JP5137035B2 - 青果物収容用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に青果物を収納した後、これを搬送または保管するために用いられる青果物収納用容器に関する。
従来より、収穫を終えた青果物は、直ぐに出荷される場合の他、例えば出荷時期を調整した後、または追熟を行った後、出荷がなされる場合があった。
このような青果物は、収納用容器内に収納されて保管されるのが一般的であり、収納用容器は、青果物の鮮度をできるだけ保つことができ、段積みしても破損しないよう一定の強度を有し、安価に製造できることなどが重要な条件である。
青果物収納用容器として用いられているダンボール箱,木箱,発泡樹脂製容器などは、いずれも上記の条件を満たす優れた容器であり、流通の要として使用が盛んである。
なお、青果物の中には、老化や成熟を促進する植物成熟ホルモンとしてエチレンガスを発生するものがあるため、このエチレンガスが青果物収納用容器内に貯まらないよう、ガスを吸収したり容器外に放出できるような容器構造を有する工夫が必要である(例えば、特許文献1)
このような容器構造としては、例えば容器の側面や上面に開口部を設けることで、容器内にガスが貯まってしまうことを防止するものがある。
しかしながら、このような容器構造を有する青果物収納用容器は、開口部から容器内部に害虫や小動物が侵入する問題があった。
このため、図11に示した青果物収納用容器100では、容器100の側面102に開口部104を形成し、この開口部104を覆うように不織布106を貼り付けることで、容器100内部に害虫や小動物が侵入することを防止しつつ、内部に収容された青果物から生じたガスを容器100外に確実に放出できるようにしている。
特開平11−46677号公報
しかしながら、このように開口部104に不織布106を張着した青果物収納用容器100の場合、不織布106部分の強度が著しく低下するという問題があった。
また、この開口部104への不織布106の張着は、一枚一枚手作業で行われており、非常に効率が悪いものであった。
また不織布は、多数の繊維からなるため、どうしても繊維の隙間から害虫が容器内部に侵入してしまう場合があった。
したがって、害虫が存在しないように厳しい監督下で青果物を育成させ収穫したとしても、搬送の途中で害虫が容易に紛れ込むことがあった。
一方、日本産の青果物、特にリンゴなどは、非常に高度な品種改良が繰り返されて、味覚,形態などが非常に良好であるため、海外における需要が日々高まっている。
このような青果物を輸入する国では、海外から害虫が持ち込まれないよう非常に厳しい対応で臨んでいる。これは、新たな害虫が持ち込まれた場合、この害虫に対して天敵が存在しないことがあり、輸入国の自然が害虫によって駆逐されてしまうことがあるためである。
このため青果物を輸入する場合には、容器内に害虫が入らないようになるべく密閉された容器を用いる必要があるが、青果物がリンゴのようにガスを生ずる青果物である場合には、逆にこの密閉された空間内にガスが溜まってリンゴの鮮度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、容器内部に害虫や小動物が侵入することを防止しつつ、内部の青果物から生じたガスを容器外に確実に放出することのできる青果物収納用容器を提供することを目的とする。
また本発明は、製造コストが安価であるとともに、耐衝撃性に強い青果物収納用容器を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における問題点を解決するために発明されたものであって、
本発明の青果物収納用容器は、
壁部と前記底壁部の周縁より立設された側壁部とにより、内方に青果物収納部を形成するとともに前記底壁部と対向する側が開口された容器本体部と、前記容器本体部の底壁部と対向する開口を塞ぐよう構成された蓋部材とから構成される発泡樹脂製の青果物収納用容器であって
前記容器本体部の前記底壁部と前記蓋部材の主面とには、前記容器を直上から目視した場合に互いの位置がずれるように、前記青果物から生じるエチレンガスを外部に放出するための微細孔がそれぞれ複数形成され、
前記微細孔は、前記容器本体部と蓋部材とに2〜10個/cm 2 の密度であって、かつ、
前記容器本体部の底壁部全体の面積の0.05〜1.00%の範囲内の領域と、前記蓋部材の主面全体の面積の0.05〜1.00%の範囲内の領域とに形成されているとともに、
前記微細孔の前記青果物収納部の外方に位置する開孔部の孔径が、内方に位置する開孔部の孔径よりも小さく設定され、
さらには、前記微細孔の前記青果物収納部の外方に位置する開孔部の孔径がφ1.00〜1.50mmの範囲内であり、前記微細孔の前記青果物収納部の内方に位置する開孔部の孔径がφ1.05〜1.55mmの範囲内に設定されていることを特徴とする。
このように構成すれば、容器本体部および蓋部材に微細孔が設けられているだけであるため、製造時に射出成形を用いれば、微細孔も一度に成形可能であり、製造コストを抑えることができる。
さらに、微細孔を直接容器本体部および蓋部材に設けているため、従来の青果物収納用容器と比べて耐衝撃性に強く、例えば青果物を輸出する場合など長時間容器を使用する際においても、確実に内部の青果物の品質を保つことができる。
また、本発明に係る青果物収納用容器では、
前記青果物収納部の外方に位置する各開部の孔径の平均値に対する各開部の変動幅が0.05〜0.10mmの範囲内にあり、前記孔径に対する前記変動幅の比率(変動幅/孔径)が3.3〜10.0%の範囲内にあることが好ましい。
このような微細孔によって、青果物から発生するガスが容器外部に放出され、こうしたガスを含まない容器外部の空気が容器外部に取り込まれる。
そして、微細孔によって容器内の気体の流通を行うことができるが、この微細孔の外方に位置する開孔部の孔径が非常に小さいことから、容器外部からの害虫の侵入を有効に防止することができる。
したがって、青果物を輸出する場合、本発明の容器に収納して搬送すれば、外部から容器内に害虫が侵入することがないので好ましい。
さらに、本発明の青果物収納用容器は、微細孔の形成位置が容器本体と蓋体との間で位置ずれして形成されているので、容器内で気体の流れが生じ、青果物から生ずるガスを効果的に外部に放出させることができる。
さらに、空気との比重差により自然換気なされるため、容器内のガスを容器外に放出させ、替わりに容器外にある新鮮な空気を容器内に導入することができる。
また、このように微細孔が設けられていれば、青果物収納用容器に青果物を収納した後に予冷庫に入れた場合において、微細孔から青果物収納用容器の内部に冷気が効率良く流入されるようになるため、冷却効率を高めることができ、再冷却の必要な場合にも迅速に冷却を行うことができる。
さらに、本発明の青果物収納用容器は、エチレンを発生させるリンゴの搬送に好適である。
本発明では、青果物収納用容器が発泡樹脂製なので、容器を軽量化することができる。さらに、断熱性が高く、外的応力に対しても対応力があるので、内部の青果物の鮮度を保つことができる。また、金型による樹脂成形が可能であるため、生産性が高く製造コストを抑えることができる。
特に発泡樹脂が発泡スチレンであれば、比較的安価な材質であるとともに入手が容易であるため、製造コストを抑えることができる。
本発明によれば、容器本体部蓋部材に直接微細孔を設けたので、容器内部に害虫や小動物が侵入することを防止しつつ、内部の青果物から生じたガスを容器外に確実に放出することのできる青果物収納用容器を提供することができる。
また製造コストが安価であるとともに、耐衝撃性に強い青果物収納用容器を提供することができる。
図1は、本発明の青果物収納用容器の分解斜視図である。 図2は、図1に示した青果物収納用容器のA−A線による分解断面図である。 図3は、本発明の青果物収納用容器の青果物収納部内に青果物を収容した状態を示す断面図である。 図4は、図3に示した断面図のB部拡大図である。 図5は、本発明の青果物収納用容器の製造方法を説明する工程図であり、図5(a)は金型を開いた状態を説明するための概略図、図5(b)は金型を閉じた状態を説明するための概略図、図5(c)は金型内で原料ビーズを発泡させた状態を説明するための概略図である。 図6は、本発明の青果物収納用容器の製造方法を説明する工程図であって、図6(a)は金型を開いた状態を説明するための概略図、図6(b)は成形された容器を金型から取り外した状態を説明する概略図である。 図7は、図6(b)の工程において、蓋部材の微細孔の状態を説明するための部分拡大図である。 図8は、容器本体部の製造方法を説明する工程図であり、図8(a)は金型を開いた状態を説明するための概略図、図8(b)は金型を閉じた状態を説明するための概略図である。 図9は、容器本体部の製造方法を説明する工程図であり、図9(a)は金型内で原料ビーズを発泡させた状態を説明するための概略図、図9(b)は金型を開いた状態を説明するための概略図である。 図10は、容器本体部の製造方法を説明する工程図であり、図10(a)は成形された容器本体部を金型から取り外した状態を説明する概略図である。 図11は、従来の青果物収納用容器の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の青果物収納用容器の分解斜視図、図2は、図1に示した青果物収納用容器のA−A線による分解断面図、図3は、本発明の青果物収納用容器の青果物収納部内に青果物を収容した状態を示す断面図、図4は、図3に示した断面図のB部拡大図である。
本発明の青果物収納用容器は、容器内部に害虫や小動物が侵入することを防止しつつ、内部の青果物から生じたガスを容器外に確実に放出することができ、また製造コストが安価であるとともに、耐衝撃性に優れたものである。
<青果物収納用容器10>
図1および図2に示したように本発明の青果物収納用容器10は、まず底壁部12と、この底壁部12の周縁より立設された側壁部14とにより、内方に青果物収納部16を形成するとともに、底壁部12と対向する側が開口された容器本体部18と、容器本体部18の底壁部12と対向する開口を塞ぐための蓋部材20と、から構成されている。
そして、容器本体部18と蓋部材20には、これら容器本体部18と蓋部材20のそれぞれを貫通して成る微細孔22a,22bがそれぞれに設けられている。
この微細孔22a,22bは、図3に示したように、青果物収納部16内に青果物24を収容した状態において、青果物24から生ずるガスを外部に放出するためのものである。
青果物24の中には、老化や成熟を促進する植物成熟ホルモンとしてエチレンガスを生ずるものがあるが、このエチレンガスが青果物収納用容器10内に貯まってしまうと、青果物24の鮮度の落ちるスピードが早まってしまう。
このため、容器本体部18と蓋部材20に微細孔22a,22bを設ければ、容器内にガスが貯まることを防止することができる。
また、容器本体部18と蓋部材20に設けられた微細孔22a,22bは、容器本体部18の底壁部12や蓋部材20の主面26に設けられている
なお、微細孔22a,22bは、容器本体部18および蓋部材20に〜10個/cm2の密度で形成されている。
また容器本体部18に設けられた微細孔22aは、容器本体部18の底壁部12全体の面積の0.05〜1.00%の範囲内の領域に形成されている。
さらに蓋部材20に設けられた微細孔22bについては、蓋部材20の主面26全体の面積の0.05〜1.00%の範囲内の領域に形成されている。
このように微細孔22bが設けられていれば、容器本体部18内に収容された青果物24がガスを生じても、確実に外方に放出させることができ、青果物の鮮度を保つことができる。また、容器10の強度が必要以上に落ちてしまうことがないため、搬送時における耐衝撃性にすぐれている。
なお、図4に示したように微細孔22bの青果物収納部16の外方に位置する開孔部28aの孔径L1は、内方に位置する開孔部28bの孔径L2よりも小さく設定されている。
ここで、青果物収納部16の外方に位置する開孔部28aの孔径L1が通常はφ1.00〜1.50mmの範囲内であり、青果物収納部16の内側に位置する開孔部28bの孔径L2が通常はφ1.05〜1.55mmの範囲内である。
このように本発明の青果物収納用容器10においては、容器10の外側に位置する開孔部28aの孔径L1を、容器10の内側に位置する開孔部28bの孔径L2よりも小さく形成することにより、害虫あるいは小動物がより侵入し難くなる。
特に本発明では、容器10の外側に位置する各開孔部28aの孔径L1の平均値に対する各開部28aの変動幅が0.05〜0.10mmの範囲内にあり、この孔径L1に対する変動幅の比率(変動幅/孔径L1)が3.3〜10.0%の範囲内にあることが好ましい。
このように容器10の外側の孔径L1が揃った微細孔22bを形成することにより、害虫などの侵入を実質的に完全に防止できる。
本発明の青果物収納用容器10では、容器10の外方に設けられた開孔部28aの孔径L1を内方に設けられた開孔部28bの孔径L2よりも小さくすることにより、害虫あるいは小動物の侵入を有効に防止することができる。
なお、微細孔22aについても、上記微細孔22bと同様である。
このように微細孔22a,22bの大きさを設定すれば、青果物収納用容器10内に害虫や小動物が侵入することができないので、例えば青果物24を輸出する場合、容器10内に害虫あるいは小動物などがいない状態で密封してしまえば、これらの害虫あるいは小動物が搬送中あるいは貯蔵中などに容器10内に侵入することができない。
また害虫あるいは小動物によって、内包されている青果物24が損傷を受けることを防止することができる。
さらに、上記したように容器本体部18の底壁部12蓋部材20の主面26とに設けた微細孔22a,22bは、図3に示したように互いの微細孔形成位置が、ずれている。
このように位置ずれして微細孔22a,22bを設ければ、容器10内で気体の流れが生ずるようになるため、青果物24から生ずるガスを効果的に外部に放出させることができる。
さらに、青果物収納用容器10内に青果物24を収納した後で冷却を行う場合には、微細孔22a,22bから青果物収納用容器10の内部に冷気が効率良く流入されるため、冷却効率が高められ、再冷却の必要な場合にも迅速に冷却を行うことができる。
また、このような微細孔22a,22bを有する青果物収納用容器10は、発泡樹脂から形成されている
このような発泡樹脂としては、公知の発泡樹脂であれば如何なるものであっても使用可能であるが、中でも発泡スチレンを用いることが好ましい。
また、発泡樹脂を用いる場合、金型を用いることで微細孔22a,22bも一緒に形成可能であり、製造コストを抑えることができる。
次いで、本発明の青果物収納用容器10の製造方法について説明する。
<青果物収納用容器10の製造方法>
上記した青果物収納用容器10は、その製造方法において、金型30を用いることが好ましい。
まず、蓋部材20の製造方法について説明する。
図5(a)に示したように、蓋部材20を形成するための上型32と下型34からなる金型30を用意する。
次いで、図5(b)に示したように、上型32と下型34とを型閉めして、内部に蓋部材20を形成するための空間40を形成する。
そして、図5(c)に示したように、この空間40内に発泡樹脂50の原料である原料ビーズを矢印の部位より注入した後、この空間40内の原料ビーズに蒸気をかける。
すると、原料ビーズが膨張し、上型32と下型34とで形成された空間40内に発泡された発泡樹脂50が隙間なく充填されるようになる。
次いで、図6(a)に示したように金型30を開き、さらに、図6(b)に示したように、上型32から蓋部材20となる発泡体を突き出すことで、上型32よりこの発泡体を取り外し、図1に示したような蓋部材20が完成される。
なお、成形品の突き出しにおいて、上型32のピン部材36を成形品から抜く時には、図7に示したように、ピン部材36の先端側、つまり蓋部材20を青果物収納用容器10に使用する際に、容器10の外側に位置する孔側から順に、蓋部材20の内側に位置する孔側に向かって抜けることとなる。
このとき、蓋部材20の外側に位置する孔の孔径L1は、成形品の熱収縮および原料ビーズの膨張がわずかに生じ、ピン部材36のピン径L3よりも若干、縮径されることとなる。
なお、蓋部材20の内側に位置する孔の孔径L2については、ピン部材36の抜けが一番最後となるため、既に成形品の熱収縮およびビーズの膨張は終わっており、ピン部材36のピン径L3とほぼ同じ孔径となる。
このような現象を利用することで、蓋部材20の微細孔22bの外方に位置する孔径L1が、内方に位置する孔径L2よりも小さくなるようにすることができる。
本実施例においては、ピン部材36の断面形状が一定なストレートピンを用いているが、例えば先端にテーパーを有するピンを用いれば、蓋部材20の微細孔22bの外方に位置する孔径L1を、ストレートピンを用いた場合と比べて、さらに小さくすることができるため、形成する微細孔22bの孔径に合わせて、どのようなピン部材36を使用するかを決定すれば良い。
次いで、容器本体部18の製造方法について説明する。
図8(a)に示したように、容器本体部18を形成するための上型62と下型64からなる金型60を用意する。
次いで、図8(b)に示したように、上型62と下型64とを型閉めして、内部に容器本体部18を形成するための空間70を形成する。
そして、図9(a)に示したように、この空間70内に発泡樹脂50の原料である原料ビーズを矢印の部位より注入した後、この空間70内の原料ビーズに蒸気をかける。
すると、原料ビーズが膨張し、上型62と下型64とで形成された空間70内に発泡された発泡樹脂50が隙間なく充填されるようになる。
次いで、図9(b)に示したように金型60を開き、さらに、図10(a)に示したように、上型62から容器本体部18となる発泡体を突き出すことで、上型62よりこの発泡体を取り外し、図1に示したような容器本体部18が完成される。
なお、金型の構造は、蓋部材20と容器本体部18とで基本的に同じであるため、容器本体部18において、ピン部材66の抜ける方向も蓋部材20と同様に、容器本体部18の外側から内側に向かう方向である。
このため、容器本体部18に形成された微細孔22aについての説明は、蓋部材20の微細孔22bと同じ構造であるため、詳細な説明については省略するが、上記の金型構造により、ピン部材36の断面形状が一定なストレートピンであっても、容器本体部18の外方に位置する孔径L1が、内方に位置する孔径L2よりも小さくすることができる。
このように、本発明の青果物収納用容器10は、容器本体部18や蓋部材20に直接微細孔22a,22bを設けたので、容器10内部に害虫や小動物が侵入することを防止しつつ、内部の青果物24から生じたガスを容器10外に確実に放出することができ、また発泡樹脂を用いて金型により製造可能であるため、製造コストが安価であるとともに、耐衝撃性に強いという利点を有することができる。
以上、本発明における青果物収納用容器10の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではないものであって、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
(実施例1)
図1に示した蓋部材20を、図5(a)〜図6(b)に示した工程を経て製造し、蓋部材20を青果物収納用容器10として用いる際に、蓋部材20の微細孔22bの容器の外方に位置する孔径L1と、内側に位置する孔径L2を、10箇所測定した。
なお、金型30に使用したピン部材36は、全てφ1.4mmのストレートピンであった。
測定結果は、表1の通りである。
Figure 0005137035
表1から明らかなように、蓋部材20の微細孔22bは、10箇所とも青果物収納部16の外方に位置する孔径L1の方が、内側に位置する孔径L2よりも小さくなることが確認できた。
また、蓋部材20の外側に位置する微細孔22bの孔径L1の平均値に対する変動幅は0.05mmであり、孔径L1の大きさのばらつきが少ないことが確認できた。
(実施例2)
図1に示した容器本体部18を、図8(a)〜図10(a)に示した工程を経て製造し、容器本体部18を、青果物収納用容器10として用いる際に、容器本体部18の微細孔22aの容器の外方に位置する孔径L1と、内側に位置する孔径L2を、10箇所測定した。
なお、金型60に使用したピン部材66は、全てφ1.4mmのストレートピンであった。
測定結果は、表2の通りである。
Figure 0005137035
表2から明らかなように、容器本体部18の微細孔22aは、10箇所とも青果物収納部16の外方に位置する孔径L1の方が、内側に位置する孔径L2よりも小さくなることが確認できた。
また、容器本体部18の外側に位置する微細孔22aの孔径L1の平均値に対する変動幅は0.05mmであり、孔径L1の大きさのばらつきが少ないことが確認できた。
10・・・青果物収納用容器
12・・・底壁部
14・・・側壁部
16・・・青果物収納部
18・・・容器本体部
20・・・蓋部材
22a・・微細孔
22b・・微細孔
24・・・青果物
26・・・主面
28a・・開孔部
28b・・開孔部
30・・・金型
32・・・上型
34・・・下型
36・・・ピン部材
40・・・空間
50・・・発泡樹脂
60・・・金型
62・・・上型
64・・・下型
66・・・ピン部材
70・・・空間
L1・・孔径
L2・・孔径
L3・・ピン径
100・・・青果物収納用容器
102・・・側面
104・・・開口部
106・・・不織布

Claims (3)

  1. 底壁部と前記底壁部の周縁より立設された側壁部とにより、内方に青果物収納部を形成するとともに前記底壁部と対向する側が開口された容器本体部と、前記容器本体部の底壁部と対向する開口を塞ぐよう構成された蓋部材とから構成される発泡樹脂製の青果物収納用容器であって、
    前記容器本体部の前記底壁部と前記蓋部材の主面とには、前記容器を直上から目視した場合に互いの位置がずれるように、前記青果物から生じるエチレンガスを外部に放出するための微細孔がそれぞれ複数形成され、
    前記微細孔は、前記容器本体部と蓋部材とに2〜10個/cm2の密度であって、かつ、
    前記容器本体部の底壁部全体の面積の0.05〜1.00%の範囲内の領域と、前記蓋部材の主面全体の面積の0.05〜1.00%の範囲内の領域とに形成されているとともに、
    前記微細孔の前記青果物収納部の外方に位置する開孔部の孔径が、内方に位置する開孔部の孔径よりも小さく設定され、
    さらには、前記微細孔の前記青果物収納部の外方に位置する開孔部の孔径がφ1.00〜1.50mmの範囲内であり、前記微細孔の前記青果物収納部の内方に位置する開孔部の孔径がφ1.05〜1.55mmの範囲内に設定されていることを特徴とする青果物収納用容器。
  2. 前記青果物収納部の外方に位置する各開部の孔径の平均値に対する各開部の変動幅が0.05〜0.10mmの範囲内にあり、前記孔径に対する前記変動幅の比率(変動幅/孔径)が3.3〜10.0%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の青果物収納用容器。
  3. 前記発泡樹脂が、発泡スチレンであることを特徴とする請求項1または2に記載の青果物収納用容器。
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