JP5136069B2 - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents
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Description
[実施例1]
[パワートレインの構成]
図1に示すハイブリッド車両のパワートレインにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(フライホイールF/Wを有したクランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータジェネレータ5を設ける。
このモータジェネレータ5およびエンジン1間に、より詳しくは、軸4とクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なノーマルクローズの乾式単板クラッチとする。
第2クラッチ7は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
第1クラッチ6とモータジェネレータ5とは、自動変速機3へのトルク変動を緩和するようにトーショナルダンパT/Dを介して結合している。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギア比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギア装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
この状態でモータジェネレータ5を駆動すると、当該モータジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギア装置8を経て後輪2に至り、車両をモータジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギア装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
図2は実施例1のモータケーシングの要部縦断面図、図3は実施例1のモータケーシングの要部軸方向断面図である。
一方、モータケーシング10の内周には、締結部18bに対応する環状のステータハウジング固定部10aを形成している。このステータハウジング固定部10aの周方向には、締結部18bのボルト穴18cと対応する位置に、8つの雌ねじ部10bを形成している。
ステータ5bは、締結部18bとステータハウジング固定部10aとをボルト締結した後、モータケーシング10の一方の開口部10cからケーシング内へ挿入し、支持部18aへの圧入によりステータハウジング18に組み付ける。フロントカバー13は、ステータ5bの組み付け後にケーシング内に挿入し、ステータハウジング18とボルト締結する。
[Oリングによる振動吸収]
実施例1のパワートレインにおいて、エンジン駆動による走行時、第1クラッチ6は締結状態であり、エンジン1の出力トルクは、クランクシャフト1a→第1クラッチ6→トーショナルダンパT/D→軸4→変速機入力軸3a→変速機3→ディファレンシャルギア装置8→左右後輪2へと順に伝達する。このとき、エンジン振動は、軸4→フロントカバー13→モータケーシング10、および変速機入力軸3a→ロータ5a→ステータ5b→ステータハウジング18→モータケーシング10へと伝播する。
実施例1では、ステータハウジング18の締結部18bとステータハウジング固定部10aとのボルト締結位置を、ステータハウジング18の最外周(外周面18d,18e)よりも径方向内側の位置に設定しているため、ボルト締結位置からモータケーシング10へ伝播するエンジン振動を小さく抑えることができる。
締結部18bからモータケーシング10に伝わる振動の大きさは、締結部18bとステータハウジング固定部10aとの締結位置の変位xとして表すことができる。ここで、変位xは、下記の式(1)に示すオイラーの基礎式から求めることができる。
x=Acos(ωt−φ)+jAsin(ωt−φ) …(1)
ここで、
x :変位[mm]
A :振幅[mm]
ω:角速度[rad/sec]
t :時間[sec]
φ:初期位相[mm]
j2=-1
である。
従来のハイブリッド車両の駆動装置では、ステータハウジングの外周側にモータケーシングとのボルト締結スペースを設けているため、径方向のスペースが確保できず、エンジンルーム内に配置されるダッシュフロアパネル等との干渉を避ける必要上、モータの体格が制限されることがあった。
実施例1では、ステータハウジング18の支持部18aの軸方向一方側(車両後方側)に、径方向内側へと延びる締結部18bを設け、この締結部18bをモータケーシング10のステータハウジング固定部10aとボルト締結している。また、支持部18aの軸方向他方側(車両前方側)に、フロントカバー13をボルト20で固定し、このフロントカバー13を軸4により支持している。
実施例1のハイブリッド車両の駆動装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
また、実施例1では、ステータ支持部材としてフロントカバーを設け、このフロントカバーをステータハウジングの支持部にボルト締結する例を示したが、ステータ支持部材をステータに固定する構成としてもよい。
1a クランクシャフト
2 左右後輪
3 自動変速機
3a 変速機入力軸
3b 変速機出力軸
4 軸
5 モータジェネレータ
5a ロータ
5b ステータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギア装置
10 モータケーシング
10a ステータハウジング固定部
11a 縦壁部
10b 雄ねじ部
10c 開口部
10d モータケーシング内周面
11 変速機ケーシング
12 クラッチ駆動機構
13 フロントカバー(ステータ支持部材)
13a フロントカバー外周面
14 ベアリング
15 モータ支持軸
16 ベアリング
17 ポンプケース
18 ステータハウジング
18a 支持部
18b 締結部
18c ボルト穴
18d,18e ステータハウジング外周面
19,20 ボルト
21,22,23 Oリング(弾性部材)
Claims (5)
- エンジンと自動変速機との間に介装したモータジェネレータを収容するモータケーシングと、前記モータジェネレータのステータを前記モータケーシングに固定するステータハウジングと、を有するハイブリッド車両の駆動装置において、
前記ステータハウジングの外周と前記モータケーシングの内周との間に、弾性部材を介装し、
前記ステータハウジングの前記モータケーシングへの固定位置を、前記ステータハウジングの最外周よりも径方向内側の位置に設定したことを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置において、
前記ステータハウジングは、前記ステータの軸方向一方側から径方向内側へ延在する締結部を有し、
前記モータケーシングは、その内周面から前記締結部と対応する位置まで延び、前記締結部とボルトにより共締めされるステータハウジング固定部を有することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の駆動装置において、
前記ステータハウジングと前記モータケーシングとのボルト締結位置を、前記ステータハウジングへの前記ステータの組み付け方向と反対側に設定したことを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動装置において、
前記ステータまたはステータハウジングの軸方向他端側を支持し、前記モータジェネレータの回転軸に相対回転可能に支持されたステータ支持部材を有することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 請求項4に記載のハイブリッド車両の駆動装置において、
前記ステータ支持部材の外周と前記モータケーシングの内周との間に、弾性部材を介装したことを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
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