JP5131137B2 - コンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置 - Google Patents

コンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置に関する。
従来から、ハイブリッド自動車や電気自動車等に用いられるインバータ等の電力変換装置の構成部品として、金属化フィルムを巻回してなるコンデンサ単素子と、該コンデンサ単素子を内側に収納するケースとを有し、上記コンデンサ単素子と上記ケースとの間に樹脂からなるモールド材を充填してなるコンデンサモジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記金属化フィルムは、正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを、電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる。
特開2006−196678号公報
ところが、上記従来のコンデンサモジュールにおいては、以下のような問題点があった。すなわち、上記コンデンサ単素子は、前述したとおり上記ケース内において上記モールド材によって覆われた状態で固定されている。そして、上記コンデンサ単素子に電圧を印加したときには、正極層に帯電する正電荷と負極層において帯電する負電荷との間に生じるクーロン力によって、隣り合う正極層と負極層とが互いに引き合う。したがって、電力変換回路内に生じる電圧変動により、コンデンサ単素子の金属化フィルムにおいて振動が生じる。そして、この振動が金属化フィルムの周囲に充填してある上記モールド材を介して上記ケースなどに伝播して、最終的には車両に振動音として伝わることがあった。
これに対して、金属化フィルムにおける振動が発生すること自体を防ぐことも考え得るが、実現性に乏しく、振動が車両等に伝播することを完全に防ぐことは困難である。
そのため、振動の伝播を抑制することができるコンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置が切望されていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、振動の伝播を抑制することができるコンデンサモジュール、及びこれを用いた電力変換装置を提供しようとするものである。
参考発明は、正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを、電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる金属化フィルムと、
外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに、上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、
外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに、他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部と、
上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの重心位置に配される軸芯とを有し、
該軸芯は、上記コンデンサ単素子を所定の位置に固定するための固定手段であることを特徴とするコンデンサ単素子にある。
参考発明の作用効果について説明する。
上記軸芯は、上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの重心位置に配され、かつ、上記コンデンサ単素子を所定の位置に固定するための固定手段である。これにより、金属化フィルムにおける振動の伝播を抑制することのできるコンデンサ単素子を得ることができる。
すなわち、コンデンサ単素子に電圧を印加した場合、金属化フィルムにおける正極層に正電荷が帯電し、負極層に負電荷が帯電する。そして、正極層に帯電する正電荷と負極層に帯電する負電荷との間で生じるクーロン力によって隣り合う正極層と負極層とが互いに引き合う。したがって、電力変換回路内に生じる電圧変動により、金属化フィルムが振動する。
ここで、上記参考発明においては、振動の発生源となる金属化フィルムの重心位置、つまり、振動の中心としての重心位置に軸芯が配置されている。このため、この重心位置の両側で発生する振動同士を、軸芯においては十分に相殺することができる。このように、軸芯を重心位置に配置すれば、金属化フィルムの振動によって軸芯が振動することを十分に抑制することができる。
さらに上記参考発明においては、軸芯が、コンデンサ単素子を所定の位置に固定する固定手段として用いられている。このように、ほとんど振動しない軸芯を固定手段として用いることにより、軸芯を固定する相手側が振動することもほとんどない。さらに、軸芯を固定手段とすることで、従来とは異なり、金属化フィルムとコンデンサ単素子を内側に収納するケースとの間を例えば樹脂からなるモールド材などで充填する必要がない。このため、モールド材などを媒体として車両等に振動が伝播するという不具合も起こり得ない。
その結果、振動の伝播を抑制することができるコンデンサ単素子を得ることができる。
以上のとおり、上記参考発明によれば、振動の伝播を抑制することができるコンデンサ単素子を提供することができる。
第一の発明は、コンデンサ単素子を少なくとも一つ内蔵するコンデンサモジュールであって、
上記コンデンサ単素子は、正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを、電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる金属化フィルムと、
外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに、上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、
外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに、他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部と、
上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの重心位置に配される軸芯とを有し、
該軸芯は、上記コンデンサ単素子を所定の位置に固定するための固定手段であり、
上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設され、
また、上記軸芯は、上記正極側電極部と電気的に接続される正極軸部と、上記負極側電極部と電気的に接続される負極軸部とからなり、上記正極軸部と上記負極軸部とは、互いに電気的に絶縁されており、
上記コンデンサ単素子は、上記軸芯のみを介して所定の位置に固定され、
上記軸芯は、上記正極電源と電気的に接続される正極側バスバ及び上記負極電源と電気的に接続される負極側バスバにおいて固定されており、
上記正極軸部を上記正極側電極部と接続し、上記負極軸部を上記負極側電極部と接続することにより、上記軸芯は、上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部より突出した状態で上記正極側バスバ及び上記負極側バスバと接続する電極部材となっていることを特徴とするコンデンサモジュールにある(請求項)。
本発明の場合には、振動の伝播を抑制することができるコンデンサ単素子を内蔵することによって、コンデンサモジュール全体として外部への振動の伝播を抑制することができる。
第二の発明は、電力変換回路を構成するとともに、第二の発明に記載のコンデンサモジュールを有することを特徴とする電力変換装置にある(請求項)。
本発明の場合には、第二の発明にて記載したとおり、振動の伝播を抑制することができるコンデンサモジュールを内蔵することによって、電力変換装置全体として外部への振動の伝播を抑制することができる。
第一の発明及び第二の発明において、上記コンデンサ単素子を構成する上記金属化フィルムは、例えば、上記絶縁部としての樹脂フィルム(誘電体)の表面に金属層を蒸着してなる上記正極層と上記負極層とを互いにずらした状態で重ね合わせたものを用いることができる。
また、上記絶縁部である上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)などからなる樹脂フィルムがある。
また、上記正極層及び上記負極層の金属としては、アルミニウム、亜鉛、これらの合金などがある。
また、上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設されている。
これにより、正極軸部及び負極軸部よりも突出した部分における軸芯を固定することにより、コンデンサ単素子を容易に所定の位置に固定することができる。
また、上記軸芯は、上記正極側電極部と電気的に接続される正極軸部と、上記負極側電極部と電気的に接続される負極軸部とからなり、上記正極軸部と上記負極軸部とは、互いに電気的に絶縁されている。
これにより、正極軸部及び負極軸部をそれぞれ正極電源及び負極電源と接続することにより、軸芯を電極部材としても利用することができる。このため、コンデンサ単素子を内蔵するコンデンサモジュールの部品点数を削減することができる。
また、上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設されており、上記巻回軸方向における上記軸芯の端部のいずれか一方は、上記正極側電極部又は上記負極側電極部により覆われるよう構成することもできる(請求項)。
この場合には、正極側電極部及び負極側電極部を流れる電流が近接して対向するため、コンデンサ単素子のインダクタンスの低下を図ることができる。
また、上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部の少なくともいずれか一方と電気的に絶縁されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、軸芯は電位を持っていないため、軸芯を固定する相手側の電気的絶縁を考慮する必要がなくなる。
また、上記コンデンサ単素子は、上記軸芯のみを介して所定の位置に固定されている。
これにより、モールド材などを充填することなく、コンデンサ単素子を軸芯のみを介して所定の位置に固定することができる。このため、コンデンサモジュール全体として、振動の伝播を確実に防ぐことができる。
また、上記軸芯は、上記正極電源と電気的に接続される正極側バスバ及び上記負極電源と電気的に接続される負極側バスバの少なくともいずれか一方において固定されている。
これにより、モールド材などを充填することなく、コンデンサ単素子を容易に固定することができる。
(実施例1)
本発明のコンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置に係る実施例について、図1〜図6とともに説明する。
本例のコンデンサ単素子は、図1〜図3に示すように、金属化フィルム31と、正極側電極部321と、負極側電極部322と、軸芯33とを有する。
金属化フィルム31は、正電荷を帯電させる正極層311と負電荷を帯電させる負極層312とを、電気的絶縁性を有する絶縁部313を介して互いにずらした状態で積層してなる。
正極側電極部321は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに、金属化フィルム31の巻回軸方向における両端部である軸方向端部310の一方において正極層311と接触する。
負極側電極部322は、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに、他方の軸方向端部310において負極層312と接触する。
軸芯33は、金属化フィルム31の巻回軸方向に直交する方向における断面において金属化フィルム31の重心位置Gに配されている。
また、軸芯33は、コンデンサ単素子3を所定の位置に固定するための固定手段として用いられる。本例においては、後述するように軸芯33のみを介してコンデンサ単素子3を所定の位置に固定している。
具体的には、本例においては、図1、図2、図5に示すように、軸芯33は正極側電極部321及び負極側電極部322よりも巻回軸方向に突出するよう配設されている。そして、軸芯33をバスバ4のみと固定することにより、コンデンサ単素子3が所定の位置に固定されている。このとき、軸芯33とバスバ4とは、例えば溶接等により接続することができる。
なお、本発明において軸芯33と、正極部バスバ41及び負極側バスバ42と接続することによりコンデンサ単素子3を所定の位置に固定しているが、正極側電極部321と正極側バスバ41、及び負極側電極部322と負極側バスバ42とを接続した場合には、軸芯33のみをケース20に係止するなどして固定することもできる。
また、例えば、軸芯33を正極側電極部321や負極側電極部322から突出させない場合には、正極側電極部321や負極側電極部322よりも奥まった位置に配される軸芯33とバスバ4とを接続することもできる。
以下に、上記コンデンサ単素子3、及びこれを内蔵したコンデンサモジュール2、並びにこれを用いた電力変換装置1について詳細に説明する。
上記のコンデンサ単素子3は、図5に示すようなコンデンサモジュール2に内蔵されるものである。
そして、このコンデンサモジュール2は、電力変換回路を構成する電力変換装置1に組み込まれている。
かかる電力変換装置1は、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車及び燃料電池自動車などに搭載される。
また、電力変換装置1は、図6に示すように、バッテリ10と、コンデンサモジュール2と、DC−DCコンバータ11と、インバータ12と、スイッチング素子13と、モータジェネレータ14とを有する。
インバータ12は、例えばコンデンサモジュール2によって平滑化された電源電位を受けて三相交流のモータジェネレータ14を駆動する。
また、かかるインバータ12により、回生制動に伴いモータジェネレータ14において発電された電力をバッテリ10に戻す。
また、インバータ12は、複数のスイッチング素子13を有する。
DC−DCコンバータ13は、複数のスイッチング素子13と、入力電圧を昇圧するためのリアクトル111とを有する。
バッテリ10は、例えばニッケル水素又はリチウムイオン等の二次電池などとすることができる。
コンデンサモジュール2は、図6に示すように、インバータ12に入力される断続電流を平滑な直流電流とする平滑コンデンサとして、電力変換回路を構成する電力変換装置1に組み込まれている。
本例のコンデンサモジュール2は、一又は二以上のコンデンサ単素子3を内側に収納するためのケース20を有している。
コンデンサモジュール2におけるケース20は、例えば、PPSからなる樹脂ケースや、アルミニウムや鉄などからなる金属ケースとすることができる。本発明においては、PPSからなる樹脂を用いてケース20を形成した。
また、コンデンサモジュール2におけるケース20とコンデンサ単素子3との間においては、例えばエポキシ樹脂からなるモールド材などは充填されておらず、空気が介在しているだけである。
また、コンデンサモジュール2におけるケース20は、電力変換装置1の一部とすることもできる。
なお、本例においては、図5に示すように、コンデンサモジュール2のケース20内において、コンデンサ単素子3がその軸芯33をケース20の底面200に対して平行となるようにして配置されているものを示したが、本発明のコンデンサ単素子3の配置方法はこれに限定されるものではなく、ケース20内において軸芯33をケース20の底面200に直交するように配置することもできる。
次に、コンデンサ単素子3について詳細に説明する。
コンデンサ単素子3は、コンデンサモジュール2におけるケース20の内側において複数個接続されている。
また、コンデンサ単素子3は、図1(a)、図3に示すように、それぞれベースとなる絶縁部313(樹脂フィルム)に金属層を蒸着してなる正極層311と負極層312とを互いにずらした状態で積層して一体的に形成した金属化フィルム31を渦巻状に巻回して構成されている。
なお、コンデンサ単素子3は、上記とは異なり、複数枚の金属化フィルム31を複数回にわたって巻回して形成することもできる。
また、金属化フィルム31における巻回軸方向の軸方向端部310の両方には、メタリコン金属が溶射されており、かかるメタリコン金属がコンデンサ単素子2における正極側電極部321及び負極側電極部322である。
このメタリコン金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、これらの合金などを用いることができる。
また、金属化フィルム31における正極層311と負極層312との間は、図1に示すように、絶縁部313により絶縁されている。かかる金属化フィルム31が巻回されることで、正極層311と負極層312とが誘電体である絶縁部313を介して互いにずれた状態で交互に配置される。
上記絶縁部313である樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)などからなる樹脂フィルムがある。
また、並列配置されたコンデンサ単素子3の軸芯33同士は、図5に示すように、先端部330において当接している。
また、前述したとおり、コンデンサ単素子3は、軸芯33においてバスバ4に固定されて所定の位置に配置されている。
具体的には、軸芯33は、図1(a)に示すように、上記正極電源と電気的に接続される正極軸部331と、上記負極電源と電気的に接続される負極軸部332との二つの部材からなる。
そして、正極軸部331と負極側軸部332とは、互いに電気的に絶縁されている。
また、正極軸部331は正極バスバ41にて固定され、負極軸部332は負極バスバ42にて固定されている。
そして、ケース20とコンデンサ単素子3との間には前述したとおり空気のみが介在しており、コンデンサ単素子3は、バスバ4以外の他の部材と接していない。
以上のように構成することで、図5に示すように、正極側バスバ41と電気的に接続している正極軸部331から正極側電極部321を介して正極層311へと正電荷が流れる。一方、負極側バスバ42と電気的に接続している負極軸部332から負極側電極部322を介して負極層312へと負電荷が流れる。
なお、コンデンサ単素子3は、図1(b)、図2、図3に示すように、略円柱形状のものとすることができる。
また、本例のコンデンサ単素子3においては、例えば、金属化フィルム31を巻回した後に金属化フィルム31の重心位置Gに軸芯33を挿入してもよいし、軸芯33が重心位置Gに配されるように軸芯33の周りに金属化フィルム31を巻回していってもよい。
さらに、軸芯33が屈曲していても、それが常に金属化フィルム31の重心位置Gに配置されていれば本発明の作用効果を十分に得ることができる。
以下に、本発明の作用効果について説明する。
軸芯33は、金属化フィルム31の巻回軸方向に直交する方向における断面において金属化フィルム31の重心位置Gに配され、かつ、コンデンサ単素子3を所定の位置に固定するための固定手段である。これにより、金属化フィルム31における振動の伝播を抑制することのできるコンデンサ単素子3を得ることができる。
すなわち、コンデンサ単素子3に電圧を印加した場合、金属化フィルム31における正極層311に正電荷が帯電し、負極層312に負電荷が帯電する。そして、正極層311に帯電する正電荷と負極層312に帯電する負電荷との間で生じるクーロン力により、隣り合う正極層311と負極層312とが互いに引き合う。したがって、電力変換回路内に生じる電圧変動により、金属化フィルム31に振動が発生する。
ここで、本例においては、振動の発生源となる金属化フィルム31の重心位置G、つまり、振動の中心としての重心位置Gに軸芯33が配置されている。このため、この重心位置Gの両側で発生する振動同士を、重心位置Gすなわち軸芯33においては十分に相殺することができる。このように、軸芯33を重心位置Gに配置すれば、金属化フィルム31の振動によって軸芯33が振動することを十分に抑制することができる。
さらに本例においては、軸芯33が、コンデンサ単素子3を所定の位置に固定する固定手段として用いられている。このように、ほとんど振動しない軸芯33を固定手段として用いることにより、軸芯33を固定する相手側、すなわちバスバ4が振動することもほとんどない。さらに、軸芯33を固定手段とすることで、従来とは異なり、金属化フィルム31とケース20との間を例えば樹脂からなるモールド材などで充填する必要がない。このため、モールド材などを媒体として車両等に振動が伝播するという不具合も起こり得ない。
その結果、振動の伝播を抑制することができるコンデンサ単素子3を得ることができる。
また、軸芯33は、正極側電極部321及び負極側電極部322よりも巻回軸方向に突出するよう配設されている。このため、軸方向端部310よりも突出した部分の軸芯33を固定することにより、コンデンサ単素子3を容易に所定の位置に固定することができる。
また、軸芯33は、正極電源と電気的に接続される正極軸部331、及び負極電源と電気的に接続される負極軸部332の二つの部材からなる。そして、正極軸部331は正極側電極部321と、負極軸部332は負極側電極部322と接続されているため、軸芯33を電極部材としても利用することができる。このため、コンデンサ単素子3を内蔵するコンデンサモジュール2の部品点数を削減することができる。
また、電力変換装置1は、上記コンデンサ単素子3を備えたコンデンサモジュール2を備えているため、電力変換装置1全体として振動の伝播の抑制を図ることができる。
以上のとおり、本例によれば、振動の伝播を抑制することができるコンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置を提供することができる。
参考例1
本例は、図7に示すように、軸芯33が一本の棒状体からなるコンデンサ単素子3の例である。
そして、本発明においては、負極側電極部322と軸芯33との間には、電気的絶縁性を有する、例えば前述したPETやPPなどの樹脂やセラミックスからなる絶縁体34が配設されている。
その他の構成は、実施例1と同様である。
本例においては、軸芯33が一本の棒状体からなるため、コンデンサ単素子3を所定の位置に固定するための支持部材として、十分な強度を有する軸芯33を得ることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、負極側電極部322と軸芯33との間のみならず、正極側電極部321と軸芯33との間にも絶縁体34を配設することができる。かかる場合には、正極側電極部321と正極側バスバ41とを接触させるとともに、負極側電極部322と負極側バスバ42とを接触させる必要がある。
参考例2
本例は、図8に示すように、巻回軸方向における軸芯33の一方が正極側電極部321によって覆われているコンデンサ単素子3の例である。
具体的には、軸芯33は、正極側電極部321や負極側電極部322よりも巻回軸方向に突出している。そして、正極側電極部321よりも突出した部分に係る軸芯33は、正極側電極部321によって覆われている。
また、本例においては、正極側電極部321と軸芯33との間に絶縁体34が配設されている。
その他の構成は、実施例1と同様である。
本例の場合には、軸芯33は、軸方向端部310よりも巻回軸方向に突出するよう配設されており、巻回軸方向における軸芯33の端部の一方は、正極側電極部321により覆われている。これにより、コンデンサ単素子3のインダクタンスの低下を図ることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
実施例2
本例は、図9に示すように、本発明品と従来品とにおいて、金属化フィルムの巻回軸方向における振動を比較した例である。
すなわち、本発明品としては、実施例1に示したコンデンサモジュールを用意した。
また、従来品としては、コンデンサ単素子の周囲をモールド材によって充填したコンデンサモジュールを用意した。
そして、本発明品及び従来品に対して、コンデンサ単素子における巻回軸方向において10kHzの振動を与えた場合にどのくらいの振動が検出されるかを調べた。
本例では、振動によって実測された加速度を、加速度1Gを0dBとしたときのdBに換算し、さらにコンデンサ単素子に流した電流値(アンペア)で割った値(dBG/A)を算出した。
測定結果を図9に示す。
同図からわかるように、本発明品においては、−59dBG/Aと、従来品におけるー23dBG/Aと比べて振動を十分に抑制することができる。
以上からわかるように、本発明によれば、軸芯に振動がほとんど伝達しないため、金属化フィルムにおける振動を十分に抑制することができる。
実施例1における、(a)コンデンサ単素子の縦断面図、(b)(a)におけるA−A線断面図。 実施例1における、コンデンサ単素子の斜視図。 実施例1における、金属化フィルムの斜視図。 実施例1における、金属化フィルム内のクーロン力を示す説明図。 実施例1における、コンデンサモジュールの縦断面図。 実施例1における、電力変換装置の回路図。 参考例1における、コンデンサ単素子の縦断面図。 参考例2における、(a)コンデンサ単素子の縦断面図、(b)(a)におけるB−B線断面図。 実施例2における、本発明品と従来品とにおける振動を比較したプロット図。
符号の説明
1 電力変換装置
2 コンデンサモジュール
3 コンデンサ単素子
31 金属化フィルム
310 軸方向端部
311 正極層
312 負極層
313 絶縁部
321 正極側電極部
322 負極側電極部
33 軸芯
G 重心位置

Claims (4)

  1. コンデンサ単素子を少なくとも一つ内蔵するコンデンサモジュールであって、
    上記コンデンサ単素子は、正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを、電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる金属化フィルムと、
    外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに、上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、
    外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに、他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部と、
    上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの重心位置に配される軸芯とを有し、
    該軸芯は、上記コンデンサ単素子を所定の位置に固定するための固定手段であり、
    上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設され、
    また、上記軸芯は、上記正極側電極部と電気的に接続される正極軸部と、上記負極側電極部と電気的に接続される負極軸部とからなり、上記正極軸部と上記負極軸部とは、互いに電気的に絶縁されており、
    上記コンデンサ単素子は、上記軸芯のみを介して所定の位置に固定され、
    上記軸芯は、上記正極電源と電気的に接続される正極側バスバ及び上記負極電源と電気的に接続される負極側バスバにおいて固定されており、
    上記正極軸部を上記正極側電極部と接続し、上記負極軸部を上記負極側電極部と接続することにより、上記軸芯は、上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部より突出した状態で上記正極側バスバ及び上記負極側バスバと接続する電極部材となっていることを特徴とするコンデンサモジュール。
  2. 請求項1において、上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設されており、上記巻回軸方向における上記軸芯の端部のいずれか一方は、上記正極側電極部又は上記負極側電極部により覆われていることを特徴とするコンデンサモジュール。
  3. 請求項1又は2において、上記軸芯は、上記正極側電極部及び上記負極側電極部の少なくともいずれか一方と電気的に絶縁されていることを特徴とするコンデンサモジュール。
  4. 電力変換回路を構成するとともに、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンデンサモジュールを有することを特徴とする電力変換装置
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