以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1乃至6に、実施の形態1に係るルアー1の構成を示す。図1はルアー1の構成を示す側面図、図2はルアー1の構成を示す平面図、図3はルアー1の構成を示す底面図、図4はルアー1の構成を示す正面図、図5はルアー1の構成を示す背面図、図6はルアー1の構成を示す斜視図である。なお、図1中に示される矢印はルアー1の水中での進行方向を示している。以下では、この進行方向を「前方」、この進行方向とは逆方向を「後方」とする。また、前記進行方向と直交する方向を上下方向とする。
ルアー1は、ゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とする全長が約75mmのソフトルアーである。また、ルアー1は、小魚を模したシャッドテール系と呼ばれる種類のルアーであり、胴体部101と、胴体部101に連結された後端部102とを有している。かかるルアー1は、軟質材料により胴体部101と後端部102とが一体成形されている。
胴体部101は、全長が約50mmであって、魚の胴体を模した形状を有している。この胴体部101の具体的な構成を以下に説明する。胴体部101の下側部分は、前後方向と直交する断面形状が頂点を下側とした放物線状をなしている。胴体部101の上端部分には、上方を向く平面である上面が設けられている。この上面は、平面視において、後方に向かうにしたがって徐々に細くなった形状を有している。かかる胴体部101は、側面視において、前側の約3分の1の部分が後方に向かうにしたがって徐々に太くなっており、後側の約3分の2の部分が後方に向かうにしたがって徐々に細くなった形状を有している。
後端部102は、全長が約25mmであって、魚の尾びれを模した形状を有している。この後端部102の具体的な構成を以下に説明する。後端部102は、側面視において、後方に向かうにしたがって広がった形状を有している。また、後端部102は、上面102a及び上面102aの後側に繋がる斜面102bの2つの平面を有している。上面102aは、その前側において胴体部101の上面の後端と滑らかに繋がっており、胴体部101の上面と同様に、上方を向く平面である。また、上面102aは、平面視において、後方に向かうしたがって広がった形状をなしている。斜面102bは、その前側で上面102aの後端と繋がる平面であって、後ろ斜め上方を向くように傾斜している。つまり、斜面102bは、後方に向かうにしたがって下がるように設けられている。この斜面102bは、楕円の長軸方向の片側の一部が欠落したような形状であって、長軸方向の長さが約18mm、短軸方向の長さが約10mmである。また、この斜面102bは、欠落した側の端部において、上面102aの後端と繋がっている。
斜面102bには、斜面102bの約85%の面積の反射シートR1が貼り付けられている。この反射シートR1は、斜面102bと略同一の形状を有し、斜面102bよりも一回り小さい大きさであって、長軸方向の長さが約17mm、短軸方向の長さが約9mmである。この反射シートR1は、斜面102bの周縁が略均一な幅(約0.5mm)で露出するように斜面102bに貼り付けられる。また、この反射シートR1には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、斜面102bの反射シートR1が貼り付けられた斜面102bの領域は、光を反射する光反射領域102cとされる。他方、後端部102の光反射領域102c以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部102の光反射領域102c以外の部分は、光反射領域102cと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部101は後方に向かうにしたがって細くなった形状を有しており、後端部102は前方に向かうにしたがって細くなった形状を有している。また、後端部102は、その前側部分において胴体部101の後側部分と滑らかに連結されている。このため、ルアー1は、胴体部101と後端部102との連結部分において、細く絞られたような形状となっている。これにより、後端部102は、この連結部分を支点として、前後方向に直交する全方向に自由に動くことができる。したがって、ルアー1が水中で移動すると、後端部102は水流の影響を受け、胴体部101との連結部分を支点として様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域102cが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー1は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域102cは、後端部102の斜面102bにのみ設けられている。光反射領域102cが平坦な斜面102bに設けられているため、光反射領域102cに入射した光の全体が、実質的に同じ方向へ反射される。したがって、魚の方向へ光が反射された場合には、反射光全体が魚に照射されることになる。即ち、斜面102bが魚の方向に向いた場合は、当該魚には後端部102が光って見える。他方、斜面102bが魚とは別の方向を向いている場合は、後端部102の光反射領域102c以外の部分が魚の方を向くことになり、殆ど魚に光が照射されることがない。即ち、かかる場合、魚には後端部102はほとんど光っていないように見える。ここで、後端部102は、上述のように、ルアー1の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚からは明暗のはっきりした光の変化が視認されることになる。つまり、魚には、後端部102が不規則に明滅して見える。このことをさらに詳細に説明する。胴体部101は、実質的に釣り糸に直接連結されているため動きが小さく、しかも、光反射領域が設けられていないため殆ど光を照射しない。このため、胴体部101から特定の方向(多くの場合ルアー1の後方)にいる魚に対して照射される光の量の変化は小さい。他方、後端部102は、上述したように水流の影響により胴体部101との連結部分を支点として様々な方向に振れながら動き、しかも、光反射領域102cにおいて強度の高い光を照射する。このため、後端部102から特定の方向にいる魚に対して照射される光の量は時間に応じて大きく変化する。このような後端部102の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、胴体部101と後端部102とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー1を製造することができる。また、ルアー1は、胴体部101と後端部102とが一体成形されているので、胴体部101と後端部102とが分離することによるルアー1の破損が抑制される。さらに、反射シートR1の剥離等が生じたとしても、斜面102bに反射シートR1を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、本実施の形態では、光反射領域102cが設けられた斜面102bは後ろ斜め上方を向く。このため、光反射領域102cは上方からの太陽又は常夜灯等の光を受けることができ、強度の高い光を反射することができる。また、斜面102bは後ろ斜め上方を向くため、光反射領域102cは後方に対して光を反射することができる。一般的に魚は後方よりルアーを捕食することから、後方へ光を照射することにより、後方の魚に対して効率的にアピールすることができ、より集魚効果を高めることができる。
釣り糸が巻き取られることによりルアー1がリトリーブされている間は、ルアー1は水底よりも上方の水中を実質的に水平方向に進行する。このようなルアー1のリトリーブが中断されると、ルアー1は自重により沈降する。このとき、ルアー1は胴体部101の前側に重心があるため、胴体部101が下側に、後端部102が上側に位置する姿勢となる。このため、斜面102bが上方を向くことになり、太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。一般的に、水平に進んでいたルアーが突然下方に沈降するときに、魚がルアーを捕食することが多い。本実施の形態に係るルアー1によれば、かかる魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー1の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るルアーは、実施の形態1と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とするソフトルアーである。図7乃至10に、本実施の形態に係るルアー2の構成を示す。図7はルアー2の構成を示す側面図、図8はルアー2の構成を示す平面図、図9はルアー2の構成を示す底面図、図10はルアー2の構成を示す斜視図である。ルアー2は、全長が約100mmのパドルテール系と呼ばれる種類のルアーであり、胴体部201と、胴体部201に連結された後端部202とを有している。
胴体部201は、全長が約70mmであって、ミミズ又はゴカイ等の環形動物を模した形状を有している。即ち、胴体部201には、複数の節が前後に並べて設けられている。かかる胴体部201の前後方向と直交する断面は円形をなしている。また、胴体部201は、その後端部分以外の部分では直径が略同一であるが、後端部分では後方に向かうにしたがって直径が小さくなっている。
後端部202は、カヌー等で用いられるパドルを模した形状を有している。後端部202は長径が約30mm、短径が約20mmの楕円板であり、長軸が前後方向に延びるように胴体部201に連結されている。後端部202の周縁部は丸みを帯びた形状となっており、後端部202の前端部付近は、前方に向かうにしたがって幅が小さくなっている。また、後端部202の前端部付近は、前方に向かうにしたがって厚みが小さくなっている。即ち、後端部202の前端部付近は、前方に向かうにしたがって断面積が小さくなっている。
後端部202の上側の平面202aには、この平面202aの約80%を覆うように反射シートR2が貼り付けられている。この反射シートR2は、後端部202と略同一の形状を有し、平面202aよりも一回り小さい大きさであって、長径が約28mm、短径が約18mmである。かかる反射シートR2は、平面202aの周縁部が略均一な幅(約1mm)で露出するように、平面202aに貼り付けられる。また、反射シートR2には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、平面202aの反射シートR2が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域202bとされる。他方、後端部202の光反射領域202b以外の部分には、反射シート等の光反射部材が設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部202の光反射領域202b以外の部分は、光反射領域202bと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部201は後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっており、後端部202は前方に向かうにしたがって断面積が小さくなっている。また、後端部202は、その前側部分において胴体部201の後側部分と滑らかに連結されている。即ち、ルアー2は、胴体部201と後端部202との連結部分において、細く絞られたような形状となっている。これにより、後端部202は、この連結部分を支点として、前後方向に直交する全方向に自由に動くことができる。したがって、ルアー2が水中で移動すると、後端部202は水流の影響を受け、胴体部201との連結部分を支点として様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域202bが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー2は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域202bは、後端部202の平面202aにのみ設けられている。光反射領域202bが平坦な平面202aに設けられているため、光反射領域202bに入射した光の全体が、実質的に同じ方向へ反射される。したがって、魚の方向へ光が反射された場合には、反射光全体が魚に照射されることになる。即ち、平面202aが魚の方向に向いた場合は、光反射領域202bによって反射された光が魚へと照射され、当該魚に後端部202が光って見える。他方、平面202aが魚とは別の方向を向いた場合は、後端部202の光反射領域202b以外の部分が魚の方を向くことになり、殆ど魚に光が照射されることがない。即ち、かかる場合、当該魚には後端部202がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部202は、上述のように、ルアー2の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部202が不規則に明滅して見える。このような後端部202の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部201と後端部202とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー2を製造することができる。また、ルアー2は、胴体部201と後端部202とが一体成形されているので、胴体部201と後端部202とが分離することによるルアー2の破損が抑制される。さらに、反射シートR2の剥離等が生じたとしても、平面202aに反射シートR2を貼り付けることで、容易に修復することができる。
釣り糸が巻き取られることによりルアー2がリトリーブされている間は、ルアー2は水底よりも上方の水中を実質的に水平方向に進行する。このようなルアー2のリトリーブが中断されると、ルアー2は自重により沈降する。このとき、ルアー2は胴体部201の前側に重心があるため、胴体部201が下側に、後端部202が上側に位置する姿勢となる。ここで後端部202が波打つように動くと、平面202aが上方を向いたり、上方以外の方向を向いたりすることになる。平面202aが上方を向くと、光反射領域202bが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。一般的に、水平に進んでいたルアーが突然下方に沈降するときに、魚がルアーを捕食することが多い。本実施の形態に係るルアー2によれば、かかる魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー2の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るルアーは、上記の各実施の形態と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とする。図11乃至14に、本実施の形態に係るルアー3の構成を示す。図11はルアー3の構成を示す側面図、図12はルアー3の構成を示す平面図、図13はルアー3の構成を示す底面図、図14はルアー3の構成を示す斜視図である。ルアー3は、全長が約80mmの小魚を模した形状を有するダート系と呼ばれる種類のルアーであり、胴体部301と、胴体部301に連結された後端部302とを有している。
胴体部301は、全長が約70mmであって、魚の胴体を模した形状を有している。胴体部301の前後方向と直交する断面は、上側に1つの頂点を有し、下側に2つの頂点を有する概略二等辺三角形状をなしている。胴体部301の下面は、前後方向に平行な平面となっている。この下面は、平面視において、前側の約2分の1の範囲では略一定の幅となっており、後側の約2分の1の範囲では、後方に向かうにしたがって徐々に幅が小さくなっている。かかる胴体部301の前側の約4分の1の部分においては、後方に向かうにしたがって高さが増しており、胴体部301の後側の約4分の3の部分においては、後方に向かうにしたがって高さが減少している。
後端部302は、全長が約15mmであって、魚の尾を模した形状を有している。後端部302は、後方に向かうにしたがって高さが小さくなっている。また、後端部302は、下面302a及び斜面302bの2つの平面を有している。下面302aは、その前側において胴体部301の下面の後端と繋がっており、胴体部301の下面と同様に、前後方向と平行な平面である。また、下面302aは、後方に向かうにしたがってやや広がっている。一方、後端部302の上端の稜線は、胴体部301の上端の稜線と滑らかに接続されており、後方に向かうにしたがって高さが小さくなっている。当該後端部302の稜線の後方には、斜面302bが設けられている。斜面302bは、その後端において下面302aの後端と繋がっており、後ろ斜め上方を向くように傾斜している。かかる斜面302bは、前期稜線の後端点を頂点とする二等辺三角形をなしている。斜面302bの大きさは、高さが約15mm、底辺が約10mmである。
胴体部301と後端部302とは、ルアー3の下面の幅が最も細くなっている箇所において連結されている。即ち、胴体部301の下面は、後方に向かうにしたがって幅が小さくなっており、後端において最も幅が小さくなっている。他方、後端部302の下面302aは、前方に向かうにしたがって幅が小さくなっており、前端において最も幅が小さくなっている。
斜面302bには、斜面302bの約95%を覆うように反射シートR3が貼り付けられている。この反射シートR3は、斜面302bと略同一の形状を有し、斜面302bよりも一回り小さい大きさであって、高さが約14.8mm、底辺が約9.8mmの二等辺三角形をなしている。この反射シートR3は、斜面302bの周縁が略均一な幅(約0.1mm)で露出するように、斜面302bに貼り付けられる。また、この反射シートR3には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、斜面302bの反射シートR3が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域302cとされる。他方、後端部302の光反射領域302c以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部302の光反射領域302c以外の部分は、光反射領域302cと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部301と後端部302とは、ルアー3の下面の幅が最も小さい箇所において連結されている。また、ルアー3は、全体として後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっており、胴体部301における断面積よりも、後端部302における断面積の方が小さくなっている。このように断面積が小さい箇所の方が、断面積が大きい箇所よりも小さい力で変形することから、ルアー3は、水中で後端部302bが上下左右に揺動することとなる。これにより、光反射領域302cが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー3は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域302cは、後端部302の斜面302bにのみ設けられている。このため、斜面302bが魚の方向に向いた場合は、光反射領域302cによって反射された光が魚へと照射され、当該魚には後端部302が光って見える。他方、斜面302bが魚とは別の方向を向いた場合は、後端部302の光反射領域302c以外の部分が魚の方を向くことになり、当該魚には後端部302がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部302は、上述のように、ルアー3の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部302が不規則に明滅して見える。このような後端部302の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部301と後端部302とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー3を製造することができる。また、ルアー3は、胴体部301と後端部302とが一体成形されているので、胴体部301と後端部302とが分離することによるルアー3の破損が抑制される。さらに、反射シートR3の剥離等が生じたとしても、平面302bに反射シートR3を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、本実施の形態では、光反射領域302cが後ろ斜め上方を向く。このため、光反射領域302cは上方からの太陽又は常夜灯等の光を受けることができ、強度の高い光を反射することができる。また、光反射領域302cが後ろ斜め上方を向くため、光反射領域302cは後方に対して光を反射することができる。このため、後方の魚に対して効率的にアピールすることができ、より集魚効果を高めることができる。
また、実施の形態1と同様に、ルアー3のリトリーブが中断された場合に、ルアー3は自重により後端部302を上側にして沈降する。したがって、斜面302bが上側を向くことになり、光反射領域302cが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。そのため、魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー3の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るルアーは、上記の各実施の形態と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とするソフトルアーである。本実施の形態に係るルアーは、カーリーテール系と呼ばれる種類のルアーである。図15乃至18に、本実施の形態に係るルアー4の構成を示す。図15はルアー4の構成を示す側面図、図16はルアー4の構成を示す平面図、図17はルアー4の構成を示す底面図、図18はルアー4の構成を示す斜視図である。ルアー4は、全長が約100mmであり、胴体部401と、胴体部401に連結された後端部402とを有している。
胴体部401は、全長が約70mmであって、ミミズ又はゴカイ等の環形動物を模した形状を有している。即ち、胴体部401には、中央部分を除く前後両側において、複数の節が前後に並べて設けられている。かかる胴体部401の前後方向と直交する断面は円形をなしている。また、胴体部401は、前端から後方へ約30mmの範囲では直径が略同一であるが、それよりも後側では、後方に向かうにしたがって直径が小さくなっている。
後端部402は、平面視において渦巻状をなす平板である。かかる後端部402は、前後方向の長さが約30mm、左右方向の長さが約40mmである。後端部402は、渦の最も外側の部分において胴体部401と連結されており、渦の中心に向かうにしたがって幅が小さくなっている。
後端部402の上側の平面402aの渦の先端部分には、当該平面402aの約10%の面積の反射シートR4が貼り付けられている。また、この反射シートR4は、平面402aの渦の先端部分の形状と略同一の形状を有し、前記先端部分よりも一回り小さい大きさ(全長約10mm)である。かかる反射シートR4は、平面402aの先端部分に、周縁部が略均一な幅(約0.1mm)で露出するように貼り付けられている。また、反射シートR4には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、平面402aの反射シートR4が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域402bとされる。他方、後端部402の光反射領域402b以外の部分には、反射シート等の光反射部材が設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部402の光反射領域402b以外の部分は、光反射領域402bと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部401は後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっている。また、後端部402は、渦の外側の基端部分において胴体部401の後側部分と滑らかに連結されている。即ち、ルアー4は、胴体部401の最も細い部分において胴体部401と後端部402とが連結されている。また、後端部402は、胴体部401に比べて非常に薄い板状であり、胴体部401に比べて小さな力でも変形可能である。したがって、ルアー4が水中で移動すると、後端部402は水流の影響を受け、様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域402bが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー4は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域402bは、後端部402の平面402aの一部にのみ設けられている。このため、光反射領域402bが魚の方向に向いた場合は、光反射領域402bによって反射された光が魚へと照射され、当該魚に後端部402が光って見える。他方、光反射領域402bが魚とは別の方向を向いている場合は、後端部402の光反射領域402b以外の部分が魚の方を向くことになり、当該魚には後端部402がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部402は、上述のように、ルアー4の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部402が不規則に明滅して見える。このような後端部402の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部401と後端部402とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー4を製造することができる。また、ルアー4は、胴体部401と後端部402とが一体成形されているので、胴体部401と後端部402とが分離することによるルアー4の破損が抑制される。さらに、反射シートR4の剥離等が生じたとしても、平面402aに反射シートR4を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、実施の形態2と同様に、ルアー4のリトリーブが中断された場合に、ルアー4は自重により後端部402を上側にして沈降する。このとき、後端部402が波打つように動くことにより、平面402aが上方を向くと、光反射領域402bが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。そのため、魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー4の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5に係るルアーは、上記の各実施の形態と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とするソフトルアーである。本実施の形態に係るルアーは、クロー系と呼ばれる種類のルアーである。図19乃至22に、本実施の形態に係るルアー5の構成を示す。図19はルアー5の構成を示す側面図、図20はルアー5の構成を示す平面図、図21はルアー5の構成を示す底面図、図22はルアー5の構成を示す斜視図である。ルアー5は、全長が約85mmであり、ザリガニ又はエビ等の甲殻類エビ目に属する生物を模した形状を有するルアーであり、胴体部501と、胴体部501に連結された2つの後端部502,503とを有している。
胴体部501は、全長が約50mmであって、ザリガニ等の腹部及び頭胸部を模した形状を有している。また、胴体部501の前側の約3分の2の部分は、ザリガニ等の腹部を模した形状を有しており、断面形状が楕円形の棒状をなしている。胴体部501の後側の約3分の1の部分は、ザリガニ等の頭胸部を模した形状を有しており、触覚等が設けられている。
後端部502,503は、全長が約50mmであって、ザリガニ等の鋏脚を模した形状を有している。さらに詳しく説明すると、後端部502,503は平板状をなしており、平面視においてザリガニ等の鋏を模した略U字状の形状を有する後側部分502a,503aと、同じくザリガニ等の鋏と胴体を繋ぐ腕節を模した形状を有する前側部分502b,503bとを具備する。ここで、前側部分502b,503bの全長は約20mmであり、後側部分502a,503aの全長は約30mmである。また、前側部分502b,503bの幅は約5mm、後側部分502a,503aの幅は約20mmである。即ち、胴体部501と連結される前側部分502b,503bの幅は、先端部分である後側部分502a,503aの幅よりも小さくなっている。
後端部502,503の後側部分502a,503aの上側の平面502c,503cには、この平面502c,503cの約60%を覆うように反射シートR51,R52が貼り付けられている。反射シートR51,R52は、平面502c,503cの形状と類似した形状であり、全長が約20mm、全幅が約15mmの略U字状をなしている。即ち、反射シートR51,R52は、平面502c,503cよりも若干小さく、ルアー5の全長に対して約23%の長さを有している。かかる反射シートR51,R52は、平面502c,503cの略中央にそれぞれ貼り付けられる。また、この反射シートR51,R52には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、平面502c,503cの反射シートR51,R52が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域502d,503dとされる。他方、後端部502,503の光反射領域502d,503d以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部502,503の光反射領域502d,503d以外の部分は、光反射領域502d,503dと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
ここで、後端部502は、その前側部分502bにおいて、胴体部501の進行方向へ向かって右側の側面に滑らかに連結されている。また、後端部503は、その前側部分503bにおいて、胴体部501の進行方向へ向かって左側の側面に滑らかに連結されている。ここで、後端部502,503の前側部分502b,503bは、上述のように、後側部分502a,503aと比較して幅が小さくなっている。このため、後端部502,503は、前側部分502b,503bにおいて容易に屈曲し、様々な方向に自由に動くことができる。また、後端部502,503は、胴体部501に比べて非常に薄い板状であり、胴体部501に比べて小さな力でも変形可能である。したがって、ルアー5が水中で移動すると、後端部502,503は水流の影響を受け、様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域502d,503dが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー5は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域502d,503dは、後端部502,503の平面502c,503cにのみ設けられている。このため、光反射領域502d,503dが魚の方向に向いた場合は、光反射領域502d,503dによって反射された光が魚へと照射され、当該魚に後端部502,503が光って見える。他方、光反射領域502d,503dが魚とは別の方向を向いている場合は、後端部502の光反射領域502d,503d以外の部分が魚の方に向くことになり、当該魚には後端部502,503がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部502,503は、上述のように、ルアー5の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部502,503が不規則に明滅して見える。このような後端部502,503の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、ルアー5は、後端部502,503に個別に光反射領域502d,503dが設けられており、後端部502,503は個別に自由に動くことができる。このため、上述のような明滅が、後端部502,503のそれぞれにおいて個別に生じる。したがって、ルアー5は、魚に対してより強くアピールすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部501と後端部502,503とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー5を製造することができる。また、ルアー5は、胴体部501と後端部502,503とが一体成形されているので、胴体部501と後端部502,503とが分離することによるルアー5の破損が抑制される。さらに、反射シートR51,R52の剥離等が生じたとしても、平面502c,503cに反射シートR51,R52を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、実施の形態2と同様に、ルアー5のリトリーブが中断された場合に、ルアー5は自重により後端部502,503を上側にして沈降する。このとき、後端部502,503が波打つように動くことにより、平面502c,503cが上方を向くと、光反射領域502d,503dが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。そのため、魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー5の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態6)
実施の形態6に係るルアーは、上記の各実施の形態と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とするソフトルアーである。本実施の形態に係るルアーは、リザード系と呼ばれる種類のルアーである。図23乃至26に、本実施の形態に係るルアー6の構成を示す。図23はルアー6の構成を示す側面図、図24はルアー6の構成を示す平面図、図25はルアー6の構成を示す底面図、図26はルアー6の構成を示す斜視図である。ルアー6は、全長が約150mmであり、ヤモリ又はトカゲ等の小動物を模した形状を有するルアーであり、胴体部601と、胴体部601に連結された後端部602と、胴体部601の側面に連結された4つの脚部603,604,605,606とを有している。
胴体部601は、全長が約100mmであって、ヤモリ又はトカゲ等の小動物の頭部及び胴部を模した形状を有している。4つの脚部603〜606のうち、2つの脚部603,605は、小動物の前脚に相当し、胴体部601の前側部分の両側面に連結されている。他の2つの脚部脚部604,606は、小動物の後脚に相当し、胴体部601の後側部分の両側面に連結されている。胴体部601の腹部を模した部分は、断面形状が楕円形であり、頭部から前後方向の中央部分までの範囲において厚くなっており、前後方向中央から後方に向かうにしたがって厚みが小さくなっている。
後端部602は、全長が約50mmであって、ヤモリ又はトカゲ等の小動物等の尾を模した形状を有している。さらに詳しく説明すると、後端部602は平板状をなしており、平面視において略J字状をなしている。この後端部602は、先端に向かうにしたがって徐々に幅が小さくなっている。また、ルアー6は、平面視において尾の根元部分が細くなっている。即ち、後端部602は、胴体部601と連結される基端部において細くなっている。
後端部602の上側の平面602aの尾の先端部分には、当該平面602aの約20%の面積の反射シートR6が貼り付けられている。反射シートR6は、平面602aの尾の先端部分の形状と類似した形状であり、全長が約20mmの湾曲した棒状をなしている。即ち、反射シートR6は、平面602aの尾の先端部分よりも若干小さく、ルアー6の全長に対して約13%の長さを有している。この反射シートR6には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、平面602aの反射シートR6が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域602bとされる。他方、後端部602の光反射領域602b以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部602の光反射領域602b以外の部分は、光反射領域602bと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
脚部603〜606は、全長が約20mmの平板であって、ヤモリ又はトカゲ等の小動物の脚を模した形状を有している。具体的には、脚部603〜606は、平面視において釣り針状の平板であって、上述したように胴体部601の側面と連結されている。ここで、脚部603,604,605,606の上側の平面603a,604a,605a,606aの先端部分には、平面603a〜606aそれぞれの約20%の面積の反射シートR61,R62,R63,R64が貼り付けられている。反射シートR61〜R64は、平面603a〜606aの先端部分の形状と類似した形状であり、全長が約10mmの湾曲した棒状をなしている。即ち、反射シートR61〜R64は、平面603a〜606aの先端部分よりも若干小さく、ルアー6の全長に対して約7%の長さを有している。また、反射シートR61〜R64には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。このような反射シートR61〜R64が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域603b,604b,605b,606bとされる。他方、脚部603〜606の光反射領域603b〜606b以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、脚部603〜606の光反射領域603b〜606b以外の部分は、光反射領域603b〜606bと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部601は前後方向中央部分から後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっている。また、後端部602は、基端部分において胴体部601の後側部分と滑らかに連結されている。即ち、ルアー6は、胴体部601の最も細い部分において胴体部601と後端部602とが連結されている。また、また、後端部602は、胴体部601に比べて非常に薄い板状であり、胴体部601に比べて小さな力でも変形可能である。同様に、脚部603〜606も、胴体部601に比べて非常に薄い板状であり、胴体部601に比べて小さな力でも変形可能である。したがって、ルアー6が水中で移動すると、後端部602及び脚部603〜606は水流の影響を受け、様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域602b,603b,604b,605b,606bが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー6は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域602bは、後端部602の平面602aの一部にのみ設けられている。このため、光反射領域602bが魚の方向に向いた場合は、光反射領域602bによって反射された光が魚へと照射され、当該魚に後端部602が光って見える。他方、光反射領域602bが魚とは別の方向を向いている場合は、後端部602の光反射領域602b以外の部分が魚の方に向くことになり、当該魚には後端部602がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部602は、上述のように、ルアー6の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部602が不規則に明滅して見える。このような後端部602の不規則な明滅が魚を刺激するため、集魚効果を高めることができる。脚部603〜606に設けられた光反射領域603b〜606bについても同様である。
また、本実施の形態では、後端部602及び脚部603〜606に個別に光反射領域602b〜606bが設けられており、後端部602及び脚部603〜606は個別に自由に動くことができる。このため、上述のような明滅が、後端部602及び脚部603〜606のそれぞれにおいて個別に生じる。したがって、魚に対してより強くアピールすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部601、後端部602、及び脚部603〜606が一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー6を製造することができる。また、ルアー6は、胴体部601、後端部602、及び脚部603〜606が一体成形されているので、胴体部601と後端部602及び脚部603〜606とが分離することによるルアー6の破損が抑制される。さらに、反射シートR6,R61〜R64の剥離等が生じたとしても、平面602a〜606aに反射シートR6,R61〜R64を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、実施の形態2と同様に、ルアー5のリトリーブが中断された場合に、ルアー5は自重により後端部602を上側にして沈降する。このとき、後端部602が波打つように動くことにより、平面602aが上方を向くと、光反射領域602bが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。また、脚部603〜606も波打つように動くと、平面603a〜606aが断続的に上方を向くことになり、その都度光反射領域603b〜606bが太陽又は常夜灯の光を受ける。そのため、魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー6の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態7)
実施の形態7に係るルアーは、上記の各実施の形態と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とするソフトルアーである。本実施の形態に係るルアーは、ツインテール系と呼ばれる種類のルアーである。図27乃至30に、本実施の形態に係るルアー7の構成を示す。図27はルアー7の構成を示す側面図、図28はルアー7の構成を示す平面図、図29はルアー7の構成を示す底面図、図30はルアー7の構成を示す斜視図である。ルアー7は、その全長が約75mmであり、胴体部701と、胴体部701に連結された2つの後端部702,703とを有している。
胴体部701は、全長が約50mmであって、ミミズ又はゴカイ等の環形動物を模した形状を有している。即ち、胴体部701には、複数の節が前後に並べて設けられている。かかる胴体部701の前後方向と直交する断面は円形をなしている。また、胴体部701は、その前端部分及び後端部分以外の部分では直径が略同一であるが、後端部分では後方に向かうにしたがって直径が小さくなっている。
後端部702,703それぞれは、平面視において渦巻状をなす平板である。進行方向に向かって右側の後端部702は、右から左へと湾曲する渦巻状をなし、進行方向に向かって左側の後端部703は、左から右へと湾曲する渦巻状をなしている。かかる後端部702,703は、前後方向の長さが約25mm、左右方向の長さが約20mmである。また、後端部702,703は、渦の最も外側の部分において胴体部701と連結されており、渦の中心に向かうにしたがって幅が小さくなっている。
後端部702,703の上側の平面702a,703aの渦の先端部分には、各平面702a,703aの約30%の面積の反射シートR71,R72がそれぞれ貼り付けられている。反射シートR71,R72は、平面702a,703aの渦の先端部分の形状と略同一の形状を有し、前記先端部分よりも一回り小さい大きさ(全長約10mm)である。かかる反射シートR71,R72には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、平面702a,703aの反射シートR71,R72が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域702b,703bとされる。他方、後端部702,703の光反射領域702b,703b以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部702,703の光反射領域702b,703b以外の部分は、光反射領域702b,703bと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部701は後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっている。また、後端部702,703は、渦の外側の基端部分において胴体部701の後側部分と滑らかに連結されている。即ち、ルアー7は、胴体部701の最も細い部分において胴体部701と後端部702,703とが連結されている。また、後端部702,703は、胴体部701に比べて非常に薄い板状であり、胴体部701に比べて小さな力でも変形可能である。したがって、ルアー7が水中で移動すると、後端部702,703は水流の影響を受け、様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域702b,703bが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー7は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域702b,703bは、後端部702,703の平面702a,703aそれぞれの一部にのみ設けられている。このため、光反射領域702b,703bが魚の方向に向いた場合は、光反射領域702b,703bによって反射された光が魚へと照射され、当該魚に後端部702,703が光って見える。他方、光反射領域702b,703bが魚とは別の方向を向いている場合は、後端部702,703の光反射領域702b,703b以外の部分が魚の方に向くことになり、当該魚には後端部702,703がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部702,703は、上述のように、ルアー7の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部702,703が不規則に明滅して見える。このような後端部702,703の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、ルアー7は、後端部702,703に個別に光反射領域702b,703bが設けられており、後端部702,703は個別に自由に動くことができる。このため、上述のような明滅が、後端部702,703のそれぞれにおいて個別に生じる。したがって、ルアー7は、魚に対してより強くアピールすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部701と後端部702,703とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー7を製造することができる。また、ルアー7は、胴体部701と後端部702,703とが一体成形されているので、胴体部701と後端部702,703とが分離することによるルアー7の破損が抑制される。さらに、反射シートR71,R72の剥離等が生じたとしても、平面702a,703aに反射シートR71,R72を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、実施の形態2と同様に、ルアー7のリトリーブが中断された場合に、ルアー7は自重により後端部702,703を上側にして沈降する。このとき、後端部702,703が波打つように動くことにより、平面702a,703aが上方を向くと、光反射領域702b,703bが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。そのため、魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー7の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(実施の形態8)
実施の形態8に係るルアーは、上記の各実施の形態と同様にゴム弾性を有する合成樹脂等の軟質材料を主材とするソフトルアーである。本実施の形態に係るルアーは、バジングフロッグテール系と呼ばれる種類のルアーである。図31乃至35に、本実施の形態に係るルアー8の構成を示す。図31はルアー8の構成を示す側面図、図32はルアー8の構成を示す平面図、図33はルアー8の構成を示す底面図、図34はルアー8の構成を示す背面図、図35はルアー8の構成を示す斜視図である。ルアー8は、その全長が約115mmであり、カエルを模した形状を有するルアーであり、胴体部801と、胴体部801に連結された後端部802,803とを有している。
胴体部801は、全長が約80mmであって、カエルの頭部及び腹部を模した形状を有している。また、胴体部801は、前後方向と直交する断面が略楕円形状をなしており、前端部分においては前方に向かうにしたがって断面積が小さくなっており、後端部分においては後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっている。
後端部802,803は、全長が約35mmであって、カエルの後脚を模した形状を有している。さらに詳しく説明すると、後端部802,803は、脚の末端部(足底部)802a,803aと、末端部802a,803aを胴体部801と連結する連結部802b,803bとを具備している。連結部802b,803bは、胴体部801に比べて薄い平板状をなしている。また、末端部802a,803aは、上下方向に立設された略楕円板状をなしており、連結部802b,803bの先端に繋がっている。末端部802aは、左斜め後方を向く平面802cを有し、末端部803aは、右斜め後方を向く平面803cを有している。かかる平面802c,803cは、長軸が横方向に延びる楕円形状をなしており、長軸方向の長さが約20mm、短軸方向(上下方向)の長さが約10mmの大きさを有している。また、平面802c,803cには、当該平面それぞれの約85%の面積を有する反射シートR81,R82が貼り付けられている。反射シートR81,R82は、平面802c,803cの形状と略同一の形状であって、長軸が約19mm、短軸が約9mmの大きさを有している。また、反射シートR81,R82それぞれは、各平面802c,803cの略中央に貼り付けられる。かかる反射シートR81,R82には、表面に光沢を有し、高い反射率を有するアルミ箔等のシート材料が用いられている。ここで、平面802c,803cの反射シートR81,R82が貼り付けられた領域は、光を反射する光反射領域802d,803dとされる。他方、後端部802,803の光反射領域802d,803d以外の部分には、反射シート等の光反射部材は設けられておらず、軟質材料がそのまま露出している。このため、後端部802,803の光反射領域802d,803d以外の部分は、光反射領域802d,803dと比較して、反射率が大幅に低くなっている。
上述のように、胴体部801は後方に向かうにしたがって断面積が小さくなっており、後端部802,803の連結部802b,803bは薄い平板状である。また、後端部802,803は、当該連結部802b,803bにおいて胴体部801の後側と滑らかに連結されている。即ち、ルアー8は、胴体部801の最も細い部分において胴体部801と後端部802,803とが連結されている。また、連結部802b,803bは、胴体部801に比べて非常に薄い板状であり、胴体部801に比べて小さな力でも変形可能である。したがって、ルアー8が水中で移動すると、後端部802,803は水流の影響を受け、連結部802b,803bが上下左右に屈曲して様々な方向に振れながら動く。これにより、光反射領域802d,803dが様々な方向を向くこととなり、様々な方向に対して光が反射される。その結果、ルアー8は、広い範囲の魚に対して光によるアピールをすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、光反射領域802d,803dは、後端部802,803の平面802c,803cにのみ設けられている。このため、光反射領域802d,803dが魚の方向に向いた場合は、光反射領域802d,803dによって反射された光が魚へと照射され、当該魚に後端部802,803が光って見える。他方、光反射領域802d,803dが魚とは別の方向を向いている場合は、後端部802,803の光反射領域802d,803d以外の部分が魚の方に向くことになり、当該魚には後端部802,803がほとんど光っていないように見える。ここで、後端部802,803は、上述のように、ルアー8の水中での移動に伴って様々な方向にランダムに振れながら動く。このため、魚には、後端部802,803が不規則に明滅して見える。このような後端部802,803の不規則な明滅が魚を刺激し、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、ルアー8は、後端部802,803に個別に光反射領域802d,703dが設けられており、後端部802,803は個別に自由に動くことができる。このため、上述のような明滅が、後端部802,803のそれぞれにおいて個別に生じる。したがって、ルアー8は、魚に対してより強くアピールすることができ、集魚効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1のルアー1と同様に、胴体部801と後端部802,803とが一体成形されている。このため、複数の部品を結合するような複雑な製造工程を必要とせず、容易にルアー8を製造することができる。また、ルアー8は、胴体部801と後端部802,803とが一体成形されているので、胴体部801と後端部802,803とが分離することによるルアー8の破損が抑制される。さらに、反射シートR81,R82の剥離等が生じたとしても、平面802c,803cに反射シートR81,R82を貼り付けることで、容易に修復することができる。
また、実施の形態1と同様に、ルアー8のリトリーブが中断された場合に、ルアー8は自重により後端部802,803を上側にして沈降する。したがって、平面802c,803cが上側を向くことになり、光反射領域802d,803dが太陽又は常夜灯の光を受けやすくなる。そのため、魚の捕食の可能性が高い状態のときに、ルアー8の後方、即ち上方から追ってきた魚に対して光の照射及び非照射を繰り返すことで効率的に魚にアピールすることができ、より一層集魚効果を高めることができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記の各実施の形態においては、反射シートを後端部の表面に貼り付ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。反射シートを端部に埋め込む等の他の方法により後端部に光反射領域を設ける構成としてもよい。図36は、反射シートを後端部に埋設することにより光反射領域を設けたルアーの構成を示す斜視図である。当該ルアー9は、実施の形態1に係るルアー1と略同様の形状のルアーであり、透光性を有する軟質材料により胴体部901及び後端部902が構成されている。かかるルアー9の後端部902の斜面902bの近傍には、反射シートR9が埋設されている。さらに具体的に説明すると、反射シートR9は、後端部902の斜面902bと平行となるように、斜面902bから約0.5mmの深さに埋め込まれている。このように構成されたルアー9では、斜面902bの反射シートR9と最も距離が近い領域が光反射領域902cとされる。この光反射領域902cに光が入射すると、後端部902の0.5mmの厚さの部分を光が透過して反射シートR9に到達し、反射シートR9から反射された光が後端部902の光反射領域902cから出射される。
また、上記の各実施の形態においては、光反射領域以外の部分には、光を反射する領域を設けない構成について述べたが、これに限定されるものではない。胴体部と端部とが一体成形されたルアーの端部に光反射領域が設けられており、端部の光反射領域以外の部分が光反射領域における光の反射率よりも低い反射率を有していれば、他の部分に光を反射する領域が設けられていてもよい。例えば、光反射領域よりも大幅に小さいアルミシート材の小片が多数練り込まれた、透光性を有する軟質合成樹脂により胴体部と端部とを一体成形し、端部に光反射領域を設ける構成とすることもできる。
また、光反射領域の大きさ及び形状を調節可能な構成とすることもできる。例えば、大きさ、形状、色、光の反射率等が異なる複数の反射シートを添付してソフトルアーを販売し、ユーザがソフトルアーを使用する際に、ユーザが好みの反射シートをソフトルアーの後端部に貼り付けて使用する構成としてもよい。かかる構成において、ソフトルアーを使用した結果反射シートが外れてしまった場合に、ユーザが、外れた反射シートと大きさ、形状、色が同一の反射シートをソフトルアーの後端部に貼り付けて、同一のソフトルアーを再生することもできるし、外れた反射シートと大きさ、形状、色が異なる反射シートをソフトルアーの後端部に貼り付けて、以前とは異なる構成のソフトルアーとして再生することもできる。
また、反射シートをソフトルアーの後端部に着脱可能な構成としてもよい。例えば、反射シートの裏面に接着剤を塗布しておき、当該接着剤を後端部から分離可能な程度の接着強度のものとすることができる。また他の例では、後端部に反射シート挿入用の切り込みを設け、この切り込みに反射シートを挿入することで、光反射領域を形成させる構成とすることもできる。このように反射シートを後端部に着脱可能とすることにより、ユーザが反射シートを自由に取り替えることが可能となる。即ち、大きさ、形状、色、光の反射率等が異なる複数の反射シートを添付してソフトルアーを販売し、ユーザがソフトルアーを使用する際に、ユーザが好みの反射シートをソフトルアーの後端部の切り込みに装着して使用することができる。この場合、ユーザはその日、時刻、場所、気温、天候等に応じて、自由に反射シートを取り替えることが可能となる。
また、上記の各実施の形態においては、後端部に反射シートを取り付けることで、光反射領域を形成する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ソフトルアーの後端部に光反射性を有する塗料を塗布して光反射領域を形成してもよい。
また、上記の各実施の形態においては、光反射領域を後端部に設け、この光反射領域において光を反射することにより、光を照射する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ルアーの後端部に発光する発光領域を設け、この発光領域から光を照射する構成としてもよい。例えば、蛍光又は燐光を発する発光シート部材を後端部に貼付し、この発光シート部材を取り付けた領域を発光領域としてもよいし、蛍光塗料又は燐光塗料を後端部の一部に塗布し、かかる塗料を塗布した領域を発光領域としてもよい。