JP5138332B2 - 難燃フェノール樹脂発泡体積層板とその製造方法 - Google Patents

難燃フェノール樹脂発泡体積層板とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築用断熱材、車両用断熱材、機器用断熱材等として使用される、フェノール樹脂発泡体の表面に面材が貼り合わされてなる難燃フェノール樹脂発泡体積層板とその製造方法に関する。
断熱材として用いられるフェノール樹脂発泡体積層板は、比較的脆い素材であるフェノール樹脂発泡体を傷付や外力による破損から保護するために、フェノール樹脂発泡体の片面或いは両面に面材を貼り合わせてなる。このような積層板は、走行する面材上にフェノール樹脂を含む未硬化の発泡性樹脂組成物を連続的に吐出し、その上をもう一枚の面材で被覆して連続積層体とし、次いでこの連続積層体を所定の温度に設定されたダブルコンベアで挟持通過せしめて、発泡性樹脂組成物を発泡硬化させることで製造することができる。
上記製造工程における面材の役割は、未硬化の発泡性樹脂組成物の支持体(下面材)及び被覆体(上面材)となり、連続的にダブルコンベアに移送せしめるものであり、これによって連続生産が可能になっているのである。
特許文献1には、合成繊維不織布を面材として用いることにより、フェノール樹脂の外表面への滲み出しを防止し、積層板の変色斑が少なく、面材の接着強度に優れたフェノール樹脂発泡体積層板が開示されている。
特許文献2には、フェノール樹脂発泡体の表面に低温吸熱物質を付着させることにより、難燃性を高める方法が開示されている。
特許第3523196号公報 特開2006−160858号公報
特許文献1に記載されたフェノール樹脂発泡体積層板において、芯材であるフェノール樹脂発泡体自体は、炭化し易くまた熱による溶融も見られず難燃性に優れている。しかしながら、面材である合成繊維不織布は、合成樹脂からなる素材であるため、フェノール樹脂に比べ燃えやすいものである。そのため、合成繊維不織布を面材として貼り合わせたフェノール樹脂発泡体積層板では、組み合わせて用いる面材によって積層体の表面は、フェノール樹脂発泡体自体に比べると難燃性が低下するという問題があった。
特許文献2に記載された方法では、発泡体に直接低温吸熱物質を付着させており、面材の難燃性向上にはつながらない。また、難燃性を高める効果がまだ不十分であり、特に、少量の付着では難燃性を高める効果は非常に小さい。また、付着物の密着性が不十分である為、粉落ちが見られたり、例えば、建築用断熱材用途では気密性テープの接着性が低下したり、ざらつきが見られる等の問題があった。更に、難燃性を高める為付着量を増やすと外観が劣ると共に、接着性の低下等も更に顕著となる。
また、フェノール樹脂発泡体から拡散されるホルムアルデヒドは人体への影響が問題視されており、係るホルムアルデヒドの拡散を低減する技術が要求されている。
本発明は、面材を用いたフェノール樹脂発泡体積層板において、外観を含め実用特性を損なうことなく、有機溶剤を用いることもなく、生産性良く、良好な難燃性を付与することを目的とする。さらに本発明においては、フェノール樹脂発泡体から拡散されるホルムアルデヒドを低減する手段が講じられたフェノール樹脂発泡体積層板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水に難溶性であるリン系難燃剤と、加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子とを用いる事により、外観を含め実用特性を損なうことなく、生産性良く、良好な難燃性をフェノール樹脂発泡体積層体に付与することが出来ることを見い出し本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明の第1は、フェノール樹脂発泡体を2枚の面材間に挟持してなる難燃フェノール樹脂発泡体積層板であって、
水に難溶性で分解温度が200℃以上のリン系難燃剤が上記面材の単位面積当たり0.5〜30g/m2
ホルムアルデヒド捕捉剤が上記面材の単位面積当たり0.05〜20g/m2
水に難溶性の有機高分子化合物が上記リン系難燃剤100重量部に対して2〜300重量部、
上記面材の表面及び面材中に存在し、
上記ホルムアルデヒド捕捉剤と有機高分子化合物の合計量が、上記リン系難燃剤100重量部に対して3〜400重量部であることを特徴とする。
本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板においては、
難燃フェノール樹脂発泡体積層板の密度が10〜150kg/m3以下であり、発泡体の独気率が60%以上、熱伝導率が0.036W/(m・K)以下であり、該発泡体が可燃性発泡剤を含有すること、
上記リン系難燃剤がポリリン酸アンモニウムであること、
を好ましい態様として含む。
本発明の第2は、上記本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液に、水に難溶性で分解温度が200℃以上のリン系難燃剤を分散させてなる塗工液を、2枚の面材の少なくとも1枚に塗布して加熱乾燥し、一方の面材上に、フェノール樹脂、発泡剤、硬化触媒からなる発泡性樹脂組成物を吐出し、該発泡性樹脂組成物の上面を他方の面材で被覆した後、該発泡性樹脂組成物を発泡硬化させて積層体を形成し、次いで、該積層体の面材を有する面の少なくとも一方に、ホルムアルデヒド捕捉剤が分散又は溶解した捕捉剤液を塗布して乾燥させることを特徴とする。
本発明の第3は、上記本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、
面材上に、フェノール樹脂、発泡剤、硬化触媒からなる発泡性樹脂組成物を吐出し、該発泡性樹脂組成物の上面を新たな面材で被覆して、該発泡性樹脂組成物を発泡硬化させた後、
加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液に、ホルムアルデヒド捕捉剤を分散又は溶解させ、さらに、水に難溶性で分解温度が200℃以上のリン系難燃剤を分散させてなる塗工液を、上記2枚の面材の少なくとも一方に塗布して加熱乾燥することを特徴とする。
本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法においては、
上記加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解された水溶液が、アクリル系ラテックス又はポリビニルアルコールの水溶液、もしくはこれらの混合液であること、
を好ましい態様として含む。
本発明によれば、外観を含め実用特性を損なうことなく、フェノール樹脂発泡体積層板の面材の難燃性が改善されることから、積層板全体の難燃性が向上する。よって、本発明による難燃フェノール樹脂発泡体積層板は、建築用断熱材、車両用断熱材、機器用断熱材等として好ましく使用される。また、本発明による難燃フェノール樹脂発泡体積層板は面材に難燃剤と同時にホルムアルデヒド捕捉剤が付与されているため、係る積層板から拡散されるホルムアルデヒドが低減され、安心して用いることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板は、フェノール樹脂発泡体を2枚の面材に挟持してなり、係る面材の表面及び面材内に難燃剤、有機高分子化合物及びホルムアルデヒド捕捉剤が付着している。本発明においては、有機高分子化合物を併用することによって難燃剤が面材に良好に付着している。
本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、従来のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法と基本的には同じであり、フェノール樹脂に発泡剤、硬化触媒を添加して混合し、発泡性樹脂組成物として、走行する面材上に連続的に吐出し、さらに上面を面材で被覆した後、発泡硬化を完了させてフェノール樹脂発泡体を製造するラミネート法を用いる。この場合、面材と発泡体の接着はフェノール樹脂自体の接着力によって行われ、接着剤を用いる必要はない。
本発明においては、係る製造方法において、予め面材に難燃剤を分散させた塗工液を塗布しておく(前塗布法)か、積層板を形成した後に難燃剤を分散させた塗工液を面材に塗布する(後塗布法)ことにより、面材に難燃性を付与する。さらに、本発明においては、前塗布方法を用いる場合には、フェノール樹脂を発泡させた後の積層板の面材にホルムアルデヒド捕捉剤が微分散又は溶解した捕捉剤液を塗布し、後塗布方法を用いる場合には、塗工液にホルムアルデヒド捕捉剤を添加することにより、ホルムアルデヒド捕捉作用を積層板に持たせる。
尚、本発明において塗工液や捕捉剤液を塗布する面材は、発泡体を挟持する2枚の面材の両方であっても、一方だけでも良い。
本発明において用いられる面材は、不織布、織布、紙などの通気性面材であり、好ましくは紙、不織布であり、更に好ましくは不織布であり、特に好ましくは合成繊維不織布である。合成繊維不織布の中でも、繊維径0.01〜3デニール、目付量(単位面積当たりの重量)が15〜80g/m2のものが好ましく用いられる。耐滲出性と接着性の点から、合成繊維不織布の繊維径は3デニール以下であることが好ましく、また、繊維径が0.01デニールより細くなると不織布製造上の工程が極端に複雑なものとなり好ましくない。より好ましくは0.01〜2.5デニールである。また、合成繊維不織布の目付量(単位面積当たりの重量)が15g/m2より小さくなると耐滲出性が劣ったものとなって好ましくなく、80g/m2を超えると、不織布として高価なものとなり、やはり経済性の面から好ましくない。
本発明に用いられる合成繊維不織布としては、特に限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミドなどの素材が好ましく、物性面からポリエステル製或いはポリプロピレン製の不織布が好適に用いられる。
本発明における樹脂原料であるフェノール樹脂は、公知の方法によりフェノールとホルムアルデヒドを原料として、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を触媒としてそれぞれ用いて40〜100℃の温度範囲で加熱して重合させて得られる。本発明で使用するレゾール型フェノール樹脂のフェノール類対アルデヒド類の出発モル比は、1:1〜1:4が好ましく、より好ましくは1:1.5〜1:2.0の範囲内である。このレゾール型フェノール樹脂には尿素、アミン類、アミド類、エポキシ化合物、単糖類、でんぷん類、ポバール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ラクトン類等の各種改質剤を添加して使用しても良い。レゾール型フェノール樹脂は、水分量を調整することにより、適正な粘度にして使用される。
発泡剤としては、常圧における沸点が−30〜100℃の範囲にある発泡剤、例えば、水、及びプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素及びシクロペンタン、ジクロルヘキサン等の環状脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、ジクロロジフルオロメタン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタン、モノクロロトリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類またはこれらの混合物等が挙げられる。また、気体状の発泡剤としては、例えば二酸化炭素、空気、窒素などのガスが挙げられる。
特に、非ハロゲン系である脂肪族炭化水素や環式脂肪族炭化水素、エーテル等の可燃性発泡剤を必須成分とし、不燃性ガスを併用する場合にも、非ハロゲン系の炭酸ガス、窒素、空気、ヘリウム、アルゴン等を混合した場合は、環境への影響が少なく、又、断熱性能をよくすることが出来る為好ましい。これら発泡剤は単体で用いても良く、2種以上の発泡剤を混合して用いても良い。
硬化触媒としては無機酸、有機酸等の酸性化合物が用いられるが、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の芳香族スルホン酸類が好適に用いられる。硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、o−メチロールフェノール、p−メチロールフェノール等を添加することもできる。さらに、硬化触媒、硬化助剤をジエチレングリコール等の溶媒に希釈して用いることもできる。
本発明に用いられる発泡性樹脂組成物の配合例としては、原料フェノール樹脂100重量部に対して、前述の硬化触媒を3〜40重量部、好ましくは5〜30重量部加えることが望ましい。触媒量が3重量部に満たない場合は発泡体の硬化が不十分となり、独立気泡率、機械的強度が劣ったものとなるので好ましくなく、また触媒量が40重量部を超えて添加されると、やはり発泡体の物性が劣ったものとなり、好ましくない。
上記発泡性樹脂組成物には、整泡のため、一般にフェノール樹脂発泡体の製造に使用される界面活性剤が使用されるが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的である。例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合物等が挙げられる。これら界面活性剤は、単独或いは複数のものを混合して使用される。その使用量についても、特に制限はないが、フェノール樹脂100重量部(水分量を除く樹脂分)に対して0.5〜10重量部の範囲で添加して使用される。界面活性剤の添加量が0.5重量部に満たないと界面活性剤の効果が十分でなく、独立気泡率が低く、機械的な強度が劣ったりする問題があり、また10重量部を超えて添加されても、界面活性剤の効果は、それ程向上することはなく、経済的に不利であったり、また発泡体が軟化し、機械的強度が不充分となったりするので好ましくない。好ましくは1〜5重量部である。
本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の密度は、小さすぎると圧縮強度等の機械的強度が小さくなり、取り扱い時に破損しやすくなり、大きすぎると断熱性能が低下する傾向がある。このため、発泡体の密度は、10〜150kg/m3が好ましく、15〜100kg/m3がより好ましい。
また、本発明の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の発泡体の独気率は、小さ過ぎると該発泡体に含まれる可燃性発泡剤が燃焼時に表面から放散され易く難燃性が悪くなりやすいと共に、断熱性能の経時低下が起き易くなる傾向がある。このため、発泡体の独気率は、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上100%以下が特に好ましい。
また、発泡体の熱伝導率は、高すぎると燃焼時に熱が該発泡体積層板の内部まで伝わる速度が速く内部に含まれる可燃性発泡剤が燃焼時に表面から放散され易く難燃性が悪くなりやすい為、好ましくは0.036W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.028W/(m・K)以下、望ましくは0.022W/(m・K)以下である。
本発明において、面材に塗布される難燃剤を分散させた塗工液は、加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液に、水に難溶性で分解温度が200℃以上のリン系難燃剤を分散させてなる。
本発明に用いられるリン系難燃剤は、水に難溶性で分解温度が200℃以上である。フェノール樹脂発泡体積層板に水に易溶性の難燃剤を用いると高湿度下で難燃剤が水分を吸着し易い為に湿潤状態になり易く、分解温度が低すぎると難燃効果が低く多量に塗布する必要が生じ外観等の特性が低下する。また、室温で液状の難燃剤では、べたつきを発生し汚れやすくなる為、好ましくない。よって、本発明に用いられるリン系難燃剤は、融点が50℃以上であり、20℃において水100g当り難燃剤100gを混合した時に水に溶解する難燃剤量が30g以下、好ましくは10g以下であり、分解温度が200〜600℃であるリン系化合物が好ましく用いられる。
本発明に用いられるリン系難燃剤としては、例えば、芳香族縮合エステル、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられ、これら化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。特に、ポリリン酸アンモニウムは高湿度下でも、フェノール樹脂発泡体積層板表面が水を吸着し難く、また難燃効果も高く特に好ましい。また、ポリリン酸アンモニウムの中でも、重合度が500以上の高分子量のものが特に好ましい。尚、ポリリン酸アンモニウムは、シリコーンやメラミン等で表面コーティングされていても良い。
本発明において、リン系難燃剤が、フェノール樹脂発泡体積層板の面材の表面及び面材中に存在する量は、少なすぎると難燃効果が不十分であり、多すぎると外観を含め実用特性を損なう為、面材の単位面積当たり0.5〜30g/m2が好ましく、より好ましくは1〜15g/m2、更に好ましくは2〜8g/m2である。
該リン系難燃剤の粒径は、大きすぎると均一に塗布しづらく、また、小さすぎると面材が白くなり面材に印刷された記号や絵柄等が見づらくなったり、塗工液調製時に飛散しやすくなる為、好ましくは、0.5〜500μm、更に好ましくは、2〜100μm、特に好ましくは5〜50μmである。
また、その他難燃剤として、例えば、ハロゲン系難燃剤や金属水酸化物、金属酸化物の様な金属化合物等を併用しても良いが、併用する場合には環境への影響が少なく高湿度下でフェノール樹脂発泡体積層板表面に潮解性を示し難い水に難溶性の水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の結晶水を有する金属水酸化物が好ましい。
本発明に用いられる、加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液とは、加熱乾燥前も後も水に難溶性の有機高分子化合物が微分散した水溶液、又は、加熱乾燥前は水に易溶性で、加熱乾燥後に水に難溶性になる有機高分子化合物が溶解した水溶液である。本発明においては、係る水溶液に難燃剤を分散させてなる塗工液を面材に塗布した後、加熱乾燥させて難燃剤と有機高分子化合物を面材に付着させるため、面材の表面及び面材内に付着した有機高分子化合物は水に難溶性である。
具体的には、例えば、各種ラテックスやポリビニルアルコールの水溶液などが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。ラテックスとしては、例えば、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックス、アクリル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、塩化ビニリデンラテックスが挙げられる。また、ラテックス及びケン化度が85mol%以上のポリビニルアルコールの水溶液は、高湿度下でもフェノール樹脂発泡体積層板表面が湿潤状態になり難いことから好ましく、中でもケン化度が95mol%以上のポリビニルアルコールの水溶液は、高湿度下でもフェノール樹脂発泡体積層板表面が乾燥状態を保ち易くかつ塗工設備が塗工液で汚れた時には熱水で容易に洗浄できる為、特に好ましい。
本発明における加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物は、難燃剤に対しあまり少なすぎると難燃剤の固定が不十分になり易く、又、多すぎると有機高分子化合物自体が可燃物で難燃性が低下し易い為、難燃剤100重量部に対して2〜300重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましく、10〜50重量部が特に好ましい。
本発明においては、上記した、加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液に、前記リン系難燃剤を分散させて塗工液を調製し、該塗工液を面材に塗布し、加熱乾燥させる。
尚、本発明において、後塗布法によって塗工液を塗布する場合には、塗工液にホルムアルデヒド捕捉剤を塗工液に添加する。
本発明に用いられるホルムアルデヒド捕捉剤は、少量で効率よくホルムアルデヒドを捕捉でき、塗布しても外観を悪くする事がなく、リン系難燃剤及び有機高分子化合物を含有している水溶液に加えても水溶液の安定性も高い等のことより、ホルムアルデヒドと反応する化合物であり、例えば分子内にアミノ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、ヒドラジド基を有する化合物、アジン基有する化合物、アゾール基を有する化合物などが挙げられる。これらホルムアルデヒド捕捉剤は単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いても良い。入手し易さや価格等から分子内にアミノ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、ヒドラジド基を有する化合物が好ましい。
アミノ基を含有する化合物としては、二重結合を有するアミン重合体及び誘導体、二重結合を有するアミン共重合体及び誘導体、ポリアミン及び誘導体、アルギニンなどのアミノ酸類、グアニジン及びグアニジン誘導体、メラミン誘導体などが挙げられる。また、アミド基を含有する化合物としては、二重結合を有するアミド重合体及び誘導体、二重結合を有するアミド共重合体及び誘導体、尿素及び尿素誘導体、ジシアノジアミド及びジシアノジアミド誘導体、セミカルバジド及びセミカルバジド誘導体、バルビツル酸、などが挙げられる。そして、イミド基を有する化合物としては、二重結合を有するイミド化合物の重合体及び誘導体、二重結合を有するイミド化合物の共重合体及び誘導体、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドなどがある。さらに、イミノ基を有する化合物としては、二重結合を有するイミン化合物の重合体及び誘導体、二重結合を有するイミン化合物の共重合体及び誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体などが挙げられる。ヒドラジン基を有する化合物としてはヒドラジン塩化合物、アルキルヒドラジン、フェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン誘導体などが挙げられる。ヒドラジド基を有する化合物としてはサリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなどのカルボン酸ヒドラジドが挙げられる。
これら、ホルムアルデヒドと反応する化合物の中でも、水への溶解性が低い化合物は、高湿度下でも難燃フェノール樹脂発泡体積層板表面に水分が吸着され難く気密性テープの密着性が低下するような事も無い為、20℃における水への溶解度が水100g当り100g以下である化合物がより好ましく、水100g当り30g以下である化合物が特に好ましい。尚、ホルムアルデヒド捕捉剤は前記リン系難燃剤及び前記有機高分子化合物と共に水溶液に溶解又は微分散して塗布するが、水に不溶性の化合物であっても例えばラテックスのような状態で水に微分散させる事によりフェノール樹脂発泡体積層板表面に均質に塗布することが可能である。
尚、前塗布法により、面材に予めリン系難燃剤と有機高分子化合物を付着させておき、発泡体の発泡後に積層板の面材に別途ホルムアルデヒド捕捉剤を付着させる場合には、上記に挙げたホルムアルデヒド捕捉剤を、水溶性の場合には水溶液にして、水に不溶性の場合には水に分散させて捕捉剤液を調製し、塗布すればよい。
ホルムアルデヒド捕捉剤の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の面材の表面及び面材中に存在する量は、少なすぎるとホルムアルデヒドの捕捉力が不足し易く、又、多すぎるとホルムアルデヒド捕捉剤も前記有機高分子化合物ほどではないが難燃性を低下させ易い傾向があると共に、外観を悪くする傾向も若干有するため、面材の単位面積当たり0.05〜20g/m2が好ましく、0.1〜10g/m2がより好ましく、0.2〜5g/m2が特に好ましい。
さらに、本発明に用いられるホルムアルデヒド捕捉剤と有機高分子化合物の合計量は、リン系難燃剤の固定効果及びホルムアルデヒドの捕捉効果を十分発揮すると共に、有機高分子化合物が可燃性を有し、ホルムアルデヒドも該有機高分子化合物ほどではないが難燃性を低下させ易い傾向があるため、これらが多すぎると難燃効果が低下し易いことから、リン系難燃剤100重量部に対して、3〜400重量部であり、好ましくは7〜250重量部、より好ましくは12〜150重量部である。
本発明のリン系難燃剤、有機高分子化合物を含む塗工液には、前記の成分の他に、必要に応じて種々の添加剤、例えば、防腐剤、増粘剤、分散剤、浸透剤、着色剤、タレ防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、増量剤、モノ、ジ、トリペンタエリスリトールなどの多価アルコール、界面活性剤等を難燃性や外観等を損なわない範囲で添加してもよい。
面材に上記塗工液を塗布する方法は、通常一般的に用いられている方法で塗布することができる。例えば、はけ塗布、ローラーブラシ塗布、スプレー塗布、ロール塗布、含浸塗布、カーテンフロー塗布等の通常一般的に用いられている方法である。塗工液の粘度、各成分の濃度や塗布量、塗工速度により適性な塗布方式を選択して塗布し、その後、加熱乾燥工程で水分を蒸発させ、リン系難燃剤、有機高分子化合物、ホルムアルデヒド捕捉剤等を面材に付着させる。
面材に塗布する塗工液に含まれる各成分の種類、濃度を変えると共に塗布量を変えることにより、面材に塗布される各成分、成分比、塗布量を変え、目的とする難燃剤等成分、成分比、付着量の面材を製造することができる。工業的製造では、塗工液を面材に自動塗工機で塗布し、連続して乾燥設備で乾燥し、目的量のリン系難燃剤、有機高分子化合物を面材の表面及び面材中に付着させる方法が好ましい。
また、前塗布法においては、ホルムアルデヒド捕捉剤が分散又は溶解した捕捉剤液に含まれるホルムアルデヒド捕捉剤の種類や濃度、塗布量を変えることにより、面材に付着するホルムアルデヒド捕捉剤の種類や付着量を変えることができる。また、捕捉剤液は上記塗工液と同様の塗布方法を用いて塗布することができ、自動塗工機、乾燥機を用いて両面、或いは片面ずつ塗布、乾燥しても、手塗り等により塗布した後、乾燥機で乾燥させても良い。
尚、本発明においては、積層板の両面ともに、リン系難燃剤が表面及び面材中に存在する面材を用いる事が好ましいが、後加工で片面に鋼板を接着したり、片面にセメント層をつけるなど片面のみに高い難燃性が求められる場合には、係る面に本発明に係るリン系難燃剤を含まない面材を用いてもかまわない。このように、一方の面材にのみリン系難燃剤を付着させた積層板を前塗布法で製造する場合、発泡性樹脂組成物を吐出する面材と、該組成物を被覆する面材のどちらに塗工液を塗布してもかまわない。
次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例中のフェノール樹脂発泡体積層板の性質は以下のようにして測定し、評価した。
(1)難燃フェノール樹脂発泡体積層板の密度(JIS K 7222準拠法)
フェノール樹脂発泡体積層板から、面材の付いた状態で20cm角の大きさに全厚み方向に切り出した物について質量及び体積を測定し、質量と体積よりフェノール樹脂発泡体の密度を算出した。
(2)独立気泡率(ASTM−D−2856準拠法)
難燃フェノール樹脂発泡体積層板を縦、横両方向に3分割し、分割した各領域の位置中央から20mm×20mm×厚み25mmの大きさにサンプルを切り出し、発泡部を傷つけないように面材を剥がし、エアーピクノメーター(東京サイエンス社、商品名「MODEL1000」)を使用して連続気泡部を除いた独立気泡部分の体積を測定して次式により独立気泡率を求め、5点の独立気泡率の平均値を発泡体の独立気泡率とした。尚、厚みが25mm未満の場合は原寸厚みのままとし、面材を剥がして測定した。
独立気泡率(%)=(独立気泡部体積(cm3)/フェノール樹脂発泡体の見かけの体積(cm3))×100
(3)難燃フェノール樹脂発泡体積層板の熱伝導率(JIS A 1412−2準拠法)
難燃フェノール樹脂発泡体積層板を大きさ300mm×300mmで、厚みが20〜25mmで均一な厚みに切断し、発泡部を傷つけないように面材を剥がし、試験体1枚・対称構成方式の測定装置(英弘精機社、商品名「HC−074・304」)を用い、33℃に温調された加熱板と13℃に温調された冷却熱板の間に挟み、試験体温度差20℃、試験体平均温度23℃で測定した。尚、厚みが20mm未満の場合は複数枚重ねて20〜25mmで均一な厚みとなるようにして測定した。
(4)難燃性(JIS K 6911−1955準拠法)
JIS K 6911の耐燃性5.24.1A法に準拠し、試験片は、試料の表層より面材を含め10±0.5mm厚みに切り出し、端(自由端)から15mm、20mm及び25mmの個所に標線を付し、面材を有する面を下側面とし試験を行った。試験片は、5片とし、結果が一致しない時は、最も良い結果と最も悪い結果を除き、3片の結果にて評価する。尚、3片の結果も一致しない時は、3片の中で最も燃焼した結果をもって評価結果とした。
評価は、下記の基準により行った。
◎:炎を取り去り、1秒以内に消火し、且つ、燃焼距離が15mm以下
○:炎を取り去り、1秒以内に消火し、且つ、燃焼距離が20mm以下
△:炎を取り去り、1秒以内に消火し、且つ、燃焼距離が25mm以下
×:燃焼距離が25mmを超えるか、炎を取り去った後も1秒を超え燃焼を継続
(5)接着力
気密テープの接着性を持って評価を行った。100mm角に切断した25mm厚みの難燃フェノール樹脂発泡体積層板に、幅25mm、長さ70mmに切断後、長手方向の端10mmを接着面側に折り返し、粘着部を長さ50mmとした気密防水用片面テープ(光洋化学社、エースクロス011黒)を難燃フェノール樹脂発泡体積層板片面の面材中央に貼り付ける。
気密テープを接着した面を下面とし、水に浮かべ、23℃に72時間保持する。その後、気密テープの接着力の変化を下記の評価基準で評価した。
◎:十分強い試験前接着力を有し、浸漬試験後も接着力の低下は見られない。
○:十分強い試験前接着力を有し、浸漬前に比べ僅かな接着力の低下が見られるが浸漬試験後も強い接着力を有する。
△:強い試験前接着力を有するが、浸漬試験後は、浸漬前に比べ明らかな接着力の低下が見られる。しかし、気密テープ端部(折り返し部)を持ちフォームを持ち上げても剥離は起きない。
×:強い試験前接着力を有するが、浸漬試験後は、部分的な剥離の発生が見られるか、又は、気密テープ端部(折り返し部)を持ちフォームを持ち上げると剥離が発生する。または、浸漬試験前の接着時に既に気密テープの接着力が非常に弱い。
(6)ホルマリン放散速度:(JIS A 1901−2003準拠法)
難燃フェノール樹脂発泡体積層板のホルムアルデヒド放散速度はJIS A 1901の小型チャンバー20L法に準じて行った。
試験片は両面に面材を有する状態で寸法165×165mm角に切り出し、表裏両面共147×147mmを残し、切断面と試験片外周部をアルミテープでシールし、暴露面積がほぼ0.044m2となるように準備した。換気回数は、0.5回/hrとなるように設定し、7日目に捕集管(ジーエルサイエンス社、商品名「GL−Pak mini AERO DNPH」)により容器より排出される空気を10L捕集し、アセトニトリルでホルマリンを抽出し、360nmの検出波長で、高速液体クロマトグラフにより分析しホルマリン放散速度を測定し、下記の判断基準で評価した。
◎:3μg/(m2・h)以下
○:3μg/(m2・h)を超えて5μg/(m2・h)以下
△:5μg/(m2・h)を超えて10μg/(m2・h)未満
×:10μg/(m2・h)以上
(7)外観
難燃剤を分散させた塗工液を塗布した面材を用いる事により、表面にざらつき感や粉落ち等の商品価値を低下させる現象が発生するかを評価した。
塗工液を塗布していない面材を用いたフェノール樹脂発泡体積層板と塗布した面材を用いた難燃フェノール樹脂発泡体積層板を比較し、下記の判断基準で評価した。尚、比較例については、塗工液を塗布していない面材を用いたフェノール樹脂発泡体積層板の面材に比較例の塗工液を塗布したものについて評価した。
◎:外観、手触り共に難燃剤塗工品と難燃剤無塗工品に差が見られない。
○:難燃剤塗工品と難燃剤無塗工品を並べて比較すると僅かに表面にざらつき感に差が見られるが、別々に見ると差がわからない程度である。
△:手触りに難燃剤塗工品は、難燃剤無塗工品に比べ若干ざらつき感があるか、又は、若干の粉落ちが見られる。
×:外観、手触り共に難燃剤塗工品と難燃剤無塗工品に明らかな差が見られ、難燃剤塗工品は、明らかなざらつき感を有するか、又は、粉落ちが見られる。
(8)洗浄性
難燃剤を分散させた塗工液の面材への連続塗工時に、飛散した塗工液により汚れた塗工・乾燥機のメンテナンス性を評価した。
ステンレス製ボルト(M16×1.5、長さ70mm、有効ネジ長さ38mm、材質SUS304)のネジ部に塗工液を繰り返し塗布・乾燥し、ほぼ均一に2±0.2g塗りつけた。尚、乾燥温度は実施例及び比較例と同じ温度時間とした。また、粉体のまま塗布した例については、例における塗布方法を繰り返し、2±0.2g塗りつけ、ネジ部に塗布できなかったものについては、評価を行わず評価不可とした。
下記の判断基準で評価した。
◎:95℃の温水に20分間浸漬後に、ネジ部に塗工された膜が膨潤し剥離してくるか、又は、95℃の温水に20分間浸漬後、速やかに40℃温水中に移し、歯ブラシ(サンスター社、商品名「オーラツー」かため)により擦ることにより容易にネジ部に塗工された膜が剥がせる。
○:95℃の温水に20分間浸漬後、速やかに40℃温水中に移し、歯ブラシにより擦ることによりネジ部に塗工された膜を完全には剥がせないが、真鍮ブラシ(エスコ社・品番EA109DD−3、毛長15mm)により擦る事により、容易に剥がせる。
△:95℃の温水に20分間浸漬後、速やかに40℃温水中に移し、歯ブラシにより擦ることによりネジ部に塗工された膜は剥げず、真鍮ブラシにより強く擦る事により、剥がせる。
×:95℃の温水に20分間浸漬後、速やかに40℃温水中に移し、真鍮ブラシにより強く擦る事によってもネジ山内に膜の一部が残る。
−:ネジ部に塗布できず評価不可
以下の実施例及び比較例で用いたフェノール樹脂、ポリビニルアルコール水溶液は以下のようにして準備した。
<フェノール樹脂の合成>
反応器に37重量%ホルムアルデヒド(和光純薬社、試薬特級)5,000gと99%フェノール(和光純薬社、試薬特級)3,000gを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで、50重量%水酸化ナトリウム水溶液を60g加え、反応液を40℃から85℃に上昇させ、110分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却した。これをフェノール樹脂Aとした。
一方、別の反応器に37重量%ホルムアルデヒド1,080gと水1,000gと50重量%水酸化ナトリウム水溶液78gを加え、尿素(和光純薬社、試薬特級)1,600gを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで、反応液を40℃から70℃に上昇させ60分間保持した。これをメチロール尿素Uとした。次に、8,060gのフェノール樹脂Aにメチロール尿素Uを1,350g混合して液温度を60℃に上昇させ1時間保持した。次いで反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50重量%水溶液でpHを6に中和した。この反応液を、60℃で脱水処理して粘度及び水分量を測定したところ、40℃における粘度は5,700mPa・s、水分量は5重量%であった。これをフェノール樹脂A−U−1とした。
次に、60℃での脱水処理時間を変えた以外は、フェノール樹脂A−U−1と同様にし、フェノール樹脂A−U−2を得た。フェノール樹脂A−U−2の40℃における粘度は1,000mPa・s、水分量は9重量%であった。
<ポリビニルアルコール水溶液の調製>
ポリビニルアルコール水溶液−1:完全ケン化型ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社、商品名「JF−17」、ケン化度98〜99mol%)100重量部に対して、精製水900重量部を加え、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、23℃で30分保持した後、1℃/分の昇温速度で95℃まで昇温し、95℃に60分保持し、ポリビニルアルコールを溶解した。その後、室温まで冷却し、ポリビニルアルコール水溶液−1(以下の実施例ではPVA−1と略す)を準備した。
ポリビニルアルコール水溶液−2:部分ケン化型ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社、商品名「KH−17」、ケン化度78.5〜81.5mol%)を用いた以外は、ポリビニルアルコール水溶液−1と同様にして、ポリビニルアルコール水溶液−2(以下の実施例ではPVA−2と略す)を準備した。
<フェノール樹脂発泡体積層板の作製>
〔フェノール樹脂発泡体積層板−1〕
フェノール樹脂A−U−1:100重量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF社、商品名「プルロニックF127」)を4重量部の割合で混合した。次に、フェノール樹脂分100重量部に対して、発泡剤としてノルマルペンタンを8重量部、硬化触媒としてキシレンスルホン酸(テイカ社、商品名「テイカトックス110」)80重量%とジエチレングリコール20重量%の混合物10重量部を、15℃に温調したピンミキサーに連続的に供給し一様に攪拌した。硬化反応中に発生する水分を外部に放出できるように設計し、内側に予め面材としてポリエステル製不織布(旭化成せんい社、商品名「スパンボンドE01040」)を貼り付けた厚み25mm×400mm×400mmの型枠に、ミキサーから出てきた混合物110g流し込み、80℃のオーブンにて2時間保持して厚み25mm、長さ400mm、幅400mmのフェノール樹脂発泡体積層板−1(以下、積層板−1と略す。)を作製した。
〔フェノール樹脂発泡体積層板−2〕
発泡条件を、95℃で2時間とする以外は積層板−1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板−2(以下、積層板−2と略す。)を作製した。
〔フェノール樹脂発泡体積層板−3〕
フェノール樹脂A−U−2を用い、発泡条件を95℃で2時間とする以外は積層板−1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板−3(以下、積層板−3と略す。)を作製した。
参考例1)
ポリリン酸アンモニウム(CBC社、商品名「FR CROS484」、重合度1000以上、平均粒径(d50)18μm)(以下の実施例ではCROS484と略す):8重量部、PVA−1:10重量部、ホルムアルデヒド捕捉剤6重量%含有水溶液(三木理研社、商品名「リケンレジンFC−8G」)(以下の実施例ではFC−8Gと略す):100重量部、精製水:118重量部を十分混合し、塗工液を調製した。尚、ポリリン酸アンモニウム微粉末が沈降しないよう密閉容器に入れ、塗布直前までロータリースターラーで攪拌を継続した。
積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液23.6g/m2を刷毛で塗布後、120℃乾燥機で2分乾燥させ、単位面積当たり固形分1.5g/m2を各面材に付着させた。得られた積層板(以下、難燃積層板と略す。)について、密度、独立気泡率、熱伝導率、難燃性、接着力、ホルマリン放散速度、外観、洗浄性を評価した。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例2)
CROS484:15重量部、PVA−1:30重量部、FC−8G:100重量部、精製水:145重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液29.0g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分2.4g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例3)
CROS484:15重量部、アクリルラテックス(旭化成ケミカルズ社、商品名「ポリトロンE−390M」、固形分濃度50%)(以下の実施例ではラテックス390Mと略す):20重量部、尿素(和光純薬社 特級試薬):30重量部、精製水:65重量部を用い塗工液を調製し、積層板−2の面材を有する各々の面に、塗工液13.0g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分5.5g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例4)
CROS484:15重量部、PVA−1:100重量部、FC−8G:100重量部を用い塗工液を調製し、積層板−3の面材を有する各々の面に、塗工液21.5g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分3.1g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
参考例5)
CROS484:18重量部、ラテックス390M:52重量部、ホルムアルデヒド捕捉剤28重量%含有水溶液(三木理研社、商品名「リケンレジンFC−478」)(以下の実施例ではFC−478と略す):107重量部、精製水:177重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液35.4g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分7.4g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例6)
CROS484:25重量部、PVA−1:50重量部、FC−8G:50重量部、精製水:125重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液25.0g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分3.3g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例7)
シランで表面処理したポリリン酸アンモニウム(CBC社、商品名「FR CROS486」、重合度1000以上、平均粒径(d50)18μm):40重量部、PVA−1:40重量部、ラテックス390M:8重量部、FC−8G:100重量部、精製水:188重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液37.6g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分5.4g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例8)
CROS484:40重量部、PVA−1:30重量部、ラテックス390M:24重量部、FC−8G:100重量部、精製水:194重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液38.8g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分6.1g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例9)
メラミン樹脂でコーティングしたポリリン酸アンモニウム(CBC社、商品名「TERRAJU C−80」、重合度1000以上、平均粒径(d50)19μm):40重量部、水酸化アルミニウム(巴工業社、商品名「B−315」):20重量部、PVA−1:150重量部、ラテックス390M:10重量部、FC−8G:100重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液32g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分8.6g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例10)
メラミン樹脂でコーティングしたポリリン酸アンモニウム(CBC社、商品名「FR CROS487」、重合度1000以上、平均粒径(d50)18μm):70重量部、PVA−1:600重量部、FC−478:143重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液81.3g/m2を塗布し、120℃乾燥機で4分乾燥させ、単位面積当たり固形分17g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
参考例11)
CROS484:200重量部、PVA−2:90重量部、FC−8G:13.3重量部、精製水:303.3重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液60.7g/m2を塗布し、120℃乾燥機で4分乾燥させ、単位面積当たり固形分20.98g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
参考例12)
CROS484:8重量部、ラテックス390M:2重量部、精製水:190重量部を十分混合し、塗工液を調製した。尚、ポリリン酸アンモニウム微粉末が沈降しないよう密閉容器に入れ、塗布直前までロータリースターラーで攪拌を継続した。
ポリエステル製不織布(旭化成せんい社、商品名「スパンボンドE01040」、以下、面材1040と略す。)に塗工液を単位面積当たり20.0g/m2刷毛で塗布後、120℃乾燥機で2分乾燥させ、単位面積当たり固形分0.9g/m2を面材に付着させた。硬化反応中に発生する水分を外部に放出できるように設計した厚み25mm×400mm×400mmの型枠の内側に上記面材を貼り付け、発泡用型枠を準備した。
フェノール樹脂A−U−1:100重量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF社、商品名「プルロニックF127」)を4重量部の割合で混合した。次に、フェノール樹脂分100重量部に対して、発泡剤としてノルマルペンタンを8重量部、硬化触媒としてキシレンスルホン酸(テイカ社、商品名「テイカトックス110」)80重量%とジエチレングリコール20重量%の混合物10重量部を、15℃に温調したピンミキサーに連続的に供給し一様に攪拌し、準備された発泡用型枠にミキサーから出てきた混合物110g流し込み、80℃のオーブンに2時間保持して、厚み25mm、長さ400mm、巾400mmのフェノール樹脂発泡体積層板(難燃積層板)を得た。
更に、FC−8G:100重量部、精製水:100重量部を十分混合して捕捉剤液を作製し、得られた難燃積層板の面材を有する1面に捕捉剤液を単位面積当たり26.7g/m2刷毛で塗布後、120℃乾燥機で2分乾燥させ、単位面積当たり捕捉剤固形分0.8g/m2を面材に付着させた。難燃積層板の他方の面材を有する面にも同様にして捕捉剤を付着させた。
得られた難燃積層板について、参考例1と同様に評価した。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例13)
CROS484:25重量部、PVA−1:50重量部、精製水:225重量部を用い塗工液を調製し、面材1040に30.0g/m2塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分3.0g/m2を面材に付着させた以外は、参考例12と同様にして難燃積層板を得た。更に、FC−8Gを補足剤液として、得られた難燃積層板の面材を有する各々の面に、25.0g/m2塗布・乾燥し、単位面積当たり補足剤固形分1.5g/m2を面材に付着させた以外は、参考例12と同様にして積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(実施例14)
CROS486:40重量部、PVA−1:40重量部、ラテックス390M:4重量部、精製水:252重量部を用い塗工液を調製し、面材1040に33.6g/m2塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分4.6g/m2を面材に付着させた以外は、参考例12と同様にして難燃積層板を得た。更に、FC−8G:100重量部、精製水100重量部を十分混合して補足剤液を調製し、得られた難燃積層板の面材を有する各々の面に、20.0g/m2塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分0.6g/m2を面材に付着させた以外は、参考例12と同様にして積層板を得、評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例1)
積層板−1の面材を有する各々の面に炭酸水素ナトリウム(和光純薬社、試薬特級)を単位面積当たり30.0g/m2になるように、粉体の状態でブラシ(エスコ社、品番EA928AG−17)で刷り込み塗布した。得られた難燃積層板について、参考例1と同様に評価した。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例2)
CROS484:15重量部、精製水:115重量部を用い塗工液を作製し、積層板−2の面材を有する各々の面に、塗工液13.0g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分1.5g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。尚、難燃性は、他の例と比べ、バラツキが大きく燃焼距離が15mm以下が1点、燃焼距離が15mmを超え、20mm以下が1点、燃焼距離が20mmを超え、25mm以下が3点であった。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例3)
CROS484:4重量部、PVA−1:10重量部、FC−8G:100重量部、精製水:114重量部を用いて塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液22.8g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分1.1g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例4)
CROS484:350重量部、PVA−1:70重量部、FC−8G:100重量部、精製水:100重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液62.0g/m2を塗布し、120℃乾燥機で4分乾燥させ、単位面積当たり固形分36.3g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして難燃積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例5)
CROS484:15重量部、PVA−1:2.5重量部、FC−8G:100重量部、精製水:57.5重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液17.5g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分2.125g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例6)
CROS484:15重量部、ラテックス390M:110重量部、FC−8G:100重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液22.5g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分7.6g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例7)
CROS484:15重量部、PVA−1:150重量部、FC−8G:6.7重量部、精製水:28.3重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液20.0g/m2を塗布・乾燥し、単位面積当たり固形分3.04g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
(比較例8)
CROS484:15重量部、PVA−1:70重量部、FC−478:1214重量部を用い塗工液を調製し、積層板−1の面材を有する各々の面に、塗工液65.0g/m2ずつ2回塗布し、120℃乾燥機で4分乾燥させる操作を繰り返し、単位面積当たり固形分36.2g/m2を各面材に付着させた以外は、参考例1と同様にして積層板を得、評価を行った。構成を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 0005138332
Figure 0005138332
本発明の難燃フェノール樹脂発泡積層板は、建築用断熱材、車両用断熱材、機器用断熱材等として使用される。

Claims (7)

  1. フェノール樹脂発泡体を2枚の面材間に挟持してなる難燃フェノール樹脂発泡体積層板であって、
    水に難溶性で分解温度が200℃以上で粒径が2〜100μmのリン系難燃剤が上記面材の単位面積当たり1〜15g/m
    ホルムアルデヒド捕捉剤が上記面材の単位面積当たり0.05〜20g/m
    水に難溶性の有機高分子化合物が上記リン系難燃剤100重量部に対して5〜100重量部、
    上記面材の表面及び面材中に存在し、
    上記ホルムアルデヒド捕捉剤と有機高分子化合物の合計量が、上記リン系難燃剤100重量部に対して〜400重量部であることを特徴とする難燃フェノール樹脂発泡体積層板。
  2. 難燃フェノール樹脂発泡体積層板の密度が10〜150kg/m以下であり、
    発泡体の独気率が60%以上、熱伝導率が0.036W/(m・K)以下であり、該発泡体が可燃性発泡剤を含有する請求項1に記載の難燃フェノール樹脂発泡体積層板。
  3. 上記リン系難燃剤が、重合度が500以上のポリリン酸アンモニウムである請求項1又は2に記載の難燃フェノール樹脂発泡体積層板。
  4. 上記面材が、ポリエステル、ポリプロピレン及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも一種を含む合成繊維不織布である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃フェノール樹脂発泡体積層板。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、
    加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液に、水に難溶性で分解温度が200℃以上のリン系難燃剤を分散させてなる塗工液を、2枚の面材の少なくとも1枚に塗布して加熱乾燥し、一方の面材上に、フェノール樹脂、発泡剤、硬化触媒からなる発泡性樹脂組成物を吐出し、該発泡性樹脂組成物の上面を他方の面材で被覆した後、該発泡性樹脂組成物を発泡硬化させて積層体を形成し、次いで、該積層体の面材を有する面の少なくとも一方に、ホルムアルデヒド捕捉剤が分散又は溶解した捕捉剤液を塗布して乾燥させることを特徴とする難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、
    面材上に、フェノール樹脂、発泡剤、硬化触媒からなる発泡性樹脂組成物を吐出し、該発泡性樹脂組成物の上面を新たな面材で被覆して、該発泡性樹脂組成物を発泡硬化させた後、
    加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解した水溶液に、ホルムアルデヒド捕捉剤を分散又は溶解させ、さらに、水に難溶性で分解温度が200℃以上のリン系難燃剤を分散させてなる塗工液を、上記2枚の面材の少なくとも一方に塗布して加熱乾燥することを特徴とする難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
  7. 上記加熱乾燥後に水に難溶性の有機高分子化合物が微分散又は溶解された水溶液が、アクリル系ラテックス又はポリビニルアルコールの水溶液、もしくはこれらの混合液である請求項又はに記載の難燃フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
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