図1は、本発明に係るワイパーブレード10が、車両Cのワイパーアーム50の先端部50aに取り付けられて、払拭面Sとしてのフロントガラスを払拭する状態を説明する斜視図である。図2は、ワイパーブレード10を示す模式的な斜視図であり、図3は、ワイパーブレード10の構成を示すための分解斜視図である。図4は、図2に示すI−I線に沿って得られた断面図である。図5は、取付手段13の構成を説明するために部分的に拡大して示す説明図であり、図6は、ワイパーブレード10の連結具14の構成を模式的に示す斜視図である。図7は、外方ベース部30を模式的に示す斜視図である。図8は、連結具14の内方ベース部31を模式的に示す斜視図であり、図9は、折り曲げ加工される以前の内方ベース部31を模式的に示す斜視図であり、図10は、クリップ部材32を模式的に示す斜視図である。図11は、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を示す模式的な斜視図であり、図12は、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12への連結具14の取り付けの様子を説明するための説明図であり、図13は、連結具14が取り付けられた様子を説明するための説明図である。図14は、図13に示すII−II線に沿って得られた断面図であり、図15は、往路Gにおけるブレードラバー動作を説明するために図14に準ずる断面図で示した説明図であり、図16は、復路Bにおけるブレードラバー動作を説明するために図14に準ずる断面図で示した説明図である。なお、図6では、理解容易のためワイパーアーム50が結合されていない状態を示している。
まず、本実施例のワイパーブレード10を備えたワイパーの全体構成について説明すると、図1に示すように、ワイパーブレード10が取り付けられるワイパーアーム50は、図示は略すがワイパーモータにワイパーリンクを介して接続され、そのワイパーモータの駆動により払拭面Sに沿って往復移動可能(矢印G、B参照)とされている。
そして、ワイパーアーム50が揺動されると、長尺方向と交差する方向が進行方向となるようにワイパーアーム50に装着されたワイパーブレード10は、静止姿勢である払拭面Sの下方から払拭面Sに沿って車両Cの上後方へと摺動される往路Gと、その往路Gの端から払拭面Sに沿って車両Cの下前方へと摺動される復路Bとからなる往復移動を繰り返して払拭面Sを払拭する。
このワイパーブレード10は、図2および図3に示すように、払拭面Sを払拭するブレードラバー11と、このブレードラバー11を均一な押圧力で払拭面Sに当接させるためのばね板部材としてのバーティブラ12と、そのバーティブラ12にブレードラバー11を取り付けるための取付手段13と、これらをワイパーアーム50の先端部50aに取り付けるための連結具14と、その連結具14に装着されるカバー部材15と、バーティブラ12の両端に装着されるストッパ16と、から主に構成されている。
ブレードラバー11は、払拭面Sを傷つけることなく摺動可能な弾性のゴム材料で長尺形状に形成されている。ブレードラバー11は、図4に示すように、払拭面Sに先端が当接される断面視舌状の払拭部11aと、払拭部11aの上方に位置する幅広の頭部11bと、払拭部11aと頭部11bとを連結する首部11cと、を有している。この首部11cは、頭部11bおよび払拭部11aの上部よりも幅寸法が狭く設定されている。このため、ブレードラバー11では、首部11cにより払拭部11aの上部および頭部11bとの間に凹部を形成している。
このブレードラバー11は、往復運動の反転時に主に払拭部11aが湾曲される所謂リップ反転構造と呼ばれるものである。すなわち、このブレードラバー11は、付勢力を受けて払拭面Sに押圧された状態で反転される際、換言すると摺動方向が反対側へと切り替わる際(往路Gと復路Bとの折り返しの際)に、払拭部11aの下部が湾曲して払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに対して適切な倒れ角度となって(図15および図16参照)、払拭面Sに対する払拭個所11dの当接関係が適切なものとなるように形成されている。このブレードラバー11にバーティブラ12が取り付けられる。
バーティブラ12は、図3に示すように、弾性を有する合成樹脂材料又は金属材料から長尺な板形状に形成されており、長尺方向に対して弓なりに湾曲した形状となっている。すなわちこのバーティブラ12は、弓なりに湾曲させたバーティブラ12の中央部12aを押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させる機能を有している。このバーティブラ12には、ブレードラバー11をバーティブラ12に取り付けるための一対の取付手段13が取り付けられる。
取付手段13は、図3および図5に示すように、複数のホルダー部17が連結部18により連結されて構成されている。連結部18は、湾曲自在とされた細長い板状を呈しており、実施例1では、バーティブラ12の両側に取り付けるべく、当該バーティブラ12の略半分の長さ寸法とされている。
各ホルダー部17は、矩形板状で対を為す腕部分19が連結部18から一体的に延出されることにより形成されている。各ホルダー部17は、図3ないし図5に示すように、矩形板状を呈する両腕部分19が折り返されかつ2段階にL字状に折り込まれるように加工されて、その断面で見て逆凸字状に形成されるとともに、下面には切り欠き17aが形成されている。この各ホルダー部17により形成される上方の空間17bには、連結部18の長尺方向からバーティブラ12が挿入される。これにより、取付手段13は、連結部18がバーティブラ12に沿って延在しつつ、各ホルダー部17がバーティブラ12の長尺方向に点在するように、バーティブラ12に取り付けられることとなる(図11(a)参照)。
このホルダー部17の下方の空間17cには、連結部18の長尺方向から、切り欠き17aにブレードラバー11の首部11cを通すように、その頭部11bが挿入される(図13参照)。これにより、バーティブラ12に取り付けられた両取付手段13の各ホルダー部17によって、払拭部11aが切り欠き17aから下方に突出するようにブレードラバー11を支持させることができる。このため、ブレードラバー11の頭部11bには、その上面11eがバーティブラ12の下面に面当接された状態で、バーティブラ12が取り付けられる(図4参照)。このように、バーティブラ12がブレードラバー11に宛がわれることにより、ブレードラバー11では、ワイパーアーム50に連結された際(図1参照)、その払拭部11aの先端の払拭個所11dが適切な押圧力かつ長手方向に均等に分散された押圧力で払拭面Sに接触することとなる。
このため、実施例1のワイパーブレード10では、各ホルダー部17において、上方の空間17bが各ホルダー部17の連結方向へのバーティブラ12(ばね板部材)の挿通を許すばね板挿通空間として機能し、下方の空間17cが上方の空間17b(ばね板挿通空間)に連通しつつブレードラバー11の頭部11bの挿通を許す頭部挿通空間として機能する。
この取付手段13は、例えば、図示は略すが板状の金属材料から各ホルダー部17を構成する各腕部分19が連結部18と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分19で各ホルダー部17を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断することにより形成することができる。このような曲げ加工は、連結部18から延出された各腕部分19に対して施すものでありかつ各ホルダー部17が同形状であることから、図示は略すが、連結部18の長尺方向に沿って扁平板状部材(図示せず)を送り入れることにより、各腕部分19に適宜曲げ加工を施して各ホルダー部17を形成することのできる加工装置を用いることができ、容易にかつ連続的に行うことができる。このため、上記した構成の取付手段13は、容易に製造することができる。
この取付手段13によりブレードラバー11に取り付けられたバーティブラ12には、連結具14が取り付けられる。その連結具14は、バーティブラ12すなわちワイパーブレード10をワイパーアーム50に連結するものである。連結具14は、図6に示すように、バーティブラ12を挟持するための外方ベース部30と、その内方で揺動可能に保持される内方ベース部31と、そこに取り付けられるクリップ部材32とから主に構成される。
外方ベース部30は、図6または図7に示すように、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向する一対の対向壁部30aと、互いに協働してバーティブラ12を挟持する一対の挟持爪部30bとを有する。一対の挟持爪部30bは、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向するように両対向壁部30aに設けられており、バーティブラ12の長尺方向で見た両対向壁部30aの両端位置の2箇所に設けられている。各挟持爪部30bは、両対向壁部30aの両端から下方へ向けて延出されており、その下端が対を為す他方の爪部に近づく方向へと屈曲されて延出されている。
一対の対向壁部30aには、それぞれに押圧板部30cが設けられている。両押圧板部30cは、バーティブラ12の長尺方向で見て2箇所に位置する挟持爪部30bの間に設けられており、対向壁部30aの下端から互いに近づく方向へと延出されている。両押圧板部30cは、2箇所で対を為す4つの挟持爪部30bと協働して、バーティブラ12をその厚さ方向で狭持するものである(図16参照)。
また、一対の対向壁部30aには、内側面(後述する内方ベース部31の保持板31aに臨む面)に円弧状凹所30dが設けられている。円弧状凹所30dは、バーティブラ12の幅方向で対を為すように両対向壁部30aに設けられており、バーティブラ12の長尺方向に直交する断面で見て略同一の円周上に位置する輪郭線を描くような弓形柱状を呈している。この対を為す円弧状凹所30dは、バーティブラ12の長尺方向で見て、各対向壁部30aの両端の2箇所に設けられており、後述する内方ベース部31の4つの円弧状膨出部31cを受入れ可能とされている。
両対向壁部30aには、略中央位置すなわち両端に設けられた2つの円弧状凹所30dの中間位置にリベット挿通孔30eが設けられている。このリベット挿通孔30eは、後述するリベット33の嵌入を許す貫通孔であり、後述する内方ベース部31のリベット挿通孔31dに対応して設けられている。
この外方ベース部30は、実施例1では、一対の対向壁部30aが連結腕部30fによって互いに連結されており、図示は略すが両対向壁部30aが連結腕部30fを介して連なる扁平板状部材として形成されている。外方ベース部30は、この扁平板状部材が両対向壁部30aが正対するように連結腕部30fが折り曲げられることにより、形成される。この外方ベース部30の内方に内方ベース部31が配置される。
内方ベース部31は、図8に示すように、一対の保持板31aが連結腕部31bに連結されて構成されている。両保持板31aは、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向されており、その下端が連結腕部31bにより連結されている。この内方ベース部31は、各保持板31aの外側面(一対の対向壁部30aに臨む側の面)が、それぞれが対向する外方ベース部30の各対向壁部30aの内側面に対して所定の間隔を置くような幅寸法とされている(図14参照)。
その両保持板31aには、外側面(一対の対向壁部30aに臨む側の面)に円弧状膨出部31cが設けられている。円弧状膨出部31cは、バーティブラ12の幅方向で対を為すように両保持板31aに設けられており、バーティブラ12の長尺方向に直交する断面で見て略同一の円周上に位置する輪郭線を描くような弓形柱状を呈している。この対を為す円弧状膨出部31cは、バーティブラ12の長尺方向で見た両端の2箇所に設けられており、外方ベース部30の円弧状凹所30dに摺動自在に嵌合可能とされている。
また、両保持板31aには、略中央位置すなわち両端に設けられた2つの円弧状膨出部31cの中間位置にリベット挿通孔31dが設けられている。このリベット挿通孔31dは、後述するリベット33を遊びを持って受入れ可能な貫通孔である。
この両保持板31aには、内側面に円板状凹所31eが設けられている。円板状凹所31eは、リベット挿通孔31dと同心に形成されており、後述するクリップ部材32の円板状フランジ部32aが回動自在に嵌合可能とされている。この一方の円板状凹所31eには、それが設けられた保持板31aをリベット挿通孔31dと同心の円弧状に貫通する円弧状開口31fが設けられている。
内方ベース部31は、実施例1では、図9に示すように、両保持板31aが連結腕部31bにより連結された扁平板状部材として成形される。この扁平板状部材では、内方ベース部31における外方側となる面であって両保持板31aと連結腕部31bとの境界位置に、折曲溝31gが設けられている。内方ベース部31は、扁平板状部材が折曲溝31gに沿って折り曲げられて両保持板31aが正対されることにより、形成される。この内方ベース部31の内方にクリップ部材32が配置される。
クリップ部材32は、合成樹脂材料で形成されており、車両Cに設けられたワイパーアーム50の先端部50a(図6参照)の固定およびその解除が可能とされている。クリップ部材32は、図10に示すように、両端に円板状フランジ部32aが設けられた円筒状部32bと、この円筒状部32bから対を為すように互いに平行に延出された可撓性板状部32c、32dとを有する。
両円板状フランジ部32aは、内方ベース部31の両保持板31aの内側面に対向して設けられた円板状凹所31eに嵌入可能とされており、その嵌入状態で相対的に回動可能(円板状凹所31e内で相対的に摺動可能)とされている。この両円板状フランジ部32aの一方には、内方ベース部31の保持板31aの円板状凹所31eに設けられた円弧状開口31fに嵌入可能な揺動角度規制突起32eが設けられている。この揺動角度規制突起32eは、円弧状開口31fに嵌入されることにより、円板状凹所31e内での円板状フランジ部32aの回動角度、すなわち連結具14において後述するリベット33の軸線回りのクリップ部材32の回動角度を、円弧状開口31fの延在範囲内に規制する。
円筒状部32bは、両円板状フランジ部32aが円板状凹所31eに嵌入された状態において、両保持板31aを横断する方向に延びる筒状を呈する。この円筒状部32bにより規定される筒穴32fは、後述するリベット33の挿通を可能とするものであって、円筒状部32bの横断方向で見た中央部分が最小の内径寸法とされ、かつ円板状フランジ部32aに向かうに連れて拡径される鼓形状を呈している(図16参照)。
この円筒状部32bから延出された可撓性板状部32cは、円筒状部32bの上方側(払拭面Sから離間する側)でその外周に連続する平面を形成する平板状を呈し、可撓性板状部32dは、円筒状部32bの下方側(払拭面S側)でその外周に連続する平面を形成する平板状を呈する。可撓性板状部32dは、上方(可撓性板状部32c側)への撓み変形が可能とされ、バーティブラ12に対向する下面に係止爪32gが設けられている。この係止爪32gは、ワイパーアーム50の先端部50aに設けられた後述する係止孔50b(図6参照)への係合が可能とされている。なお、実施例1では、可撓性板状部32dは、上方への撓み変形のための操作を容易とするために、先端が階段状とされて伸長されている。
このクリップ部材32では、可撓性板状部32cから円筒状部32bを経て可撓性板状部32dに至る外形形状が、U字状に湾曲されたワイパーアーム50の先端部50a(図6参照)の内形状に適合されている。
この連結具14は、以下のように組み立てられる。
先ず、図6に示すように、内方ベース部31の両保持板31aの各円弧状膨出部31cを、外方ベース部30の一対の対向壁部30aの各円弧状凹所30dにそれぞれ嵌合させるように、外方ベース部30の内方に内方ベース部31を配置する。このとき、外方ベース部30の一対の押圧板部30cと4つの挟持爪部30bとの間にバーティブラ12を位置させることにより、後述するように、連結具14をバーティブラ12に取り付けつつ組み立てることができる。
ついで、クリップ部材32の両円板状フランジ部32aを内方ベース部31の両保持板31aの円板状凹所31eに嵌合させつつ、一方の円板状フランジ部32aに設けられた揺動角度規制突起32eを、一方の円板状凹所31eに設けられた円弧状開口31fに嵌入させるように、内方ベース部31の内方にクリップ部材32を配置する。
この状態において、リベット33を、外方ベース部30の一対の対向壁部30aのリベット挿通孔30e、内方ベース部31の両保持板31aのリベット挿通孔31dおよびクリップ部材32の筒穴32fに挿通し、リベット33の頭部33aから遠い側の先端部33bをカシメる。これにより、内方から、クリップ部材32、内方ベース部31および外方ベース部30が一体化された連結具14として組み立てられる。
この連結具14では、内方ベース部31の両保持板31aの各円弧状膨出部31cが、外方ベース部30の両対向壁部30aの各円弧状凹所30dにそれぞれ嵌合されているとともに、内方ベース部31の両保持板31aと外方ベース部30の両対向壁部30aとの間には隙間が設けられているので(図14参照)、バーティブラ12の長尺方向に直交する断面で見た、各円弧状膨出部31c(各円弧状凹所30d)の中心軸回りに、内方ベース部31およびクリップ部材32が一体的に外方ベース部30に対して回動可能とされている(図15および図16参照)。このとき、連結具14では、外方ベース部30の一対の対向壁部30aのリベット挿通孔30eにより両端が支持されたリベット33が、クリップ部材32の鼓形状の筒穴32fの内壁に当接することにより、外方ベース部30に対する内方ベース部31およびクリップ部材32の回動角度が規制される(図15および図16参照)。
また、連結具14では、クリップ部材32の両円板状フランジ部32aが内方ベース部31の両保持板31aの円板状凹所31eに嵌合されているので、当該円板状凹所31eの軸線すなわちリベット33の軸線回りに、内方ベース部31に対してクリップ部材32が回動可能とされている。このとき、連結具14では、円板状フランジ部32aの揺動角度規制突起32e(図10参照)が嵌入された円板状凹所31eの円弧状開口31f(図8および図9参照)の内壁に当接することにより、内方ベース部31に対するクリップ部材32の回動角度が規制される。
この連結具14を介して、ワイパーブレード10がワイパーアーム50の先端部50aに結合される。ワイパーアーム50の先端部50aは、板状部材が湾曲されたフック状とされ、その先端近傍にクリップ部材32の可撓性板状部32dの係止爪32gに係合可能な係止孔50bが設けられている。このワイパーアーム50は、クリップ部材32の円筒状部32bおよび可撓性板状部32c、32dの外壁面を取り巻くように先端部50aをクリップ部材32に宛がい、先端部50aの係止孔50bに、クリップ部材32の可撓性板状部32dの係止爪32gを係合させることで、クリップ部材32に結合されて連結具14に連結される。
このワイパーブレード10は、以下のように組み立てられる。このワイパーブレード10では、図3に示すように、上述したように形成されたブレードラバー11、バーティブラ12、2つの取付手段13、連結具14、カバー部材15および2つのストッパ16を用いる。
先ず、2つの取付手段13をバーティブラ12に取り付けるホルダ取付工程を行う。このホルダ取付工程では、バーティブラ12の両端から中央へ向けて各取付手段13を取り付ける。このとき、各取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bでバーティブラ12を受け入れるように、当該バーティブラ12の両端側から中央部12aへと2つの取付手段13を連結部18の長尺方向に沿って相対的に移動させる。このホルダ取付工程により、両取付手段13は、図11(a)に示すように、連結部18がバーティブラ12に沿って延在しつつ各ホルダー部17がバーティブラ12の長尺方向に点在するように、バーティブラ12に取り付けられる。
次に、バーティブラ12をブレードラバー11に取り付けるバーティブラ取付工程を行う。このバーティブラ取付工程では、バーティブラ12の長尺方向に沿うように、ブレードラバー11の首部11cを、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部17の切り欠き17aを通しつつ、各ホルダー部17の下方の空間17cに、ブレードラバー11の頭部11bを挿入する。このバーティブラ取付工程により、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部17によって、払拭部11aが切り欠き17aから下方に突出するようにブレードラバー11が支持され、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eにバーティブラ12が宛がわれた状態となる(図4参照)。その後、このバーティブラ12の両端にストッパ16(図3参照)を装着する。このストッパ16は、樹脂材料から形成されており、バーティブラ12と取付手段13との長尺方向への相対的な移動(ズレ)を阻害することなくバーティブラ12の端部に取付可能とされており、バーティブラ12の端部から各取付手段13が抜け落ちることを防止する。
次に、バーティブラ12に連結具14を取り付ける連結具取付工程を行う。この連結具取付工程では、上述したように組み付け過程にある連結具14(リベット33でカシメる前の状態)において、図12に示すように、連結具14の外方ベース部30の4つの挟持爪部30bの屈曲された延出端をバーティブラ12の下側(ブレードラバー11が位置される側)へと差し入れるとともに、両取付手段13の中間位置でバーティブラ12の上面に外方ベース部30の一対の押圧板部30cを宛がう(図13および図14参照)。このとき、連結具14の外方ベース部30の4つの挟持爪部30bは、両取付手段13において最も中間位置側のホルダー部17とその隣のホルダー部17との間に位置される。ここで、実施例1では、両取付手段13における最も中間位置側のホルダー部17とその隣のホルダー部17との間(それらを繋ぐ連結部18)の長さ寸法が、バーティブラ12の長尺方向で見た各挟持爪部30bの長さ寸法よりも大きく設定されている。このため、両取付手段13は、その差分の範囲でバーティブラ12に対して移動可能となるとともに、連結具14によりバーティブラ12の端部から抜け落ちることが防止されている。
この状態において、連結具14の組み付けが完了される(上述したようにリベット33が挿通されてカシメられる(図6参照))ことにより、図13に示すように、バーティブラ12に連結具14が取り付けられ、連結具取付工程が完了する。この状態では、図13のII−II線に沿って得られた断面図である図14に示すように、外方ベース部30の2箇所で対を為す挟持爪部30bがバーティブラ12を幅方向で狭持しているとともに、その4つの挟持爪部30bと外方ベース部30の一対の押圧板部30cとがバーティブラ12を厚さ方向で狭持している。このため、連結具14は、バーティブラ12に強固に取り付けられる。
この連結具14には、カバー部材15が装着される(図3参照)。このカバー部材15は、ゴムや合成樹脂材料等の弾性変形が可能な部材から形成されており、図3に示すように、ワイパーアーム50と連結具14のクリップ部材32との結合を阻害することなく連結具14の外方ベース部30の一対の押圧板部30c、それらを繋ぐ連結腕部30fおよび4つの挟持爪部30bを可能な限り側方から覆うことが可能とされた環状を呈している。
これにより、ワイパーブレード10は、組み立てられる(図2参照)。このワイパーブレード10は、連結具14を介して、車両Cに設けられたワイパーアーム50の先端部50aに連結される(図6参照)。このとき、連結具14では、リベット33の軸線回りに、内方ベース部31に対してクリップ部材32が回動可能とされていることから、ワイパーアーム50の先端部50aと連結具14との連結が容易なものとされている。
このワイパーブレード10では、ワイパーアーム50の揺動により、往路Gにおいて払拭面S上を移動されるとき(図15参照)と、復路Bにおいて払拭面S上を移動されるとき(図16参照)と、では、払拭面Sの法線Nに対するブレードラバー11の軸線の傾斜角度θが逆向きとなり、それぞれにおいて払拭部11aの湾曲による払拭面Sに対する払拭個所11dの当接関係がより適切なものとされている。詳細には、ブレードラバー11は、往路Gを進行している場合、図15に示すように、連結具14では、払拭面Sとの角度関係が一定とされたワイパーアーム50が連結されたクリップ部材32および内方ベース部31に対して、外方ベース部30が回動し、当該外方ベース部30との角度関係が一定とされたブレードラバー11も回動することにより、当該ブレードラバー11の軸線が払拭面Sの法線Nに対して角度θで傾斜される。また、ブレードラバー11は、復路Bを進行している場合、図16に示すように、連結具14では、ワイパーアーム50が連結されたクリップ部材32および内方ベース部31に対して、外方ベース部30が回動してブレードラバー11も回動することにより、当該ブレードラバー11の軸線が払拭面Sの法線Nに対して角度−θで傾斜される。このため、ワイパーブレード10では、往路Gであっても復路Bであっても、払拭個所11dが払拭面Sに対して適切に当接されるので、良好な払拭性能を得ることができる。
このように、ワイパーブレード10では、両取付手段13の各ホルダー部17のばね板挿通空間としての上方の空間17bにばね板部材としてのバーティブラ12が挿通され、かつその下方に連通する頭部挿通空間としての下方の空間17cにブレードラバー11の頭部11bが挿通されることにより、バーティブラ12がブレードラバー11の頭部11bの上面11eに宛がわれて取り付けられている。このことから、ワイパーブレード10では、上方の空間17bがバーティブラ12の挿通を可能とするための遊びを持って内方の大きさ寸法が設定されていることとなり、両取付手段13(その各ホルダー部17)がバーティブラ12に固定されていないこととなる。このため、ワイパーブレード10では、バーティブラ12と取付手段13すなわちブレードラバー11との長尺方向への相対的な移動(ズレ)が許容されている。また、ワイパーブレード10では、バーティブラ12の長尺方向に直交する面で見て、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が許容されている。ここで、両取付手段13は、バーティブラ12に強固に取り付けられた連結具14の外方ベース部30の4つの挟持爪部30bが最も中間位置側のホルダー部17とその隣のホルダー部17との間に位置される(図12および図13参照)とともに、バーティブラ12の両端部にストッパ16(図3参照)が装着されていることから、上述した相対的な移動や揺動が阻害されることなく、バーティブラ12の両端部から抜け落ちることが防止されている。このため、実施例1では、連結具14の係合構造と両ストッパ16とが、両取付手段13がバーティブラ12の延在端から抜け落ちることを防止する抜落防止手段として機能している。
この本発明に係るワイパーブレード10では、以下の(1)〜(9)の効果を得ることができる。
(1)両取付手段13の各ホルダー部17の上方の空間17bにバーティブラ12が挿通されかつ下方の空間17cにブレードラバー11の頭部11bが挿通されることにより、バーティブラ12がブレードラバー11の頭部11b上面11eに宛がわれて取り付けられる構造であることから、両取付手段13(その各ホルダー部17)がバーティブラ12に固定されてはいない。このため、バーティブラ12では、その中央部12a押し下げるように付勢して平らにされた場合の当該付勢力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させる機能を、設定された通りに発揮することができる。このため、ワイパーブレード10では、より良好な払拭性能を得ることができる。これは、従来のワイパーブレードのようにばね板部材(本願ではバーティブラ12)に複数のホルダーを取り付ける場合、ばね板部材を挿通させた状態の当該各ホルダーをカシメることが考えられるが、このようにばね板部材が各ホルダーにより部分的に圧迫されると、当該ばね板部材では、長尺方向で見て均等化させる機能を設定された通りに発揮することができなくなってしまう虞があることによる。このことから、従来のワイパーブレードでは、各ホルダーの取り付けによる部分的な圧迫を考慮してばね板部材を設定することが考えられるが、このような部分的な圧迫を勘案して適切に均等化させるように設定することは大変困難である。また、従来のワイパーブレードでは、金属材料からなる複数のホルダーがばね板部材に点在するように固定されることとなるので、平らにされた場合の付勢力を分散させる作用が設定されたものとは異なるものとなってしまう虞もある。このように、ワイパーブレード10では、バーティブラ12がより設定値に近い状態で払拭面Sへの押圧力を長尺方向に均等化させることができる、すなわちバーティブラ12の精度が高められているので、より良好な払拭性能を得ることができることとなる。また、ワイパーブレード10では、バーティブラ12の精度が高められていることから、組み立て後の製品検査も簡略化することができる。
(2)上方の空間17bがバーティブラ12の挿通を可能とするための遊びを持って内方の大きさ寸法が設定されていることから、バーティブラ12の中央部12aを起点としてバーティブラ12と取付手段13すなわちブレードラバー11との長尺方向への相対的な移動(ズレ)が許容されているので、良好な払拭性能を確保することができる。これは、以下のことによる。ワイパーブレード10では、バーティブラ12が中央部12a押し下げられて平らにされた場合に当該付勢力を長尺方向で見て均等化させるものであって、その下面にブレードラバー11の払拭部11aの上面11eが宛がわれていることから、バーティブラ12とブレードラバー11とが、湾曲された状態と平らにされた状態とでは長尺方向で見た位置関係が一定ではない。このため、バーティブラ12とブレードラバー11とでは、相対的な移動(ズレ)が許容されていない場合、位置関係の変化に伴って圧縮や引張等の力が作用することとなり、バーティブラ12における均等化の機能が阻害されたり、ブレードラバー11の払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに適切に当接できなくなったり、ブレードラバー11が適切に反転できなくなったりする虞があり、払拭性能の(設定されたものよりも)低下する原因となる。ところが、ワイパーブレード10では、バーティブラ12とブレードラバー11とにおいて相対的な移動(ズレ)が許容されていることから、バーティブラ12およびブレードラバー11に不必要な力が作用することを防止することができるので、払拭性能を確保することができる。
(3)バーティブラ12とブレードラバー11とでは、相対的な移動(ズレ)が許容されているので、完全な平面ではない払拭面Sに対する追従性を向上させることができ、払拭性能を確保することができる。
(4)上方の空間17bがバーティブラ12の挿通を可能とするための遊びを持って内方の大きさ寸法が設定されていることから、バーティブラ12の長尺方向に直交する面で見て該バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が許容されている。また、バーティブラ12は、連結具14の外方ベース部30に直に取り付けられるものである。これらのことから、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が可能であることは、連結具14において内方ベース部31およびクリップ部材32が一体的に外方ベース部30に対して回動可能とされていることと同様の効果を得ることができることとなるので、ブレードラバー11の払拭部11aにおける反転動作を補助することができ、払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに対して適切な傾斜角度で当接することを補助することができる。このため、反転性能および払拭性能を向上させることができる。このことは、反転をブレードラバー11の払拭部11aだけに頼らないことから、ブレードラバー11への負担を軽減できることとなるので、ブレードラバー11の劣化を抑制することができ、より長い間、良好な払拭性能を維持しつつブレードラバー11を利用することができることとなる。このことから、上方の空間17bは、バーティブラ12の挿通を可能とするものであって、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動範囲を設定する観点から内方の大きさ寸法が設定されていてもよい。
(5)金属材料からなる取付手段13の各ホルダー部17にブレードラバー11を保持させることによりバーティブラ12をブレードラバー11に取り付けているので、取付手段13によるブレードラバー11の保持状態を安定させることができ、良好な払拭性能を得ることができる。
(6)各取付手段13は、連結部18が各ホルダー部17の上部(払拭面Sから離間された側)で当該各ホルダー部17を連結する構成とされていることから、バーティブラ12に取り付けられることに起因して、力を分散させて均等化させる当該バーティブラ12の機能を阻害することを、極力低減することができる。これは、以下のことによる。バーティブラ12は、ブレードラバー11(払拭面S)側から見て中央部12aが離間するように長尺方向に対して弓なりに湾曲した形状とされており、その中央部12aを押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させるものである。また、バーティブラ12は、各ホルダー部17の上方の空間17bに挿入される構成とされている。これらのことから、各ホルダー部17では、バーティブラ12が平らにされる際、各ホルダー部17の上部側に比較して下部側の方が間隔の変動が大きくなる。このため、各取付手段13は、連結部18が各ホルダー部17の上部で当該各ホルダー部17を連結する構成とされていることにより、バーティブラ12の機能を阻害することを極力低減することができる。このことから、連結部18は、バーティブラ12に固定することなく当該バーティブラ12に取り付けることができるものであって各ホルダー部17と金属材料により一体的に形成されているものであればよく、バーティブラ12による力を分散させて均等化させる機能を実質的に損なわない強度に、もしくはバーティブラ12と協働して力を分散させて均等化させる機能を有する強度に設定することが望ましい。
(7)ばね板部材としてのバーティブラ12の下面に、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eが面当接されて、バーティブラ12にブレードラバー11が取り付けられていることから、ワイパーアーム50から連結具14に付与された払拭面S側への押圧力を、バーティブラ12に効率良く作用させることができる。このため、連結具14を介してワイパーアーム50から付与された払拭面S側への押圧力により、ブレードラバー11の全長に渡って略均一な押圧力でブレードラバー11(払拭部11a)を払拭面Sに当接させることができ、良好な払拭性能を得ることができる。
(8)ブレードラバー11の頭部11bに沿うようにバーティブラ12を取り付けるための取付手段13が、複数のホルダー部17が連結部18により連結された一体的な構成とされているので、上述したバーティブラ取付工程のように、取付手段13をバーティブラ12に容易に取り付けることができる。
(9)複数のホルダー部17が連なって設けられた取付手段13は、図示は略すが板状の金属材料から各ホルダー部17を構成する各腕部分19が連結部18と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分19で各ホルダー部17を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断することにより形成することができ、この曲げ加工は、扁平板状部材を加工装置(図示せず)に送り入れるだけでよいことから、容易に製造することができる。これは、従来の構成では、ばね板部材に各ホルダーを固定する工程が必要であることによる。
したがって、本発明に係るワイパーブレード10では、ブレードラバー11の保持状態におけるバラツキを小さくしつつ、良好な払拭性能を確保することができる。
次に、実施例2のワイパーブレード102について説明する。実施例2のワイパーブレード102は、実施例1のワイパーブレード10において更なる払拭性能と汎用性との向上させることを目的として構成されたものである。図17は、ワイパーブレード102の構成を説明するための図3と同様の分解斜視図であり、図18は、ワイパーブレード102に用いられる取付手段132の構成を説明するために部分的に拡大して示す説明図である。この実施例2のワイパーブレード102は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ワイパーブレード102では、図17に示すように、長尺方向で見て連結具14を中心とした双方に複数(実施例2では各3つ)の取付手段132が設けられているものである。すなわち、実施例1のワイパーブレード10では、長尺方向で見て連結具14を中心として一対の取付手段13が設けられていたが、ワイパーブレード102では、実施例1の各取付手段13(図3参照)が長尺方向に3つに分割されたような構成とされているものである。
各取付手段132は、図18に示すように、複数のホルダー部17が連結部182により連結されて構成されていることは実施例1の取付手段13と同様であるが、連結部182の構造が異なるものとされている。
詳細には、各取付手段132では、図17に示すように、総て(実施例2では6つ)の連結部182の長さ寸法を合計すると、バーティブラ12の長さ寸法に略等しくなるものとされている。ここでいう略等しいとは、バーティブラ12への連結具14の取付のために当該連結具14がバーティブラ12に直接当接する個所を設けることや、バーティブラ12とブレードラバー11との相対的な移動(ズレ)を考慮することにより、長尺方向で見たバーティブラ12の長さ寸法と各取付手段132(実施例2では6つ)の長さ寸法の合計値とが必ずしも一致されない場合があることによる。
実施例2では、連結部182の長さ寸法が短めに設定された4つの取付手段132Sと、それらよりも連結部182の長さ寸法が長めに設定された2つの取付手段132Lと、が用いられている。各取付手段132Sは、バーティブラ12の長尺方向で見た両端位置およびそこに隣接する位置に用いられており、図18に示すように、連結部182の両端に乗上防止部分34が設けられている。この乗上防止部分34は、後述するように、バーティブラ12に対して長尺方向に直列するように取り付けられる各取付手段132が相互に乗り上げることを防止するものである。乗上防止部分34は、実施例2では、各取付手段132Sにおいて、板状の連結部182が長尺方向で見て最も端に位置されるホルダー部17よりも延出された個所が、長尺方向と直交する面に沿うように上方へと折り曲げられて形成されている。ワイパーブレード102では、図17に示すように、各取付手段132Sの内側(連結具14側)に2つの取付手段132Lが用いられる。
この両取付手段132Lは、バーティブラ12の長尺方向で見て連結具14の両側に位置されるものであり、連結部182において連結具14側とは反対側に位置する他端に、各取付手段132Sと同様の乗上防止部分34が設けられている。
実施例2のワイパーブレード102では、ホルダ取付工程において、先ず、バーティブラ12の両端から中央へ向けて各取付手段132Lを取り付け、その後、バーティブラ12の両端から中央へ向けて取付手段132Sを2つずつ取り付ける。このとき、各取付手段132Lは、一端を連結具14側に位置させて、各ホルダー部17の上方の空間17bでバーティブラ12を受け入れるように、当該バーティブラ12の両端側から中央部12aへと連結部182の長尺方向に沿って相対的に移動される。また、各取付手段132Sは、各ホルダー部17の上方の空間17bでバーティブラ12を受け入れるように、当該バーティブラ12の両端側から中央部12aへと連結部182の長尺方向に沿って相対的に移動させる。
このホルダ取付工程により、6つの取付手段132は、各連結部182がバーティブラ12に沿って延在するように直列(連設)されてバーティブラ12に取り付けられ、それぞれの各ホルダー部17が、バーティブラ12の長尺方向に点在される。この状態では、バーティブラ12の長尺方向で見ると、各取付手段132(132Lと132Sの間および132Sと132Sの間)が、それぞれの乗上防止部分34(図18参照)を対向させるように直列されて隣接している。
この6つの取付手段132が取り付けられたバーティブラ12に対してバーティブラ取付工程が行われ、バーティブラ12に取り付けられた各取付手段132の各ホルダー部17によって、払拭部11aが切り欠き17aから下方に突出するようにブレードラバー11が支持され、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eにバーティブラ12が宛がわれた状態となる(図4参照)。その後、このバーティブラ12の両端にストッパ16(図17参照)を装着する。このストッパ16は、実施例1のワイパーブレード10と同様に、バーティブラ12と各取付手段132(特に両端に位置される2つの取付手段132S)との長尺方向への相対的な移動(ズレ)を阻害することなくバーティブラ12の端部に取付可能とされており、バーティブラ12の端部から各取付手段132が抜け落ちることを防止する。その他は、実施例1のワイパーブレード10と同様の工程により組み立てることができる。
なお、実施例2のワイパーブレード102において、各取付手段132Lの一端に乗上防止部分34が設けられていないのは、バーティブラ12に連結具14を取り付ける構造が実施例1のワイパーブレード10と同様とされていることから、乗上防止部分34が設けられていると当該連結具14の取り付けを阻害してしまうことによる。このため、例えば、バーティブラ12に取り付けられた連結具14の一対の外方ベース部30の両端位置に、各取付手段132Lの一端が当接するような構成とすれば、当該一端に乗上防止部分を設けることが望ましく、実施例2の構成に限定されるものではない。
この実施例2のワイパーブレード102では、上記した(1)〜(9)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(10)6つの取付手段132がバーティブラ12の長尺方向に直列(連設)されているすなわちバーティブラ12に対して6つに分割された取付手段132により当該バーティブラ12にブレードラバー11が取り付けられていることから、各取付手段132の間では自由にバーティブラ12の長尺方向に近接したり離間したりすることができるので、ブレードラバー11およびそこに取り付けられたバーティブラ12の動作の自由度をより向上させることができ、より払拭性能を向上させることができる。
(11)バーティブラ12の長尺方向に直列(連設)されている6つの取付手段132では、互いが当接する個所に乗上防止部分34が設けられていることから、互いに隣接する一方の取付手段132が他方の取付手段132とバーティブラ12との間に入り込むこと(相互に乗り上げること)を防止することができるので、各取付手段132が適切な状態でバーティブラ12をブレードラバー11に取り付けることができる。よって、良好な払拭性能を確保しかつ円滑な反転動作を可能とすることができる。
(12)単一のブレードラバー11およびバーティブラ12に対して複数の取付手段132を用いていることから、ブレードラバー11およびバーティブラ12の長さ寸法に複数の設定が為されている場合であっても、取付手段132の用いる個数を適宜調整することにより、当該取付手段132の設計変更を必要とすることなく各種の長さ寸法に対応することができる。具体的には、実施例2において、バーティブラ12およびブレードラバー11の長さ寸法が700mmであり、各取付手段132Lの長さ寸法が225mmであり、各取付手段132Sの長さ寸法が150mmであるとする。また、長さ寸法以外の大きさ寸法が等しいものであって、バーティブラ12およびブレードラバー11の長さ寸法が600mmとされた規格のワイパーブレード(図示せず)と、バーティブラ12およびブレードラバー11の長さ寸法が300mmとされた規格のワイパーブレード(図示せず)と、があるとする。この場合、各取付手段132Lと同様の構成であって長さ寸法が150mmの取付手段(図示せず)を形成すると、600mmとされた規格のワイパーブレード(図示せず)にあっては、2つの当該取付手段(図示せず)を内側(連結具14に近接する側)に用いるとともに2つの取付手段132Sを用いることで、当該600mmのワイパーブレード(図示せず)を構成することができる。また、300mmとされた規格のワイパーブレード(図示せず)にあっては、2つの当該取付手段(図示せず)を内側(連結具14に近接する側)に用いることで、当該300mmのワイパーブレード(図示せず)を構成することができる。また、この具体例においては、例えば、各取付手段の長さ寸法を75mmとすることにより、単に取付手段の用いる個数を変更するだけで、上記の3つの規格の長さ寸法のワイパーブレード(図示せず)に対応することができる。このことから、実施例2の態様のワイパーブレード102では、バーティブラ12をブレードラバー11に適切に取り付けることができるように、所定の長さ寸法に設定されたバーティブラ12およびブレードラバー11の全長に渡って取付手段が位置するように、複数の取付手段が直列(連設)されていればよいこととなる。
次に、実施例5のワイパーブレード105について説明する。実施例5のワイパーブレード105は、実施例1のワイパーブレード10において、他の方法により取付手段が構成されたものである。図21は、ワイパーブレード105に用いられる取付手段135の構成を説明するために部分的に拡大して示す説明図である。この実施例5のワイパーブレード105は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ワイパーブレード105では、一対の取付手段135が用いられる。この両取付手段135は、金属材料からなる単一の線状部材すなわちワイヤが折り曲げ加工されることにより形成されている。両取付手段135は、基本的な構造は実施例1のワイパーブレード10の取付手段13(図5参照)と同様であり、複数のホルダー部175が連結部185によって、バーティブラ12の長尺方向に連結された構成である。また、各ホルダー部175においても、基本的な構造は実施例1のワイパーブレード10の各ホルダー部17(図5参照)と同様であり、ばね板挿通空間としての上方の空間175bと、その下方に連通する頭部挿通空間としての下方の空間175cと、その下端に切り欠き175aと、が設けられている。
この両取付手段135では、実施例1のワイパーブレード10の取付手段13を模るようにワイヤが折り曲げ加工されて形成されている。換言すると、実施例1のワイパーブレード10の取付手段13では、上述したように、図示は略すが板状の金属材料から各ホルダー部17を構成する各腕部分19が連結部18と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分19で各ホルダー部17を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断することにより形成することができるものであるが、その扁平板状部材における外縁部分に相当する個所を模るようにワイヤを折り曲げ加工することにより、両取付手段135が形成されていることとなる。このため、両取付手段135では、ワイパーブレード105の往復方向(図1参照)で見て、折り曲げ加工されたワイヤが、各ホルダー部17の一方の腕部分19と連結部18の一方の縁部とを交互に形作り、その後取付手段135の延在端部に相当する位置(符号135a参照)で折り返されて、各ホルダー部17の他方の腕部分19と連結部18の他方の縁部とを交互に形作っている。
この取付手段135は、ワイヤを送り入れることにより、当該ワイヤに適宜曲げ加工を施して、複数のホルダー部175が連結部185によってバーティブラ12の長尺方向に連結された形状とすることのできる加工装置を用いることができ、容易にかつ連続的に行うことができる。このため、上記した構成の取付手段135は、容易に製造することができる。
この実施例5のワイパーブレード105では、上記した(1)〜(9)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(18)各取付手段135では、連結部185が板状ではなく両端で延在するワイヤにより構成されていることから、連結部185の剛性を低減することができるので、バーティブラ12による力を分散させて均等化させる機能を阻害することを抑制することができ、より高い払拭性能を得ることができる。
(19)各取付手段135では、外形を模るように折り曲げ加工されたワイヤにより構成されているので、重量を低減することができるので、より高い払拭性能を得ることができる。
(20)各取付手段135とバーティブラ12との接触面積を低減することができるので、バーティブラ12による力を分散させて均等化させる機能を阻害することを抑制することができ、より高い払拭性能を得ることができる。
(21)各取付手段135とバーティブラ12との接触面積を低減することができるので、バーティブラ12に対するブレードラバー11の長尺方向への相対的なずれ易さを向上させることができ、より高い払拭性能を得ることができる。
(22)各取付手段135すなわち上方の空間175bとバーティブラ12との接触面積を低減することができるので、ホルダ取付工程において、バーティブラ12の両端から中央へ向けて各取付手段135を取り付ける作業を容易なものとすることができる。
(23)各取付手段135は、ワイヤを折り曲げ加工されることにより形成されているのでは、板状の金属材料から各ホルダー部175を構成する各腕部分19が連結部18と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成することのように縁部にバリが形成されることがないので、バリ取りの作業が必要なく、より簡易に形成することができる。
なお、本発明に係るワイパーブレードでは、この実施例5の態様を実施例2の態様に用いる、すなわち複数の取付手段132のそれぞれをワイヤを折り曲げ加工することにより形成する構成としてもよく、実施例5に限定されるものではない。
なお、上記した各実施例では、払拭面Sは車両Cのフロントガラスとされていたが、例えばリアガラスであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、連結具14がワイパーアーム50の往復動に伴ってワイパーブレードを反転させるように払拭面Sに対して傾斜させる構成とされていたが、ワイパーブレードをワイパーアーム50に連結するものであればこのような揺動機能を有するものでなくてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、取付手段13(132、133、134、135)が取り付けられたバーティブラ12が外部に露出している構成について説明したが、取付手段13等を用いることによる、ブレードラバー11の保持状態におけるバラツキを小さくしつつ良好な払拭性能を確保する、という効果を得ることができ、上記した実施例に限定されるものではない。
例えば、ワイパーブレード(符号106で示す)は、他の例として、図22ないし図25に示すように、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材37に収容される構成とすることができる。ここで、図22は、ワイパーブレード106の構成を示すための分解斜視図であり、図23は、バーティブラ12、取付手段13および被覆部材37を示す模式的な斜視図であり、(a)は取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材37に収容される様子を示し、(b)は取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材37に収容された様子を示す。図24は、押込工程の様子を説明するための説明図であり、図25は、バーティブラ取付工程の様子を説明するための説明図である。
このワイパーブレード106では、被覆部材37が用いられること以外は、実施例1のワイパーブレード106と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード106と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
被覆部材37は、金属材料から形成された取付手段13に水、雪および泥等が付着することを防止するものであり、図23に示すように、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12の受入を可能とすべく管状を呈している。被覆部材37は、この例では、ゴム材料からディッピング加工により形成されて薄膜でしなやかな態様すなわち高い自在性を有している。
ワイパーブレード106では、2つの取付手段13をバーティブラ12に取り付けるホルダ取付工程の後に、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を被覆部材37に収容するバーティブラ収容工程を行う。このバーティブラ収容工程では、図23(a)に示すように、管状の被覆部材37の一端から、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を挿入する。このバーティブラ収容工程により、図23(b)に示すように、被覆部材37は、バーティブラ12および取付手段13を取り囲むようにそれらを収容している状態となる。
次に、バーティブラ12に取り付けられた両取付手段13の各ホルダー部17の下方の空間17cに被覆部材37を押し込む押込工程を行う。この押込工程では、図24に示すように、取付手段13の各ホルダー部17を覆う被覆部材37の外方から細板状のヘラ38を宛がい、そのヘラ38で被覆部材37をバーティブラ12に押し当てつつ当該ヘラ38を各ホルダー部17の切り欠き17aの間を通過させる。このように、この例のワイパーブレード106では、被覆部材37が自在性を有することから、押込工程の作業を容易なものとすることができる。この押込工程により、図25に示すように、被覆部材37は、2つの取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を収容し、かつ下部(払拭面Sに臨む側)が連続的に各ホルダー部17の下方の空間17cに押し込まれた状態となる。
次に、バーティブラ12をブレードラバー11に取り付けるバーティブラ取付工程を行う。このバーティブラ取付工程では、バーティブラ12の長尺方向に沿うように、ブレードラバー11の首部11cを被覆部材37により覆われた切り欠き17aを通しつつ、押し込まれた被覆部材37により内方が覆われた各ホルダー部17の下方の空間17cに、ブレードラバー11の頭部11bを挿入する。このバーティブラ取付工程により、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部17によって、払拭部11aが切り欠き17aから下方に突出するようにブレードラバー11が支持され、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eに被覆部材37を介してバーティブラ12が宛がわれた状態となる。その後、この被覆部材37の両端にストッパ16(図22参照)を装着する。
この例のワイパーブレード106であっても、実施例1のワイパーブレード106と同様の効果を得ることができる。また、この例のワイパーブレード106に、実施例2ないし実施例5の態様を適用しても、それら各実施例と同様の効果を得ることができる。