JP2001322195A - 防水層を積層した発泡型防火性積層体 - Google Patents

防水層を積層した発泡型防火性積層体

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JP2001322195A
JP2001322195A JP2000140852A JP2000140852A JP2001322195A JP 2001322195 A JP2001322195 A JP 2001322195A JP 2000140852 A JP2000140852 A JP 2000140852A JP 2000140852 A JP2000140852 A JP 2000140852A JP 2001322195 A JP2001322195 A JP 2001322195A
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compound
foam
layer
type fire
rubber
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Application number
JP2000140852A
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English (en)
Inventor
Toru Nakajima
亨 中島
Ryuji Fukuda
竜司 福田
Taizo Aoyama
泰三 青山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱により膨張、発泡した炭化層を形成する
ことにより、可燃物を防火したり、煙、炎、燃焼により
発生するガス等の外部への流出を防いだりする効果を有
する防火性の加熱膨張層と、その炭化層形成力が湿気や
水によって損なわれないために、防水層を積層した発泡
型防火性積層体を提供する。 【解決手段】 加熱発泡層と防水層よりなる積層体であ
り、加熱発泡層が熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材料に
リン化合物と多官能アルコールを含有してなる発泡型防
火組成物よりなる層であることを特徴とし、水蒸気バリ
アー性の高い防水層を積層した発泡型防火性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防水層を積層した発
泡型防火性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建造物の防火性能を高める目
的で、建造物の梁、鉄骨柱、仕切壁等を耐火性材料で被
覆することが行われてきた。現在の耐火被覆は半湿式の
耐火材(ロックウール等)を吹き付けるのが主流であ
る。しかし、この方法は作業時に材料が発散し易く、そ
の防止のために養生が必要であり、作業面の安全面でも
高所作業などの課題が残されていた。また、これらの課
題を解決する手段としてセラミック等の無機化合物と不
織布等による耐火・防火シートも各種提案されている。
しかし、扉等の開口部周辺の運動性を有する部位には、
これら耐火・防火シートは伸縮性が乏しく変位追従性が
著しく劣るため、使用に適していなかった。
【0003】また特開平9−27716号公報には、熱
可塑性樹脂とリン化合物、中和処理された熱膨張性黒
鉛、無機充填材よりなる熱膨張性を有する耐火性樹脂組
成物が提案されている。このような樹脂組成物はシート
状に成形でき、簡便に耐火被覆できるが、加熱により膨
張、発泡した炭化層の形状を保持するために添加されて
いる多量の無機充填材が徐々に吸湿し、その湿気や水に
よって形状保持性が徐々に低下する。このような熱膨張
性を有する耐火性樹脂組成物では、その発泡炭化層の形
状が保持されないとその防火性は著しく損なわれるた
め、このような樹脂組成物の防火性は耐水性および/ま
たは耐候性の面でも問題があった。
【0004】一方、耐水性を改善する目的で、特開平7
−109377号公報では、熱可塑性樹脂に無水リン酸
又はリン酸塩及び必要に応じて炭素系材料及び不燃性ガ
ス発生材料を配合した発泡性耐火被覆用熱可塑性樹脂組
成物が提案されている。しかし、ここで開示されている
組成物では耐水性のレベルが不充分であり、建築材料と
しての要望に答えられるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の従来技術の課題に鑑み、(1)シート状への成形加工
が容易であり、(2)加熱により膨張、発泡して強固で
安定な炭化層を形成することにより、可燃物を防火し、
(3)水に浸漬したり湿雰囲気下にさらした後に発泡し
た場合でも、水に浸漬したり湿雰囲気下にさらしていな
いものと比べて、発泡倍率が低下することはなく、か
つ、発泡炭化層の形状も異なることのない発泡型防火性
積層体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂及び
/又はゴム系材料を適用することにより、伸縮性、強度
及び加工性に優れた加熱膨張層と、更に耐湿及び耐水性
を兼ね備えた防水層とを積層した発泡型防火性積層体を
得るに至った。すなわち本発明は、加熱発泡層(A)と
防水層(B)よりなる発泡型防火性積層体に関する。さ
らに本発明は、加熱発泡層(A)の両面に、それぞれの
片面に対し防水層(B)を少なくとも1層積層してなる
上記発泡型防火性積層体に関する。さらに本発明は、加
熱発泡層(A)が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材
料、リン化合物及び多官能アルコールを含有する発泡型
防火組成物から形成される層である上記発泡型防火性積
層体に関する。
【0007】さらに本発明は、熱可塑性樹脂が、芳香族
ビニル系化合物よりなるブロック及びオレフィン系化合
物よりなるブロックからなるブロック共重合体である上
記発泡型防火性積層体に関する。さらに本発明は、オレ
フィン系化合物よりなるブロックが、イソブチレンを主
体としてなるブロックである上記発泡型防火性積層体に
関する。さらに本発明は、ゴム系材料が、ブチルゴム、
塩素化ブチルゴムおよびクロロプレンゴムからなる群よ
り選択される少なくとも1種である上記発泡型防火性積
層体に関する。さらに本発明は、リン化合物が、リン酸
またはポリリン酸の塩化合物、および、リン酸またはポ
リリン酸のアミド化合物からなる群より選択される少な
くとも1種である上記発泡型防火性積層体に関する。さ
らに本発明は、多官能アルコールが、モノペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリ
スリトールからなる群より選択される少なくとも一種で
ある上記発泡型防火性積層体に関する。さらに本発明
は、発泡型防火組成物がさらにアミノ基含有化合物を含
有する上記発泡型防火性積層体に関する。
【0008】さらに本発明は、防水層(B)が、熱可塑
性樹脂及び/又はゴム系材料からなる組成物より形成さ
れる層である上記発泡型防火性積層体に関する。さらに
本発明は、防水層(B)の熱可塑性樹脂が、芳香族ビニ
ル系化合物よりなるブロック及びオレフィン系化合物よ
りなるブロックからなるブロック共重合体である上記発
泡型防火性積層体に関する。さらに本発明は、防水層
(B)のオレフィン系化合物よりなるブロックが、イソ
ブチレンを主体としてなるブロックである上記発泡型防
火性積層体に関する。さらに本発明は、防水層(B)の
ゴム系材料が、ブチルゴム及び/又は塩素化ブチルゴム
である上記発泡型防火性積層体に関する。さらに本発明
は、防水層(B)を形成する組成物がさらに難燃剤を含
有する上記発泡型防火性積層体に関する。さらに本発明
は、難燃剤がリン系難燃剤及び/又は含ケイ素化合物で
ある上記発泡型防火性積層体に関する。以下に本発明を
詳述する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、加熱発泡層
(A)とは、加熱又は火炎により発泡又は膨張し、断熱
性の炭化層を形成する層のことをいう。その組成は特に
限定されるものではないが、シート加工性の観点、さら
には、防水及び/又は防湿性の高い熱可塑性樹脂及び/
又はゴム系材料に基づく組成物から形成される防水層
(B)との熱融着による積層の簡便さの観点から、熱可
塑性樹脂及び/又はゴム系材料に基づく組成のものが好
ましい。具体的には、熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材
料、リン化合物及び多官能アルコールを含有する発泡型
防火組成物から形成される層が挙げられる。このような
発泡型防火組成物は、その加熱及び/又は火災による発
泡炭化機構に関して不明確な部分はあるものの、化学的
に分解、反応し、安定な炭化層を形成するため、その組
成を変化させることにより、容易に発泡倍率をコントロ
ールできる。
【0010】熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例
えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフ
ィン類、ポリスチレン、ABS、MBS、アクリル、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリブタジエン、スチレン−イソプ
レン−スチレン等のブロック共重合体等よりなる群から
選択される少なくとも1種が使用される。
【0011】上記熱可塑性樹脂のうち、特に制限はない
が、炭化層形成力の高いブロック共重合体が好ましく、
加工性、シートの柔軟性の点で、芳香族ビニル系化合物
よりなるブロック及びオレフィン系化合物よりなるブロ
ックからなるブロック共重合体がより好ましい。このよ
うなブロック共重合体を用いると、シートが柔軟で容易
に変形でき、複雑な形状の被覆も容易である。芳香族ビ
ニル系化合物よりなるブロックは、芳香族ビニル系化合
物が50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より
好ましくは90重量%以上を占めるブロックのことをい
う。オレフィン系化合物よりなるブロックは、オレフィ
ン系化合物が50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、より好ましくは90重量%以上を占めるブロックの
ことをいう。
【0012】芳香族ビニル系化合物としては特に限定さ
れず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシ
スチレン、インデン等が挙げられる。上記化合物の中で
も、コストと物性及び生産性のバランスから、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデ
ンが好ましく、その中から2種以上選んでもよい。
【0013】上記オレフィン系化合物としては特に限定
されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブチレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数
1〜6のオレフィン系化合物が挙げられ、その中から2
種以上選んでもよい。更に上記化合物から得られるオレ
フィン系化合物よりなるブロックの具体例としては、ポ
リブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック、及び
それらの水添物であるポリエチレン・ブチレンブロッ
ク、ポリエチレン・プロピレンブロック、並びに、ポリ
イソブチレンブロックが挙げられる。これらのうち、安
定で強固な炭化層を形成するために必要な3級炭素を多
く含むポリイソブチレンブロックが特に好ましい。ポリ
イソブチレンブロックとは、イソブチレンを主体として
なるブロック、すなわち、イソブチレンが50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重
量%以上を占めるブロックのことをいう。
【0014】芳香族ビニル系化合物よりなるブロック
と、オレフィン系化合物よりなるブロックとから形成さ
れるブロック共重合体は、いずれの構造を有するものも
使用可能であるが、物性のバランスと合成の簡便さか
ら、(芳香族ビニル系化合物よりなるブロック−オレフ
ィン系化合物よりなるブロック−芳香族ビニル系化合物
よりなるブロック)の構造を有するトリブロック体、
(オレフィン系化合物よりなるブロック−芳香族ビニル
系化合物よりなるブロック)の構造を有するジブロック
体、またはこれらの混合物が好ましい。
【0015】芳香族ビニル系化合物よりなるブロック
と、オレフィン系化合物よりなるブロックとから形成さ
れるブロック共重合体中のオレフィン系化合物と芳香族
ビニル系化合物との割合に特に制限はないが、物性のバ
ランスから、オレフィン系化合物95〜20重量部と芳
香族ビニル系化合物5〜80重量部が好ましく、さらに
オレフィン系化合物90〜60重量部と芳香族ビニル系
化合物10〜40重量部がより好ましい。
【0016】芳香族ビニル系化合物よりなるブロック
と、オレフィン系化合物よりなるブロックとから形成さ
れるブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はな
いが、30000から500000が好ましく、500
00から400000が特に好ましい。数平均分子量が
30000未満の場合、機械的な特性等が十分に発現さ
れず、また、500000を超える場合、成形性等の低
下が大きい。
【0017】ゴム系材料としては特に限定されず、例え
ば、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリ
コーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴム、ブチルゴム及び塩素化ブチルゴム等より
なる群から選択される少なくとも1種が使用される。こ
れらゴム系材料のうち、特に制限はないが強固な炭化層
を形成するために必要な3級炭素を多く含む炭化層形成
力の高いブチルゴムや、ハロゲンを含有し難燃性の高い
塩素化ブチルゴム、クロロプレンゴムが好ましい。これ
ら熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材料は単独で使用して
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】発泡型防火組成物に含有されるリン化合物
としては、特に制限はないが、赤リン、リン酸塩化合
物、ポリリン酸塩化合物、リン酸エステル、ポリリン酸
エステル、リン酸アミドおよびポリリン酸アミドよりな
る群から選択される少なくとも1種を使用する。また、
前記ポリリン酸はリン酸が縮合しているものであれば、
特に制限はないが、リン酸の2〜5000量体が好まし
い。これらのリン化合物は、加熱環境下において、有機
物の脱水触媒として作用するほか、自らも不燃性の無機
質リン酸被膜を形成する働きをもつものである。
【0019】上記リン化合物のうち、リン酸またはポリ
リン酸の塩化合物やリン酸またはポリリン酸のアミド化
合物が好ましい。リン酸またはポリリン酸の塩化合物と
しては、リン酸またはポリリン酸のアンモニアまたは有
機塩基との塩が好ましく、リン酸またはポリリン酸のア
ンモニアまたはアミン化合物との塩がより好ましく、特
にポリリン酸アンモニウムまたはその誘導体が更に好ま
しい。また、前記塩を形成するアミン化合物としては、
メチルアミン、エチルアミン及びメラミン等が挙げられ
るが、特にポリリン酸のメラミン塩が好ましい。また、
リン酸またはポリリン酸のアミド化合物としては、特に
リン酸またはポリリン酸メラミンアミドが好ましい。
【0020】リン酸またはポリリン酸アンモニウムまた
はアミンとの塩やアミドは加熱により分解温度に達する
と、脱アンモニア等の脱アミンによりリン酸及び縮合リ
ン酸を生じる。この酸が有機物の脱水触媒として作用
し、有機物を炭化させる結果、防火炭化層の形成につな
がる。また、この際発生するアンモニアガス及び窒素ガ
ス等は、発泡剤として作用し、組成物全体を膨張させる
ことになり、また酸素濃度を減少し燃焼を抑えることに
なる。
【0021】本発明に使用するリン化合物は、リン含有
量10重量%以上、窒素含有量9重量%以上、分解温度
200℃以上のものが適している。このようなリン酸ま
たはポリリン酸アンモニウムまたはアミンとの塩やアミ
ドとしては、特に限定はないが、例えば、ポリリン酸ア
ンモニウムからなる住友化学工業株式会社製の不溶化高
分子リン化合物(商品名「スミセーフPM」)、チッソ
株式会社製の被覆ポリリン酸アンモニウム(商品名「テ
ラージュC60」)等が挙げられる。
【0022】この加熱発泡層に含有されるリン化合物の
配合量は、特に限定されるわけではないが、熱可塑性樹
脂及び/又はゴム系材料100重量部に対して10〜4
00重量部配合するのが好ましい。リン化合物の配合量
がこの範囲を下回ると、組成物全体を効果的に炭化、発
泡させることが期待できなくなる。一方、リン化合物の
配合量がこの範囲を上回ると、配合物の粘度が高くなり
成形性が低下することから好ましくない。
【0023】また、発泡型防火組成物に含有される多官
能アルコールは、リン化合物により脱水され炭化膜を形
成するものである。加熱により炭化する分解温度が20
0℃以上、好ましくは300℃以上のものが使用でき
る。このような多官能アルコールとしては、モノ、ジ、
トリペンタエリスリトール等の多価アルコールや、でん
ぷんやセルロース等の多糖類、グルコース、フルクトー
ス等の少糖類等が例示され、特に制限はないが、発泡特
性の点で、特にモノ、ジ、トリペンタエリスリトールが
特に好ましい。また、これらは単独で使用するほか、2
種以上併用してもよい。
【0024】多官能アルコールの配合量は、特に限定さ
れるわけではないが、熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材
料100重量部に対して5〜400重量部であることが
好ましい。多官能アルコールの配合量がこの範囲を下回
ると膨張が不十分となり、逆に、多官能アルコールの配
合量がこの範囲を上回ると発泡炭化膜の形成が不十分と
なる。
【0025】さらに、発泡型防火組成物には、上記成分
以外に、さらなる添加成分としてアミノ基含有化合物を
使用してもよい。アミノ基含有化合物は、膨張剤として
作用し、加熱による分解に伴い、窒素やアンモニア等の
不燃性ガスを発生し、組成物全体を適度の大きさに膨張
させるものである。具体的にはジシアンジアミド、メラ
ミン、グアナミン、グアニジン、尿素、アゾジカルボン
アミンやメラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂等の
アミノ樹脂等が例示されるが、これに限定されるもので
はない。また、これらは単独で使用するほか、2種以上
併用してもよい。
【0026】このアミノ基含有化合物の配合量は、特に
限定されるわけではないが、熱可塑性樹脂及び/又はゴ
ム系材料100重量部に対して5〜200重量部である
ことが好ましい。アミノ基含有化合物の配合量がこの範
囲を下回ると膨張が不十分となり、逆に、アミノ基含有
化合物の配合量がこの範囲を上回ると形成される発泡炭
化膜の強度が不十分となる。
【0027】発泡型防火組成物には、熱可塑性樹脂及び
/又はゴム系材料、リン化合物、多官能アルコール、ア
ミノ基含有化合物以外に、各用途に合わせた要求特性に
応じて、発泡助剤、補強剤、充填剤のほか、ヒンダード
フェノール系やヒンダードアミン系の酸化防止剤や紫外
線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、粘着付与剤等
を適宜配合することができる。発泡助剤としては、膨張
性黒鉛、膨張性パーミキュライト、アゾジカルボンアミ
ドや炭酸水素ナトリウム−クエン酸等の化学発泡剤など
が挙げられる。
【0028】加熱発泡層(A)を形成する最も好ましい
組成物としては、熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材料1
00重量部に対し、リン化合物30〜100重量部、多
官能アルコール10〜100重量部、アミノ基含有化合
物5〜50重量部である。
【0029】本発明において、防水層(B)とは、防水
及び/又は防湿性能を有する層のことをいう。その組成
は特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウ
ムなどの金属からなる層、防水性塗料からなる層、熱可
塑性樹脂及び/又はゴム系材料からなる組成物よりなる
層などが挙げられる。このうち、熱可塑性樹脂及び/又
はゴム系材料からなる組成物よりなる層が、シート加工
性、積層の容易さの点から好ましい。
【0030】熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例
えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフ
ィン類、ポリスチレン、ABS、MBS、アクリル、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリブタジエン、スチレン−イソプ
レン−スチレン等のブロック共重合体等よりなる群から
選択される少なくとも1種が使用される。
【0031】上記熱可塑性樹脂のうち、特に制限はない
が、防湿性並びにシート加工性の点からブロック共重合
体が好ましく、特に、芳香族ビニル系化合物よりなるブ
ロック及びオレフィン系化合物よりなるブロックからな
るブロック共重合体が好ましい。このようなブロック共
重合体を用いると、シートが柔軟で容易に変形でき、複
雑な形状の被覆も容易である。芳香族ビニル系化合物よ
りなるブロックは、芳香族ビニル系化合物が50重量%
以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90
重量%以上を占めるブロックのことをいう。オレフィン
系化合物よりなるブロックは、オレフィン系化合物が5
0重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好まし
くは90重量%以上を占めるブロックのことをいう。
【0032】芳香族ビニル系化合物としては特に限定さ
れず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシ
スチレン、インデン等が挙げられる。上記化合物の中で
も、コストと物性及び生産性のバランスから、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデ
ンが好ましく、その中から2種以上選んでもよい。
【0033】上記オレフィン系化合物としては特に限定
されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブチレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数
1〜6のオレフィン系化合物が挙げられ、その中から2
種以上選んでもよい。更に上記化合物から得られるオレ
フィン系化合物よりなるブロックの具体例としては、ポ
リブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック、及び
それらの水添物であるポリエチレン・ブチレンブロッ
ク、ポリエチレン・プロピレンブロック、並びに、ポリ
イソブチレンブロックが挙げられ、防湿性の点で特に水
蒸気バリアー性の高いポリイソブチレンブロックが好ま
しい。ポリイソブチレンブロックとは、イソブチレンを
主体としてなるブロック、すなわち、イソブチレンが5
0重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好まし
くは90重量%以上を占めるブロックのことをいう。
【0034】芳香族ビニル系化合物よりなるブロック
と、オレフィン系化合物よりなるブロックとから形成さ
れるブロック共重合体は、いずれの構造を有するものも
使用可能であるが、物性のバランスと合成の簡便さか
ら、(芳香族ビニル系化合物よりなるブロック−オレフ
ィン系化合物よりなるブロック−芳香族ビニル系化合物
よりなるブロック)の構造を有するトリブロック体、
(オレフィン系化合物よりなるブロック−芳香族ビニル
系化合物よりなるブロック)の構造を有するジブロック
体、またはこれらの混合物が好ましい。
【0035】芳香族ビニル系化合物よりなるブロック
と、オレフィン系化合物よりなるブロックとから形成さ
れるブロック共重合体中のオレフィン系化合物と芳香族
ビニル系化合物との割合に特に制限はないが、物性のバ
ランスから、オレフィン系化合物95〜20重量部と芳
香族ビニル系化合物5〜80重量部が好ましく、さらに
オレフィン系化合物90〜60重量部と芳香族ビニル系
化合物10〜40重量部がより好ましい。
【0036】芳香族ビニル系化合物よりなるブロック
と、オレフィン系化合物よりなるブロックとから形成さ
れるブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はな
いが、30000から500000が好ましく、500
00から400000が特に好ましい。数平均分子量が
30000未満の場合、機械的な特性等が十分に発現さ
れず、また、500000を超える場合、成形性等の低
下が大きい。
【0037】ゴム系材料としては特に限定されず、例え
ば、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリ
コーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴム、ブチルゴム及び塩素化ブチルゴム等より
なる群から選択される少なくとも1種が使用される。こ
れらゴム系材料のうち、特に制限はないが防湿性の点で
特に水蒸気バリアー性の高いブチルゴムや、防湿性が高
くハロゲンを含有し難燃性の高い塩素化ブチルゴムが好
ましい。これら熱可塑性樹脂及び/又はゴム系材料は単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】本発明における防水層(B)には、熱可塑
性樹脂及び/又はゴム系材料以外に、さらに難燃剤を使
用することで、積層体の防火性を高めることができる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム等の水和金属化合物;酸化亜鉛、酸化アルミニウ
ム、酸化ニッケル等の金属酸化物;三酸化アンチモン、
五酸化アンチモン等の含アンチモン化合物;ホウ酸亜鉛
等の含ホウ素化合物;赤リン、リン酸エステル、ポリリ
ン酸エステル、リン酸またはポリリン酸の塩化合物等の
リン系難燃剤;含ケイ素化合物;メラミン、メラミンシ
アヌレート等の含窒素化合物などが挙げられるが、特に
限定されない。また、これら難燃剤は、単独で用いて
も、2種以上併用してもよく、さらに難燃助剤と組み合
わせて使用することができる。なかでも、難燃性の高い
金属水和物、リン化合物、含ケイ素化合物が好ましく、
特に、耐水性が高く少量の添加で難燃性が高い点から、
リン系難燃剤及び/又は含ケイ素化合物が好ましい。
【0039】上記リン系難燃剤は、加熱環境下におい
て、有機物の脱水触媒として作用し不燃性炭化層を形成
し、自らも不燃性の無機質リン酸被膜を形成する働きを
もつものである。このリン系難燃剤としては特に限定さ
れず、更に加熱発泡層(A)に用いたリン化合物と同種
のものを用いてもよく、例えば、赤リン;トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エ
ステル類;リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム等の
リン酸金属塩;リン酸アンモニウム;リン酸のメラミン
等の有機塩基との塩類またはアミド;ポリリン酸アンモ
ニウム;ポリリン酸のメラミン等の有機塩基との塩類ま
たはアミド等が挙げられる。また、シリコーン等の含ケ
イ素化合物は少量の添加で樹脂及び/又はゴム等の燃焼
を抑えることが知られており、防水層(B)にはこれら
の含ケイ素化合物を用いても良い。これらリン系難燃剤
及び/又は含ケイ素化合物は、単独で用いても、2種以
上併用してもよい。
【0040】防水層(B)に使用される上記難燃剤の配
合量は、特に限定されるわけではないが、熱可塑性樹脂
及び/又はゴム系材料100重量部に対して1〜200
重量部配合するのが好ましい。難燃剤の配合量がこの範
囲を下回ると、組成物全体を効果的に難燃化することが
期待できなくなり、逆に、難燃剤の配合量がこの範囲を
上回ると、配合物の防水及び/又は防湿性能が低下する
ことから好ましくない。
【0041】本発明において、防水層には、熱可塑性樹
脂及び/又はゴム系材料と難燃剤以外に、各用途に合わ
せた要求特性に応じて、可塑剤や補強剤、充填剤のほ
か、ヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系の酸
化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性
剤、粘着付与剤等を適宜配合することができる。
【0042】可塑剤としては、鉱物油系軟化剤として一
般に知られているパラフィン系、ナフテン系、及び芳香
族系プロセスオイル、ポリαオレフィン、ポリブテン、
イソパラフィン、ポリブタジエン等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。可塑剤の配合量は、特に限
定されるわけではないが、熱可塑性樹脂及び/又はゴム
系材料100重量部に対して1〜300重量部配合する
のが好ましい。可塑剤の配合量が300重量部を越える
と、流動性の増加、またブリードアウト等が生じシート
成形性が低下する傾向があることから好ましくない。
【0043】本発明の防水層を積層した発泡型防火性積
層体の調製法には特に制限はなく、例えば、各成分を配
合し、ミキサーやロール、ニーダーや押出機等を用いて
常温または加熱下において混練したり、適量の溶剤に成
分を溶解させた後混合するなど、通常の方法を採用しそ
れぞれの層の組成物を得、射出成形、押出成形、カレン
ダー成形等通常熱可塑性樹脂で用いられる成型法により
それぞれの層を成形した後、積層しても良い。積層方法
としては、それぞれの層を熱融着してもよいし、接着
剤、粘着剤を介して接着、粘着することにより積層して
もよいし、共押出により積層体を構成してもよい。
【0044】本発明の防水層を積層した発泡型防火性積
層体の構造としては加熱発泡層(A)と防水層(B)と
を積層した2層構造のほかに、加熱発泡層(A)の両面
に防水層(B)を1層ずつ積層した3層構造、さらに
は、加熱発泡層(A)の両面に防水層(B)をそれぞれ
1層又は2層以上の複数の層で形成した多層構造として
もよい。さらに加熱発泡層と防水層とが交互又は順不同
に3層以上に積層する構成を採用することも可能であ
る。これらの構成のうち特に制限はないが、加熱発泡層
(A)の発泡特性を水や湿気によって低下させないた
め、加熱発泡層(A)の両面に、それぞれの片面に対し
防水層(B)を少なくとも1層積層したものが好まし
い。
【0045】加熱発泡層(A)と防水層(B)との厚さ
の比は特に限定されるものではないが、通常、150:
1〜1:10であり、好ましくは、100:1〜1:5
である。また、積層体の厚さは、その用途によって異な
り特に限定されるものではないが、被覆シートとして用
いる場合には、通常、0.1mm〜15.0mmであ
る。
【0046】上記構成のうち2層構造の発泡型防火性積
層体は、加熱発泡層の片面が空気に露呈される場合、発
泡又は膨張する層の発泡又は膨張性が空気中の湿気又は
水分によって損なわれる可能性がある。その場合、防水
層が空気に露呈される側になるように、積層体を施す必
要がある。すなわち、本発明の2層構造の発泡型防火性
積層体を壁、柱、梁、扉等に張り付けて使用する場合、
壁、柱、梁、扉等といった張り付けられるものと、加熱
発泡層とが直に接することがよい。またこの場合の張り
付け方は、釘やビス等を使用してもよく、壁、柱、梁、
扉等といった張り付けられるものと、加熱発泡層との間
に、液体または固体、ゲル状の接着剤、粘着剤を使用
し、張り合わせることもできる。上記接着剤は特に限定
されないが、壁、柱、梁、扉等といった張り付けられる
ものと加熱発泡層との間に、湿気や水の進入を防ぐため
に、耐水性及び耐候性に優れたものが好ましい。
【0047】本発明の防水層を積層した発泡型防火性積
層体の用途は特に制限はないが、例えば、壁、柱、梁、
扉等に張り付けまたは積層し、火炎にさらされた際に断
熱性の発泡炭化層を形成して、対象物を防火、耐火する
目的で使用することができる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。尚、実施例に先立ち各種測定法、評価法に
ついて説明する。 (発泡特性試験)10×10×2mmのシート状成形品
を、坩堝底面上にて坩堝下部からのガスバーナーによ
り、坩堝下面の3分後の到達温度が約600℃となるよ
うな炎で加熱し、発泡状態を観察し、その発泡倍率を、
加熱発泡後の炭化したシートの厚み/加熱発泡前の厚み
の比として求めた。また、形成した発泡炭化層の形状を
観察し、その形状保持性を目視にて評価した。すなわち
発泡炭化層が崩れることなく、形を保っているものを
○、形を保たず崩れるものを×とした。
【0049】(耐水性試験)50×50×2mmのシー
トを、50℃の温水に2週間浸漬した。シート各辺から
20mm中央よりの10mm四方部分を切り出し、その
発泡状態を、上記発泡特性試験と同様な方法で加熱し観
察した。 (倍率保持率)倍率保持率は、(50℃の温水に2週間
浸漬した後の発泡倍率/50℃の温水に浸漬していない
時の発泡倍率)×100として求めた。
【0050】(製造例1)[スチレン−イソブチレン−
スチレンブロック共重合体(SIBSの製造] 500mLのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置
換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラ
ーシーブスで乾燥したもの)100mL及び塩化ブチル
(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)100mL、
p− ジクミルクロライド)0.0876g(0.38
mmol)を加えた。重合容器を−70℃のドライアイ
ス/メタノールバス中につけて冷却した後、2−メチル
ピリジン0.036g(0.39mmol)を加えた。
次にイソブチレンモノマー33.9mL(419.9m
mol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採
取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続
し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により
送液した。さらに四塩化チタン1.50mL(13.7
mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1時
間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリン
グ用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あ
らかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー1
2.15g(116.7mmol)、n−ヘキサン10
mLおよび塩化ブチル10mLの混合溶液を重合容器内
に添加した。該混合溶液を添加してから10分後に、約
10mLのメタノールを加えて反応を終了させた。
【0051】反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエ
ンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多
量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重
合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的の
ブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子
量を測定した。スチレン添加前のイソブチレン重合体の
Mnが70,000、Mw/Mnは1.16であり、ス
チレン重合後のブロック共重合体のMnが101,00
0、Mw/Mnが1.40であるブロック共重合体が得
られた。
【0052】(実施例1)製造例で得られたSIBS1
00重量部、ポリリン酸アンモニウム(住友化学(株)
社製スミセーフPM)67重量部、多価アルコールとし
てペンタエリスリトール27重量部、アミノ基含有化合
物としてメラミン10重量部を170℃において溶融混
練した後、170℃で2mm厚にプレス成形し、発泡型
防火性組成物である加熱発泡層を得た。一方、製造例で
得られたSIBSを170℃で0.5mm厚にプレス成
形し、防水層を得た。得られたそれぞれの層を、防水層
−加熱発泡層−防水層の順に重ね、これを170℃で2
mm厚にプレス成形し、三層構造の積層体を得た。得ら
れた成型品の発泡特性及び発泡特性に対する耐水性を評
価した。結果を表1に示す。
【0053】(実施例2)実施例1で得られた2mm厚
の発泡型防火性組成物である加熱発泡層の両面に、製造
例で得られたSIBS100重量部、ポリリン酸アンモ
ニウム(住友化学(株)社製スミセーフPM)67重量
部を170℃において溶融混練した後、170℃で0.
5mm厚にプレス成形して得た防水層を、実施例1と同
様な方法で積層した三層構造の2mm厚積層体を得た。
得られた成型品の発泡特性及び発泡特性に対する耐水性
を評価した。結果を表1に示す。
【0054】(実施例3)実施例1で得られた2mm厚
の発泡型防火性組成物である加熱発泡層の両面に、製造
例で得られたSIBS100重量部、含ケイ素化合物と
して変性シリコーン(ダウコーニング社製Siパウダー
DC4−7105)5重量部を170℃において溶融
混練した後、170℃で0.5mm厚にプレス成形して
得た防水層を、実施例1と同様な方法で積層した三層構
造の2mm厚積層体を得た。得られた成型品の発泡特性
及び発泡特性に対する耐水性を評価した。結果を表1に
示す。
【0055】(実施例4)実施例1で得られた2mm厚
の発泡型防火性組成物である加熱発泡層の両面に、防水
層として市販品の0.2mm厚のポリエチレンフィルム
を、実施例1と同様な方法で積層した三層構造の2mm
厚積層体を得た。得られた成型品の発泡特性及び発泡特
性に対する耐水性を評価した。結果を表1に示す。
【0056】(実施例5)ブチルゴム(日本合成ゴム
(株)社製ブチル065)100重量部、ポリリン酸ア
ミド(住友化学(株)社製スミセーフPM)67重量
部、多価アルコールとしてペンタエリスリトール27重
量部、アミノ基含有化合物としてメラミン10重量部を
170℃において溶融混練した後、170℃で2mm厚
にプレス成形し、発泡型防火性組成物である加熱発泡層
を得た。この両面に、ブチルゴム(日本合成ゴム(株)
社製ブチル065)100重量部、ポリリン酸アンモニ
ウム(住友化学(株)社製スミセーフPM)67重量部
を170℃において溶融混練した後、170℃で0.5
mm厚にプレス成形して得た防水層を、実施例1と同様
な方法で積層した三層構造の2mm厚積層体を得た。得
られた成型品の発泡特性及び発泡特性に対する耐水性を
評価した。結果を表1に示す。
【0057】(比較例1)製造例で得られたSIBS1
00重量部、ポリリン酸アンモニウム(住友化学(株)
社製スミセーフPM)67重量部、多価アルコールとし
てペンタエリスリトール27重量部、アミノ基含有化合
物としてメラミン10重量部を170℃において溶融混
練した後170℃で2mm厚にプレス成形し、発泡型防
火性組成物シートを得、防水層を積層しないで発泡特性
及び発泡特性に対する耐水性を評価した。結果を表2に
示す。
【0058】(比較例2)塩化ビニル樹脂100重量
部、ポリリン酸アンモニウム(住友化学(株)社製スミ
セーフPM)50重量部、多価アルコールとしてペンタ
エリスリトール20重量部、メラミン20重量部からな
る組成物を170℃において溶融混練した後、170℃
で2mm厚にプレス成形し、発泡型防火性組成物シート
を得、防水層を積層しないで発泡特性及び発泡特性に対
する耐水性を評価した。結果を表2に示す。
【0059】(比較例3)ブチルゴム(日本合成ゴム
(株)社製ブチル065)50重量部、(出光石油化学
(株)社製ポリブテン100R)42重量部、粘着付与
樹脂(エクソン社製エスコレッツ5320)8重量部、
ポリリン酸アンモニウム(住友化学(株)社製スミセー
フP)100重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工
(株)社製H42M)50重量部、膨張性黒鉛(巴工業
(株)社製GRAF GUARD 220−50N)3
0重量部、炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)社製
BF−300)100重量部を100℃において溶融混
練した後120℃で2mm厚にプレス成形し、発泡型防
火性組成物シートを得、防水層を積層しないで発泡特性
及び発泡特性に対する耐水性を評価した。結果を表2に
示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1に示されるように、実施例1〜5の積
層体は、表2に示される比較例1の防水層を積層しない
発泡型防火性組成物シートに比べ、発泡倍率はやや低い
ものの、比較例2や3の発泡型防火性組成物シートと同
等もしくはそれ以上の発泡倍率を示し、防火断熱に十分
な効果がある不燃性の強固な発泡炭化層を安定な形状で
形成し、耐火性能を示すことが確認できた。また、比較
例1〜3に比べ、実施例1〜5においては、倍率保持率
が90%以上と耐水性試験後発泡倍率の低下がなく、ま
た、発泡炭化層も強固で安定な形状を保っており、耐水
性に優れた組成物であることも明らかである。
【0063】
【発明の効果】このように、本発明の防水層を積層した
発泡型防火性積層体は、成形性に優れ、大面積のシート
成形も容易となるものであり、特に耐湿及び耐水性に優
れているため長期にわたる使用が可能であり、定期的な
張り替え等の必要が無くなるものである。このような積
層体は、一般建築物において防火・耐火性能が要求され
る場所に広範囲に適用可能となる優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/49 C08K 5/49 5/541 C08L 11/00 C08L 11/00 21/00 21/00 23/22 23/22 23/28 23/28 53/00 53/00 101/00 101/00 C09K 3/18 101 C09K 3/18 101 21/04 21/04 21/14 21/14 E04B 1/62 A E04B 1/62 1/94 R 1/94 C08K 5/54 Fターム(参考) 2E001 DA01 DD01 DE01 DE04 GA24 GA47 GA82 HD11 HE01 4F100 AA04A AA04B AA04C AA04H AH02A AH02H AH03A AH03H AH06B AH06C AH06H AH10A AH10H AK01A AK01B AK01C AK04 AK09A AK09B AK09C AK09J AK11A AK11B AK11C AK11J AL02A AL02B AL02C AN00A AN00B AN00C AN02A AN02B AN02C AR00B AR00C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 CA08 CA08B CA08C DJ01 DJ01A EJ42A GB07 JB07 JB16A JB16B JB16C JD05 JD05B JD05C JJ07 JL01 4H020 BA02 4H028 AA07 AA42 AA43 AB03 BA03 BA04 BA06 4J002 AC011 AC071 AC091 BB031 BB121 BB151 BB241 BC031 BD031 BG001 BL011 BN151 BN161 BP011 BP031 CF001 CH001 CK021 CL001 CP031 DE078 DE148 DH026 DH056 EC056 EQ017 ER027 ET017 EU187 EW048 FD136 FD138 FD327

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱発泡層(A)と防水層(B)よりな
    る発泡型防火性積層体。
  2. 【請求項2】 加熱発泡層(A)の両面に、それぞれの
    片面に対し防水層(B)を少なくとも1層積層してなる
    請求項1記載の発泡型防火性積層体。
  3. 【請求項3】 加熱発泡層(A)が、熱可塑性樹脂及び
    /又はゴム系材料、リン化合物及び多官能アルコールを
    含有する発泡型防火組成物から形成される層である請求
    項1または2記載の発泡型防火性積層体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、芳香族ビニル系化合物
    よりなるブロック及びオレフィン系化合物よりなるブロ
    ックからなるブロック共重合体である請求項3記載の発
    泡型防火性積層体。
  5. 【請求項5】 オレフィン系化合物よりなるブロック
    が、イソブチレンを主体としてなるブロックである請求
    項4記載の発泡型防火性積層体。
  6. 【請求項6】 ゴム系材料が、ブチルゴム、塩素化ブチ
    ルゴムおよびクロロプレンゴムからなる群より選択され
    る少なくとも1種である請求項3記載の発泡型防火性積
    層体。
  7. 【請求項7】 リン化合物が、リン酸またはポリリン酸
    の塩化合物、および、リン酸またはポリリン酸のアミド
    化合物からなる群より選択される少なくとも1種である
    請求項3〜6のいずれかに記載の発泡型防火性積層体。
  8. 【請求項8】 多官能アルコールが、モノペンタエリス
    リトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリ
    スリトールからなる群より選択される少なくとも一種で
    ある請求項3〜7のいずれかに記載の発泡型防火性積層
    体。
  9. 【請求項9】 発泡型防火組成物がさらにアミノ基含有
    化合物を含有する請求項3記載の発泡型防火性積層体。
  10. 【請求項10】 防水層(B)が、熱可塑性樹脂及び/
    又はゴム系材料からなる組成物より形成される層である
    請求項1〜9のいずれかに記載の発泡型防火性積層体。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂が、芳香族ビニル系化合
    物よりなるブロック及びオレフィン系化合物よりなるブ
    ロックからなるブロック共重合体である請求項10記載
    の発泡型防火性積層体。
  12. 【請求項12】 オレフィン系化合物よりなるブロック
    が、イソブチレンを主体としてなるブロックである請求
    項10または11記載の発泡型防火性積層体。
  13. 【請求項13】 ゴム系材料が、ブチルゴム及び/又は
    塩素化ブチルゴムである請求項10記載の発泡型防火性
    積層体。
  14. 【請求項14】 防水層(B)を形成する組成物がさら
    に難燃剤を含有する請求項10記載の発泡型防火性積層
    体。
  15. 【請求項15】 難燃剤がリン系難燃剤及び/又は含ケ
    イ素化合物である請求項14記載の発泡型防火性積層
    体。
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