JP6273630B1 - サイズ融通性を有するショーツ - Google Patents
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Abstract
Description
生地には伸縮性を有するものが使用され、着用時に体にぴったりフィットするように形成される。S、M、L、LLといったサイズ分けがなされて提供される。
加えて、人間の体型は多様であり、ウエストが細い割に足が太く、ウエストのサイズに合わせてショーツを購入すると鼠径部が食い込んでしまうことや、逆に足や臀部が細くてもウエストが太いために足のサイズに合わせてショーツを購入するとウエストラインが食い込んでしまうという問題も生じる。この問題を解消するために多数のサイズをそろえようとすると、製造者や販売者は、多数のサイズの必要性に対応して、サイズ、色、柄等がそれぞれ異なる多数のショーツの在庫を保有しておかねばならず、コストがかさむという弊害があった。
さらに、人間の体型は変化するものであり、妊娠時の体形の変化や体重の増減に伴うウエストやヒップの増減に、それまでのショーツでは対応できなくなって違和感を生じることがあり、その結果、着用者は新たな衣類を購入し、余計な出費を強いられるという問題もある。
しかしながら、このショーツは、足口の縁となる交差点を縫い留めていることで足口の形および周長が固定され、またウエストにはウエスト生地が縫い付けられていることでウエストラインにおいてもその形および周長が固定されるために、多様な体型およびサイズに対応できず、足やウエストにショーツが食い込むおそれがあるという問題点を有する。
しかしながら、別々に形成された前中心身頃と覆い部を上側の縁で結合させているため、ウエストラインの形および周長が固定され、ウエストにショーツが食い込むおそれがあるという問題点を有する。
さらに、前ウエストラインは、表布部と裏布部を形成する一枚の布の折目のみによって形成されているので、前ウエストラインにゴム紐等を設けないことで着用者のウエストが締め付けられず、食い込みが生じないため着心地が良くなるという効果も奏する。
加えて、サイズ融通性を有するショーツがウエストに食い込まないことにより、ショーツが体に食い込むことによって生じる肉の段差がなくなり、体を美しく整えることができる。
加えて、上述のように脇布部が前身頃の形を整える効果を持つことにより、前身頃が腹部を安定して包み込めるため、着用感の向上が可能となる。
さらに、足口の部分を正面から見ると表布部および裏布部における足口を構成する部分の輪郭が一致せず交差するようになっていて、かつこれら表布部および裏布部における足口を構成する部分が交差する部分は縫着されていないで遊離していることにより、着用時における縦方向の伸縮と横方向の伸縮が互いに規制し合うことがないため、足口が伸びて鼠径部に食い込まないという効果を奏する。このため1つのショーツでより幅広い足および鼠径部のサイズに対応することが可能になり、サイズ融通性が高まる。
加えて、サイズ融通性を有するショーツが鼠径部に食い込まないことにより、ショーツが体に食い込むことによって生じる肉の段差がなくなり、体を美しく整えることができる。
さらに、一人の着用者の体型が妊娠等によって急激に変化することがあっても1つのショーツのサイズで対応することが可能である。着用者は体型の変化に応じてショーツを買いなおす必要がなくなるため、出費を抑えられる。
「前」とは着用者の腹部方向、
「後」とは着用者の臀部方向、
「上」とは着用者の肩方向、
「下」とは着用者の足方向、
「縦」とは着用者の丈方向、
「横」とは着用者の身幅方向、
「表」とは着用者の肌方向と反対の方向、
「裏」とは着用者の肌方向、
「脇側」とは着用者の脇方向の領域、
をそれぞれ意味する。
図1で示すように、本発明に係るサイズ融通性を有するショーツ(1)は前身頃(2)、後身頃(3)、股布部(4)、及び左右一対の脇布部(5)から構成されている。
前身頃(2)と脇布部(5)は重なり合う表布部(6)と裏布部(7)から構成されており、表布部(6)と裏布部(7)は前ウエストライン(81)を折目として、一枚の布が折り返されることによって連続して形成されている。表布部(6)の下縁部(12)は前ウエストライン(81)と略平行になるように形成される。
前身頃(2)は左右一対の縫着線(10)で脇布部(5)に縫着される。縫着線(10)はそれぞれ、表布部(6)の下縁部(12)から前ウエストライン(81)を通って裏布部の足口(11)まで連続して設けられている。縫着線(10)は限定されず、例えば、前ウエストライン(81)で屈曲する折線状であってもよく、緩やかに湾曲する曲線状であってもよい。
脇布部(5)は、表布部(6)及び裏布部(7)から構成され、左右一対のダーツ部分(9)において後身頃(3)に縫着される。ダーツ部分(9)は後身頃(3)と脇布部(5)の境界線となるサイズ融通性を有するショーツ(1)の左右両側部に設けられ、前ウエストライン(81)から足口(11)までは到達しない長さで縦方向に設けられている。
表布部(6)と裏布部(7)は前ウエストライン(81)及びダーツ部分(9)のみで繋がっており、他の部分では縫着されず遊離している。このため、図1(a)に示されるように、足口の部分を正面から見ると表布部(6)および裏布部(7)における足口を構成する部分の輪郭が一致せず交差するようになっているが、これら表布部(6)および裏布部(7)における足口を構成する部分が交差する部分も縫着されず遊離している。
後身頃(3)は左右一対の脇布部(5)及び股布部(4)と縫着されており、臀部を覆う。
前ウエストライン(81)は、表布部と裏布部を繋ぐ折目によって形成されているので、ゴム紐等を設けないが、後ウエストライン(82)にはゴム紐等を設けてもよい。前ウエストライン(81)の位置が固定されない効果を保ったまま、サイズ融通性を有するショーツ(1)を背部および臀部に沿わせてフィット性を高めることができる。
ストレッチ素材のなかでも、特に綿混素材のものが好適に使用される。綿混素材は肌への刺激が少ないため着用感を向上させることができる。
図2で示すように、表布部(6)と裏布部(7)が前ウエストライン(81)および左右のダーツ部分(9)のみで一体化しており、他の部分においては遊離している。前ウエストライン(81)には、ショーツを体に密着させて固定させるために通常使用されるゴム紐等の部材は配置されない。縫着線(10)では表布部(6)と裏布部(7)は縫着されない。
このため、着用時に、縦方向の伸縮と横方向の伸縮が互いに規制し合うことなく、独立して伸縮可能であるため、着用者の体型に応じて前ウエストライン(81)の位置を変化させ、足口(11)を伸縮させることが可能になる。
これに対し、図3(b)はウエストが太い人が本発明に係るサイズ融通性を有するショーツ(1)を着用した図である。本発明に係るサイズ融通性を有するショーツ(1)は表布部(6)と裏布部(7)が互いに規制し合うことなく独立して伸縮する。このため、ウエストが太い人がサイズ融通性を有するショーツ(1)を着用した際には、普通の体型の着用者がサイズ融通性を有するショーツ(1)を着用した場合とは異なる位置で、表布部(6)と裏布部(7)の折目が形成される。したがって、体型に応じてウエストが太い着用者の前ウエストライン(811)が新たに形成される。
このように、本発明に係るサイズ融通性を有するショーツ(1)は、着用時には着用者のウエストのサイズおよび体型に応じて前ウエストライン(81)の位置が変化し、ウエストに食い込まず、太いウエストに対しても柔軟に対応できる。
図3(c)は臀部が大きく、足が太い人が本発明に係るサイズ融通性を有するショーツ(1)を着用した図である。図3(a)に比して足口(11)が伸張している。本発明に係るサイズ融通性を有するショーツ(1)は、足口(11)が広く開口され、略円形に固定されておらず、表布部(6)と裏布部(7)が互いに規制し合うことなく独立して伸縮する。そのため、着用時には着用者の足のサイズおよび体型に応じて足口(11)が伸縮し、サイズ融通性を有するショーツ(1)が鼠径部に食い込まず、大きな臀部および足に対しても柔軟に対応できる。
一方で、足口(11)には一定の幅を有するレース等を設けてもよい。レースがサイズ融通性を有するショーツ(1)を足口(11)に食い込ませないので、サイズ融通性を有するショーツ(1)から肉がはみ出たように盛り上がって見える段差が生じることを防ぎ、着用時の姿を美しく整えることができる。
図4(a)は、従来のショーツの正面図であり、(b)は同背面図であり、(c)は同側面図である。図4が示すように、前身頃(2)及び後身頃(3)とこれらを繋ぐ股布部(4)からなり、前後ウエストライン(81・82)および足口(11)は略円形になるように形成される。伸縮性を有するストレッチ素材等で体にフィットさせるように製造されることが多い。
前ウエストライン(81)にもゴム紐等が設けられ、前ウエストライン(81)の形および周長を固定しているために、多様な体型およびサイズに対応できず、ウエストへの食い込みを生じさせることがある。
同様に、足口(11)が略円形になるように形成され形および周長が固定されているために、多様な体型およびサイズに対応できず、鼠径部への食い込みを生じさせることがある。
特に、ウエストに比して足が太かったり、臀部に比してウエストが太かったりする等、不均等な体型である場合、体の一部ではフィットしていても他の部分では食い込みが生じ、不快な着用感を生じさせることが多い。
しかしながら、生地の伸縮性のみではサイズ融通性を高めるには不十分である。上述したように、前後ウエストライン(81・82)および足口(11)の形および周長が固定され、かつ、着用時にショーツが縦方向にも横方向にも伸張しあう構造となっているが、縦方向にも横方向にも伸縮しきれず、ショーツが着用者の体に食い込んでいる。
一枚のサイズ融通性を有するショーツで人によって異なる様々な体型に対応でき、かつ、妊娠等の体型の変化にも対応できるため、多サイズを製造および保有しておく必要がなく、このため生産者や販売者の生産性が向上し、さらに、在庫管理を容易に行えるようになる。
2・・・前身頃
3・・・後身頃
4・・・股布部
5・・・脇布部
6・・・表布部
7・・・裏布部
81・・・前ウエストライン
811・・・ウエストが太い着用者の前ウエストライン
82・・・後ウエストライン
9・・・ダーツ部分
10・・・縫着線
11・・・足口
12・・・下縁部
Claims (3)
- 腹部、股部、臀部を覆うことが可能なサイズ融通性を有するショーツであって、
前身頃と、
後身頃と、
前記前身頃と前記後身頃を股部で繋ぐ股布部と、
前記前身頃と前記後身頃を脇腹部で繋ぐ左右一対の脇布部と、を備えており、
前記前身頃及び前記左右一対の脇布部のそれぞれは、表布部及び裏布部からなり、
前記表布部と前記裏布部は、一枚の布が折り返されることによって連続して一体的に形成され、前ウエストラインを折目として互いに重なりあっており、
さらに、前記表布部と前記裏布部は、左右一対のダーツ部分で互いに縫着され、かつ、前記前ウエストラインで繋がっているほかは遊離している、
ことを特徴とするサイズ融通性を有するショーツ。 - 前記左右一対の脇布部は、前記後身頃を構成する布地と連続して一体的に同じ布から形成され、
前記左右一対の脇布部は、左右一対の縫着線で前記前身頃と縫着されるとともに、前記表布部と前記裏布部が重なり合うように前記左右一対のダーツ部分で前記後身頃と縫着されることを特徴とする請求項1に記載のサイズ融通性を有するショーツ。 - 前記前身頃、前記股布部、前記後身頃、及び前記脇布部が互いに縫着されることによって左右一対の足口のそれぞれが形成され、前記足口の部分を正面から見ると、前記表布部および前記裏布部における足口を構成する部分の輪郭が一致せず交差するようになっていて、かつこれら前記表布部および前記裏布部における足口を構成する部分が交差する部分は縫着されていないで遊離していることを特徴とする請求項1または2に記載のサイズ融通性を有するショーツ。
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