JP5136631B2 - ファイバホルダ - Google Patents

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本発明は、光ファイバを保持し融着接続するため光ファイバの先端部同士を互いに対向配置させて融着機に取り付けられるファイバホルダに関する。
光ファイバの接続は、先端同士を突き合せて融着機により融着接続することが一般的に行われている。光ファイバ同士を融着接続する際、融着機に装着され各光ファイバをそれぞれ保持して先端が互いに対向した状態に位置規制するファイバホルダが特許文献1,2に記載されている。
特許文献1には、光ファイバをホルダに保持してそのホルダを切断機に装着することで光ファイバの先端部を切断するとともに、そのホルダ装着の際にホルダが切断機に対し係合し、光ファイバの軸方向の位置決めが行われ、ホルダからの口出し長を一定にできる技術が開示されている。特許文献2には、ホルダを平面的に移動させるだけで、光ファイバの被覆除去、光ファイバの切断および融着を行えるようにし、融着接続機構造を簡素化し、また、蓋を開けば、被覆除去部、切断部および融着部がすべて開放状態で観察できるようにして、各部の点検、整備、清掃などが簡単に行える技術が開示されている。
特開平9−113752号公報 特開平10−39161号公報
ところで、一般的に、光ファイバの融着接続部は、保護スリーブによって保護される。そのため、融着接続作業の際には、予め融着前に一方の光ファイバに保護スリーブを外挿しておき(光ファイバを保護スリーブに挿通しておき)、融着接続完了後、融着接続部上に移動して接続部を保護スリーブで覆っていた。
しかしながら、従来のファイバホルダには保護スリーブの保持機能が無く、ファイバホルダに保護スリーブが入らないため、ファイバホルダ外(或いは融着機風防外)に導出されている光ファイバ上に保護スリーブを配置し、融着接続後に保護スリーブを接続部上に移動させていた。このため、保護スリーブの移動長が大きくなり作業性を低下させた。特に、光コードでは、保護スリーブを外挿するためにシース外被を外部導出部分とホルダ内部分との合計長分の長さ剥がなければならず、外被剥ぎ作業に労力を要し、ファイバ接続作業性を低下させた。また、外挿した保護スリーブが保持できないため、特に電柱上等の高所作業時においては、保護スリーブが光ファイバを伝ってズレ落ちる問題もあった。さらに、従来のファイバホルダは光ファイバのみを把持する構造であったため、保護スリーブの挿通忘れを生じさせる一因ともなっていた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、シース外被剥ぎ作業を軽減させるとともに、保護スリーブを保持でき、しかも、保護スリーブの通し忘れを防止できるファイバホルダを提供し、もって、ファイバ接続作業性の向上を図ることを目的とする。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 光ファイバを保持し融着接続するため該光ファイバの先端部同士を互いに対向配置させて融着機に取り付けられるファイバホルダであって、
ホルダ基体の上面には、光ファイバを相手側光ファイバと同軸に位置決めするための位置規制部および前記光ファイバに外挿される保護スリーブの一端側の一部分を収容する凹溝状のスリーブ収容部が形成され、
前記光ファイバと前記保護スリーブを一つの蓋部材で前記ホルダ基体上に押圧して位置決め固定することを特徴とするファイバホルダ。
このファイバホルダによれば、従来、少なくともホルダから外部に導出されたコード部分のシース外被を保護スリーブの全長分、剥がなければならず、剥ぎ量がこの外部導出剥ぎ部分とホルダ内剥ぎ部分との合計長となり、シース外被剥ぎ量が大きくなって作業性を低下させていたのに対し、外挿した保護スリーブごとコードをホルダ内に把持することで、スリーブ収容部に収容する保護スリーブの長さ分、シース外被剥ぎ量を少なくできる。また、保護スリーブをファイバホルダに保持できる。さらに、スリーブ収容部を保護スリーブ通し作業存在の目印とすることができる。
とりわけ、光ファイバと保護スリーブの位置決め固定、及び固定解除を一つの蓋部材の一度の開閉操作で行うことができ、光ファイバ同士の接続に関し、迅速な作業が可能となる。
(2) 前記蓋部材には、少なくとも前記光ファイバの移動を規制する滑り止め手段が設けられていることを特徴とする上記(1)記載のファイバホルダ。
このファイバホルダによれば、光ファイバ用蓋部材が閉められたとき、光ファイバが滑り止め手段を介して光ファイバ用蓋部材に移動不能に把持され、光ファイバの位置決め精度を高めることができる。
本発明に係るファイバホルダによれば、融着接続部を覆うための保護スリーブが収納されるスリーブ収容部を備えたので、スリーブ収容部に収容する保護スリーブの長さ分、シース外被剥ぎ量を少なくできる。この結果、シース外被剥ぎ作業を軽減させてファイバ接続作業性を向上させることができる。また、保護スリーブをファイバホルダに保持できるので、特に、電柱上等の高所作業時において保護スリーブが光ファイバを伝ってズレ落ちることを防止できる。さらに、スリーブ収容部の存在により保護スリーブの通し忘れを防止することができる。
本発明の参考例に係るファイバホルダの蓋部材を開放した斜視図である。 図1に示したファイバホルダの平面図である。 図1に示したファイバホルダの蓋部材を閉止した斜視図である。 図1に示すファイバホルダを装着した融着機の斜視図である。 本発明の実施の形態に係るファイバホルダの斜視図である。 図5に示したファイバホルダの蓋部材を閉止した斜視図である。
以下、本発明に係るファイバホルダの参考例を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るファイバホルダの蓋部材を開放した斜視図、図2は図1に示したファイバホルダの平面図、図3は図1に示したファイバホルダの蓋部材を閉止した斜視図である。なお、本参考例では、光ファイバとしてテープ心線を図示して説明する。
本参考によるファイバホルダ100は、光ファイバ11を保持し融着接続するため光ファイバ11の先端部同士を互いに対向配置させて後述の融着機に取り付けられる。ファイバホルダ100は、樹脂材料等によりなる扁平直方体状のホルダ基体13を有する。ホルダ基体13の上面には光ファイバ11を相手側光ファイバと同軸に位置決めするための位置規制部17が形成され、位置規制部17は光ファイバ11を内方に嵌め入れて軸線方向の2箇所を位置規制する略V字状の一対の溝付板部19a,19bを有する。位置規制部17の溝付板部19a,19bに位置決めされた光ファイバ11は、ホルダ基体13の前端側(図1の右端側)から接続先端部11aが突出される。
ホルダ基体13には光ファイバ用蓋部材21が設けられ、光ファイバ用蓋部材21はホルダ基体13の側部に嵌入された回転支持軸23により、ホルダ基体13の側部にヒンジ結合されており、回転支持軸23を回転中心とした回動動作で、図3に示すように位置規制部17を覆う。光ファイバ用蓋部材21は、ホルダ基体13の上に被さる略平板状で、その片側部には開閉操作時に手指をかける把持部25が突設されている。光ファイバ用蓋部材21は、閉止時に、不図示の係止部によりホルダ基体13に係止され、光ファイバ11を押圧して光ファイバ11の移動を規制する。
ホルダ基体13の上面には光ファイバ11に外挿された保護スリーブ27の一端側一部分を収容する凹溝状のスリーブ収容部29が形成され、スリーブ収容部29は他端がホルダ基体13の後端側(図1の左端側)で開口される。
ここで、保護スリーブ27について説明する。
保護スリーブ27は、熱収縮チューブ31と、熱収縮チューブ31に挿通した不図示の心棒及び接着チューブとを備える。熱収縮チューブ31は、加熱機によって所定温度に加熱すると、熱収縮して、挿通されている心棒に密着した状態になる。心棒は、中実の丸棒で、補強用の心材として、熱収縮チューブ31に挿通される。心棒としては、鋼線、ガラスなどが用いられる。接着チューブは、心棒に縦添えした形態で熱収縮チューブ31内に挿通された接着剤製のチューブであり、熱収縮チューブ31を熱収縮させる際の加熱で軟化して、熱収縮チューブ31と心棒との隙間を埋める接着剤となる。
ホルダ基体13には保護スリーブ用蓋部材33が設けられ、保護スリーブ用蓋部材33はホルダ基体13の側部に嵌入された回転支持軸35により、ホルダ基体13の側部にヒンジ結合されており、回転支持軸35を回転中心とした回動動作で、図3に示すように、スリーブ収容部29を覆う。保護スリーブ用蓋部材33は、ホルダ基体13の上に被さる略平板状で、その片側部には開閉操作時に手指をかける把持部37が突設されている。保護スリーブ用蓋部材33は、閉止時に、不図示の係止部によりスリーブ収容部29に係止され、保護スリーブ27を押圧して脱落規制する。
本実施の形態によるファイバホルダ100は、光ファイバ11と保護スリーブ27をそれぞれ個別の光ファイバ用蓋部材21、保護スリーブ用蓋部材33でホルダ基体13上に押圧して位置決め固定する。光ファイバ11の接続時には光ファイバ用蓋部材21と保護スリーブ用蓋部材33の双方を開けて光ファイバ11を配置し、光ファイバ用蓋部材21を閉めて光ファイバ11を把持した後、保護スリーブ用蓋部材33を閉めて保護スリーブ27が把持される。これにより、保護スリーブ用蓋部材33の閉蓋動作と共に保護スリーブ27の有無確認が行え、単一蓋部材で光ファイバ11と保護スリーブ27の双方を同時に把持する構造に比べ保護スリーブ外挿工程を一層忘れ難くできる。また、蓋部材を分離することで、光ファイバ用蓋部材21が外力(保護スリーブ27が動くことによる力)によって動くことを防止し、光ファイバ11の位置決め精度を高めることができる。
光ファイバ用蓋部材21、保護スリーブ用蓋部材33のうち、少なくとも光ファイバ用蓋部材21には光ファイバ11の移動を規制する滑り止め手段39が設けられている。滑り止め手段39としては、例えば研磨紙(3M社製の「トライザクト(商品名)」等)を好適に用いることができる。滑り止め手段39を貼着することで、光ファイバ用蓋部材21が閉められたとき、光ファイバ11が滑り止め手段39を介して光ファイバ用蓋部材21に移動不能に把持され、光ファイバ11の位置決め精度を高めることができる。
また、滑り止め手段39は、保護スリーブ用蓋部材33の保護スリーブ接触面に貼着してもよい。保護スリーブ用蓋部材33に滑り止め手段39を貼着すれば、保護スリーブ27の保持性を高めることができる。
光ファイバ用蓋部材21、保護スリーブ用蓋部材33は、透明材料で形成するようにしても良い。このように光ファイバ用蓋部材21、保護スリーブ用蓋部材33を透明材料で形成すれば、蓋部材を開けずに収容されている光ファイバ11、保護スリーブ27の位置決め状態、収容状態を目視確認することが可能となる。
ファイバホルダ100は、現地の相手側光ファイバを融着接続する後述の融着機に取り付けられると、そのままで、ホルダ基体13から延出する接続先端部11aが融着位置に位置決めされるようになっている。
次に、ファイバホルダ100を使用する融着機の実施の形態を説明する。
図4は図1に示すファイバホルダを装着した融着機の斜視図である。
融着機51は、光ファイバ設備の工事が行われる現地で、光ファイバ11,11A同士を融着接続する装置である。この融着機51は、光ファイバ11を、ファイバホルダ100ごと取り付けることで、融着位置に位置決めするホルダ装着部53及び、相手側光ファイバ11Aを、同じく相手側ファイバホルダ65ごと取り付けることで、融着位置に位置決めするホルダ装着部61と、各ホルダ装着部53,61で位置決めされて、先端を互いに突き合せた光ファイバ11,11A同士を融着接続する融着処理部55と、融着処理部55で融着接続した光ファイバ11と相手側光ファイバ11Aの融着接続部の外周に被せた保護スリーブ27をヒータにより加熱収縮させる熱収縮処理部57とを備えている。
融着処理部55は、通常は、開閉カバー59によって覆われる装置の上面部に設けられている。融着処理部55は、現地の相手側光ファイバ11Aをセットするホルダ装着部61と、ホルダ装着部53にセットされてファイバホルダ100から延出する光ファイバ11の接続先端部11aを位置決めするV溝部材63と、ホルダ装着部61にセットされた相手側ファイバホルダ65から延出する光ファイバ11Aの先端位置を位置決めするV溝部材67と、これらの一対のV溝部材63,67間に配置されて、突き合されたファイバ同士を放電によって融着させる電極69とを備えている。
光ファイバ11を位置決めするV溝部材63と、相手側光ファイバ11Aを位置決めするV溝部材67は、光ファイバ11と相手側光ファイバ11Aを一直線上に支持・位置決めするように寸法設定されている。
次に、ファイバホルダ100及び融着機51を使って、光ファイバを融着接続する方法を説明する。
光ファイバ11と相手側光ファイバ11Aを融着接続するには、先ず、相手側光ファイバ11Aを、相手側ファイバホルダ65を用いてホルダ装着部61に装着しておく。
光ファイバ11は、保護スリーブ27を外挿し、保護スリーブ27の一部分をファイバホルダ100に収容した状態で保持する。次いで、ファイバホルダ100をホルダ装着部53にセットする。融着処理部55において、ホルダ装着部53に装着されたファイバホルダ100に位置決めされている光ファイバ11と、ホルダ装着部61に装着された相手側ファイバホルダ65に位置決めされている相手側光ファイバ11Aとを融着接続する。
そして、融着接続部を形成した後、光ファイバ11及び相手側光ファイバ11Aを、ファイバホルダ100及び相手側ファイバホルダ65から取り出して、融着接続部の上に保護スリーブ27を被せる。更に、融着接続部を覆った保護スリーブ27を、熱収縮処理部57に移載して、保護スリーブ27の熱収縮チューブ31を加熱収縮させ、収縮した熱収縮チューブ31により融着接続部を補強して光ファイバ同士の接続を完成する。
図5は一つの蓋部材を備えた本発明の実施の形態に係るファイバホルダの斜視図、図6は図5に示したファイバホルダの蓋部材を閉止した斜視図である。
なお、先の参考例では、光ファイバ11と保護スリーブ27をそれぞれ個別の光ファイバ用蓋部材21、保護スリーブ用蓋部材33で押圧して位置決め固定する構成を説明したが、本発明に係るファイバホルダは、図5,6に示す実施の形態のように、光ファイバ11と保護スリーブ27を一つの蓋部材71で押圧して位置決め固定するものである。このような単一蓋部材71を備えたファイバホルダ100Aによれば、光ファイバ11と保護スリーブ27の位置決め固定、及び固定解除を蓋部材71の一度の開閉操作で行うことができ、迅速な作業が可能となる。また、蓋部材71、蓋部材開閉構造を単一にできるので、製造コストを安価にすることができる。更に、スリーブ収容部29Aを長く形成できるとともに、溝付板部19bを省略して位置規制部17の構造を簡素化することができる。
上記したファイバホルダ100,100Aでは、保護スリーブ27を直近に保持して作業が行え、融着接続後の保護スリーブ27の移動長を小さくできる。特に、光コードの場合、従来、少なくともホルダから外部に導出されたコード部分のシース外被を保護スリーブの全長分、剥がなければならず、剥ぎ量がこの外部導出剥ぎ部分とホルダ内剥ぎ部分との合計長となり、シース外被剥ぎ量が大きくなって作業性を低下させていたのに対し、外挿した保護スリーブ27ごとコードをホルダ100,100A内に把持することで、スリーブ収容部29,29Aに収容する保護スリーブ27の長さL(図2参照)分、シース外被剥ぎ量を少なくできる。また、保護スリーブ27をファイバホルダ100,100Aに保持できる。さらに、スリーブ収容部29,29Aを保護スリーブ通し作業存在の目印とすることができる。
したがって、上記構成のファイバホルダ100,100Aによれば、融着接続部を覆うための保護スリーブ27が収納されるスリーブ収容部29,29Aを備えたので、保護スリーブ27を直近に保持して作業が行え、融着接続後の保護スリーブ27の移動長を小さくして作業性を向上させることができる。特に、光コードの接続では、スリーブ収容部29,29Aに収容する保護スリーブ27の長さL分、シース外被剥ぎ量を少なくできる。この結果、シース外被剥ぎ作業を軽減させてファイバ接続作業性を向上させることができる。また、保護スリーブ27をファイバホルダ100,100Aに保持できるので、特に、電柱上等の高所作業時において保護スリーブ27が光ファイバ11を伝ってズレ落ちることを防止できる。さらに、スリーブ収容部29,29Aの存在により保護スリーブ27の通し忘れを防止することができる。
本発明に係るファイバホルダは、上記の実施の形態等に限定されるものでないことは勿論である。例えば、蓋部材は、回転支持軸にばね部材が装着されて常時開方向に付勢されていて、閉止時に、不図示の係止部をホルダ基体に係止させて固定する。このように構成すると、蓋部材は予め開いた状態に設けられているので、電柱上等の高所作業時において、光ファイバ及び保護スリーブを容易に収容できて、ファイバ接続の作業を良好にすることができる。
11 光ファイバ
11a ファイバの先端部
13 ホルダ基体
17 位置規制部
21 光ファイバ用蓋部材
27 保護スリーブ
29 スリーブ収容部
33 保護スリーブ用蓋部材
39 滑り止め手段
51 融着機
100 ファイバホルダ

Claims (2)

  1. 光ファイバを保持し融着接続するため該光ファイバの先端部同士を互いに対向配置させて融着機に取り付けられるファイバホルダであって、
    ホルダ基体の上面には、光ファイバを相手側光ファイバと同軸に位置決めするための位置規制部および前記光ファイバに外挿される保護スリーブの一端側の一部分を収容する凹溝状のスリーブ収容部が形成され、
    前記位置規制部が、前記スリーブ収容部の一端の一部を兼ねる溝付板部を有し、
    前記光ファイバと前記保護スリーブを一つの蓋部材で前記ホルダ基体上に押圧して位置決め固定することを特徴とするファイバホルダ。
  2. 前記蓋部材には、少なくとも前記光ファイバの移動を規制する滑り止め手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のファイバホルダ。
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