JP2016166500A - シール材および基礎構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】基礎断熱工法において、経年劣化に対する耐久性を高めること。
【解決手段】建物の外周下部に施工された基礎1と、基礎1に設置される土台2との間に敷設されるシール材20に関する。同シール材20は、シート21と、シート21の長手方向に沿ってシート21と一体に形成される突条パッキング22とを備えている。突条パッキング22は、シート21の面A、Bに少なくとも2条ずつ形成されている。また、各突条パッキング22の横断面形状は、シート21に接合する基端部22aと、基端部22aから延びてシート21と分離した自由端部22bとを有し、且つ可撓性のある材料で形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】建物の外周下部に施工された基礎1と、基礎1に設置される土台2との間に敷設されるシール材20に関する。同シール材20は、シート21と、シート21の長手方向に沿ってシート21と一体に形成される突条パッキング22とを備えている。突条パッキング22は、シート21の面A、Bに少なくとも2条ずつ形成されている。また、各突条パッキング22の横断面形状は、シート21に接合する基端部22aと、基端部22aから延びてシート21と分離した自由端部22bとを有し、且つ可撓性のある材料で形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、シール材および基礎構造体に関する。
近年、住宅の断熱化、気密化が進むにつれ、建物の基礎の内側や外側にシール材を施工する基礎断熱工法が活発に採用されている。基礎断熱工法においては、建物の外周下部に施工された基礎の上面にシール材が敷設される。このシール材の上には、一般的に土台を設置される。シール材は、基礎と土台との間の気密性、防湿性を確保する。
上記シール材としては、特許文献1−3に開示されているように、シートと、シートの長手方向に沿って一体形成された突条パッキングとを備えた構成が一般的である。何れの特許文献1−3においても、上記突条パッキングは、横断面形状が円形または楕円形に閉じた形状になっている。上記突条パッキングは、施工時に、基礎と土台との間で圧縮され、気密性等を確保する機能を奏するものである。
特に、特許文献2では、荷重作用時に突条パッキングが完全に潰れないようにするために、シートの中央部分の厚さを縁辺部分に比べて薄く形成している。
上述したように、突条パッキングを備えたシートを基礎と土台との間に敷設している構成では、施工時に突条パッキングが圧縮されることにより、シール性が向上する。
しかしながら、上記突条パッキングが、円形断面または楕円形の中空部材あるいは中実部材である場合には、突条パッキングが圧縮される時に異形に座屈しやすくなり、必ずしも高いシール性を発揮することができないおそれがあった。特に、突条パッキングが中空である場合、シートと突条パッキングの接合部分には、偏荷重がかかりやすく、この部分に亀裂が生じやすくなる。そのため、均質なシール性が確保しにくいばかりではなく、シートの経時的な耐久性に影響を与えるおそれもあった。
また、特許文献2のように、シートの中央部分の厚さを縁辺部分に比べて薄く形成している構成では、シートの厚みを規定通りに製造することが困難になり、製品にばらつきが生じやすくなり、歩留まりが悪くなる等の問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、経年劣化に対する耐久性の高いシール材および基礎構造体を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の一の態様は、シートと、前記シートの長手方向に沿って前記シートと一体に形成される突条パッキングとを備え、建物の外周下部に施工された基礎と前記基礎に設置される土台との間に敷設される基礎用のシール材において、前記突条パッキングは、前記シートの両面に少なくとも2条ずつ形成されているとともに、各突条パッキングは、前記シートに接合する基端部と、前記シートと分離した自由端部とを一体に有し、且つ可撓性のある材料で形成されている基礎用のシール材である。この態様では、シール材は、建物の外周下部に施工された基礎の上面に敷設される。このシール材の上には、土台が設置される。この土台から受ける荷重により、シール材の突条パッキングは、自由端部がシートの表面に沿って押し拡げられる。ここで、本態様の突条パッキングの横断面形状は、シートに接合する基端部と、前記シートと分離した自由端部とを有し、且つ可撓性のある材料で形成されている。そのため、突条パッキングの基端部は、過度な荷重を受けることなく変形し、突条パッキングは、全体が前記シートの表面に沿うように伸びる。これにより、シール材は、基礎と土台との間の気密性、防湿性を確保する。また、シートの一方の面に形成された突条パッキングが基礎とシートとの間をシールすることともに、シートの他方の面に形成された突条パッキングがシートと土台との間をシールし、より高い気密性、防湿性等を発揮する。突条パッキングは、可撓性があり、且つ耐久性の高い塩化ビニール樹脂などの軟質の樹脂材料が好適である。また、シートは、突条パッキングと同じ材料であってもよく、異なる材料を用いてもよい。シートの材質は、全て同質の材料であってもよく、用途に応じて部分的に硬度の異なる材料を組み合わせたものであってもよい。シートの素材としては、樹脂が好適であるが、それに限定する必要はない。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記突条パッキングは、それぞれが前記基端部から斜めに延びて前記自由端部が前記シートの表面に対向するように湾曲している。この態様では、施工時において基礎と土台との間でシール材が挟圧される際に、突条パッキングが滑らかに押し拡げられる。そのため、突条パッキングは、偏荷重が突条パッキングの基端部に生じることなく綺麗に伸び、気密性、および防湿性の高いシール材として機能する。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記シートのうち、少なくとも幅方向において最も外側に配置された2条の突条パッキングの間に挟まれた中央部分は、前記突条パッキングと同じ可撓性の材料で形成されている。この態様では、シートの中央部分の加工が容易になる。そのため、施工時にアンカーボルトの挿通孔を必要となった場合等において、現場での加工を簡単に実施することができる。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記シートのうち、幅方向において最も外側に配置された2条の突条パッキングよりも外側の側縁部分は、前記突条パッキングよりも硬度の高い材料で形成されている。この態様では、シール材の側縁側を多目的で用いる際に、目的に適した硬度に設定することができる。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記シートは、全体が前記突条パッキングと同じ可撓性の材料で形成されている。この態様では、シートと突条パッキングとを一体に製造することが容易になり、低廉で歩留まりの高い製品を製造することができる。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記シートは、床下に臨むように前記基礎から屋内側に延びる蟻返し部を一体に有している。この態様では、シートの蟻返し部が屋内側に延びて床下に臨み、蟻返しとして機能する。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記シートは、地面に臨むように前記基礎から屋外側に延びる蟻返し部を一体に有している。この態様では、シートの蟻返し部が屋外側に延びて地面に臨み、蟻返しとして機能する。
好ましい態様の基礎用のシール材において、前記シートは、前記基礎の側壁を外装する外装材の上端を覆うように前記基礎から屋外側に延びる見切り部を有している。この態様では、基礎の外装工事を施工する際に、いわゆる「モルストップ」機能を奏することができ、しかも、施工後は、シートの見切り部を外装材の見切り材として機能させることができる。
本発明の別の態様は、建物の外周に施工される基礎と、基礎の上部に載置される土台とを備え、前記基礎と前記土台との間に上記基礎用のシール材を敷設し、前記シール材に設けた突条パッキングは、全体が前記シートの表面に沿うように伸びている。この態様では、基礎が建物の外周に施工される。基礎の上面には、シール材が敷設される。このシール材の上には、土台が設置される。この土台から受ける荷重により、シール材の突条パッキングは、全体がシートの表面に沿うように伸びている。そのため、シール材は、基礎と土台との間の気密性、防湿性を確保する。また、シートの下面に形成された突条パッキングが基礎とシートとの間をシールすることともに、シートの上面に形成された突条パッキングがシートと土台との間をシールし、より高い気密性、防湿性等を発揮する。しかも、自由端部がシートの表面に沿って押し拡げられるので、突条パッキングには、無理な偏荷重を受けることなく伸びている。よって、突条パッキングやシートの耐久性が向上する。
好ましい態様の基礎構造体において、前記突条パッキングは、前記土台の中心を上下に通る中心線に対して対称形に配置されているとともに、各基端部が前記中心線を挟んで向かい合うように配置されている。この態様では、シール材の上に土台を設置する際、土台から受ける荷重が、土台の中心線の一方と他方に配設された突条パッキングに均等に伝播し、それぞれの自由端部が中心線から反対側に押し広げられる。そのため、シートの位置ずれが生じにくくなり、規定の寸法通りに施工しやすくなる。また、各突条パッキングが均等に力を受けることにより、偏荷重やそれに伴う傾斜等が生じにくくなる。
本発明のさらなる特徴、目的、構成、並びに作用効果は、添付図面と併せて読むべき以下の詳細な説明から容易に理解できるであろう。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る基礎構造体10は、住宅用建物の基礎1と、土台2と、シール材20とを備えている。図示の例において、基礎1は、地盤に打設されたコンクリート製品である。基礎1は、建物の外周に沿って施工されており、その内側が屋内側、外側が屋外側となっている。基礎1の屋外側側壁は、化粧モルタル3で外装される。また、基礎1の屋内側側壁には、断熱材4が貼着される。断熱材4の側部には、床下が区画される。
シール材20は、基礎1と土台2との間に敷設され、基礎1と土台2との間の間隙の気密性、防湿性を図るものである。本実施形態に係るシール材20は、シート21と突条パッキング22とを一体に備えている。
シート21は、施工される基礎や土台の寸法に応じて、長方形に裁断された樹脂成型品である。図示の例では、基礎1の長手方向に沿って長辺が延びる長方形に形成されている。また、後述するように、シート21の短辺は、基礎1の幅よりも若干長く設定されている。
図2に示すように、シート21には、複数の突条パッキング22が形成されている。具体的には、シート21の一方の面(シート21が基礎1に対向する面。以下の説明では、下面ともいう)Aと、他方の面(シート21が土台2に対向する面。以下の説明では、上面ともいう)Bとにそれぞれ2個ずつ形成されている。なお、上記「2個」はあくまで例示であり、例えば、4個であってもよく、それ以外の個数であってもよい。一方、突条パッキング22の個数は、偶数であることが好ましい。突条パッキング22が施工時に受ける圧力を均等に分配して、シート21の位置ずれを解消することができるからである。
図示の例では、シート21の両面A、Bに設けられた各突条パッキング22は、土台2の中心を上下に通る中心線(すなわち、土台2の幅を左右に二等分する中心線)Oを軸にして、対称形に配置されている。また、下面Aに設けられた突条パッキング22と、上面Bに設けられた突条パッキング22とは、シート21を軸にして、対称形に配置されている。
各突条パッキング22は、シート21に接合される基端部22aと、基端部22aに延設された自由端部22bとを含む。各基端部22aは、中心線Oを挟んで互いに間隔を隔てて対向している。また、各突条パッキング22は、その自由端部22b側が中心線Oから離れる方向に傾斜している。さらに各突条パッキング22は、その自由端部22b側が大きく湾曲している。この結果、各突条パッキング22の基端部22aと自由端部22bとの間には、基礎1または土台2に臨む円弧部22cが形成される。円弧部22cは、施工時に突条パッキング22をシート21に押し付ける荷重を受ける受圧点Pを形成する。なお、自由状態において、各自由端部22bは、シート21の対応する面(下面Aまたは上面B)に対し、隙間を隔てている。
突条パッキング22は、樹脂成型品が好適である。突条パッキング22の材質は、例えば、塩化ビニール樹脂が好ましい。特に、突条パッキング22は、可撓性があり、且つ耐久性および気密性(通気しない特性)の高い材料(例えば、軟質塩化ビニール樹脂:SPVC)が好適である。尤も、突条パッキング22の材質を樹脂に限定する必要はない。
一方、シート21は、突条パッキング22と同じ材料であってもよく、異なる材料を用いてもよい。
シート21の材質は、全て同質の材料であってもよく、用途に応じて部分的に硬度の異なる材料を組み合わせたものであってもよい。シート21の素材としては、樹脂が好適であるが、それに限定する必要はない。
ところで、中心線Oから屋外側に配置された上下面一組の突条パッキング22と、中心線Oから屋内側に配置された上下一組の突条パッキング22とにより、シート21は、両組の突条パッキング22に挟まれた中間部21aと、中間部21aの屋外側に延びる屋外側部21bと、中間部21aの屋内側に延びる屋内側部21cとに区分することができる。本実施形態においては、少なくとも中間部21aが突条パッキング22と同じ軟質の材料で形成されている。また、本実施形態においては、屋外側部21bおよび屋内側部21cが中間部21aよりも硬質の材料(例えば、硬質塩化ビニール樹脂:HPVC)で形成されている。中間部21aと屋外側部21bおよび屋内側部21cとで材質の異なるシートを得るためには、例えば、共押出成形法により押出成形することが好適である。また、必要に応じて中間部21aを屋外側部21bおよび屋内側部21cよりも薄く成形してもよい。無論、別の態様として、シート21全体が軟質材料で形成されていてもよい。
さらに、シート21は、透明または半透明であることが好ましい。その場合には、基礎1の上面に設けた墨打ちラインを目印に位置決めが容易になり、施工時の寸法精度を高めることができる。
次に、施工時のシール材20の作用について説明する。
図2および図3に示すように、基礎1を打設した後、基礎1の屋内側には、事前に断熱材4が貼着されている。この状態で、基礎1の上には、シール材20が敷設される。この敷設時においては、中心線Oに対し、シート21の両面A、Bに設けられた各突条パッキング22が対称に配置されるように、位置決めする。また、必要に応じて、基礎1に対し、シート21を仮止めする。その後、土台2が接地されると、シール材20は、基礎1と土台2との間で挟圧される。
この挟圧時において、各突条パッキング22の円弧部22cは、受圧点Pから力を受ける。これにより、突条パッキング22は、基端部22aの根元を支点P1として撓み、支点P1を中心に回動する。この結果、各自由端部22bは、シート21に押し付けられる。突条パッキング22がさらに挟圧されると、各突条パッキング22の自由端部22bは、基端部22aから離れる方向にスライドするように押し拡げられ、遂には平板状に伸ばされる。この際、土台2から受ける荷重は、中心線Oを境にして、屋外側と屋内側とに配設された突条パッキングに均等に伝播し、それぞれの自由端部22bが中心線Oから反対側に押し広げられる。そのため、土台2の設置時にシート21の位置ずれが生じにくくなる。
図4を参照して、土台2を設置した後において、基礎1の屋外側側壁には、化粧モルタル3が施工される。ここで、本実施形態において、シート21の屋外側部21bは、基礎1から幾分屋外側に突出している。この突出部分を目標にして、作業者は、化粧モルタル3を施工することができる。このように、屋外側部21bの突出部分は、施工時において、化粧モルタル3を施工するときの寸法を規定する機能(いわゆる「モルストップ」機能)を奏するとともに、施工後は、基礎1の化粧モルタル3の見切り材として機能する。また、シート21の屋内側部21cは、基礎1の内側壁に貼着された断熱材4よりもさらに屋内側に突出し、断熱材4の側部に区画される床下に臨んでいる。そのため、この突出部分は、断熱材4を伝って移動するシロアリ等を避ける蟻返しとして機能する。シート21は、少なくとも屋内側部21cの下面に、白蟻が忌避する特性を有する防蟻剤を練り込んでいることが好ましい。無論、シート21全体に防蟻剤を練り込んでいてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、シール材20は、基礎1の上面に敷設される。このシール材20の上には、土台2が設置される。この土台2から受ける荷重により、シール材20の突条パッキング22は、自由端部22bがシート21の表面に沿って押し拡げられる。ここで、突条パッキング22の横断面形状は、シート21に接合する基端部22aと、基端部22aから延びてシート21と分離した自由端部22bとを有し、且つ可撓性のある材料で形成されている。そのため、突条パッキング22の基端部22aは、過度な荷重を受けることなく変形し、図4に示したように、突条パッキング22は、全体がシート21の表面に沿うように伸びる。これにより、シール材20は、基礎1と土台2との間の気密性、防湿性を確保する。また、シート21の下面Aを構成する一方の面に形成された突条パッキング22が基礎1とシート21との間をシールすることともに、シート21の上面Bを構成する他方の面に形成された突条パッキング22がシート21と土台2との間をシールし、より高い気密性、防湿性等を発揮する。
また、本実施形態のシール材20において、各突条パッキング22は、それぞれが基端部22aから斜めに延びて自由端部22bがシート21の表面に対向するように湾曲している。このため本実施形態では、施工時において基礎1と土台2との間でシール材20が挟圧される際に、突条パッキング22が滑らかに押し拡げられる。そのため、突条パッキング22は、偏荷重が突条パッキング22の基端部22aに生じることなく綺麗に伸び、気密性、および防湿性の高いシール材20として機能する。
また本実施形態では、シート21のうち、幅方向において最も外側に配置された2条の突条パッキング22の間に挟まれた中央部分、すなわち、中間部21aのみを、突条パッキングと同じ可撓性の材料(例えば、軟質塩化ビニール樹脂)で形成するようにしてもよい。そのため本実施形態では、シート21の中央部分の加工が容易になる。そのため、施工時にアンカーボルトの挿通孔を必要となった場合等において、現場での加工を簡単に実施することができる。
特に本実施形態では、幅方向において最も外側に配置された2条の突条パッキング22の外側の側縁部分、すなわち、屋外側部21bと屋内側部21cとは、中間部21aよりも硬度の高い硬質材料(例えば、硬質塩化ビニール樹脂)で形成されている。そのため本実施形態では、シール材20の側縁側を多目的で用いる際に、目的に適した硬度に設定することができる。
また、別の態様においては、シート21全体が、突条パッキング22と同一の軟質塩化ビニール樹脂で形成されている。そのような態様では、シート21と突条パッキング22とを一体に製造することが容易になり、低廉で歩留まりの高い製品を製造することができる。
また、本実施形態のシール材20において、シート21は、床下に臨むように基礎1から屋内側に延びる蟻返し部としての屋内側部21cを一体に有している。このため本実施形態では、シート21の屋内側部21cが屋内側に延びて床下に臨み、蟻返しとして機能する。
また、本実施形態のシール材20において、シート21は、基礎1の側壁を外装する外装材の上端を覆うように基礎1から屋外側に延びる見切り部としての屋外側部21bを有している。このため本実施形態では、基礎1の外装工事を施工する際に、いわゆる「モルストップ」機能を発揮する。よって、作業性が向上する。また、施工後において、シート21の屋外側部21bは、化粧モルタル3の見切り材として機能する。よって、施工後の外観も向上する。
本発明の別の態様は、基礎構造体10である。同基礎構造体10は、建物の外周に施工される基礎1と、基礎1の上部に載置される土台2とを備えている。基礎1と土台2との間には、シール材20が敷設される。シール材20の各突条パッキング22は、全体がシート21の表面に沿うように伸びている。本実施形態に係る基礎構造体10では、基礎1が建物の外周に施工される。基礎1の上面には、シール材20が敷設される。このシール材20の上には、土台2が設置される。この土台2から受ける荷重により、シール材20の突条パッキング22は、全体がシート21の表面に沿うように伸びている。そのため、シール材20は、基礎1と土台2との間の気密性、防湿性を確保する。また、シート21の下面Aに形成された突条パッキング22が基礎1とシート21との間をシールすることともに、シート21の上面Bに形成された突条パッキング22がシート21と土台2との間をシールし、より高い気密性、防湿性等を発揮する。しかも、自由端部22bがシート21の表面(下面Aまたは上面B)に沿って押し拡げられるので、突条パッキング22には、無理な偏荷重を受けることなく伸びている。よって、突条パッキング22やシート21の耐久性が向上する。
また本実施形態では、各突条パッキング22は、土台2の中心を上下に通る中心線Oに対して対称形に配置されているとともに、各基端部22aが中心線Oを挟んで向かい合うように配置されている。このため本実施形態では、シール材20の上に土台2を設置する際、土台2から受ける荷重が、土台2の中心線Oの一方と他方に配設された突条パッキング22に均等に伝播し、それぞれの自由端部22bが中心線Oから反対側に押し広げられる。そのため、シート21の位置ずれが生じにくくなり、規定の寸法通りに施工しやすくなる。また、各突条パッキング22が均等に力を受けることにより、偏荷重やそれに伴う傾斜等が生じにくくなる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、シート21の中間部21aに、長手方向沿って断続的に形成されたアンカー切込み目印21dを設けてもよい。この態様では、現場の状況に合わせてアンカー切込み目印21dを選択的に接続し、中間部21aに穿孔することができる。よって、基礎1に設けられたアンカーボルト(図示せず)を挿通する際にも、施工が容易になる。
なお、シート21の中間部21aを屋外側部21bや屋内側部21cと異なる材質を選択する場合には、中間部21aのみを半透明または透明の材質にしてもよい。
また、一部の材料を硬質材で構成する場合、例えば、屋外側部21bのみ、または屋内側部21cのみを用途に応じて硬質材で構成してもよい。
また、シール材20の突条パッキング22は、図2、図3等に示したように、基端部から傾斜して延びていることが好ましいが、本発明は、上記実施形態に限らず、シール材20として流通させる過程では、例えば、図6に示したように、シート21から垂直に起立した突条パッキング22を撓ませてもよい。
さらにまた、図7に示す構成を採用してもよい。図7の態様では、シート21の屋外側部21bは、基礎1の化粧モルタル3よりもさらに屋外側に突出し、地面に臨んでいる。そのため、この突出部分は、化粧モルタル3を伝って移動するシロアリ等を避ける蟻返しとして機能する。この態様において、少なくとも屋外側部21bの下面には、防蟻剤を練り込んでいることが好ましい。無論、シート21全体に防蟻剤を練り込んでいてもよい。
図7の態様を採用した場合には、シート21の屋外側部21bが屋外側に延びて地面に臨み、蟻返しとして機能する。
図7の態様を採用した場合には、シート21の屋外側部21bが屋外側に延びて地面に臨み、蟻返しとして機能する。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1 基礎
2 土台
3 化粧モルタル
4 断熱材
10 基礎構造体
20 シール材
21 シート
21a 中間部
21b 屋外側部
21c 屋内側部
21d アンカー切込み目印
22 突条パッキング
22a 基端部
22b 自由端部
A 下面(一方の面の一例)
B 上面(他方の面の一例)
2 土台
3 化粧モルタル
4 断熱材
10 基礎構造体
20 シール材
21 シート
21a 中間部
21b 屋外側部
21c 屋内側部
21d アンカー切込み目印
22 突条パッキング
22a 基端部
22b 自由端部
A 下面(一方の面の一例)
B 上面(他方の面の一例)
Claims (10)
- シートと、前記シートの長手方向に沿って前記シートと一体に形成される突条パッキングとを備え、建物の外周下部に施工された基礎と前記基礎に設置される土台との間に敷設される基礎用のシール材において、
前記突条パッキングは、前記シートの両面に少なくとも2条ずつ形成されているとともに、各突条パッキングは、前記シートに接合する基端部と、前記シートと分離した自由端部とを一体に有し、且つ可撓性のある材料で形成されている
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項1に記載の基礎用のシール材において、
前記突条パッキングは、それぞれが前記基端部から斜めに延びて前記自由端部が前記シートの表面に対向するように湾曲している
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項1または2に記載の基礎用のシール材において、
前記シートのうち、少なくとも幅方向において最も外側に配置された2条の突条パッキングの間に挟まれた中央部分は、前記突条パッキングと同じ可撓性の材料で形成されている
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項3に記載の基礎用のシール材において、
前記シートのうち、幅方向において最も外側に配置された2条の突条パッキングよりも外側の側縁部分は、前記突条パッキングよりも硬度の高い材料で形成されている
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の基礎用のシール材において、
前記シートは、全体が前記突条パッキングと同じ可撓性の材料で形成されている
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の基礎用のシール材において、
前記シートは、床下に臨むように前記基礎から屋内側に延びる蟻返し部を一体に有している
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項1から6の何れか1項に記載の基礎用のシール材において、
前記シートは、地面に臨むように前記基礎から屋外側に延びる蟻返し部を一体に有している
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 請求項1から6の何れか1項に記載の基礎用のシール材において、
前記シートは、前記基礎の側壁を外装する外装材の上端を覆うように前記基礎から屋外側に延びる見切り部を有している
ことを特徴とする基礎用のシール材。 - 建物の外周に施工される基礎と、
基礎の上部に載置される土台と
を備え、前記基礎と前記土台との間に請求項1から7の何れか1項に記載の基礎用のシール材を敷設し、
前記シール材に設けた突条パッキングは、全体が前記シートの表面に沿うように伸びている
ことを特徴とする基礎構造体。 - 請求項9に記載の基礎構造体において、
前記突条パッキングは、前記土台の中心を上下に通る中心線に対して対称形に配置されているとともに、各基端部が前記中心線を挟んで向かい合うように配置されている
ことを特徴とする基礎構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015047346A JP2016166500A (ja) | 2015-03-10 | 2015-03-10 | シール材および基礎構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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