JP5132886B2 - 境界面位置検出方法及び境界面位置検出装置 - Google Patents

境界面位置検出方法及び境界面位置検出装置 Download PDF

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本発明は、性質の異なる第一層と第二層からなる試験体の前記第一層と前記第二層間に生じる境界面の位置を検出する境界面位置検出方法及び 境界面位置検出装置に関する。
従来、性質の異なる第一層と第二層からなる試験体の前記第一層と前記第二層間に生じる境界面の位置を検出する方法、例えば、エチレン製造に使われている高Cr、高Niからなる分解炉チューブ内面に発生する浸炭層の厚さ測定方法として下記文献に記載の方法が知られている。
非特許文献1、2に記載された超音波探傷試験(UT)を使用した方法では、斜角探触子を使用して横波を用いた方法又は縦波と横波を組み合わせた方法(反射面でモード変換する波)を用いられているが、浸炭境界からの反射信号が小さいため感度を増幅する必要がある。しかし、感度増幅により種々の波が妨害エコーとして現れるため、浸炭層境界からの信号の判別が非常に困難であった。
また、特許文献1及び非特許文献1、2に記載の着目した信号の振幅が最大となるように探触子間距離を変化させる方法では、探触子の接近限界に制限があるために、管肉厚が薄くなった場合や浸炭層の境界が探傷面に近い場合には最適な探触子間距離が得られない。
更に、非特許文献2に記載のモード変換波を使用する方法では浸炭層境界からの信号が他の信号と重なり識別ができない場合も生じる。
また、非特許文献3に記載の垂直探触子を使用した方法では後方散乱波のデータを加算処理した実験例も報告されているが、表面から4mmまでは垂直探触子のノイズで測定が不可能となっている。分解炉チューブで測定対象となるチューブの多くは厚さ7mm程度であり、この測定方法では50%以上の浸炭は測定することが困難であった。
さらに、非破壊的に測定する方法としては、フェライトインジケータによる磁性量で劣化度を判断する方法や、渦流探傷法(ET)による浸炭層の厚さ測定を行うなどの方法が知られている。しかし、Cr、Niの含有量が異なると、外表面側も磁性を帯び、この磁性が内面側の浸炭層の厚さ測定に悪い影響を与え、信頼性が著しく低下していた。
よって、上述のように現状のエチレンプラントでは、非破壊検査で確実に浸炭深さを測定できる方法がないため、品質管理として運転時間で管理をして新管と取り替えていた。そのため、浸炭深さが肉厚の70〜80%の時点で新管と取り替えることができるような、非破壊試験での測定方法が望まれている。
すなわち、浸炭深さを超音波で測定するときに最大の問題点は、浸炭層からの散乱波(反射波)が微弱なために探傷感度を非常に高く設定する必要があり、それに伴いノイズが発生して浸炭層の信号とノイズの識別が困難なことであった。
特開2000−321041号 (社)日本非破壊検査協会発行、非破壊検査第47巻7号(1998)P480〜P486「エチレン装置の分解炉内面側に生じる浸炭層の検出」 産報出版株式会社発行、溶接技術2005年10月号P88〜P91「加熱炉管の浸炭に対する超音波検査」 日本工業出版発行、検査技術2002年2月号P33〜P35「超音波技術を利用した浸炭層の検出」
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、簡素な構成で微弱な境界面からの反射信号を確実に検出して試験体における性質の異なる第一層と第二層との境界面の位置を検出することの可能な境界面位置検出方法及び境界面位置検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る境界面位置検出方法の特徴は、試験体における性質の異なる第一層と第二層との境界面の位置を検出する境界面位置検出方法であって、超音波を送受信可能な一対の斜角探触子を電気的に並列に接続すると共に、前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に間隔をおいて相対させて載置し、前記一対の斜角探触子から超音波をそれぞれ送信することで、斜角探触子は、この斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第一の反射信号及び他方の斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第二の反射信号並びに前記他方の斜角探触子から前記斜角探触子に前記試験体の表面に沿って伝搬される超音波によるノイズ信号を受信し、前記一対の斜角探触子にて受信した前記第一反射信号及び第二反射信号並びに前記ノイズ信号のそれぞれが加算されることにより前記境界面からの反射信号及び前記ノイズ信号を強調させた測定波形を生成すると共に、前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に沿わせて走査することにより境界面位置を検出することにある。
前記測定波形に対し画像処理が行われると共にB−scan画像として表示されてもよい。係る場合、各斜角探触子固有の測定波形を試験体の測定波形から減ずることにより前記画像処理を行うことが望ましい。
また、前記第一層又は前記第二層のいずれかのみからなる試験体における測定波形である基準波形をあらかじめ求め、前記測定波形から前記基準波形を減ずることにより前記画像処理を行ってもよい。
前記一対の斜角探触子は、受信される前記境界面からの反射信号が大きくなるように超音波を送受信する角度を調整可能であることが望ましい。
前記一対の斜角探触子が複数組設けられ、少なくとも各組における一対の斜角探触子が電気的に並列に接続されていてもよい。
さらに、試験体が金属性材料であり、前記第一層、第二層がそれぞれ健全層、材質変化層であり、健全層側に前記探触子を載置することが望ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る境界面位置検出装置の特徴は、上記いずれかに記載の境界面位置検出方法に用いる境界面位置検出装置において、超音波を送受信可能な一対の斜角探触子を電気的に並列に接続すると共に、前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に間隔をおいて相対させて載置し、前記一対の斜角探触子から超音波をそれぞれ送信することで、斜角探触子は、この斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第一の反射信号及び他方の斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第二の反射信号並びに前記他方の斜角探触子から前記斜角探触子に前記試験体の表面に沿って伝搬される超音波によるノイズ信号を受信し、前記一対の斜角探触子にて受信した前記第一反射信号及び第二反射信号並びに前記ノイズ信号のそれぞれが加算されることにより前記境界面からの反射信号及び前記ノイズ信号を強調させた測定波形を生成すると共に、前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に沿わせて走査することにより境界面位置を検出することにある。
上記本発明に係る境界面位置検出方法及び境界面位置検出装置の特徴によれば、簡素な構成で微弱な境界面からの反射信号を確実に検出して試験体における性質の異なる第一層と第二層との境界面の位置を検出することが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明の第一実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、試験体100として、石油化学プラント等に利用される炉内配管を例に説明する。この炉内配管100は高Cr、高Ni合金よりなり、長期間使用することにより、図3,4に示すように、試験体内面105から浸炭が発生し、試験体外面101方向に進行していく。そのため、図4(d)に示すように、浸炭の進行により試験体内面105に近傍に炭化物がより密集した炭素飽和層103aを形成し、さらに、同図(c)に示すように、その試験体外面101側にも浸炭が進行している炭素層103bが形成される。同図(b)に示すように、炭素層103bと浸炭が進行していない健全層102とでは、組織の差異はわずかである。
発明者らは、浸炭の程度が異なる試料を用いて超音波の反射信号の測定を行った。測定結果によれば、図5に示すように、浸炭が発生していない試料では試料内面からの反射信号Bのみを受信したが、浸炭の生じた試料では試料内面からの反射信号B以外にも炭素飽和層の境界面からの反射信号Iを受信した。これらの信号を受信することで、炭素飽和層の有無及び炭素飽和層のおおよその厚さを知ることが可能であることが分かった。しかし、炭素層103bと健全層102とでは組織の差異はわずかであるため、微弱な反射信号となった。
そこで、後述する如く微弱な反射信号を大きく受信することにより浸炭の境界面の位置を測定することが可能であることが判明した。ここで、浸炭が進行していない層を健全層102、炭素飽和層103a及び炭素層103bを浸炭層103とし、健全層102を第一層、浸炭層103を第二層として以下説明する。
図1(b)に示すように、境界面検出装置1は、一対の斜角探触子2a,2bが試験体100の健全層102側表面101に相対して載置されている。各斜角探触子2a,2bは共に超音波を送受信可能であり、電気的に並列に接続されている。
図2に示すように、各斜角探触子2a,2bより送信された超音波は試験体100に入射すると共に、斜角探触子2a,2b間を直接伝搬する超音波Na,Nbが生じる。試験体100に入射した超音波は、健全層102と浸炭層103との境界面104及び試験体内面105で反射され、その反射信号は一対の斜角探触子2a,2bでそれぞれ受信される。
斜角探触子2aにおいて受信される境界面104及び試験体内面105の反射信号には、その探触子自身が送信した超音波の反射信号Ia及び相対する他方の斜角探触子2bより送信した超音波の反射信号Ibの2種を含んでいる。そして、一対の斜角探触子2a,2bは電気的に並列に接続されていることから、受信した全ての反射信号を加算することにより、反射信号を約4倍に強調することができる。
また、斜角探触子2a,2b間を直接伝搬する超音波の信号Na,Nbは、相対する斜角探触子に受信される。この信号Na,Nbは反射信号に対してノイズ信号となる。一対の斜角探触子2a,2bは電気的に並列に接続されているが、各斜角探触子2a,2bでそれぞれ受信されるノイズ信号Nは1種のみであるため、加算されるとしても、このノイズ信号Nは約2倍に強調されるに過ぎない。
図1(a)に示す送信探触子111と受信探触子112とを一対とした場合には、受信される信号はいずれも1種ずつであるため、微弱な反射信号はノイズに埋没してしまう。これに対し、同図(b)に示す一対の送受信可能な斜角探触子2a,2bの場合には、受信される信号の内、反射信号Iは4倍となるのに対し、ノイズ信号Nは2倍となるため、相対的にノイズ信号Nの影響を軽減し、反射信号Iを明確に検出することができる。よって、送受信可能な一対の斜角探触子2a,2bを電気的に並列に接続して用いることにより境界面104の位置を正確に測定することが可能となる。
さらに、一対の斜角探触子2a,2bは境界面104からの反射信号をより強く受信可能とするため、超音波の送受信角度を調整することができる。浸炭層103の境界面104が試験体表面101に近い場合には、超音波の送受信角度θを小さくした一対の斜角探触子2a,2bを使用することができる。また、試験体100の肉厚が厚い場合には、試験体底面105及び炭素飽和層103aの境界面からの各反射信号を明瞭に得るために、超音波の送受信角度θを大きくした一対の斜角探触子2a,2bを使用することもできる。さらに、超音波の送受信角度θが大小異なる2組の一対の斜角探触子を組み合わせて同時に使用することで、境界面104の位置並びに炭素飽和層103aと炭素層103bとの境界面及び試験体底面105の位置を表す信号を同時に表示することができる。
また、一対の斜角探触子2a,2bは試験体表面101に沿って走査可能に構成され、受信した反射信号を加算して測定波形を生成し画像処理を行う。走査は、健全層102側表面101上を一対の斜角探触子2a,2bの間隔を維持した状態で、試験体100の軸方向又は周方向に移動させて行う。そして、受信する信号を時間毎に加算していき、測定波形を生成し、図6〜8に示す如く信号強度を色の濃淡で表したB−scan画像として表示する。A−scan画像の場合、境界面104からの微弱な反射信号を認識することは困難であるが、B−scan画像を用いることにより、信号の連続性からノイズレベルの高さの反射信号も認識することが可能となる。
ここで、境界面104から反射信号は微弱な信号であるため、図6に示す試験体100の測定波形Q3のB−scan画像のように、反射信号が明確に検出されない場合もある。これは、斜角探触子2a,2b固有のノイズ信号を含んでいるためである。斜角探触子は、振動子から超音波を発生させ、くさびを介して試験体100に超音波を入射させる。しかし、試験体100に入射せず試験体表面101を反射する超音波も発生し、この反射波がくさび内で発生する斜角探触子2a,2b固有のノイズとなる。このノイズを低減させるために、斜角探触子内には反射波を吸収する吸音材が設けられている。しかし、境界面104から反射信号は微弱な信号であるため、高感度で試験を行う必要があり、吸音材で吸収しきれないノイズが測定の妨げとなる。そのため、斜角探触子2a,2b自身が有するくさび内ノイズを除去して反射信号を明瞭に認識できるよう画像処理を行う。
ここで、図6〜8を参照しながら画像処理について説明する。なお、各図中のB−scan画像の縦軸は試験体深さ、横軸は走査距離を表し、A−scan画像の縦軸は走査時間、横軸が信号強度を表す。
図6において、符号Q1はくさび内ノイズ、Q2は健全層のみからなる健全試験体、Q3は浸炭層を有する試験体の各測定波形のB−scan画像を示す。くさび内ノイズの測定波形Q1は、斜角探触子2a,2bを試験体100に接触させないで、所定時間内において超音波を送信させて得たものである。また、図6〜10において、符号P1はくさび内ノイズの波形例、符号P2は基準波形の波形例、符号P3は試験体100の波形例、符号P4,5は画像処理後の測定波形例を示す各A−scan画像である。
図6,7に示すくさび内ノイズの測定波形Q1は、試験体100から得られる測定波形Q3に含まれている。よって、このノイズの測定波形Q1を試験体100の測定波形Q3から減ずることにより、図8に示すように、くさび内ノイズの測定波形Q1が除去され、明瞭に反射信号を認識できる測定波形Q4のB−scan画像を得ることができる。P3及びP4に示す波形例からも明瞭に反射信号が得られていることが分かる。
次に、境界面検出装置を用いた浸炭層の厚さ測定方法について説明する。
まず、あらかじめ、使用する一対の斜角探触子を電気的に並列に接続し、くさび内ノイズを所定時間において測定し、測定波形Q1を生成して記録する。次に、この一対の斜角探触子2a,2bを健全層102側表面101に相対して載置する。そして、一対の斜角探触子2a,2bの間隔を維持した状態で、一対の斜角探触子2a,2bを試験体表面101上を試験体100の軸方向に沿って所定距離走査させる。受信した信号を時間毎に加算し、図7に示す測定波形Q3を生成する。
この測定波形Q3からあらかじめ測定し記録されているくさび内ノイズの測定波形Q1を減じて画像処理を行う。画像処理された測定波形Q4は、図8に示すように、信号強度を色の濃淡で表したB−scan画像として表示される。この画像により、境界面104からの反射信号及び試験体内面105からの反射信号を明瞭に得ることができ、その反射信号から浸炭層の厚さ及び浸炭率を測定する。
なお、本実施形態において、一対の斜角探触子2a,2bを試験体100の軸方向に沿って走査したが、試験体100の周方向においても同様に走査し、浸炭層の厚さ及び浸炭率を測定することができる。
次に、図9,10を参照しながら本発明の第二実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
本実施形態においては、画像処理に用いる波形が異なる。上記実施形態では斜角探触子のくさび内ノイズの測定波形Q1を用いたが、本実施形態においては健全部のみからなる基準試験体の測定波形Q2を基準波形として、試験体100の測定波形から基準波形Q2を減ずる。
健全層のみからなる試験体を基準試験体とし、この基準試験体に対して上記実施形態と同様に一対の斜角探触子を基準試験体表面に沿って走査させ、図9に示す測定波形Q2を生成し基準波形として、試験体の測定波形Q3から基準波形Q2を減じて画像処理を行う。図10に示すように、画像処理された測定波形Q5は、信号強度を色の濃淡で表したB−scan画像として表示される。P3及びP5に示す波形例からも明瞭に反射信号が得られていることが分かる。
この基準波形Q2には、斜角探触子のくさび内ノイズの測定波形Q1も含まれ、さらに、健全層が有する信号も含まれている。よって、基準波形Q2を用いることにより、より多くのノイズを除去することができ、明瞭に反射信号を認識できる画像を得ることができ、反射信号から浸炭層の厚さ及び浸炭率を測定することができる。なお、試験体の測定波形Q3を基準波形Q2を除算することによっても明瞭に反射信号を認識できる画像を得ることができる。
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について言及する。
上記各実施形態において、受信される前記境界面からの反射信号が大きくなるように超音波を送受信する角度を調整可能であるが、境界面からの反射信号が大きくなるように送受信できればよい。また、一対の斜角探触子において、互いに送受信する角度を調整してもよく、例えば、浸炭層が試験体表面まで進行しているような場合には、一対の斜角探触子において、異なる送受信角度を設定しても構わない。
また、上記各実施形態において、一対の斜角探触子を用いて走査した。しかし、一対に限られず、複数対となる斜角探触子を設けても構わない。複数設ける場合には、各組における一対の斜角探触子を電気的に並列に接続してもよく、全ての斜角探触子を電気的に並列に接続してもよい。係る場合、さらに相対的にノイズを軽減させて反射信号をより明確に検出することができる。
上記各実施形態において、炉内配管の浸炭層の境界面検出について説明した。しかし、試験体の形状、材質等は特に限定されるものではない。また、第二層を浸炭層としたが、浸炭層に限られず、例えば窒化、焼入れ層、炭化等の材質変化層と健全層との境界面の検出にも用いることができる。また、上記各実施形態において、一対の斜角探触子を健全層側の試験体表面に載置したが、浸炭層側の試験体表面に載置しても構わない。
本発明は、石油化学プラント等に利用される炉内配管の浸炭層の検出及び測定方法として利用することができる。しかし、これに限られず、性質の異なる第一層と第二層との境界面からの微細な反射信号を増幅することにより検出を容易と試験体に対し有効に適用することができる。また、鋳造品やオーステナイト系ステンレス鋼溶接部のように結晶粒が粗くノイズの多い試験体の欠陥検出にも適用することができる。さらに、試験体の材質変化等の劣化状況を検出する場合にも適用可能である。
斜角探触子の配置図であり、(a)は従来の斜角探触子の配置、(b)は本発明に係る斜角探触子の配置である。 超音波の伝搬経路を示す図である。 試験体の断面図である。 試験体の断面の顕微鏡写真を示す図であり、(a)は試験体外面近傍、(b)は健全層と浸炭層との境界面近傍、(c)は炭素層、(d)は試験体内面近傍を示す。 浸炭の有無と程度を示すグラフであり、(a)は各試料のB−scan画像、(b)は50%浸炭が進行している試料のA−scan画像である。 測定波形を示すグラフである。 画像処理範囲を示すグラフである。 画像処理後の測定波形を示すグラフである。 他の実施形態における図6相当図である。 他の実施形態における図7相当図である。
符号の説明
1:境界面検出装置、2a,2b:斜角探触子、100:試験体、101:表面、102:第一層(健全層)、103:第二層(浸炭層、材質変化層)、103a:炭素飽和層、103b:炭素層、104:境界面、105:内面(底面)、111:送信探触子、112:受信探触子、I,Ia,Ib:境界面反射波、B:内面(底面)反射波、N:表面波(ノイズ)、P1:くさび内波形例、P2:健全試験体波形例、P3:浸炭試験体波形例、P4,P5:測定波形例、Q1:くさび内画像、Q2:健全試験体画像、Q3:浸炭試験体画像、Q4,Q5:測定波形画像、θ:送受信角度

Claims (8)

  1. 試験体における性質の異なる第一層と第二層との境界面の位置を検出する境界面位置検出方法であって、
    超音波を送受信可能な一対の斜角探触子を電気的に並列に接続すると共に、前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に間隔をおいて相対させて載置し、
    前記一対の斜角探触子から超音波をそれぞれ送信することで、
    斜角探触子は、この斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第一の反射信号及び他方の斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第二の反射信号並びに前記他方の斜角探触子から前記斜角探触子に前記試験体の表面に沿って伝搬される超音波によるノイズ信号を受信し、
    前記一対の斜角探触子にて受信した前記第一反射信号及び第二反射信号並びに前記ノイズ信号のそれぞれが加算されることにより前記境界面からの反射信号及び前記ノイズ信号を強調させた測定波形を生成すると共に、
    前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に沿わせて走査することにより境界面位置を検出する境界面位置検出方法。
  2. 前記測定波形に対し画像処理が行われると共にB−scan画像として表示される請求項1記載の境界面位置検出方法。
  3. 各斜角探触子固有の測定波形を試験体の測定波形から減ずることにより前記画像処理を行う請求項2記載の境界面位置検出方法。
  4. 前記第一層又は前記第二層のいずれかのみからなる試験体における測定波形である基準波形をあらかじめ求め、前記測定波形から前記基準波形を減ずることにより前記画像処理を行う請求項2記載の境界面位置検出方法。
  5. 前記一対の斜角探触子は、受信される前記境界面からの反射信号が大きくなるように超音波を送受信する角度を調整可能である請求項1〜4のいずれかに記載の境界面位置検出方法。
  6. 前記一対の斜角探触子が複数組設けられ、少なくとも各組における一対の斜角探触子が電気的に並列に接続されている請求項1〜5のいずれかに記載の境界面位置検出方法。
  7. 試験体が金属性材料であり、前記第一層、第二層がそれぞれ健全層、材質変化層であり、健全層側に前記探触子を載置する請求項1〜6のいずれかに記載の境界面位置検出方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の境界面位置検出方法に用いる境界面位置検出装置であって、
    超音波を送受信可能な一対の斜角探触子を電気的に並列に接続すると共に、
    前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に間隔をおいて相対させて載置し、
    前記一対の斜角探触子から超音波をそれぞれ送信することで、
    斜角探触子は、この斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第一の反射信号及び他方の斜角探触子から送信された超音波が前記境界面で反射した第二の反射信号並びに前記他方の斜角探触子から前記斜角探触子に前記試験体の表面に沿って伝搬される超音波によるノイズ信号を受信し、
    前記一対の斜角探触子にて受信した前記第一反射信号及び第二反射信号並びに前記ノイズ信号のそれぞれが加算されることにより前記境界面からの反射信号及び前記ノイズ信号を強調させた測定波形を生成すると共に、
    前記一対の斜角探触子を前記試験体の表面に沿わせて走査することにより境界面位置を検出する境界面位置検出装置。
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