JP5135529B2 - 低融点金属を用いた電鋳部品の製造方法 - Google Patents
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Description
第2のタイプの従来技術では、アンクルの基型を作り、この基型を樹脂製の電鋳型に転写して母型を作り、樹脂製の電鋳型の全面に導電膜を作り、電鋳加工により時計のアンクルを形成している(特許文献2参照)。
さらに、従来の電鋳加工の工程では、母型を作り、母型が導体の場合には、表面に離型処理をして電着工程に入り、母型が不導体の場合には、母型表面を導体化してから離型処理をして電着工程に入り、所要厚さまで電着した後、電鋳部品を母型から剥離している(非特許文献1参照)。
また、本発明の方法において、前記キャビティ低融点金属層の厚さは、0.1〜1μmであるのが好ましい。この方法を用いることにより、電鋳型を変形、溶解、破壊することなしに、電鋳部品を電鋳型から取り出すことができる。
さらに、本発明は、時計用のアンクルにおいて、上記のいずれかの方法によって製造された「アンクル体」と、前記アンクル体に固定された「入りつめ石」および「出つめ石」と、前記アンクル体に取付けられた「剣先」とを含むことを特徴とする。この方法を用いることにより、時計用のアンクルを電鋳加工により効率的に製造することができる。
本発明に関連する技術により、電鋳部品を電鋳加工した後、電鋳部品表面の電鋳金属より低い融点をもつ金属にフラックスを塗布して金属板を押し付けて加熱して、電鋳部品と金属板とを、はんだ接合する。この状態で、電鋳型をベ−スに固定して、金属板をベ−スから遠ざける方向に向かって引き上げると、電鋳部品を電鋳型から容易に抜き取ることができる。
(1)第1の例
以下に、本発明に関連する技術の第1の例について説明する。図1(a)を参照すると、電鋳部品の製造のために用いる電鋳型120を準備する(工程101)。電鋳型120を構成する材料は、シリコン、ガラス、プラスチックなどである。電鋳型120は、DRIEなどの方法によって加工することができる。電鋳部品を形成するためのキャビティ120cが電鋳型120の上面に形成される。キャビティ120cは、側壁120dと、底面120eとにより構成される。電鋳型120の大きさは、例えば、2インチ(約50mm)〜8インチ(約200mm)の範囲であるのが好ましい。電鋳型120の厚さは、電鋳型120の大きさによって異なるが、例えば4インチシリコン基板の場合、300μm〜625μmの厚さのものが用いられる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態が、上述した電鋳部品の製造方法の第1の例と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した電鋳部品の製造方法の第1の例についての説明をここに準用する。
図4を参照すると、電鋳部品の製造のために用いる電鋳型420を準備する。次に、電鋳型420の表面上と、キャビティの側壁および底面の表面上とに金属薄膜424を設けて型キャビティ420fを形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う。次に、型キャビティ420fの側壁および底面の表面上を除いて、電鋳型420の上面で電鋳金属を析出させない領域の金属薄膜424の表面にレジスト層428を設ける。
次に、本明細書に記載している電鋳部品の製造方法を適用した電鋳部品を含む機械式時計の実施の形態について説明する。図5〜図7を参照すると、機械式時計において、機械式時計のムーブメント(機械体)300は、ムーブメントの基板を構成する地板302を有する。巻真310が、地板302の巻真案内穴302aに回転可能に組み込まれる。文字板304(図26に仮想線で示す)がムーブメント300に取付けられる。一般に、地板の両側のうちで、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称し、文字板のある方の側と反対側をムーブメントの「表側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称する。おしどり390、かんぬき392、かんぬきばね394、裏押さえ396を含む切換装置により、巻真310の軸線方向の位置を決める。きち車312が巻真310の案内軸部に回転可能に設けられる。巻真310が、回転軸線方向に沿ってムーブメントの内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真310を回転させると、つづみ車の回転を介してきち車312が回転する。丸穴車314が、きち車312の回転により回転する。角穴車316が、丸穴車314の回転により回転する。角穴車316が回転することにより、香箱車320に収容されたぜんまい322を巻き上げる。二番車324が、香箱車320の回転により回転する。がんぎ車330が、四番車328、三番車326、二番車324の回転を介して回転する。香箱車320、二番車324、三番車326、四番車328は表輪列を構成する。
図8〜図10を参照すると、三番車326は、三番かな(かな:ピニオン歯車部)326fと、三番歯車326gとを含む。三番歯車326gの厚さは、例えば、100μm〜500μmであり、好ましくは150μm〜250μmである。三番かな326fは、上軸部326aと、下軸部326bと、かな部326cとを含む。三番歯車326gは、中心支持部326hと、あみだ部326jと、歯車部326dとを含む。図示する実施形態では、あみだ部326jは5本である。あみだ部326jの数は3本であってもよいし、4本以上であってもよい。或いは、あみだ部326jを設けなくてもよい。三番かな326fは、炭素鋼などの金属で形成される。三番歯車326gはニッケルなどの金属で形成される。
図11〜図13を参照すると、がんぎ車330は、がんぎかな(かな:ピニオン歯車部)330fと、がんぎ歯車330gとを含む。がんぎ歯車330gの厚さは、例えば、100μm〜500μmであり、好ましくは100μm〜200μmである。がんぎかな330fは、上軸部330aと、下軸部330bと、かな部(ピニオン歯車部)330cとを含む。がんぎ歯車330gは、中心支持部330hと、あみだ部330jと、歯車部(すなわち、アンクルのつめ石と接触して作動する部分)330dとを含む。図示する実施形態では、あみだ部330jは4本である。あみだ部330jの数は3本であってもよいし、4本以上であってもよい。がんぎかな330fは、炭素鋼などの金属で形成される。がんぎ歯車330gはニッケルなどの金属で形成される。がんぎ歯車330gの隣接する2つのあみだ部330jの間に位置するがんぎ歯車330gの窓部330mに対応する電鋳型120の領域に、厚膜レジストを堆積させ、堆積した厚膜レジストに必要形状を露光し、現像して、あみだ部形成用レジスト(図示せず)をパターニングする。あみだ部形成用レジストの厚さは、がんぎ歯車330gの厚さより大きくなるように設定する。がんぎ歯車330gの厚さが100μm〜500μm、好ましくは100μm〜200μmである場合、外形形成用レジスト128の厚さは、がんぎ歯車330gの厚さと同一であるか、或いは、がんぎ歯車330gの厚さより厚くて、がんぎ歯車330gの厚さに500μmを加えた厚さまでの厚さの範囲とするのが好ましい。
図14〜図16を参照すると、本発明の実施形態において、アンクル342は、アンクル体342dと、アンクル真342fと、剣先342gと、2つのつめ石、すなわち、入りつめ石342jおよび出つめ石342kとを備える。アンクル体342dの厚さは、例えば、100μm〜500μmであり、好ましくは100μm〜200μmである。アンクル真342fは、上軸部342aと、下軸部342bとを含む。アンクル体342dは、ニッケルなどの金属で形成される。アンクル真342fは炭素鋼などの金属で形成される。アンクル真342fは、炭素鋼などの金属で形成される。アンクル体342dは、ニッケル、又は銅であるのが好ましい。
124 金属薄膜
128 レジスト層
130 電鋳部品
132 低融点金属層
300 ムーブメント(機械体)
302 地板
320 香箱車
324 二番車
326 三番車
328 四番車
330 がんぎ車
342 アンクル
420 電鋳型
424 金属薄膜
428 レジスト層
430 電鋳部品
432 キャビティ低融点金属層
Claims (6)
- 電鋳部品の製造方法において、
(a)電鋳部品を製造するために、電鋳部品を形成するためのキャビティを形成した電鋳型(420)を準備する工程と、
(b)電鋳型(420)に金属薄膜(424)を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行い、製造すべき電鋳部品の外形形状に対応する形状を有する型キャビティ(420f)を形成する工程と、
(c)型キャビティ(420f)の内部を除いて、金属薄膜(424)の表面にレジスト層(428)を設ける工程と、
(d)型キャビティ(420f)の内部に、電鋳部品(430)を構成する電鋳金属の融点より低い融点をもつ金属により、キャビティ低融点金属層(432)を形成する工程と、
(e)電鋳型(420)に電鋳加工を行い、型キャビティ(420f)の中に電鋳部品(430)を形成する工程と、
(f)キャビティ低融点金属層(432)を構成する金属の融点以上になるように電鋳型(420)を加熱し、キャビティ低融点金属層(432)を融解させる工程と、
(g)電鋳型(420)の型キャビティ(420f)から電鋳部品(430)を取り出す工程とを含み、
前記工程(a)から前記工程(g)は、上記した順序にしたがって行われる、
ことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載されている方法において、キャビティ低融点金属層(432)を構成する材料は、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Ag(銀)、Cd(カドミウム)、In(インジウム)、Sn(錫)、Sb(アンチモン)、Te(テルル)、Au(金)、Tl(タリウム)、Pb(鉛)、Bi(ビスマス)、Po(ポロニウム)からなる群から選ばれることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載されている方法において、キャビティ低融点金属層(432)の厚さは、0.1μmから1μmであることを特徴とする方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載されている方法によって製造されることを特徴とする電鋳部品。
- 時計用の輪列部品において、請求項1から3のいずれか1項に記載されている方法によって製造された「歯車」と、前記歯車に固定された「かな」とを含むことを特徴とする輪列部品。
- 時計用のアンクルにおいて、請求項1から3のいずれか1項に記載されている方法によって製造された「アンクル体(342d)」と、前記アンクル体(342d)に固定された「入りつめ石(342j)」および「出つめ石(342k)」と、前記アンクル体(342d)に取付けられた「剣先(342g)」とを含むことを特徴とするアンクル。
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