JP2004084164A - 既設杭の撤去方法およびその装置 - Google Patents

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Hiroo Nakajima
中島 弘夫
Nagatoshi Fujikawa
藤川 長敏
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Nippon Sharyo Ltd
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Abstract

【課題】既設杭を確実に切断でき、同じ装置で種々の径の既設杭に対しても使用できる既設杭の撤去方法およびその装置を提供する。
【解決手段】既設杭の撤去は、一般にオールケーシング工法に使用される回転圧入装置を既設杭の外周に建て込んで、既設杭を破砕または切断して撤去している。本発明は、既設杭9より少し大きいケーシング5を既設杭9が中央に位置するようにして建て込む。次に、垂直駆動軸14の下端にコアバレル16を取り付けた作業機10によって既設杭9の中央部を削孔する。次に、作業機10のコアバレル16を外し、グリップ機構20とディスクカッタ34を有する切断手段30を取り付けて、削孔した杭孔9aに挿入する。そして、ディスクカッタ34を杭径方向へ移動させるとともに垂直駆動軸14を回動させて既設杭9を切断する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設杭がほぼ中央に位置するようにしてケーシングを回転圧入装置で建て込んで既設杭を撤去する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市部の再開発や橋の架け替えなどの工事では、既設杭を撤去する必要があり、一般に、既設杭の外周にケーシングを建て込んで周囲の地盤を保護し、クレーンに吊持した重鎮(チゼル)を落下させて破砕し、ハンマグラブで排出している。
【0003】
そして、既設杭の撤去後は土砂を埋め戻しながら、ケーシングを引き抜いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、既設杭に数トンものチゼルを自由落下させるので、大きな衝撃や振動が発生し騒音が問題となっている。また、既設杭には鉄筋が垂直方向に多数埋設されており、ハンマグラブで排出する際に鉄筋がハンマグラブに絡み付いたり、既設杭とケーシングの間にハンマグラブのシェルが食い込み、ハンマグラブを引き上げられなくなるといったこともある。特に大径の既設杭の場合は鉄筋の径も太く本数も多いので破砕による撤去は困難なものとなっている。
【0005】
そこで、既設杭を破砕せずに、一定の長さで切断して撤去する方法(例えば特開平10−195873号公報)が提案されている。
特開平10−195873号では、既設杭の外周にケーシングを建て込んで、既設杭とケーシングの内周面の間に既設構造物回収装置を設置し、既設杭を切断して排出するようにしている。そして、既設構造物回収装置は、ケーシングの内周側を掘削する外筒と、既設杭の鉄筋を切断する切欠き形成手段と、既設杭に横力を付与して切断する切断手段と、既設杭を把持する把持手段を備えている。
【0006】
しかしながら、既設杭の外形部はかなり凹凸があるので、この方法ではケーシング内周部に空間を形成するのが難しく、掘削した土砂の排出が困難であるという難点がある。また、既設杭の径に応じた既設構造物回収装置を必要とし、費用が嵩むという欠点もある。
【0007】
そこで本発明は、騒音振動がなく、同じ装置で種々の径の既設杭を確実に撤去できる既設杭の撤去方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では次の手段を採った。即ち、
既設杭がほぼ中央に位置するようにしてケーシングを回転圧入装置で建て込んで既設杭を撤去する方法において、既設杭の中央部を削孔し、該削孔した杭孔へ駆動装置で駆動される垂直駆動軸の下端に径方向へ拡開させて該杭孔の内周面に係合するグリップ機構と該グリップ機構の下端に杭径方向に移動可能なディスクカッタを有する切断手段を挿入して、該ディスクカッタを杭径方向へ移動させるとともに該垂直駆動軸を回動させて既設杭を切断して、撤去することを特徴としている。
【0009】
この発明は、既設杭の中心部を垂直方向に削孔し、この削孔した杭孔に切断手段を挿入して、既設杭を切断して撤去するようにしたものである。
既設杭の中央部を削孔する手段は、特に限定しない。例えばブームまたはリーダの上端から垂下して駆動装置で駆動される垂直駆動軸の下端に掘削ビットを有する円筒状の掘削具を備えた作業機でもよいし、回転圧入装置に掘削具を係止させ、回転圧入装置の駆動で掘削するものでもよい。なお、削孔する孔径は切断手段が挿入可能な径であればよい。
【0010】
ケーシングの建込みは、既設杭の撤去を行う前であれば何時でもよい。例えば、既設杭の中央部の削孔に回転圧入装置の動力を使用する場合は、予めケーシングを建て込めばよいし、他の手段で削孔する場合は、ケーシングの建込み前に行う方が作業がし易い。
【0011】
撤去杭の切断は、既設杭がさほど長くない場合は所望の深さで一カ所切断すればよいが、かなり長い場合は、一定の長さ毎に切断して撤去すればよい。一定の長さ毎に切断する場合は、一定の長さ分削孔して切断して吊り上げて撤去し、さらに削孔して切断してもよいし、予め切断する最下部よりも幾分深い位置まで削孔しておき、切断は一定の長さ毎に行ってもよい。
【0012】
切断手段は既設杭の削孔した杭孔に挿入され、既設杭の径方向へディスクカッタを移動させ、かつ、垂直駆動軸の回転によって、ディスクカッタを既設杭の周方向へ移動させて、既設杭の全周を切断する。
既設杭の切断は既設杭の内部にある鉄筋が切断できればよく、全断面が切断されなくてもよい。ただし、既設杭を撤去するときには回転圧入装置によりケーシングを介して既設杭に回転力を与えるなどして全断面が切断される必要がある。
【0013】
ケーシングが建て込まれた状態で全断面を切断手段で切断する場合は、切断された上部の既設杭がディスクカッタを押し潰さないようにする必要がある。これは切断される上部の既設杭を吊持するようにしてもよいが、請求項4に記載のように、ケーシングの下端部に付設したケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材を、切断位置より上部の既設杭の外周に係止させて保持するのが簡便である。
【0014】
請求項2の発明は、既設杭がほぼ中央に位置するようにしてケーシングを回転圧入装置で建て込んで既設杭を撤去する方法において、既設杭の中央部を削孔し、ケーシングの下端部に付設したケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材で既設杭の外周部を保持し、該削孔した杭孔から土砂を供給して埋め戻しながらケーシングを引き上げて既設杭を撤去することを特徴としている。
【0015】
この発明は、既設杭の中央部を削孔し、既設杭の外周をケーシングで保持して、杭孔から土砂を供給して埋め戻しながらケーシングを引き上げて既設杭を撤去するようにしたもので、既設杭の切断は必要に応じて行う。
ケーシングの建込みは、請求項1の発明と同様、杭の撤去を行う前であれば何時でもよく、また、既設杭の中央部を削孔する手段は、特に限定しない。
【0016】
既設杭の外周をケーシングで保持する手段は、ケーシングの下端部に付設したケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材による。
係止部材はカムでもよいが、ケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する可動ビットによるのが簡便である。
【0017】
既設杭を切断せずに撤去する場合は、既設杭の下端部付近をケーシングで保持して、回転圧入装置でケーシングを引き上げるとともに、杭孔へ土砂を供給して埋め戻す。なお、既設杭を切断しない場合は既設杭の中央部の杭孔は土砂の埋め戻しができる程度の孔径であればよいが、杭孔は貫通させる必要がある。
【0018】
既設杭を切断して撤去する場合は、既設杭の中央部の削孔を切断するための装置が挿入できる孔径で、撤去する深さより幾分深い位置まで行う。また、切断するための装置は例えば超高圧水(ウオータージェット)によってもよく、特に限定しない。より簡便で確実な手段は請求項3に記載のように、削孔した杭孔へ駆動装置で駆動される垂直駆動軸の下端に径方向へ拡開させて該杭孔の内周面に係合するグリップ機構と該グリップ機構の下端に杭径方向に移動可能なディスクカッタを有する切断手段を挿入して、該ディスクカッタを杭径方向へ移動させるとともに該垂直駆動軸を回動させて既設杭を切断するものである。なお、切断時は切断位置より上部の既設杭の外周をケーシングで保持し、既設杭がディスクカッタを押し潰さないようにする(請求項4)のがよい。
【0019】
既設杭を一定の長さに切断したい場合は、回転圧入装置によって既設杭を地上へ引き上げてから、コンクリート破砕機やガス切断などで適当な長さに切断すればよい。
請求項5の発明は、上記請求項1ないし請求項3の発明を実施するための作業機である。この発明は、ブームまたはリーダの上端から垂下して駆動装置で駆動される垂直駆動軸を備えた作業機本体と、該垂直駆動軸の下端に脱着可能で下方が開放され先端に掘削具を備えたコアバレルと、該コアバレルと付け替え可能で径方向へ拡開させて該杭孔の内周面に係合するグリップ機構と、油圧モータで駆動されるディスクカッタを杭径方向へ移動可能に設けた切断手段と、を備えたことを特徴としている。
【0020】
コアバレルは既設杭の中央部を削孔するためのもので、削孔する径は切断手段が挿入できる大きさのものを使用する。
グリップ機構の拡開手段は自重によってもよいし、油圧シリンダを用いてもよく、特に限定しない。また、ディスクカッタの杭径方向への移動手段はシリンダが一般的であるが、油圧モータでネジ部材を回動させて移動させるようにしてもよい。また、ディスクカッタの送りがほぼ一定になるように、杭径方向への移動手段と垂直駆動軸の回動速度を制御する手段を設けるのが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
請求項1の発明の実施の形態の概要は、まず、図1に示すように、既設杭9の位置および径を調べ、回転圧入装置1を設置し、既設杭9より少し大きいケーシング5を既設杭9が中央に位置するようにして建て込む。そして、垂直駆動軸14の下端にコアバレル16を取り付けた作業機10によって既設杭9の中央部に所定の径の杭孔を所定の深さ削孔する。その後、作業機10のコアバレル16を外し、図3に示すように、グリップ機構20と切断手段30を備えた切断装置を取り付けて、削孔した杭孔に挿入し、既設杭9を切断して撤去するものである。
【0022】
次に、この既設杭9の撤去方法の詳細を装置とともに説明する。
回転圧入装置1は、場所打ち杭を施工するオールケーシング工法に使用される施工機である。これは、図3に示すように、ベースフレーム3の四隅に設けた昇降シリンダ4に連結された昇降フレーム2を備え、この昇降フレーム2にはケーシング5が挿通されるテーパ孔を有する回転フレームが回転可能に支持されている。そして、上部フレーム7に連結されたチャックシリンダによってケーシングとテーパ孔との間に楔部材を挿入して、回転フレームとケーシング5とを締結するように構成されている。建込みは、ケーシング5を回転フレームに把持した状態でモータ8により回転フレームを回転駆動させるとともに昇降シリンダ4を下降させることによりケーシング5を回転させながら地中に押し込んでいる。
【0023】
ケーシング5の下端部には、図5に示すように、既設杭9の切断時や撤去時に既設杭9を保持する保持手段40、すなわち、ケーシング5の逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材が設けられている。この保持手段40は、ケーシング5に固設された取付金具42に係止金具である可動ビット41が水平方向に回動可能にピン43で取り付けられ、可動ビット41の水平方向両側にはストッパ44と板バネ45が設けられている。
【0024】
そして、ケーシング5が逆方向に回転したとき(矢印の方向)は、可動ビット41はストッパ44によって水平に保持され既設杭9に食い込む。なお、ケーシング5の正転時は一点鎖線で示すように、可動ビット41は既設杭9に押され、板バネ45に抗して回動する。
【0025】
また、既設杭9の削孔および切断を行う作業機は、図1に示すように、ベースマシン11の前部に立設したリーダ12の上端から、多段伸縮型の垂直駆動軸14(ケリーバと称している)を吊持した作業機本体を使用し、掘削具と切断手段を付け替えている。なお、垂直駆動軸14はリーダ12に沿って昇降可能な駆動装置13で駆動され、昇降はシリンダ15の作動によっている。
【0026】
既設杭9の中心部を削孔するときは、図2に示すように、円筒状で下端に掘削具16aが付設されたコアバレル16を垂直駆動軸14の下端にピン17で連結する。コアバレル16の上端はヒンジ16dで開放可能な上蓋16cが取り付けられており、また、内周にはピンで回動可能な係止具16bが複数付設されている。さらにコアバレル16の外周には螺旋状のリブ16fが付設されている。
【0027】
削孔は、図2(a)に示すように、コアバレル16を既設杭9のほぼ中心部に位置させて垂直駆動軸14の吊りロープを緩めて下降させ、駆動装置13を駆動するとともにシリンダ15を伸長させて行う。なお、このとき、係止具16bはフリーの状態となっている。
【0028】
ある深さ掘削すると、垂直駆動軸14を吊り上げる。これにより、図2(b)に示すように、係止具16bが回動して中心部の既設杭9dの外周に食い込む。この状態で垂直駆動軸14を左右に揺動させて既設杭9dを切断する。そして、図2(c)に示すように、地上へ引き上げてコアバレル16の下端に吊りロープを掛け、吊り上げながらロック16eを押す。これにより、上蓋16cの係止が開放され、既設杭9dが自重によって排出される。
【0029】
この作業を繰り返して既設杭9の中央部を所定の深さまで削孔する。
次に、垂直駆動軸14を引き上げて、コアバレル16を外し、図3に示すように切断装置を垂直駆動軸14の下端に連結して、削孔した杭孔9aへ降ろす。
切断装置は、図4に示すように、グリップ機構20の下部に切断手段30が固設されたものである。
【0030】
グリップ機構20は、上部連結材21と、軸23が上方へ回動自在に突設された下部連結材22と、杭孔9aの内周面に圧接する複数の圧接部材24と、リンク25a,25b,25cとから構成されている。
上部連結材21は垂直駆動軸14の下端に取り付けた取付具18にピン19で連結され、回動自由に支持体21aに取り付けられている。上部連結材21の下部には軸23が嵌合され、ピン26で上下方向に摺動可能に連結されている。また、下部連結材22は軸23に回動自在に取り付けられ、軸23の下端は切断手段30に固設されている。
【0031】
リンク25aは支持体21aから下向きに傾斜して圧接部材24に、リンク25b,25cは下部連結材22から上向きに傾斜して圧接部材24に取り付けられている。なお、27は吊金具である。
切断手段30は、軸23の下端に固設された箱状のブラケット31にスライド可能な移動体32が内装され、移動体32に油圧モータ33が出力軸を下方にして取り付けられ、これにディスクカッタ34が取り付けられている。
【0032】
そして、移動体32はブラケット31に取り付けられたシリンダ35が連結されている。
さらに、ブラケット31の下端にはディスクカッタ34を覆うようにカバー36が付設され、その下端には足37が固設されている。なお、ディスクカッタ34は鉄筋の切断ができるコンクリートカッタCB(旭ダイヤモンド社製)を使用している。
【0033】
グリップ機構20の圧接部材24は、切断装置を取り付けて既設杭9の杭孔9aに吊り降ろすときは、下部連結材22や切断手段30の重量によって上部連結材21と下部連結材22の間隔が開き、径が縮小した状態となる。
そして、切断手段30の足37が杭孔9aの底に着地すると、上部連結材21が自重で下がって上部連結材21と下部連結材22の間隔が縮まり、圧接部材24は拡開して杭孔9aの内周面に圧接する。
【0034】
この状態で、ケーシング5を逆転させて、ケーシング5の下端部の保持手段40の可動ビット41を既設杭9へ食い込ませ、ケーシング5を若干上昇させて既設杭9を持ち上げぎみに保持する。また、既設杭9を保持する位置は切断装置のディスクカッタ34より上方である。
【0035】
そして、切断手段30の油圧モータ33を作動させてディスクカッタ34を回転させながら、シリンダ35を一定量伸長させる。これにより、既設杭9の所定の部分にディスクカッタ34が一定量切り込まれる。さらに、この状態で垂直駆動軸14をゆっくり回転させ、既設杭9の全周について切り込む。
【0036】
続いて、シリンダ35をさらに一定量伸長させて既設杭9を切り込み、垂直駆動軸14を回転させる。この作業を繰り返し、既設杭9の肉厚全部を切り込み切断する。なお、シリンダ35には伸長のセンサが付設されており、外部でディスクカッタ34の進出量を把握することができる。
【0037】
既設杭9が切断されたら、シリンダ35を縮小させてディスクカッタ34を格納し、垂直駆動軸14を吊り上げる。そして、保持手段40によって切断された既設杭9を保持した状態のまま、既設杭9の杭孔9aに土砂を供給して埋め戻しながらケーシング5を上昇させて撤去する。
【0038】
既設杭9を適当な長さにしたい場合は、回転圧入装置1によって既設杭9を地上へ引き上げてから、コンクリート破砕機やガス切断などで適当な長さに切断すればよい。
既設杭9を適当な長さに分割して撤去する場合は、所定の深さの位置まで削孔し、吊金具27にクレーンフックを係止させて既設杭9を持ち上げ気味に保持して切断手段30で既設杭9を切断する。次に、ディスクカッタ34を格納して吊金具27により、切断された既設杭9を吊り上げて撤去する。既設杭9はグリップ機構20に保持された状態で切断手段30とともに引き上げられる。
【0039】
次に、切断装置を外し、垂直駆動軸14にコアバレル16を取り付けて、所定の深さの位置まで削孔して上記と同じ作業を繰り返し、既設杭9の全長について撤去する。
なお、既設杭9の中央部の削孔を既設杭9の最下切断位置の少し下まで行い、所定の深さに切断手段30を位置させて既設杭9を切断し、吊り上げて撤去するようにしてもよい。この場合グリップ機構20は、吊金具27にクレーンフックを係止させて吊持して圧接部材24を拡開させる。
【0040】
上記実施の形態では、既設杭9の中央部の削孔の前に、ケーシング5を回転圧入装置1で建て込むもので説明したが、ケーシング5を既設杭9の外周に建て込む前に、作業機10によって削孔と既設杭9の切断を行ってもよい。
通常、既設杭9は複数個あるので、作業機10にコアバレル16を取り付けて、順次既設杭9の削孔を行うほうが作業性がよい。この場合、削孔は既設杭9の最下切断位置の少し下まで行う。そして、作業機10のコアバレル16を外し、グリップ機構20と切断手段30を備えた切断装置を取り付けて、削孔した杭孔9aの底に挿入して既設杭9を切断し、ケーシング5を建て込んで既設杭9を撤去する。なお、ケーシング5の建て込みを既設杭9の切断前に行ってもよい。
【0041】
次に請求項2および請求項3の発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、既設杭9の撤去に使用される装置は上記請求項1の実施の形態と同じであるので、装置の説明については省略する。
まず、図1に示すように、既設杭9の位置および径を調べ、回転圧入装置1を設置し、既設杭9より少し大きいケーシング5を既設杭9が中央に位置するようにして建て込む。そして、垂直駆動軸14の下端にコアバレル16を取り付けた作業機10によって既設杭9の中央部に所定の径の杭孔9aを削孔する。
既設杭9が短い場合など既設杭9全体を撤去する場合は、削孔する径は適宜なものでよい。
【0042】
削孔したら、既設杭9の先端部付近をケーシング5の保持手段40で保持して、回転圧入装置1でケーシング5を引き上げるとともに、杭孔9aへ土砂を供給して埋め戻す。
なお、この撤去方法では、既設杭9の中央部が削孔され、回転圧入装置1によって既設杭9を引き上げるので、かなり重量のある場合でも撤去が可能である。既設杭9を適当な長さにしたい場合は、回転圧入装置1によって既設杭9を地上へ引き上げてから、コンクリート破砕機やガス切断などで適当な長さに切断すればよい。
【0043】
既設杭9が撤去する所望の深さより長い場合は、所望の深さで切断する。
この場合は、既設杭9の中央部に所定の径の杭孔9aを既設杭9の最下切断位置の少し下まで削孔した後、作業機10のコアバレル16を外し、図3に示すように、グリップ機構20と切断手段30を備えた切断装置を取り付ける。そして、削孔した杭孔9aにこれを挿入し、既設杭9を切断する。なお、切断時は既設杭9がディスクカッタ34を押し潰さないように切断位置より上部の既設杭9の外周をケーシング5で保持する。
【0044】
なお、既設杭9を一定の長さに切断したい場合は、回転圧入装置1によって既設杭9を地上へ引き上げてから、コンクリート破砕機やガス切断などで適当な長さに切断する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明の既設杭の撤去方法は、既設杭の中央部を削孔し、削孔した杭孔へ垂直駆動軸の下端にグリップ機構が付設された切断手段を挿入して、ディスクカッタを杭径方向へ移動させるとともに垂直駆動軸を回動させて鉄筋の埋設された既設杭を切断するので、確実に効率よく切断できる。また、種々の杭径の既設杭の削孔に対して同じ掘削具およびグリップ機構付き切断手段を使用することができ経済的である。
【0046】
また、請求項2の発明の既設杭の撤去方法は、既設杭の中央部を削孔し、ケーシングの下端部に付設したケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材で既設杭の外周部を保持し、該削孔した杭孔から土砂を供給して埋め戻しながらケーシングを引き上げて既設杭を撤去するので、重量のある長い既設杭であっても簡便に撤去でき、地中での切断作業を行わないか、行っても1度で済み作業効率がよい。
【0047】
また、請求項5の作業機によれば、コアバレルと切断装置を付け替えるのみで既設杭の削孔と切断を簡便に行うことができ、作業効率がよく、また、狭い現場でも実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既設杭の撤去方法の実施の形態を示すもので、既設杭の中心部を削孔している状態の全体図である。
【図2】同 既設杭の削孔作業の説明図である。
【図3】同  既設杭の切断状態を示す全体図である。
【図4】同 切断装置の詳細図である。
【図5】同 既設杭の保持手段を示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
1…回転圧入装置      2…昇降フレーム
3…ベースフレーム          4…昇降シリンダ
5…ケーシング        5a…掘削ビット
7…上部フレーム       8…モータ
9…既設杭          9a…杭孔
9b…鉄筋                  9d…(中央部の)既設杭
10…作業機                11…ベースマシン
12…リーダ                13…駆動装置
14…垂直駆動軸            15…シリンダ
16…コアバレル            16a…掘削具
16b…係止具              16c…上蓋
16d…ヒンジ              16e…ロック
16f…リブ              17…ピン
18…接続金具              19…ピン
20…グリップ機構     21…上部連結材
21a…支持体       22…下部連結材
23…軸          24…圧接部材
25a…リンク       25b,25c…リンク
26…ピン         27…吊金具
30…切断手段              31…ブラケット
32…移動体                33…油圧モータ
34…ディスクカッタ        35…シリンダ
36…カバー                37…足
40…保持手段              41…可動ビット
42…取付金具              43…ピン
44…ストッパ              45…板バネ

Claims (5)

  1. 既設杭がほぼ中央に位置するようにしてケーシングを回転圧入装置で建て込んで既設杭を撤去する方法において、既設杭の中央部を削孔し、該削孔した杭孔へ駆動装置で駆動される垂直駆動軸の下端に径方向へ拡開させて該杭孔の内周面に係合するグリップ機構と該グリップ機構の下端に杭径方向に移動可能なディスクカッタを有する切断手段を挿入して、該ディスクカッタを杭径方向へ移動させるとともに該垂直駆動軸を回動させて既設杭を切断して、撤去することを特徴とする既設杭の撤去方法。
  2. 既設杭がほぼ中央に位置するようにしてケーシングを回転圧入装置で建て込んで既設杭を撤去する方法において、既設杭の中央部を削孔し、ケーシングの下端部に付設したケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材で既設杭の外周部を保持し、該削孔した杭孔から土砂を供給して埋め戻しながらケーシングを引き上げて既設杭を撤去することを特徴とする既設杭の撤去方法。
  3. 前記既設杭の中央部の削孔は撤去する深さより幾分深い位置まで行い、該削孔した杭孔へ駆動装置で駆動される垂直駆動軸の下端に径方向へ拡開させて該杭孔の内周面に係合するグリップ機構と該グリップ機構の下端に杭径方向に移動可能なディスクカッタを有する切断手段を挿入して、該ディスクカッタを杭径方向へ移動させるとともに該垂直駆動軸を回動させて既設杭を切断することを特徴とする請求項2記載の既設杭の撤去方法。
  4. 前記切断手段による既設杭の切断時には、ケーシングの下端部に付設したケーシングの逆転方向の回転にともなって内側へ突出する係止部材を、切断位置より上部の既設杭の外周に係止させて保持することを特徴とする請求項1または請求項3記載の既設杭の撤去方法。
  5. ブームまたはリーダの上端から垂下して駆動装置で駆動される垂直駆動軸を備えた作業機本体と、該垂直駆動軸の下端に脱着可能で下方が開放され先端に掘削具を備えたコアバレルと、該コアバレルと付け替え可能で径方向へ拡開させて該杭孔の内周面に係合するグリップ機構と、油圧モータで駆動されるディスクカッタを杭径方向へ移動可能に設けた切断手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または請求項3記載の既設杭の撤去方法を実施するための作業機。
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