JP5139726B2 - 建物の防音式の引き戸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、襖やフラッシュ戸等の建物の引き戸装置に係り、特に、引き戸によって閉じられた空間を外部に対して遮音する、あるいは外部からの騒音を遮断することを目的とする建物の防音式の引き戸装置に関する。
従来、この種の遮音を目的とした引き戸装置としては、気密性を確保するために引き戸を枠に取付けた気密材で強く挟みつけている。また、特許文献1に記載されている従来の引戸の遮音構造は、鴨居の溝には引戸が摺動自在に嵌め込まれており、引戸と鴨居との隙間にはパッキングとしてのゴム製のローラが多数配置されており、ローラは互いに隣接している。そして、ローラは鴨居に固定された軸によって回転自在に支持されており、ローラの周面は引戸と鴨居とに接触している。
特開平5−311959号公報
ところで、前記構造の引き戸装置や、引戸の遮音構造では、構造が複雑となると共に、気密材の耐久性が必要であり、引き戸装置の建て付け性の精度が必要であった。また、引き戸を気密材で強く挟んでいるため、開閉時に大きな操作力が必要であり、引き戸を軽く開閉することができないという問題点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、引き戸を気密材で強く挟み込む必要がなく、軽く開閉することができる建物の引き戸装置を提供することにある。また、要求される建て付け精度が比較的緩く、容易に建て付けることができる建物の引き戸装置を提供することにある。
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明による建物の防音式の引き戸装置は、引き戸と、該引き戸が摺動可能に嵌め込まれる溝を有する上溝部材及び下溝部材とから構成され、上溝部材及び下溝部材は、引き戸が溝に嵌め込まれたとき該引き戸が鉛直方向に対して傾斜するように構成されており、前記上溝部材の溝に、該溝の長手方向に沿ってスペーサを配設し、該スペーサは傾斜状態に嵌め込まれた前記引き戸の重力で押圧する側の前記溝の面に配設されることを特徴としている。
前記のごとく構成された引き戸装置では、引き戸は傾斜した状態で上溝部材の溝と下溝部材の溝に嵌め込まれるため、引き戸が倒れ掛かる側の溝の面に密着し、引き戸装置で区切られる一方の空間と他方の空間の気密状態が良好となる。すなわち、一方の空間から他方の空間への空気の流通が遮られる。このため、この引き戸装置が遮蔽する外側空間から内側空間へ進入する騒音や、内側空間から外側空間への音の伝播を確実に遮断することができる。また、引き戸を摺動可能に支持する引き戸枠の建て付け精度が緩く、建て付けが容易に行なえる。さらに、引き戸は重力により傾斜している側に倒れるようにスペーサを押圧するため、引き戸と上溝部材とは隙間無く密着することができ、屋外からの騒音の侵入を防止することができると共に、室内からの音洩れを防止することができる。また、スペーサを低摩擦ゴム等の滑らかな材質のものを用いることにより、開閉の操作力を低減することができる。
請求項2に記載の発明による建物の防音式の引き戸装置は、前記引き戸は、前記溝に嵌め込まれる上下の端部の前記摺動方向と直角な方向の断面形状が円弧面で形成されていることを特徴としている。この構成によれば、引き戸は上溝部材の溝と下溝部材の溝との間に傾斜状態に嵌め込まれているが、引き戸の上下の端部の、その摺動方向と直角方向の断面形状が円弧面で形成されているため、軽い操作力で円滑に引き戸を摺動させることができる。すなわち、傾斜している引き戸が上下の溝に硬く噛んで摺動を妨げることを防止できる。
請求項に記載の発明による建物の防音式の引き戸装置は、前記引き戸は、閉じられたときに、該引き戸の後端の側面と固定部との間に、前記摺動方向と交差する方向の空間が形成され、該空間を埋めるスペーサが前記引き戸及び/又は前記固定部に配設されていることを特徴としている。この構成によれば、引き戸が1枚の場合でも、閉じられたときに固定部との間に形成された空間をスペーサで埋めて空間を閉塞し、しかも傾斜している引き戸でスペーサを押圧して密着するため、気密状態が保たれ防音性能が向上する。
請求項に記載の発明による建物の防音式の引き戸装置は、前記引き戸は複数枚で、かつ引き違いに前記溝に嵌め込まれ、前記引き戸は、これらを閉じたとき、該複数枚の引き戸の重なり部に、該重なり部の空間を埋めるスペーサが配設されていることを特徴としている。このスペーサは、引き戸同士の開閉時の衝撃を和らげる緩衝材として機能すると共に、閉じたときの気密性を保持するための気密材としても機能する。この構成によれば、引き戸の重なり部を埋めるスペーサは、傾斜した引き戸の重力により軽く圧縮され密着、あるいは隙間を狭くするため、軽い操作力で引き戸を開閉することができる。そして、このスペーサは気密材として機能するため、引き戸の重なり部の気密状態を良好にすることができ、重なり部を通過する音を遮断することができる。
請求項に記載の発明による建物の防音式の引き戸装置は、上溝部材及び下溝部材の溝が、引き戸の摺動方向と直角な方向の断面形状が滑らかな円弧面で形成されていることを特徴としている。この構成によれば、断面形状が円弧面同士で溝と引き戸の上下端部が接するため、引き戸の下端に滑車が無くても軽く引き戸を摺動させることができる。また、引き戸と上溝部材及び下溝部材との接触が線接触となり、隙間が形成されないため、騒音の侵入や、音の進出を防止することができる。
本発明の建物の防音式の引き戸装置は、構成が簡単であり、要求される建て付け精度が比較的緩く、容易に建て付けることができる。また、重力により複数枚の引き戸を密閉できるため、効率良く防音することができる。さらに、引き戸の操作力を低減することができ、軽く開閉操作を行える。しかも、引き戸が1枚の場合でも、複数枚の場合でも軽く開閉操作でき、効率よく防音することができる。
以下、本発明に係る建物の防音式の引き戸装置の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る引き戸装置の正面図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図1のB−B線断面図、図4(a)は、図1の引き戸装置の縦方向のC−C線に沿う要部断面図、図4(b)は引き戸の傾斜状態を説明する模式図である。この実施形態は、引き戸が2枚構成であり、引き違いに摺動できる構成を示している。
図1〜4において、本実施形態の建物の防音式の引き戸装置1は、引き戸枠2の開口部を遮蔽するように2枚の引き戸10,10を摺動可能に、かつ引き違いに支持している。開口部を有する引き戸枠2は上溝部材である鴨居3と、下溝部材である敷居4と、これらを連結する縦部材5,5とから矩形に構成されている。鴨居3と敷居4には、各々2枚の引き戸が引き違いに嵌め込まれる鴨居の上溝6,6及び敷居の下溝7,7が形成され、これらの溝に引き戸10,10の上下の端部が嵌合して引き戸が摺動可能に支持されている。
引き戸10,10の上下の端部は、引き戸の摺動方向と直角な方向の断面形状が円弧面で形成されている。すなわち、引き戸10は、中央の面材11と、この面材の上下に固定された上桟12及び下桟13とから構成されている。そして、上桟12と、下桟13は断面形状が半円形の円弧面14であり、低摩擦シリコンゴムや低摩擦ニトリルゴム等の滑らかな材料で表面処理された半円形の棒状に形成されている。
また、半円形の円弧面14の上桟12及び下桟13が嵌め込まれる上溝6,6及び下溝7,7も、同様に半円形の円弧面で形成されており、滑らかに表面処理がされている。このため、下桟に従来のように滑車が無くても、軽い操作力で引き戸10,10を摺動させることができる。そして、敷居4の下溝7と引き戸10の下桟13とは線接触の状態となり、隙間無く接触する構成となっている。上桟12と下桟13に形成された円弧面の曲率半径は、上溝6と下溝7の円弧面の曲率半径より小さく設定され、半径の大きい溝に対して半径の小さい桟が緩く嵌合している。
引き戸10,10の上桟12,12及び下桟13,13は、前記のように断面が半円形の棒状の部材で形成されており、これらの部材は引き戸の中央に位置する面材11の上下の端部に接着剤又はタッカー、表面処理をした釘等により固定されている。引き戸10の中央の面材11は、襖のように木製の枠に対して紙を貼り付けたものや、枠と合板から形成されるもの、枠と鉄板、枠と石膏ボード等から形成されるもの等を用いることができる。
敷居4の断面が半円形の下溝7,7と、引き戸10,10の断面が半円形の下桟13,13とは線接触しており、敷居4に対して引き戸10,10が軽く摺動できるように構成されているが、鴨居3の断面が半円形の上溝6,6と、引き戸10,10の断面が半円形の上桟12,12とは隙間dを介して対向している。このため、この隙間dだけ引き戸10を上方に移動させることができ、引き戸を下溝7,7から外して引き戸10を引き戸枠2から取り外すことができる構成となっている。
そして、引き戸枠2を構成する鴨居3と敷居4は、引き戸10,10が鴨居3と敷居4に嵌め込まれたとき、引き戸が鉛直方向に対して傾斜するように、鴨居3と敷居4の溝の少なくとも一方が平行に移動されている。図4(a)に詳細に示されるように、鴨居3の上溝6,6は中心線に対して左方向に距離Dだけ平行移動されており、敷居4の下溝7,7は中心線に対して右方向に距離Dだけ平行移動されている。引き戸の傾斜角度θは鉛直面に対して0.2〜2度の範囲が好ましい。すなわち、敷居4の下溝7,7を一方(図4では右方)に0.3〜3cm程度ずらし、鴨居3の上溝6,6を他方(図4では左方)に0.3〜3cm程度ずらした場合、例えば引き戸の高さが180cmであると、引き戸10,10が鉛直面に対して0.2〜2度程度傾斜する。
前記の引き戸の傾斜について、図4(b)を参照してさらに説明すると、一般的な引き戸の高さHは180cm程度であり、この高さの引き戸をθ(0.2〜2度)傾斜させると水平方向の幅はtanθ=約0.6〜6cmとなる。この幅が前記の平行移動距離Dの2倍となり、2D=0.6〜6cmで、鴨居3の上溝6,6を一方に0.3〜3cm程度移動し、敷居4の下溝7,7を他方に0.3〜3cm程度移動することを示している。なお、引き戸の傾斜方向はどちら側でも実質的に同等である。また、引き戸の傾斜角度は0.2〜2度の範囲で、自由に設定可能である。なお、引き戸の傾斜角度は、前記の角度範囲に限定されるものでないことは勿論である。
さらに、引き戸10,10には、これらを閉じたとき、2枚の引き戸の重なり部に、この重なり部の空間を埋める縦スペーサ15が配設されている。縦スペーサ15は一方の引き戸10の端に、1〜5mm程度の厚さの低摩擦ゴムを貼り付けている。縦スペーサ15の幅は、2枚の引き戸の重なり部に合わせて設定され、例えば10〜20mm程度の幅が好ましい。縦スペーサ15は2枚の引き戸を閉じたときに、隙間ができずに密着する厚さが好ましいが、僅かに隙間ができるように設定してもよい。縦スペーサ15は引き戸10,10の重なり部分の隙間を埋めて隙間風の進入を防ぐ機能を有するため、気密材ということもできる。
また、上溝部材である鴨居3の上溝6には、この溝の長手方向に沿って、すなわち引き戸の摺動方向に沿って水平方向の横スペーサ16が配設されている。この横スペーサは、例えば低摩擦ゴムで形成され、厚さが1〜3mm程度、幅が5〜10mm程度で、長さは上溝の全長に等しく形成されている。そして、上溝内に接着剤、あるいは粘着剤等で固定されている。横スペーサ16は、傾斜状態に嵌め込まれた引き戸10が重力で押圧する側の溝の円弧面に固定されており、引き戸10の上桟12と常時、弱い接触圧で接触するように構成されている。このため、引き戸10の上桟12と鴨居3の上溝6との間には、横スペーサ16が挟まれて隙間ができないように構成されている。この横スペーサ16も、縦スペーサ15と同様に気密材ということができる。
前記の如く構成された本実施形態の引き戸装置1の動作について以下に説明する。鴨居3、敷居4、及び縦部材5,5とから構成される引き戸枠2の開口部に引き戸10,10を嵌め込むときは、引き戸10の上桟12を一方の上溝6に挿入し、上溝内の隙間dを詰めるように引き戸10を上方に持ち上げて引き戸の下桟13を敷居4の下溝7内に挿入する。ついで、もう1枚の引き戸10を同様に嵌め込む。これにより、引き戸10,10は引き戸枠2内に容易に嵌め込まれ、引き違いに摺動可能となる。
引き戸枠2内に嵌め込まれた引き戸10,10は、鉛直面に対して0.2〜2度傾斜しているが、鉛直面に対する傾斜角度が小さいため、違和感は少ない。このように、引き戸10,10は引き戸枠2に傾斜して嵌め込まれているため、上溝6,6には傾斜している側に倒れるような押圧力が働き、引き戸10の上桟12は上溝6,6内に固定された横スペーサ16を軽く押圧して、この横スペーサと密着する。このため、鴨居3と引き戸10の上桟12とは横スペーサ16を挟んで隙間の無い状態で密着すると共に、引き戸10,10は鴨居3と敷居4との間を摺動可能に支持される。そして、引き戸10,10は上下の端部が半円形の円弧面で形成されているため、引き戸10,10が引き戸枠2に嵌め込まれたときに傾斜していても、円滑に摺動させることができる。
引き戸10,10を閉じたときに、2枚の引き戸の重なり部に固定された縦スペーサ15は、傾斜している側から見て外側に位置する引き戸10の重力により押圧され、2枚の引き戸間に密着して隙間ができない状態となる。すなわち、一方の引き戸10が他方の引き戸側に倒れ掛かるように重力が働き、縦スペーサ15を押圧するため、2枚の引き戸の重なり部に隙間が形成されない。そして、敷居4の下溝7,7と引き戸の下桟13,13とは半円形の断面同士が線接触して隙間が形成されないため、引き戸10,10と引き戸枠2とは気密状態が良好となり、引き戸装置1で仕切られた一方の空間から他方の空間への音の伝播は遮られる。したがって、この引き戸装置1では、外部からの騒音の侵入を防止できると共に、内部からの音洩れを防止することができる。
引き戸10を開閉するとき、引き戸の下桟13は長手方向に直角な断面が半円形であり、敷居4の下溝7も同様に半円形の断面であり、両者とも滑らかな半円形の円弧面で接触するため、軽い操作力で引き戸10を摺動させることができる。また、鴨居3の上溝6と引き戸10の上桟12は、上部に間隙dを有して対向しており、上桟12は上溝6の内面に配設された水平方向の横スペーサ16と接触している。そして、この横スペーサ16は低摩擦ゴム等で形成され、滑らかな円弧面で形成された上桟12との接触抵抗が小さいため、引き戸10の開閉操作力を大幅に増やすことはない。この結果、引き戸10を軽く開閉することができる。そして、横スペーサ16が引き戸の上桟12と鴨居3の上溝6との間に挟まれて空間を埋めているため、防音効果は増大する。しかも、引き戸10,10の鉛直面からの傾きが少ない状態で、確実に騒音の侵入を防止し、音の進出を防止することができる。
このように、本実施形態の引き戸装置1は、構成が簡単であり、建て付けも通常の引き戸装置と同様に行える。また、引き戸枠2への引き戸10,10の嵌め込みも容易に行える。そして、引き戸10,10が傾斜しており、上桟12、下桟13の断面形状が円弧で形成されているため、上桟12及び下桟13は、各々鴨居3の上溝6、敷居4の下溝7と線接触するため隙間が形成されず、さらに、引き戸の重なり部の縦スペーサ15により空間は埋められているため、気密状態がよくなり外部からの騒音の侵入を防止し、内部からの音漏れを防止できる。なお、引き戸10,10の傾斜角度θが大きいほど、縦スペーサ15、横スペーサ16を押圧する圧力が増えるため、防音効果は増大する。
つぎに、本発明の他の実施形態を図5〜8に基づき詳細に説明する。図5は引き戸装置の他の実施形態の正面図、図6は図5のE−E線断面図、図7は図5のF−F線断面図、図8は図5の引き戸装置のG−G線に沿う要部断面図である。なお、この実施形態は、引き戸が1枚構成の例であり、前記の実施形態のように、引き違いに摺動できるものと異なり、1枚の引き戸が引き込まれる形態のものを示している。そして、前記の実施形態と実質的に同等の構成については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図5〜8において、引き戸装置1Aでは、引き戸枠2Aは上溝部材である鴨居3Aと、下溝部材である敷居4Aと、これらを連結する縦部材5,5とから矩形に構成されている。鴨居3Aと、敷居4Aには、それぞれ1本の上溝6と下溝7が形成されている。上溝6及び下溝7は、前記の実施形態と同様に、断面形状が滑らかな円弧面で形成されている。そして、これらの上溝6と下溝7に1枚の引き戸10Aが摺動可能に嵌め込まれている。この1枚の引き戸10は引き戸枠2の開口の約半分の大きさで形成されている。
鴨居3Aの1本の上溝6は、図8に示されるように、中心線に対して距離D2だけ変位しており、敷居4Aの1本の下溝7は中心線に対して距離D1だけ変位している。この結果、上溝6と下溝7との間に嵌め込まれる引き戸10Aは、鉛直方向の高さに対して、水平方向に例えば下方が距離(D1−D2)だけずれるため、嵌め込まれた引き戸10Aは角度θだけ傾斜する。そして、嵌め込まれた引き戸10Aは、鴨居3Aの上溝6の頂部との間に隙間dが形成されている。この傾斜角度θも、前記の実施形態と同様に、0.2〜2度の角度が好ましい。
この実施形態では、引き戸枠2の略中心部には縦桟17が垂直に固定されており、この縦桟17と、図5において左方の縦部材5との間には開口を遮蔽する壁面18が形成されている。この構成により、引き戸枠2は中心から左方は壁面18で覆われ、中心から右方の開口が1枚の引き戸10Aで開閉できるように構成されている。引き戸は開かれたときに壁面18に沿って引き込まれ、壁面と平行状態となる。縦桟17及び壁面18は、摺動可能な引き戸に対して、固定部を形成している。
引き戸枠2の中央に垂直に固定された縦桟17は、引き戸10Aの傾斜に合わせて引き戸との対向面が傾斜しており、引き戸との間隙が平行に形成されている。引き戸10Aは閉じられたときに、引き戸の後端の側面(縦桟の対向面)と固定部である縦桟17との間に、摺動方向と交差する方向、すなわち引き戸の面方向の空間が形成される。そして、この空間は平行であり、この空間を埋める縦スペーサ15Aが例えば引き戸10Aに固定されている。なお、このスペーサは縦桟17に固定してもよく、両方に半分の厚さで固定してもよい。
縦スペーサ15Aは前記の実施形態と同様に、低摩擦ゴム等で形成され、引き戸10Aを閉じたときに傾斜している引き戸により重力が作用して押圧され、縦方向の気密状態が保たれて騒音の侵入や音漏れを防ぐことができる。また、この実施形態でも、上溝6の長手方向に沿って低摩擦ゴム等からなる横スペーサ16が貼着されている。この横スペーサ16により上溝6と引き戸の上桟12との隙間が埋められ、横方向の気密状態が保たれて防音効果が向上する。
この実施形態でも、防音効果を得るために、気密材を強く挟む必要がなく、引き戸10Aを軽く開閉することができる。また、引き戸装置1Aに要求される建て付け精度は比較的緩いため、引き戸装置を容易に建て付けることができる。さらに、1枚の引き戸10Aは、上下の溝に嵌め込まれる上下の端部の摺動方向と直角な方向の断面形状が円弧面で形成されているため、引き戸が傾斜していても軽く、容易に開閉することができる。
本発明のさらに他の実施形態を図9に基づき詳細に説明する。図9は本発明に係る引き戸装置の他の実施形態を示す要部断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、上溝部材である鴨居と、下溝部材である敷居に形成された上溝及び下溝の形状が異なり、これらの形状の異なる上溝と下溝に嵌合する引き戸の上桟及び下桟の形状が異なることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図9において、この実施形態の鴨居3に形成された上溝20は、鴨居の長手方向(引き戸の摺動方向)に直角な断面形状が引き戸10,10側に向けて(鴨居の場合下側に)広がる傾斜面21,21と、これらを連結する円弧面22で形成された底面とから構成されている。図示していないが、敷居の場合も鴨居と同様の上下反転した形状の下溝が形成されている。そして、この上溝20に嵌め込まれる引き戸10の上桟25も、上溝20と同様な上方につぼまる傾斜面26,26と、これらと連続する円弧面27とから構成されている。引き戸の下桟も同様な上下反転した形状となっている。この上桟25及び図示していない下桟は、タッカーや釘28で引き戸10の面材11に固定されている。
このように、引き戸10の上下の端部の形状は、前記の実施形態のように断面が半円形のものの他に、上方につぼまる傾斜辺の上端が円弧面で形成される形状でもよい。図9に示される上溝及び上桟の場合も、鴨居の長手方向に直角な断面形状の一部が円弧面で形成されているため、引き戸が鉛直面に対して傾斜していても、円滑に開閉させることができる。
この実施形態においては、鴨居3に形成された上溝20の中に水平方向に固定されている横スペーサ29の形状は、前記の実施形態のように断面形状が楕円形でなく、矩形状である。このように、横スペーサの断面形状は限定されるものでなく、鴨居の上溝と引き戸の上桟との間の隙間を埋めて引き戸が滑らかに開閉できる機能を有するものであれば、その形状は問われない。
なお、前記の実施形態では、引き戸10,10の重なり部に配設された縦スペーサ15は、一方の引き戸に貼付した例を示したが、両方の引き戸の対向面の双方に薄手の緩衝材を貼付固定し、両引き戸を閉じたときに重なり部の空間を埋めることができるものでもよい。図9の例では、縦スペーサは2本から構成され、縦スペーサ15a,15bを各々の引き戸に配設し、重なったときに僅かな空隙ができるように構成している。
また、引き戸を鉛直方向に対して傾斜させる構成として、敷居と鴨居の溝をずらす構成を示したが、敷居そのものを例えば図4の方向で、右方に平行移動し、鴨居そのものを左方に平行移動することで、引き戸を傾斜させるように構成してもよい。この場合は、敷居と鴨居とを連結する2本の縦部材は鴨居と敷居の水平方向のずれ分を考慮した広幅に形成することが好ましい。
引き戸の面材と、上桟及び下桟との固定は接着剤や釘等に限らず、あり溝により結合する構成でもよい。また、鴨居に水平方向に横スペーサを固定する構造は接着剤や粘着剤に限らず、あり溝により固定してもよい。鴨居に形成された上溝に配設された横スペーサは、低摩擦ゴムに限らず、低摩擦係数の樹脂板材を貼り付けて固定してもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記の実施形態では2枚の引き戸を引き違いとする例を示したが、3枚以上の引き戸を引き違いとするように構成し、重なり部が2個所以上となる構成でもよいことは勿論である。
また、前記の実施形態では、上溝部材である鴨居に形成された上溝と、下溝部材である敷居に形成された下溝は、長手方向に直角な断面形状が共に円弧面で形成される例を示したが、通常の敷居や鴨居に形成される、断面形状が矩形状の下溝や上溝であってもよい。すなわち、引き戸の上下の端部が円弧面で形成されれば、引き戸を鉛直面に対して傾斜させても、開閉操作が軽く行え、本発明の前記の作用効果を達成することができる。
本発明の活用例として、この引き戸装置を用いてアルミサッシ等の屋外に面する引き戸装置に適用することができ、また、この引き戸装置を用いて室内に使用するフラッシュ戸やふすま、障子等の用途にも適用できる。
本発明に係る引き戸装置の一実施形態の正面図。 図1のA−A線断面図。 図1のB−B線断面図。 (a)は図1の引き戸装置のC−C線に沿う要部断面図、(b)は引き戸の傾斜状態を説明する模式図。 本発明に係る引き戸装置の他の実施形態の正面図。 図5のE−E線断面図。 図5のF−F線断面図。 図5の引き戸装置のG−G線に沿う要部断面図。 本発明に係る引き戸装置のさらに他の実施形態の要部断面図。
符号の説明
1,1A:引き戸装置、2,2A:引き戸枠、3,3A:鴨居(上溝部材)、4,4A:敷居(下溝部材)、5:縦部材、6,20:上溝、7:下溝、10,10A:引き戸、12,25:上桟、13:下桟、14,22,27:円弧面、15,15A,15a,15b:縦スペーサ(気密材)、16,29:横スペーサ(気密材)、17:縦桟、18:壁面、θ:傾斜角度、D,(D1−D2):平行移動距離

Claims (5)

  1. 引き戸と、該引き戸が摺動可能に嵌め込まれる溝を有する上溝部材及び下溝部材とから構成される建物の防音式の引き戸装置であって、
    前記上溝部材及び下溝部材は、前記引き戸が前記溝に嵌め込まれたとき該引き戸が鉛直方向に対して傾斜するように構成されており、
    前記上溝部材の溝に、該溝の長手方向に沿ってスペーサを配設し、該スペーサは傾斜状態に嵌め込まれた前記引き戸の重力で押圧する側の前記溝の面に配設されることを特徴とする建物の防音式の引き戸装置。
  2. 前記引き戸は、前記溝に嵌め込まれる上下の端部の前記摺動方向と直角な方向の断面形状が円弧面で形成されていることを特徴とする請求項に記載の建物の防音式の引き戸装置。
  3. 前記引き戸は、閉じられたときに、該引き戸の後端の側面と固定部との間に、前記摺動方向と交差する方向の空間が形成され、該空間を埋めるスペーサが前記引き戸及び/又は前記固定部に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の防音式の引き戸装置。
  4. 前記引き戸は複数枚で、かつ引き違いに前記溝に嵌め込まれ、
    前記引き戸は、これらを閉じたとき、該複数枚の引き戸の重なり部に、該重なり部の空間を埋めるスペーサが配設されていることを特徴とする請求項に記載の建物の防音式の引き戸装置。
  5. 前記上溝部材及び下溝部材の溝は、前記引き戸の摺動方向と直角な方向の断面形状が滑らかな円弧面で形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の建物の防音式の引き戸装置。
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