JP5140197B1 - ズボン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ズボン10は、対角線が直交する四辺形の本体布21と2枚の脇布22を用意し、1つの対角線で折った本体布の両側に2枚の脇布を縫合して製作する。本体布は、二等辺を有する正面側部分21Aおよび背面側部分21Bに関し、背面側部分の頂角部を形成する二等辺の各々がその頂角が元の頂角よりも大きくなるように切り取られ、正面側部分の頂角部と背面側部分の頂角部が装着者の胴回りに沿う曲線に切り取られた形状に形成される。本体布の四辺形を形成する2組の隣り合う辺の間に2枚の脇布をそれぞれ縫合して脇部を形成する。
【選択図】図3
Description
四辺が等しい四辺形の本体布と、2枚の脇布とを用意し、1つの対角線で折った本体布の両側に2枚の脇布を縫合することで製作され、製作完了後、正面から見て、胴周り部と、左右一対の脇部および裾口部と、2つの裾口部を結ぶ股下部とを有し、胴回り部における背面側の胴回り部分が正面側の胴回り部分よりも短くなったズボンであり、
本体布は、1つの対角線で折ったときに生じる二等辺を有する正面側部分および背面側部分に関し、背面側部分の頂角部を形成する二等辺の各々がその頂角が元の頂角よりも大きくなるように切り取られ、背面側部分の頂角部の湾曲切り取り部の長さが正面側部分の頂角部の湾曲切り取り部の長さよりも短くなるように、正面側部分の頂角部と背面側部分の頂角部が装着者の胴回りに沿う曲線に切り取られた形状に形成され、
本体布を1つの対角線で折り、本体布の四辺形を形成する2組の隣り合う辺の間に2枚の脇布の各々を縫合して脇部を形成し、
正面側部分と背面側部分の1つに重なった各頂角部と2枚の脇布の各上端部とで胴回り部を形成すると共に、正面側部分と背面側部分の各々の両端底角部と2枚の脇布の各下端部とで裾口部を形成し、
本体布の1つの対角線の部分で股下部を形成する、ことによって特徴づけられる。
ズボンの正面側は、本体布を1つの対角線で折ったときに生じる正面側部分(ほぼ二等辺三角形の形状を有する部分)で形成され、ズボンの背面側は同様にして背面側部分(ほぼ二等辺三角形の形状を有する部分)で形成される。正面側部分は背面側部分と重ね合わせられる。その際において、正面側部分と背面側部分の各々の頂角部分が胴回り部となる。胴回り部を作るにあたり、背面側部分の頂角部分の頂角が元の頂角よりも大きくなるように、両側の2つの等辺がカットされる。その結果、胴回り部を作るとき、正面側部分の頂角部分に作られる湾曲切取り部の長さに対して、背面側部分の頂角部分に作られる湾曲切取り部の長さが短くなるように設定される。この結果、完成されたズボンでは、その形として、胴回り部における背面側の胴回り部分が正面側の胴回り部分よりも短くなるように製作される。こうして、本体布の正面側部分と背面側部分の各頂角部分に形成される長さの異なる湾曲切取り部を縫合して胴回り部を作るようにしたため、サイズの異なる布および着用する人の体型に容易に対応させて作ることができるという利点を生じる。
基本的には、簡単な形状を有する1枚の本体布と2枚の脇布を利用して、これらの本体布と脇布を上記の通りの製作手順に基づいて、切り、折り、または縫合することに基づいて作ることができる。
また背面側部分の頂角部の湾曲切り取り部の長さを短くすることにより、装着者の体型に合わせることができる。
工程(1)の図は上記の図4の(2)で示した図と同じである。
この最初の工程(1)では、原形となる1枚の布20から1枚の本体布21と、2枚の脇布22を切り取り、1枚の本体布21と2枚の脇布22を用意する。切り取りのイメージは図4に示した通りである。正方形の本体布21の4つの辺21a−1〜21a−4の長さと、長方形をした脇布22の長辺部分の長さとは、同じ寸法(L3)である。この寸法L3は、上記の脇部10Eの長さとほぼ一致する。
また本体布21は、4つの辺21a−1〜21a−4を有する四角形の形状を有し、これらの4つの辺21a−1〜21a−4は等しい長さを有している。そして本体布21において定義される2つの対角線21b−1,21b−2は直角に交差している。本体布21の形状は好ましくは正方形である。
なおこの実施形態では、1枚の布20からの切取りによって本体布21と脇布22を作ったが、これに限定されず、他の布材を用いて別々に用意してもよい。
この工程(2)では、本体布21が最終的に1つの対角線21b−1に沿って2つ折りで折られることから、2つ折りにした途中の状態の本体布21を斜視図として示している。この結果、本体布21では、2つの二等辺三角形の部分21A,21Bが形成される。二等辺三角形の部分21Aはズボン10の正面部10Cを形成する部分であり、二等辺三角形の部分21Bはズボン10の背面部10Dを形成する部分である。以下、本体布21の二等辺三角形の部分21Aを「正面側部分21A」と記し、本体布21の二等辺三角形の部分21Bを「背面側部分21B」と記す。
工程(3)は、工程(2)と同様に、本体布21を2つ折りにし、加工を施した途中状態の斜視図を示す。
本体布21を完全に折り返して重ねた状態では、通常的には、正面側部分21Aと背面側部分21Bは同じ形状を有している。しかし、正面側部分21Aの頂角部に対して、背面側部分21Bの頂角部は、前述したように、その頂角(上記θ2)が大きくなるように、背面側部分21Bの2つの辺21a−1,21a−4が切り取られる。その結果、背面側部分12Bでは2つの辺21a−1’,21a−4’が形成される。
さらに、正面側部分21Aの頂角部と、背面側部分21Bの頂角部とは、ズボン10の胴回り部10Aが形成されるように、人11の身体に沿う曲線の形状(21A−1,21B−1)に切り取られている。この場合において、背面側部分21Bの頂角部の頂角は正面側部分21Aの頂角部の頂角よりも大きく作られているので、正面側部分21Aの頂角部に作られる湾曲切取り部21A−1の長さ(L2)に対して、背面側部分21Bの頂角部に作られる湾曲切取り部21B−1の長さ(L1)が短くなるように設定される。
なお、図5Aの工程(3)の図では、本体布21の元々の正面側部分21Aおよび背面側部分21B(二等辺三角形の形状部分)との形状関係を示すため、図2および図3で示した破線12の部位、二等辺三角形の頂点12A、破線13で示した部位、二等辺三角形の頂点13Aを併せて示している。
工程(4)は、上記のごときカット加工された形状を有する正面側部分21Aと背面側部分21Bを有する本体布21に対してその両側に2枚の脇布22を縫いつける直前の状態を示す斜視図を示している。本体布21の2組の隣り合う2辺の各々の間、すなわち辺21a−1’と辺21a−2の間、辺21a−3と辺21a−4’の間に、2枚の脇布22のそれぞれを縫合し、それによって左右一対の脇部10Eが形成される。具体的には、長方形を有した2枚の脇布22の各々の2つの長辺の部分を、脇布22を折り曲げて本体布21の対応する辺の部分に縫合する。この場合において、2枚の脇布22は、その長辺方向の寸法が本体布21の辺21a−1’,21a−2,21a−3,21a−4’の長さにほぼ一致するように切られている。縫合直前の脇布22は、正面側で縫合される部分と背面側で縫合される部分となるように、折り曲げられた状態で示されている。
正面側部分21Aの湾曲切取り部21A−1の長さ(L2)に対して背面側部分21Bの湾曲切取り部21B−1の長さ(L1)が短くなるので、脇布22の背面側部分の方が正面側部分よりも広い面積領域となっている。
上記によってズボン10の基本的な形状部分が形成される。すなわち、本体布21の所定部分をカットしかつ対角線21b−1で本体布21を折り、さらに所定の辺の箇所に2枚の脇布22をカット加工した後に付けることによって、正面側部分21A(正面部10Cに対応)と背面側部分21B(背面部10Dに対応)と脇部10Eが形成される。前述した縫合線10G,10H,10I,10Jは、本体布21と脇布22とを縫い合わせた線を示している。また折り返される対角線21b−1の布部分は前述の股下部10Fとなる。さらにズボン10の基本的な形状において、上部に胴回り部10Aとなる開口部S1が形成され、下部両側には裾口部10Bとなる開口部S2が形成される。
工程(5)の図は、図2に示した正面図と同じである。この工程(5)では、本体布21と2枚の脇布22を縫合した後において胴回り部10Aと裾口部10Bが形成される。工程(5)はズボン10を製品として完成させるための細部の仕上げ加工の工程である。工程(5)では、先ず、胴回り部10Aとなる開口部S1においてその開口の周り全体にわたって例えばゴム等の挿通部を設け、この挿通部にゴム等を挿通する。また裾口部10Bとなる両側の2つの開口部S2の各々においてその開口の周り全体にわたってその裾縫いを施している。
上記のように、本体布21の正面側部分21Aと背面側部分21Bの各頂角部に形成される長さの異なる湾曲切取り部を2つの脇布22の上端部を介して縫合し胴回り部10Aを作るようにしたため、サイズの異なる布および着用する人の体型に容易に対応させて作ることができるという利点を生じる。
なお図5Bの(5)において、正面部10Cは正面側部分21Aと共通であり、脇部10Eは脇布(22)と共通であり、股下部10Fは対角線21b−1と共通である。
この実施形態のズボン10では、2枚の脇布22’が本体布21に対して別途に用意され、当該脇布22’の長さ方向の寸法(丈)L4は本体布21の辺21a−1’,21a−2,21a−3,21a−4’の長さよりも長くなるように作られている。本実施形態によるズボン10では、脇布22’の丈を長くすることにより、ズボン10を装着する人11の下半身、すなわち足11aの長さに応じて適切に調整することができ、特に人11が長身の体型である場合にも適切に対応することができる。
10A 胴回り部(開口部)
10B 裾口部(開口部)
10C 正面部
10D 背面部
10E 脇部
10F 股下部
10G,10H 縫合線
10I,10J 縫合線
11 人
11a 足(脚)
11b 胴部(腰部)
12 破線(仮想線)
12A 頂点
13 破線(仮想線)
13A 頂点
20 布
21 本体布
21A 正面側部分
21B 背面側部分
22 脇布
22’ 脇布
21b−1 対角線
12b−2 対角線
θ1,θ2 頂角
L1 背面側胴回り部の湾曲部長さ
L2 正面側胴回り部の湾曲部長さ
Claims (5)
- 四辺が等しい四辺形の本体布と、2枚の脇布とを用意し、1つの対角線で折った前記本体布の両側に2枚の前記脇布を縫合することで製作され、製作完了後、正面から見て、胴周り部と、左右一対の脇部および裾口部と、2つの前記裾口部を結ぶ股下部とを有し、前記胴回り部における背面側の胴回り部分が正面側の胴回り部分よりも短くなったズボンであって、
前記本体布は、前記1つの対角線で折ったときに生じる二等辺を有する正面側部分および背面側部分に関し、前記背面側部分の頂角部を形成する前記二等辺の各々がその頂角が元の頂角よりも大きくなるように切り取られ、前記背面側部分の頂角部の湾曲切り取り部の長さが前記正面側部分の頂角部の湾曲切り取り部の長さよりも短くなるように、前記正面側部分の頂角部と前記背面側部分の頂角部が装着者の胴回りに沿う曲線に切り取られた形状に形成され、
前記本体布を前記1つの対角線で折り、前記本体布の四辺形を形成する2組の隣り合う辺の間に前記2枚の脇布の各々を縫合して前記脇部を形成し、
前記正面側部分と前記背面側部分の1つに重なった各頂角部と前記2枚の脇布の各上端部とで前記胴回り部を形成すると共に、前記正面側部分と前記背面側部分の各々の両端底角部と前記2枚の脇布の各下端部とで前記裾口部を形成し、
前記本体布の前記1つの対角線の部分で前記股下部を形成する、
ことを特徴とするズボン。 - 前記本体布は、前記1つの対角線で折ったときに生じる前記正面側部分および前記背面側部分に関し、前記正面側部分と前記背面側部分の各々の両端底角部を形成する斜辺下部を切り取った形状に形成されることを特徴とする請求項1記載のズボン。
- 前記脇布の長手方向の長さを、装着者の足の長さに応じて前記本体布の隣り合う前記辺の長さよりも長くしたことを特徴とする請求項1記載のズボン。
- 前記本体布の形状は正方形であることを特徴とする請求項1記載のズボン。
- 前記本体布と2枚の前記脇布は1枚の原形の布から切り出されることを特徴とする請求項1記載のズボン。
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