JP5136461B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態においては、車両に搭載されて使用されるパワーモジュールに具体化している。特に、ハイブリッド車における走行モータ駆動用のインバータを構成するパワーモジュールに適用している。このインバータは複数の半導体スイッチング素子を具備し、これら半導体スイッチング素子で上アームおよび下アームを構成している。
(1)ヒートシンク50における絶縁基板10の配置固定領域において第1の放熱フィン54aが中間板53に非接合状態にされ、ヒートシンク50における絶縁基板30の配置固定領域において第2の放熱フィン55aが中間板53に非接合状態にされている。よって、ヒートシンク50における絶縁基板10,30の配置固定領域(接合箇所)の剛性が低下して変形しやすくなっている。その結果、絶縁基板10,30とヒートシンク50の熱膨張係数の差により熱応力が発生するがヒートシンク50で当該熱応力が緩和される。また、第1および第2の放熱フィン54,55における中間板53との非接合箇所により、半導体素子20から半導体素子40へ熱が伝わりにくく、また逆に半導体素子40から半導体素子20へ熱が伝わりにくくなり、半導体素子の熱干渉が抑制される。
(5)絶縁基板10,30とヒートシンク50とは直接ロウ付けされているので、放熱経路における絶縁基板10,30とヒートシンク50との間の熱抵抗を最小にすることができ、放熱性に優れている。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図3に示すように、第1の放熱フィン54について絶縁基板10の配置固定領域においては全ての放熱フィン54aではなく一部の放熱フィン54aが中間板53に非接合状態にされている。同様に、第2の放熱フィン55について絶縁基板30の配置固定領域においては全ての放熱フィン55aではなく一部の放熱フィン55aが中間板53に非接合状態にされている。図3において二点鎖線で囲った各領域がフィン54,55の非接合箇所であり、図3においては並設するフィン54a,55aのうちの一つおきに非接合箇所としている(接合箇所と非接合箇所を交互にしている)。図4において非接合箇所にはロウ材60,61を塗布しない。このような構成とすることにより、ヒートシンク50における絶縁基板10,30の配置固定領域の剛性を低下させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を、第1,2の実施形態との相違点を中心に説明する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を、第1〜3の実施形態との相違点を中心に説明する。
第1の放熱フィン84として波板状の金属板を用いるとともに、第2の放熱フィン85として波板状の金属板を用いている。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を、第1〜4の実施形態との相違点を中心に説明する。
第1〜4の各実施形態においては、ヒートシンクにおける絶縁基板10の配置固定領域において第1の放熱フィン54aが中間板53に非接合状態にされ、ヒートシンクにおける絶縁基板30の配置固定領域において第2の放熱フィン55aが中間板53に非接合状態にされていた。これに対し、本実施形態では、図8に示すように、ヒートシンク50における絶縁基板30の配置固定領域において第2の放熱フィン55aが中間板53に接合され、ヒートシンク50における絶縁基板10の配置固定領域において第1の放熱フィン54aが中間板53に非接合状態にされている。そのために、図9において接合箇所にはロウ材61を塗布し、非接合箇所にはロウ材60を塗布しない。
このようにして、ヒートシンクは、第1の絶縁基板10が配置固定される第1の外殻体51と第2の絶縁基板30が配置固定される第2の外殻体52とが中間板53を挟んで接合され、第1の外殻体51と中間板53との間に複数の冷媒通路を区画形成する第1の放熱フィン54が第1の外殻体51に接合または一体化した状態で配置され、また、第2の外殻体52と中間板53との間に複数の冷媒通路を区画形成する第2の放熱フィン55が第2の外殻体52および中間板53に接合または一体化した状態で配置され、第1の絶縁基板10の配置固定領域において少なくとも一つの第1の放熱フィン54aが中間板53に非接合状態にされている。この場合においても、ヒートシンク50における絶縁基板10の配置固定領域(接合箇所)の剛性が低下して変形しやすく、絶縁基板10,30とヒートシンク50の熱膨張係数の差により熱応力が発生するがヒートシンク50で当該熱応力が緩和される。また、第1の放熱フィン54における中間板53との非接合箇所により、半導体素子20から半導体素子40へ熱が伝わりにくく、また逆に半導体素子40から半導体素子20へ熱が伝わりにくくなり、半導体素子の熱干渉が抑制される。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態を、第1〜5の実施形態との相違点を中心に説明する。
図10に示すように、ヒートシンク50における絶縁基板10の配置固定領域において第1の放熱フィン54aが中間板53に接合され、ヒートシンク50における絶縁基板30の配置固定領域において第2の放熱フィン55aが中間板53に非接合状態にされている。そのために、図11において接合箇所にはロウ材60を塗布し、非接合箇所にはロウ材61を塗布しない。
このようにして、ヒートシンクは、第1の絶縁基板10が配置固定される第1の外殻体51と第2の絶縁基板30が配置固定される第2の外殻体52とが中間板53を挟んで接合され、第1の外殻体51と中間板53との間に複数の冷媒通路を区画形成する第1の放熱フィン54が第1の外殻体51および中間板53に接合または一体化した状態で配置され、また、第2の外殻体52と中間板53との間に複数の冷媒通路を区画形成する第2の放熱フィン55が第2の外殻体52に接合または一体化した状態で配置され、第2の絶縁基板30の配置固定領域において少なくとも一つの第2の放熱フィン55aが中間板53に非接合状態にされている。この場合においても、ヒートシンク50における絶縁基板30の配置固定領域(接合箇所)の剛性が低下して変形しやすく、絶縁基板10,30とヒートシンク50の熱膨張係数の差により熱応力が発生するがヒートシンク50で当該熱応力が緩和される。また、第2の放熱フィン55における中間板53との非接合箇所により、半導体素子20から半導体素子40へ熱が伝わりにくく、また逆に半導体素子40から半導体素子20へ熱が伝わりにくくなり、半導体素子の熱干渉が抑制される。
・放熱部材であるヒートシンク50は内部に冷媒として水が流れる構成としたが、水以外にもアルコール等の他の冷却液体が流れる構成としてもよい。さらに、液体以外にも空気等の気体が流れる構成としてもよい。
・絶縁基板10,30における金属層12,13,32,33として銅を用いてもよい。
Claims (10)
- セラミック基板の両面に金属層を形成してなる第1の絶縁基板と、
前記第1の絶縁基板の一方の面に接合された第1の半導体素子と、
セラミック基板の両面に金属層を形成してなる第2の絶縁基板と、
前記第2の絶縁基板の一方の面に接合された第2の半導体素子と、
中空状をなし、外表面に、前記第1の絶縁基板における前記第1の半導体素子の接合面とは反対の面側が配置固定され前記第1の絶縁基板を介して前記第1の半導体素子と熱的に結合するとともに、前記第1の絶縁基板の配置固定箇所とは反対の外表面に、前記第2の絶縁基板における前記第2の半導体素子の接合面とは反対の面側が配置固定され前記第2の絶縁基板を介して前記第2の半導体素子と熱的に結合するヒートシンクと、
を備えた半導体装置であって、
前記ヒートシンクは、前記第1の絶縁基板が配置固定される第1の外殻体と前記第2の絶縁基板が配置固定される第2の外殻体とが中間板を挟んで接合され、第1の外殻体と中間板との間に複数の冷媒通路を区画形成する第1の放熱フィンが前記第1の外殻体に接合または一体化した状態で配置され、また、第2の外殻体と中間板との間に複数の冷媒通路を区画形成する第2の放熱フィンが前記第2の外殻体に接合または一体化した状態で配置され、前記第1の絶縁基板の配置固定領域において少なくとも一つの前記第1の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされ、前記第2の絶縁基板の配置固定領域において少なくとも一つの前記第2の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされていることを特徴とする半導体装置。 - セラミック基板の両面に金属層を形成してなる第1の絶縁基板と、
前記第1の絶縁基板の一方の面に接合された第1の半導体素子と、
セラミック基板の両面に金属層を形成してなる第2の絶縁基板と、
前記第2の絶縁基板の一方の面に接合された第2の半導体素子と、
中空状をなし、外表面に、前記第1の絶縁基板における前記第1の半導体素子の接合面とは反対の面側が配置固定され前記第1の絶縁基板を介して前記第1の半導体素子と熱的に結合するとともに、前記第1の絶縁基板の配置固定箇所とは反対の外表面に、前記第2の絶縁基板における前記第2の半導体素子の接合面とは反対の面側が配置固定され前記第2の絶縁基板を介して前記第2の半導体素子と熱的に結合するヒートシンクと、
を備えた半導体装置であって、
前記ヒートシンクは、前記第1の絶縁基板が配置固定される第1の外殻体と前記第2の絶縁基板が配置固定される第2の外殻体とが中間板を挟んで接合され、第1の外殻体と中間板との間に複数の冷媒通路を区画形成する第1の放熱フィンが前記第1の外殻体に接合または一体化した状態で配置され、また、第2の外殻体と中間板との間に複数の冷媒通路を区画形成する第2の放熱フィンが前記第2の外殻体および前記中間板に接合または一体化した状態で配置され、前記第1の絶縁基板の配置固定領域において少なくとも一つの前記第1の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされていることを特徴とする半導体装置。 - セラミック基板の両面に金属層を形成してなる第1の絶縁基板と、
前記第1の絶縁基板の一方の面に接合された第1の半導体素子と、
セラミック基板の両面に金属層を形成してなる第2の絶縁基板と、
前記第2の絶縁基板の一方の面に接合された第2の半導体素子と、
中空状をなし、外表面に、前記第1の絶縁基板における前記第1の半導体素子の接合面とは反対の面側が配置固定され前記第1の絶縁基板を介して前記第1の半導体素子と熱的に結合するとともに、前記第1の絶縁基板の配置固定箇所とは反対の外表面に、前記第2の絶縁基板における前記第2の半導体素子の接合面とは反対の面側が配置固定され前記第2の絶縁基板を介して前記第2の半導体素子と熱的に結合するヒートシンクと、
を備えた半導体装置であって、
前記ヒートシンクは、前記第1の絶縁基板が配置固定される第1の外殻体と前記第2の絶縁基板が配置固定される第2の外殻体とが中間板を挟んで接合され、第1の外殻体と中間板との間に複数の冷媒通路を区画形成する第1の放熱フィンが前記第1の外殻体および前記中間板に接合または一体化した状態で配置され、また、第2の外殻体と中間板との間に複数の冷媒通路を区画形成する第2の放熱フィンが前記第2の外殻体に接合または一体化した状態で配置され、前記第2の絶縁基板の配置固定領域において少なくとも一つの前記第2の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされていることを特徴とする半導体装置。 - 前記ヒートシンクにおける前記第1の絶縁基板の配置固定領域以外の領域において前記第1の放熱フィンが前記中間板に接合され、前記ヒートシンクにおける前記第2の絶縁基板の配置固定領域以外の領域において前記第2の放熱フィンが前記中間板に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクにおける前記第1の絶縁基板の配置固定領域以外の領域において前記第1の放熱フィンが前記中間板に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクにおける前記第2の絶縁基板の配置固定領域以外の領域において前記第2の放熱フィンが前記中間板に接合されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクにおける前記第1の絶縁基板の配置固定領域において全ての前記第1の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされ、前記ヒートシンクにおける前記第2の絶縁基板の配置固定領域において全ての前記第2の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされていることを特徴とする請求項1または4に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクにおける前記第1の絶縁基板の配置固定領域において全ての前記第1の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされていることを特徴とする請求項2または5に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクにおける前記第2の絶縁基板の配置固定領域において全ての前記第2の放熱フィンが前記中間板に非接合状態にされていることを特徴とする請求項3または6に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクと第1の絶縁基板との間に第1の応力緩和部材を介在させるとともに、前記ヒートシンクと第2の絶縁基板との間に第2の応力緩和部材を介在させたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
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