JP5137227B2 - 中空状吸水性樹脂 - Google Patents
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Description
[1]内部に空間を有している中空の粒状吸水性樹脂であって、該吸水性樹脂のポリマー分子鎖中におけるカルボキシル基中和塩単位のうち10〜80mol%アンモニウム塩であり、樹脂の皮膜の厚みが1〜30μmであり、嵩比重が0.60以下であり、中空の粒状吸水樹脂の平均粒径が、5〜1000μmでることを特徴とする粒状吸水性樹脂。
[2]吸水性樹脂のポリマー分子鎖中におけるカルボキシル基含有単位の含有率が50mol%以上である[1]に記載の粒状吸水性樹脂。
[3]ポリマー分子鎖中におけるカルボキシル基含有単位の50%以上が中和塩である[2]に記載の粒状吸水性樹脂。
[4] 吸水性樹脂がポリアクリル酸である請求項1−3のいずれか一項に記載の粒状吸水性樹脂。
ここで穴は、内部の液体が乾燥時に抜けるときにできる穴と粉砕時に割れる穴の二種類がある。粉砕時に割れる穴には、一次粒子がそのまま割れる場合に出来る穴と接着していた一次粒子が分離する時に接着部の膜がどちらかの粒子にへばりついて剥がれる時にできる穴がある。
ここで、平均粒径とは、電子顕微鏡で写し、粒径が観察できる樹脂を任意に20個取り出し、その平均値を平均粒径とする。
また、上記単官能性不飽和単量体と内部架橋剤の他、必要に応じて、発泡剤、連鎖移動剤、界面活性剤、キレート剤等を添加して重合してもよい。
その後、後架橋のために所定の粒子径に調整された乾燥樹脂を加熱処理しても構わない。この加熱処理の方法は特に限定されるものではないが、使用するカルボキシル基と反応する架橋剤を共存させておくことが好ましい。カルボキシル基と反応する架橋剤の添加方法は特に限定されるものではなく、重合前からいれておいてもいいし、加熱処理前の粒子に加えても構わない。加熱処理前の粒子に入れる場合には、水、アルコール類、エーテル類などの親水性溶媒に溶解させて、粒子表面に均一に散布することが好ましい。加熱処理の温度は特に限定されるものではないが、好ましくは90〜250℃の範囲である。更に好ましくは120〜200℃、最も好ましくは150〜180℃である。加熱処理は、乾燥終了後に連続的に同じ装置内で加熱処理しても良く、乾燥工程とは独立の工程としても構わない。加熱処理は、通常の乾燥機や加熱炉など一般に広く用いられている装置を用いる事ができ、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
また、中空状態の形成法としては、重合後に内部に蒸発除去が可能な物質を包含した粒子を製造し、その後当該物質を蒸発除去し、中空状態を形成することが好ましい方法である。
a.不飽和ニトリル及び/又は不飽和アミドを微生物による加水分解法
微生物による加水分解反応に供される不飽和ニトリルとは、分子内に不飽和結合とシアン基を両方含む化合物のことをいう。また、不飽和結合とシアン基をそれぞれ多数含んでいても構わない。不飽和結合とは、炭素原子間に二重結合(エチレン結合)あるいは三重結合(アセチレン結合)を含むものをいい、このような化合物の例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル、ケイ皮酸ニトリルなどが挙げられる。なかでもアクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。また、微生物による加水分解反応に供される不飽和アミドとは、分子内に不飽和結合と一般式RCONH−(Rはアルキル基、アリール基など任意の有機基)で表される官能基を両方含む化合物のことをいう。このような化合物の例として、シンナムアミド、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられるが、アクリルアミド及びメタクリルアミドが好ましく、特にアクリルアミドが好ましい。
この微生物による加水分解法で生成される不飽和カルボン酸アンモニウム水溶液は、不飽和カルボン酸の二量体及び/又は水和物などの不純物量が極めて微量であるので、該製法は好ましい方法である。不純物の具体的例としては、アクリル酸の場合では、アクリル酸の二量体であるβ−アクリロイルオキシプロピオン酸及びアクリル酸の水和物であるβ−ヒドロキシプロピオン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸をアンモニアで中和する方法に供される不飽和カルボン酸は、前述の不飽和カルボン酸と同様のものが使用される。
この不飽和カルボン酸はどのような製法で作られたものでも構わない。このような不飽和カルボン酸に、不純物が多量に含まれている場合は、精製して不純物を低減させることが好ましい。ここでいう不純物とは、分解して単量体成分となりうる化合物のことをいう。例えば、不飽和結合が水和したものやオリゴマー、アクリル酸においてはβ−ヒドロキシプロピオン酸やβ−アクリロイルオキシプロピオン酸などが挙げられる。精製の方法は、不純物の量を規定量以下に低減することができればどのような方法でもよく、手段は特に制限されるものではなく、具体的な精製の方法として蒸留などの一般的に用いられる方法で行ってもよい。不純物の量は1000ppm以下まで低減させることが好ましく、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。不純物が多いと、得られた吸水性樹脂の残存モノマーが多く、さらにその後の製造工程によって残存モノマーが増加するという現象を示し、さらにはポリマーの諸物性が不十分となる場合もあり好ましくない。
重合開始剤は、結果的に不飽和カルボン酸塩水溶液中に、できるだけ均質に溶解するように投入すれば、どの段階で投入しても構わない。例えば、不飽和カルボン酸塩水溶液が有機溶媒1と混合する前から、不飽和カルボン酸塩水溶液と有機溶媒1からなるエマルジョン溶液を有機溶媒2と混合される前の間のいずれかの時に投入する方法が挙げられる。
界面活性剤の使用量は単量体に対して0.1〜15重量%が適切な範囲であり、好ましくは0.2〜5重量%である。実質的に界面活性剤の使用量は安定したエマルジョンが状態を保つ事ができれば特に限定されるものではないが、界面活性剤の使用量が少なすぎても安定したエマルジョン状態を保つことができず、15重量%以上使用してもこれに伴う好結果が得られない。
重合終了後、粒子径が小さい場合は、凝集させて平均粒径100μm以上とすることも構わない。凝集方法としては、第三成分を入れて界面活性剤2を粒子表面からはがし粒子同士を接着させる方法、粒子同士が接触している状況で溶媒を蒸留除去し粒子同士を接着させる方法等が挙げられる。
凝集工程を経た後に、溶媒との共沸脱水によりゲルの含水率を下げる工程を経てもよく、その条件は圧力及び温度等、特に限定されるものではない。
次に、吸水性樹脂性能の評価について説明する。
(シート間挟み込み法の吸収速度の測定法)
25g/m2目付のレーヨンスパンレース(国光製紙製)を縦15cm、横10cmの長方形に切り取る。切り取られたレーヨンスパンレース2枚の間に、吸水性樹脂0.75gを出来るだけ均質にばら撒いて配置し、吸収体を作成する。吸収体の短手方向へ生理食塩水が漏れ出さないように吸収体の長手方向に堰を設け、短手方向に漏れ出す生理食塩水を長手方向へ走らせるようにしておく。(図1参照)この吸収体の中央部に、25℃に調温された0.9%生理食塩水を1.5cmの高さから5g/secの速度で投下する。吸収体の長手方向のエッジから外側に液体が漏れでた時点で生理食塩水の投下を終了する。最終的に投下された生理食塩水量(g)を測り取る。投下時間(秒)は、投下された生理食塩水量を5g/secで割った値とする。(式1)に従って、シート挟み込み法の吸収速度を算出する。
(式1)
シート挟み込み法の吸収速度(g/sec・g−吸水性樹脂)=5(g/sec)/{0.75g×1(sec)/投下時間(sec)}
また、T−バッグ法の吸水倍率測定試験(測定法の詳細は下記。)においては、35g/g以上の性能が発現する吸水性樹脂となる。通常、吸水速度60g/sec・g−吸水性樹脂以上、保水力25g/g以上、吸収倍率35g/g以上という吸水性樹脂は確認できていない。本発明は、当該樹脂層の厚みを30μm以下とし、樹脂の液体接触時の呼応速度を上げることで体液の超高速吸収を可能にした。また、当該樹脂は樹脂部以外にも樹脂内部に中空状の空間を有することで空間保水するため高保水化が可能となった。
本発明の吸水性樹脂の吸収倍率とは0.9%の生理食塩水を、吸水性樹脂に荷重がかからない状態において、自由に膨潤吸収できる量のことである。吸水性樹脂の吸収倍率は以下のような方法で測定する。
吸水性樹脂0.5gを不織布製のティーバッグ式袋(60×40mm)に均一に入れ、23℃の0.9%生理食塩水中に浸漬する。60分後にバッグを取り出し、ティーバッグの角を固定し斜めの状態で10分間吊るして水切り後、重量を測定する。吸水性樹脂を用いずに同様の操作を行い、重量を測定しブランクとする。(式2)に従って吸収倍率を算出する。測定は3回行い、平均値を吸収倍率とする。
(式2)
吸水性樹脂の吸収倍率(g/g)={(吸水後のティーバッグの重量)−(吸水後のブランクのティーバッグ重量)−(吸水性樹脂の重量)}/(吸水性樹脂の重量)
(保水力の測定試験)
前記T−バッグ法の吸収倍率測定試験実施直後の含水樹脂を包含したT−バッグを遠心分離機に入れ、250Gで3分間脱水し、重量を測定する。吸水性樹脂を用いずに同様の操作を行い、重量を測定しブランクとする。(式3)に従って吸水倍率を算出する。測定は3回行い、平均値を保水力とする。
(式3)
吸水性樹脂の保水力(g/g)={(吸水後遠心分離機で脱水後のティーバッグの重量)−(吸水後のブランクのティーバッグ重量)−(吸水性樹脂の重量)}/(吸水性樹脂の重量)
(ボルテックス法による吸収速度の測定法)
100ccのガラス製ビーカーに25℃に調整した0.9%の生理食塩水を50g測り取る。ここに30*8mmの回転子を入れ、回転計のついたマグネチックスターラーの上にのせ、600rpmで回転させる。非接触式回転計にて、回転数を確認する。吸水性樹脂を2.00g測り取り、ビーカーに投入する。吸水性樹脂投入後から、液表面が平らになるまでの時間を吸収時間とする。(式4)に従って吸収速度を算出する。
(式4)
吸水性樹脂のボルテックス法による吸収速度(g/sec・g−吸水性樹脂)=50g/(2g×吸収時間(秒))
本発明の吸水性樹脂は、吸収倍率、保水力、吸水速度のバランスが非常に優れた樹脂であり、当該樹脂を単独しても構わないが、上記性能の異なる樹脂と併用して使用することも好ましい方法である。
(嵩比重測定法)
乾燥状態の吸水性樹脂をふるいを用い室温下にて所定粒径へ分級する(粒径106〜300μm)。分級後の測定試料を十分に混合し、受器(2cc台付メスフラスコ:許容誤差+−0.015cc)中へ充填する。この時、受器中への試料の充填は、試料の体積変化がなくなるまで十分に振動を与え所定体積において細密状態となるよう充填する。この間隙を含んだ細密状態の測定試料重量を測定し所定体積で割った値を嵩比重とする。(式5)に従って嵩比重を算出する。
(式5)
嵩比重=(試料の入った受器の重量−受器の重量)/受器の体積
製造例1
(アクリルニトリルの加水分解によるアクリル酸アンモニウムの調製)
アクリルニトリルの加水分解は特願2003−101199号公報の実施例1の方法に従い、生体触媒を調製し、実施例4の方法に従って加水分解を行った。
(生体触媒の調製)
ニトリラーゼ活性を有するアシネトバクター エスピー AK226(FERM BP−08590)を塩化ナトリウム0.1%、リン酸2水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム7水和物0.05%、硫酸鉄7水和物0.005%、硫酸マンガン5水和物0.005%、硫酸アンモニウム0.1%、硝酸カリウム0.1%(何れも重量%)を含む水溶液をpH=7に調製した培地で、栄養源としてアセトニトリル0.5重量%を添加し、30℃で好気的に培養した。これを30mMリン酸バッファー(pH=7.0)にて洗浄し菌体懸濁液(乾燥菌体15重量%)を得た。続いてアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、5%N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン水溶液、菌体懸濁液、30mMリン酸緩衝液の混合液に、2.5%過硫酸カリウム水溶液を混合して重量物を得た。最終的な組成は、乾燥菌体濃度3%、30mMリン酸バッファー(pH=7)52%、アクリルアミド18%、メチレンビスアクリルアミド1%、5%N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン水溶液12%、2.5%過硫酸カリウム水溶液14%(何れも重量%)とした。該重合物を約1×3×3mm角の粒子に裁断し固定化菌体を得た。この固定化菌体を30mMリン酸バッファー(pH=7)で洗浄し固定化菌体触媒(以下生体触媒)を調製した。
(生体触媒による加水分解)
内容積500mlの三角フラスコに蒸留水400gを入れ、これに前述の生体触媒1g(乾燥菌体0.03gに相当)を金網かごに入れたものを液中にセットし、ゴム栓で封をした後、恒温水槽に浸けて内温を20℃に保ち、スターラーで攪拌した。
試薬アクリル酸(和光純薬製、試薬特級品)100gを200mlフラスコに量り取り、撹拌下、内温30℃以下に保つよう冷却しながら25重量%アンモニア水95.7gを滴下し、100モル%中和のアクリル酸アンモニウム水溶液195.7gを生成した。
取り出した樹脂の一部の電子顕微鏡写真を図2に示した。
実施例1で使用したアクリル酸アンモニウム195.7gを製造例1で製造したアクリル酸アンモニウム水溶液を1955.0gに変えた以外は実施例1と同じ条件で重合した。
生成した吸水性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例1の乾燥条件を100℃の真空乾燥から、150℃窒素雰囲気下のイナートオーブンでの乾燥に変えた以外は実施例1と同じ条件で重合した。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例1で使用したN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.0087gを0.0200gに、エマルゲンLS−106、0.55gを2.25gに、シクロヘキサン11.29gを44.68gに、そして、ソルビタンモノステアレート2.24gを11.22gに変えた以外は実施例1と同じ条件で重合した。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例1のエマルゲンLS−106、0.55gをエマルゲンLS−110(花王株式会社製、非イオン性界面活性剤)1.16gに、シクロヘキサン11.3gを22.2gに、そして、ソルビタンモノステアレート2.24gを4.46gに変えた以外は実施例1と同じ条件で重合した。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例1で使用したエマルゲンLS−106、0.55gを0.28gに、シクロヘキサン11.29gを5.56gに、そして、ソルビタンモノステアレート2.24gを1.68gに変えた以外は実施例1と同じ条件で重合した。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例6で使用したN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.0087gを0.0050gに変え、燥条件を100℃の真空乾燥から、150℃窒素雰囲気下のイナートオーブンでの乾燥に変えた以外は実施例6と同じ条件で重合した。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例1で使用したエタノール20.0g、グリセリン1.15g、シクロヘキサン180gの混合溶液をエタノール15.0g、グリセリン1.15g、シクロヘキサン45g、水酸化ナトリウム10.0g、蒸留水40.1gに変え凝集を行い、燥条件を100℃の真空乾燥から、150℃窒素雰囲気下のイナートオーブンでの乾燥に変えた以外は実施例1と同じ条件で重合した。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例1で得られた吸水性樹脂をイナートオーブンにて、窒素雰囲気下150℃で20分加熱処理した。次に水酸化ナトリウム0.19g、蒸留水1.09g、エマルゲンLS−110、0.16g、エタノール6.84g中へ溶解しこの混合溶液を、加熱処理後の樹脂3.15gへ添加し均一に分散させた後、常温で真空乾燥を行った。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例4で得られた吸水性樹脂をイナートオーブンにて、窒素雰囲気下150℃で20分加熱処理する。次に水酸化ナトリウム0.23g、蒸留水1.31g、エマルゲンLS−110、0.15g、エタノール7.24g中へ溶解しこの混合溶液を、加熱処理後の樹脂3.01gへ添加し均一に分散させた後、常温で真空乾燥を行った。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
実施例5で得られた吸水性樹脂をイナートオーブンにて、窒素雰囲気下150℃で20分加熱処理する。次に水酸化ナトリウム0.19g、蒸留水0.99g、エマルゲンLS−110、0.13gをエタノール5.78g中へ溶解しこの混合溶液を、加熱処理後の樹脂3.01gへ添加し均一に分散させた後、常温で真空乾燥を行った。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
試薬アクリル酸100gに蒸留水10.14g添加後、活性炭(日本エンバイロケミカル株式会社製 白鷺WH2C)を7.25g添加して内温が30℃以下に保つように冷却をしながら1時間撹拌し重合禁止剤を活性炭にて吸着除去し、ろ過によりアクリル酸水溶液を回収する。このアクリル酸水溶液105.6gを200mlフラスコに量り取り、撹拌下、内温30℃以下に保つよう冷却しながら28重量%アンモニア水80.13gを滴下し、100モル%中和のアクリル酸アンモニウム水溶液185.7gを生成した。
重合装置内シクロヘキサンを60℃に加温する。内温が設定温度まで到達したら、アクリル酸アンモニウム水溶液中に過硫酸アンモニウム0.0920gを蒸留水2gに溶解させた液を添加し均一になるよう撹拌する。その後、重合装置内へアクリル酸アンモニウム水溶液を投入し重合を開始し、そのまま2時間保持した。投入開始から2時間後、圧力を常圧まで解放し含水ゲルを含んだエマルジョンを得た。次に、エタノール8.5g、グリセリン1.06g、シクロヘキサン90gの混合液を80℃に保持したエマルジョン溶液エマルジョン中へゆっくり滴下し、粒子が適当な粒径となるように凝集させた。生成した含水ゲルはシクロヘキサンを用いて洗浄後、ろ過回収し100℃の真空乾燥を行い回収した。乾燥後の樹脂を粉砕・分級し粒径106〜300μmの粒子にて吸水性樹脂の分析を実施し、その分析結果を表2に示した。
取り出した樹脂の電子顕微鏡写真を図3に示した。
比較例1で得られた吸水性樹脂をイナートオーブンにて、窒素雰囲気下150℃で30分加熱処理する。次に水酸化ナトリウム0.16g、蒸留水0.98g、エマルゲンLS−110、0.18gをエタノール6.63g中へ溶解しこの混合溶液を、加熱処理後の樹脂3.01gへ添加し均一に分散させた後、常温で真空乾燥を行った。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
アクリル酸は和光純薬製、試薬特級品を蒸留精製して使用した。試薬アクリル酸100gを水91.02gに溶解した。この水溶液を氷浴にて冷却し、液温30℃以下に保ちながら、25質量%のアンモニア水溶液117.94gを攪拌しながら徐々に加え40質量%のアクリル酸アンモニウム水溶液を得た(中和率100%)。
300mlセパラブルフラスコにこの40質量%アクリル酸アンモニウム水溶液を90g、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを0.0187g添加する。フラスコは30℃に液温が保たれるようにウォーターバスに浴す。水溶液を窒素ガスでバブリングすることにより脱気し、反応系中を窒素置換した。次に42質量%グリセリン水溶液をシリンジにて0.43g添加、よく攪拌した後にそれぞれ1gの水に溶かした30質量%過酸化水素水溶液 0.0917gとロンガリット 0.0415gを添加し重合を開始する。内部温度は30℃から開始して反応開始5分で100℃まで上昇する。その後、内部温度が70℃に保たれるように水浴にて3時間加熱する。その後、セパラフラスコよりゲルを取り出し粗解砕を行ってから100℃にてイナートオーブンを用いて4時間乾燥させる。乾燥終了後、ホモジナイザーにて粉砕した。この樹脂を分級し、粒径106〜300μmの樹脂を取り出し、イナートオーブンを用いて、180℃にて10分間加熱処理を行った。
生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
取り出した樹脂の電子顕微鏡写真を図4に示した。
300mlセパラブルフラスコに40重量%アクリル酸アンモニウム水溶液を90g、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを0.0062g、シクロヘキサンを72.00g、花王株式会社製 非イオン性界面活性剤エマルゲンLS−110を1.1250g添加する。フラスコは30℃に液温が保たれるようにウォーターバスに浴しながらマグネティックスターラーを用いて20分間、400rpmで攪拌する。水溶液を窒素ガスでバブリングすることにより脱気し、反応系中を窒素置換した。次に42重量%グリセリン水溶液をシリンジにて0.86g添加、よく攪拌した後にそれぞれ1gの水に溶かした30重量%過酸化水素水溶液 0.0917gとロンガリット 0.0830gを添加し重合を開始する。内部温度は30℃から開始して反応開始10分で80℃まで上昇する。その後、内部温度が70℃に保たれるように水浴にて1時間加熱する。その後、セパラフラスコよりゲルを取り出し粗解砕を行ってから100℃にて窒素雰囲気のイナートオーブンを用いて乾燥させる。乾燥終了後、ホモジナイザーにて粉砕し、篩い分けにて100〜850μmを回収する。これをイナートオーブンにて窒素雰囲気下で30分間、130℃で加熱する。生成した吸収性樹脂の分析結果を表2に示した。
取り出した樹脂の電子顕微鏡写真を図5に示した。
2006年8月3日に倉敷市の金光薬局で購入したユニ・チャーム株式会社製ライフリーさわやかパッド 快適タイプ15cc 尿吸収パッドに含まれている吸水性樹脂を取り出し、分析を実施した結果を表2に示した。
取り出した樹脂の電子顕微鏡写真を図6に示した。
以上の各比較例で得られた樹脂は、図3〜6に示すように、いずれも中空の無い樹脂である。なお、図5に示す比較例4で得られた樹脂は、内部に微細気泡を有するが、樹脂皮膜を表現できる状態ではない。また、比較例5の樹脂は超微粒子の凝集体である。
Claims (4)
- 内部に空間を有している中空の粒状吸水性樹脂であって、該吸水性樹脂のポリマー分子鎖中におけるカルボキシル基中和塩単位のうち10〜80mol%アンモニウム塩であり、樹脂の皮膜の厚みが1〜30μmであり、嵩比重が0.60以下であり、中空の粒状吸水樹脂の平均粒径が、5〜1000μmであることを特徴とする粒状吸水性樹脂。
- 吸水性樹脂のポリマー分子鎖中におけるカルボキシル基含有単位の含有率が50mol%以上である請求項1に記載の粒状吸水性樹脂。
- ポリマー分子鎖中におけるカルボキシル基含有単位の50%以上が中和塩である請求項2に記載の粒状吸水性樹脂。
- 吸水性樹脂がポリアクリル酸である請求項1−3のいずれか一項に記載の粒状吸水性樹脂。
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