JP5133092B2 - 機能性物質放出剤 - Google Patents

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Description

本発明は、香料、抗菌剤、抗カビ剤等の機能性物質を放出するケイ酸エステル化合物を含む機能性物質放出剤、及びこの機能性物質放出剤を含有する組成物、並びにケイ酸エステル化合物の安定化方法に関する。
調合香料は、揮発性の異なる、いわゆるトップノート、ミドルノート及びベースノートと呼ばれる多数の香気成分を調合し、求められる芳香を創造している。この調合香料は、使用中に、より揮発しやすい成分から優先的に揮散し、その結果、調合香料の香気は時間とともに変化していき、芳香を一定して長時間持続させることはできないという欠点が存在する。このような問題を解決するため、香料をマイクロカプセルに内蔵してゲル状基材中に分散させてなるゲル状芳香剤組成物が知られている(特許文献1)。しかしこの方法は、ゲル状製剤では有効であるが、粘度の低い液状製剤では、マイクロカプセルの浮化や沈降が生じ、製品中に安定に配合することが困難である。
アルコール系香料とメチルトリエトキシシラン等の有機ケイ素化合物とによるケイ酸エステルを用いた編織物処理用組成物や洗浄剤組成物、芳香剤も知られている(特許文献2、特許文献3、及び特許文献4)。しかしこれらの組成物では、疎水性が低いため、洗浄剤や芳香剤等の水系製品中でケイ酸エステルの分解が進行してしまい、効果が持続しない。
一方、水を含む洗剤等の製品中に混和しうるような、加水分解耐性がより高いポリアルコキシシロキサンを含むケイ酸エステル混合物が知られている(特許文献5)。しかしながらこのケイ酸エステル混合物は、高分子量化合物を含むため、洗浄剤や芳香剤等様々な製品に配合する場合、溶解性等配合性に問題がある。
上記のような製品中での分解は香料のみならず揮発性の抗菌、抗カビ剤においても同様の問題が存在し、その効果の持続と配合性とを両立させることが困難であった。
特開昭63−260567号公報 特開昭54−59498号公報 特開昭54−93006号公報 特開昭58−22063号公報 特表2003−526644号公報
本発明の課題は、製剤の形態や用途に関係なく安定に配合でき、実使用系で、長期に亘り一定した機能性物質を徐放でき、更に優れた保存安定性を有する機能性物質放出剤、及びそれを含有する組成物、並びにケイ酸エステル化合物の安定化方法を提供することにある。
本発明は、下記(a)成分及び(b)成分を含む機能性物質放出剤、及びこの機能性物質放出剤を含有する組成物を提供する。
(a)成分:下記式(1)で表されるケイ酸エステル化合物(以下ケイ酸エステル化合物(1)という)
Figure 0005133092
〔式中、Xは−R1(R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基)又は−OR2(R2は炭素数1〜6の炭化水素基、又は機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基)、YはX又は−OSi(X)3、nは平均値を示す0〜15の数であり、複数個のX及びYはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基を一分子中に少なくとも1つ有する。〕
(b)成分:ケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤、好ましくは20℃における水への溶解度が5重量%未満で且つケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤
また、本発明は、ケイ酸エステル化合物(1)に、ケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤、好ましくは20℃における水への溶解度が5重量%未満で且つケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤の少なくとも1種を配合する、ケイ酸エステル化合物(1)の安定化方法を提供する。
本発明の機能性物質放出剤は、香料アルコール、抗菌性アルコール等の機能性物質の放出を長期間持続させることができ、更に優れた保存安定性を有する。また本発明の組成物は芳香や抗菌性を一定して長時間持続させることができる。また、本発明の安定化方法により、ケイ酸エステル化合物(1)を長期間安定に保存することができる。
[(a)成分]
本発明の(a)成分であるケイ酸エステル化合物(1)において、Xは−R1(R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基)又は−OR2(R2は炭素数1〜6の炭化水素基、又は機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基)、YはX又は−OSi(X)3、nは平均値を示す0〜15の数であり、複数個のX及びYはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基を一分子中に少なくとも1つ有する。
1としては、置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数4〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数6〜18の直鎖アルキル基が更に好ましく、炭素数8〜18の直鎖アルキル基が更により好ましい。
2は、少なくとも一つが機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基である。R2を形成する機能性アルコールとしては、調合香料成分である香料アルコール、防菌防黴性を有する抗菌性アルコール、保湿性を有する保湿性アルコール、生理活性を有する生理活性アルコール、着色性を有する着色性アルコール、一般的な表面活性を有する表面改質性アルコール等が挙げられ、香料アルコール、抗菌性アルコールが好ましく、香料アルコールがより好ましい。
機能性アルコールとしては、炭素数3〜40の機能性アルコールが好ましく、炭素数3〜15の機能性アルコールがより好ましい。機能性アルコールの具体例としては、n−ヘキサノール、trans−2−ヘキセノール、青葉アルコール(cis−3−ヘキセノール)、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、p−tert−ブチルシクロヘキサノール、o−tert−ブチルシクロヘキサノール、4−メチル−3−デセン−5−オール、9−デセノール、10−ウンデセノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、ムゴール、ミルセノール、ターピネオール、L−メントール、ボルネオール、イソプレゴール、テトラヒドロムゴール、ノポール、ファルネソール、ネロリドール、アンブリノール、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、ペンタメチルシクロヘキシルプロパノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール、サンタロール、3,7−ジメチル−7−メトキシオクタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−1−ブタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、セドロール、ベチベロール、パチュリアルコール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール(2−フェニルエタノール)、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、ジメチルフェニルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、スチラリルアルコール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、チモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、エチルバニリン、メタ−クロロキシレノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、ヒノキチオール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパノール、3−メチル−5−フェニルペンタノール、フェニルエチルメチルエチルカルビノール、トリクロサン、カプサイシン、トコフェロール、グリセロールモノラウレート、トリ(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5’−ジメチルヒダントイン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(ヒドロキシエチル)−S−トリアジン等が挙げられる。
これらの機能性アルコールの中では炭素数5〜15の香料アルコール又は炭素数3〜15の抗菌性アルコールがより好ましく、炭素数5〜15の香料アルコールが更に好ましい。
炭素数5〜15の香料アルコールとしては、例えば合成香料(化学工業日報社)記載のアルコールが挙げられ、具体的には、青葉アルコール(cis−3−ヘキセノール)、3−オクテノール(1−オクテン−3−オール)、9−デセノール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ファルネソール、ヒドロキシシトロネロール、3,7−ジメチル−7−メトキシオクタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−1−ブタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール等の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルコール;ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール(2−フェニルエタノール)、シンナミックアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、アニスアルコール、フェノキシエチルアルコール、スチラリルアルコール、3−メチル−5−フェニルペンタノ−ル、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール等の芳香族アルコール;2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、p−tert−ブチルシクロヘキサノール、o−tert−ブチルシクロヘキサノール、L−メントール、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、ペンタメチルシクロヘキシルプロパノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール、サンタロール、ベチベロール等の飽和又は不飽和の環式アルコール等が挙げられる。
炭素数3〜15の抗菌性アルコールとしては、日本防菌防黴剤辞典(日本防菌防黴学会発行)記載の防菌防黴用に用いられるアルコールが挙げられ、具体的には、グリセロールモノラウレート、トリ(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5’−ジメチルヒダントイン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(ヒドロキシエチル)−S−トリアジン等が挙げられる。
ケイ酸エステル化合物(1)は、一分子中に機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基を少なくとも1つ有するが、2つ以上有することが好ましく、3つ以上有することがより好ましい。
ケイ酸エステル化合物(1)中のnは平均値を示す0〜15の数であり、0〜2が好ましく、0がより好ましい。
ケイ酸エステル化合物(1)は、下記の方法1,2等により合成することができる。
方法1:
テトラエトキシシランやメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルコキシシラン類と機能性アルコールとのエステル交換反応。
方法2:
テトラクロロシランやメチルトリクロロシラン等のハロゲン化シラン類と機能性アルコールとのエステル化反応。
方法1において、エステル交換されるアルコキシ基としては、入手性等の点からメトキシ基又はエトキシ基が好ましく、エトキシ基がより好ましい。
方法1のアルコキシシランと機能性アルコールとのエステル交換反応において、アルコキシシランに対して加える機能性アルコールのモル比により置換度が異なる反応物を与え、アルコキシシランに対する機能性アルコールのモル比は0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、2〜4更に好ましく、2.5〜3が更により好ましい。
方法1におけるエステル交換反応の反応温度は、アルコキシシラン及び機能性アルコールの沸点以下が好ましく、室温(20℃)〜200℃がより好ましく、50〜170℃が更に好ましく、70〜150℃更により好ましく、90〜130℃が特に好ましい。
方法1におけるエステル交換反応は、減圧下で行うことが、反応を速やかに進行させることができる等の点から好ましい。減圧度は反応温度にもよるが、アルコキシシラン及び機能性アルコールの沸点以下で行えばよく、1.3Pa〜常圧(0.1MPa)が好ましく、130Pa〜40kPaがより好ましく、1.3kPa〜13kPaが更に好ましい。反応は反応初期から減圧下で行っても、途中から減圧下で行っても良い。
方法1におけるエステル交換反応は、触媒を添加することが、反応を速やかに進行させることができる等の点から好ましい。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ触媒や、アルミニウムテトライソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド等のルイス酸触媒を用いることができる。
方法2で用いられるハロゲン化シランにおいて、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
方法2のハロゲン化シランと機能性アルコールとのエステル化反応において、ハロゲン化シランに対して加える機能性アルコールのモル比により置換度が異なる反応物を与え、ハロゲン化シランに対する機能性アルコールのモル比は0.1〜10好ましく、1〜5がより好ましく、2〜4が更に好ましく、2.7〜3.3が更により好ましい。
方法2においては反応の進行に伴い酸が副生するため塩基を加えて反応することが好ましい。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン等の3級アミンやピリジン等が挙げられる。
方法2のエステル化反応では多量の塩副生等の点から、溶媒を用いても良く、反応温度は、基質や溶媒が凝固しない低温で行うこともできる。反応終了後、溶媒を除去する必要がある場合には、各種公知の装置・設備を用いることができ、また脱塩には濾過や抽出、電機透析等、公知の方法を用いることができる。
方法1のエステル交換反応、方法2のエステル化反応で得られるケイ酸エステル化合物(1)は、他に置換度の異なる混合物があっても、さらにシロキサンが縮合した鎖状または環状の重・縮合物との混合物であっても良い。また、方法1のエステル交換反応、方法2におけるエステル化反応は、2種以上の機能性アルコールを混合して用いても、2種以上のR1で示される基を持つアルコキシシラン又はハロゲン化シランを用いても良い。
[(b)成分]
本発明の(b)成分である、ケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤としては、20℃における水への溶解度が5重量%未満で且つケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤が好ましい。ここで、上記油剤としては、20℃における水への溶解度が0.5重量%未満であることがより好ましく、0.1重量%未満であることが更に好ましい。
20℃における水への溶解度が5重量%未満で且つケイ酸エステル化合物(1)の20℃における溶解度が5重量%以上である油剤としては、炭化水素油、アルコール油、エステル油、シリコーン油等が挙げられ、油剤のニオイの点から、炭化水素油、エステル油、シリコーン油が好ましい。更に、油剤の揮発性の点から20℃における蒸気圧が2.7kPa以下であることが好ましく、1kPa以下であることが更に好ましい。炭化水素油としては、炭素数8以上の飽和又は不飽和の炭化水素油を挙げることができる。エステル油としては、炭素数14以上の脂肪酸と炭素数1以上のアルコールとのエステル化物であるエステル油を挙げることができる。シリコーン油としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーンや、フェニル変性、(ポリ)エーテル変性、アルキル変性、脂肪酸エステル変性、フッ素変性、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、フェノール変性等の変性シリコーン油を挙げることができる。
これらの油剤の中では、流動パラフィン、炭素数14〜20の脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物、粘度1mPa・s〜1000mPa・sのジメチルシリコーン等が好ましい。
[機能性物質放出剤、組成物及びケイ酸エステル化合物(1)の安定化方法]
上記(a)成分及び(b)成分を含む本発明の機能性物質放出剤は、長期に亘り機能性物質を徐放することができ、ケイ酸エステル化合物(1)中の機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基が、香料アルコールや抗菌性アルコールから水酸基を1個除いた残基である場合、本発明の機能性物質放出剤は芳香や抗菌性を長時間持続させることができ、香料持続剤や抗菌性持続剤として有用である。
本発明の機能性物質放出剤は、様々な製品に配合することができる。例えば、油系消臭芳香剤、粉末洗剤、固形石鹸、入浴剤、オムツ等の衛生品、エアゾール型等の消臭剤等非水溶液系製品の他、水溶液系での保存安定性に優れるため、香水、コロン、水系消臭芳香剤をはじめ、液体洗剤・柔軟剤等の衣類用製品、食器用洗剤、液体石鹸・化粧水等の各種化粧用品、シャンプー・リンス・コンディショナー・スタイリング剤等の頭髪用製品、液体入浴剤、等に使用することができ、機能性アルコールの放出を長期間持続させることができる。
本発明の機能性物質放出剤中の(a)成分と(b)成分の配合割合は、特に限定されずその用途により種々変えることができるが、機能性アルコールの放出を長期間持続させ、良好な保存安定性を得る観点から、(a)成分に対する(b)成分の割合が10〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
本発明の機能性物質放出剤を含有する本発明の組成物は、洗浄剤組成物、柔軟剤組成物等の繊維製品処理剤組成物、芳香剤組成物、消臭剤組成物等として用いることができ、繊維製品処理剤組成物として用いるのが好ましい。
本発明の組成物中の(a)成分の含有量は、特に限定されずその用途により種々変えることができる。本発明の組成物を洗浄剤組成物や柔軟剤組成物等の繊維製品処理剤組成物として用いる場合、組成物中の(a)成分の含有量は0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。また、組成物中の(b)成分の割合は、(a)成分に対して10〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
本発明の組成物を芳香剤組成物として用いる場合、組成物中の(a)成分の含有量は0.001〜90重量%が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましい。また、組成物中の(b)成分の割合は、(a)成分に対して10〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
本発明の組成物を消臭剤組成物として用いる場合、組成物中の(a)成分の含有量は0.0001〜10重量%が好ましく、0.001〜5重量%がより好ましい。また、組成物中の(b)成分の割合は、(a)成分に対して10〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
合成例1
ケイ酸テトラゲラニルエステル[テトラキス(3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエニルオキシ)シラン]の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール72.30g(0.47mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110〜120℃で2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117〜120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ケイ酸テトラゲラニルエステルを含む76.92gの黄色油状物を得た。得られた油状物のガスクロマトグラフィー(以下GCという)分析結果を表1に示す。
Figure 0005133092
*1:Etはエチル基、Gerはゲラニオールから水酸基を除いた残基を示す。
*2:Si(OGer)3-O-Si(OGer)2(OEt)
*3:Si(OGer)3-O-Si(OGer)3
合成例2
オクチルケイ酸トリス(2−フェニルエチル)エステル[トリス(2−フェニルエチルオキシ)オクチルシラン]の合成
200mLの四つ口フラスコにオクチルトリエトキシシラン55.30g(0.20mol)、2−フェニルエタノール65.99g(0.54mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.958mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら115℃で2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら115〜121℃でさらに3時間攪拌した。3時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、オクチルケイ酸トリス(2−フェニルエチル)エステルを含む94.84gの淡黄色油状物を得た。得られた油状物のGC分析結果を表2に示す。
Figure 0005133092
*1:Etはエチル基、EtPhは2−フェニルエタノールから水酸基を除いた残基を示す。
*2:C8H17-Si(OEtPh)2-O-Si(OEtPh)(OEt)-C8H17
*3:C8H17-Si(OEtPh)2-O-Si(OEtPh)2-C8H17
実施例1〜6
合成例1で得られたケイ酸エステル化合物を表3に示す(b)成分に、表3に示す割合で溶解させ、機能性物質放出剤を調製した。得られた機能性物質放出剤は、均一な状態を示す、保存安定性に優れた組成物であった。
Figure 0005133092
処方例1〜6、比較処方例1
表4に示す未賦香液体柔軟剤Aを定法により調製した。15mLのスクリュー管(マルエムNo.4)に、未賦香液体柔軟剤Aと、実施例1〜6で得た機能性物質放出剤、又は合成例1で得たケイ酸エステル化合物とを、未賦香液体柔軟剤Aに対しケイ酸テトラゲラニルエステルが0.5重量%になるように加え、50℃に加熱後冷却を行い、柔軟剤組成物を調製した。この柔軟剤組成物を密栓し、40℃の恒温槽中に保存した。保存前、1週間、2週間及び4週間保存後の香料アルコール(ゲラニオール)量をHPLC(検出器UV)で測定し、ケイ酸エステル化合物(1)の残存率を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0005133092
Figure 0005133092
表5から明らかなように、(a)成分及び(b)成分を含む本発明の機能性物質放出剤を含有することにより、保存安定性の優れた組成物を得ることができる。
処方例7〜12
合成例1又は2で得られたケイ酸エステル化合物を、表6に示す(b)成分及びその他成分で溶解させることにより、表6に示す組成の液体洗浄剤を調製することができる。
Figure 0005133092

Claims (5)

  1. 下記(a)成分及び(b)成分を含み、(b)成分に(a)成分が溶解されている香料アルコール放出剤。
    (a)成分:下記式(1)で表されるケイ酸エステル化合物
    Figure 0005133092
    〔式中、Xは−R1(R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基)又は−OR2(R2は炭素数1〜6の炭化水素基、又は香料アルコールから水酸基1個を除いた残基)、YはX又は−OSi(X)3、nは平均値を示す0〜15の数であり、複数個のX及びYはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を一分子中に少なくとも1つ有する。〕
    (b)成分:上記式(1)で表されるケイ酸エステル化合物の20℃における溶解度が5重量%以上である、流動パラフィン及びシリコーンオイルから選択される油剤
  2. 一般式(1)で表されるケイ酸エステル化合物が、Xは−OR2(R2は香料アルコールから水酸基1個を除いた残基)であり、nは0であり、複数個のXはそれぞれ同一でも異なっていても良いものである請求項1記載の香料アルコール放出剤。
  3. 一般式(1)で表されるケイ酸エステル化合物が、Xは1つが−R1(R1は炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基)であり、3つが−OR2(R2は香料アルコールから水酸基1個を除いた残基)であり、nは0であり、複数個のXはそれぞれ同一でも異なっていても良いものである請求項1記載の香料アルコール放出剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の香料アルコール放出剤を含有する繊維製品処理剤組成物であって、液体柔軟剤又は液体洗浄剤である繊維製品処理剤組成物
  5. 請求項1記載の式(1)で表されるケイ酸エステル化合物に、式(1)で表されるケイ酸エステル化合物の20℃における溶解度が5重量%以上である、流動パラフィン及びシリコーンオイルから選択される油剤の少なくとも1種を配合する、式(1)で表されるケイ酸エステル化合物の安定化方法。
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