JP5131302B2 - 回転制御装置 - Google Patents

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本発明は、複数ローラの回転を制御する回転制御装置に関する。
従来、複数ローラの回転を制御する回転制御装置としては、用紙を搬送する複数ローラを単一モータで駆動する装置が知られている。この他、従来装置としては、搬送ローラ及び排紙ローラの夫々にエンコーダを備えて、各エンコーダから入力されるエンコーダ信号に基づき、各ローラの回転位置を検出し、この検出結果に基づいて、用紙の搬送制御を行うインクジェットプリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。エンコーダを搬送ローラ及び排紙ローラの両者に設けるのは、ふちなし印刷などの際に、搬送ローラから外れて排紙ローラのみで搬送される用紙の後端領域にムラのない高品質な画像を形成するためである。高品質な画像を形成するためには、用紙を高精度に搬送する必要がある。一方、排紙ローラで搬送される用紙の搬送制御を、搬送ローラに取り付けられたエンコーダを用いて行う場合には、制御精度に限界がある。このため、エンコーダを各ローラに設けて、用紙位置に応じて搬送制御に用いるエンコーダを切り替えることにより、特に用紙後端領域の高精度な搬送制御を実現するのである。
ところで、コギングや偏心等を原因とする周期外乱の影響を考慮して、モータに対する操作量を補正するには、例えば、駆動対象の絶対位置(回転角)を把握する必要がある。しかしながら、インクリメンタル型のエンコーダを用いた回転位置検出では、何ら工夫をしなければ、初期位置からの回転量を検出することができるのみで、駆動対象の絶対位置(回転角)を把握することができない。そこで、搬送ローラに取り付けるエンコーダのスリット数L1と、排紙ローラに取り付けるエンコーダのスリット数L2と、搬送ローラと排紙ローラとの回転比R1:R2とを、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素となるように設定することが提案されている。
回転比がR1:R2である場合には、搬送ローラがR1周し排紙ローラがR2周する期間毎に、搬送ローラ及び排紙ローラの回転角の組合せが一周するが、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素となるようにスリット数L1,L2及び回転比R1:R2を設定し、エンコーダ取付時にスリット位置を調整すると、搬送ローラがR1周し排紙ローラがR2周する期間中に一度のみエンコーダの夫々から出力されるエンコーダ信号の立上りエッジが揃うように、各エンコーダを配置することができる。そして、エンコーダ信号の立上りエッジが揃うタイミングでは、搬送ローラ及び排紙ローラの回転角の組合せが特定値を採る。よって、エンコーダの夫々から出力されるエンコーダ信号の立上りエッジが揃うタイミングを基準にして各ローラの回転位置を特定すれば、搬送ローラ及び排紙ローラの絶対位置(回転角)を特定することができ、周期外乱による影響を抑えて、高精度な回転制御が実現できるのである。
特開2008−280108号公報
しかしながら、特許文献1記載のような従来技術では、次のような問題があった。即ち、搬送ローラがR1周し排紙ローラがR2周する期間でエンコーダの夫々から出力されるエンコーダ信号の立上りエッジが揃うように、スリット位置を正確に揃えて、各エンコーダを取り付ける必要があり、取付作業が煩雑であるといった問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、エンコーダ取付時にスリット位置を高精度に調整しなくても、ローラの絶対位置(回転角)を特定可能な技術を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明の回転制御装置は、第一及び第二のローラと、駆動手段と、第一及びのエンコーダと、制御手段と、を備える。駆動手段は、第一及び第二のローラを回転駆動する手段であり、第一及び第二のローラに共通して設けられる。一方、第一のエンコーダは、インクリメンタル型エンコーダであり、第一のローラと同期して回転する第一の回転板を有し、第一の回転板に形成されたスリットを読み取って、読取結果に応じた第一のエンコーダ信号を出力する。また、第二のエンコーダは、インクリメンタル型エンコーダであり、第二のローラと同期して回転する第二の回転板を有し、第二の回転板に形成されたスリットを読み取って、読取結果に応じた第二のエンコーダ信号を出力する。この第一の回転板のスリット数L1及び第二の回転板のスリット数L2及び第一のローラと第二のローラとの回転比R1:R2は、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素となるように設定されている。
制御手段は、第一及び第二のエンコーダ信号に基づき、駆動手段を通じて、第一及び第二のローラの回転を制御するものであり、原点位置設定手段を有する。原点位置設定手段は、駆動手段を通じ、第一及び第二のローラを、少なくとも第一のローラがR1周し第二のローラがR2周する周期である特定周期分回転させて、この回転によって出力される第一及び第二のエンコーダ信号に基づき、特定周期において第一及び第二のエンコーダ信号が特定状態を採る時点を、当該特定周期内の他の時点における第一及び第二のエンコーダ信号の状態と比較することにより特定する。そして、この時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する。制御手段は、原点位置設定手段によって原点位置が設定されると、原点位置を基準にして、第一及び第二のエンコーダ信号に基づき、第一及び第二のローラの回転位置を特定し、第一及び第二のローラの回転を制御する。
この回転制御装置によれば、第一の回転板のスリット数L1及び第二の回転板のスリット数L2及び第一のローラと第二のローラとの回転比R1:R2が、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素となるように設定されているので、第一のエンコーダ信号及び第二のエンコーダ信号を組み合わせた信号(以下、「組合せ信号」という。)は、第一のローラがR1周し第二のローラがR2周する周期である特定周期において周期性のないパターンを採る。このため、従来技術のように各エンコーダ信号の立上りエッジが揃うようにエンコーダを設置しなくても、特定周期において第一及び第二のエンコーダ信号が特定状態を採る時点を、当該特定周期内の他の時点における第一及び第二のエンコーダ信号の状態と比較することにより特定すれば、第一及び第二のローラについての回転角の組合せが一定となるような、第一及び第二のエンコーダ信号(組合せ信号)が特定状態を採る時点を検出することができる。
従って、この手法により組合せ信号が特定状態を採る時点を特定し、この時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定するように回転制御装置を構成すれば、従来技術のように、各ローラに取り付けるエンコーダのスリットを正確に揃えなくとも、各ローラの絶対位置(回転角)を正確に特定可能に、回転制御装置を構成することができる。結果、本発明によれば、エンコーダ設置時の手間を抑えて、各ローラの絶対位置(回転角)を正確に特定可能な回転制御装置を構成することができる。
尚、原点位置設定手段は、第一のエンコーダ信号と第二のエンコーダ信号との差分信号が上記特定周期において特定状態を採る時点を、当該特定周期内の他の時点における上記差分信号の状態と比較することにより特定し、この時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する構成にすることができる。具体的に、原点位置設定手段は、第一のエンコーダ信号と第二のエンコーダ信号との差分信号を生成して、この差分信号に基づき、差分信号が特定状態を採る第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する構成にされてもよいし、差分信号を生成せずに当該差分信号の特徴量(物理量)を、第一及び第二のエンコーダ信号に基づき計測して、この計測結果に基づき、差分信号が特定状態を採る第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する構成にされてもよい。
具体的に、差分信号の特徴量としては、差分信号に含まれる正パルス又は負パルスのパルス幅を計測することができる。正パルス又は負パルスのパルス幅は、差分信号を生成しなくても、第一及び第二のエンコーダ信号のエッジ間隔を計測することにより間接的に計測可能である。尚、ここで言う「正パルス」とは、振幅が正であるパルスのことであり、「負パルス」とは、振幅が負であるパルスのことである。
即ち、原点位置設定手段は、差分信号に含まれる正パルス及び負パルスの内、予め定められた一方のパルスである特定種パルスのパルス幅を計測するパルス幅計測手段を有した構成にすることができる。更に、原点位置設定手段は、このパルス幅計測手段の計測結果に基づき、上記特定周期の差分信号に含まれる特定種パルス群の内、パルス幅が所定順位の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を、「第一及び第二のエンコーダ信号が特定状態を採る時点での第一及び第二のローラの回転位置」として検出して、原点位置に設定する構成にすることができる。
上記差分信号は、上記特定周期において周期性を示さないので、この特定周期においてパルス幅が所定順位の特定種パルスが生じる第一及び第二のローラの絶対位置(各ローラの回転角の組合せ)は一定に定まる。よって、このように原点位置設定手段を構成して原点位置を設定すれば、エンコーダ取付時にスリット位置を調整しなくても、原点位置を基準に、各ローラの絶対位置を特定することができて、回転制御の精度が向上する。特に、上記原点位置設定手段は、パルス幅が所定順位の特定種パルスとして、パルス幅が最大又は最小の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する構成にすることができる。この構成を採用すれば原点位置の設定に必要な処理内容を簡単にすることができる。
具体的に、パルス幅が最大又は最小の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する場合、原点位置設定手段は、記憶手段及び更新手段を備えて、更新手段により、記憶手段が記憶するパルス幅及び回転位置と、パルス幅計測手段により計測された最新のパルス幅及び回転位置とを比較し、この比較結果に従い記憶手段が記憶するパルス幅及び回転位置を更新し、この更新動作によって、記憶手段に、パルス幅が最大又は最小の回転位置が最終的に記憶保持されるようにすることができる。
即ち、記憶手段は、第一及び第二のローラの少なくとも一方の初期位置を基準とした回転位置であって特定種パルスの発生時点での回転位置、及び、パルス幅計測手段によって計測された当該特定種パルスのパルス幅を記憶する構成にすることができる。一方、更新手段は、記憶手段が記憶するパルス幅とパルス幅計測手段により計測された最新のパルス幅との大小関係が所定条件を満足する場合には、記憶手段が記憶する回転位置及びパルス幅を、最新のパルス幅が計測された特定種パルスの発生時点での回転位置(上記初期位置を基準とした回転位置)、及び、当該最新のパルス幅に更新する構成にすることができる。また、原点位置設定手段は、駆動手段を通じて、第一及び第二のローラを少なくとも特定周期分回転させることにより生じる上記更新手段の動作によって、この回転後に記憶手段が保持している回転位置を、原点位置に設定する構成にすることができる。このように原点位置設定手段を構成すれば、パルス幅が最大又は最小の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定することができる。
この他、パルス幅が最大又は最小の特定種パルスに限らず、パルス幅が所定順位の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する場合には、原点位置設定手段を次のように構成することができる。即ち、原点位置設定手段は、特定周期の間に生じた特定種パルスの夫々について、第一及び第二のローラの少なくとも一方の当該特定種パルスの発生時点での回転位置(初期位置を基準とした回転位置)、及び、パルス幅計測手段によって計測された当該特定種パルスのパルス幅を記憶する記憶手段を備え、記憶手段が記憶するパルス幅及び回転位置に基づき、特定周期の間に生じた特定種パルスの一群の内、記憶手段が記憶するパルス幅が所定順位の特定種パルスについて記憶手段が記憶する回転位置を、原点位置に設定する構成にすることができる。
このように原点位置設定手段を構成すれば、記憶手段の必要記憶容量が大きくなるものの、パルス幅が最大又は最小以外の任意の順位の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定することができる。
この他、上記パルス幅は、各ローラの回転速度の変動による影響で変化する。従って、原点位置設定手段は、第一及び第二のローラが定速回転するように、駆動手段を通じて第一及び第二のローラの回転を制御し、この回転制御時に出力された第一及び第二のエンコーダ信号を用いて、原点位置を設定する構成にされるか、パルス幅を速度変動に応じて補正する構成にされるのが好ましい。
即ち、原点位置設定手段は、少なくとも第一のエンコーダ信号及び第二のエンコーダ信号のいずれか一方のエンコーダ信号に基づき、第一及び第二のローラの回転速度を計測する速度計測手段と、速度計測手段による速度計測結果に基づき、パルス幅計測手段により計測されたパルス幅を補正する補正手段と、を備えた構成にすることができる。具体的に、補正手段は、速度計測手段による計測結果に基づき、パルス幅計測手段により計測されたパルス幅の夫々に対し、当該パルス幅に対応する特定種パルスの発生時点での回転速度に比例する補正係数を作用させることによって、パルス幅の夫々を、回転速度が一定である時に得られるパルス幅に対応した値に補正する構成にすることができる。
このようにパルス幅を補正すれば、第一及び第二のローラを定速回転させることなく、原点位置を正しく設定することができる。但し、第一及び第二のローラを定速回転させる場合でも、実制御では誤差を伴うので、誤差の影響を抑えるために、パルス幅計測手段により計測されたパルス幅を上記手法で補正してもよい。
また、パルス幅計測手段によるパルス幅の計測誤差に起因して、原点位置が誤った位置に設定される可能性もあるので、原点位置設定手段は、パルス幅計測手段によって計測された所定順位のパルス幅と隣接順位のパルス幅との差分、及び、パルス幅の計測誤差に基づき、計測されたパルス幅に基づく原点位置の設定が適切であるか否かを判断する適否判断手段を備えた構成にされるのが好ましい。
更に、原点位置設定手段は、適否判断手段により原点位置の設定が適切であると判断された場合には、計測されたパルス幅に基づき原点位置の設定を行う一方、適否判断手段により適切ではない判断された場合には、駆動手段を通じて、第一及び第二のローラを、今回パルス幅の計測に用いた第一及び第二のエンコーダ信号の出力時における第一及び第二のローラの回転速度よりも低い回転速度で回転させることによって、再度、回転により出力される第一及び第二のエンコーダ信号に基づいてパルス幅計測手段が計測したパルス幅を取得する構成にされるとよい。
回転速度を遅くすると、原点位置の設定に必要な時間が長くなるが、回転速度を速くすると、計測対象のパルス幅が短くなることに伴って、パルス幅の計測誤差の影響を受け易くなり、場合によっては、計測値ではパルス幅が所定順位の特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定しても、実際には、パルス幅が所定順位ではない特定種パルスが生じた時点での第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定してしまう可能性が生じる。
従って、上記適否判断手段により適否を判断し、必要に応じて第一及び第二のローラの回転速度を遅くすれば、正確且つ効率的に原点位置を設定することができる。尚、このような原点位置設定手段の構成は、パルス幅計測手段が、アナログ−ディジタル変換器により所定サンプリング周期でサンプリングされたディジタル変換後のエンコーダ信号に基づきパルス幅を計測する構成である場合に特に有効である。この場合、適否判断手段は、パルス幅計測手段によって計測された所定順位のパルス幅と隣接順位のパルス幅との差分、及び、パルス幅の計測誤差としての上記サンプリング周期に基づき、計測されたパルス幅に基づく原点位置の設定が適切であるか否かを判断する構成にすることができる。
また、上述した発明は、第一のローラが搬送経路上流から供給されたシートを下流に搬送する搬送ローラであり、第二のローラが第一のローラから搬送されてくるシートを下流へと搬送する第一のローラよりも搬送経路下流に設けられた搬送ローラであり、制御手段が、駆動手段を通じた第一及び第二のローラの回転制御によって、シートを搬送経路の上流から下流へ搬送する、例えば、シート搬送用の回転制御装置に適用することができる。上記発明を、シート搬送用の回転制御装置に適用すれば、シートの搬送制御を精度よく実現することができる。
画像形成装置1の構成を表すブロック図である。 画像形成装置1の機械的構成を表す断面図である。 用紙搬送制御部70の構成を表すブロック図である。 主原点設定部777が実行する処理を表すフローチャートである。 差分信号及び正パルスのパルス幅Yを示すタイムチャートである。 速度変動がない時の正パルスのパルス幅Zを示すタイムチャートである。 第二実施例の原点設定部78の構成を表すブロック図である。 主原点設定部787が実行する処理を表すフローチャートである。 第三実施例の原点設定部79の構成を表すブロック図である。 主原点設定部791が実行する処理を表すフローチャートである。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
<第一実施例>
本実施例の画像形成装置1は、インクジェットプリンタであり、図1に示すように、給紙機構10と、用紙搬送機構20と、印字機構30と、装置全体を統括制御する制御部50と、給紙機構10に動力を付与する直流モータであるASFモータM1と、ASFモータM1を駆動する駆動回路DR1と、用紙搬送機構20に動力を付与する直流モータであるLFモータM2と、LFモータM2を駆動する駆動回路DR2と、印字機構30に動力を付与する直流モータであるCRモータM3と、CRモータM3を駆動する駆動回路DR3と、記録ヘッド31を駆動する駆動回路DR4と、を備える。
給紙機構10は、図2に示すように、給紙トレイ101に収容された用紙Pを一枚ずつ分離して用紙搬送機構20に供給するものであり、複数枚の用紙Pが積層された給紙トレイ101と、給紙トレイ101最上部の用紙Pに当接される給紙ローラ103と、給紙ローラ103の回転に伴ってエンコーダ信号を出力するロータリエンコーダ105と、を備える。給紙機構10は、ASFモータM1の動力を受ける給紙ローラ103の回転により、給紙トレイ101最上部の用紙Pを分離し、これを用紙搬送機構20に繋がる用紙搬送路に送出する。用紙搬送機構20に繋がる用紙搬送路は、Uターンパス111等から構成され、給紙トレイ101から送出される用紙Pは、Uターンパス111等により移動を規制されて、用紙搬送機構20が有する搬送ローラ201と搬送ローラ201に対向配置されるピンチローラ202との間に搬送される。
用紙搬送機構20は、搬送ローラ201及びピンチローラ202の他、搬送ローラ201の回転に伴ってエンコーダ信号を出力するロータリエンコーダ205(以下、「第一エンコーダ205」とも表現する。)と、排紙ローラ211と、排紙ローラ211に対向配置されるピンチローラ212と、排紙ローラ211の回転に伴ってエンコーダ信号を出力するロータリエンコーダ215(以下、「第二エンコーダ215」とも表現する。)と、を備える。
第一エンコーダ205は、搬送ローラ201の回転軸上に取り付けられて搬送ローラ201に同期するように回転するL1個のスリットが形成された回転板205a、及び、発光素子と受光素子とで回転板205aを挟むセンサ本体205bを備え、回転板205aに形成されたスリットを周知のロータリエンコーダと同手法で読み取って、読取結果に応じたエンコーダ信号(以下、「第一エンコーダ信号」とも表現する。)を出力する。尚、第一エンコーダ205は、インクリメンタル型エンコーダであり、エンコーダ信号として位相が互いにπ/2異なるパルス信号であるA相信号及びB相信号を出力する。
一方、第二エンコーダ215は、排紙ローラ211の回転軸上に取り付けられて排紙ローラ211に同期するように回転するL2個のスリットが形成された回転板215a、及び、発光素子と受光素子とで回転板215aを挟むセンサ本体215bを備え、回転板205aに形成されたスリットを周知のロータリエンコーダと同手法で読み取って、読取結果に応じたエンコーダ信号(以下、「第二エンコーダ信号」とも表現する。)を出力する。第二エンコーダ215についても、第一エンコーダ205と同様インクリメンタル型エンコーダとして構成され、エンコーダ信号としてA相信号及びB相信号を出力する。
尚、用紙搬送機構20において、排紙ローラ211は、搬送ローラ201よりも所定距離用紙搬送路下流に設けられ、搬送ローラ201及び排紙ローラ211は、例えば各ローラ201,211をベルトで連結する動力伝達機構220を通じてLFモータM2からの動力を同時に受けて、所定の回転比R1:R2で連動するように回転する。搬送ローラ201及び排紙ローラ211は、この回転により協働して、給紙機構10から供給された用紙Pを、排紙ローラ211下流の図示しない排紙トレイまで搬送する。
詳述すると、搬送ローラ201及び排紙ローラ211は、互いに周方向に同量回転する。一方、ピンチローラ202は、搬送ローラ201との間に用紙Pを挟んだ状態で、搬送ローラ201の回転運動に従動するように回転し、ピンチローラ212は、排紙ローラ211との間に用紙を挟んだ状態で、排紙ローラ211の回転運動に従動するように回転する。即ち、用紙Pは、これらによって挟持された状態で、搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転により用紙搬送路下流に搬送される。また、搬送ローラ201と排紙ローラ211との間には、搬送ローラ201から搬送されてくる用紙Pを下方から支持して排紙ローラ211側へ導くためのプラテン240が設けられている。搬送ローラ201から排紙ローラ211側へと搬送される用紙Pには、プラテン240上を通過する際に、印字機構30を構成する記録ヘッド31から吐出されるインク液滴により画像が形成される。
印字機構30は、プラテン240に対向するノズル面からインク液滴を吐出する記録ヘッド31、記録ヘッド31を主走査方向(図1における用紙の法線方向)に搬送するキャリッジ33、キャリッジ33の主走査方向への移動に伴ってエンコーダ信号を出力するリニアエンコーダ35、及び、図示しないキャリッジ搬送機構等を備える。例えば、キャリッジ33は、CRモータM3からの動力が付与されるプーリーと回転ベルトとガイドレールとを有するキャリッジ搬送機構に取り付けられ、回転ベルトに接続された状態、且つ、主走査方向に延設されたガイドレールに摺動可能に係合した状態にされる。この状態で、キャリッジ33は、CRモータM3の回転に伴う回転ベルトの回転に従動して、ガイドレールに沿って主走査方向に移動する。記録ヘッド31は、このようにして主走査方向に移動するキャリッジ33に搭載され、キャリッジ33の移動と共に、プラテン240上において主走査方向に移動する。また、記録ヘッド31は、この移動期間中に、駆動回路DR4からの駆動信号を受けて、当該駆動信号に応じたインク液滴をノズル面から吐出する。
また、制御部50は、給紙トレイ101からの給紙制御を行う給紙制御部60と、給紙トレイ101から用紙搬送機構20に供給された用紙Pを記録ヘッド31による画像形成位置に所定量ずつ間欠的に搬送するように用紙Pの搬送制御を行う用紙搬送制御部70と、キャリッジ33の搬送制御及び記録ヘッド31によるインク液滴の吐出制御を行う印字制御部80と、外部のパーソナルコンピュータ(PC)3と通信可能なインタフェース90とを備える。
印字制御部80は、用紙搬送機構20により用紙が所定量搬送される度、CRモータM3を制御することにより、記録ヘッド31を主走査方向に片道分搬送し、その搬送中に、記録ヘッド31を制御することにより、記録ヘッド31に、インタフェース90を通じてPC3から入力された印刷対象の画像データに対応するインク液滴を吐出させて、用紙Pに所定幅のライン画像を形成する。このようにして印字制御部80は、用紙搬送機構20による用紙Pの搬送動作に合わせて記録ヘッド31を往復動させると共に、インク液滴を用紙Pに吐出させることにより、用紙Pに一連の画像を形成する。尚、印字制御部80は、リニアエンコーダ35から入力されるエンコーダ信号に基づき、キャリッジ33ひいては記録ヘッド31の搬送速度を検出し、記録ヘッド31にインク液滴を吐出させる期間には記録ヘッド31を定速搬送する。
一方、給紙制御部60は、ロータリエンコーダ105から入力されるエンコーダ信号に基づき、給紙ローラ103の回転位置を検出し、この検出結果に基づき駆動回路DR1からASFモータM1に印加する駆動電流/電圧を調整することにより給紙制御して、給紙トレイ101から用紙搬送機構20に一枚ずつ所定態様にて用紙Pを供給する。
この他、用紙搬送制御部70は、第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号に基づき、搬送ローラ201の回転位置を検出し、第二エンコーダ215から入力される第二エンコーダ信号に基づき、排紙ローラ211の回転位置を検出して、用紙Pの後端(用紙搬送路上流側の用紙端)が搬送ローラ201を通過するまでは、搬送ローラ201の回転位置(検出位置)に基づいて、LFモータM2を制御し、用紙P後端が搬送ローラ201を通過した後には、排紙ローラ211の回転位置(検出位置)に基づいて、LFモータM2を制御するといった態様で、用紙Pの搬送制御を行い、用紙Pを所定量ずつ(具体的には、記録ヘッド31が形成するライン画像の幅に対応する量ずつ)間欠的に主走査方向とは垂直な副走査方向に搬送する。
続いて、用紙搬送制御部70の詳細構成について説明する。図3(a)は、用紙搬送制御部70の構成を表すブロック図である。用紙搬送制御部70は、第一信号処理部71と、第二信号処理部72と、AD変換部73と、主駆動制御部75と、原点設定部77とを備える。第一信号処理部71は、第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号に基づき搬送ローラ201の回転位置を検出し、この検出位置Xuを出力する。一方、第二信号処理部72は、第二エンコーダ215から入力される第二エンコーダ信号に基づき排紙ローラ211の回転位置を検出し、この検出位置Xdを出力する。
例えば、第一信号処理部71は、第一エンコーダ205から入力されるA相信号及びB相信号の位相差に基づき搬送ローラ201の回転方向を検出し、A相信号の立上りエッジの入力毎に検出位置Xuを更新することにより、搬送ローラ201の回転位置を検出する。また、第二信号処理部72も同様の手法で排紙ローラ211の回転位置を検出する。
この検出位置Xu及び検出位置Xdは、主駆動制御部75に入力され、距離尺度が同一となるように各信号処理部71,72で更新される。第一エンコーダ205のスリット数はL1、第二エンコーダ215のスリット数はL2、搬送ローラ201と排紙ローラ211との回転比はR1:R2であるので、第一エンコーダ205から第一エンコーダ信号としてR1×L1個のパルスが出力される時の搬送ローラ201の回転量と、第二エンコーダ215から第二エンコーダ信号としてR2×L2個のパルスが出力される時の排紙ローラ211の回転量は、同じである。従って、第一エンコーダ信号としてR1×L1個のパルスが出力される時の検出位置Xuの変化量と、第二エンコーダ信号としてR2×L2個のパルスが出力される時の検出位置Xdの変化量とが同じになるように、立上りエッジに応じて値Xu,Xdを更新する。
この他、検出位置Xu及び検出位置Xdは、画像形成装置1の電源オフによりリセットされ、画像形成装置1の再起動時には、搬送ローラ201及び排紙ローラ211の電源投入時の初期位置を基準(ゼロ)とした値で表現される。但し、後述する原点設定部77による原点設定動作完了後には、所定の原点位置を基準(ゼロ)とした値に補正される。この原点位置は、搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転角が特定状態を採る絶対位置に設定される。主駆動制御部75は、このような原点設定部77による原点設定動作完了後に起動し、上記原点位置を基準に、周期外乱を抑制するようなLFモータM2に対する操作量を算出し、これを駆動回路DR2に入力することにより、駆動回路DR2を通じて上記操作量に対応した駆動電流/電圧でLFモータM2を駆動し、周期外乱を抑制したモータ制御を実現する。
続いて、主駆動制御部75の構成について説明する。図3(b)は、主駆動制御部75の構成を表すブロック図である。同図に示すように、主駆動制御部75は、切替出力部751と、制御器753と、補正部755と、特性データ記憶部757と、位相算出部759とを備える。切替出力部751は、第一エンコーダ205の検出位置Xu及び第二エンコーダ215の検出位置Xdのいずれか一方を選択的に制御器753に入力する。具体的に、切替出力部751は、用紙Pの後端が搬送ローラ201を通過するまでは、第一エンコーダ205の検出位置Xuを制御器753に入力し、用紙Pの後端が搬送ローラ201を通過した状態では、第二エンコーダ215の検出位置Xdを制御器753に入力する。
一方、制御器753は、このように入力される検出位置Xu又は検出位置Xdに基づき、LFモータM2に対する操作量を演算することにより、用紙Pが用紙搬送路下流に所定量搬送されるように、LFモータM2を駆動制御する。但し、制御器753から出力されるLFモータM2に対する操作量は、補正部755によって周期外乱を抑制する方向に補正された後、駆動回路DR2に入力される。
補正部755は、位相算出部759から入力される位相θと、特性データ記憶部757が記憶する特性データとに基づき、位相θに対応する量、制御器753から入力される操作量を補正して駆動回路DR2に入力する。搬送ローラ201及び排紙ローラ211は回転比R1:R2で連動するが、位相算出部759から入力される位相θは、搬送ローラ201がR1周し排紙ローラ211がR2周して、搬送ローラ201の回転角θ1と排紙ローラ211の回転角θ2の組合せ(θ1,θ2)が元に戻る状態変化の一周期(以下、「ローラ対回転周期」とも言う。)を2πとした時の位相である。
特性データは、ローラ対回転周期におけるローラ対(搬送ローラ201及び排紙ローラ211)の特性データであり、原点設定部77により設定される原点位置を位相θ=0の地点として位相0≦θ<2πの各位相θでの上記操作量に対する補正量を導出可能なデータとして予め画像形成装置1に組み込まれる。
また、位相算出部759は、切替出力部751から入力される上記原点位置を基準とした検出位置Xu,Xdとローラ対回転周期当りのローラ201,211の回転量Xeとに基づき位相θを算出し、これを補正部755に入力する。補正部755は、この位相θに基づいた操作量の補正により、周期外乱を抑制する方向に操作量を補正し、これを駆動回路DR2に入力することにより、外乱を抑制した高精度な用紙Pの搬送制御を実現する。
続いて、原点設定部77について説明する。図3(c)は、原点設定部77の構成を表すブロック図である。同図に示すように、原点設定部77は、定速駆動制御部771と、速度検出部773と、信号記録部775と、主原点設定部777と、を備える。定速駆動制御部771は、速度検出部773から入力される搬送ローラ201の回転速度情報に基づき、搬送ローラ201が定速回転するように、駆動回路DR2を通じて、LFモータM2を制御する。この定速駆動制御部771は、LFモータM2の制御により、搬送ローラ201の回転を設定速度Vcまで加速させて、その後速度Vcで定速回転させる。
一方、速度検出部773は、第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号に基づき、A相信号(以下、「第一エンコーダ信号A」とも表現する。)の立上りエッジの入力時点から次の立上りエッジの入力時点までの経過時間であるパルス幅Wを計測し、このパルス幅Wを上記回転速度情報として定速駆動制御部771に入力する。尚、パルス幅Wは、搬送ローラ201の回転速度の逆数に対応するが、定速駆動制御部771は、このパルス幅Wに基づいて搬送ローラ201を定速回転させる。
また、信号記録部775は、第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ215から入力される第二エンコーダ信号のA相信号(以下、「第二エンコーダ信号A」とも表現する。)を、データメモリ775aに記録する。本実施例の用紙搬送制御部70はディジタル回路として構成されており、第一エンコーダ信号及び第二エンコーダ信号は、AD変換部73により所定周期でサンプリングされ、ディジタルデータに変換されて、用紙搬送制御部70の各部に入力される。信号記録部775は、主原点設定部777からの指令に従って、搬送ローラ201の定速回転時に、ローラ対回転周期分の期間、第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ215から入力される第二エンコーダ信号Aをデータメモリ775aに記録する。
また、主原点設定部777は、図4に示す処理を実行して、データメモリ775aに記録されたローラ対回転周期分の第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ信号Aを解析し、第一信号処理部71が保持する検出位置Xu及び第二信号処理部72が保持する検出位置Xdを、初期位置からの相対位置ではなく特定位置からの絶対位置に補正する。
主原点設定部777は、画像形成装置1の電源が投入されると、図4に示す処理を開始し、定速駆動制御部771に対して定速区間の速度Vcを所定速度V0に設定する(S110)。その後、定速駆動制御部771に指令入力して、定速駆動制御部771に、搬送ローラ201をローラ対回転周期に対応する期間以上、速度Vcで定速回転させる(S120)。尚、搬送ローラ201を速度Vcで定速回転させると排紙ローラ211についても基本的に同速度Vcで定速回転する。この定速駆動制御部771は、搬送ローラ201をローラ対回転周期以上(換言すれば、R1周以上)の所定期間定速回転させた後には、搬送ローラ201を停止させる処理を実行する。
一方、主原点設定部777は、定速駆動制御部771による搬送ローラ201の定速回転中に信号記録部775に指令入力して、信号記録部775の動作により、定速回転中に出力される第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ信号Aがローラ対回転周期分データメモリ775aに記録されるようにする。この際には、第一エンコーダ信号Aの立上りエッジを起点に、定速区間におけるローラ対回転周期分の第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ信号Aがデータメモリ775aに記録されるようにする。また、記録されるエンコーダ信号と、搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転位置との対応関係を採るために、上記起点での第一信号処理部71による検出位置Xu0及び第二信号処理部72による検出位置Xd0を記憶保持する(S130)。
また、ローラ対回転周期分の上記エンコーダ信号が記録された後には、データメモリ775aに記録された第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ信号Aに基づき、図5に示すように、第一エンコーダ信号Aから第二エンコーダ信号Aを減算処理してなるローラ対回転周期分の差分信号を生成する(S135)。更に、差分信号に含まれる各正パルスのパルス幅Yを計測する(S140)。以下では、上記起点での第一エンコーダ信号Aの立上りエッジを1番目の立上りエッジとして、第一エンコーダ信号Aのi番目の立上りエッジ発生時点から(i+1)番目の立上りエッジ発生時点までの期間である第i期間に発生した正パルスのパルス幅Yを特にY[i]と表現する。また、第一エンコーダ信号Aにおける立上りエッジの発生時点から次の立上りエッジの発生時点までの期間を特に「期間A」と表現する。「正パルス」とは、差分信号の振幅が正であるパルスのことであり、「負パルス」とは、振幅が負であるパルスのことである。
本実施例では、第一エンコーダ205のスリット数L1及び第二エンコーダ215のスリット数L2及び搬送ローラ201と排紙ローラ211との回転比R1:R2が、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素となるように設定されているため、第一エンコーダ信号のパルス幅W(立上りから次の立上りまでの時間)と第二エンコーダ信号のパルス幅(立上りから次の立上りまでの時間)は異なる。更に、第一エンコーダ信号のパルス幅のほうが第二エンコーダ信号のパルス幅Wよりも小さい。このため、正パルスは、第一エンコーダ信号Aの立上りから次の立上りまでの期間Aに一度のみ現れる。
S140で各正パルスのパルス幅Yを算出すると、主原点設定部777は、差分信号の生成に用いた第一エンコーダ信号Aにおける各期間Aのパルス幅Wを算出する(S145)。更に、第一エンコーダ信号Aにおける第i期間のパルス幅W[i]に基づき、搬送ローラ201の速度変動に応じて、第i期間のパルス幅Y[i]を補正し、補正後のパルス幅Z[i]を算出する処理を、各期間Aのパルス幅Yに対して実行する(S150)。
Z[i]=α×Y[i]/W[i]
尚、αは、搬送ローラ201の回転速度が設定速度Vcに誤差なく一致する時に得られる第一エンコーダ信号Aのパルス幅Wである。このようにパルス幅Y[i]を補正するのは、制御誤差によって搬送ローラ201の実速度が設定速度Vcからずれるためである。
このように、各期間Aのパルス幅Yに対する補正後のパルス幅Zを算出すると、主原点設定部777は、補正後の各パルス幅Zの一群から、最小のパルス幅Z1と、二番目に小さいパルス幅Z2を特定する(S160)。尚、最小のパルス幅Z1を有する正パルスが二つ以上ある時には、二番目に小さいパルス幅Z2も、最小のパルス幅Z1に特定する。
図5に示す差分信号が得られた時のパルス幅Yを補正して得られるパルス幅Zは、図6に示すように、仮に速度変動がなかった場合の第一エンコーダ信号A及び第二エンコーダ信号Aに基づいて生成される差分信号の各正パルスのパルス幅に等しい。図5及び図6に示す差分信号の例によれば、差分信号においてパルス幅が最小の正パルスの当該パルス幅は、図6において点線で囲む第7期間の正パルスのパルス幅Z[7]であり、パルス幅が二番目の正パルスの当該パルス幅は、第1期間のパルス幅Z[1]である。尚、図5及び図6に示す信号においては、パルス数が極端に少ないが、これは説明を簡単にするためのものであることを念のためにここで言及しておく。
S160での処理を終えると、主原点設定部777は、二番目に小さいパルス幅Z2と最小のパルス幅Z1との差(Z2−Z1)がAD変換部73でのサンプリング周期Tsよりも大きいか否かを判断する(S170)。ここでの判断は、エンコーダ信号をディジタルデータに変換する時の誤差によりパルス幅Zに計測誤差が生じ、原点位置に設定すべき搬送ローラ201の回転位置を誤検出してしまわないようにするためである。例えば、S135での処理により得られた差分信号において最小のパルス幅Z1である正パルスが、仮に誤差がない状態ではパルス幅が最小の正パルスではない可能性がある。従って、本実施例では、S170での判断によって、S135の処理によって得られた差分信号でパルス幅Zが最小の正パルスが、誤差がない場合でもパルス幅が最小の正パルスであることについての確からしさを判断する。差(Z2−Z1)がサンプリング周期Tsよりも大きい場合には、確からしいという判断になる。
S170で、二番目に小さいパルス幅Z2と最小のパルス幅Z1との差(Z2−Z1)がサンプリング周期Tsよりも大きいと判断すると(S170でYes)、主原点設定部777は、パルス幅Zが最小の正パルス(パルス幅Z1の正パルス)が発生した期間Aの搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転位置を特定する。具体的には、パルス幅Zが最小の正パルスが生じた期間Aにおける、第一エンコーダ信号Aの立上りエッジ発生時点での第一信号処理部71の検出位置Xu1及び当該第一エンコーダ信号Aの立上りエッジ発生時点以前で最後に発生した第二エンコーダ信号Aの立上りエッジ発生時点での第二信号処理部72の検出位置Xd1を特定する(S180)。尚、検出位置Xu1,Xd1は、S130で記憶した起点での検出位置Xu0,Xd0と差分信号における当該正パルスの発生期間Aとから特定できる。
そして、検出位置Xu1,Xd1の特定後には、検出位置Xuの位置座標系を、上記特定した検出位置Xu1で値ゼロとなる位置座標系に変換するように、第一信号処理部71が保持する検出位置Xuを補正し、検出位置Xdの位置座標系を、上記特定した検出位置Xd1で値ゼロとなる位置座標系に変換するように、第二信号処理部72が保持する検出位置Xdを補正する(S190)。この処理により、主原点設定部777は、検出位置Xu1,Xd1に対応する搬送ローラ201及び排紙ローラ211が特定回転角となる回転位置を原点位置に設定し、第一信号処理部71及び第二信号処理部72に以後の回転位置の検出動作を行わせる。その後、原点設定部77は、図4に示す処理を終了して、原点設定動作を完了する。
本実施例では、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素であることから、誤差の影響を排除すれば、差分信号においてパルス幅Zが所定順位の正パルスが生じる搬送ローラ201の回転角θ1と排紙ローラ211の回転角θ2の組合せ(θ1,θ2)は、一定に定まる。従って、パルス幅Zが最小の正パルスが生じた時点での回転位置(検出位置Xu1,Xd1)を原点(位相θ=0)に設定すれば、特性データに基づき周期外乱に対する操作量の補正を適切に行うことができる。
一方、差(Z2−Z1)がサンプリング周期Ts以下である場合(S170でNo)、主原点設定部777は、定速駆動制御部771に対して、定速区間の速度Vcを現在の設定速度Vc=V0から所定速度ΔV下げるように再設定する。その後、S120に移行して、以降の処理を上述したように行う。これによって、S170で肯定判断すれば、S180以降の処理を実行して原点設定動作を完了し、再度S170で否定判断した場合には、更に定速区間の速度Vcを下げてS120以降の処理を実行する。定速区間の速度Vcを下げると、データメモリ775aにローラ対回転周期分の信号を蓄積するのに時間がかかる代わりに、サンプリング周期Tsによる計測誤差の影響を小さくして、適切に、パルス幅が最小の正パルスが生じた時点のローラ回転位置を特定することができる。
以上、本実施例の画像形成装置1の構成について説明したが、本実施例によれば、原点設定を行う際に、ローラ対回転周期に対応する期間の差分信号が特定状態を採る時点(正パルスのパルス幅が最小となる時点)を、他の時点(時間帯)における差分信号の状態と比較することにより特定する。従って、第一エンコーダ信号の立上りエッジと第二エンコーダ信号の立上りエッジとが同時に生じる時点を特定して原点設定を行う従来手法のように、第一エンコーダ205及び第二エンコーダ215を、スリットを揃えるように正確に設置しなければいけない問題を解消することができ、エンコーダ設置時の手間を抑えて、適切に原点設定可能な画像形成装置1を構成することができる。
尚、「特許請求の範囲」に記載の第一のローラは、搬送ローラ201に対応し、第二のローラは、排紙ローラ211に対応し、駆動手段は、LFモータM2に対応し、第一のエンコーダは、第一エンコーダ205に対応し、第二のエンコーダは、第二エンコーダ215に対応し、制御手段は、用紙搬送制御部70に対応する。また、原点位置設定手段は、定速駆動制御部771及び主原点設定部777及び信号記録部775の処理によって実現され、パルス幅計測手段は、パルス幅Yを計測する処理(S140)によって実現され、速度計測手段は、第一エンコーダ信号Aに対するパルス幅Wの計測処理によって実現され、補正手段は、パルス幅Yをパルス幅Zに補正する処理(S150)によって実現されている。この他、適否判断手段は、S160,S170の処理によって実現されている。
<第二実施例>
続いて、第二実施例について説明する。但し、第二実施例の画像形成装置1は、第一実施例の原点設定部77に代えて、図7に示す原点設定部78を備える程度のものである。従って、以下では、第一実施例と同一構成の部位については同一符号を付して説明を省略し、原点設定部78の構成のみを選択的に説明する。
第二実施例の原点設定部78は、図7に示すように、定速駆動制御部771と、速度検出部773と、差分信号生成部781と、正パルス計測部782と、書込制御部785と、計測データ記憶部786と、主原点設定部787と、を備える。差分信号生成部781は、第二エンコーダ215から入力される第二エンコーダ信号A及び第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号Aに基づき、第一エンコーダ信号Aから第二エンコーダ信号Aを引いた差分信号を逐次生成し、この差分信号を正パルス計測部782に入力する。一方、正パルス計測部782は、この差分信号に基づき、正パルスのパルス幅Yを計測し、計測したパルス幅Yを書込制御部785に入力する。
また、書込制御部785は、第一信号処理部71から入力される検出位置Xu及び第二信号処理部72から入力され検出位置Xd及び速度検出部773から入力されるパルス幅W及び第一エンコーダ205から入力される第一エンコーダ信号Aに基づき、第一エンコーダ信号Aの立上りエッジ発生毎に、前回立上りエッジ発生時点から今回立上りエッジ発生時点までの期間Aに発生した正パルスのパルス幅Y、前回立上りエッジ発生時点の検出位置Xu、当該立上りエッジ発生時点以前で最後に発生した第二エンコーダ信号Aの立上りエッジ発生時点での検出位置Xd、及び、この期間Aのパルス幅Wを記した計測データを、計測データ記憶部786に記録する。具体的に、書込制御部785は、主原点設定部787からの指令を受けて、搬送ローラ201の定速回転中におけるローラ対回転周期に対応する期間分、この期間の差分信号に含まれる正パルス毎の上記計測データを、計測データ記憶部786に記録する。
また、主原点設定部787は、計測データ記憶部786に蓄積されたローラ対回転周期分の上記計測データに基づき、この期間の差分信号においてパルス幅が最小の正パルスを特定し、第一実施例と同手法で、第一信号処理部71及び第二信号処理部72が保持する検出位置Xu,Xdを補正する。具体的に、主原点設定部787は、画像形成装置1の電源が投入されると、図8に示す処理を開始し、定速駆動制御部771に対して定速区間の速度Vcを設定し(S210)、定速駆動制御部771に、搬送ローラ201をローラ対回転周期に対応する期間以上、速度Vcで定速回転させる(S220)。一方で、搬送ローラ201の定速回転中に書込制御部785に指令入力して、定速回転中の計測データであってローラ対回転周期分の計測データが計測データ記憶部786に記録されるようにする(S230)。
また、ローラ対回転周期分の上記計測データが記録された後には、計測データ毎に、当該計測データが示すパルス幅Yを、当該計測データが示すパルス幅Wを用いて式Z=α・Y/Wに従いパルス幅Zに補正する(S250)。定数αは、第一実施例と同じである。
その後、上記計測データ群に基づき、差分信号に含まれるパルス幅Zが最小の正パルスのパルス幅Z1と、パルス幅Zが二番目に小さい正パルスのパルス幅Z2とを特定し(S260)、差(Z2−Z1)がサンプリング周期Tsよりも大きいと判断した場合には(S270でYes)、パルス幅Zが最小の正パルス(パルス幅Z1の正パルス)に対応する計測データが示す検出位置Xu1,Xd1に基づき、検出位置Xu,Xdの位置座標系を、検出位置Xu1,Xd1で値ゼロとなる位置座標系に変換するように、第一信号処理部71及び第二信号処理部72が保持する検出位置Xu,Xdを補正する(S290)。一方、差(Z2−Z1)がサンプリング周期Ts以下であると判断した場合には(S270でNo)、定速駆動制御部771に対して、定速区間の速度Vcを所定速度ΔV下げて再設定し、再度S220以降の処理を行う。
以上、第二実施例について説明したが、本実施例によれば、エンコーダ信号をローラ対回転周期分記録するのではなく、エンコーダ信号から得られた計測データをローラ対回転周期分記録するので、パルス幅が最小の正パルス発生時点での搬送ローラ201の回転位置を特定するために蓄積が必要なデータ量を小さくすることができる。
<第三実施例>
続いて、第三実施例について説明する。但し、第三実施例の画像形成装置1は、図9に示すように第二実施例の書込制御部785及び主原点設定部787及び計測データ記憶部786に代えて、主原点設定部791及び最小パルス情報記憶部793を備える程度のものである。従って、以下では、第二実施例と同一構成の部位については同一符号を付して説明を省略し、原点設定部78に代わる原点設定部79の構成のみを選択的に説明する。
図9に示すように本実施例の原点設定部79は、定速駆動制御部771と、速度検出部773と、差分信号生成部781と、正パルス計測部782と、主原点設定部791と、最小パルス情報記憶部793と、を備える。主原点設定部791は、電源が投入されると、図10に示す処理を実行する。尚、主原点設定部791には、第一信号処理部71から出力される検出位置Xu、第二信号処理部72から出力される検出位置Xd、速度検出部773から出力されるパルス幅W、第一エンコーダ205から出力される第一エンコーダ信号A及び正パルス計測部782から出力される正パルスのパルス幅Yが入力される。
図10に示す処理を開始すると、主原点設定部791は、定速駆動制御部771に対して定速区間の速度Vcを設定し(S310)、定速駆動制御部771に、搬送ローラ201をローラ対回転周期に対応する期間以上、速度Vcで定速回転させ(S320)、定速回転中に、S330以降の処理を実行する。S330では、最小パルス情報の更新タイミングが到来したか否かを判断する。具体的には、定速搬送中に第一エンコーダ信号Aの立上りエッジが入力されると、更新タイミングが到来したと判断する。そして、更新タイミングが到来したと判断すると(S330でYes)、更新タイミング直前までの期間Aにおいて、正パルスが生じたか否かを判断し(S340)、正パルスが生じていなければ(S340でNo)、S330に移行し、正パルスが生じている場合には(S340でYes)、直前の期間Aにおいて生じた正パルスのパルス幅Yを、直前の期間Aのパルス幅Wを用いて、S250での処理と同様に、パルス幅Zに補正する(S350)。
そして、S350で得られたパルス幅Zが、最小パルス情報記憶部793が記憶するパルス幅Z1よりも小さいか否かを判断し(S360)、小さくなければ(S360でNo)、S330に移行し、小さければ(S360でYes)、最小パルス情報記憶部793が現在記憶するパルス幅Z1及び回転位置Xu1,Xd1を、直前の期間において生じた正パルスの補正後のパルス幅Z及び当該期間A始点での検出位置Xu,Xdに更新する(S370)。尚、最小パルス情報記憶部793にパルス幅Z1が記憶されていない初回のS360の判断では、肯定判断して、最小パルス情報記憶部793に、直前の期間において生じた正パルスの補正後のパルス幅Zを、正パルスの最小パルス幅Z1として書込み、当該期間A始点の検出位置Xu,Xdを、最小パルス幅の正パルスが生じた時の回転位置Xu1,Xd1として書き込む。その後、S330に移行する。
また、S330で更新タイミングが到来していないと判断すると、定速区間におけるローラ対回転周期分の第一エンコーダ信号及び第二エンコーダ信号に基づいたS340以降の処理が完了したか否かを判断し(S335)、完了していない場合には(S335でNo)、更新タイミングが到来するまで待機し、完了している場合には(S335でYes)、S390に移行して、最小パルス情報記憶部793が記憶する回転位置Xu1,Xd1に基づき、検出位置Xu,Xdの位置座標系を、位置Xu1,Xd1で値ゼロとなる位置座標系に変換するように、第一信号処理部71及び第二信号処理部72が保持する検出位置Xu,Xdを補正する。このようにして、本実施例では原点設定動作を完了する。
以上、第三実施例について説明したが、第三実施例によればパルス幅が最小の正パルスの当該パルス幅Z1及び当該正パルス発生時点の回転位置Xu1,Xd1を選択的に記憶するので、計測データを記憶するための記憶領域が小さくて済む。尚、「特許請求の範囲」における更新手段は、本実施例の主原点設定部791によって実現されている。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、差分信号は、第二エンコーダ信号から第一エンコーダ信号を引いた信号であってもよい。また、原点設定に際しては、差分信号においてパルス幅が最小の負パルスが生じた期間Aの搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転位置(検出位置Xu,Xd)を、原点位置に設定してもよい。この他、パルス幅が最大の正パルス(又は負パルス)が生じた期間Aの搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転位置(検出位置Xu,Xd)を原点位置に設定してもよいし、パルス幅が他の所定順位の正パルス(又は負パルス)が生じた期間Aの搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転位置(検出位置Xu,Xd)を、原点位置に設定してもよい。
1…画像形成装置、20…用紙搬送機構、50…制御部、70…用紙搬送制御部、71…第一信号処理部、72…第二信号処理部、73…AD変換部、75…主駆動制御部、77,78,79…原点設定部、201…搬送ローラ、202…ピンチローラ、205a,215a…回転板、205b,215b…センサ本体、205,215…ロータリエンコーダ、211…排紙ローラ、212…ピンチローラ、220…動力伝達機構、771…定速駆動制御部、773…速度検出部、775…信号記録部、775a…データメモリ、777,787,791…主原点設定部、781…差分信号生成部、782…正パルス計測部、785…書込制御部、786…計測データ記憶部、793…最小パルス情報記憶部、DR2…駆動回路、M2…LFモータ

Claims (9)

  1. 第一及び第二のローラと、
    前記第一及び第二のローラに共通して設けられ、前記第一及び第二のローラを回転駆動する駆動手段と、
    前記第一のローラと同期して回転する第一の回転板を有し、この第一の回転板に形成されたスリットを読み取って、読取結果に応じた第一のエンコーダ信号を出力するインクリメンタル型エンコーダである第一のエンコーダと、
    前記第二のローラと同期して回転する第二の回転板を有し、この第二の回転板に形成されたスリットを読み取って、読取結果に応じた第二のエンコーダ信号を出力するインクリメンタル型エンコーダである第二のエンコーダと、
    前記第一及び第二のエンコーダ信号に基づき、前記駆動手段を通じて、前記第一及び第二のローラの回転を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記第一の回転板のスリット数L1及び前記第二の回転板のスリット数L2及び前記第一のローラと前記第二のローラとの回転比R1:R2は、値(R1×L1)と値(R2×L2)とが互いに素となるように設定され、
    前記制御手段は、
    前記駆動手段を通じて、前記第一及び第二のローラを、少なくとも前記第一のローラがR1周し前記第二のローラがR2周する周期である特定周期分回転させ、この回転によって出力される前記第一及び第二のエンコーダ信号に基づき、前記特定周期において前記第一のエンコーダ信号と前記第二のエンコーダ信号との差分信号が特定状態を採る時点を、当該特定周期内の他の時点における前記差分信号の状態と比較することにより特定し、前記差分信号が特定状態を採る時点での前記第一及び第二のローラの回転位置を原点位置に設定する原点位置設定手段
    を有し、前記原点位置設定手段によって前記原点位置が設定されると、前記原点位置を基準にして、前記第一及び第二のエンコーダ信号に基づき、前記第一及び第二のローラの回転位置を特定して、前記第一及び第二のローラの回転を制御する構成にされ、
    前記原点位置設定手段は、
    前記差分信号に含まれる正パルス及び負パルスの内、予め定められた一方のパルスである特定種パルスのパルス幅を計測するパルス幅計測手段
    を有し、前記パルス幅計測手段の計測結果に基づき、前記差分信号が特定状態を採る時点としての、前記特定周期の前記差分信号に含まれる前記特定種パルスの一群の内、前記パルス幅が所定順位の前記特定種パルスが生じた時点での前記第一及び第二のローラの回転位置を前記原点位置に設定すること
    を特徴とする回転制御装置。
  2. 前記原点位置設定手段は、前記パルス幅が所定順位の前記特定種パルスとして、前記パルス幅が最大又は最小の前記特定種パルスが生じた時点での前記第一及び第二のローラの回転位置を前記原点位置に設定すること
    を特徴とする請求項1記載の回転制御装置。
  3. 前記原点位置設定手段は、
    前記第一及び第二のローラの少なくとも一方の初期位置を基準とした回転位置であって前記特定種パルスの発生時点での回転位置、及び、前記パルス幅計測手段によって計測された当該特定種パルスのパルス幅を記憶する記憶手段と、
    記パルス幅計測手段により計測された最新の前記パルス幅が、前記記憶手段が記憶する前記パルス幅よりも小さい場合には、前記記憶手段が記憶する前記回転位置及び前記パルス幅を、前記最新のパルス幅が計測された前記特定種パルスの発生時点での前記初期位置を基準とした回転位置、及び、当該最新のパルス幅に更新する更新手段と、
    を有し、
    前記駆動手段を通じて、前記第一及び第二のローラを少なくとも前記特定周期分回転させることにより生じる前記更新手段の動作によって、この回転後に前記記憶手段が保持している前記回転位置を、前記原点位置に設定することにより、前記パルス幅が最小の前記特定種パルスが生じた時点での前記第一及び第二のローラの回転位置を前記原点位置に設定すること
    を特徴とする請求項2記載の回転制御装置。
  4. 前記原点位置設定手段は、
    前記第一及び第二のローラの少なくとも一方の初期位置を基準とした回転位置であって前記特定種パルスの発生時点での回転位置、及び、前記パルス幅計測手段によって計測された当該特定種パルスのパルス幅を記憶する記憶手段と、
    記パルス幅計測手段により計測された最新の前記パルス幅が、前記記憶手段が記憶する前記パルス幅よりも大きい場合には、前記記憶手段が記憶する前記回転位置及び前記パルス幅を、前記最新のパルス幅が計測された前記特定種パルスの発生時点での前記初期位置を基準とした回転位置、及び、当該最新のパルス幅に更新する更新手段と、
    を有し、
    前記駆動手段を通じて、前記第一及び第二のローラを少なくとも前記特定周期分回転させることにより生じる前記更新手段の動作によって、この回転後に前記記憶手段が保持している前記回転位置を、前記原点位置に設定することにより、前記パルス幅が最大の前記特定種パルスが生じた時点での前記第一及び第二のローラの回転位置を前記原点位置に設定すること
    を特徴とする請求項2記載の回転制御装置。
  5. 前記原点位置設定手段は、
    前記特定周期の間に生じた前記特定種パルスの夫々について、前記第一及び第二のローラの少なくとも一方の初期位置を基準とした回転位置であって当該特定種パルスの発生時点での回転位置、及び、前記パルス幅計測手段によって計測された当該特定種パルスのパルス幅を記憶する記憶手段
    を備え、
    前記記憶手段が記憶する前記パルス幅及び前記回転位置に基づき、前記特定周期の間に生じた前記特定種パルスの一群の内、前記記憶手段が記憶する前記パルス幅が所定順位の前記特定種パルスについて前記記憶手段が記憶する前記回転位置を、前記原点位置に設定すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転制御装置。
  6. 前記原点位置設定手段は、前記第一及び第二のローラが定速回転するように、前記駆動手段を通じて前記第一及び第二のローラの回転を制御し、この回転制御時に出力された前記第一及び第二のエンコーダ信号を用いて、前記原点位置を設定すること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の回転制御装置。
  7. 前記原点位置設定手段は、
    少なくとも前記第一のエンコーダ信号及び前記第二のエンコーダ信号のいずれか一方のエンコーダ信号に基づき、前記第一及び第二のローラの回転速度を計測する速度計測手段と、
    前記速度計測手段による計測結果に基づき、前記パルス幅計測手段により計測されたパルス幅の夫々に対して、当該パルス幅に対応する前記特定種パルスの発生時点での前記回転速度に比例する補正係数を作用させることによって、前記パルス幅の夫々を、前記回転速度が一定である時に得られる前記パルス幅に対応した値に補正する補正手段と、
    を有し、前記補正手段によって補正された前記パルス幅に基づき、前記原点位置を設定すること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の回転制御装置。
  8. 前記原点位置設定手段は、
    前記パルス幅計測手段によって計測された前記所定順位のパルス幅と隣接順位のパルス幅との差分、及び、前記パルス幅の計測誤差に基づき、計測された前記パルス幅に基づく原点位置の設定が適切であるか否かを判断する適否判断手段
    を有し、
    前記適否判断手段により前記原点位置の設定が適切であると判断された場合には、計測された前記パルス幅に基づき前記原点位置の設定を行う一方、
    前記適否判断手段により前記原点位置の設定が適切ではない判断された場合には、前記駆動手段を通じて、前記第一及び第二のローラを、今回前記パルス幅の計測に用いた前記第一及び第二のエンコーダ信号の出力時における前記第一及び第二のローラの回転速度よりも低い回転速度で回転させることによって、再度、当該回転により出力される前記第一及び第二のエンコーダ信号に基づいて前記パルス幅計測手段が計測したパルス幅を取得すること
    を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の回転制御装置。
  9. 前記第一のローラは、搬送経路上流から供給されたシートを下流に搬送する搬送ローラであり、
    前記第二のローラは、前記第一のローラから搬送されてくる前記シートを下流へと搬送する前記第一のローラよりも搬送経路下流に設けられた搬送ローラであり、
    前記制御手段は、前記駆動手段を通じた前記第一及び第二のローラの回転制御によって、前記シートを前記搬送経路の上流から下流へ搬送する手段であること
    を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の回転制御装置。
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