JP5135758B2 - フィルムの表面処理装置 - Google Patents

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Description

連続で走行する長尺かつ幅広なフィルムを基材とした場合、該基材のダメージが少なく、効率良く表面洗浄および表面改質を行う方法および装置に関する。
今日、様々なフィルムが様々な用途で使用されているが、その用途、材料に合わせて、表面の洗浄処理あるいは、次工程のコーティングやラミネート等の処理の前に易接着処理が必要となるケースが多い。
一般的に、コロナ放電処理、真空プラズマ処理、大気圧グロープラズマ処理などのプラズマを利用した表面処理方法、アルカリ鹸化処理等の化学反応を利用した薬品処理、UVオゾン処理などの高エネルギーな光を利用した表面処理、火炎処理、水洗、溶剤洗浄等々まで様々な表面処理および洗浄方法が利用されている。
例えば、セルロースエステルフィルムを基材とし、その表面に機能層を設けたり、該機能層の表面にさらに他の機能層を積層したりすることで作製される、いわゆる光学フィルムの製造において、該基材にポリビニルアルコールからなる機能層を設ける際、または、ポリビニルアルコールを主成分とした接着層を介して、機能層を積層する際、セルロースエステルフィルムとポリビニルアルコールの密着性が悪いため、問題となることが多い。
具体的には、液晶ディスプレイに使用される偏光板用の保護フィルムとして用いられるセルロースエステルフィルムに、ヨウ素や染料を吸着配向させたポリビニルアルコールフィルムを貼り合わせた偏光板の場合、保護フィルムとポリビニルアルコールフィルムとの密着性の向上が問題となる。
そのため、従来から積層又は密着させる面を強アルカリ液に浸漬させ、鹸化処理することで表面を親水化させ、密着性を向上させることが図られてきた。例えば、特許文献1のように、セルロースエステル上に光学異方性層を積層する際、密着性を改良するために、セルロースエステルを鹸化処理することが効果的であることが知られており、一般的に用いられている。
また、密着性を向上させる手法として、コロナ処理あるいはUVオゾン処理がある。例えば、特許文献2のように、偏光子保護フィルムと偏光子フィルムとの密着性を向上させるために、コロナ処理あるいはUVオゾン処理を施すことが知られている。
特開平8−94838号公報 特開2002−328224号公報
しかしながら、アルカリ処理に関しては、大量に薬液を使用するため、廃液等の環境負荷が大きく、高濃度のアルカリ溶液を使用することによる安全面での問題、独立した大型の設備が必要となるため、工程が複雑化するという欠点がある。
また、特に光学フィルム用途においては、ウェット処理であるため、乾燥工程での水シミの発生や、アルカリ溶液で反応したNaや塩などの、パーティクル(不純物)が発生し、フィルムに異物が付着することによる外観不良の発生や高速化が困難である等の問題を抱えていた。
一方、UVオゾン処理あるいはコロナ処理による表面処理は、アルカリ処理のような環境・安全面での問題や工程の複雑化といった問題は比較的少ない。しかしながら、UVオゾン処理に関しては処理時間が遅いことや熱負荷が大きい等の問題があり、コロナ処理に関しては、高速走行処理は可能だが、ピンホールの発生や処理効果が弱いという欠点があった。
また、主に、プラスチックフィルムや高分子フィルム等のプラスチック基材を表面処理した場合、処理により、逆に密着効果が弱くなってしまうことが多々ある。これは、処理のエネルギーが強すぎるなどの理由により、基材表面の組成を破壊してしまい、表面脆弱層を形成しているためである。従って、ダメージを嫌う基材への表面を荒らしすぎない表面改質方法が望まれている。
従って、本発明は、連続で走行する長尺かつ幅広な高分子やポリマー等からなるフィルムにダメージが少なく、処理効果の強い表面改質を行うことを課題とした。
更に言えば、本発明は、連続で走行する長尺かつ幅広なセルロースエステルフィルムに、エキシマ紫外線による表面処理を施すことで、ポリビニルアルコールからなる層との間の密着性の向上を図ることを課題とした。
本発明は、前記課題を鑑みてなされたものであって、走行する長尺かつ幅広なフィルムと、貼り合わせる機能層との間の密着性を向上させるために、より簡略化された設備で、連続して均一な表面改質を、基材にダメージなく高速で処理を行うことを目的とするものである。
請求項記載の発明は、長尺であるフィルムを巻出す巻出し手段と、
連続で走行する該フィルムの一方の面上に紫外線ランプを備える紫外線処理室内で該フィルム面上に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
該フィルムを巻取る巻取り手段を
順次有するフィルムの表面処理装置において、
該紫外線照射室が一つ以上のガス供給口と一つ以上のガス排気口を有し、
該紫外線照射室内の雰囲気が、酸素ガス濃度25〜50%、且つ、窒素と酸素を混合したガス濃度95%以上であり、
該紫外線ランプから照射される紫外線のエネルギーが490kj/mol以上である
ことを特徴とするフィルムの表面処理装置
これによると、フィルム表面の化学結合を切断でき、また、紫外線照射室内の酸素などの反応性気体をラジカルやオゾン等のより反応性の高い状態に分解して、フィルム表面に官能基を付与することができる。
請求項記載の発明は、前記紫外線ランプが、172nmのピーク波長を有し、キセノン分子が励起した際に発生するエキシマ紫外線を照射することを特徴とする請求項に記載のフィルムの表面処理装置である。
これによると、熱収縮や浸食することのないクリーンで平滑性に優れた処理が可能である。
請求項記載の発明は、前記紫外線照射室内の圧力が、50〜150kPaであることを特徴とする請求項またはに記載のフィルムの表面処理装置である。
これによると、酸素濃度の制御が簡単であり、更には、装置の機密性を高める必要が少ないので装置の簡素化に繋がる。
請求項記載の発明は、前記紫外線照射室のフィルム導入部に連結して配置されている予備排気室Aおよび前記紫外線照射室のフィルム導出部に連結して配置されている予備排気室Bを有することを特徴とする請求項のいずれかに記載のフィルムの表面処理装置である。
これによると、紫外線照射室内の酸素濃度を容易に制御することができる。
請求項記載の発明は、前記紫外線照射室のフィルム導入部もしくは予備排気室Aのフィルム導入部の少なくとも一方にニップロールを配し、
且つ、前記紫外線照射室のフィルム導出部もしくは予備排気室Bのフィルム導出部の少なくとも一方にニップロールを配している
ことを特徴とする請求項のいずれかに記載のフィルムの表面処理装置である。
これによると、外気からのガスの混入を防ぐことができ、紫外線照射室内の雰囲気を容易に制御することができる。
請求項記載の発明は、前記ニップロールが温度調整機構を有し、該紫外線照射室内の温度が30〜80℃であることを特徴とする請求項のいずれかに記載のフィルムの表面処理装置である。
フィルムを加熱下で処理することにより、より表面が活性な状態で処理が行えるため処理効率が向上する。
本発明の方法および装置を用いることにより、走行する長尺かつ幅広なフィルムと、貼り合わせあるいはコーティングする機能層との間の密着性を、より簡略化された設備で、連続して均一な表面改質を、基材にダメージなく高速で処理を行うことができる。
更に言えば、走行する長尺かつ幅広なセルロースエステルフィルムとポリビニルアルコールを主成分とした偏光板層、あるいは、ポリビニルアルコールからなる接着層を介して貼り合せた機能層との間の密着性を、より簡略化された設備で、かつ連続して均一な表面改質を高速で行うことで向上させるという効果を発現する。
走行する長尺かつ幅広なフィルムと、貼り合わせあるいはコーティングする機能層との間の密着性を向上させるためには、次のような実施形態で表面処理を行うのがよい。
図1に、本発明を実施する処理装置の一例を示す。この際、巻出し装置(4)および巻取り装置(5)により長尺なフィルム(3)を連続して搬送できる装置を用いる。
フィルム(3)としては、高分子、ポリマーから構成されるプラスチックフィルム全般を指す。例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられる。これらのプラスチックフィルムとしては、ここに挙げたものに限定されるものではない。また、これらの高分子フィルムには添加剤、例えば可塑剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等が含まれていてもよい。
更に好ましくは、セルロースエステルフィルムを使用する。セルロースエステルフィルムの種類としては多様であるが、具体的には、偏光板の保護フィルムとして用いられるトリアセチルセルロースフィルムなどが挙げられる。このセルロースエステルフィルムには、可塑剤や紫外線吸収剤、劣化防止剤等の添加物が含まれても良く、また、このフィルムの酢化度は問わない。
また、このセルロースエステルフィルムの処理面の裏面には、ハードコート層や反射防止層、防眩層、帯電防止層、防汚層などの機能層を設けても良い。
処理するフィルム(3)の搬送経路上に、紫外線ランプ(1)を配置し、フィルム面上に、490kj/mol以上の高エネルギーな紫外線を照射することにより、基材表面の表面改質を行う。この表面改質は、主に次の2つの反応による。フィルム表面の化学結合を切断する工程、および、紫外線照射雰囲気下の酸素などの反応性気体をラジカルやオゾン等のより反応性の高い状態に分解して、フィルム表面に官能基を付与する工程の少なくとも2つの工程を含む表面改質方法である。
この490kj/mol以上のエネルギーを持つ紫外線処理をフィルムに施すことにより、基材表面の汚れとなる有機物、あるいは基材自体のネットワークを切断することができる。
さらに、高エネルギーな光は、反応性の高い酸素等のガスを分解し、酸素ラジカル等の反応性の高い活性種を発生することにより、有機結合が切断された部分等に酸素を導入することができ、フィルムの表面に、水酸基やカルボキシル基、ケトン基、アルデヒド基などの、親水性の官能基が付与する表面処理層が形成されることで、後に貼り合わせあるいはコーティングする機能層との密着性を強くすることができる。特に、好ましい官能基としては、水酸基である。
紫外線処理について説明する。ランプの発光波長は封入するガスにより決定され、高エネルギーな紫外線ランプとしては、185nmと254nmの紫外線を発する低圧水銀ランプと172nmの紫外線を発するキセノン分子のエキシマランプなどが知られている。紫外線は、窒素など限られたガス以外では吸収が著しく多いため、吸収の少ないガスと酸素やオゾンなどのエネルギーを吸収して、ラジカルなどの活性種を発生するガスを混合した雰囲気化で使用するのが好ましい。これらのガスを混合することによって、基材表面まで、紫外線が到達し、さらには反応性の高い酸素ラジカル等の活性種を効率良く反応に使うことができる。
これらの処理は、ドライ雰囲気下で物理的なフィルムダメージの極めて少ない処理を行えるため、ウェット工程や放電処理で発生するような、水シミや放電痕のような外観不良がなく、薬液の分解成分や塩、処理基材起因のパーティクルからなる異物の発生も抑えて、更には、熱収縮や浸食することのない極めてクリーンで平滑性に優れた処理を可能にする。
物理的かつ熱的にフィルムダメージが少なく、より効率的に酸素を処理表面に導入することができるため、172nmの波長を有するエキシマ紫外線が、酸素から効率よく酸素ラジカルを生成することができ、効率的に処理表面の酸素含有率あるいは酸化効果を高めることが可能となるため、好ましい。
このエキシマ紫外線は、窒素をほぼ透過する。そのため、窒素雰囲気下であれば、ダイレクトに表面に紫外線が到達する。紫外線による効果は、表面切断の効果であるため、この空間に、酸素を含むことにより、上記のように紫外線により励起した反応性の高い酸素ラジカルなどを形成し、表面に親水性の高い官能基を付与することができる。
すなわち、酸素の濃度は薄いと、基材表面への紫外線の照射量が多く、酸素の濃度が濃いと、酸素へ吸収が多くなるため、基材表面への紫外線の照射量は減少する。従って、処理雰囲気中の酸素濃度の制御によって、基材表面への紫外線量および酸素ラジカル量は変化し、表面の結合切断効果と官能基を付与する効果の処理バランスを変化させることが可能である。
紫外線照射時の、ランプ面と基材となるフィルムの距離は10mm以内とする。好ましくは、1mmから5mmの距離に配置すると良い。ランプ面とフィルムの距離が10mm以上であると、紫外線が酸素に吸収されるためフィルムに到達しない。また、ランプ面とフィルムの距離が近すぎると、搬送のクリアランス調整が難しく、ムラが発生しやすくなる。
処理雰囲気としては、窒素および酸素からなるガスの混合比が95%以上含まれる雰囲気中において、酸素濃度は、大気中の酸素濃度以上で処理するのが好ましい。大気以上の酸素濃度で処理を行うことで、基材への紫外線からのダイレクトなダメージを軽減できる。また、酸素濃度を上げすぎると、紫外線の照射量が少なく、改質効果が弱くなることから、具体的には、酸素濃度は25%から50%の間で処理することが望ましい。
窒素と酸素以外のガスとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガス、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気、過酸化水素等のガスが挙げられるが、これに限られるものではない。
この紫外線照射室(2)内の雰囲気としては、大気圧近傍の圧力下である50〜150kPaの圧力下であることが好ましく、さらには、80〜120kPaの圧力下であることが好ましい。大気圧の近傍下で処理を行う方が、酸素濃度の制御が簡単であり、更には、装置の機密性を高める必要が少ないので装置の簡素化に繋がる。
紫外線照射室(2)には、ガスを置換、濃度を制御するためのガス供給口(6)およびガス排気口(7)を設ける。更に、この紫外線照射室2は、外気と密閉した空間である方が、処理空間の酸素濃度を制御しやすく、好ましい。
密閉方法としては、紫外線照射室(2)のフィルム導入部(10)に連結して予備排気室A(8)、紫外線照射室(2)のフィルム導出部(11)に連結して予備排気室B(9)を設けると良い。予備排気室を処理室と同じ雰囲気に置換することで、紫外線照射室(2)の雰囲気を制御しやすくなる。
さらに好ましくは、紫外線照射室(2)のフィルム導入部(10)もしくは予備排気室A(8)のフィルム導入部(12)の少なくとも一方にニップロール(14)を設け、且つ、紫外線照射室(2)のフィルム導出部(11)もしくは予備排気室B(9)のフィルム導出部(13)の少なくとも一方にニップロール(14)を設けると良い。ニップロール(14)により外気と遮断した予備排気室を紫外線照射室(2)と同じ雰囲気に置換することで、外気からのガスの混入を防ぎ、紫外線照射室(2)の雰囲気を制御しやすくなる。
また、ニップロール(14)に温度調整機構を設けてもよい。ニップロール(14)に温度調整機構を設けることにより、処理時のフィルムの温度を制御できる。フィルムの温度は、30〜80℃に制御して処理することが好ましい。フィルムを加熱することでフィルム表面が活性な状態となり処理効率を向上することができる。
これらの処理を施されたフィルムは、大気雰囲気中で行った紫外線処理に比べ、基材表面の結合の切断が少なく、更には、切断されたところには、効果的に官能基が入り込むため、基材のネットワークを損なうことのない処理が可能である。そのため、次工程における貼り合わせやコーティング面との密着効果が高い。
続いて、実施例を交えて、処理手順を説明する。
[実施例1]
透明基材フィルムに厚さ80μmのトリアセチルセルロース(富士写真フィルム株式会社製:FT−TD80ULG)を用い、図1に示したような処理装置を使用して処理を行った。まず、処理空間に窒素および酸素の混合気体を酸素濃度45%となるように置換し、置換終了後、ニップロールにより、60℃にフィルムを加熱して、基材フィルムを搬送させて、エキシマ紫外線を照射させた。
エキシマ紫外線処理は、UEEX503(岩崎電気株式会社製)を用い、大気中でランプ照射面とフィルムとの距離を2mmに設定した。また、フィルムの搬送速度を1.0m/minとした。
図2に示すように、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製:PVA−117)を濃度5%の水溶液を介して色素を吸着させ延伸させたポリビニルアルコール(株式会社クラレ製:KL−318)層を処理後の2枚のフィルムでラミネートし、100℃で加熱乾燥させた。
[実施例2]
酸素濃度を30%とした以外は、実施例1と同様の処理を施した。
[比較例1]
処理室を大気雰囲気下とした以外は、実施例1と同様の処理を施した。
[比較例2]
40℃の1.5N−NaOH溶液にフィルムを5分間浸漬し、その後、水洗し乾燥したトリアセチルセルロースフィルムに、実施例1と同様にポリビニルアルコール層をラミネートした。
[比較例3]
トリアセチルセルロースフィルムに、コロナ放電処理を施した後に、実施例1と同様に実施例1と同様にポリビニルアルコール層をラミネートした。
[比較例4]
未処理のトリアセチルセルロースフィルムに、実施例1と同様にポリビニルアルコール層をラミネートした。
実施例及び比較例で作製したラミネートフィルムの評価方法としては以下の方法を用いた。
ラミネート前の処理したフィルム表面において、水滴接触角(協和界面科学株式会社製CA−VE型自動固体表面エナジー解析装置)を調べた。
ラミネート前の処理したフィルム表面において、処理痕や水シミなどの外観不良の有無を調べた。
○:見えない。
△:肉眼で、少し確認できる。
×:肉眼で、かなりの数が確認できる。
更に、ラミネートしたフィルムに関して、耐久試験として、高温高湿雰囲気である、温度60°湿度90%Rh環境下で500h放置した後のフィルムの剥離状態を調べた。評価基準は以下の通り
○:剥れない。もしくはフィルムごと破壊する。
△:抵抗はあるが剥れる。
×:抵抗なく剥れる。
Figure 0005135758
比較例1と比較すると、大気中雰囲気下での処理に比べて、高濃度な酸素状態で処理を行うため、紫外線による基材自体への破壊ダメージが少なく、基材に優しい処理が可能となったため、密着の効果が上がっていることを確認できた。従来の紫外線処理に比べて、UVによる基材自体の破壊の効果を減らし、酸化反応を高める処理。ダメージを嫌う基材への処理が可能である。
以上の結果から、セルロースエステルからなるフィルムのポリビニルアルコール層を積層する表面に、エキシマ紫外線処理を行うことで、該機能層に積層する他の機能層との密着性が向上することを見出した。また、アルカリ処理と同程度の密着性を得られることから、アルカリ処理のもつ環境負荷や安全面での問題を解消でき、より簡略化された設備でかつ連続して均一な表面改質を行うことが可能となる。
本発明を実施するための処理装置である。 本発明により処理したフィルムの実施例である。
符号の説明
1 紫外線ランプ
2 紫外線照射室
3 フィルム
4 巻出し装置
5 巻取り装置
6 ガス供給口
7 ガス排気口
8 予備排気室A
9 予備排気室B
10 紫外線照射室のフィルム導入部
11 紫外線照射室のフィルム導出部
12 予備排気室Aのフィルム導入部
13 予備排気室Bのフィルム導出部
14 ニップロール
15 セルロースエステルフィルム
16 表面処理層
17 ポリビニルアルコール
18 光学フィルム

Claims (6)

  1. 長尺であるフィルムを巻出す巻出し手段と、
    連続で走行する該フィルムの一方の面上に紫外線ランプを備える紫外線処理室内で該フィルム面上に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    該フィルムを巻取る巻取り手段を
    順次有するフィルムの表面処理装置において、
    該紫外線照射室が一つ以上のガス供給口と一つ以上のガス排気口を有し、
    該紫外線照射室内の雰囲気が、酸素ガス濃度25〜50%、且つ、窒素と酸素を混合したガス濃度95%以上であり、
    該紫外線ランプから照射される紫外線のエネルギーが490kj/mol以上である
    ことを特徴とするフィルムの表面処理装置。
  2. 前記紫外線ランプが、172nmのピーク波長を有し、キセノン分子が励起した際に発生するエキシマ紫外線を照射することを特徴とする請求項に記載のフィルムの表面処理装置。
  3. 前記紫外線照射室内の圧力が、50〜150kPaであることを特徴とする請求項またはに記載のフィルムの表面処理装置。
  4. 前記紫外線照射室のフィルム導入部に連結して配置されている予備排気室Aおよび前記紫外線照射室のフィルム導出部に連結して配置されている予備排気室Bを有することを特徴とする請求項のいずれかに記載のフィルムの表面処理装置。
  5. 前記紫外線照射室のフィルム導入部もしくは予備排気室Aのフィルム導入部の少なくとも一方にニップロールを配し、
    且つ、前記紫外線照射室のフィルム導出部もしくは予備排気室Bのフィルム導出部の少なくとも一方にニップロールを配している
    ことを特徴とする請求項のいずれかに記載のフィルムの表面処理装置。
  6. 前記ニップロールが温度調整機構を有し、該紫外線照射室内の温度が30〜80℃であることを特徴とする請求項のいずれかに記載のフィルムの表面処理装置。
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