JP5136027B2 - 水晶振動片及び水晶振動片の製造方法 - Google Patents
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Description
この要求に応えるために、圧電デバイスを構成する各部品の小型、高性能化が図られ、水晶振動片においては、小型、高周波数化が推進されている。
この小型、高周波数化された水晶振動片については、主面に凹部を設け、凹部の底面を振動部とした形状のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、この水晶振動片は、逆メサ型と呼ばれ、凹部がエッチングにより形成されている。
しかしながら、水晶振動片は、水晶基板の結晶軸(X,Y,Z軸)方向によってエッチングの速度が異なるエッチング異方性を有する。
これにより、水晶振動片の凹部は、凹部を形成する側壁が主面側の端を起点にして、底面に向かうにつれて底面の面積を狭める側に傾斜して形成される。この側壁の傾斜の度合いは、水晶基板の結晶軸に対する側壁の方向によって異なる。例えば、ATカット水晶基板の場合は、X軸を中心にZ軸を約35°回転したZ’軸方向と略直交する側壁の一方が、なだらかに傾斜して形成される。
また、水晶振動片は、水晶振動片として必要な強度に見合った凹部周囲の厚みの確保と、高周波数化に伴う振動部の薄型化との両立から、主面と凹部の底面との段差が大きくなっており、側壁における主面から底面までの長さが長くなっている。
これらにより、凹部の底面に形成される振動部の面積は、エッチング量が多くなるに従い、側壁がなだらかに傾斜して形成されることで狭められ、凹部の主面における開口面積より小さくなる。このことから、限られた大きさの水晶振動片では、振動部の面積が充分に確保できないという問題がある。
本発明のある実施形態に係る水晶振動片は、水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、及び光学軸としてのZ軸、のうち前記X軸を回転軸として、+Z側を−Y方向へ回転するように前記Z軸を傾けた軸をZ’軸とし、+Y側を+Z方向へ回転するように前記Y軸を傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面を主面とし、前記Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板の一方の主面側に、エッチングにより開口部が矩形状である凹部が設けられ、前記凹部の底面に振動部を含み、前記底面の周囲を囲んでいる側壁を有する枠部が外形に沿って設けられ、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側、又はプラス側を向いており、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記枠部が、前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第1の辺部と、前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第4の辺部と、前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第1の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第4の辺部に接続されている第2の辺部及び第3の辺部と、を含み、前記枠部の前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記枠部が、前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第一の辺部と、前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第四の辺部と、前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第一の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第四の辺部に接続されている第二の辺部及び第三の辺部と、を含み、前記枠部の前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄いことを特徴とする。
本発明のある別の実施形態に係る水晶振動片は、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第4の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第四の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄いことを特徴とする。
本発明のある別の実施形態に係る水晶振動片は、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部及び第3の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部及び第三の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄いことを特徴とする。
本発明のある別の実施形態に係る水晶振動片の製造方法は、水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、及び光学軸としてのZ軸、のうち前記X軸を回転軸として、+Z側を−Y方向へ回転するように前記Z軸を傾けた軸をZ’軸とし、+Y側を+Z方向へ回転するように前記Y軸を傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面を主面とし、前記Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板の一方の主面側に、エッチングにより開口部が矩形状である凹部が設けられ、前記凹部の底面に振動部を含み、前記底面の周囲を囲んでいる側壁を有する枠部が外形に沿って設けられ、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側、又はプラス側を向いており、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記枠部が、前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第1の辺部と、前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第4の辺部と、前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第1の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第4の辺部に接続されている第2の辺部及び第3の辺部と、を含み、前記枠部の前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記枠部が、前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第一の辺部と、前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第四の辺部と、前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第一の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第四の辺部に接続されている第二の辺部及び第三の辺部と、を含み、前記枠部の前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄い水晶振動片の製造方法であって、前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記一方の主面の前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかが形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして薄くする第1のエッチング工程と、前記第1のエッチング工程後、前記一方の主面の前記第1の辺部、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部が形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして前記一方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2のエッチング工程と、を含み、前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記一方の主面の前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかが形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして薄くする第1エッチング工程と、前記第1エッチング工程後、前記一方の主面の前記第一の辺部、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部が形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして前記一方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2エッチング工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のある別の実施形態に係る水晶振動片の製造方法は、水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、及び光学軸としてのZ軸、のうち前記X軸を回転軸として、+Z側を−Y方向へ回転するように前記Z軸を傾けた軸をZ’軸とし、+Y側を+Z方向へ回転するように前記Y軸を傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面を主面とし、前記Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板の一方の主面側の一部に、エッチングによりY’軸方向の厚みが薄い薄肉部が形成され、前記薄肉部の他方の主面側に、エッチングにより開口部が矩形状の凹部が設けられ、前記凹部の底面に振動部を含み、前記底面の周囲を囲んでいる枠部が前記ATカット水晶基板の外形に沿って設けられ、前記他方の主面が、前記Y’軸のマイナス側、又はプラス側を向いており、前記他方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記枠部が、前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第1の辺部と、前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第4の辺部と、前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第1の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第4の辺部に接続されている第2の辺部及び第3の辺部と、を含み、前記枠部の前記第1の辺部の前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかの前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みと同等に設けられているとともに、前記一方の主面側の前記Y’軸方向の厚みが厚い厚肉部が、平面視において、前記第1の辺部、または、前記第2の辺部及び第3の辺部と重なるように設けられ、前記他方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記枠部が、前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第一の辺部と、前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第四の辺部と、前記振動部を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第一の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第四の辺部に接続されている第二の辺部及び第三の辺部と、を含み、前記枠部の前記第一の辺部の前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかの前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みと同等に設けられているとともに、前記一方の主面側の前記Y’軸方向の厚みが厚い厚肉部が、平面視において、前記第一の辺部、または、前記第二の辺部及び第三の辺部と重なるように設けられている水晶振動片の製造方法であって、前記他方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、前記一方の主面の、平面視において、前記他方の主面の前記第1の辺部が形成される領域、または、前記第2の辺部及び第3の辺部が形成される領域と重なる領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして、前記一方の主面側に、前記薄肉部を形成する第1のエッチング工程と、前記他方の主面の、前記第1の辺部、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部が形成される領域をマスクし、前記他方の主面をエッチングして、前記他方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2のエッチング工程と、を含み、前記他方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、前記一方の主面の、平面視において、前記他方の主面の前記一の辺部が形成される領域、または、前記二の辺部及び三の辺部が形成される領域と重なる領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして、前記一方の主面側に、前記薄肉部を形成する第1エッチング工程と、前記他方の主面の、前記一の辺部、前記第二の辺部、前記第3の辺部及び前記第四の辺部が形成される領域をマスクし、前記他方の主面をエッチングして、前記他方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2エッチング工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、水晶振動片は、ATカット水晶基板のエッチング異方性により凹部に形成される側壁の傾斜がなだらかな第1の辺部が、他の3つの辺部のいずれか1つより薄い。
このことから、水晶振動片は、第1の辺部の傾斜がなだらかな側壁の一方の主面側から底面までの長さが短くなり、凹部の底面の面積を狭める量を少なくできる。
これにより、水晶振動片は、限られた大きさの中で振動部の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部を形成できる。
これにより、水晶振動片は、凹部に形成される側壁の傾斜がなだらかな一の辺部が、他の3つの辺部のいずれか1つより薄い。
このことから、水晶振動片は、一の辺部の傾斜がなだらかな側壁の、一方の主面側から底面までの長さが短くなり、凹部の底面の面積を狭める量を少なくできる。
これにより、水晶振動片は、限られた大きさの中で振動部の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部を形成できる。
これにより、水晶振動片は、第4の辺部のY’軸方向の厚みが、第1の辺部のY’軸方向の厚みより厚く形成されることから、第4の辺部を固定部として、例えば、パッケージなどの外部部材の水晶振動片支持部に固定できる。
これにより、水晶振動片は、四の辺部のY’軸方向の厚みが、一の辺部のY’軸方向の厚みより厚く形成されることから、四の辺部を固定部として、例えば、パッケージなどの外部部材の水晶振動片支持部に固定できる。
これにより、水晶振動片は、第2の辺部及び第3の辺部のY’軸方向の厚みが、第1の辺部のY’軸方向の厚みより厚く形成されることから、第2の辺部及び第3の辺部を固定部として、例えば、パッケージなどの外部部材の水晶振動片支持部に固定できる。
これにより、水晶振動片は、二の辺部及び三の辺部のY’軸方向の厚みが、一の辺部のY’軸方向の厚みより厚く形成されることから、二の辺部及び三の辺部を固定部として、例えば、パッケージなどの外部部材の水晶振動片支持部に固定できる。
そして、水晶振動片は、他方の主面が、Y’軸のマイナス側を向いた主面であるとき、第1の辺部の薄肉部におけるY’軸方向の厚みが、他の3つの辺部のいずれか1つの薄肉部におけるY’軸方向の厚みと同等に形成されている。
これにより、水晶振動片は、凹部が薄肉部に形成されていることから、他方の主面側の第1の辺部の傾斜がなだらかな側壁の、他方の主面側から底面までの長さが短くなり、凹部の底面の面積を狭める量を少なくできる。
これらにより、水晶振動片は、両主面側からのエッチングによって限られた大きさの中で振動部の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部を形成できる。
これにより、水晶振動片は、凹部が薄肉部に形成されていることから、他方の主面側の一の辺部の傾斜がなだらかな側壁の、他方の主面側から底面までの長さが短くなり、凹部の底面の面積を狭める量を少なくできる。
これらにより、水晶振動片は、両主面側からのエッチングによって限られた大きさの中で振動部の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部を形成できる。
これにより、水晶振動片の製造方法は、凹部に形成される側壁の傾斜がなだらかな第1の辺部を、他の3つの辺部のいずれか1つより薄く形成できる。
これにより、水晶振動片の製造方法は、限られた大きさの水晶振動片の振動部の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片の製造方法は、水晶振動片の外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部を形成することができる。
これにより、水晶振動片の製造方法は、凹部に形成される側壁の傾斜がなだらかな一の辺部を、他の3つの辺部のいずれか1つより薄く形成できる。
これにより、水晶振動片の製造方法は、限られた大きさの水晶振動片の振動部の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片の製造方法は、水晶振動片の外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部を形成できる。
加えて、他方の主面の、第1の辺部〜第4の辺部が形成される領域をマスクし、他方の主面をエッチングして、他方の主面に凹部を形成し、凹部の底面を振動部として形成する。
加えて、他方の主面の、一の辺部〜四の辺部が形成される領域をマスクし、他方の主面をエッチングして、他方の主面に凹部を形成し、凹部の底面を振動部として形成する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の水晶振動片の構成を示す構成図である。図1(a)は斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。
水晶振動片1は、X軸とZ’軸とで規定される平面に沿い、Y’軸のマイナス側を向いた一方の主面11に、エッチングにより矩形状の凹部12が形成されている。水晶振動片1は、凹部12の底面12aを振動部13とし、振動部13の周囲を囲む側壁24a〜24dを有する枠部14が、外形に沿って形成されている。なお、水晶振動片1の他方の主面15は、平坦な面で形成されている。
図2は、ATカット水晶基板のエッチング異方性についての説明図である。図2(a)は、両主面側からエッチングにより凹部が形成されたATカット水晶基板を、Z’軸とY’軸とで規定される平面に沿って切断した断面図である。図2(b)は、上記ATカット水晶基板を、X軸とY’軸とで規定される平面に沿って切断した断面図である。
また、Y’軸のプラス側を向いた主面2bに形成された凹部3’の、X軸方向に沿ってZ’軸のプラス側を向く側壁4’は、なだらかに傾斜して形成される。一方、凹部3’のX軸方向に沿ってZ’軸のマイナス側を向く側壁5’は、急峻に傾斜して形成される。
また、図2(b)に示すように、Z’軸方向に沿ってX軸のプラス側を向く側壁6,6’及びZ’軸方向に沿ってX軸のマイナス側を向く側壁7,7’は、ともに急峻に傾斜して形成される。
この側壁4,5,6,7,4’,5’,6’,7’の傾斜の度合いの違いは、ATカット水晶基板2の結晶軸方向によってエッチングの進行速度が異なるエッチング異方性によるものである。
ここで、図1(b)に示すように、水晶振動片1は、第1の辺部14aのY’軸方向の厚みT1が、第4の辺部14dのY’軸方向の厚みT2より薄く形成されている。これにより、第1の辺部14aの側壁24aの、一方の主面11側から底面12aまでの長さが短く形成される。
このことから、水晶振動片1は、振動部13のZ’軸方向の長さL1が、2点鎖線で示した第1の辺部14aと第4の辺部14dとが同じ厚みで形成された場合のZ’軸方向の長さL2と比較して長くなる。これにより、水晶振動片1は、2点鎖線で示した第1の辺部14aと第4の辺部14dとが同じ厚みで形成された場合と比較して、振動部13の面積が大きくなる。
図3は、水晶振動片1の固定について説明する断面図である。
図3に示すように、水晶振動片1は、図示しない電極形成、発振周波数調整などが行われた後、第1の辺部14aよりY’軸方向の厚みが厚く形成されている第4の辺部14dが固定部として、外部部材としてのパッケージ30内の水晶振動片支持部31に接着剤32などにより固定される。なお、図3では、第4の辺部14dの他方の主面15側が固定されているが、水晶振動片1を反転させて第4の辺部14dの一方の主面11側が固定されるようにしてもよい。
このことから、水晶振動片1は、第1の辺部14aの傾斜がなだらかな側壁24aの一方の主面11側から底面12aまでの長さが短くなり、凹部12の底面12aの面積を狭める量を少なくできる。
これにより、水晶振動片1は、限られた大きさの中で振動部13の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片1は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部13を形成できる。
図4は、第1の実施形態の水晶振動片の他の構成を示す構成図である。図4(a)は斜視図、図4(b)は、図4(a)のB−B線での断面図である。
図4に示すように、水晶振動片1’は、第1の辺部14a’のY’軸方向の厚みが第2の辺部14b’及び第3の辺部14c’のY’軸方向の厚みより薄く形成されている。また、第4の辺部14d’は、Y’軸方向の厚みが第1の辺部14a’と同じ厚みに形成されている。これにより、水晶振動片1’は、水晶振動片1と同様に、振動部13’の面積が大きくなる。
図5は、第1の実施形態の水晶振動片1の製造方法についての説明図である。なお、X軸、Y’軸、Z’軸については、図5(a)に代表して示す。
図5(a)に示すように、第1のエッチング工程では、まず、ATカット水晶基板8の他方の主面15の全域をレジスト20によりマスクする。
なお、マスクとしてのレジスト20を含む以降の各レジストには、Crを下地膜としたAu/Cr積層膜を用いる。
ついで、一方の主面11の第4の辺部14dが形成される領域を、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、レジスト21によりマスクする。
第1のエッチング工程後、第2のエッチング工程では、図5(c)に示すように、ATカット水晶基板8の他方の主面15の全域をレジスト20によりマスクする。ついで、一方の主面11の第1の辺部14a〜第4の辺部14dが形成される領域をパターニングし、レジスト21,22によりマスクする。
このことから、水晶振動片1の製造方法は、凹部12形成前に第1の辺部14aの形成領域を上記のように薄く形成しておくことで、第1の辺部14aの傾斜がなだらかな側壁24aの、一方の主面11側から底面12aまでの長さが短くなり、凹部12の底面12aの面積を狭める量を少なくできる。
これにより、水晶振動片1の製造方法は、限られた大きさの中で振動部13の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片1の製造方法は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部13を形成することができる。
なお、水晶振動片1の製造方法は、個片状態のATカット水晶基板8だけではなく、ウエハ状態のATカット水晶基板8にも適用できる。
図6は、第2の実施形態の水晶振動片の構成を示す構成図である。図6(a)は斜視図、図6(b)は、図6(a)のC−C線での断面図である。
水晶振動片101は、X軸とZ’軸とで規定される平面に沿い、Y’軸のプラス側を向いた一方の主面111に、エッチングにより矩形状の凹部112が形成されている。水晶振動片101は、凹部112の底面112aを振動部113とし、振動部113の周囲を囲む側壁124a〜124dを有する枠部114が、外形に沿って形成されている。なお、水晶振動片101の他方の主面115は、平坦な面で形成されている。
ここで、上記のように、水晶振動片101は、一の辺部114aのY’軸方向の厚みT11が、四の辺部114dのY’軸方向の厚みT12より薄く形成されている。これにより、一の辺部114aの側壁124aの、一方の主面111側から底面112aまでの長さが短く形成される。
このことから、水晶振動片101は、振動部113のZ’軸方向の長さL11が、2点鎖線で示した一の辺部114aと四の辺部114dとが同じ厚みで形成された場合のZ’軸方向の長さL12と比較して長くなる。これにより、水晶振動片101は、2点鎖線で示した一の辺部114aと四の辺部114dとが同じ厚みで形成された場合と比較して、振動部113の面積が大きくなる。
図7は、水晶振動片101の固定について説明する断面図である。
図7に示すように、水晶振動片101は、図示しない電極形成、発振周波数調整などが行われた後、一の辺部114aよりY’軸方向の厚みが厚く形成されている四の辺部114dが固定部として、外部部材としてのパッケージ130内の水晶振動片支持部131に接着剤132などにより固定される。なお、図7では、四の辺部114dの一方の主面111側が固定されているが、水晶振動片101を反転させて四の辺部114dの他方の主面115側が固定されるようにしてもよい。
このことから、水晶振動片101は、一の辺部114aの傾斜がなだらかな側壁124aの、一方の主面111側から底面112aまでの長さが短くなり、凹部112の底面112aの面積を狭める量を少なくできる。
これにより、水晶振動片101は、限られた大きさの中で振動部113の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片101は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部113を形成できる。
図8は、第2の実施形態の水晶振動片の他の構成を示す構成図である。図8(a)は斜視図、図8(b)は、図8(a)のD−D線での断面図である。
図8に示すように、水晶振動片101’は、一の辺部114a’のY’軸方向の厚みが二の辺部114b’及び三の辺部114c’のY’軸方向の厚みより薄く形成されている。また、四の辺部114d’は、Y’軸方向の厚みが一の辺部114a’と同じ厚みに形成されている。これにより、水晶振動片101’は、水晶振動片101と同様に、振動部113’の面積が大きくなる。
図9は、第2の実施形態の水晶振動片101の製造方法についての説明図である。なお、X軸、Y’軸、Z’軸については、図9(a)に代表して示す。
図9(a)に示すように、第1エッチング工程では、まず、ATカット水晶基板108の他方の主面115の全域をレジスト120によりマスクする。
ついで、一方の主面111の四の辺部114dが形成される領域を、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、レジスト121によりマスクする。
第1エッチング工程後、第2エッチング工程では、図9(c)に示すように、ATカット水晶基板108の他方の主面115の全域をレジスト120によりマスクする。ついで、一方の主面111の一の辺部114a〜四の辺部114dが形成される領域をパターニングし、レジスト121,122によりマスクする。
このことから、水晶振動片101の製造方法は、凹部112形成前に一の辺部114aの形成領域を上記のように薄く形成しておくことで、一の辺部114aの傾斜がなだらかな側壁124aの、一方の主面111側から底面112aまでの長さが短くなり、凹部112の底面112aの面積を狭める量を少なくできる。
これにより、水晶振動片101の製造方法は、限られた大きさの中で振動部113の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片101の製造方法は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部113を形成することができる。
なお、水晶振動片101の製造方法は、個片状態のATカット水晶基板108だけではなく、ウエハ状態のATカット水晶基板108にも適用できる。
図10は、第3の実施形態の水晶振動片の構成を示す構成図である。図10(a)は斜視図、図10(b)は、図10(a)のE−E線での断面図である。
水晶振動片201は、一方の主面211側の一部に、エッチングによりY’軸方向の厚みが薄い薄肉部211aが形成されている。そして、薄肉部211aのY’軸のマイナス側を向いた他方の主面215側に、エッチングにより矩形状の凹部212が形成されている。水晶振動片201は、凹部212の底面212aを振動部213とし、振動部213の周囲を囲む側壁224a〜224dを有する枠部214が、外形に沿って形成されている。
ここで、上記のように、水晶振動片201は、凹部212が薄肉部211aに形成されている。これにより、枠部214の第1の辺部214aの側壁224aの、他方の主面215側から底面212aまでの長さが短く形成される。
図11は、水晶振動片201の固定について説明する断面図である。
図11に示すように、水晶振動片201は、図示しない電極形成、発振周波数調整などが行われた後、第1の辺部214aと厚肉部211bとが重なる部分を固定部として、パッケージ230内の水晶振動片支持部231に接着剤232などにより固定される。なお、図11では、水晶振動片201の一方の主面211側が固定されているが、水晶振動片201を反転させて他方の主面215側が固定されるようにしてもよい。
そして、水晶振動片201は、第1の辺部214aの薄肉部211aにおけるY’軸方向の厚みが、他の3つの辺部214b〜214dの薄肉部におけるY’軸方向の厚みと同等に形成されている。
加えて、水晶振動片201は、一方の主面211側の厚肉部211bが、平面視において、第1の辺部214aと重なるように形成されている。このことから、水晶振動片201は、一方の主面211側の薄肉部211aと厚肉部211bとの段差部分に形成される側壁211cが、エッチング異方性により急峻に傾斜して形成される。
これらにより、水晶振動片201は、両主面211,215側からのエッチングによって限られた大きさの中で振動部213の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片201は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部213を形成できる。
図12は、第3の実施形態の水晶振動片の他の構成を示す構成図である。図12(a)は斜視図、図12(b)は、図12(a)のF−F線での断面図である。
図12に示すように、水晶振動片201’は、一方の主面211’側の厚肉部211b’が、第2の辺部214b’及び第3の辺部214c’と重なるように形成されている。また、第1の辺部214a’及び第4の辺部214d’は、薄肉部211a’に形成されている。これにより、水晶振動片201’は、水晶振動片201と同様に、振動部213’の面積が大きくなる。
図13は、第3の実施形態の水晶振動片201の製造方法についての説明図である。なお、X軸、Y’軸、Z’軸については、図13(a)に代表して示す。
図13(a)に示すように、第1のエッチング工程では、まず、ATカット水晶基板208の他方の主面215の全域をレジスト220によりマスクする。
ついで、一方の主面211の、平面視において、他方の主面215の第1の辺部214aが形成される領域と重なる領域を、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、レジスト221によりマスクする。
第2のエッチング工程では、図13(c)に示すように、ATカット水晶基板208の一方の主面211の全域をレジスト221によりマスクする。ついで、他方の主面215の第1の辺部214a〜第4の辺部214dが形成される領域をパターニングし、レジスト220によりマスクする。
加えて、水晶振動片201の製造方法は、水晶振動片201の一方の主面211側の厚肉部211bが、平面視において、第1の辺部214aと重なるように形成する。このことから、水晶振動片201の製造方法は、水晶振動片201の一方の主面211側の薄肉部211aと厚肉部211bとの段差部分に形成される側壁211cを、急峻な傾斜で形成できる。
なお、水晶振動片201の製造方法は、個片状態のATカット水晶基板208だけではなく、ウエハ状態のATカット水晶基板208にも適用できる。
図14は、第4の実施形態の水晶振動片の構成を示す構成図である。図14(a)は斜視図、図14(b)は、図14(a)のG−G線での断面図である。
水晶振動片301は、一方の主面311側の一部に、エッチングによりY’軸方向の厚みが薄い薄肉部311aが形成されている。そして、薄肉部311aのY’軸のプラス側を向いた他方の主面315側に、エッチングにより矩形状の凹部312が形成されている。水晶振動片301は、凹部312の底面312aを振動部313とし、振動部313の周囲を囲む側壁324a〜324dを有する枠部314が、外形に沿って形成されている。
ここで、上記のように、水晶振動片301は、凹部312が薄肉部311aに形成されている。これにより、枠部314の一の辺部314aの側壁324aの、他方の主面315側から底面312aまでの長さが短く形成される。
図15は、水晶振動片301の固定について説明する断面図である。
図15に示すように、水晶振動片301は、図示しない電極形成、発振周波数調整などが行われた後、一の辺部314aと厚肉部311bとが重なる部分を固定部として、パッケージ330内の水晶振動片支持部331に接着剤332などにより固定される。なお、図15では、水晶振動片301の他方の主面315側が固定されているが、水晶振動片301を反転させて一方の主面311側が固定されるようにしてもよい。
そして、水晶振動片301は、一の辺部314aの薄肉部311aにおけるY’軸方向の厚みが、他の3つの辺部314b〜314dの薄肉部におけるY’軸方向の厚みと同等に形成されている。
加えて、水晶振動片301は、一方の主面311側の厚肉部311bが、平面視において、一の辺部314aと重なるように形成されている。このことから、水晶振動片301は、一方の主面311側の薄肉部311aと厚肉部311bとの段差部分に形成される側壁311cが、エッチング異方性により急峻に傾斜して形成される。
これらにより、水晶振動片301は、両主面311,315側からのエッチングによって限られた大きさの中で振動部313の面積を充分に確保できる。このことから、水晶振動片301は、外形サイズが小型化されても安定した振動が得られる振動部313を形成できる。
図16は、第4の実施形態の水晶振動片の他の構成を示す構成図である。図16(a)は斜視図、図16(b)は、図16(a)のH−H線での断面図である。
図16に示すように、水晶振動片301’は、一方の主面311’側の厚肉部311b’が、二の辺部314b’及び三の辺部314c’と重なるように形成されている。また、一の辺部314a’及び四の辺部314d’は、薄肉部311a’に形成されている。これにより、水晶振動片301’は、水晶振動片301と同様に、振動部313’の面積が大きくなる。
図17は、第4の実施形態の水晶振動片301の製造方法についての説明図である。なお、X軸、Y’軸、Z’軸については、図17(a)に代表して示す。
図17(a)に示すように、第1エッチング工程では、まず、ATカット水晶基板308の他方の主面315の全域をレジスト320によりマスクする。
ついで、一方の主面311の、平面視において、他方の主面315の一の辺部314aが形成される領域と重なる領域を、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、レジスト321によりマスクする。
第2エッチング工程では、図17(c)に示すように、ATカット水晶基板308の一方の主面311の全域をレジスト321によりマスクする。ついで、他方の主面315の一の辺部314a〜四の辺部314dが形成される領域をパターニングし、レジスト320によりマスクする。
加えて、水晶振動片301の製造方法は、水晶振動片301の一方の主面311側の厚肉部311bが、平面視において、一の辺部314aと重なるように形成する。このことから、水晶振動片301の製造方法は、水晶振動片301の一方の主面311側の薄肉部311aと厚肉部311bとの段差部分に形成される側壁311cを、急峻な傾斜で形成できる。
なお、水晶振動片301の製造方法は、個片状態のATカット水晶基板308だけではなく、ウエハ状態のATカット水晶基板308にも適用できる。
Claims (5)
- 水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、及び光学軸としてのZ軸、のうち前記X軸を回転軸として、+Z側を−Y方向へ回転するように前記Z軸を傾けた軸をZ’軸とし、+Y側を+Z方向へ回転するように前記Y軸を傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面を主面とし、前記Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板の一方の主面側に、エッチングにより開口部が矩形状である凹部が設けられ、
前記凹部の底面に振動部を含み、
前記底面の周囲を囲んでいる側壁を有する枠部が外形に沿って設けられ、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側、又はプラス側を向いており、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記枠部が、
前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第1の辺部と、
前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第4の辺部と、
前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第1の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第4の辺部に接続されている第2の辺部及び第3の辺部と、
を含み、
前記枠部の前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、
前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記枠部が、
前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第一の辺部と、
前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第四の辺部と、
前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第一の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第四の辺部に接続されている第二の辺部及び第三の辺部と、
を含み、
前記枠部の前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄い
ことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1において、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第4の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、
前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第四の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄い
ことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1において、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部及び第3の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、
前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部及び第三の辺部の前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄い
ことを特徴とする水晶振動片。 - 水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、及び光学軸としてのZ軸、のうち前記X軸を回転軸として、+Z側を−Y方向へ回転するように前記Z軸を傾けた軸をZ’軸とし、+Y側を+Z方向へ回転するように前記Y軸を傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面を主面とし、前記Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板の一方の主面側に、エッチングにより開口部が矩形状である凹部が設けられ、
前記凹部の底面に振動部を含み、
前記底面の周囲を囲んでいる側壁を有する枠部が外形に沿って設けられ、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側、又はプラス側を向いており、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記枠部が、
前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第1の辺部と、
前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第4の辺部と、
前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第1の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第4の辺部に接続されている第2の辺部及び第3の辺部と、
を含み、
前記枠部の前記第1の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄く、
前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記枠部が、
前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第一の辺部と、
前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第四の辺部と、
前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第一の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第四の辺部に接続されている第二の辺部及び第三の辺部と、
を含み、
前記枠部の前記第一の辺部の前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかの前記Y’軸方向の厚みよりも厚みが薄い水晶振動片の製造方法であって、
前記一方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記一方の主面の前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかが形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして薄くする第1のエッチング工程と、
前記第1のエッチング工程後、前記一方の主面の前記第1の辺部、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部が形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして前記一方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2のエッチング工程と、を含み、
前記一方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記一方の主面の前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかが形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして薄くする第1エッチング工程と、
前記第1エッチング工程後、前記一方の主面の前記第一の辺部、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部が形成される領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして前記一方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2エッチング工程と、
を含むことを特徴とする水晶振動片の製造方法。 - 水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、及び光学軸としてのZ軸、のうち前記X軸を回転軸として、+Z側を−Y方向へ回転するように前記Z軸を傾けた軸をZ’軸とし、+Y側を+Z方向へ回転するように前記Y軸を傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面を主面とし、前記Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板の一方の主面側の一部に、エッチングによりY’軸方向の厚みが薄い薄肉部が形成され、
前記薄肉部の他方の主面側に、エッチングにより開口部が矩形状の凹部が設けられ、
前記凹部の底面に振動部を含み、
前記底面の周囲を囲んでいる枠部が前記ATカット水晶基板の外形に沿って設けられ、
前記他方の主面が、前記Y’軸のマイナス側、又はプラス側を向いており、
前記他方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記枠部が、
前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第1の辺部と、
前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第4の辺部と、
前記底面を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第1の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第4の辺部に接続されている第2の辺部及び第3の辺部と、
を含み、
前記枠部の前記第1の辺部の前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みが、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部の少なくともいずれかの前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みと同等に設けられているとともに、
前記一方の主面側の前記Y’軸方向の厚みが厚い厚肉部が、平面視において、前記第1の辺部、または、前記第2の辺部及び第3の辺部と重なるように設けられ、
前記他方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記枠部が、
前記底面より前記Z’軸のマイナス側で前記X軸方向に沿って設けられている第一の辺部と、
前記底面より前記Z’軸のプラス側で前記X軸方向に沿って設けられている第四の辺部と、
前記振動部を挟んで、前記Z’軸方向に沿って設けられ、それぞれの一端が前記第一の辺部に接続され、それぞれの他端が前記第四の辺部に接続されている第二の辺部及び第三の辺部と、
を含み、
前記枠部の前記第一の辺部の前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みが、前記第二の辺部、前記第三の辺部及び前記第四の辺部の少なくともいずれかの前記薄肉部における前記Y’軸方向の厚みと同等に設けられているとともに、
前記一方の主面側の前記Y’軸方向の厚みが厚い厚肉部が、平面視において、前記第一の辺部、または、前記第二の辺部及び第三の辺部と重なるように設けられている水晶振動片の製造方法であって、
前記他方の主面が、前記Y’軸のマイナス側を向いている場合、
前記一方の主面の、平面視において、前記他方の主面の前記第1の辺部が形成される領域、または、前記第2の辺部及び第3の辺部が形成される領域と重なる領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして、前記一方の主面側に、前記薄肉部を形成する第1のエッチング工程と、
前記他方の主面の、前記第1の辺部、前記第2の辺部、前記第3の辺部及び前記第4の辺部が形成される領域をマスクし、前記他方の主面をエッチングして、前記他方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2のエッチング工程と、
を含み、
前記他方の主面が、前記Y’軸のプラス側を向いている場合、
前記一方の主面の、平面視において、前記他方の主面の前記一の辺部が形成される領域、または、前記二の辺部及び三の辺部が形成される領域と重なる領域をマスクし、前記一方の主面をエッチングして、前記一方の主面側に、前記薄肉部を形成する第1エッチング工程と、
前記他方の主面の、前記一の辺部、前記第二の辺部、前記第3の辺部及び前記第四の辺部が形成される領域をマスクし、前記他方の主面をエッチングして、前記他方の主面に、底面に振動部を含むように凹部を形成する第2エッチング工程と、
を含むことを特徴とする水晶振動片の製造方法。
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