JP5138136B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、薄くて小型軽量という特徴を生かし、携帯電話や電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)等のモバイル機器用ディスプレイとして多用されるようになった。しかしながら、このような液晶ディスプレイの多くはバックライトを有する透過型液晶表示素子を用いているため、明るく、コントラストが高い表示が可能であるものの、バックライトの消費電力が大きく、モバイル機器として電池駆動するには消費電力が大きすぎるという問題があった。
【0003】
バックライトを用いることなく、明るい表示を可能にする技術として、2色性色素を含有するネマチック液晶材料を平行一軸配向させた液晶層、1/4波長板、反射板の順に積層された反射型液晶表示素子が提案されている。この素子に電圧を印加していない時に、自然光が入射すると、液晶層を透過して1/4波長板に至るまでに2色性色素の吸収軸方向の偏光が優先的に吸収され、2色性色素の吸収軸方向と直光する偏光は吸収されず、1/4波長板を透過して反射板で反射し、もう一度1/4波長板を透過することによって偏光の振動方向が90度回転し、2色性色素の吸収軸方向と一致するため、自然光を効率良く2色性色素によって吸収することになり暗表示となる。一方、電圧を印加した時には、2色性色素による光の吸収は小さくなり、明表示となる。このような原理上、偏光板を必要とせず、明るい表示が可能になるが、液晶表示素子の応答速度は十分に早いものではなかった。
【0004】
応答速度が速い液晶表示モードとしては、ベンド配向を利用したOCB(Optically Compensated Birefringence)モードが知られているが、ネマチック液晶材料を安定にベンド配向させるのが困難であること、また、偏光板を必須とすることから明るい表示が困難であるという欠点がある。
【0005】
以上のように、現在のところ、バックライトを使用せずに明るい表示が可能であり、かつ応答速度が速い液晶表示素子は実現されておらず、このような素子の実用化が希求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における課題は、バックライトを使用せずに明るい表示が可能であり、かつ応答速度が速い反射型液晶表示を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために詳細な検討を行った結果、液晶表示素子として液晶層に2色性色素を添加し、かつ素子として1/4波長板、反射板を具備することにより、偏光板を必要としない構成とすることにより明るい表示を可能にし、かつ液晶材料の配向をベンド配向とすることにより早い応答速度を実現可能なことを見いだした。また、ベンド配向の安定性向上には、光硬化性組成物の重合体である高分子を液晶材料中に形成せしめ「高分子安定化効果」とよばれる効果を用いることが有効であることを見いだし、本発明を提供するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、配向膜と電極層が形成された2枚の基板と、一方の基板に1/4波長板と反射板を具備するベンド配向反射型液晶表示素子であって、2枚の基板間にネマチック液晶組成物、高分子、2色性色素を含有し、該高分子が(1)セル中にネマチック液晶組成物、重合性組成物、2色性色素からなる重合性液晶組成物を注入し、(2)電極層間に電圧を印加することによって該重合性液晶組成物をベンド配向させ、(3)その状態において紫外線又は電子線を照射することにより重合性組成物を硬化させて得られたものであり、前記重合性組成物が、下記(i)〜(iii)の特徴、(i) 環構造を2つ以上持つメソゲンを有する、(ii) 2つ以上の重合性官能基を有する、(iii) アルキレンスペーサーを3つ有する、を有する液晶性モノマーを含有する反射型液晶表示素子を提供する。
【0009】
ベンド配向の安定性を高分子により増したOCBモードの液晶表示素子は報告されているが、2色性色素を添加し、1/4波長板及び反射板と組み合わせて、偏光板を不用とした液晶表示素子は知られていない。本発明の液晶表示素子は、通常のOCBモードの液晶表示素子と比較して、明るい表示が可能となった。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の例を説明する。
本発明の液晶表示素子においては、2枚の基板間にネマチック液晶組成物、高分子、2色性色素が挟持されてなり、駆動時はネマチック液晶組成物がベンド配向していることを特徴とする。2枚の基板間の間隔は、2〜10μm、さらに好ましくは2.5〜7μm、特に好ましくは3〜6μmの厚みが好ましい。
【0011】
このような液晶表示素子は、例えば、(1)セル中にネマチック液晶組成物、重合性組成物、2色性色素からなる重合性液晶組成物を注入し、(2)電極層間に電圧を印加することによって該重合性液晶組成物をベンド配向させ、(3)その状態において紫外線または電子線を照射することにより重合性組成物を硬化させることによって製造することができる。
【0012】
このように製造した液晶表示素子において、2枚の基板間にはネマチック液晶組成物のベンド配向を安定化するように、重合性組成物の重合体である高分子鎖が形成され、電圧を印加していない状態でもベンド配向状態を保持するか、電圧を印加していない状態ではスプレイ配向となるが、バイアス電圧を印加した時にスプレイ配向からベンド配向に転移するのに要する時間を著しく短縮することが可能になる。通常のベンド配向を有する素子は、バイアス電圧を印加した時に、スプレイ配向からベンド配向に転移するのに要する時間は、表示素子の面積や温度にもよるが、数秒から数分程度であった。
【0013】
本発明の液晶表示素子は、ネマチック液晶組成物中に高分子鎖を形成せしめることにより、これを1/10から半分程度まで短縮することに成功し、ベンドモードを実用的にすることに成功した。
【0014】
基板としては、通常のガラス基板やプラスチック基板、シリコン基板等を特に制限なく使用することができ、複数の電極を形成したものが好ましい。また、電極以外にも、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子や、カラーフィルター等を形成したものも好ましい。
【0015】
配向処理としては、ポリイミド、ポリアミド等の有機薄膜を基板上に形成し、これを布等でこするラビング処や、ポリイミド、ポリアミド、シンナモイル基を有する高分子膜、カルコン基を有する高分子膜、ベンゾフェノン残基を有する高分子膜に、好ましくは偏光した紫外線を照射する光配向処理を挙げることができる。
【0016】
光配向処理は、液晶と配向膜間のアンカリング力を、液晶ディスプレイの技術分野で多用されているラビングしたポリイミド配向膜と比較して弱くすることが可能であるため、本発明の液晶表示素子には好ましい。アンカリング力を弱くすると、本発明の液晶表示素子のコントラストを向上させることが可能である。2枚の基板における容易軸方向の設定は、容易軸が同一方向のパラレル配向と呼ばれる設定にするのが好ましいが、スプレイ配向からベンド配向への転移を容易することを目的として2枚の基板における容易軸を5度以内の角度でずらしても良い。プレチルト角は、2〜45度が好ましく、3〜20度が更に好ましく、4〜10度が特に好ましい。
【0017】
ネマチック液晶組成物、重合性性組成物、及び2色性色素からなる重合性液晶組成物を注入させる工程においては、この技術分野で使用されている真空注入法を使用するのが好ましい。この際、重合性液晶組成物が等方性液体相になる温度で注入するのが好ましい。注入終了後、液晶性組成物がネマチック相を示す温度に保ち、ベンド配向させる必要があるが、これは1V以上、さらに好ましくは2V以上、特に好ましくは3V以上の直流電圧もしくは交流電圧を印加することにより達成するのが好ましい。この後、重合性組成物を紫外線もしくは電子線を用いて重合させる際にも、電圧を印加したままにする必要がある。紫外線もしくは電子線を照射する際の温度は、液晶組成物がネマチック相を呈する温度にする必要があることは当然であるが、そのネマチック相が保たれる温度範囲内にある限り、室温に近い、できるだけ低い温度に保つことが好ましい。具体的には80℃以下が好ましく、60℃以下がさらに好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下が特に好ましく、室温が最も好ましい。紫外線又は電子線の照射量は、使用する重合性組成物の化学構造や濃度にも依存するが、50〜10,000mJ/cm2の範囲が好ましい。紫外線又は電子線の照射量が、50mJ/cm以下であると、液晶性モノマーが十分に硬化せず、製造後の経時変化が大きくなってしまい、10,000mJ/cm2以上であると液晶性混合物が劣化してしまう傾向がある。
【0018】
本発明において使用するネマチック液晶組成物は、通常この技術分野でネマチック液晶組成物と認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。ネマチック液晶組成物の結晶相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度は0℃以下、好ましくは-10℃以下、さらに好ましくは-20℃以下、特に好ましくは-30℃以下が良い。また、ネマチック相−等方性液体相転移温度は、60〜150℃の範囲から選択することができ、好ましくは75℃以上、さらに好ましくは85℃以上が良い。粘度は、5〜150mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜60mPa・sの範囲であり、特に好ましくは5〜40mPa・sの範囲である。
【0019】
誘電率異方性は、25℃において、1≦Δε≦60の範囲が好ましく、2≦Δε≦40の範囲がさらに好ましく、6≦Δε≦30の範囲が特に好ましい。
【0020】
屈折率異方性は、25℃において0.03≦Δn≦0.40の範囲が好ましく、0.04≦Δn≦0.38の範囲がさらに好ましく、0.05≦Δn≦0.35の範囲が特に好ましい。
【0021】
弾性定数比K33/K11は、25℃において0.3〜5の範囲にあるのが好ましく、0.5〜4の範囲がより好ましく、0.5〜2.5の範囲が更に好ましい。
【0022】
本発明において使用する重合性組成物は、紫外線や電子線の照射により重合する材料であれば特に制限なく使用することができるが、2つ以上の重合性官能基とメソゲンを同時に有する多官能重合性液晶化合物を含有していることが好ましい。
【0023】
重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、メルカプト基、マレイミド基、ClCH=CHCONH-、CH2=CCl-、CHCl=CH-、RCH=CHCOO-(Rは塩素、フッ素、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す)が挙げられるが、これらの中でもアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、ビニルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基が特に好ましく、アクリロイルオキシ基が最も好ましい。
【0024】
光硬化性化合物の分子構造としては、環構造を2つ以上を有するメソゲン、2つ以上の重合性官能基、さらにスペーサーを少なくとも2つ有するものが好ましく、3つのスペーサーを有するものがさらに好ましい。スペーサーとしては、柔軟性を有するものが好ましく、例えば、-(CH2)n-(nは整数を表す)で表されるようなアルキレンスペーサーや-(Si(CH3)2-O)n-(nは整数を表す)で表されるようなシロキサンスペーサーを挙げることができ、アルキレンスペーサーが好ましい。これらのスペーサーとメソゲン、もしくは重合性官能基との結合部分には、-O-、-COO-、-CO-、-OCOO-のような結合が介在していても良い。
【0025】
メソゲンは、通常この技術分野でメソゲンと認識されるものであれば、特に制限なく使用することができるが、少なくとも2つ以上の環構造を有するものが好ましい。環構造としては使用できる環は、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、テトラジン、ジヒドロオキサジン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘキサノン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオピラン、ジチアン、オキサチアン、ジオキサボリナン、ナフタレン、ジオキサナフタレン、テトラヒドロナフタレン、キノリン、クマリン、キノキサリン、デカヒドロナフタレン、インダン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、パーヒドロフェナントレン、ジオキサパーヒドロフェナントレン、フルオレン、フルオレノン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエンオン、コレステン、ビシクロ[2.2.2]オクタンやビシクロ[2.2.2]オクテン、1,5-ジオキサスピロ(5.5)ウンデカン、1,5-ジチアスピロ(5.5)ウンデカン、トリフェニレン、トルクセン、ポルフィリン、フタロシアニンを挙げることができ、これらの中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、フェナントレン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンが好ましい。これらの環は、炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。アルキル基としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基が望ましく、メチル基とエチル基が特に好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましく、アルカノイル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基が好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子と塩素原子が特に好ましい。
【0026】
重合性組成物には、1つの重合性官能基を有する単官能化合物を添加しても良い。単官能化合物としては、メソゲンを同時に有する単官能重合性液晶化合物が好ましい。このような化合物は、この技術分野で単官能重合性液晶化合物として認識されるものであれば良いが、その添加量は、重合性組成物中で10質量%以下とするのが好ましい。10質量%より多いと、得られる液晶表示素子の高温での安定性が良好でなくなる危険がある。
【0027】
また、重合性組成物には重合を迅速に行う目的で光重合開始剤を添加してもよい。ここで使用することができる光重合開始剤としては、例えば公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルホスフィン類から選択して使用することができる。その添加量は、重合性組成物中に対して0.05〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
【0028】
また、重合性組成物の保存安定性を向上させる目的で、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては、例えば公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ニトロソ化合物類等から選択して使用することができる。またその添加量は、重合性組成物中に対して1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。以上のような重合性組成物の添加濃度は、重合性液晶組成物に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。濃度が0.1%より低いと、ベンド配向が安定化されず、10質量%より高いと液晶表示素子の駆動電圧が増大してしまう。
【0029】
2色性色素は、この技術分野で2色性色素と認識されるものであれば、特に制限なく使用することができる。このような2色性色素としては、アントラキノン系、アゾ系、アゾキシ系、アゾメチン系、メロシアニン系、キノフタレン系、テトラジン系等を挙げることができる。さらに具体的には、「S-304」、「S-301」、「S-344」、「SI-209」、「M-710」、「M-361」、「M-86」、「M-618」、「SI-252」、「M-777」、「M-370」、「M-137」、「M-141」、「M-438」、「M-412」、「M-34」、「M-430」、「M-406」、「M-676」(以上、三井東圧化学株式会社製)、「LSY-116」、「LSR-401」、「LSY-406」、「LSY-426」、「LSY-278」、「LSB-350」、「LSB-335」(以上、三菱化学株式会社製)、「IRP-101」(日本化薬株式会社製)、「G209」、「G168」、「G165」、「G224」、「G205」、「G232」(以上、日本感光色素研究所製)等を挙げることができる。これらは、単独で用いても、複数を組み合わせて使用しても良い。色素を添加する場合の濃度としては、0.5〜5質量%が好ましい。5質量%以上添加すると、液晶材料の均一な配向が得られない場合がある。
【0030】
1/4波長板は、可視光領域にわたり位相差が1/4波長に保たれるように、2〜3枚の波長板が積層されているものを使用することが好ましい。ある一点の波長のみにおいて、位相差が1/4波長に設計されているものを使用すると、液晶表示素子のコントラストを十分に確保できないことがある。
【0031】
反射板は、可視光を効率良く反射するものであれば、特に制限無く使用することができるが、完全な鏡面より、ある程度の散乱特性を有するものを使用する方が好ましい。
【0032】
2枚の基板間に挟持されたネマチック液晶組成物と高分子と2色性色素、1/4波長板、反射板の配置は、液晶表示素子の使用者(観察者)から見て、手前から2枚の基板間に挟持されたネマチック液晶組成物と高分子と2色性色素からなる層、1/4波長板、反射板の順に積層する必要がある。電極を反射型電極とし、反射型電極の上に1/4波長板を形成すると、視差が無く、優れた表示画質を達成できるために好ましい。この場合、1/4波長板の厚みが10μm以上と厚いと、駆動電圧がネマチック液晶組成物に効率良く印加されなくなってしまうので、1/4波長板の厚みは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下に設計することが好ましい。このような1/4波長板は、複屈折率が大きな材料を使用して作製する必要があり、特開平8−3111号公報で開示されているような重合性液晶材料等を用いて作製することが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
ITO透明電極層付きのガラス基板に、ポリビニルシンナメート膜を約0.03μmの厚さで形成した後、偏光した紫外線(中心波長310nm、強度5mW/cm2)を30度の角度から60分間照射して、配向膜付きガラス基板を得た。このようにして得た配向膜のプレチルト角は7度であった。このようにして得た2枚の配向膜付きガラス基板を、配向膜が形成された面が内側になるようにして4μmの間隔をもって対向させて液晶セルを作成した。この時、2枚の基板の容易軸方向は、平行方向になるように設定した。次に
【0035】
【化1】
Figure 0005138136
【0036】
(%は質量%を示す)
に示す化合物からなるネマチック液晶組成物(A)を調製した。このネマチック液晶組成物(A)の結晶−ネマチック相転移温度は-31℃、ネマチック−等方性液体相転移温度は98℃、誘電率の異方性は9、屈折率の異方性は0.241、弾性定数比K33/K11は2.0であった。次に、4つのベンゼン環を有し、重合性官能基として2つのアクリロイルオキシ基を有し、かつスペーサーとしてアルキレンスペーサーを3つ有し、スメクチックA相−ネマチック相を相系列として有し、かつ36℃でスメクチックA相を呈する液晶性ジアクリレートモノマー「UCL−010」(大日本インキ化学工業株式会社製)を90質量部、光重合開始剤「イルガキュアー651」(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)10質量部からなる重合性組成物(a)を調製した。次に、液晶組成物(A)が98質量部、重合性組成物(a)が2質量部、2色性色素「S-344」(三井東圧化学株式会社製)が2質量部からなる重合性液晶組成物(B)を調製した。この重合性液晶組成物(B)を作製した液晶セルに100℃に保ちながら等方性液体相のまま注入し、注入後に3Vの交流電圧を印加したまま、温度を25℃にまで下げることにより、重合性液晶組成物(B)がネマチック相を示し、かつベンド配向している状態にした。この状態で、中心波長365nmで強度2mW/cm2(セル透過後の値)の紫外線を60秒間照射して重合性組成物(a)を光硬化させた。次に、2枚のガラス基板のうち、一方のガラス基板の外側に、1/4波長板と反射板を貼合し、本発明の液晶表示素子を作製した。この時、1/4波長板の遅相軸とガラス基板の容易軸方向のなす角度は45度に設定した。本発明の液晶表示素子は、電圧を印加していない時には、スプレイ配向状態であったが、バイアス電圧を印加すると、1秒程度でベンド配向状態に転移した。この液晶表示素子は、応答速度は8ミリ秒と高速であり、明るい表示が可能であった。
【0037】
(比較例1)
実施例1で作製したものと同様の液晶セルを用意した。次に、実施例1で調製したネマチック液晶組成物(A)100質量部、2色性色素「S-344」(三井東圧化学株式会社製)が2質量部からなるネマチック組成物(C)を調製した。この液晶性混合物(C)を用意した液晶セルに100℃に保ちながら等方性液体相のまま注入し、注入後25℃まで冷却した。この液晶セルの2枚のガラス基板のうち、一方のガラス基板の外側に、1/4波長板と反射板を貼合し、液晶表示素子を作製した。この時、1/4波長板の遅相軸とガラス基板の容易軸方向のなす角度は45度に設定した。この液晶表示素子は、電圧を印加していない時には、スプレイ配向状態であり、液晶表示素子にバイアス電圧を印加した時に、ベンド配向に転移するのに十数秒の時間を要した。また、この液晶表示素子は、ベンド配向が安定でなく、画質が安定しなかった。
【0038】
(比較例2)
実施例1で作製したものと同じ配向膜付きガラス基板を、配向膜が形成された面が内側になるようにして4μmの間隔をもって対向させて液晶セルを作成した。この時、2枚の基板の容易軸方向は、反平行方向になるように設定した。次に比較例1で調製したネマチック液晶組成物(C)を、液晶セルに100℃に保ちながら等方性液体相のまま注入し、注入後25℃まで冷却した。この液晶セルの2枚のガラス基板のうち、一方のガラス基板の外側に、1/4波長板と反射板を貼合し、液晶表示素子を作製した。この時、1/4波長板の遅相軸とガラス基板の容易軸方向のなす角度は45度に設定した。この液晶表示素子は、電圧を印加していない時には、平行一軸配向状態を示した。この液晶表示素子の応答速度は50ミリ秒と実施例1の液晶表示素子と比較して遅かった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の液晶表示素子は、安定なベンド配向を実現し、かつ偏光板が必要でないため、明るく、応答速度が速い表示が可能である。

Claims (4)

  1. 配向膜と電極層が形成された2枚の基板と、一方の基板に1/4波長板と反射板を具備するベンド配向反射型液晶表示素子であって、2枚の基板間にネマチック液晶組成物、高分子、2色性色素を含有し、該高分子が(1)セル中にネマチック液晶組成物、重合性組成物、2色性色素からなる重合性液晶組成物を注入し、(2)電極層間に電圧を印加することによって該重合性液晶組成物をベンド配向させ、(3)その状態において紫外線または電子線を照射することにより重合性組成物を硬化させて得られたものであり、
    前記重合性組成物が、下記(i)〜(iii)の特徴、
    (i) 環構造を2つ以上持つメソゲンを有する、
    (ii) 2つ以上の重合性官能基を有する、
    (iii) アルキレンスペーサーを3つ有する、
    を有する液晶性モノマーを含有することを特徴とする反射型液晶表示素子。
  2. 重合性液晶組成物中における重合性組成物の濃度が0.1〜10質量%である請求項1記載の反射型液晶表示素子。
  3. 1/4波長板がセル内に形成されており、かつ一方の基板の電極が可視光を反射する反射型電極である請求項1又は2に記載の反射型液晶表示素子。
  4. アクティブ素子を有する請求項1からのいずれか一つの請求項に記載の反射型液晶表示素子。
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