18%及び45/55%となる。
上記4種類の割合のエッチングガスを用いて、同じエッチング時間で多層膜を一括エッチングした。それぞれの結果について、理解しやすいようにSEM写真から基板断面の模式図を起こし、図4(a)〜(d)に示す。図4(a)はCF/SFガス=53/2sccmの混合ガスを用いた場合、図4(b)は50/5sccmの混合ガスを用いた場合、図4(c)は45/10sccmの混合ガスを用いた場合、図4(d)は25/30sccmの混合ガスを用いた場合の結果を示す。
図4(a)の場合には、最上層の金属膜の一部がエッチングされているだけであり、図4(b)の場合には、最上層の金属膜とその下層の酸化物膜の一部がエッチングされているだけであり、また、図4(d)の場合には、エッチング面は垂直形状であって、最上層の金属膜及びその下層の酸化物膜をエッチングして、この酸化物膜の下の金属膜の一部までエッチングが進行しているが、レジストの消耗が甚だしく、エッチングを停止せざるを得なくなるという問題がある。これに対して、図4(c)の場合には、エッチング面は垂直形状であって、最上層の金属膜からその下層の酸化物膜を介して、この酸化物膜の下の金属膜のほとんどをエッチングしており、また、レジストの消耗もほとんどなく、さらにエッチングを続けて最下層までエッチングすることが可能であることが分かる。
そのため、図4(c)の場合について、さらにエッチングを続けたところ、最下層の金属膜までエッチングが進行し、垂直形状のエッチング面が得られた。従って、本発明のエッチング方法を用いれば、金属膜と酸化物膜とからなる多層膜をエッチングする際に、所定の膜のところでエッチストップすることができる。従って、目的に応じたエッチング形状(ホール/トレンチの深さ等)を得ることが可能である。
図4(a)〜(d)に示す結果から、エッチングガスとして、CF系ガス/SF系ガス=90〜50/10〜50%の割合で用いれば、所望の一括エッチングが可能であることが分かる。
多層膜の金属膜及び酸化物膜の各膜厚を適宜換えて、多層膜の総膜厚を10μm、50μm、及び55μmとしたこと以外は実施例1の場合と同様にして、実施例1のエッチングプロセスを繰り返した。
その結果、10μm、50μmの場合はエッチング面が垂直形状であり、55μmの場合は多層膜の横方向にもエッチングが進み、エッチング面を垂直形状にすることができなかった。
本実施例では、エッチングガスとして、全流量を120sccmとし、CF/SFガス=103/17sccmの割合の混合ガスを用いて、実施例1のエッチングプロセスを繰り返した。この流量比を%に換算すると、CF/SFガス=86/14%となる。
その結果、エッチング面を垂直形状とすることができた。
エッチングガスとして、Cガス及びCFガス、HBrガス及びCFガス、BClガス及びCFガス、SiFガス及びCFガスを用いて、実施例1のエッチングプロセスを繰り返した。その結果、実施例1の場合と同様に多層膜の一括エッチングが可能であった。

酸化物膜としてTiO膜を用いて、実施例1のエッチングプロセスを繰り返した。その結果、実施例1の場合と同様に多層膜の一括エッチングが可能であった。
本実施例では、フォーカスリングの材質について検討した。フォーカスリングとして、石英プレート、及び石英プレートの代わりにAlプレートを備えた図2に示すエッチング装置を用い、エッチングガスとして、CF/SFガス=45/10sccmの割合のガスを用いて、同じエッチング時間で、実施例1のエッチングプロセスを繰り返し、多層膜を一括エッチングした。
その結果について、理解しやすいようにSEM写真から基板断面の模式図を起こし、図5(a)及び(b)に示す。図5(a)は石英プレートの場合、図5(b)はAlプレートの場合の結果を示す。
図5(a)から明らかなように、石英プレートからなるフォーカスリングを用いた場合は、最上層の金属膜から第4層の酸化物膜のほとんど下部までエッチングは進行しており、エッチング面は垂直形状であるが、石英から発生する酸素のため、レジストが消耗してしまい、連続的な多層膜のエッチングが困難である。また、石英プレートはエッチング耐久性に乏しいので、頻繁に石英プレートを交換する必要がある。一方で、図5(b)から明らかなように、Alプレートからなるフォーカスリングを用いた場合は、最上層の金属膜から第4層の酸化物膜のほとんど下部までエッチングが進行しており、エッチング面が垂直形状であり、最上層の金属膜上のレジストパターンがほとんど消耗されていないことが分かる。そのため、さらにエッチングを続ければ、多層膜のさらに下層まで一括エッチングが可能であることが分かる。また、石英プレートに比べ、エッチング耐久性が高いので、プレートの交換回数を少なくすることができる。
また、AlN、Yからなるプレート及びAl溶射膜、AlN溶射膜、Y溶射膜で被覆した石英プレートからなるフォーカスリングを用いた場合は、Alプレートからなるフォーカスリングを用いた場合と同様な結果が得られた。
本発明によれば、金属膜と酸化物膜とからなる多層膜の一括エッチングにおいて、金属膜がアンダカットされることもなく、金属膜と酸化物膜とが階段形状になることもなく、エッチング面が垂直形状になるので、本発明は、多層膜を適用することが必要な技術分野、例えば半導体装置分野において利用することが可能である。
従来の多層膜のエッチングプロセスを説明するための基板断面図。 本発明で用いるエッチング装置の一構成例を模式的に示す構成図。 本発明の方法により、多層膜に対して行ったエッチングプロセスを説明するための基板断面図。 実施例1に従って一括エッチングした結果を示す基板断面の模式図。 実施例6に従って一括エッチングした結果を示す基板断面の模式図。
符号の説明
101、101a、101b、101c 酸化物膜
102、102a、102b、102c、102d 金属膜
103 レジスト
103a、103b、103c レジストパターン
201 エッチング装置 202 真空排気手段
203 真空チャンバー 204 円筒状側壁
205 プラズマ発生室 206 基板処理室
207a、207b、207c 磁場コイル
208 環状磁気中性線 209 アンテナコイル
210 第1高周波電源 211 基板電極
212 コンデンサ 213 第2高周波電源
214 天板 215 ガス導入手段
216 フォーカスリング
301、301a、301b、301c 酸化物膜
302、302a 金属膜 303 レジスト
303a レジストパターン
S 基板

Claims (4)

  1. 基板上に設けられた少なくとも1種の金属膜と少なくとも1種の酸化物膜とからなる多層膜で、最上層の金属膜上にレジストパターンを備えたものをエッチングする方法であって、エッチングガスとして、SFガス、Clガス、SiFガス、HBrガス、及びBClガスから選ばれたプラズマ中でラジカルを発生するガスと、CFガスのプラズマ中でイオンを発生するガスとを、総流量基準で、(ラジカルを発生するガス)/(イオンを発生するガス)=10〜50%/90〜50%の割合で用いて前記多層膜を一括エッチングすることを特徴とする多層膜のエッチング方法。
  2. 前記基板を載置する基板ステージである基板電極上で基板の周囲に設けられているフォーカスリングとして、Al、AlN又はYから作製されたフォーカスリング、又は石英表面上にAl、AlN又はYからなる溶射膜、CVD膜又はスパッタ膜を設けたフォーカスリングを用いて、エッチングを行うことを特徴とする請求項1記載の多層膜のエッチング方法。
  3. 請求項1記載の一括エッチングを行った後、一括エッチングされた多層膜をフッ酸溶液、フッ化アンモニウム溶液に浸漬して、ウエットエッチングし、全ての酸化物膜が横方向にエッチングされた形状として得、かつ全ての金属膜を一括エッチングした後の形状を維持する多層膜を得ることを特徴とする多層膜のエッチング方法。
  4. 請求項1記載の一括エッチングを行った後、一括エッチングされた多層膜の内壁面のうち最下層の酸化物膜を除いた全ての膜の内壁面に対して、Arを導入し、スパッタ法によりフッ化物からなる保護膜を形成した後に、これをフッ酸溶液、フッ化アンモニウム溶液に浸漬して、ウエットエッチングし、最下層の酸化物膜のみ横方向にエッチングされた形状として得、かつその他の酸化物膜及び金属膜を一括エッチングした後の形状を維持する多層膜を得ることを特徴とする多層膜のエッチング方法。
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