JP5132829B1 - 硬質地盤掘削工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】岩盤または転石からなる硬質地盤に杭穴を掘削するとき、その掘削作業期間を短縮化することのできる硬質地盤掘削工法を提供することにある。
【解決手段】回転するケーシング1により岩盤又は転石などからなる硬質地盤aを掘り下げると共にこれと並行して、回転するケーシング1の内部にダウンザホールハンマー装置2が上下方向移動自在に且つ回転が相対的に拘束された状態で設置され、ケーシング1と一体となってケーシング1の回転中心を回転するダウンザホールハンマー装置2によってケーシング1の内部の硬質地盤aに砕岩棒6の落下によるひび割れ誘起用の小穴bをあけ、砕岩棒6の落下によってケーシング1の内部の硬質地盤aをハンマーグラブ5で掴める大きさに砕く。
【選択図】 図1

Description

この発明は、地中に岩盤または転石からなる硬質地盤層がある場合に、その部分まで杭穴を掘る必要があるときに用いられる硬質地盤掘削工法に係り、特に、掘削作業期間を短縮化できる硬質地盤掘削工法に関するものである。
岩盤または転石からなる硬質地盤に杭を打ち込む場合、杭を打ち込むための杭穴を事前にあけることになるが、深い場合には50m以上の深さとなる。この場合の工法としては、先ず、ダウンザホールハンマー装置を使って例えば直径50cmの小さな穴をあける。このダウンザホールハンマー装置による小穴は、その後に砕岩棒を落下させて硬い岩盤を容易に砕けるようにするためである。
穴の深さが例えば50mの場合、ダウンザホールハンマー装置も50m掘る。これを使って掘削する場合、数10cm掘っては圧縮エアーを送り込んでそのエアーの圧力で、岩石を地上に吐き出している。このようにしながら、所定の深さまで掘った後、ダウンザホールハンマー装置を引き抜く。
次に、例えば直径が100cmの大きさのケーシングで、ダウンザホールハンマー装置で掘っていた小さな穴の周囲を掘削する。この場合、穴の上部側は、一般に土砂部分で硬くないので、ケーシングで数メートル掘っては、ハンマーグラブでその都度、内部の掘削土砂をつかんで、地上に排出している。
このようにして、穴の下部近くまで掘削を続けるが、下部付近は岩盤になっていて、ハンマーグラブで、つかみ取ることができない。そこで、砕岩棒をケーシングの内部に落下させて岩盤を砕いて小さな岩石にし、ハンマーグラブでつかみ取ることができるようにしている。
このとき、ケーシング内部の穴中央には、前述したように、ダウンザホールハンマー装置による先行の小穴が掘られているので、落下させる砕岩棒で岩盤を容易に砕くことができる。穴中央に、先行して小穴があけられていないときには、砕岩棒を落としても、なかなか硬い岩盤を砕くことができない。しかし中央に小穴が形成されている場合には、硬い岩盤は、それを起点として、ひび割れを起こして砕かれる。
つまり、砕岩棒を落としたとき、岩盤にひび割れを生じさせるためには、落下した砕岩棒の先端部分の硬い地盤の周囲には横向きの力を発生させることが必要となるが、小穴が形成されていないときには、横向きの力は互いに打ち消しあって、岩盤にひび割れを生じない。これに対して、小穴が形成されていると、小穴の空洞部分に横向きの力が伝わって放出されることよって横向きの力が互いに打ち消し合わず、落下した砕岩棒の先端部分の周囲に亀裂が生じて、硬い岩盤にひび割れを容易に起こすことができるのである。
削岩棒を使って、硬い岩盤を砕いた後、ケーシング内部の砕かれた岩石をハンマーグラブでつかみ取り、地上に排出している。このようにして、硬質地盤層に杭用の深い穴を構築している。
しかしながら、前記した従来の工法では、既に触れたように、先ず、中央にダウンザホールハンマー装置で小穴をあける工程があり、次に、ダウンザホールハンマー装置を引き抜いて、その小穴の外周をケーシングを使って本来の穴をあける作業工程がある。このように、ダウンザホールハンマー装置による工程と、ケーシングによる工程との2つ工程を別々に行うことが必要であり、その分、掘削作業期間が長くなるという不都合があった。
ところで、この場合において、単純な発想として、ケーシングと外径が同じ大きさのダウンザホールハンマー装置を使用して硬質地盤を掘削することも考えられるが、ダウンザホールハンマー装置の先端に取り付けられる掘削ビットは、直径が50cmのもので数百万円もするように非常に高価で、直径が100cmにもなれば数千万円にもなり、しかも、掘削ビットは掘削中に破損し易い消耗品であり、交換の頻度も高い。
また、掘削ビットは高圧エアーによって、1分間に1500回も上下振動して硬質地盤を激しく打撃しながら掘削する。高圧エアーはコンプレッサーで造り出されるが、直径が100cmの掘削ビットともなれば、高圧エアーも桁違いに大きくなる。そして桁違いに大きな高圧エアーを造り出すためにはコンプレッサーも超大型のものを何台も必要とする。掘削ビット及びコンプレッサーの費用を考えると、億単位のコストとなって特殊な工事を除いて、経済的でないのが実情である。
さらに、掘削ビットは前記したように、1分間に1500回も上下振動して硬質地盤を激しく打撃して騒音も大きい。このような中で、直径が倍もある巨大な掘削ビットの使用となれば、単純に考えても、その騒音は4倍にもなり、また、巨大な掘削ビットが上下に激しく振動するともなれば、その周囲に与える振動の影響も尋常ではない。
さらにまた、杭穴を掘った後は、杭穴に鉄筋やコンクリートを流し込むことになる。この場合には事前にダウンザホールハンマー装置を引き抜くことが必要であるが、引き抜いている最中に杭穴の内側面が崩れる。しかも、ダウンザホールハンマー装置の先端の掘削ビットの直径はそれ以外の部分のロッドの直径よりも大きいため、円筒形のロッドを杭穴に残したままで掘削ビットを引き抜くことはできない。つまり杭穴にコンクリートを流し込むときに杭穴の崩壊を防ぐケーシングが必要となる。
このような、経済的な理由、工事に伴う激しい騒音や振動、そして、杭穴の崩壊などの技術的なこともあって、大型のダウンザホールハンマー装置のみによる硬質地盤での杭穴の掘削は不可能であった。
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、岩盤または転石からなる硬質地盤に杭穴を掘削するとき、その掘削作業期間を短縮化することのできる硬質地盤掘削工法を提供することにある。
以上の課題を達成するために、請求項1の発明は、回転するケーシングにより岩盤又は転石などからなる硬質地盤を掘り下げると共にこれと並行して、回転するケーシングの内部にダウンザホールハンマー装置が上下方向移動自在に且つ回転が相対的に拘束された状態で設置され、ケーシングと一体となってケーシングの回転中心を回転するダウンザホールハンマー装置によってケーシングの内部の硬質地盤に砕岩棒の落下によるひび割れ誘起用の小穴をあけ、砕岩棒の落下によってケーシングの内部の硬質地盤をハンマーグラブで掴める大きさに砕く手段よりなるものである。
また、請求項2の発明は、回転するケーシングにより岩盤又は転石などからなる硬質地盤を掘り下げると共にこれと並行して、回転するケーシングの内部に上下方向移動自在に設置され且つ回転するケーシングと一体となってケーシングの回転中心の周りを公転するダウンザホールハンマー装置によってケーシングの内部の硬質地盤をハンマーグラブで掴める大きさに砕く硬質地盤掘削工法において、上記ダウンザホールハンマー装置の上部側は、ケーシング上部に上部係合部材により上下方向移動自在且つ回転が相対的に拘束され、ダウンザホールハンマー装置の下部側はケーシングの内部に下部係合部材により上下方向移動自在且つ回転が相対的に拘束されて、ダウンザホールハンマー装置は回転するケーシングと一体となってケーシングの回転中心の周りを公転して硬質地盤をハンマーグラブで掴める大きさに砕く手段よりなるものである。
課題を解決するための手段よりなる請求項1の発明に係る硬質地盤掘削工法によれば、ケーシングによる硬質地盤の掘削作業とダウンザホールハンマー装置によるケーシング内部の硬質地盤の小穴の掘削作業とを同時に行うことができるので、これまで、別々におこなわれていた2つ工程を1つ工程に短縮できるので、工事期間を大幅に短縮化することができ、また、工期の短縮に起因してコストもその分、安価にすることができる。しかも、ダウンザホールハンマー装置はケーシングの回転中心部に係合されて保持されるために、杭孔が深くなってもダウンザホールハンマー装置の先端が少しずつ傾いて掘削ビットがケーシングの内周側面に接触して、高価な掘削ビットが傷ついて別のものと交換しなければならないという事態を招くこともない。
また、請求項2の発明に係る硬質地盤掘削工法によれば、ケーシングによる硬質地盤の掘削作業と並行してダウンザホールハンマー装置によるケーシング内部の硬質地盤を砕く作業とを同時に行うことができるので、これまで別々に行われていたダウンザホールハンマー装置による小穴の掘削作業と、砕岩棒による硬質地盤を砕く作業とを省略できるので、工事期間を大幅に短縮化することができ、また、工期の短縮に起因してコストもその分、安価にすることができる。しかも、ダウンザホールハンマー装置はその上部側及び下部側がケーシングに係合されて保持されるために、杭孔が深くなってもダウンザホールハンマー装置の先端が少しずつ傾いて掘削ビットがケーシングの内周側面に接触して、高価な掘削ビットが傷ついて別のものと交換しなければならないという事態を招くこともない。
(A)はこの発明を実施するための形態−1を示す全体施工図、(B)は同図(A)のB−B矢視図である。 この発明を実施するための形態−1を示す別の構造の一部切り欠き概略側面図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−1を示す別の構造の上部係合部材の正面図、(B)は同図(A)の平面図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−1における砕岩棒の落下による硬質地盤を砕く状況を示す説明図、(B)はこの発明を実施するための形態−1におけるハンマーグラブによる岩石を掴み取り時の説明図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−2を示す全体施工図、(B)は同図(A)のB−B矢視図、(C)は同図(A)のC−C矢視図である。 この発明を実施するための形態−2を示す別の構造の一部切り欠き概略側面図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−2を示す別の構造の上部係合部材の正面図、(B)は同図(A)の平面図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−2を示す別の構造の下部係合部材の正面図、(B)は同図(A)の平面図、(C)は同図(A)の側面図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−2におけるダウンザホールハンマー装置による硬質地盤を砕く状況を示す説明図、(B)はこの発明を実施するための形態−2におけるハンマーグラブによる岩石を掴み取り時の説明図である。
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
〔実施の形態−1〕
実施の形態−1における硬質地盤掘削工法においては、ケーシング1の回転中心にダウンザホールハンマー装置2が挿通され、回転するケーシング1の内部に上下方向移動自在に且つ回転が相対的に拘束された状態でダウンザホールハンマー装置2は設置され、ケーシング1と一体となってケーシング1の回転中心を回転しながら、ケーシング1の回転中心部の硬質地盤aにダウンザホールハンマー装置2は小穴bをあけ、ケーシング1は小穴bの周囲に円周状に硬質地盤aを切り欠いて、それぞれ硬質地盤aを掘削して杭穴cを構築する。
この硬質地盤掘削工法では、ケーシング1、ダウンザホールハンマー装置2、チュービング装置3、クレーン4、ハンマーグラブ5、砕岩棒6などの機器が使用される。また、このケーシング1とダウンザホールハンマー装置2とを係合する上部係合部材7がケーシング1の上部に取り付けられる。
ケーシング1は上下両端が開口され内部が空洞の円筒形の形状を有し、下端には掘削刃1aが設けられている。ケーシング1の外径は例えば1m〜2m前後である。一つのケーシング1の長さは数メートルである。ケーシング1の下端の掘削刃1aは、掘られる杭穴cの外径と同じ外径のもので、ケーシング1は掘られる杭穴cの外径より2cm小さくなっていて、ケーシング1が下向きに掘り進む際に掘削抵抗にならないようになっている。ケーシング1は下端の掘削刃1aの回転により、地盤を円周状に下向きに掘削しながら掘り進む。
ケーシング1はチュービング装置3によって下向きに回転させられる。下向きに掘り進むケーシング1は、杭穴cが深くなるにつれて、その都度、継ぎ足される。杭穴cを掘った後、鉄筋やコンクリートが流し込まれるまでの間、ケーシング1は杭穴cの崩壊を防ぐ。ケーシング1はコンクリートを流し込みながら引き上げられる。
ダウンザホールハンマー装置2は、ケーシング1の内部の中心部の硬質地盤aに、小穴bを掘削する。ダウンザホールハンマー装置2の下端となる先端には、例えば外径が50cmの掘削ビット2aが取り付けられている。この掘削ビット2aが例えば1分間に1500回も上下振動して硬質地盤aを激しく打撃することによって、硬質地盤aに小穴bをあけて下向きに掘削しながら掘り進む。掘削ビット2aは高圧エアーで上下に振動する。
ダウンザホールハンマー装置2は先端を除く部分は、中空の円筒形のロッド2bからなっている。一つのロッド2bの長さは数メートルである。ロッド2bの外径は掘削ビット2aの外径よりも少し径が小さくなっていて、ダウンザホールハンマー装置2が下向きに掘り進む際に、ロッド2bの外周側面が小穴bの内周側面に接触しないに構造になっていて、掘削抵抗にならないようになっている。下向きに掘り進むダウンザホールハンマー装置2は、小穴bが深くなるにつれて、その都度、ロッド2bが継ぎ足される。
ロッド2bの外周側面にはその長さ方向に突起2cが形成されている。突起2cは90度の等間隔で、或いは180度の等間隔でその円周方向に形成されている。突起2cはダウンザホールハンマー装置2が上下に振動する際にガイドとして機能する。この突起2cは上部係合部材7に形成された係合孔7aの凹部7bと凹凸係合して、上下方向には移動自在であるが、回転方向には相対的に拘束されて、回転するケーシング1と一体となってダウンザホールハンマー装置2を回転させる機能を果たす。
ダウンザホールハンマー装置2の上端には吊具2dが取り付けられていて、この吊具2dにクレーン4のフック4aが掛けられて吊られる。ロッド2bの内部には掘削ビット2aを高圧エアーで振動させるためのエアーホース2eが配送されている。エアーホース2eの他端側はロッド2bの上端から吊具2dを経て機外に延びて、図示しないエアーコンプレッサーに連結される。
チュービング装置3は、ケーシング1の外周側面を回転駆動させるものである。チュービング装置3は、杭穴掘削地点に設置され、動いたりしないように、アンカー3aなどによってしっかりと地盤に固定される。チュービング装置3の中央にはケーシング1の外周側面を回転駆動させる駆動孔3bが設けられている。チュービング装置3には例えば図1や図2に図示される種々の構造がある。チュービング装置3に回転駆動されて、ケーシング1は下向きに掘削しながら掘り進むことができる。
ハンマーグラブ5はクレーン4で吊られ、ケーシング1の内部に挿入され、ケーシング1内の掘削された土砂や砕岩棒6で砕かれた硬質地盤aの岩石を掴んで、ケーシング1の上方に引き上げられ、ケーシング1の上方から外部に排出する。
砕岩棒6は、砕岩棒6のワイヤー6aがクレーン4で吊られてケーシング1の内部に入れられ、ケーシング1の内部のダウンザホールハンマー装置2で小穴bがあけられた硬質地盤aの表面に何度も自然落下させられて、硬質地盤aの表面を砕くものである。
上部係合部材7は、ケーシング1の上部に取り付けられる。上部係合部材7は例えば図1や図2、図3に図示される種々の構造が考えられる。何れの構造でも、上部係合部材7はケーシング1の上部に固定される。上部係合部材7の中心部にはダウンザホールハンマー装置2が挿通する円形の係合孔7aが形成されている。上部係合部材7の中心部はケーシング1の回転中心部と一致する。円形の係合孔7aの円周縁には、90度の等間隔で或いは180度の等間隔で凹部7bが形成されている。この凹部7bにはダウンザホールハンマー装置2の外周側面に形成された突起2cが凹凸係合する。
凹部7bはダウンザホールハンマー装置2の外周側面に形成された突起2cより少し大きく、ダウンザホールハンマー装置2が上下に移動する場合にはその移動の妨げとならず、ダウンザホールハンマー装置2は上下方向に移動自在になっている。
その一方で、ダウンザホールハンマー装置2の回転方向に対しては、凹部7bと突起2cとが係合して回転が相対的に拘束される。ダウンザホールハンマー装置2は自由に回転することができない。つまり、ケーシング1が回転すると、上部係合部材7の凹部7bとダウンザホールハンマー装置2の突起2cとが凹凸係合して、回転するケーシング1によってダウンザホールハンマー装置2も一体となって同一の角速度で、ケーシング1の回転中心を回転する。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく硬質地盤掘削工法について以下説明する。
杭穴掘削地点に、ケーシング1を回転させながら地盤の下側に向けて移動させるチュービング装置3を設置する。設置されたチュービング装置3は動いたりしないように、アンカー3aなどによってしっかりと地盤に固定される。
チュービング装置3の中央にはケーシング1を駆動させる駆動孔3bが設けられているので、ケーシング1をクレーン4で吊って、チュービング装置3の中央の駆動孔3bに上から入れる。掘削刃1aが下端に設けられたケーシング1をチュービング装置3の駆動孔3bに挿通させ、ケーシング1の中間部分の外周側面をこのチュービング装置3で回転可能に保持する。
チュービング装置3を駆動させて、その中央の駆動孔3bに挿通されたケーシング1を回転させながら下向きに掘削させる。ケーシング1の下端の掘削刃1aは、回転するケーシング1によって、地盤を円周状に下向きに掘削しながら掘り進む。
掘削当初の地盤表面付近は、硬質地盤aではなく土砂などで構成されているため、ハンマーグラブ5で容易に掴むことができる。このため、ケーシング1の下端の掘削刃1aによって下向きに円周状に掘り進められたその内部の土砂は、クレーン4で吊られるハンマーグラブ5をケーシング1の内部に垂下し、ハンマーグラブ5を使って掴まれて地上に排出される。
この作業は、ケーシング1による所定の深さ下向きに円周状に掘り進む作業と、所定深さ掘削すると掘削作業を中断し、ケーシング1によって円周状に掘削された内部の土砂をクレーン4で吊られたハンマーグラブ5を使って地上に排出する作業とが交互に繰り返し行われながら、掘削作業が進められる。下向きに掘り進むケーシング1は、深くなるにつれて、その都度、上方から継ぎ足される。継ぎ足されたケーシング1は下向きに延びることになる。
下向きに掘り進むうちに岩盤又は転石などからなる硬質地盤aにぶち当たると、ケーシング1の下端の掘削刃1aは硬質地盤aを円周状に切ることはできるが、円周状に切られたその内部の硬質地盤aをハンマーグラブ5で掴み取ることができない。ハンマーグラブ5で掴み取れるように、円周状に切られたその内部の硬質地盤aを砕くことが求められる。
ケーシング1内の硬質地盤aを砕く作業は、砕岩棒6を何度も繰り返し自然落下させることにより行われるが、前述したように、砕岩棒6を落下したとき、硬質地盤aにひび割れを生じさせるためには、ケーシング1内の硬質地盤aにひび割れ誘起用の小穴bを穿設させておくことが必要となる。この小穴bはダウンザホールハンマー装置2を使って掘られる。
ダウンザホールハンマー装置2をクレーン4で吊り、予め上部係合部材7が上部に取り付けられたケーシング1の内部に入れる。上部係合部材7の中心部分に係合孔7aが形成されていて、この係合孔7aにダウンザホールハンマー装置2を挿入することで、ダウンザホールハンマー装置2はケーシング1の回転中心部に入れられる。
掘削先端が硬質地盤aの表面に当接するダウンザホールハンマー装置2のロッド2bの上部側はケーシング1の上端より上方に突出している。この上方に突出しているロッド2bの外周側面に上部係合部材7の係合孔7aが係合する。つまり、上部係合部材7によって、ダウンザホールハンマー装置2の上部側は上下方向には移動自在で且つ回転が相対的に拘束された状態でケーシング1の上部に係合される。
ケーシング1の内部にダウンザホールハンマー装置2を挿入し、その上部側をケーシング1の上部の上部係合部材7に係合して取り付けた後、チュービング装置3を再駆動させる。ケーシング1はチュービング装置3の駆動により、例えば1分間に1〜2回転のゆっくりした速度で回転しながら、その下端の掘削刃1aで硬質地盤aを円周状に切る。
上部側がケーシング1の上部に係合されたダウンザホールハンマー装置2は、ケーシング1と一体となって同じ角速度で回転しながら、その先端部分の掘削ビット2aは上下に激しく振動して硬質地盤aを打撃して砕く。掘削ビット2aは1分間に1500回程、上下に激しく振動する。砕かれた岩石は掘削ビット2aを上下に振動させる高圧エアーを利用してケーシング1の内部の掘削開始表面まで運ばれる。
ダウンザホールハンマー装置2は、先端の掘削ビット2aの直径がそれ以外のロッド2bの直径より少し大きくなっている。先端以外のロッド2bの直径が先端の掘削ビット2aの直径より小さいのは、下方に向けて掘り進むロッド2bの外周側面に掘削された硬質地盤aの内周側面からの接触抵抗を小さくするためである。このため、ロッド2bの外周側面と掘削された硬質地盤aの内周側面との間には隙間があり、この隙間を利用して、砕かれた岩石は高圧エアーによって吹き上げられて、掘削開始表面まで運ばれるのである。
そして、ケーシング1及びダウンザホールハンマー装置2により、硬質地盤aを一定の深さ掘り下げると、ダウンザホールハンマー装置2をケーシング1内から引き抜いて、代わりにクレーン4で吊られた砕岩棒6をケーシング1内に入れて、中央に小穴bがあけられた硬質地盤aの表面から一定の高さでワイヤー6aに繋がれた砕岩棒6を硬質地盤aの表面に向けて自然落下させる。ワイヤー6aを引き上げて砕岩棒6を一定の高さまで引き上げて再び硬質地盤aの表面に向けて自然落下させる。この作業を何度も繰り返して、中央に小穴bがあけられた硬質地盤aを砕く。
硬質地盤aが砕かれてハンマーグラブ5で掴み取れる大きさの岩石になると、砕岩棒6をケーシング1内から引き抜いて、代わりにクレーン4で吊られるハンマーグラブ5をケーシング1の内部に入れて、砕かれた岩石はハンマーグラブ5によって掴まれて地上に排出される。
この作業は、ケーシング1とダウンザホールハンマー装置2による所定の深さ下向きに掘り進む作業、及びそれに続く砕岩棒6を使っての硬質地盤aを砕く作業と、ケーシング1内部の砕岩棒6によって砕かれた岩石をクレーン4で吊られたハンマーグラブ5を使って地上に排出する作業とが交互に繰り返し行われながら、掘削作業が進められる。下向きに掘り進むケーシング1及びダウンザホールハンマー装置2のロッド2bは、深くなるにつれて、その都度、上方から継ぎ足される。継ぎ足されたケーシング1及びダウンザホールハンマー装置2は下向きに延びることになる。
この場合において、硬質地盤aが岩盤からなるときには、ダウンザホールハンマー装置2をケーシング1に先行させて硬質地盤aの岩盤を掘り下げる。つまり、ダウンザホールハンマー装置2を先に駆動させて、その先端の掘削ビット2aで少し穴を掘り、遅れてケーシング1を駆動させるのである。その結果、掘削ビット2aの先端がケーシング1の下端の掘削刃1aの先端よりも常に深い位置にあり、この上下差を維持した状態で、掘削が行われるのである。
ケーシング1の掘削に先行して、ケーシング1で掘削される硬質地盤aの岩盤の中央に小穴bが既に掘られている場合には、小穴bの周囲の岩盤を円周状に切るときの抵抗が小さくなるためである。ケーシング1で硬質地盤aの岩盤を円周状に切るとき、ケーシング1の内部側の抵抗が空洞になっている中央に集まって放出されるためである。中央が空洞になっていない場合には内部側の抵抗は放出されないため、ケーシング1で硬質地盤aの岩盤を掘削するときの抵抗が大きく、掘削刃1aの磨耗も激しいものとなるからである。
また、硬質地盤aが転石からなる場合には、ケーシング1をダウンザホールハンマー装置2に先行させて硬質地盤aの転石を掘り下げる。つまり、ケーシング1を先に駆動させて、その下端の掘削刃1aで先に硬質地盤aの転石を円周状に切り、遅れてダウンザホールハンマー装置2を駆動させるのである。その結果、ケーシング1の下端の掘削刃1aの先端が掘削ビット2aの先端よりも常に深い位置にあり、この上下差を維持した状態で、掘削が行われるのである。
ダウンザホールハンマー装置2の掘削に先行して、ケーシング1で掘られている場合には、ダウンザホールハンマー装置2の先端の掘削ビット2aが傾いて掘削するのが防がれるのである。転石はハンマーグラブ5では掴みきれない大きさの岩石の塊で、これが地中に積層状態になっている。一つの大きな塊の岩盤に比べて、上下の転石はその境界部分で表面の硬度や傾きなどに微妙に相違があり、その境界部分で掘削条件が変わって少し不安定になる。少しの不安定で掘削ビット2aが傾いて掘削したり又破損し易くなるが、掘削しようとする転石の周囲が先行するケーシング1で囲まれているので、転石が平面方向にずれたり傾いたりするのが防がれて安定するからである。
また、転石はハンマーグラブ5では掴みきれない大きさの岩石ばかりでなく、ハンマーグラブ5で掴みきれる大きさの岩石と積層状態になっていることもある。又ダウンザホールハンマー装置2で砕いた転石の周囲の他の転石が内側に崩壊してしまい、同じ深さの位置を掘削し直さなければならない後戻りの作業となったり、杭穴内周側面を緩めたりするが、砕こうとする転石の周囲がケーシング1で囲まれているので、杭穴内周側面が崩壊するのが防がれて安定するからである。
以上の作業を繰り返しながら、岩盤又は転石などからなる硬質地盤aに深い杭穴c、深い場合には50mにも達する杭穴cを掘削することになるが、ケーシング1による掘削作業とダウンザホールハンマー装置2による掘削作業が同時に行われるので、作業期間を大幅に短縮することが可能となり、工期の短縮に起因してコストもその分、安価にすることができる。
所定の深さの杭穴cがあけられると、杭穴cの内周側面はケーシング1の外周側面によって保持されてその崩壊が防がれる。それからケーシング1の内部に杭を補強する鉄筋が挿入され、コンクリートが流し込まれる。そして、コンクリートを流し込みながら、杭穴cの内周側面が崩壊しないように注意してケーシング1をチュービング装置3で引き上げる。このようにして、杭穴cに鉄筋及びコンクリートが打設されて、支持杭や基礎杭が構築される。
〔実施の形態−2〕
実施の形態−2における硬質地盤掘削工法においては、ケーシング11の回転中心から偏心した位置にダウンザホールハンマー装置12が挿通され、回転するケーシング11の内部に上下方向移動自在に且つ回転が相対的に拘束された状態でダウンザホールハンマー装置12は設置され、ケーシング11と一体となってケーシング11の回転中心の周りを公転しながら、ダウンザホールハンマー装置12はケーシング11の内部の硬質地盤aを砕き、ケーシング11は円周状に硬質地盤aを切り欠いて、それぞれ硬質地盤aを掘削する。
この硬質地盤掘削工法では、ケーシング11、ダウンザホールハンマー装置12、チュービング装置13、クレーン14、ハンマーグラブ15などの機器が使用されるが、この実施の形態−2の工法では前記の実施の形態−1の工法と異なり、砕岩棒6は使用されない。また、このケーシング11とダウンザホールハンマー装置12とを、ケーシング11の回転中心から偏心した位置で係合する上部係合部材17がケーシング11の上部に、又下部係合部材18がケーシング11の内部にそれぞれ取り付けられる。
ケーシング11は上下両端が開口され内部が空洞の円筒形の形状を有し、下端には掘削刃11aが設けられている。ケーシング11の外径は例えば1m〜2m前後である。一つのケーシング11の長さは数メートルである。ケーシング11の下端の掘削刃11aは、掘られる杭穴cの外径と同じ外径のもので、ケーシング11は掘られる杭穴cの外径より2cm小さくなっていて、ケーシング11が下向きに掘り進む際に掘削抵抗にならないようになっている。ケーシング11は下端の掘削刃11aの回転により、地盤を円周状に下向きに掘削しながら掘り進む。
ケーシング11はチュービング装置13によって下向きに回転させられる。下向きに掘り進むケーシング11は、杭穴cが深くなるにつれて、その都度、継ぎ足される。杭穴cを掘った後、鉄筋やコンクリートが流し込まれるまでの間、ケーシング11は杭穴cの崩壊を防ぐ。ケーシング11はコンクリートを流し込みながら引き上げられる。
ダウンザホールハンマー装置12は、ケーシング11の内部の硬質地盤aに、小穴bを掘削するのが本来の機能であるが、この実施の形態−2における工法ではケーシング11の回転中心の周りを公転してケーシング11内の硬質地盤aの表面を砕く機能を果たす。ダウンザホールハンマー装置12の下端となる先端には、例えば外径が50cmの掘削ビット12aが取り付けられている。この掘削ビット12aが例えば1分間に1500回も上下振動して硬質地盤aを激しく打撃することによって、ケーシング11内の硬質地盤aの表面を砕きながら下向きに掘り進む。掘削ビット12aは高圧エアーで上下に振動する。
ダウンザホールハンマー装置12は先端を除く部分は、中空の円筒形のロッド12bからなっている。一つのロッド12bの長さは数メートルである。ロッド12bの外径は掘削ビット12aの外径よりも少し径が小さい。下向きに掘り進むダウンザホールハンマー装置12は、杭穴cが深くなるにつれて、その都度、ロッド12bが継ぎ足される。
ロッド12bの外周側面にはその長さ方向に突起12cが形成されている。突起12cは90度の等間隔で、或いは180度の等間隔でその円周方向に形成されている。突起12cはダウンザホールハンマー装置12が上下に振動する際にガイドとして機能する。この突起12cは、上部係合部材17に形成された係合孔17aの凹部17bと凹凸係合し、又下部係合部材18に形成された係合孔18aの凹部18bと凹凸係合して、上下方向には移動自在であるが、回転方向には相対的に拘束されて、回転するケーシング11と一体となってダウンザホールハンマー装置12をケーシング11の回転中心の周りを公転させる機能を果たす。
ダウンザホールハンマー装置12の上端には吊具12dが取り付けられていて、この吊具12dにクレーン14のフック14aが掛けられて吊られる。ロッド12bの内部には掘削ビット12aを高圧エアーで振動させるためのエアーホース12eが配送されている。エアーホース12eの他端側はロッド12bの上端から吊具12d機外に延びて、図示しないエアーコンプレッサーに連結される。
チュービング装置13は、ケーシング11の外周側面を回転駆動させるものである。チュービング装置13は、杭穴掘削地点に設置され、動いたりしないように、アンカー13aなどによってしっかりと地盤に固定される。チュービング装置13の中央にはケーシング11の外周側面を回転駆動させる駆動孔13bが設けられている。チュービング装置13には例えば図5や図6に図示される種々の構造がある。チュービング装置13に回転駆動されて、ケーシング11は下向きに掘削しながら掘り進むことができる。
ハンマーグラブ15はクレーン14で吊られ、ケーシング11の内部に挿入され、ケーシング11内の掘削された土砂やダウンザホールハンマー装置12で砕かれた硬質地盤aの岩石を掴んで、ケーシング11の上方に引き上げられ、ケーシング11の上方から外部に排出する。
上部係合部材17は、ケーシング11の上部に取り付けられる。上部係合部材17は例えば図5や図6、図7に図示される種々の構造が考えられる。何れの構造でも、上部係合部材17はケーシング11の上部に固定される。上部係合部材17にはダウンザホールハンマー装置12が挿通する円形の係合孔17aがケーシング11の回転中心から偏心した位置に形成されている。円形の係合孔17aの円周縁には、90度の等間隔で或いは180度の等間隔で凹部17bが形成されている。この凹部17bにはダウンザホールハンマー装置12の外周側面に形成された突起12cが凹凸係合する。
下部係合部材18は、ケーシング11の内部に取り外し自在に取り付けられる。下部係合部材18は例えば図5や図6、図8に図示される種々の構造が考えられる。何れの構造でも、下部係合部材18はケーシング11の内部に一時的に固定される。下部係合部材18にはダウンザホールハンマー装置12が挿通する円形の係合孔18aがケーシング11の回転中心から偏心した位置に形成されている。この係合孔18aの偏心位置は上記の係合孔17aの偏心位置と上下で同じ位置に設定される。円形の係合孔18aの円周縁には、90度の等間隔で或いは180度の等間隔で凹部18bが形成されている。この凹部18bにはダウンザホールハンマー装置12の外周側面に形成された突起12cが凹凸係合する。
上部係合部材17の凹部17b及び下部係合部材18の凹部18bはダウンザホールハンマー装置12の外周側面に形成された突起12cより少し大きく、ダウンザホールハンマー装置12が上下に移動する場合にはその移動の妨げとならず、ダウンザホールハンマー装置12は上下方向に移動自在になっている。
その一方で、ダウンザホールハンマー装置12の回転方向に対しては、凹部17b及び凹部18bと突起12cとが係合して回転が相対的に拘束される。ダウンザホールハンマー装置12は自由に回転することができない。つまり、ケーシング11が回転すると、上部係合部材17の凹部17b及び下部係合部材18の凹部18bとダウンザホールハンマー装置12の突起12cとが上下でそれぞれ凹凸係合して、回転するケーシング11によってダウンザホールハンマー装置12も一体となって同一の角速度で、ケーシング11の回転中心の周りを公転する。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく硬質地盤掘削工法について以下説明する。
杭穴掘削地点に、ケーシング11を回転させながら地盤の下側に向けて移動させるチュービング装置13を設置する。設置されたチュービング装置13は動いたりしないように、アンカー13aなどによってしっかりと地盤に固定される。
チュービング装置13の中央にはケーシング11を駆動させる駆動孔13bが設けられているので、ケーシング11をクレーン14で吊って、チュービング装置13の中央の駆動孔13bに上から入れる。掘削刃11aが下端に設けられたケーシング11をチュービング装置13の駆動孔13bに挿通させ、ケーシング11の中間部分の外周側面をこのチュービング装置13で回転可能に保持する。
チュービング装置13を駆動させて、その中央の駆動孔13bに挿通されたケーシング11を回転させながら下向きに掘削させる。ケーシング11の下端の掘削刃11aは、回転するケーシング11によって、地盤を円周状に下向きに掘削しながら掘り進む。
掘削当初の地盤表面付近は、硬質地盤aではなく土砂などで構成されているため、ハンマーグラブ15で容易に掴むことができる。このため、ケーシング11の下端の掘削刃11aによって下向きに円周状に掘り進められたその内部の土砂は、クレーン14で吊られるハンマーグラブ15をケーシング11の内部に垂下し、ハンマーグラブ15を使って掴まれて地上に排出される。
この作業は、ケーシング11による所定の深さ下向きに円周状に掘り進む作業と、所定深さ掘削すると掘削作業を中断し、ケーシング11によって円周状に掘削された内部の土砂をクレーン14で吊られたハンマーグラブ15を使って地上に排出する作業とが交互に繰り返し行われながら、掘削作業が進められる。下向きに掘り進むケーシング11は、深くなるにつれて、その都度、上方から継ぎ足される。継ぎ足されたケーシング11は下向きに延びることになる。
下向きに掘り進むうちに岩盤又は転石などからなる硬質地盤aにぶち当たると、ケーシング11の下端の掘削刃11aは硬質地盤aを円周状に切ることはできるが、円周状に切られたその内部の硬質地盤aをハンマーグラブ15で掴み取ることができない。ハンマーグラブ15で掴み取れるように、円周状に切られたその内部の硬質地盤aを砕くことが求められる。
ケーシング11内の硬質地盤aを砕く作業は、前記の実施の形態−1と異なり、砕岩棒6の自然落下ではなく、ケーシング11の内部をこのケーシング11の回転中心周りにダウンザホールハンマー装置12を公転させることにより行われる。
ダウンザホールハンマー装置12をクレーン14で吊り、予め上部係合部材17がケーシング11の上部に又下部係合部材18がケーシング11の内部に取り付けられたケーシング11の内部に入れる。ダウンザホールハンマー装置12は上部係合部材17の係合孔17a及び下部係合部材18の係合孔18aに挿通される。係合孔17a及び係合孔18aはケーシング11の回転中心から偏心した位置にあり、しかも上下方向では同じ位置にあり、ダウンザホールハンマー装置12はケーシング11の回転中心から偏心した位置に入れられる。
掘削先端が硬質地盤aの表面に当接するダウンザホールハンマー装置12のロッド12bの上部側はケーシング11の上端より上方に突出している。この上方に突出しているロッド12bの外周側面に上部係合部材17の係合孔17aが係合する。また、ケーシング11内の下部側のロッド12bの外周側面に下部係合部材18の係合孔18aが係合する。つまり、上部係合部材17及び下部係合部材18によって、ダウンザホールハンマー装置12の上部側及び下部側は上下方向には移動自在で且つ回転が相対的に拘束された状態でケーシング11の上部及びケーシング11内の下部側に係合される。
ケーシング11の内部にダウンザホールハンマー装置12を挿入し、その上部側をケーシング11の上部に係合し、下部側をケーシング11の内部に係合して取り付けた後、チュービング装置13を再駆動させる。ケーシング11はチュービング装置13の駆動により、例えば1分間に1〜2回転のゆっくりした速度で回転しながら、その下端の掘削刃11aで硬質地盤aを円周状に切る。
上部側がケーシング11の上部の上部係合部材17に係合され、下部側がケーシング11内の下部係合部材18に係合されたダウンザホールハンマー装置12は、ケーシング11と一体となって同じ角速度で回転しながら、その先端部分の掘削ビット12aは上下に激しく振動してケーシング11内部の硬質地盤aを打撃して砕く。掘削ビット12aは1分間に1500回程、上下に激しく振動する。砕かれた岩石は掘削ビット12aを上下に振動させる高圧エアーを利用してケーシング11の内部の掘削開始表面まで運ばれる。
ダウンザホールハンマー装置12は、先端の掘削ビット12aの直径がそれ以外のロッド12bの直径より少し大きくなっている。先端以外のロッド12bの直径が先端の掘削ビット12aの直径より小さいのは、下方に向けて掘り進むロッド12bの外周側面に掘削された硬質地盤aの内周側面からの接触抵抗を小さくするためである。このため、ロッド12bの外周側面と掘削された硬質地盤aの内周側面との間には隙間があり、この隙間を利用して、砕かれた岩石は高圧エアーによって吹き上げられて、掘削開始表面まで運ばれるのである。
そして、ケーシング11及びダウンザホールハンマー装置12により、硬質地盤aを一定の深さ掘り下げ、又ダウンザホールハンマー装置12でケーシング11内の硬質地盤aが砕かれてハンマーグラブ15で掴み取れる大きさの岩石になると、ダウンザホールハンマー装置12をケーシング11内から引き抜いて、代わりにクレーン14で吊られるハンマーグラブ15をケーシング11の内部に入れて、砕かれた岩石はハンマーグラブ15によって掴まれて地上に排出される。
この作業は、ケーシング11による所定の深さ下向きに掘り進む作業、及びダウンザホールハンマー装置12によるケーシング11内の硬質地盤aを砕く作業と、砕かれた岩石をクレーン14で吊られたハンマーグラブ15を使って地上に排出する作業とが交互に繰り返し行われながら、掘削作業が進められる。下向きに掘り進むケーシング11及びダウンザホールハンマー装置12のロッド12bは、深くなるにつれて、その都度、上方から継ぎ足される。継ぎ足されたケーシング11及びダウンザホールハンマー装置12は下向きに延びることになる。
この場合において、硬質地盤aが岩盤からなるときには、ダウンザホールハンマー装置12をケーシング11に先行させて硬質地盤aを砕く。つまり、ダウンザホールハンマー装置12を先に駆動させて、その先端の掘削ビット12aで少し硬質地盤aの表面を砕いておき、遅れてケーシング11でその周囲を円周状に切り欠くのである。その結果、掘削ビット12aの先端がケーシング11の下端の掘削刃11aの先端よりも常に深い位置にあり、この上下差を維持した状態で、掘削が行われるのである。
ケーシング11の掘削に先行して、ケーシング11で掘削される硬質地盤aの表面が砕かれている場合には、砕かれた岩盤の周囲の岩盤を円周状に切るときの抵抗が小さくなるためである。ケーシング11で硬質地盤aの岩盤を円周状に切るとき、ケーシング11の内部側の抵抗が硬質地盤aの岩盤が砕かれることで小さくなるためである。ケーシング11内部の硬質地盤aの岩盤が砕かれていない場合には内部側の岩盤が硬いため、ケーシング11で硬質地盤aの岩盤を掘削するときの抵抗が大きく、掘削刃11aの磨耗も激しいものとなるからである。
また、硬質地盤aが転石からなる場合には、ケーシング11をダウンザホールハンマー装置12に先行させて硬質地盤aの転石を掘り下げる。つまり、ケーシング11を先に駆動させて、その下端の掘削刃11aで先に硬質地盤aの転石を円周状に切り、遅れてダウンザホールハンマー装置12を駆動させるのである。その結果、ケーシング11の下端の掘削刃11aの先端が掘削ビット12aの先端よりも常に深い位置にあり、この上下差を維持した状態で、掘削が行われるのである。
ダウンザホールハンマー装置12の掘削に先行して、ケーシング11で掘られている場合には、ダウンザホールハンマー装置12の先端の掘削ビット12aが傾いて転石の表面を砕くのが防がれるのである。転石はハンマーグラブ15では掴みきれない大きさの岩石の塊で、これが地中に積層状態になっている。一つの大きな塊の岩盤に比べて、上下の転石はその境界部分で表面の硬度や傾きなどに微妙に相違があり、その境界部分で掘削条件が変わって少し不安定になる。少しの不安定で掘削ビット12aが傾いて砕いたり又破損し易くなるが、砕こうとする転石の周囲が先行するケーシング11で囲まれているので、転石が平面方向にずれたり傾いたりするのが防がれて安定するからである。
また、転石はハンマーグラブ15では掴みきれない大きさの岩石ばかりでなく、ハンマーグラブ15で掴みきれる大きさの岩石と積層状態になっていることもある。又ダウンザホールハンマー装置12で砕いた転石の周囲の他の転石が内側に崩壊してしまい、同じ深さの位置を掘削し直さなければならない後戻りの作業となったり、杭穴内周側面を緩めたりするが、砕こうとする転石の周囲がケーシング11で囲まれているので、杭穴内周側面が崩壊するのが防がれて安定するからである。
以上の作業を繰り返しながら、岩盤又は転石などからなる硬質地盤aに深い杭穴c、深い場合には50mにも達する杭穴cを掘削することになるが、ケーシング11による掘削作業とダウンザホールハンマー装置12によるケーシング11内の硬質地盤aを砕く作業が同時に行われるので、作業期間を大幅に短縮することが可能となり、工期の短縮に起因してコストもその分、安価にすることができる。
所定の深さの杭穴cがあけられると、杭穴cの内周側面はケーシング11の外周側面によって保持されてその崩壊が防がれる。それからケーシング11の内部に杭を補強する鉄筋が挿入され、コンクリートが流し込まれる。そして、コンクリートを流し込みながら、杭穴cの内周側面が崩壊しないように注意してケーシング11をチュービング装置13で引き上げる。このようにして、杭穴cに鉄筋及びコンクリートが打設されて、支持杭や基礎杭が構築される。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
1 ケーシング
1a 掘削刃
2 ダウンザホールハンマー装置
2a 掘削ビット
2b ロッド
2c 突起
2d 吊具
2e エアーホース
3 チュービング装置
3a アンカー
3b 駆動孔
4 クレーン
4a フック
5 ハンマーグラブ
6 砕岩棒
6a ワイヤー
7 上部係合部材
7a 係合孔
7b 凹部
11 ケーシング
11a 掘削刃
12 ダウンザホールハンマー装置
12a 掘削ビット
12b ロッド
12c 突起
12d 吊具
12e エアーホース
13 チュービング装置
13a アンカー
13b 駆動孔
14 クレーン
14a フック
15 ハンマーグラブ
17 上部係合部材
17a 係合孔
17b 凹部
18 下部係合部材
18a 係合孔
18b 凹部
a 硬質地盤
b 小穴
c 杭穴

Claims (5)

  1. 回転するケーシングにより岩盤又は転石などからなる硬質地盤を掘り下げると共にこれと並行して、回転するケーシングの内部にダウンザホールハンマー装置が上下方向移動自在に且つ回転が相対的に拘束された状態で設置され、ケーシングと一体となってケーシングの回転中心を回転するダウンザホールハンマー装置によってケーシングの内部の硬質地盤に砕岩棒の落下によるひび割れ誘起用の小穴をあけ、砕岩棒の落下によってケーシングの内部の硬質地盤をハンマーグラブで掴める大きさに砕くことを特徴とする硬質地盤掘削工法。
  2. 回転するケーシングにより岩盤又は転石などからなる硬質地盤を掘り下げると共にこれと並行して、回転するケーシングの内部に上下方向移動自在に設置され且つ回転するケーシングと一体となってケーシングの回転中心の周りを公転するダウンザホールハンマー装置によってケーシングの内部の硬質地盤をハンマーグラブで掴める大きさに砕く硬質地盤掘削工法において、上記ダウンザホールハンマー装置の上部側は、ケーシング上部に上部係合部材により上下方向移動自在且つ回転が相対的に拘束され、ダウンザホールハンマー装置の下部側はケーシングの内部に下部係合部材により上下方向移動自在且つ回転が相対的に拘束されて、ダウンザホールハンマー装置は回転するケーシングと一体となってケーシングの回転中心の周りを公転して硬質地盤をハンマーグラブで掴める大きさに砕くことを特徴とする硬質地盤掘削工法。
  3. ダウンザホールハンマー装置をケーシングに先行させて岩盤を掘り下げる請求項1又は請求項2に記載の硬質地盤掘削工法。
  4. ケーシングをダウンザホールハンマー装置に先行させて転石を掘り下げる請求項1又は請求項2に記載の硬質地盤掘削工法。
  5. ダウンザホールハンマー装置の上部側は、ケーシング上部に上部係合部材により上下方向移動自在且つ回転が相対的に拘束された状態でケーシングの上部に係合されて、ダウンザホールハンマー装置は回転するケーシングと一体となって回転して硬質地盤に小穴をあける請求項1記載の硬質地盤掘削工法。
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