JP5134857B2 - 在宅診療支援システムおよび中継装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、患者にとっては利用し易く、かつ、医師にとっては負担の少ない在宅診療の実現を可能にするための技術を提供することを目的としている。
(A:構成)
図1は、本発明の実施形態に係る在宅診療支援システム1の構成例を示すブロック図である。図1の在宅診療支援システム1は、遠隔監視システム10と、M(1以上の自然数、以下、同じ)個の医療機関(例えば、総合病院や個人医院)の各々に設置されている医療機関端末20−j(j=1〜M)と、中継装置30とを含んでいる。
以下、本発明の特徴を顕著に示す中継装置30について詳細に説明する。
図3に示すように、中継装置30は、第1通信インタフェース(以下、IF)部310、第2通信IF部320、および変換部330を有している。第1通信IF部310は、例えばNIC(Network Interface Card)であり、ホームセキュリティ網110に接続されている。この第1通信IF部310は、ホームセキュリティ網110から送信されてくる通信メッセージを受信して変換部330へ引き渡す一方、変換部330から引き渡された通信メッセージをホームセキュリティ網110へ送出する。
変換部330のメモリには、前述した利用者データベースや医療機関データベースが格納されている他に、各種プログラムが格納されている。上記メモリに格納されているプログラムの一例としては、メッセージ変換プログラムが挙げられる。このメッセージ変換プログラムにしたがって作動しているCPUは、第1通信IF部310および第2通信IF部320の何れか一方から受け取った通信メッセージにその通信メッセージの種別に応じたメッセージ変換を施して他方に引き渡す処理を実行する。より詳細に説明すると、変換部330は、第1通信IF部310または第2通信IF部320から受け取った通信メッセージの種類に応じて以下の3パターンの何れかのメッセージ変換処理を施す。
往診依頼メッセージについては、変換部330は、以下に述べる2種類の処理を施す。
第1に、往診依頼メッセージに書き込まれている端末識別子に対応する個人情報データを上記利用者データベースから読み出し、その個人情報データを往診依頼メッセージに書き加える処理である。このように個人情報データを書き加えるのは、その往診依頼メッセージの転送先である医療機関に往診を要求している患者およびその往診先の住所を伝達するためである。第1通信IF部310から受け取った往診依頼メッセージに施す第2の処理は、往診依頼メッセージの送信先アドレスを、上記M台の医療機関端末20−jのうちの何れかの端末識別子で書き換える処理である。この送信先アドレス書き換え処理の実施態様としては種々の態様が考えられるが、本実施形態では、各医療機関に均等に往診依頼が為されるよう上記送信先アドレスの書き換えが行われる。具体的には、中継装置30の電源(図示省略)を投入した後、最初に受信した往診依頼メッセージについては、その送信先アドレスが医療機関端末20−1の端末識別子に書き換え、次に受信した往診依頼メッセージについてはその送信先アドレスが医療機関端末20−2の端末識別子に書き換える等である。これにより、何れかの医療機関に往診要求が集中されることが回避されるとともに、利用者の立場からは必ずしもかかりつけの医師による往診ではないものの、確実に往診を受けることが可能になるのである。なお、本実施形態では、各医療機関に均等に往診依頼を割り振る場合について説明するが、かかりつけの医師に往診依頼がなされるように上記送信先アドレスの書き換えを行っても勿論良い。このようなことは、第1通信IF部310から受け取った往診依頼メッセージに書き込まれている端末識別子に対応する個人情報データを利用者データベースから読み出し、さらに、その個人情報データに含まれている医療機関名に対応する端末識別子を医療機関データベースから読み出して、その端末識別子で上記送信先アドレスを書き換えることにより実現される。
カルテ要求メッセージについては、変換部330は、以下に述べる2種類の処理を施す。
第1に、カルテ要求メッセージに書き込まれている端末識別子に対応する個人情報データを利用者データベースから読み出し、その個人情報データをカルテ要求メッセージに書き加えるとともに、その個人情報データの示す医療機関に配置されている医療機関端末の端末識別子とアクセスパスワードとを医療機関データベースから取得して、そのアクセスパスワードをカルテ要求メッセージに付加する処理である。第2に、上記変換済みのカルテ要求メッセージの送信先アドレスを医療機関データベースから取得した端末識別子で書き換えて第2通信IF部320に引き渡す処理である。ここで、カルテ要求メッセージの送信先アドレスの書き換えは、利用者のかかりつけの医療機関にそのカルテ要求メッセージを転送するためである。また、カルテ要求メッセージに利用者の氏名および住所を示すデータを書き加えるのは、そのカルテ要求メッセージの転送先である医療機関端末20−jにそれらデータに対応するカルテデータを電子カルテデータベースから取得させるためであり、上記アクセスパスワードを付加するのはその電子カルテデータベースへのアクセスを可能にするためである。なお、電子カルテデータベースへの不用意なアクセスを防止するため、カルテ要求メッセージの送信元であるユーザ端末100−kが、前述した往診依頼メッセージにより往診の依頼を行ったユーザ端末100−kである場合にのみ、本パターン(b)のメッセージ変換処理を行うことが望ましい。このようなことは、前述した往診依頼メッセージを受信する毎に、パターン(a)のメッセージ変換処理に先立ってその送信元アドレス(端末識別子)を記憶する(上記メモリに書き込む)処理を変換部330のCPUに実行させ、カルテ要求メッセージを受信した場合には、そのカルテ要求メッセージの送信元アドレスが上記メモリに記憶されている端末識別子の何れかと一致する場合に本パターン(b)のメッセージ変換処理を上記CPUに実行させ、その後、該当する端末識別子を上記メモリから削除する処理を上記CPUに実行させることで実現される。
カルテ配信メッセージについては、変換部330は、そのカルテ配信メッセージに書き込まれているカルテデータに含まれている氏名および住所に対応する端末識別子を上記利用者データベースから読み出し、カルテ配信メッセージの送信先アドレスを上記端末識別子で書き換える処理を実行する。このような送信先アドレスの書き換えを行うのは、医療機関端末20−jから配信されたカルテデータが、往診の依頼元であるユーザ端末100−kに確実に転送されるようにするためである。
以上が中継装置30の構成である。
次いで、在宅診療支援システム1を構成する各装置が実行する動作のうち、本発明の特徴を顕著に示す動作について図面を参照しつつ説明する。以下、ユーザ端末100−1の利用者(以下、利用者A)が在宅診療支援システム1を利用して往診を受ける場合に、この在宅診療支援システム1を構成する各装置が実行する動作について説明する。なお、以下では、上記利用者Aは、医療機関端末20−3が配置されている医療機関(以下、医療機関C)に通院し診療を受けたことがある、すなわち、利用者Aの診療履歴を示すカルテデータが医療機関端末20−3の電子カルテデータベースに格納されているものとする。
ユーザ端末100−1に設けられている往診依頼用の操作子が利用者Aにより押下され、その旨がユーザ端末100−1の制御部により検知されると、前述した往診依頼メッセージS1がユーザ端末100−1からホームセキュリティ網110へ送出される。このようにして送信された往診依頼メッセージは、ホームセキュリティ網110内のネットワーク機器(例えば、ルータ)によって適宜ルーティングされ中継装置30に到達する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、ホームセキュリティ網110から送信されてくる往診依頼メッセージが中継装置30に到達した場合、無条件にその往診依頼メッセージを医療機関端末20−j(j=1〜M)の何れかに転送する処理を中継装置30に実行させた。しかし、往診を要求してきた利用者の容態が重篤であるなど緊急性を要するものであるから否かを判定し、緊急性を要しないと判定される場合には、その往診依頼メッセージを医療機関端末20−j(j=1〜M)の何れかに転送する一方、緊急性を要すると判定される場合には、他の救急救命センタへ救急出動を要請するようにしても良い。なお、このようなことを実現するためには、中継装置30が設置される中継センタに医師を常駐させるとともに、往診依頼メッセージを受信した場合には、その送信元のユーザ端末100−kとの間で通話回線を確立する処理を中継装置30に実行させ、往診要求を行った利用者の問診をその通話回線を介して上記医師に行わせて緊急性の判断をさせれば良い。なお、中継センタに常駐する医師の確保が困難である場合には、音声ガイダンスによる問診を行い容態を示すデータの入力を促す問診手段を中継装置30に設け、入力されたデータが重篤な容態を示していないと判断される所定の条件を満たすか否かによって、緊急性の有無を判断しても良い。ただし、上記問診手段による問診内容および緊急性の判断条件の策定に関しては医師の指導を仰ぐ必要があることは言までもない。
Claims (4)
- 複数の医療機関の各々に設置され、設置先の医療機関にて診療を受けた患者の診療履歴を示すカルテデータが格納されている電子カルテデータベースと、
医師による往診を依頼する旨の操作が為された場合にはその旨を示す通信メッセージである往診依頼メッセージを生成する一方、カルテデータの配信を要求する旨の操作が為された場合には、その旨を示す通信メッセージであるカルテ要求メッセージを生成し、生成した各通信メッセージに自端末を一意に識別する端末識別子を書き込んで送信する処理を各々実行する1または複数のユーザ端末と、
前記1または複数のユーザ端末から送信された各通信メッセージの転送制御を行う中継装置と、を備え、
前記中継装置は、
前記1または複数のユーザ端末の各々の端末識別子に、その利用者の氏名、住所およびかかりつけの医療機関を示す個人情報データを対応付けて格納した利用者データベースと、前記複数の医療機関の各々の電子カルテデータベースにアクセスする際に必要となる情報が医療機関毎に格納されている医療機関データベースと、にアクセス可能であり、
前記往診依頼メッセージを受信した場合には、当該往診依頼メッセージに書き込まれている端末識別子に対応付けて前記利用者データベースに格納されている個人情報データを読み出し、当該個人情報データを当該往診依頼メッセージに付加して前記複数の医療機関の何れかへ転送し、
前記カルテ要求メッセージを受信した場合には、当該カルテ要求メッセージに書き込まれている端末識別子に対応付けて前記利用者データベースに格納されている個人情報データを読み出すとともに、当該個人情報データの示す医療機関の電子カルテデータベースへアクセスするための情報を前記医療機関データベースから読み出し、当該情報を用いて当該電子カルテデータベースから当該個人情報データの示す利用者についてのカルテデータを取得し、当該カルテデータを当該カルテ要求メッセージの送信元へ返信する
ことを特徴とする在宅診療支援システム。 - 前記中継装置は、前記往診依頼メッセージの送信元に対して音声ガイダンスによる問診を行い、容態を示すデータの入力を促す問診手段を備え、前記音声ガイダンスにしたがって入力されたデータが、重篤な容態を示していないと判断される所定の条件を満たす場合に、前記往診依頼メッセージの転送を行うことを特徴とする請求項1に記載の在宅診療支援システム。
- 前記医療機関データベースには、電子カルテデータベースにアクセスする際に必要となる情報に対応付けて医療機関の所在地を示す所在地データが格納されており、
前記中継装置は、受信した往診依頼メッセージに書き込まれている端末識別子に対応付けて前記利用者データベースに格納されている個人情報データの示す住所と前記医療機関データベースに格納されている各医療機関についての所在地データとから、往診の依頼元に最寄りの医療機関を選択し、当該医療機関へ宛てて往診依頼メッセージを転送することを特徴とする請求項1または2に記載の在宅診療支援システム。 - 医師による往診を依頼する旨の操作が為された場合にはその旨を示す通信メッセージである往診依頼メッセージを生成する一方、自端末の利用者についての診療履歴を示すカルテデータの配信を要求する旨の操作が為された場合には、その旨を示す通信メッセージであるカルテ要求メッセージを生成し、生成した各通信メッセージに自端末を一意に識別する端末識別子を書き込んで送信する処理を各々実行する1または複数のユーザ端末から送信された通信メッセージの転送制御を行う中継装置において、
前記1または複数のユーザ端末の各々の端末識別子に、その利用者の氏名、住所およびかかりつけの医療機関を示す個人情報データを対応付けて格納した利用者データベースと、前記複数の医療機関の各々に設置され、設置先の医療機関にて診療を受けた患者についてのカルテデータが格納されている電子カルテデータベースにアクセスする際に必要となる情報が医療機関毎に格納されている医療機関データベースとにアクセス可能であり、
前記往診依頼メッセージを受信した場合には、当該往診依頼メッセージに書き込まれている端末識別子に対応付けて前記利用者データベースに格納されている個人情報データを読み出し、当該個人情報データを当該往診依頼メッセージに付加して前記複数の医療機関の何れかへ転送し、
前記カルテ要求メッセージを受信した場合には、当該カルテ要求メッセージに書き込まれている端末識別子に対応付けて前記利用者データベースに格納されている個人情報データを読み出すとともに、当該個人情報データの示す医療機関の電子カルテデータベースへアクセスするための情報を前記医療機関データベースから読み出し、当該情報を用いて当該電子カルテデータベースから当該個人情報データの示す利用者についてのカルテデータを取得し、当該カルテデータを当該カルテ要求メッセージの送信元へ返信する
ことを特徴とする中継装置。
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