図1は、本発明に係るワイパーブレード10が、車両Cのワイパーアーム50の先端部50aに取り付けられて、払拭面Sとしてのフロントガラスを払拭する状態を説明する斜視図である。図2は、ワイパーブレード10を示す模式的な斜視図であり、図3は、ワイパーブレード10の構成を示すための分解斜視図である。図4は、図2に示すI−I線に沿って得られた断面図である。図5は、取付手段13の構成を説明するために部分的に拡大して示す説明図であり、図6は、バーティブラ12と取付手段13との位置ずれ防止構造を説明するための説明図である。図7は、ワイパーブレード10の連結具15の構成を模式的に示す斜視図であり、図8は、外方ベース部21を模式的に示す斜視図である。図9は、連結具15の内方ベース部22を模式的に示す斜視図であり、図10は、折り曲げ加工される以前の内方ベース部22を模式的に示す斜視図であり、図11は、クリップ部材23を模式的に示す斜視図である。図12は、バーティブラ12、取付手段13および被覆部材14を示す模式的な斜視図であり、(a)は取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材14に収容される様子を示し、(b)は取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材14に収容された様子を示す。図13は、押込工程の様子を説明するための説明図であり、図14は、バーティブラ取付工程の様子を説明するための説明図である。図15は、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材14に収容された状態への連結具15の取り付けの様子を説明するための説明図であり、図16は、連結具15が取り付けられた様子を説明するための説明図である。図17は、図16に示すII−II線に沿って得られた断面図であり、図18は、往路Gにおけるブレードラバー動作を説明するために図16に準ずる断面図で示した説明図であり、図19は、復路Bにおけるブレードラバー動作を説明するために図16に準ずる断面図で示した説明図である。なお、図7では、理解容易のためワイパーアーム50が結合されておらずかつカバー部材16が装着されていない状態を示している。
まず、本実施例のワイパーブレード10を備えたワイパーの全体構成について説明すると、図1に示すように、ワイパーブレード10が取り付けられるワイパーアーム50は、図示は略すがワイパーモータにワイパーリンクを介して接続され、そのワイパーモータの駆動により払拭面Sに沿って往復移動可能(矢印G、B参照)とされている。
そして、ワイパーアーム50が揺動されると、長尺方向と交差する方向が進行方向となるようにワイパーアーム50に装着されたワイパーブレード10は、静止姿勢である払拭面Sの下方から払拭面Sに沿って車両Cの上後方へと摺動される往路Gと、その往路Gの端から払拭面Sに沿って車両Cの下前方へと摺動される復路Bとからなる往復移動を繰り返して払拭面Sを払拭する。
このワイパーブレード10は、図2および図3に示すように、払拭面Sを払拭するブレードラバー11と、このブレードラバー11を均一な押圧力で払拭面Sに当接させるためのばね板部材としてのバーティブラ12と、そのバーティブラ12にブレードラバー11を取り付けるための取付手段13と、バーティブラ12および取付手段13を収容する被覆部材14と、これらをワイパーアーム50の先端部50aに取り付けるための連結具15と、その連結具15に装着されるカバー部材16と、被覆部材14の両端に装着されるストッパ17と、から主に構成されている。
ブレードラバー11は、払拭面Sを傷つけることなく摺動可能な弾性のゴム材料で長尺形状に形成されている。ブレードラバー11は、図4に示すように、払拭面Sに先端が当接される断面視舌状の払拭部11aと、払拭部11aの上方に位置する幅広の頭部11bと、払拭部11aと頭部11bとを連結する首部11cと、を有している。この首部11cは、頭部11bおよび払拭部11aの上部よりも幅寸法が狭く設定されている。このため、ブレードラバー11では、首部11cにより払拭部11aの上部および頭部11bとの間に凹部を形成している。
このブレードラバー11は、往復運動の反転時に払拭部11aの湾曲が可能な所謂リップ反転構造と呼ばれるものである。すなわち、このブレードラバー11は、付勢力を受けて払拭面Sに押圧された状態で反転される際、換言すると摺動方向が反対側へと切り替わる際(往路Gと復路Bとの折り返しの際)に、払拭部11aの下部が湾曲して払拭部11aの先端(払拭個所11d)が払拭面Sに対して適切な倒れ角度となって(図18および図19参照)、払拭面Sに対する払拭個所11dの当接関係が適切なものとなるように形成されている。このブレードラバー11にバーティブラ12が取り付けられる。
バーティブラ12は、図3に示すように、弾性を有する合成樹脂材料又は金属材料から長尺な板形状に形成されており、長尺方向に対して弓なりに湾曲した形状となっている。すなわちこのバーティブラ12は、弓なりに湾曲させたバーティブラ12の中央部12aを押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させる機能を有している。実施例1では、バーティブラ12の中央近傍には、ダボ出しにより2つの凸部12bが設けられている(図6参照)。このバーティブラ12には、ブレードラバー11をバーティブラ12に取り付けるための一対の取付手段13が取り付けられる。
取付手段13は、図3および図5に示すように、複数のホルダー部18が連結部19により連結されて構成されている。連結部19は、湾曲自在とされた細長い板状を呈しており、実施例1では、バーティブラ12の両側に取り付けるべく、当該バーティブラ12の略半分の長さ寸法とされている。
各ホルダー部18は、矩形板状で対を為す腕部分20が連結部19から一体的に延出されることにより形成されている。各ホルダー部18は、図3ないし図5に示すように、矩形板状を呈する両腕部分20が折り返されかつ2段階にL字状に折り込まれるように加工されて、その断面で見て逆凸字状に形成されるとともに、下面には切り欠き18aが形成されている。この各ホルダー部18により形成される上方の空間18bには、連結部19の延在方向からバーティブラ12が挿入される。これにより、取付手段13は、連結部19がバーティブラ12に沿って延在しつつ、各ホルダー部18がバーティブラ12の長尺方向に点在するように、バーティブラ12に取り付けられることとなる(図12(a)参照)。
また、ホルダー部18の下方の空間18cには、被覆部材14を介在させた状態で、連結部19の延在方向から、切り欠き18aにブレードラバー11の首部11cを通すように、その頭部11bが挿入される(図14参照)。これにより、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部18によって、払拭部11aが切り欠き18aから下方に突出するようにブレードラバー11を支持させることができる。このため、ブレードラバー11の頭部11bには、その上面11eが被覆部材14を介してバーティブラ12の下面に面当接された状態で、バーティブラ12が取り付けられる(図4参照)。このように、バーティブラ12がブレードラバー11に宛がわれることにより、ブレードラバー11では、ワイパーアーム50に連結された際(図1参照)、その払拭部11aの先端の払拭個所11dが適切な押圧力かつ長手方向に均等に分散された押圧力で払拭面Sに接触することとなる。このため、実施例1のワイパーブレード10では、各ホルダー部18において、上方の空間18bがバーティブラ12(ばね板部材)の挿通を許すばね板挿通空間として機能し、下方の空間18cが上方の空間18b(ばね板挿通空間)に連通しつつブレードラバー11の頭部11bの挿通を許す頭部挿通空間として機能する。
この取付手段13は、例えば、図示は略すが板状の金属材料から各ホルダー部18を構成する各腕部分20が連結部19と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分20で各ホルダー部18を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断することにより形成することができる。このような曲げ加工は、連結部19から延出された各腕部分20に対して施すものでありかつ各ホルダー部18が同形状であることから、図示は略すが、連結部19の延在方向に沿って扁平板状部材(図示せず)を送り入れることにより、各腕部分20に適宜曲げ加工を施して各ホルダー部18を形成することのできる加工装置を用いることができ、容易にかつ連続的に行うことができる。このため、上記した構成の取付手段13は、容易に製造することができる。実施例1では、取付手段13には、連結部19の一端近傍に、バーティブラ12の凸部12bを受入れ可能な貫通孔13aが設けられている(図6参照)。
この取付手段13が取り付けられたバーティブラ12は、ブレードラバー11への取り付けに先立って、被覆部材14内に収容される(図12ないし図14参照)。この収容の様子は後に詳述する。被覆部材14は、金属材料から形成された取付手段13(バーティブラ12も含む)に水、雪および泥等が付着することを防止するものであり、図3に示すように、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12の受入を可能とすべく管状を呈している。被覆部材14は、実施例1では、ゴム材料からディッピング加工により形成されて薄膜でしなやかな態様すなわち高い自在性を有している。この被覆部材14の中央部には、図15に示すように、バーティブラ12への連結具15の取り付けのための取付孔14aが設けられている。この取付孔14aは、実施例1では、連結具15の構成に合わせて、被覆部材14(バーティブラ12)の幅方向(払拭面Sと平行であり長尺方向と直交する方向)で対を為しつつ長尺方向で見た2箇所に位置されており、4つ設けられている。
その連結具15は、バーティブラ12すなわちワイパーブレード10をワイパーアーム50に連結するものであり、被覆部材14の取付孔14aを介してバーティブラ12の中央部12aに取り付けられる。連結具15は、図7に示すように、バーティブラ12を挟持するための外方ベース部21と、その内方で揺動可能に保持される内方ベース部22と、そこに取り付けられるクリップ部材23とから主に構成される。
外方ベース部21は、図7または図8に示すように、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向する一対の対向壁部21aと、互いに協働してバーティブラ12を挟持する一対の挟持爪部21bとを有する。一対の挟持爪部21bは、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向するように両対向壁部21aに設けられており、バーティブラ12の延在方向で見た両対向壁部21aの両端位置の2箇所に設けられている。各挟持爪部21bは、両対向壁部21aの両端から下方へ向けて延出されており、その下端が対を為す他方の爪部に近づく方向へと屈曲されて延出されている。
一対の対向壁部21aには、それぞれに押圧板部21cが設けられている。両押圧板部21cは、バーティブラ12の延在方向で見て2箇所に位置する挟持爪部21bの間に設けられており、対向壁部21aの下端から互いに近づく方向へと延出されている。両押圧板部21cは、2箇所で対を為す4つの挟持爪部21bと協働して、被覆部材14を介してバーティブラ12をその厚さ方向で狭持するものである(図17参照)。
また、一対の対向壁部21aには、内側面(後述する内方ベース部22の保持板22aに臨む面)に円弧状凹所21dが設けられている。円弧状凹所21dは、バーティブラ12の幅方向で対を為すように両対向壁部21aに設けられており、バーティブラ12の延在方向に直交する断面で見て略同一の円周上に位置する輪郭線を描くような弓形柱状を呈している。この対を為す円弧状凹所21dは、バーティブラ12の延在方向で見て、各対向壁部21aの両端の2箇所に設けられており、後述する内方ベース部22の4つの円弧状膨出部22cを受入れ可能とされている。
両対向壁部21aには、略中央位置すなわち両端に設けられた2つの円弧状凹所21dの中間位置にリベット挿通孔21eが設けられている。このリベット挿通孔21eは、後述するリベット24の嵌入を許す貫通孔であり、後述する内方ベース部22のリベット挿通孔22dに対応して設けられている。
この外方ベース部21は、実施例1では、一対の対向壁部21aが連結腕部21fによって互いに連結されており、図示は略すが両対向壁部21aが連結腕部21fを介して連なる扁平板状部材として形成されている。外方ベース部21は、この扁平板状部材が両対向壁部21aが正対するように連結腕部21fが折り曲げられることにより、形成される。この外方ベース部21の内方に内方ベース部22が配置される。
内方ベース部22は、図9に示すように、一対の保持板22aが連結腕部22bに連結されて構成されている。両保持板22aは、バーティブラ12の幅方向に間隔を開けて対向されており、その下端が連結腕部22bにより連結されている。この内方ベース部22は、各保持板22aの外側面(一対の対向壁部21aに臨む側の面)が、それぞれが対向する外方ベース部21の各対向壁部21aの内側面に対して所定の間隔を置くような幅寸法とされている(図17参照)。
その両保持板22aには、外側面(一対の対向壁部21aに臨む側の面)に円弧状膨出部22cが設けられている。円弧状膨出部22cは、バーティブラ12の幅方向で対を為すように両保持板22aに設けられており、バーティブラ12の延在方向に直交する断面で見て略同一の円周上に位置する輪郭線を描くような弓形柱状を呈している。この対をなす円弧状膨出部22cは、バーティブラ12の延在方向で見た両端の2箇所に設けられており、外方ベース部21の円弧状凹所21dに摺動自在に嵌合可能とされている。
また、両保持板22aには、略中央位置すなわち両端に設けられた2つの円弧状膨出部22cの中間位置にリベット挿通孔22dが設けられている。このリベット挿通孔22dは、後述するリベット24を遊びを持って受入れ可能な貫通孔である。
この両保持板22aには、内側面に円板状凹所22eが設けられている。円板状凹所22eは、リベット挿通孔22dと同心に形成されており、後述するクリップ部材23の円板状フランジ部23aが回動自在に嵌合可能とされている。この一方の円板状凹所22eには、それが設けられた保持板22aをリベット挿通孔22dと同心の円弧状に貫通する円弧状開口22fが設けられている。
内方ベース部22は、実施例1では、図10に示すように、両保持板22aが連結腕部22bにより連結された扁平板状部材として成形される。この扁平板状部材では、内方ベース部22における外方側となる面であって両保持板22aと連結腕部22bとの境界位置に、折曲溝22gが設けられている。内方ベース部22は、扁平板状部材が折曲溝22gに沿って折り曲げられて両保持板22aが正対されることにより、形成される。この内方ベース部22の内方にクリップ部材23が配置される。
クリップ部材23は、合成樹脂材料で形成されており、車両Cに設けられたワイパーアーム50の先端部50a(図7参照)の固定およびその解除が可能とされている。クリップ部材23は、図11に示すように、両端に円板状フランジ部23aが設けられた円筒状部23bと、この円筒状部23bから対を為すように互いに平行に延出された可撓性板状部23c、23dとを有する。
両円板状フランジ部23aは、内方ベース部22の両保持板22aの内側面に対向して設けられた円板状凹所22eに嵌入可能とされており、その嵌入状態で相対的に回動可能(円板状凹所22e内で相対的に摺動可能)とされている。この両円板状フランジ部23aの一方には、内方ベース部22の保持板22aの円板状凹所22eに設けられた円弧状開口22fに嵌入可能な揺動角度規制突起23eが設けられている。この揺動角度規制突起23eは、円弧状開口22fに嵌入されることにより、円板状凹所22e内での円板状フランジ部23aの回動角度、すなわち連結具15において後述するリベット24の軸線回りのクリップ部材23の回動角度を、円弧状開口22fの延在範囲内に規制する。
円筒状部23bは、両円板状フランジ部23aが円板状凹所22eに嵌入された状態において、両保持板22aを横断する方向に延びる筒状を呈する。この円筒状部23bにより規定される筒穴23fは、後述するリベット24の挿通を可能とするものであって、円筒状部23bの横断方向で見た中央部分が最小の内径寸法とされ、かつ円板状フランジ部23aに向かうに連れて拡径される鼓形状を呈している(図17参照)。
この円筒状部23bから延出された可撓性板状部23cは、円筒状部23bの上方側(払拭面Sから離間する側)でその外周に連続する平面を形成する平板状を呈し、可撓性板状部23dは、円筒状部23bの下方側(払拭面S側)でその外周に連続する平面を形成する平板状を呈する。可撓性板状部23dは、上方(可撓性板状部23c側)への撓み変形が可能とされ、バーティブラ12に対向する下面に係止爪23gが設けられている。この係止爪23gは、ワイパーアーム50の先端部50aに設けられた後述する係止孔50b(図7参照)への係合が可能とされている。なお、実施例1では、可撓性板状部23dは、上方への撓み変形のための操作を容易とするために、先端が階段状とされて伸長されている。
このクリップ部材23では、可撓性板状部23cから円筒状部23bを経て可撓性板状部23dに至る外形形状が、U字状に湾曲されたワイパーアーム50の先端部50a(図7参照)の内形状に適合されている。
この連結具15は、以下のように組み立てられる。
先ず、図7に示すように、内方ベース部22の両保持板22aの各円弧状膨出部22cを、外方ベース部21の一対の対向壁部21aの各円弧状凹所21dにそれぞれ嵌合させるように、外方ベース部21の内方に内方ベース部22を配置する。このとき、外方ベース部21の一対の押圧板部21cと4つの挟持爪部21bとの間にバーティブラ12を位置させることにより、後述するように、連結具15をバーティブラ12に取り付けつつ組み立てることができる。
ついで、クリップ部材23の両円板状フランジ部23aを内方ベース部22の両保持板22aの円板状凹所22eに嵌合させつつ、一方の円板状フランジ部23aに設けられた揺動角度規制突起23eを、一方の円板状凹所22eに設けられた円弧状開口22fに嵌入させるように、内方ベース部22の内方にクリップ部材23を配置する。
この状態において、リベット24を、外方ベース部21の一対の対向壁部21aのリベット挿通孔21e、内方ベース部22の両保持板22aのリベット挿通孔22dおよびクリップ部材23の筒穴23fに挿通し、リベット24の頭部24aから遠い側の先端部24bをカシメる。これにより、内方から、クリップ部材23、内方ベース部22および外方ベース部21が一体化された連結具15として組み立てられる。
この連結具15では、内方ベース部22の両保持板22aの各円弧状膨出部22cが、外方ベース部21の両対向壁部21aの各円弧状凹所21dにそれぞれ嵌合されているとともに、内方ベース部22の両保持板22aと外方ベース部21の両対向壁部21aとの間には隙間が設けられているので(図17参照)、バーティブラ12の延在方向に直交する断面で見た、各円弧状膨出部22c(各円弧状凹所21d)の中心軸回りに、内方ベース部22およびクリップ部材23が一体的に外方ベース部21に対して回動可能とされている(図18および図19参照)。このとき、連結具15では、外方ベース部21の一対の対向壁部21aのリベット挿通孔21eにより両端が支持されたリベット24が、クリップ部材23の鼓形状の筒穴23fの内壁に当接することにより、外方ベース部21に対する内方ベース部22およびクリップ部材23の回動角度が規制される(図18および図19参照)。
また、連結具15では、クリップ部材23の両円板状フランジ部23aが内方ベース部22の両保持板22aの円板状凹所22eに嵌合されているので、当該円板状凹所22eの軸線すなわちリベット24の軸線回りに、内方ベース部22に対してクリップ部材23が回動可能とされている。このとき、連結具15では、円板状フランジ部23aの揺動角度規制突起23e(図11参照)が嵌入された円板状凹所22eの円弧状開口22f(図9および図10参照)の内壁に当接することにより、内方ベース部22に対するクリップ部材23の回動角度が規制される。
この連結具15を介して、ワイパーブレード10がワイパーアーム50の先端部50aに結合される。ワイパーアーム50の先端部50aは、板状部材が湾曲されたフック状とされ、その先端近傍にクリップ部材23の可撓性板状部23dの係止爪23gに係合可能な係止孔50bが設けられている。このワイパーアーム50は、クリップ部材23の円筒状部23bおよび可撓性板状部23c、23dの外壁面を取り巻くように先端部50aをクリップ部材23に宛がい、先端部50aの係止孔50bに、クリップ部材23の可撓性板状部23dの係止爪23gを係合させることで、クリップ部材23に結合されて連結具15に連結される。
このワイパーブレード10は、以下のように組み立てられる。このワイパーブレード10では、図3に示すように、上述したように形成されたブレードラバー11、バーティブラ12、2つの取付手段13、被覆部材14、連結具15、2つのストッパ17およびカバー部材16を用いる。
先ず、2つの取付手段13をバーティブラ12に取り付けるホルダ取付工程を行う。このホルダ取付工程では、バーティブラ12の両端から中央へ向けて各取付手段13を取り付ける。このとき、各取付手段13の各ホルダー部18の上方の空間18bでバーティブラ12を受け入れるように、当該バーティブラ12の両端側から中央部12aへと2つの取付手段13を連結部19の延在方向に沿って相対的に移動させ、バーティブラ12の中央部12a近傍において、そこに設けられた凸部12bを各取付手段13の貫通孔13aに挿通させる(図6参照)。このホルダ取付工程により、両取付手段13は、図12(a)に示すように、連結部19がバーティブラ12に沿って延在しつつ各ホルダー部18がバーティブラ12の長尺方向に点在するように、バーティブラ12に取り付けられる。この状態では、貫通孔13aと凸部12bとが係合されているので(図6参照)、両取付手段13がバーティブラ12に対して抜け落ちることが防止されている。
次に、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を被覆部材14に収容するバーティブラ収容工程を行う。このバーティブラ収容工程では、管状の被覆部材14の一端から、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を挿入する。このバーティブラ収容工程により、図12(b)に示すように、被覆部材14は、バーティブラ12および取付手段13を取り囲むようにそれらを収容している状態となる。
次に、バーティブラ12に取り付けられた両取付手段13の各ホルダー部18の下方の空間18cに被覆部材14を押し込む押込工程を行う。この押込工程では、図13に示すように、取付手段13の各ホルダー部18を覆う被覆部材14の外方から細板状のヘラ25を宛がい、そのヘラ25で被覆部材14をバーティブラ12に押し当てつつ当該ヘラ25を各ホルダー部18の切り欠き18aの間を通過させる。このように、実施例1のワイパーブレード10では、被覆部材14が自在性を有することから、押込工程の作業を容易なものとすることができる。この押込工程により、図14に示すように、被覆部材14は、2つの取付手段13が取り付けられたバーティブラ12を収容し、かつ下部(払拭面Sに臨む側)が連続的に各ホルダー部18の下方の空間18cに押し込まれた状態となる。また、この状態では、被覆部材14の中央部に設けられた4つの取付孔14aから、内方のバーティブラ12への直接の接触が可能とされている(図15参照)。
次に、バーティブラ12をブレードラバー11に取り付けるバーティブラ取付工程を行う。このバーティブラ取付工程では、バーティブラ12の延在方向に沿うように、ブレードラバー11の首部11cを被覆部材14により覆われた切り欠き18aを通しつつ、押し込まれた被覆部材14により内方が覆われた各ホルダー部18の下方の空間18cに、ブレードラバー11の頭部11bを挿入する。このバーティブラ取付工程により、バーティブラ12に取り付けられた取付手段13の各ホルダー部18によって、払拭部11aが切り欠き18aから下方に突出するようにブレードラバー11が支持され、ブレードラバー11の頭部11bの上面11eに被覆部材14を介してバーティブラ12が宛がわれた状態となる(図4参照)。その後、この被覆部材14の両端にストッパ17(図3参照)を装着する。
次に、被覆部材14に覆われたバーティブラ12に連結具15を取り付ける連結具取付工程を行う。この連結具取付工程では、図15に示すように、上述したように組み付け過程にある連結具15(リベット24でカシメる前の状態)において、被覆部材14の中央部の4つの取付孔14aから、連結具15の外方ベース部21の4つの挟持爪部21bを挿入し、その各挟持爪部21bの屈曲された延出端をバーティブラ12の下側(ブレードラバー11が位置される側)へと差し入れるとともに、両取付手段13の中間位置で被覆部材14を介在させてバーティブラ12の上面に外方ベース部21の一対の押圧板部21cを宛がう(図17参照)。このとき、連結具15の外方ベース部21の4つの挟持爪部21bは、両取付手段13において最も中間位置側のホルダー部18とその隣のホルダー部18との間で、バーティブラ12に当接するように、被覆部材14の各取付孔14aから差し込まれる。このことから、被覆部材14の各取付孔14aは、取付手段13が取り付けられたバーティブラ12が被覆部材14に適切に収容された状態において、最も中間位置側のホルダー部18とその隣のホルダー部18との間に位置するように、設けられている。この状態において、連結具15の組み付けが完了される(上述したようにリベット24が挿通されてカシメられる(図7参照))ことにより、図16に示すように、被覆部材14に覆われたバーティブラ12に連結具15が取り付けられ、連結具取付工程が完了する。この状態では、図16のII−II線に沿って得られた断面図である図17に示すように、外方ベース部21の2箇所で対を為す挟持爪部21bがバーティブラ12を幅方向で狭持しているとともに、その4つの挟持爪部21bと外方ベース部21の一対の押圧板部21cとが被覆部材14を介在させてバーティブラ12を厚さ方向で狭持している。また、連結具15では、図16に示すように、バーティブラ12に対する位置ずれが防止された両取付手段13の端の2つのホルダー部18の間で、外方ベース部21の4つの挟持爪部21bがバーティブラ12を幅方向で狭持していることから、バーティブラ12に対してその延在方向に連結具15が位置ずれすることが防止されている。このように、連結具15は、バーティブラ12に強固に取り付けられる。
この連結具15には、カバー部材16が装着される(図3参照)。このカバー部材16は、ゴムや合成樹脂材料等の弾性変形が可能な部材から形成されており、図3に示すように、ワイパーアーム50と連結具15のクリップ部材23との結合を阻害することなく連結具15の外方ベース部21の一対の押圧板部21c、それらを繋ぐ連結腕部21fおよび4つの挟持爪部21bを可能な限り側方から覆うことが可能とされた環状を呈している。なお、このカバー部材16は、外方ベース部21に対する内方ベース部22およびクリップ部材23の一体的な回動を阻害することのないものであれば、内方ベース部22の両保持板22aと外方ベース部21の両対向壁部21aとの隙間に、水、雪、泥、砂等の異物の侵入を防ぐことを可能とするように当該隙間を覆う構成とすることが望ましい。それらの異物の侵入を防止することにより、連結具15では、気温低下時における凍結、摩耗によるガタつきの発生等を防止することができ、ワイパーブレード10では、それらに起因して生じるジャダー等を防止できることから良好な払拭性能を確保することができる。このカバー部材16および被覆部材14により、ワイパーブレード10では、耐久性を向上させることができ、錆による作動不良や外観不良についても防止することができる。
これにより、ワイパーブレード10は、組み立てられる(図2参照)。このワイパーブレード10は、連結具15を介して、車両Cに設けられたワイパーアーム50の先端部50aに連結される(図7参照)。このとき、連結具15では、リベット24の軸線回りに、内方ベース部22に対してクリップ部材23が回動可能とされていることから、ワイパーアーム50の先端部50aと連結具15との連結が容易なものとされている。
このワイパーブレード10では、ワイパーアーム50の揺動により、往路Gにおいて払拭面S上を移動されるとき(図17参照)と、復路Bにおいて払拭面S上を移動されるとき(図18参照)と、では、払拭面Sの法線Nに対するブレードラバー11の軸線の傾斜角度θが逆向きとなり、それぞれにおいて払拭部11aの湾曲による払拭面Sに対する払拭個所11dの当接関係がより適切なものとされている。詳細には、ブレードラバー11は、往路Gを進行している場合、図17に示すように、連結具15では、払拭面Sとの角度関係が一定とされたワイパーアーム50が連結されたクリップ部材23および内方ベース部22に対して、外方ベース部21が回動し、当該外方ベース部21との角度関係が一定とされたブレードラバー11も回動することにより、当該ブレードラバー11の軸線が払拭面Sの法線Nに対して角度θで傾斜される。また、ブレードラバー11は、復路Bを進行している場合、図18に示すように、連結具15では、ワイパーアーム50が連結されたクリップ部材23および内方ベース部22に対して、外方ベース部21が回動してブレードラバー11も回動することにより、当該ブレードラバー11の軸線が払拭面Sの法線Nに対して角度−θで傾斜される。このため、ワイパーブレード10では、往路Gであっても復路Bであっても、払拭個所11dが払拭面Sに対して適切に当接されるので、良好な払拭性能を得ることができる。
この本発明に係るワイパーブレード10では、以下の(1)〜(8)の効果を得ることができる。
(1)ブレードラバー11の頭部11bに沿うようにバーティブラ12を取り付けるための取付手段13が、複数のホルダー部18が連結部19により連結された一体的な構成とされているので、上述したバーティブラ取付工程のように、取付手段13をバーティブラ12に容易に取り付けることができる。
(2)複数のホルダー部18が連なって設けられた取付手段13は、図示は略すが板状の金属材料から各ホルダー部18を構成する各腕部分20が連結部19と同一平面上に位置する扁平板状部材を形成し、その各腕部分20で各ホルダー部18を構成するように曲げ加工を施しつつ適切な長さ寸法で切断することにより形成することができ、この曲げ加工は、扁平板状部材を加工装置(図示せず)に送り入れるだけでよいことから、容易に製造することができる。この(2)および(1)により、従来のように、バーティブラ(ばね板部材)に複数の金属製のホルダーを設ける構成であると、例えば、各ホルダーをバーティブラに挿通させてカシメる等の作業により取り付ける必要があることに比較して、製造工程を遥かに簡易なものとすることができる。
(3)取付手段13では、複数のホルダー部18が比較的近い位置関係で連続的に設けられていることから、上述したバーティブラ取付工程の際、被覆部材14により内方が覆われた各ホルダー部18の下方の空間18cに、ブレードラバー11の頭部11bを挿入する作業を容易なものとすることができる。これは、複数のホルダー部18が比較的近い位置で連続されていることから、各ホルダー部18の下方の空間18c(腕部分20)の案内作用により、挿入時のブレードラバー11の進行方向が安定することによるものと考えられる。
(4)取付手段13では、複数のホルダー部18が比較的近い位置関係で連続的に設けられていることから、上述した押込工程の際、被覆部材14により内方が覆われた各ホルダー部18の下方の空間18cに、被覆部材14を押し込む作業を容易なものとすることができる。
(5)上記した(3)および(4)により、金属材料から形成された取付手段13(バーティブラ12も含む)をゴム材料からなる被覆部材14で確実に被覆しつつ、実質的には、金属材料からなる取付手段13の各ホルダー部18にブレードラバー11を保持させることによりバーティブラ12をブレードラバー11に取り付けている。このため、取付手段13によるブレードラバー11の保持状態を安定させることができ、良好な払拭性能を得ることができる。
(6)ばね板部材としてのバーティブラ12の下面に、被覆部材14を介してブレードラバー11の頭部11bの上面11eが面当接されて、バーティブラ12にブレードラバー11が取り付けられていることから、ワイパーアーム50から連結具15に付与された払拭面S側への押圧力を、バーティブラ12に効率良く作用させることができる。このため、連結具15を介してワイパーアーム50から付与された払拭面S側への押圧力により、ブレードラバー11の全長に渡って略均一な押圧力でブレードラバー11(払拭部11a)を払拭面Sに当接させることができ、良好な払拭性能を得ることができる。
(7)各取付手段13は、連結部19が各ホルダー部18の上部(払拭面Sから離間された側)で当該各ホルダー部18を連結する構成とされていることから、バーティブラ12に取り付けられることに起因して、力を分散させて均等化させる当該バーティブラ12の機能を阻害することを、極力低減することができる。これは、以下のことによる。バーティブラ12は、ブレードラバー11(払拭面S)側から見て中央部12aが離間するように長尺方向に対して弓なりに湾曲した形状とされており、その中央部12aを押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ12の長尺方向で見て均等化させるものである。また、バーティブラ12は、各ホルダー部18の上方の空間18bに挿入される構成とされている。これらのことから、各ホルダー部18では、バーティブラ12が平らにされる際、各ホルダー部18の上部側に比較して下部側の方が間隔の変動が大きくなる。このため、各取付手段13は、連結部19が各ホルダー部18の上部で当該各ホルダー部18を連結する構成とされていることにより、バーティブラ12の機能を阻害することを極力低減することができる。このことから、連結部19は、組み立て作業を簡易なものとする観点から各ホルダー部18を連結するものであって当該各ホルダー部18と金属材料により一体的に形成されているものであればよく、バーティブラ12による力を分散させて均等化させる機能を実質的に損なわない強度に、もしくはバーティブラ12と協働して力を分散させて均等化させる機能を有する強度に設定することが望ましい。
(8)各取付手段13が、その各ホルダー部18の上方の空間18bにバーティブラ12を挿入させることにより、当該バーティブラ12に取り付けられる構造であることから、ブレードラバー11の払拭部11aにおける反転性能および払拭性能が向上されている。これは、以下のことによる。各取付手段13は、バーティブラ12に完全には固着されていないことから、当該バーティブラ12の長尺方向に直交する面で見て、僅かではあるがバーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が可能とされている。このバーティブラ12は、連結具15の外方ベース部21に直に取り付けられるものである。このことから、バーティブラ12に対する各取付手段13の揺動が可能であることは、連結具15において内方ベース部22およびクリップ部材23が一体的に外方ベース部21に対して回動可能とされていることと同様の効果を得ることができることとなる。これにより、ブレードラバー11の払拭部11aにおける反転性能および払拭性能が向上される。
したがって、本発明に係るワイパーブレード10では、良好な払拭性能を確保しつつ組み立て作業を簡易なものとすることができる。
次に、実施例6のワイパーブレード106について説明する。実施例6のワイパーブレード106は、上記したワイパーブレード10の払拭性をさらに向上させるべく構成されたものである。図26は、ワイパーブレード106の構成を説明するための、図4と同様の断面図であり、図27は、ワイパーブレード106の取付手段136を示す模式的な斜視図である。この実施例6のワイパーブレード106は、その基本的な構成は実施例1のワイパーブレード10と同様であるので、同一機能部分にはワイパーブレード10と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
先ず、この実施例6のワイパーブレード106に至る背景について説明する。車両Cの払拭面S上には、車両Cの走行に伴う相対的な空気の流れにより、車両C側から見ると車両Cに向う走行風Wが生じる(図1参照)。本実施例では、払拭面Sが車両Cのフロントガラスにより構成されているので、走行風Wは、払拭面S上には車両Cの前方から後方へ向かうこととなる。このため、ワイパーブレード10は、往路Gにおいて走行風Wを背に受けつつ払拭面S上を移動することとなり、復路Bにおいて走行風Wに抗して払拭面S上を移動することとなる。換言すると、ワイパーブレード10は、復路Bにおいては走行風Wにより払拭面Sから剥離させる力(払拭面からの揚力)を受けつつ移動することとなる。
このため、実施例6のワイパーブレード106は、復路Bにおいては走行風Wにより受ける払拭面Sからの揚力を打ち消すことにより、復路Bにおける払拭性を確保するものである。ワイパーブレード106では、取付手段136における各ホルダー部186の形状が変更されている。各ホルダー部186では、バーティブラ12の延在方向に直交する断面で見ると、図26および図27に示すように、一対の腕部分206の折り込まれる形状に特徴がある。一対の腕部分206は、バーティブラ12の挿通を可能とする長尺な上方の空間186bを形成すべく折り返される中途位置において、傾斜個所27を形成すべく折り曲げられている。この傾斜個所27は、復路Bにおける進行方向前側から後側へ向けて高さ寸法を漸増させるような傾斜面27aを形成するとともに、後側27bが略垂直方向下側へと折り曲げられている。
この傾斜面27aは、復路Bにおいて走行風Wを受けることにより各ホルダー部186すなわちワイパーブレード106を払拭面Sへ押圧する力を生じさせるものである。また、後側27bの構造は、各ホルダー部186の上方の空間186bにおいて幅方向(往復路におけるワイパーブレード106の進行方向)で見た当該バーティブラ12の両側端を受け入れる個所を形成することにより、上方の空間186bが挿通されたバーティブラ12を適切に保持することができる構成とするためである。このことから、傾斜個所27は、上方の空間におけるバーティブラ12の保持機能を損なうことなく、復路Bにおける進行方向前側から後側へ向けて高さ寸法を漸増させるような傾斜面27aを形成するものであればよく、実施例6の構成に限定されるものではない。
また、取付手段136では、図27に示すように、連結部196が幅方向(往復路におけるワイパーブレード106の進行方向)で見た中間位置よりも復路Bにおける進行方向前側へと変位された位置で、詳細には各ホルダー部186の腕部分206において上方の空間186bの上側に位置する個所でありかつ傾斜個所27を形成する箇所を除く個所で、各ホルダー部186を連結している。これは、各ホルダー部186の腕部分206において傾斜個所27を形成する箇所に連結部が存在し、その連結部が各傾斜個所27に連なって傾斜面を形成する構造とすると、当該連結部の強度が大きくなり、バーティブラ12の力を分散して均一化する機能を阻害する虞があることによる。また、各ホルダー部186の腕部分206において傾斜個所27を形成する箇所に連結部が存在しても、その連結部が各傾斜個所27に連なって傾斜面を形成しない構造とすることもできるが、そのような構造とすると、取付手段自体の構造および製造工程の複雑化を招いてしまうことによる。
この実施例6のワイパーブレード106では、取付手段136の各ホルダー部186に傾斜個所27が設けられたこと以外は、実施例1のワイパーブレード10と同様の構造であることから、組み立て工程は実施例1と同様である。
この実施例6のワイパーブレード106では、上記した(1)〜(8)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(18)取付手段136において、その延在方向に複数点在されている各ホルダー部186に復路Bにおける進行方向前側に傾斜面27aを形成する傾斜個所27が設けられていることから、復路Bにおいて走行風Wを各傾斜個所27の傾斜面27aに当ててスムースに流しつつ傾斜面27aで受けることにより、ワイパーブレード10(ブレードラバー11)を払拭面S側に押し付ける力を発生させることができる。このため、実施例6のワイパーブレード106では、復路Bであっても、払拭面Sからの揚力の影響を抑制することができるので、払拭部11aを適切な押圧力で払拭面Sに押し当てることができ、払拭面Sを良好に払拭することができる。このことは、特に、走行風Wが強くなる高速走行時に効果的である。
この実施例6では、実施例1のワイパーブレード10の取付手段13と同様の構成である取付手段136に傾斜個所27が設けられた例を示していたが、他の実施例の構成の取付手段に傾斜個所が設けられていてもよく、実施例6に限定されるものではない。
なお、上記した各実施例では、払拭面Sは車両Cのフロントガラスとされていたが、例えばリアガラスであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、被覆部材14(被覆部材145)が設けられている構成について説明したが、当該被覆部材が設けられていなくても取付手段13等を用いることによる、払拭性能を確保しつつ組み立て作業を簡易化することができる、という効果を得ることができ、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、連結具15がワイパーアーム50の往復動に伴ってワイパーブレードを反転させるように払拭面Sに対して傾斜させる構成とされていたが、ワイパーブレードをワイパーアーム50に連結するものであればこのような揺動機能を有するものでなくてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、取付手段13(132、136も同様)における連結部19は、各ホルダー部18の上部を架け渡すように延在された板状を呈していたが、各ホルダー部18をバーティブラ12の延在方向に沿って連結するものであればよいことから、組み立て作業を簡易なものとする観点から金属材料により一体的に形成されているものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。