JP5139500B2 - 固定子及び固定子の製造方法 - Google Patents
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なお、特許文献1にもレーザーを用いて鉄心材を溶接するといった類似の構成が開示されている。
上記の場合、その製造方法は、前記鉄心材に複数の貫通孔を形成すると共に当該貫通孔の両脇にボルト孔を形成し、前記鉄心材を複数枚積層して積層体を得た後に前記貫通孔に当該貫通孔の内径よりも小さく且つ前記積層体を貫通する結束筒体を挿入し、この結束筒体に挿入体を圧入させて前記結束筒体の内径を径方向に拡開して当該結束筒体の外周面を前記貫通孔の内周面に圧接させると共に、この結束筒体の前記積層体から突出した両端部を径方向へ拡開させて板状のポンチで圧潰することにより前記鉄心材同士を結束して仮止めし、仮止めした状態の積層体を前記積層体の端面と当接する部位に前記結束筒体の端部を逃がすザグリが形成されたケースに収納すると共に前記ボルト孔にボルトを挿入して前記ケースに固定するようにするとよい(請求項7の発明)。
まず図2は、鉄心材1の正面図を示している。この図に示すように、鉄心材1は、電磁鋼板を打ち抜くことにより、全体としては略円環状に形成されている。鉄心材1の内周側にはスロット2が複数形成されており、また外周側近傍には、複数の貫通孔3及びボルト孔4が形成されている。貫通孔3は、全周に亘って計9箇所形成され、ボルト孔4は前記貫通孔3の両脇に計18箇所形成されている。この鉄心材1は、複数枚積層されて円筒状とされるが、このとき前記貫通孔3及びボルト孔4が互いに軸方向に揃うように構成され、以って積層体5(図3(a)参照)とされる。
そして、図示はしないが、固定子11内に回転子が配置されると共に、ケース12の両端部に、前記回転子の回転子軸を支承する軸受を有する軸受ブラケットが配設され、以って回転電機が構成される。
また、貫通孔3を鉄心材1の外周側近傍に形成したので、固定子鉄心8の外周面は面一となり当該固定子鉄心8の外径寸法の精度を向上させることができる。
結束筒体6の積層体5から突出した両端部には、図5(図5では、一端部のみ図示)に示すように、断面カール状の抜止部20が形成されている。この抜止部20の先端は、積層体5の両端の鉄心材1に当接するようになっており、これにより一層確実に両端の鉄心材1の剥離を防止できる。
結束筒体6の外周面には、その長さ方向に亘って凹凸になるように形成された凹部30、及び凸部31が交互に形成されている。また、積層体5を構成する鉄心材1の貫通孔3は、前記結束筒体6の凹部30、及び凸部31に夫々対応するように、凹部30に対する小径孔32と、凸部に対する大径穴33とが形成され、これらが交互に積層されるようになっている。これにより、上記第1の実施例と同様な効果を得られると共に、何らかの理由で結束筒体6が抜けてしまい、結束力が低下してしまうような事態を防止できる。
結束筒体6の積層体5から突出した両端部には、抜止部の代わりに、前記結束筒体6を貫通する挿通孔40が形成されると共に、この挿通孔40に抜止ピン41(ピン)が前記結束筒体6に対して直交するように圧入、固定される構成となっている。この抜止ピン41は、挿通孔40に圧入、固定されることにより、その両端部が積層体5を構成する両端の鉄心材1の表面に当接し、以って両端の鉄心材1の剥離を防止することができる。このような構成においても、上記第1の実施例と同様な効果を得られる上、更に抜止ピン41を圧入するだけなので、作業効率を向上させることができる。
図8(a)に示すように、積層体5の貫通孔3内に挿入された結束筒体6は、積層体5の積層方向(図中上下方向)の両端部に対応する部分のみが拡開されていて(拡開部6b参照)、積層体5の積層方向(図中上下方向)の中央部に対応する部分は拡開されていない(非拡開部6c参照)。この場合、上下両端部の拡開部6bの外周面は貫通孔3の内周面に圧接しているが、非拡開部6cの外周面は、貫通孔3の内周面に当接していない。結束筒体6の積層体5から突出した両端部には、外側に押し曲げられたかしめ部45が複数箇所に形成されていて、このかしめ部45が、積層体5を構成する両端の鉄心材1の表面に当接している。これにより、積層体5を構成する両端の鉄心材1の剥離を防止し且つ複数の鉄心材1全体を確実に結束するようになっている。
また、図10(c)に示すように、外周面にローレット加工70を施した結束筒体71としたり、図10(d)に示すように、外周面を多角形(この場合、八角形)とする結束筒体80としたりしても、上記のような効果(面圧を上昇させる)を得ることができる。
また、鉄心材1を積層して積層体5とする際に、両端の鉄心材1に厚板(端板)や座金を宛がって、これらも一緒にケース12に固定するようにしてもよい。また、結束筒体6にボルト13を挿通し、以ってケース12に固定するようにしてもよい。
また、結束筒体6の形状は、上記変形例に限るものではなく、鉄心材1同士を結束できるならば特に限定するものではない。
また、鉄心材1に耳部(図示せず)を形成し、この耳部に結束筒体6を挿入する構成としてもよい。
Claims (7)
- 複数の貫通孔を有すると共に当該貫通孔の両脇にボルト孔を有する鉄心材を複数枚積層してなる積層体、及び前記貫通孔に挿入され拡開されることにより前記鉄心材同士を結束する結束筒体を有する固定子鉄心と、
前記固定子鉄心を収納するケースと、を備え、
前記固定子鉄心は、前記結束筒体の前記積層体から突出した両端部に、その一部または全部が径方向に拡開された抜止部が形成されると共に、当該抜止部に、板状のポンチにて圧潰された圧潰部が形成されて、前記複数枚の鉄心材同士が結束されて仮止めされ、その仮止めされた状態で前記ケースに収納されると共に前記ボルト孔にボルトが挿入されて前記ケースに固定され、
前記ケースには、前記積層体の端面と当接する部位に前記結束筒体の端部を逃がすザグリが形成されていることを特徴とする固定子。 - 前記結束筒体は、挿入体が圧入されて抜け切って拡開されることにより当該結束筒体の全外周面が前記貫通孔の内周面に圧接することを特徴とする請求項1記載の固定子。
- 前記結束筒体は、前記積層体の積層方向の両端部に対応する部分が拡開されていて、前記積層体の積層方向の中央部に対応する部分は拡開されていないことを特徴とする請求項1記載の固定子。
- 前記結束筒体は断面円形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の固定子。
- 前記結束筒体は断面C字状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の固定子。
- 前記結束筒体は断面多角形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の固定子。
- 複数の鉄心材を積層してなる積層体を有する固定子鉄心を備えた固定子の製造方法において、
前記鉄心材に複数の貫通孔を形成すると共に当該貫通孔の両脇にボルト孔を形成し、前記鉄心材を複数枚積層して積層体を得た後に前記貫通孔に当該貫通孔の内径よりも小さく且つ前記積層体を貫通する結束筒体を挿入し、この結束筒体に挿入体を圧入させて前記結束筒体の内径を径方向に拡開して当該結束筒体の外周面を前記貫通孔の内周面に圧接させると共に、この結束筒体の前記積層体から突出した両端部を径方向へ拡開させて板状のポンチで圧潰することにより前記鉄心材同士を結束して仮止めし、仮止めした状態の積層体を、前記積層体の端面と当接する部位に前記結束筒体の端部を逃がすザグリが形成されたケースに収納すると共に前記ボルト孔にボルトを挿入して前記ケースに固定するように構成したことを特徴とする固定子の製造方法。
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