以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るワイパーブレード10が、車両Cのワイパーアーム50の先端部50aに取り付けられて、払拭面Sとしてのフロントガラスを払拭する状態を説明する斜視図である。図2は、ワイパーブレード10を示す模式的な斜視図であり、図3は、ワイパーブレード10の構成を示すための分解斜視図である。図4は、図2に示すI−I線に沿って得られた断面図である。図5は、取付手段13の構成を説明するために部分的に拡大して示す説明図であり、図6は、取付手段13の構成を説明するために図1に一点鎖線で示す範囲Pを部分的に拡大して示す説明図である。図7は、ワイパーブレード10の連結具14の構成を模式的に示す斜視図である。図8は、連結具14の外方ベース部30を模式的に示す斜視図であり、図9は、図8の矢印A1から見た外方ベース部30を模式的に示す平面図である。図10は、連結具14の内方ベース部31を模式的に示す斜視図であり、図11は、折り曲げ加工される以前の内方ベース部31を模式的に示す斜視図であり、図12は、クリップ部材32を模式的に示す斜視図である。図13は、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を示す模式的な斜視図であり、図14は、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12への連結具14の取り付けの様子を説明するための説明図であり、図15は、連結具14が取り付けられた様子を説明するための説明図である。図16は、図15に示すII−II線に沿って得られた断面図であり、図17は、図15に示す矢印A2から見た側面図である。図18は、往路Gにおけるブレードラバー動作を説明するために図16に準ずる断面図で示した説明図であり、図19は、復路Bにおけるブレードラバー動作を説明するために図16に準ずる断面図で示した説明図である。図20は、他の構成としての外方ベース部30´を説明するための図9と同様の説明図である。
まず、本実施例のワイパーブレード10を備えたワイパーの全体構成について説明すると、図1に示すように、ワイパーブレード10が取り付けられるワイパーアーム50は、図示は略すがワイパーモータにワイパーリンクを介して接続され、そのワイパーモータの駆動により払拭面Sに沿って往復移動可能(矢印G、B参照)とされている。
そして、ワイパーアーム50が揺動されると、長尺方向と交差する方向が進行方向となるようにワイパーアーム50に装着されたワイパーブレード10は、静止姿勢である払拭面Sの下方から払拭面Sに沿って車両Cの上後方へと摺動される往路Gと、その往路Gの端から払拭面Sに沿って車両Cの下前方へと摺動される復路Bとからなる往復移動を繰り返して払拭面Sを払拭する。
このワイパーブレード10は、図2および図3に示すように、払拭面Sを払拭するブレードラバー11と、このブレードラバー11を均一な押圧力で払拭面Sに当接させるためのばね板部材としてのバーティブラ12と、そのバーティブラ12にブレードラバー11を取り付けるための取付手段13と、これらをワイパーアーム50の先端部50aに取り付けるための連結具14と、その連結具14に装着されるカバー部材15と、から主に構成されている。
ブレードラバー11は、払拭面Sを傷つけることなく摺動可能な弾性のゴム材料で長尺形状に形成されている。ブレードラバー11は、図4に示すように、払拭面Sに先端が当接される断面視舌状の払拭部11aと、払拭部11aの上方に位置する幅広の頭部11bと、払拭部11aと頭部11bとを連結する首部11cと、を有している。この首部11cは、頭部11bおよび払拭部11aの上部よりも幅寸法が狭く設定されている。このため、ブレードラバー11では、首部11cにより払拭部11aの上部および頭部11bとの間に凹部を形成している。
このブレードラバー11は、往復運動の反転時に主に払拭部11aが湾曲される所謂リップ反転構造と呼ばれるものである。すなわち、このブレードラバー11は、付勢力を受けて払拭面Sに押圧された状態で反転される際、換言すると摺動方向が反対側へと切り替わる際(往路Gと復路Bとの折り返しの際)に、払拭部11aの下部が湾曲して払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに対して適切な倒れ角度となって(図18および図19参照)、払拭面Sに対する払拭個所11dの当接関係が適切なものとなるように形成されている。このブレードラバー11にバーティブラ12が取り付けられる。
バーティブラ12は、図3に示すように、弾性を有する合成樹脂材料又は金属材料から長尺な板形状に形成されており、長尺方向に対して弓なりに湾曲した形状となっている。すなわちこのバーティブラ12は、弓なりに湾曲させたバーティブラ12の中央部12aを押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させる機能を有している。このバーティブラ12には、ブレードラバー11をバーティブラ12に取り付けるための一対の取付手段13が取り付けられる。
取付手段13は、図3および図5に示すように、複数のホルダー部17が連結部18により連結されて構成されている。この取付手段13は、金属材料で形成されており、実施例1では、金属材料としてステンレス材が用いられている。連結部18は、湾曲自在とされた細長い板状を呈しており、実施例1では、バーティブラ12において連結具14の両側に取付手段13を取り付けるべく、当該バーティブラ12の略半分の長さ寸法とされている。
各ホルダー部17は、矩形板状で対を為す腕部分19が連結部18から一体的に延出されることにより形成されている。各ホルダー部17は、図5に示すように、矩形板状を呈する両腕部分19が折り返されかつ2段階にL字状に折り込まれるように加工されて、その断面で見て逆凸字状に形成されるとともに、下面には切り欠き17aが形成されている。この各ホルダー部17により形成される上方の空間17bには、連結部18の長尺方向からバーティブラ12が挿入される。これにより、取付手段13は、連結部18がバーティブラ12に沿って延在しつつ、各ホルダー部17がバーティブラ12の長尺方向に点在するように、バーティブラ12に取り付けられることとなる(図13参照)。
このホルダー部17の下方の空間17cには、連結部18の長尺方向から、切り欠き17aにブレードラバー11の首部11cを通すように、その頭部11bが挿入される(図4参照)。これにより、バーティブラ12に取り付けられた両取付手段13の各ホルダー部17によって、払拭部11aが切り欠き17aから下方に突出するようにブレードラバー11を支持させることができる。このため、ブレードラバー11の頭部11bには、その上面11eがバーティブラ12の下面に面当接された状態で、バーティブラ12が取り付けられる(図4参照)。このように、バーティブラ12がブレードラバー11に宛がわれることにより、ブレードラバー11では、ワイパーアーム50に連結された際(図1参照)、その払拭部11aの先端の払拭個所11dが適切な押圧力かつ長手方向に均等に分散された押圧力で払拭面Sに接触することとなる。
このため、実施例1のワイパーブレード10では、各ホルダー部17において、上方の空間17bが各ホルダー部17の連結方向へのバーティブラ12(ばね板部材)の挿通を許すばね板挿通空間として機能し、下方の空間17cが上方の空間17b(ばね板挿通空間)に連通しつつブレードラバー11の頭部11bの挿通を許す頭部挿通空間として機能する。
また、両取付手段13には、挿入突起20が設けられている。この挿入突起20は、各取付手段13の連結部18において、連結具14側の端部に設けられており、後述するように、連結具14(その外方ベース部30の両押圧板部30c)に設けられた2つの受入孔21(図8等参照)のうちの対応する一方に挿通されるものである。各挿入突起20は、図6に示すように、各取付手段13の板状の連結部18において、長尺方向で見て最も連結具14側に位置されるホルダー部17よりも延出された個所が、長尺方向と直交する面に沿うように上方へと折り曲げられて形成されている。
この取付手段13は、例えば、図示は略すが板状の金属材料から各ホルダー部17を構成する各腕部分19が連結部18と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分19で各ホルダー部17を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断することにより形成することができる。このような曲げ加工は、連結部18から延出された各腕部分19に対して施すものでありかつ各ホルダー部17が同形状であることから、図示は略すが、連結部18の長尺方向に沿って扁平板状部材(図示せず)を送り入れることにより、各腕部分19に適宜曲げ加工を施して各ホルダー部17を形成することのできる加工装置を用いることができ、容易にかつ連続的に行うことができる。この実施例1の取付手段13では、上記した加工装置(図示せず)による加工の後、連結部18の一端を折り曲げることにより挿入突起20を形成する。このように、上記した構成の取付手段13は、容易に製造することができる。
この取付手段13によりブレードラバー11に取り付けられたバーティブラ12には、連結具14が取り付けられる。その連結具14は、バーティブラ12すなわちワイパーブレード10をワイパーアーム50(図1および図7参照)に連結するものである。連結具14は、図7に示すように、バーティブラ12を挟持するための外方ベース部30と、その内方で揺動可能に保持される内方ベース部31と、そこに取り付けられるクリップ部材32とから主に構成される。
外方ベース部30は、図7ないし図9に示すように、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向する一対の対向壁部30aと、互いに協働してバーティブラ12を挟持する一対の挟持爪部30bとを有する。一対の挟持爪部30bは、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向するように両対向壁部30aに設けられており、バーティブラ12の長尺方向で見た両対向壁部30aの両端位置の2箇所に設けられている。各挟持爪部30bは、両対向壁部30aの両端から下方へ向けて延出されており、その下端が対を為す他方の爪部に近づく方向へと屈曲されて延出されている。
一対の対向壁部30aには、それぞれに押圧板部30cが設けられている。両押圧板部30cは、バーティブラ12の長尺方向で見て2箇所に位置する挟持爪部30bの間に設けられており、対向壁部30aの下端から互いに近づく方向へと延出されている。両押圧板部30cは、2箇所で対を為す4つの挟持爪部30bと協働して、バーティブラ12をその厚さ方向で狭持するものである(図16および図17参照)。
この両押圧板部30cには、バーティブラ12の長尺方向に並列する2つの受入孔21が設けられている。両受入孔21は、実施例1では、バーティブラ12の長尺方向で見て連結具14の両端に位置される2つの取付手段13の挿入突起20に対応すべく並列されている。両受入孔21は、対を為す押圧板部30cが互いに付き合わされて単一の壁部を形成した状態(図8等参照)(すなわち折り曲げ加工されて外方ベース部30として形成された状態)において、バーティブラ12の幅方向に長尺でかつ板厚方向に貫通する貫通孔である。このため、実施例1では、両受入孔21は、両押圧板部30cに半分ずつ形成されている。この両受入孔21は、実施例1では、それぞれが対応する取付手段13の挿入突起20が挿入された状態でバーティブラ12の長尺方向への移動を可能とする大きさ寸法とされている。
また、一対の対向壁部30aには、内側面(後述する内方ベース部31の保持板31aに臨む面)に円弧状凹所30dが設けられている。円弧状凹所30dは、バーティブラ12の幅方向で対を為すように両対向壁部30aに設けられており、バーティブラ12の長尺方向に直交する断面で見て略同一の円周上に位置する輪郭線を描くような弓形柱状を呈している。この対を為す円弧状凹所30dは、バーティブラ12の長尺方向で見て、各対向壁部30aの両端の2箇所に設けられており、後述する内方ベース部31の4つの円弧状膨出部31cを受入れ可能とされている。
両対向壁部30aには、略中央位置すなわち両端に設けられた2つの円弧状凹所30dの中間位置にリベット挿通孔30eが設けられている。このリベット挿通孔30eは、後述するリベット33の嵌入を許す貫通孔であり、後述する内方ベース部31のリベット挿通孔31dに対応して設けられている。
この外方ベース部30は、実施例1では、一対の対向壁部30aが連結腕部30fによって互いに連結されており、図示は略すが両対向壁部30aが連結腕部30fを介して連なる扁平板状部材として形成されている。外方ベース部30は、この扁平板状部材が両対向壁部30aが正対するように連結腕部30fが折り曲げられることにより、形成される。この外方ベース部30の内方に内方ベース部31が配置される。
内方ベース部31は、図10に示すように、一対の保持板31aが連結腕部31bに連結されて構成されている。両保持板31aは、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向されており、その下端が連結腕部31bにより連結されている。この内方ベース部31は、各保持板31aの外側面(一対の対向壁部30aに臨む側の面)が、それぞれが対向する外方ベース部30の各対向壁部30aの内側面に対して所定の間隔を置くような幅寸法とされている(図16等参照)。
その両保持板31aには、外側面(一対の対向壁部30aに臨む側の面)に円弧状膨出部31cが設けられている。円弧状膨出部31cは、バーティブラ12の幅方向で対を為すように両保持板31aに設けられており、バーティブラ12の長尺方向に直交する断面で見て略同一の円周上に位置する輪郭線を描くような弓形柱状を呈している。この対を為す円弧状膨出部31cは、バーティブラ12の長尺方向で見た両端の2箇所に設けられており、外方ベース部30の円弧状凹所30dに摺動自在に嵌合可能とされている。
また、両保持板31aには、略中央位置すなわち両端に設けられた2つの円弧状膨出部31cの中間位置にリベット挿通孔31dが設けられている。このリベット挿通孔31dは、後述するリベット33を遊びを持って受入れ可能な貫通孔である。
この両保持板31aには、内側面に円板状凹所31eが設けられている。円板状凹所31eは、リベット挿通孔31dと同心に形成されており、後述するクリップ部材32の円板状フランジ部32aが回動自在に嵌合可能とされている。この一方の円板状凹所31eには、それが設けられた保持板31aをリベット挿通孔31dと同心の円弧状に貫通する円弧状開口31fが設けられている。
内方ベース部31は、実施例1では、図11に示すように、両保持板31aが連結腕部31bにより連結された扁平板状部材として成形される。この扁平板状部材では、内方ベース部31における外方側となる面であって両保持板31aと連結腕部31bとの境界位置に、折曲溝31gが設けられている。内方ベース部31は、扁平板状部材が折曲溝31gに沿って折り曲げられて両保持板31aが正対されることにより、形成される。この内方ベース部31の内方にクリップ部材32が配置される。
クリップ部材32は、合成樹脂材料で形成されており、図12に示すように、車両Cに設けられたワイパーアーム50の先端部50a(図7参照)の固定およびその解除が可能とされている。クリップ部材32は、両端に円板状フランジ部32aが設けられた円筒状部32bと、この円筒状部32bから対を為すように互いに平行に延出された可撓性板状部32c、32dとを有する。
両円板状フランジ部32aは、内方ベース部31の両保持板31aの内側面に対向して設けられた円板状凹所31eに嵌入可能とされており、その嵌入状態で相対的に回動可能(円板状凹所31e内で相対的に摺動可能)とされている。この両円板状フランジ部32aの一方には、内方ベース部31の保持板31aの円板状凹所31eに設けられた円弧状開口31fに嵌入可能な揺動角度規制突起32eが設けられている。この揺動角度規制突起32eは、円弧状開口31fに嵌入されることにより、円板状凹所31e内での円板状フランジ部32aの回動角度、すなわち連結具14において後述するリベット33の軸線回りのクリップ部材32の回動角度を、円弧状開口31fの延在範囲内に規制する。
円筒状部32bは、両円板状フランジ部32aが円板状凹所31eに嵌入された状態において、両保持板31aを横断する方向に延びる筒状を呈する。この円筒状部32bにより規定される筒穴32fは、後述するリベット33の挿通を可能とするものであって、円筒状部32bの横断方向で見た中央部分が最小の内径寸法とされ、かつ円板状フランジ部32aに向かうに連れて拡径される鼓形状を呈している(図16参照)。
この円筒状部32bから延出された可撓性板状部32cは、円筒状部32bの上方側(払拭面Sから離間する側)でその外周に連続する平面を形成する平板状を呈し、可撓性板状部32dは、円筒状部32bの下方側(払拭面S側)でその外周に連続する平面を形成する平板状を呈する。可撓性板状部32dは、上方(可撓性板状部32c側)への撓み変形が可能とされ、バーティブラ12に対向する下面に係止爪32gが設けられている。この係止爪32gは、ワイパーアーム50の先端部50aに設けられた後述する係止孔50b(図7参照)への係合が可能とされている。なお、実施例1では、可撓性板状部32dは、上方への撓み変形のための操作を容易とするために、先端が階段状とされて伸長されている。
このクリップ部材32では、可撓性板状部32cから円筒状部32bを経て可撓性板状部32dに至る外形形状が、U字状に湾曲されたワイパーアーム50の先端部50a(図7参照)の内形状に適合されている。
この連結具14は、以下のように組み立てられる。
先ず、図7に示すように、内方ベース部31の両保持板31aの各円弧状膨出部31cを、外方ベース部30の一対の対向壁部30aの各円弧状凹所30dにそれぞれ嵌合させるように、外方ベース部30の内方に内方ベース部31を配置する。このとき、外方ベース部30の一対の押圧板部30cと4つの挟持爪部30bとの間にバーティブラ12を位置させることにより(図14参照)、後述するように、連結具14をバーティブラ12に取り付けつつ組み立てることができる。
ついで、クリップ部材32の両円板状フランジ部32aを内方ベース部31の両保持板31aの円板状凹所31eに嵌合させつつ、一方の円板状フランジ部32aに設けられた揺動角度規制突起32eを、一方の円板状凹所31eに設けられた円弧状開口31fに嵌入させるように、内方ベース部31の内方にクリップ部材32を配置する。
この状態において、リベット33を、外方ベース部30の一対の対向壁部30aのリベット挿通孔30e、内方ベース部31の両保持板31aのリベット挿通孔31dおよびクリップ部材32の筒穴32fに挿通し、リベット33の頭部33aから遠い側の先端部33bをカシメる。これにより、内方から、クリップ部材32、内方ベース部31および外方ベース部30が一体化された連結具14として組み立てられる。
この連結具14では、内方ベース部31の両保持板31aの各円弧状膨出部31cが、外方ベース部30の両対向壁部30aの各円弧状凹所30dにそれぞれ嵌合されているとともに、内方ベース部31の両保持板31aと外方ベース部30の両対向壁部30aとの間には隙間が設けられているので(図16等参照)、バーティブラ12の長尺方向に直交する断面で見た、各円弧状膨出部31c(各円弧状凹所30d)の中心軸回りに、内方ベース部31およびクリップ部材32が一体的に外方ベース部30に対して回動可能とされている(図18および図19参照)。このとき、連結具14では、外方ベース部30の一対の対向壁部30aのリベット挿通孔30eにより両端が支持されたリベット33が、クリップ部材32の鼓形状の筒穴32fの内壁に当接することにより、外方ベース部30に対する内方ベース部31およびクリップ部材32の回動角度が規制される(図18および図19参照)。
また、連結具14では、クリップ部材32の両円板状フランジ部32aが内方ベース部31の両保持板31aの円板状凹所31eに嵌合されているので、当該円板状凹所31eの軸線すなわちリベット33の軸線回りに、内方ベース部31に対してクリップ部材32が回動可能とされている。このとき、連結具14では、円板状フランジ部32aの揺動角度規制突起32e(図12参照)が嵌入された円板状凹所31eの円弧状開口31f(図10および図11参照)の内壁に当接することにより、内方ベース部31に対するクリップ部材32の回動角度が規制される。
この連結具14を介して、ワイパーブレード10がワイパーアーム50の先端部50aに結合される。ワイパーアーム50の先端部50aは、板状部材が湾曲されたフック状とされ、その先端近傍にクリップ部材32の可撓性板状部32dの係止爪32gに係合可能な係止孔50bが設けられている。このワイパーアーム50は、クリップ部材32の円筒状部32bおよび可撓性板状部32c、32dの外壁面を取り巻くように先端部50aをクリップ部材32に宛がい、先端部50aの係止孔50bに、クリップ部材32の可撓性板状部32dの係止爪32gを係合させることで、クリップ部材32に結合されて連結具14に連結される。
このワイパーブレード10は、以下のように組み立てられる。このワイパーブレード10では、図3に示すように、上述したように形成されたブレードラバー11、バーティブラ12、2つの取付手段13、連結具14およびカバー部材15を用いる。
先ず、2つの取付手段13をバーティブラ12に取り付けるホルダ取付工程を行う。このホルダ取付工程では、バーティブラ12の両端から中央へ向けて各取付手段13を取り付ける。このとき、各取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bでバーティブラ12を受け入れるように、当該バーティブラ12の両端側から中央部12aへと2つの取付手段13を連結部18の長尺方向に沿って相対的に移動させる。このホルダ取付工程により、両取付手段13は、図13に示すように、連結部18がバーティブラ12に沿って延在しつつ各ホルダー部17がバーティブラ12の長尺方向に点在するように、バーティブラ12に取り付けられる。
次に、バーティブラ12をブレードラバー11に取り付けるバーティブラ取付工程を行う。このバーティブラ取付工程では、バーティブラ12の長尺方向に沿うように、ブレードラバー11の首部11cを、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部17の切り欠き17aを通しつつ、各ホルダー部17の下方の空間17cに、ブレードラバー11の頭部11bを挿入する。このバーティブラ取付工程により、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部17によって、払拭部11aが切り欠き17aから下方に突出するようにブレードラバー11が支持され、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eにバーティブラ12が宛がわれた状態となる(図4参照)。
次に、バーティブラ12に連結具14を取り付ける連結具取付工程を行う。この連結具取付工程では、上述したように組み付け過程にある連結具14(リベット33でカシメる前の状態)において、図14に示すように、連結具14の外方ベース部30の4つの挟持爪部30bの屈曲された延出端をバーティブラ12の下側(ブレードラバー11が位置される側)へと差し入れるとともに、両取付手段13を介在させつつバーティブラ12の上面に外方ベース部30の一対の押圧板部30cを宛がう。このとき、両取付手段13の連結具14側の延在端に設けられた挿入突起20を、一対の押圧板部30cに設けられた2つの受入孔21のうちのそれぞれが対応する一方に挿通させる。また、連結具14の外方ベース部30の4つの挟持爪部30bは、バーティブラ12の長尺方向で見て、両取付手段13において最も中間位置側(連結具14側)のホルダー部17とその隣のホルダー部17との間に位置される。
ここで、実施例1では、各受入孔21は、上述したように、それぞれが対応する取付手段13の挿入突起20が挿通された状態において、バーティブラ12の長尺方向への移動を可能とする大きさ寸法とされている。このため、両取付手段13は、バーティブラ12の長尺方向で見て、挿入突起20が、受入孔21の一方の壁面に当接する位置から、他方の壁面に当接する位置までの間で、移動することができる。また、両取付手段13における最も中間位置側のホルダー部17とその隣のホルダー部17との間(それらを繋ぐ連結部18)の長さ寸法が、バーティブラ12の長尺方向で見た各挟持爪部30bの長さ寸法よりも大きく設定されていることから、この差分の範囲でバーティブラ12の長尺方向に対して各取付手段13が移動が可能とされていることにもなる。双方の構成における移動可能な量は、いずれか一方を大きくして他方を補助的なものとしてもよく、双方を一致させて協働するものとしてもよい。このため、両取付手段13は、連結具14により、少なくともいずれか一方の移動可能な量の範囲でバーティブラ12に対して移動可能な状態でバーティブラ12に繋ぎ止められている。
この状態において、連結具14の組み付けが完了される(上述したようにリベット33が挿通されてカシメられる(図14参照))ことにより、図15に示すように、バーティブラ12に連結具14が取り付けられ、連結具取付工程が完了する。この状態では、図15のII−II線に沿って得られた断面図である図16、および図15の矢印A2から見た側面図である図17に示すように、外方ベース部30の2箇所で対を為す挟持爪部30bがバーティブラ12を幅方向で強固に狭持しているとともに、その4つの挟持爪部30bと外方ベース部30の一対の押圧板部30cとが両取付手段13を介してバーティブラ12を厚さ方向で補助的に狭持している。このため、連結具14は、バーティブラ12に強固に取り付けられる。この状態において、実施例1では、4つの挟持爪部30bと外方ベース部30の一対の押圧板部30cとによる、バーティブラ12と両取付手段13との厚さ方向での狭持が補助的なものとされており、両取付手段13のバーティブラ12に対する長尺方向への移動は阻害されてはいない。
この連結具14には、カバー部材15が装着される(図3参照)。このカバー部材15は、ゴムや合成樹脂材料等の弾性変形が可能な部材から形成されており、図3に示すように、ワイパーアーム50と連結具14のクリップ部材32との結合を阻害することなく連結具14の外方ベース部30の一対の押圧板部30c、それらを繋ぐ連結腕部30fおよび4つの挟持爪部30bを可能な限り側方から覆うことが可能とされた環状を呈している。
これにより、ワイパーブレード10は、組み立てられる(図2参照)。このワイパーブレード10は、連結具14を介して、車両Cに設けられたワイパーアーム50の先端部50aに連結される(図7参照)。このとき、連結具14では、リベット33の軸線回りに、内方ベース部31に対してクリップ部材32が回動可能とされていることから、ワイパーアーム50の先端部50aと連結具14との連結が容易なものとされている。
このワイパーブレード10では、ワイパーアーム50の揺動により、往路Gにおいて払拭面S上を移動されるとき(図18参照)と、復路Bにおいて払拭面S上を移動されるとき(図19参照)と、では、払拭面Sの法線Nに対するブレードラバー11の軸線の傾斜角度θが逆向きとなり、それぞれにおいて払拭部11aの湾曲による払拭面Sに対する払拭個所11dの当接関係がより適切なものとされている。詳細には、ブレードラバー11は、往路Gを進行している場合、図18に示すように、連結具14では、払拭面Sとの角度関係が一定とされたワイパーアーム50が連結されたクリップ部材32および内方ベース部31に対して、外方ベース部30が回動し、当該外方ベース部30との角度関係が一定とされたブレードラバー11も回動することにより、当該ブレードラバー11の軸線が払拭面Sの法線Nに対して角度θで傾斜される。また、ブレードラバー11は、復路Bを進行している場合、図19に示すように、連結具14では、ワイパーアーム50が連結されたクリップ部材32および内方ベース部31に対して、外方ベース部30が回動してブレードラバー11も回動することにより、当該ブレードラバー11の軸線が払拭面Sの法線Nに対して角度−θで傾斜される。このため、ワイパーブレード10では、往路Gであっても復路Bであっても、払拭個所11dが払拭面Sに対して適切に当接されるので、良好な払拭性能を得ることができる。
このように、ワイパーブレード10では、両取付手段13の各ホルダー部17のばね板挿通空間としての上方の空間17bにばね板部材としてのバーティブラ12が挿通され、かつその下方に連通する頭部挿通空間としての下方の空間17cにブレードラバー11の頭部11bが挿通されることにより、バーティブラ12がブレードラバー11の頭部11bの上面11eに宛がわれて取り付けられている。このことから、ワイパーブレード10では、上方の空間17bがバーティブラ12の挿通を可能とするための遊びを持って内方の大きさ寸法が設定されており、両取付手段13(その各ホルダー部17)がバーティブラ12に固定されていない。このため、ワイパーブレード10では、バーティブラ12と取付手段13すなわちブレードラバー11との長尺方向への相対的な移動(ズレ)が許容されており、かつバーティブラ12の長尺方向に直交する面で見て、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が許容されている。ここで、両取付手段13は、各挿入突起20が連結具14の一対の押圧板部30cに設けられた2つの受入孔21のうちのそれぞれが対応する一方に挿通されている(図14および図17参照)とともに、バーティブラ12に強固に取り付けられた連結具14の外方ベース部30の4つの挟持爪部30bが最も中間位置側のホルダー部17とその隣のホルダー部17との間に位置される(図14、図15および図17参照)ことから、バーティブラ12の長尺方向への移動が可能とされており、上述した相対的な移動や揺動が阻害されることなく、バーティブラ12に繋ぎ止められている。このため、実施例1では、連結具14の係合構造、すなわち連結具14の一対の押圧板部30cの2つの受入孔21に各取付手段13の挿入突起20が挿通されることと、連結具14の4つの挟持爪部30bが各取付手段13の2つのホルダー部17の間でバーティブラ12を狭持することと、が、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構として機能している。これにより、両取付手段13は、バーティブラ12の両端部から抜け落ちることが防止されている。
この本発明に係るワイパーブレード10では、以下の(1)〜(12)の効果を得ることができる。
(1)実質的にブレードラバー11を固定的に保持する両取付手段13が、バーティブラ12に対してその長尺方向への移動が可能とされて繋ぎ止められており、かつ上方の空間17bがバーティブラ12の挿通を可能とするための遊びを持って内方の大きさ寸法が設定されていることから、バーティブラ12に対する取付手段13すなわちブレードラバー11の長尺方向への移動(ズレ)が可能とされているので、バーティブラ12において、その中央部12a押し下げるように付勢して平らにされた場合の当該付勢力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させる機能を、設定された通りに発揮させることを可能としつつ、そのバーティブラ12を頭部11bの上面11eに面当接するようにブレードラバー11に取り付けることができる。このため、ワイパーブレード10では、良好な払拭性能を確保することができる。これは、以下のことによる。ワイパーブレード10では、バーティブラ12が中央部12a押し下げられて平らにされた場合に当該付勢力を長尺方向で見て均等化させるものであって、その下面にブレードラバー11の払拭部11aの上面11eが宛がわれていることから、バーティブラ12とブレードラバー11とが、湾曲された状態と平らにされた状態とでは長尺方向で見た位置関係が一定ではない。このため、バーティブラ12とブレードラバー11とでは、相対的に移動できない構成である場合、位置関係の変化に伴って圧縮や引張等の力が作用することとなり、バーティブラ12における均等化の機能が阻害されたり、ブレードラバー11の払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに適切に当接できなくなったり、ブレードラバー11が適切に反転できなくなったりする虞があり、払拭性能の(設定されたものよりも)低下する原因となる。ところが、ワイパーブレード10では、バーティブラ12とブレードラバー11とにおいて相対的な移動(ズレ)が可能とされていることから、バーティブラ12およびブレードラバー11に不必要な力が作用することを防止することができるので、払拭性能を確保することができる。
(2)実質的にブレードラバー11を固定的に保持する両取付手段13が、バーティブラ12に対してその長尺方向への移動が可能とされて繋ぎ止められていることから、バーティブラ12とブレードラバー11とが相対的に移動(ズレ)することをより円滑なものとすることができる。これは、以下のことによる。例えば、実施例1と等しい両取付手段であっても、当該両取付手段が連結具14によりバーティブラ12に固定されている場合、バーティブラ12とブレードラバー11との相対的な移動(ズレ)は、両取付手段とバーティブラ12との固定個所(中央部12a近傍)を中心として、それらの長尺方向への移動が互いに拘束されていない両端(自由端)へ向けた、両取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17b内でのバーティブラ12の相対的な移動に依存することとなる。これに対し、ワイパーブレード10では、両取付手段13自体がバーティブラ12に対してその長尺方向への移動が可能とされていることから、その移動可能な範囲にあっては、バーティブラ12とブレードラバー11との相対的な移動(ズレ)の起点となる個所をなくすことができるので、両取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17b内でのバーティブラ12の相対的な移動の自由度が高められている。このため、ワイパーブレード10では、バーティブラ12およびブレードラバー11に不必要な力が作用することをより効果的に防止することができるので、払拭性能をより効果的に確保することができる。
(3)両取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bにバーティブラ12が挿通されかつ下方の空間17cにブレードラバー11の頭部11bが挿通されることにより、バーティブラ12がブレードラバー11の頭部11b上面11eに宛がわれて取り付けられる構造であることから、両取付手段13(その各ホルダー部17)がバーティブラ12に固定されてはいない。このため、バーティブラ12では、その中央部12a押し下げるように付勢して平らにされた場合の当該付勢力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させる機能を、設定された通りに発揮することができる。このため、ワイパーブレード10では、より良好な払拭性能を得ることができる。これは、従来のワイパーブレードのようにばね板部材(本願ではバーティブラ12)に複数のホルダーを取り付ける場合、ばね板部材を挿通させた状態の当該各ホルダーをカシメることが考えられるが、このようにばね板部材が各ホルダーにより部分的に圧迫されると、当該ばね板部材では、長尺方向で見て均等化させる機能を設定された通りに発揮することができなくなってしまう虞があることによる。このことから、従来のワイパーブレードでは、各ホルダーの取り付けによる部分的な圧迫を考慮してばね板部材を設定することが考えられるが、このような部分的な圧迫を勘案して適切に均等化させるように設定することは大変困難である。また、従来のワイパーブレードでは、金属材料からなる複数のホルダーがばね板部材に点在するように固定されることとなるので、平らにされた場合の付勢力を分散させる作用が設定されたものとは異なるものとなってしまう虞もある。このように、ワイパーブレード10では、バーティブラ12がより設定値に近い状態で払拭面Sへの押圧力を長尺方向に均等化させることができる、すなわちバーティブラ12の精度が高められているので、より良好な払拭性能を得ることができることとなる。また、ワイパーブレード10では、バーティブラ12の精度が高められていることから、組み立て後の製品検査も簡略化することができる。
(4)連結具14の一対の押圧板部30cの2つの受入孔21に各取付手段13の挿入突起20が挿通されることと、連結具14の4つの挟持爪部30bが各取付手段13の2つのホルダー部17の間でバーティブラ12を狭持することと、により、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構が構成されていることから、複雑な構成および製造工程を必要とすることなく繋止機構を実現することができる。なお、この2つの構成は、いずれもバーティブラ12に対してその長尺方向への移動を可能としつつバーティブラ12に両取付手段13を繋ぎ止めることができるので、いずれか一方のみの構成としてもよい。前者のみの場合、ホルダー部17を利用しないことから、長尺方向への移動を規制すべく挿入突起20が受入孔21の縁部に当接した場合であっても当接による影響(意図しない力が作用してしまうこと等)をバーティブラ12およびブレードラバー11に及ぼすことを抑制することができる。また、後者のみの場合、取付手段13においてバーティブラ12をブレードラバー11に取り付けるためのホルダー部17と、連結具14においてバーティブラ12に取り付けるための各挟持爪部30bとを利用していることから、新たな構成を何ら設けることなく繋止機構を実現することができる。
(5)連結具14の一対の押圧板部30cの2つの受入孔21に各取付手段13の挿入突起20が挿通される構成であることから、連結具14をバーティブラ12に取り付けることにより、バーティブラ12の長尺方向に対する両取付手段13の位置を決定することができる。この効果は、連結具14の4つの挟持爪部30bが各取付手段13の2つのホルダー部17の間でバーティブラ12を狭持する構成からも得ることができる。
(6)バーティブラ12とブレードラバー11とでは、相対的な移動(ズレ)が可能とされているので、完全な平面ではない払拭面Sに対する追従性を向上させることができ、払拭性能を確保することができる。
(7)上方の空間17bがバーティブラ12の挿通を可能とするための遊びを持って内方の大きさ寸法が設定されていることから、バーティブラ12の長尺方向に直交する面で見て該バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が許容されている。また、バーティブラ12は、連結具14の外方ベース部30に直に取り付けられるものである。これらのことから、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が可能であることは、連結具14において内方ベース部31およびクリップ部材32が一体的に外方ベース部30に対して回動可能とされていることと同様の効果を得ることができることとなるので、ブレードラバー11の払拭部11aにおける反転動作を補助することができ、払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに対して適切な傾斜角度で当接することを補助することができる。このため、反転性能および払拭性能を向上させることができる。このことは、反転をブレードラバー11の払拭部11aだけに頼らないことから、ブレードラバー11への負担を軽減できることとなるので、ブレードラバー11の劣化を抑制することができ、より長い間、良好な払拭性能を維持しつつブレードラバー11を利用することができることとなる。このことから、上方の空間17bは、バーティブラ12の挿通を可能とするものであって、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動範囲を設定する観点から内方の大きさ寸法が設定されていてもよい。
(8)金属材料からなる取付手段13の各ホルダー部17にブレードラバー11を保持させることによりバーティブラ12をブレードラバー11に取り付けているので、取付手段13によるブレードラバー11の保持状態を安定させることができ、良好な払拭性能を得ることができる。
(9)各取付手段13は、連結部18が各ホルダー部17の上部(払拭面Sから離間された側)で当該各ホルダー部17を連結する構成とされていることから、バーティブラ12に取り付けられることに起因して、力を分散させて均等化させる当該バーティブラ12の機能を阻害することを、極力低減することができる。これは、以下のことによる。バーティブラ12は、ブレードラバー11(払拭面S)側から見て中央部12aが離間するように長尺方向に対して弓なりに湾曲した形状とされており、その中央部12aを押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させるものである。また、バーティブラ12は、各ホルダー部17の上方の空間17bに挿入される構成とされている。これらのことから、各ホルダー部17では、バーティブラ12が平らにされる際、各ホルダー部17の上部側に比較して下部側の方が間隔の変動量が大きくなる。このため、各取付手段13は、連結部18が各ホルダー部17の上部で当該各ホルダー部17を連結する構成とされていることにより、バーティブラ12の機能を阻害することを極力低減することができる。このことから、連結部18は、バーティブラ12に固定することなく当該バーティブラ12に取り付けることができるものであって各ホルダー部17と金属材料により一体的に形成されているものであればよく、バーティブラ12による力を分散させて均等化させる機能を実質的に損なわない強度に、もしくはバーティブラ12と協働して力を分散させて均等化させる機能を有する強度に設定することが望ましい。
(10)ばね板部材としてのバーティブラ12の下面に、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eが面当接されて、バーティブラ12にブレードラバー11が取り付けられていることから、ワイパーアーム50から連結具14に付与された払拭面S側への押圧力を、バーティブラ12に効率良く作用させることができる。このため、連結具14を介してワイパーアーム50から付与された払拭面S側への押圧力により、ブレードラバー11の全長に渡って略均一な押圧力でブレードラバー11(払拭部11a)を払拭面Sに当接させることができ、良好な払拭性能を得ることができる。
(11)ブレードラバー11の頭部11bに沿うようにバーティブラ12を取り付けるための取付手段13が、複数のホルダー部17が連結部18により連結された一体的な構成とされているので、上述したバーティブラ取付工程のように、取付手段13をバーティブラ12に容易に取り付けることができる。
(12)複数のホルダー部17が連なって設けられた取付手段13は、板状の金属材料から各ホルダー部17を構成する各腕部分19が連結部18と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分19で各ホルダー部17を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断し、挿入突起20のための折り曲げ加工を施すことにより形成することができ、この曲げ加工は、扁平板状部材を加工装置(図示せず)に送り入れるだけでよいことから、容易に製造することができる。これは、従来の構成では、ばね板部材に各ホルダーを固定する工程が必要であることによる。
したがって、本発明に係るワイパーブレード10では、ブレードラバー11の保持状態におけるバラツキを小さくしつつ、良好な払拭性能を確保することができる。
なお、実施例1では、連結具14において、受入孔21が両押圧板部30cにバーティブラ12の長尺方向に並列されて2つ設けられていたが、バーティブラ12に対する取付手段13の長尺方向への移動を可能とするように2つの取付手段13の挿入突起20の挿通を許すものであれば、例えば、図20に示すように、両押圧板部30c´に単一の受入孔21´を設ける構成であってもよく、実施例1に限定されるものではない。
次に、実施例2のワイパーブレード102について説明する。実施例2のワイパーブレード102は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図21は、ワイパーブレード102に用いられる取付手段132の構成を説明するために部分的に拡大して示す図6と同様の説明図であり、図22は、ワイパーブレード102の繋止機構の構成を説明するための図17と同様の側面図である。この実施例2のワイパーブレード102は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ワイパーブレード102では、図21に示すように、両取付手段132において、最も連結具14側となる位置にホルダー部が設けられておらず、代わりに突起部22が設けられている。この突起部22は、両取付手段132の各ホルダー部172に等しい幅寸法(バーティブラ12の幅方向で見た大きさ寸法)とされており、両取付手段132の各ホルダー部172の上方の空間17b(図4等参照)にばね板部材としてのバーティブラ12が挿通された状態において、そのバーティブラ12よりも幅方向に突出することとなる。また、突起部22は、実施例2では、その突出端が下方へと折り曲げられている。
このワイパーブレード102では、連結具14の4つの挟持爪部30bが、各取付手段132の突起部22と、連結方向で見てそこに隣接するホルダー部172の間でバーティブラ12を狭持することにより、連結具14がバーティブラ12に取り付けられている。ここで、突起部22は、上述したように、両取付手段132の各ホルダー部172の上方の空間17bにばね板部材としてのバーティブラ12が挿通された状態において、そのバーティブラ12よりも幅方向に突出していることから、そのバーティブラ12を幅方向で狭持している連結具14の4つの挟持爪部30bに当接可能である。このため、両取付手段132は、バーティブラ12の長尺方向で見て、一対の挟持爪部30bが突起部22に当接する位置とホルダー部172に当接する位置との間での移動が可能とされつつ、バーティブラ12に繋ぎ止められる。このことから、実施例2のワイパーブレード102では、連結具14の4つの挟持爪部30bが各取付手段132の突起部22とホルダー部172との間でバーティブラ12を狭持することが、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構として機能している。換言すると、実施例1の各取付手段13における最も連結具14側に位置するホルダー部17は、ホルダー部としての役割と突起部としての役割とを有していることとなる。
この実施例2のワイパーブレード102では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード102では、次の(14)の効果を得ることができる。
(14)突起部22がバーティブラ12よりも幅方向に突出するだけではなく、その突起部22の突出端が下方に折り曲げられていることから、突起部22と各挟持爪部30bとの当接面積を大きくすることができるので、一箇所に力が集中することを防止することができる。
次に、実施例3のワイパーブレード103について説明する。実施例3のワイパーブレード103は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図23は、ワイパーブレード103に用いられる弾性保持部材23による繋止機構を説明するための説明図であり、(a)は弾性保持部材23によりバーティブラ12に取付手段13が繋ぎ止められる様子を模式的な斜視図で示し、(b)は弾性保持部材23を模式的な斜視図で示し、(c)は(a)に示すIII−III線に沿って得られた断面で示している。なお、この図23では、理解容易のため、バーティブラ12、取付手段13および2つの弾性保持部材23以外の図示は省略している。この実施例3のワイパーブレード103は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ワイパーブレード103では、図23(a)に示すように、2つの弾性保持部材23が用いられる。弾性保持部材23は、図23(b)に示すように、帯状の金属部材が湾曲されて形成されており、バーティブラ12の上面側で延在可能な上壁部23aと、バーティブラ12の下面側で延在可能な下壁部23bと、それらを弧状に繋ぐ湾曲部23cとを有する。弾性保持部材23では、上壁部23aと下壁部23bとの最も近接された箇所における間隔dが、バーティブラ12の厚さ寸法よりも小さなものとされており、当該間隔dを押し広げると互いに近接する方向へと(元の状態へと復帰するように)弾性力が作用する。また、弾性保持部材23では、上壁部23aの先端側(湾曲部23cから最も離間された個所)と下壁部23bの先端側とが、互いに間隔を広げるように湾曲されている。
このワイパーブレード103では、図23(a)に示すように、各取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bに挿通された状態のバーティブラ12(図4等参照)に、両側方からそれぞれ弾性保持部材23が装着される。弾性保持部材23は、上壁部23aと下壁部23bとの互いの間隔が広がっている先端側から、それらの間でバーティブラ12を受け入れるように、バーティブラ12に装着される。すると、弾性保持部材23では、上壁部23aと下壁部23bとは、最も近接された箇所における間隔dが、バーティブラ12の厚さ寸法よりも小さなものとされ、かつ元の状態へと復帰する弾性力が作用するものとされていることから、図23(c)に示すように、上壁部23aと下壁部23bとでバーティブラ12を厚さ方向に狭持することができる。このバーティブラ12への装着位置は、各取付手段13の複数のホルダー部17のうち、連結方向で互いに隣り合う任意の2つのホルダー部17の間であって、バーティブラ12の幅方向で互いに対向するものとされている。ここで、弾性保持部材23では、バーティブラ12の側方から装着された状態において、バーティブラ12の幅方向で見た上壁部23aと下壁部23bとの湾曲部23cからの長さ寸法が、取付手段13の連結部18に干渉しないように設定されている。
このため、両取付手段13は、バーティブラ12の長尺方向で見て、互いに隣り合う2つのホルダー部17の間に位置する弾性保持部材23が、その一方のホルダー部17に当接する位置と他方のホルダー部17に当接する位置との間(その間の連結部18の長さ寸法から弾性保持部材23の寸法を引いた範囲)での移動が可能とされつつ、バーティブラ12に繋ぎ止められる。このことから、実施例3のワイパーブレード103では、各取付手段13において互いに隣り合う2つのホルダー部17との間で、バーティブラ12に弾性保持部材23が装着されることが、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構として機能している。このとき、弾性保持部材23は、取付手段13の連結部18に干渉しないものとされていることから、両取付手段13のバーティブラ12に対する移動を阻害することが防止されている。
この実施例3のワイパーブレード103では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード103では、次の(14)〜(17)の効果を得ることができる。
(14)弾性保持部材23は、側方から嵌め込むだけでバーティブラ12の任意の位置に装着することができる。このため、製造コストを低減することができる。
(15)弾性保持部材23が極めて簡易な構造であることから、製造コストを低減することができる。
(16)バーティブラ12に装着された状態におけるバーティブラ12の長尺方向で見た弾性保持部材23の長さ寸法を調節する(作り分ける等)ことにより、両取付手段13のバーティブラ12に対する長尺方向の移動量を調節することができる。
(17)バーティブラ12への弾性保持部材23の装着位置により、バーティブラ12に対する両取付手段13の位置を調節することができる。
なお、実施例3のワイパーブレード103では、バーティブラ12に対して、2つの弾性保持部材23が幅方向で対を為すように設けられていたが、いずれか一方のみであってもよく、実施例3に限定されるものではない。
次に、実施例4のワイパーブレード104について説明する。実施例4のワイパーブレード104は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図24は、ワイパーブレード104の構成を示すための分解斜視図であり、図25は、ワイパーブレード104に用いられる弾性保持部材234による繋止機構を説明するための説明図であり、(a)は弾性保持部材234によりバーティブラ12に取付手段13が繋ぎ止められる様子を模式的な斜視図で示し、(b)は弾性保持部材234を模式的な斜視図で示し、(c)は(a)に示すIV−IV線に沿って得られた断面で示している。なお、この図25では、理解容易のため、バーティブラ12、取付手段13および2つの弾性保持部材234以外の図示は省略している。この実施例4のワイパーブレード104は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ワイパーブレード104では、図24に示すように、スポイラー34が装着される。このスポイラー34は、ワイパーブレード104が車両C(図1参照)に取り付けられた際、車両走行時にスポイラー34にあたる空気の流れをスムースに流すとともに、流れてきた空気をスポイラー34が受けてワイパーブレード104全体に均一な圧力を加えることによって、払拭面Sへ向けてブレードラバー11に加えられる付勢力の補助を行うものである。
スポイラー34は、両取付手段13によりブレードラバー11に装着されたバーティブラ12の全長に渡って覆うことが可能な長尺形状を呈し、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を被覆する被覆部材として機能する。スポイラー34には、図示は略すがバーティブラ12およびブレードラバー11の頭部11bを収容可能な凹所が設けられており、中央に連結具14を露出させるために上記凹所に連通する開口部34aが設けられている。
このスポイラー34は、両取付手段13によりブレードラバー11に装着されたバーティブラ12に、連結具14および弾性保持部材234が取り付けられた状態において、それらを被覆しつつ開口部34aから連結具14を露出させるように、装着される。
このワイパーブレード104では、図25(a)に示すように、弾性保持部材234が用いられる。弾性保持部材234は、図25(b)に示すように、帯状の金属部材から形成されており、バーティブラ12の上面側で延在可能な本体部234aと、その両側に連続する一対の腕部234bと、を有する。本体部234aは、少なくとも上面における所定の領域が平坦な面とされて接着面234cとされている。この少なくとも所定の領域とは、後述するように、弾性保持部材234は、両取付手段13が取り付けられたバーティブラ12に装着されるものであることから、本体部234aの下面とバーティブラ12の上面との間に両取付手段13の連結部18が介在するので、下面が連結部18を受け入れ可能な形状とされていてもよく、それに伴って上面も全面を平坦面とすることが困難な場面が想定され得ることから、平坦な面が部分的にしか形成できなくなる場面が想定されることによる。この所定の領域とは、後述するように、接着面234cがスポイラー34の固定のために接着剤を塗布する個所とされることから、その固定を可能とする位置および大きさ寸法のことをいう。この本体部234aの両側のそれぞれに腕部234bが設けられている。
両腕部234bは、本体部234aから延出された個所がバーティブラ12の側部(側面)を取り巻くことができるように湾曲されて折り返されており、各先端部分234dがバーティブラ12の幅方向で互いに近接されている。この両腕部234bの最も近接された箇所における間隔wは、バーティブラ12の幅寸法よりも小さなものとされており、弾性保持部材234では、当該間隔wを押し広げると互いに近接する方向へと(元の状態へと復帰するように)弾性力が作用する。このため、弾性保持部材234では、両腕部234bがその間(対向空間)にバーティブラ12を収容可能な空間を形成するとともに、収容したバーティブラ12を両腕部234bで幅方向に狭持可能である。また、この両先端部分234dは、実施例4では、その先端が最も近接した位置から下方へ向けて互いに間隔を広げるように湾曲されている。
このワイパーブレード104では、図25(a)に示すように、各取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bに挿通された状態のバーティブラ12(図4等参照)に対して、各取付手段13の複数のホルダー部17のうち、連結方向で互いに隣り合う任意の2つのホルダー部17の間で、上方から弾性保持部材234が装着される。弾性保持部材234は、両腕部234bの両先端部分234dの互いの間隔が広がっている先端側から、それらの間にバーティブラ12を押し入れる。すると、弾性保持部材234では、両腕部234bは、互いの先端部分234dの最も近接された箇所における間隔wが、バーティブラ12の幅寸法よりも小さなものとされ、かつ元の状態へと復帰する弾性力が作用するものとされていることから、図25(c)に示すように、両先端部分234dが押し広げられて両腕部234bによる対向空間にバーティブラ12を収容することとなる。この状態では、上述したように、両腕部234bがバーティブラ12を幅方向で狭持していることから、弾性保持部材234がバーティブラ12に装着される。ここで、弾性保持部材234では、バーティブラ12の上方から装着された状態において、本体部234aが取付手段13の連結部18を介在させてバーティブラ12と対向されていることとなるが、本体部234aがバーティブラ12に対する取付手段13の長尺方向への移動を阻害しないように設定されている。このため、弾性保持部材234では、両腕部234bが一対の狭持部分として機能し、本体部234aが両狭持部分を架け渡す架渡壁部分として機能する。
このため、両取付手段13は、バーティブラ12の長尺方向で見て、互いに隣り合う2つのホルダー部17の間に位置する弾性保持部材234が、その一方のホルダー部17に当接する位置と他方のホルダー部17に当接する位置との間(その間の連結部18の長さ寸法から弾性保持部材234の寸法を引いた範囲)での移動が可能とされつつ、バーティブラ12に繋ぎ止められる。このことから、実施例4のワイパーブレード104では、各取付手段13において互いに隣り合う2つのホルダー部17との間で、バーティブラ12に弾性保持部材234が装着されることが、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構として機能している。
また、この弾性保持部材234は、上述したように、両取付手段13によりブレードラバー11に装着されたバーティブラ12に、連結具14および弾性保持部材234が取り付けられた後に、スポイラー34が装着される際(図24参照)、接着面234cに接着剤(図示せず)が塗布される。この接着剤は、接着面234cとスポイラー34の凹所(図示せず)とを接着することにより、装着されたスポイラー34を弾性保持部材234すなわちバーティブラ12に固着するものである。
この実施例4のワイパーブレード104では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード104では、次の(18)〜(22)の効果を得ることができる。
(18)弾性保持部材234は、上方から嵌め込むだけでバーティブラ12の任意の位置に装着することができる。このため、製造コストを低減することができる。
(19)弾性保持部材234が極めて簡易な構造であることから、製造コストを低減することができる。
(20)バーティブラ12に装着された状態におけるバーティブラ12の長尺方向で見た弾性保持部材234の長さ寸法を調節する(作り分ける等)ことにより、両取付手段13のバーティブラ12に対する長尺方向の移動量を調節することができる。
(21)バーティブラ12への弾性保持部材234の装着位置により、バーティブラ12に対する両取付手段13の位置を調節することができる。
(22)弾性保持部材234の接着面234cを利用して、スポイラー34を弾性保持部材234すなわちバーティブラ12に固着することができるので、スポイラー34の固着作業を容易なものとすることができるとともに、スポイラー34を適切に固着することができる。これは、以下のことによる。従来のように、バーティブラにホルダーが固定される構成では、そこの装着されるスポイラーの固定のための接着材は、バーティブラに塗布する必要があり、このバーティブラの上面とスポイラーの凹所の内壁面とを接着することとなる。この場合、バーティブラは、付勢力を長尺方向に均等化させるように形成されたものであることから、スポイラーを装着した状態において、バーティブラの上面とスポイラーの凹所の内壁面とが全面に渡って当接しているか否かは確実なものではないので、広範に渡って接着剤を塗布する必要があり、作業が煩雑なものとなる。また、バーティブラの上面とスポイラーの凹所の内壁面とが当接していない個所では、塗布された接着剤が垂れてきて外観の低下を招いてしまう虞がある。
これに対し、実施例4のワイパーブレード104では、弾性保持部材234は、繋止機構として機能するようにバーティブラ12の両側を幅方向に狭持するものであればよいことから、その本体部234aの形状にはある程度の自由度があるので、弾性保持部材234の接着面234cをバーティブラ12の凹所の内壁面に適合する形状(実施例4では平坦面)とすることができる。このため、ワイパーブレード104では、弾性保持部材234の接着面234cが、バーティブラ12の凹所の内壁面に適切に当接するので、その接着面234cのみに接着剤を塗布すればよく、作業を簡易なものとすることができる。また、弾性保持部材234の接着面234cが、バーティブラ12の凹所の内壁面に適切に当接することから、塗布した接着剤が垂れてくることを防止することができるとともに、適切に固着させることができる。
なお、実施例4では、スポイラー34が装着されるワイパーブレード104の例を示したが、スポイラー34が装着されなくても、弾性保持部材234を用いることによる繋止機構としての機能に変わりはなく、スポイラー34が装着されないワイパーブレードに弾性保持部材234を用いるものであってもよい。
次に、実施例5のワイパーブレード105について説明する。実施例5のワイパーブレード105は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図26は、ワイパーブレード105に用いられる弾性保持部材235による繋止機構を説明するための説明図であり、(a)は弾性保持部材235によりバーティブラ12に取付手段13が繋ぎ止められる様子を模式的な斜視図で示し、(b)は弾性保持部材235を模式的な斜視図で示し、(c)は(a)に示すV−V線に沿って得られた断面で示している。なお、この図26では、理解容易のため、バーティブラ12、取付手段13および2つの弾性保持部材235以外の図示は省略している。この実施例5のワイパーブレード105は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このワイパーブレード105では、図26(a)に示すように、弾性保持部材235が用いられる。弾性保持部材235は、図26(b)に示すように、板状の金属部材から形成されており、平坦な板状を呈する基部235aと、その上下端から延出された3対の腕部235bと、を有する。基部235aは、弾性保持部材235のバーティブラ12への装着状態において、バーティブラ12およびそこに取り付けられた取付手段13の各ホルダー部17の側方で延在されるものである。このため、基部235aは、バーティブラ12の板厚方向で見て、バーティブラ12よりも大きな長さ寸法とされている。また、実施例5では、弾性保持部材235に3対の腕部235bが設けられていることから、基部235aは、取付手段13の連結方向(バーティブラ12の長尺方向)で見て、連結部18により連結された3つのホルダー部17を跨ぐことが可能な長さ寸法とされている。
3対の腕部235bは、この基部235aの上下端から延出されている。各腕部235bは、基部235aから延出された個所が屈曲されて形成されており、バーティブラ12の上面および下面に沿って延在すべくバーティブラ12の板厚方向で対を為して設けられている。この腕部235bは、取付手段13の連結方向(バーティブラ12の長尺方向)で見て、等しい間隔で3つ並列されている。この3つの等しい間隔すなわち3対の腕部235bの間隔は、各腕部235bの中心位置で見ると、各取付手段13の複数のホルダー部17のうち、連結方向で互いに隣り合う任意の2つのホルダー部17の中心位置の間隔と等しくされている。このため、3対の腕部235bは、図26(a)に示すように、そのうちの真ん中の1つを2つのホルダー部17の間に位置させると、他の2つはそれらに隣接するホルダー部17との間に位置されることとなる。この弾性保持部材235は、換言すると、断面コ字状に屈曲された板状部材において、上側と下側とで対を為す3つの腕部235bを形成すべく2箇所にスリットを設けたような構成とされている。
この3対の腕部235bは、上側と下側との間隔が先端に向かうにしたがって狭くされており、最も狭い個所ではバーティブラ12の板厚寸法よりも小さな間隔とされている。この弾性保持部材235では、当該間隔を押し広げると互いに近接する方向へと(元の状態へと復帰するように)弾性力が作用する。このため、3対の腕部235bは、上側と下側とでバーティブラ12を板厚方向で狭持することが可能とされている。
弾性保持部材235は、実施例5では、図示は略すが、平坦な矩形状の板状部材に2対のスリットを設けて、3対の腕部235bに相当する個所が基部235aに相当する個所と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、この扁平板状部材に各腕部235bを形成すべく適宜曲げ加工を施すことにより形成することができる。
このワイパーブレード105では、図26(a)に示すように、各取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bに挿通された状態のバーティブラ12(図4等参照)に、両側方からそれぞれ互いに対向するように弾性保持部材235が装着される。このとき、両弾性保持部材235は、各取付手段13の複数のホルダー部17のうち、連結方向で互いに隣り合う2つのホルダー部17の間に一対の腕部235bが位置され、その隣の2つのホルダー部17の間に他の一対の腕部235bが位置され、さらにその隣の2つのホルダー部17の間に残りの一対の腕部235bが位置される。弾性保持部材235は、3対の腕部235bにおいて、上側と下側との間でバーティブラ12を受け入れるように、バーティブラ12に装着される。すると、弾性保持部材235では、3対の腕部235bの上側と下側とが、最も近接された箇所における間隔がバーティブラ12の厚さ寸法よりも小さなものとされ、かつ元の状態へと復帰する弾性力が作用するものとされていることから、図26(c)に示すように、バーティブラ12を厚さ方向に狭持することができる。このとき、弾性保持部材235では、基部235aが2つホルダー部17を跨ぐようにバーティブラ12の側方に沿って延在されている。この基部235aは、弾性保持部材235のバーティブラ12への装着状態において、バーティブラ12に対する両取付手段13の長尺方向への移動を阻害しないように設定されている。
このため、両取付手段13は、バーティブラ12の長尺方向で見て、互いに隣り合う2つのホルダー部17の間であって、互いに隣り合う3個所に位置する弾性保持部材235の3対の腕部235bが、それらの両側に位置するうちの一方のホルダー部17に当接する位置と他方のホルダー部17に当接する位置との間(その間の連結部18の長さ寸法から各腕部235bの寸法を引いた範囲)での移動が可能とされつつ、バーティブラ12に繋ぎ止められる。このことから、実施例5のワイパーブレード105では、バーティブラ12の長尺方向で見て、互いに隣り合う2つのホルダー部17の間であって、互いに隣り合う3個所で3対の腕部235bがバーティブラ12を狭持することにより、バーティブラ12に弾性保持部材235が装着されることが、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構として機能している。
この実施例5のワイパーブレード105では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード105では、次の(23)〜(28)の効果を得ることができる。
(23)弾性保持部材235が、3対の腕部235b(帯状部)が長尺な板状の基部235a(板状部)により連結された構成である、換言すると断面コ字状に屈曲された板状部材において上側と下側とで対を為す3つの腕部235bを形成すべくそれぞれ2箇所にスリットを設けたような構成であることから、各腕部235b間において基部235aが湾曲し易い構造となっているので、バーティブラ12に装着された際、バーティブラ12による力を分散させて均等化させる機能を阻害することが防止されている。
(24)弾性保持部材235は、側方から嵌め込むだけでバーティブラ12の任意の位置に装着することができる。このため、製造コストを低減することができる。
(25)弾性保持部材235が極めて簡易な構造であることから、製造コストを低減することができる。
(26)バーティブラ12に装着された状態におけるバーティブラ12の長尺方向で見た弾性保持部材235の各腕部235bの長さ寸法を調節する(作り分ける等)ことにより、両取付手段13のバーティブラ12に対する長尺方向の移動量を調節することができる。
(27)バーティブラ12への弾性保持部材235の装着位置により、バーティブラ12に対する両取付手段13の位置を調節することができる。
(28)弾性保持部材235が3対の腕部235bにより3箇所でバーティブラ12を狭持するものであることから、各腕部235bにおける狭持する力を弱く設定しても確実にバーティブラ12に装着することができ、繋止機構として機能させることができる。
なお、実施例5では、弾性保持部材235が3対の腕部235bを有する構成とされていたが、バーティブラ12の長尺方向で見て、互いに隣り合う2つのホルダー部17の間であって、互いに隣り合う複数の個所でバーティブラ12を板厚方向に狭持するものであればよく、実施例5に限定されるものではない。
次に、実施例6のワイパーブレード106について説明する。実施例6のワイパーブレード106は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図27は、ワイパーブレード106に用いられる貼付板状部材24によりバーティブラ12に取付手段13が繋ぎ止められる様子を模式的な斜視図で示す説明図である。図28は、貼付板状部材24の構成を示すための説明図であり、(a)は上面側からの模式的な斜視図で示し、(b)は(a)の矢印A3から見た模式的な斜視図で示している。なお、この図27では、理解容易のため、バーティブラ12、取付手段13および2つの貼付板状部材24以外の図示は省略している。この実施例6のワイパーブレード106は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このワイパーブレード106では、図27に示すように、貼付板状部材24が用いられる。貼付板状部材24は、図28(a)および(b)に示すように、正面視で矩形状を呈する板状部材であり、下面側に互いに直交する連結部溝24aとホルダー部溝24bとが設けられている。この連結部溝24aとホルダー部溝24bとは、取付手段13の板厚寸法に等しいもしくはそれよりも若干大きな深さ寸法とされている。連結部溝24aは、中心位置を通りつつ正面視矩形状の一方の対辺と平行に伸長されており、取付手段13の連結部18をその延在方向に移動可能に受け入れることのできる幅寸法とされている。また、ホルダー部溝24bは、中心位置を通りつつ正面視矩形状の他方の対辺と平行に伸長されており、取付手段13の各ホルダー部17を連結部18の延在方向すなわちバーティブラ12の長尺方向で見た所定の範囲で移動可能に受け入れることのできる幅寸法とされている。このため、貼付板状部材24の下面には、連結部溝24aおよびホルダー部溝24b以外の個所である4隅に相対的に脚部24cが形成されている。換言すると、貼付板状部材24では、下面において、4隅に脚部24cを形成するように、互いに直交する連結部溝24aとホルダー部溝24bと(十字状の溝部)が設けられていることとなる。この4つの脚部24cは、その底面が平坦とされている。また、貼付板状部材24の上面は、少なくとも所定の領域を平坦とする(実施例6では全面に渡り平坦である)ことにより接着面24dとすることができる。この接着面24dは、実施例4の弾性保持部材234の接着面234c(図25参照)と同様の効果を狙ったものである。
このワイパーブレード106では、図27に示すように、各取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bに挿通された状態のバーティブラ12(図4等参照)に対して、各取付手段13の複数のホルダー部17のうちの任意の1つのホルダー部17の上方から貼付板状部材24が装着される。貼付板状部材24は、4つの脚部24cの底面に接着剤が塗布された状態で、当該ホルダー部17を通る連結部18を連結部溝24aで受け入れつつ当該ホルダー部17をホルダー部溝24bで受け入れるように取付手段13の上方から宛がわれ、4つの脚部24cの底面がバーティブラ12の上面に当接されることにより、その接着剤を介して接着される。これにより、貼付板状部材24がバーティブラ12に装着される。
このため、両取付手段13は、バーティブラ12の長尺方向で見て、貼付板状部材24のホルダー部溝24bの内方に位置されるホルダー部17が、そのホルダー部溝24bの一方の壁面に当接する位置と他方の壁面に当接する位置との間での移動が可能とされつつ、バーティブラ12に繋ぎ止められる。このことから、実施例6のワイパーブレード106では、連結部18を連結部溝24aで受け入れつつホルダー部17をホルダー部溝24bで受け入れるように取付手段13の上方から貼付板状部材24がバーティブラ12に装着されることが、バーティブラ12に各取付手段13を繋ぎ止める繋止機構として機能している。
また、この貼付板状部材24は、ワイパーブレード106が、実施例4のワイパーブレード104のようにスポイラー34が装着されるものである場合(図24参照)、上面の少なくとも所定の領域を接着面24dとして利用することができる。この貼付板状部材24の接着面24dは、実施例4のワイパーブレード104の弾性保持部材234の接着面234cと同様の効果を得ることができる。
この実施例6のワイパーブレード106では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード106では、次の(29)〜(33)の効果を得ることができる。
(29)貼付板状部材24は、4つの脚部24cの底面に接着剤と塗布し、上方から適切に宛がうだけでバーティブラ12の任意の位置に装着することができる。このため、製造コストを低減することができる。
(30)貼付板状部材24が極めて簡易な構造であることから、製造コストを低減することができる。
(31)バーティブラ12に装着された状態におけるバーティブラ12の長尺方向で見た貼付板状部材24のホルダー部溝24bの長さ(幅)寸法を調節する(作り分ける等)ことにより、両取付手段13のバーティブラ12に対する長尺方向の移動量を調節することができる。
(32)バーティブラ12への貼付板状部材24の装着位置により、バーティブラ12に対する両取付手段13の位置を調節することができる。
(33)貼付板状部材24は、繋止機構として機能するように取付手段13の上方からバーティブラ12に装着可能であればよいことから、その上面(接着面24d)の形状にはある程度の自由度があるので、実施例4のワイパーブレード104の弾性保持部材234の接着面234cと同様に、貼付板状部材24の接着面24dを利用して、スポイラー34を貼付板状部材24すなわちバーティブラ12に固着することができるので、スポイラー34の固着作業を容易なものとすることができるとともに、スポイラー34を適切に固着することができる。
次に、実施例7のワイパーブレード107について説明する。実施例7のワイパーブレード107は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図29は、ワイパーブレード107の取付手段137とバーティブラ127の構成を説明するための説明図であり、(a)は部分的に拡大した斜視図で示し、(b)は(a)に示すVI−VI線に沿って得られた断面で示している。なお、この図29では、理解容易のため、バーティブラ127および取付手段137以外の図示は省略している。この実施例7のワイパーブレード107は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このワイパーブレード107では、図29(a)に示すように、バーティブラ127の中央近傍には、2つの貫通孔127bが設けられている。また、各取付手段137には、連結具14側に位置する端部に、折曲突起137aが設けられている。この折曲突起137aは、取付手段137(連結部187)を形成する板状の部材が、一端開放の矩形状に切り欠かれて形成されており、取付手段137がバーティブラ127に装着される前は折り曲げられていない。
ワイパーブレード107では、2つの取付手段137をバーティブラ127に取り付けるホルダ取付工程において、バーティブラ127の両端から中央へ向けて各取付手段137を取り付ける際、図29(b)に示すように、バーティブラ127の中央部12a近傍において、そこに設けられた貫通孔127bに各取付手段137の折曲突起137aを対向させ、この折曲突起137aを貫通孔127bの内方(下方)へと折り曲げる。これにより、両取付手段137は、連結部187がバーティブラ127に沿って延在しつつ各ホルダー部177がバーティブラ127の長尺方向に点在するように、バーティブラ127に取り付けられ、折曲突起137aが貫通孔127b内に挿通されている。
このため、両取付手段137は、バーティブラ127の長尺方向で見て、バーティブラ127の貫通孔127b内に位置される各ホルダー部177の折曲突起137aが、その貫通孔127bの一方の壁面に当接する位置と他方の壁面に当接する位置との間での移動が可能とされつつ、バーティブラ127に繋ぎ止められる。このことから、実施例7のワイパーブレード107では、各ホルダー部177の折曲突起137aがバーティブラ127の貫通孔127b内に位置されることが、バーティブラ127に各取付手段137を繋ぎ止める繋止機構として機能している。
この実施例7のワイパーブレード107では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード107では、次の(34)〜(35)の効果を得ることができる。
(34)バーティブラ127に2つの貫通孔127bを設け、かつ各取付手段137に折曲突起137aを設ければよいので、製造コストを低減することができる。
(35)貫通孔127bの径寸法を調節することにより、両取付手段137のバーティブラ127に対する長尺方向の移動量を調節することができる。
次に、実施例8のワイパーブレード108について説明する。実施例8のワイパーブレード108は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図30は、ワイパーブレード108の取付手段138とバーティブラ128の構成を説明するために部分的に拡大した斜視図である。なお、この図30では、理解容易のため、バーティブラ128および取付手段138以外の図示は省略している。この実施例8のワイパーブレード108は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このワイパーブレード108では、図30に示すように、バーティブラ128の中央近傍には、ダボ出しにより2つの凸部128cが設けられている。また、各取付手段138には、連結具14側に位置する端部に、貫通孔138bが設けられている。
ワイパーブレード108では、2つの取付手段138をバーティブラ128に取り付けるホルダ取付工程において、バーティブラ128の両端から中央へ向けて各取付手段138を取り付ける際、バーティブラ128の中央部12a近傍において、そこに設けられた凸部128cが各取付手段138の貫通孔138bに挿通される。
このため、両取付手段138は、バーティブラ128の長尺方向で見て、各取付手段138の貫通孔138b内に位置されるバーティブラ128の凸部128cが、その貫通孔138bの一方の壁面に当接する位置と他方の壁面に当接する位置との間での移動が可能とされつつ、バーティブラ128に繋ぎ止められる。このことから、実施例8のワイパーブレード108では、バーティブラ128の各凸部128cが各取付手段138の貫通孔138b内に位置されることが、バーティブラ128に各取付手段138を繋ぎ止める繋止機構として機能している。
この実施例8のワイパーブレード108では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード108では、次の(36)〜(37)の効果を得ることができる。
(36)バーティブラ128に2つの凸部128cを設け、かつ各取付手段138に貫通孔138bを設ければよいので、製造コストを低減することができる。
(37)貫通孔138bの径寸法を調節することにより、両取付手段138のバーティブラ128に対する長尺方向の移動量を調節することができる。
次に、実施例9のワイパーブレード109について説明する。実施例9のワイパーブレード109は、実施例1のワイパーブレード10とは繋止機構の構成が異なる例である。図31は、ワイパーブレード109の構成を示すための分解斜視図であり、図32は、ワイパーブレード109に用いられるホルダー部材25を説明するための説明図であり、(a)はホルダー部材25がバーティブラ12に固着された様子を模式的な斜視図で示し、(b)はホルダー部材25を模式的な斜視図で示す。この実施例9のワイパーブレード109は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ワイパーブレード109は、図31に示すように、ホルダー部材25が装着される。このホルダー部材25は、板状の金属部材が折り曲げ加工されて形成されている。ホルダー部材25は、基本的に取付手段139の各ホルダー部17と同様の構成であり、下面には切り欠き25aが形成され、バーティブラ12の挿入が可能な上方の空間25bと、そこに連続しつつ切り欠き25aにブレードラバー11の首部11cを通した状態でその頭部11bが挿入が可能な下方の空間25cとを形成している。
このホルダー部材25は、バーティブラ12の一端に固着される。この固着は、カシめによるものであってもよく、接着剤によるものであってもよい。
また、ワイパーブレード109では、図31に示すように、ストッパ26が用いられる。このストッパ26は、樹脂材料から形成されており、バーティブラ12と取付手段139との長尺方向への相対的な移動(ズレ)を阻害することなくバーティブラ12の端部に取付可能とされており、バーティブラ12の端部から各取付手段139が抜け落ちることを防止する。
なお、実施例9のワイパーブレード109に用いられる取付手段139には、挿入突起20(図3および図6等参照)が設けられておらず、連結部149には、両受入孔21(図8等参照)が設けられていない。
ワイパーブレード109では、組み立てられることに先立って、バーティブラ12の一端にホルダー部材25が固着される。その後、何も取り付けられていないバーティブラ12の他端側から、2つの取付手段139が取り付けられる(ホルダ取付工程に相当する)。そして、両取付手段139により、バーティブラ12にブレードラバー11が取り付けられた(バーティブラ取付工程に相当する)後、バーティブラ12の他端にストッパ26が取り付けられる。
ここで、ワイパーブレード109では、実施例1のように、連結具14の4つの挟持爪部30bを、取付手段13の最も連結具14側に位置するホルダー部17とその隣に位置するホルダー部17との間でバーティブラ12を狭持する構成を採用する必要はない。すなわち、ワイパーブレード109では、図示は略すが、連結具14の4つの挟持爪部30bは、両取付手段139の最も連結具14側に位置するホルダー部17よりも中央部12a側でバーティブラ12を狭持している。
このワイパーブレード109では、バーティブラ12の長尺方向で見て、一端側に位置する取付手段139は、ホルダー部材25と連結具14との間での移動が可能とされつつバーティブラ12に繋ぎ止められ、他端側に位置する取付手段139は、連結具14とストッパ26との間での移動が可能とされつつバーティブラ12に繋ぎ止められている。このことから、実施例9のワイパーブレード109では、ホルダー部材25が固着されたバーティブラ12に連結具14が取り付けられ、バーティブラ12の他端にストッパ26が取り付けられることが、バーティブラ12に各取付手段139を繋ぎ止める繋止機構として機能している。
この実施例9のワイパーブレード109では、基本的に実施例1のワイパーブレード10と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、ワイパーブレード109では、次の(38)〜(39)の効果を得ることができる。
(38)予めバーティブラ12の一端にホルダー部材25を固着し、最終的にバーティブラ12の他端にストッパ26を取り付けるだけでよいことから、製造コストを低減することができる。
(39)予めバーティブラ12の一端にホルダー部材25を固着されることから、このホルダー部材25をバーティブラ12にメッキや塗装を施す際の引っ掛け冶具として利用することができる。
なお、実施例3ないし実施例8のワイパーブレードでは、実施例1および実施例2のように、連結具14の4つの挟持爪部30bを、取付手段(13等)の最も連結具14側に位置するホルダー部17(実施例2では突起部22)とその隣に位置するホルダー部17との間でバーティブラ12を狭持する構成を合わせて採用してもよく、採用しなくてもよい。
また、実施例1ないし実施例9(実施例4および実施例6を除く)のワイパーブレードにおいて、実施例4および実施例6のようにスポイラー34が装着される構成としても、それぞれの繋止機構としての機能に変わりはなく、スポイラー34が装着されるワイパーブレードであってもよい。また、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を被覆する被覆部材であれば、スポイラー34でなくてもよい。
さらに、上記した各実施例では、払拭面Sは車両Cのフロントガラスとされていたが、例えばリアガラスであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、連結具14がワイパーアーム50の往復動に伴ってワイパーブレードを反転させるように払拭面Sに対して傾斜させる構成とされていたが、ワイパーブレードをワイパーアーム50に連結するものであればこのような揺動機能を有するものでなくてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。