JP5018735B2 - コンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置 - Google Patents
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Description
上記金属化フィルムは、正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを、電気的絶縁性を有する絶縁部を介して互いにずらした状態で積層してなる。
そこで、高周波領域におけるサージ電圧を効率良くかつ十分に吸収することのできるコンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置が切望されていた。
上記第一コンデンサ素子は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部とを有し、
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されており、
かつ、上記第二コンデンサ素子は、セラミック基板を有するセラミックコンデンサであることを特徴とするコンデンサ単素子にある(請求項1)。
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されている。このため、高周波領域におけるサージ電圧を効率良くかつ十分に吸収することのできるコンデンサ単素子を得ることができる。
このように、上記構成を採用することで、高周波領域におけるサージ電圧を効率良く十分に吸収することができる。
そのため、かかるコンデンサ単素子を組み込んだ電力変換装置の低コスト化を図ることができる。
特に、第一の発明においては、上記第二コンデンサ素子は、セラミック基板を有するセラミックコンデンサである。
そのため、高周波領域におけるサージ電圧をより一層吸収することができる。すなわち、セラミックコンデンサは、高周波領域におけるサージ電圧の吸収効率に優れている。それ故、かかるセラミックコンデンサを第二コンデンサ素子としてコンデンサ単素子に組み込むことにより、高周波領域におけるサージ電圧をより一層吸収することができる。
この場合には、高周波領域におけるサージ電圧を効率良くかつ十分に吸収することのできるコンデンサモジュールを得ることができる。
この場合には、電力変換回路を流れる高周波領域におけるサージ電圧を効率良くかつ十分に吸収することのできるコンデンサモジュールを内蔵する電力変換装置を得ることができる。
また、このように電力変換回路に加わる高周波領域におけるサージ電圧を十分に吸収することにより、電力変換回路を構成するスイッチング素子などの耐圧性能を向上させる必要がなくなる。したがって、電力変換装置の低コスト化を図ることができる。
また、上記正極層及び上記負極層の金属としては、アルミニウム、亜鉛、これらの合金などがある。
そのため、高周波領域におけるサージ電圧をより一層吸収することができる。すなわち、セラミックコンデンサは、高周波領域におけるサージ電圧の吸収効率に優れている。それ故、かかるセラミックコンデンサを第二コンデンサ素子としてコンデンサ単素子に組み込むことにより、高周波領域におけるサージ電圧をより一層吸収することができる。
なお、上記セラミックコンデンサとしては、例えば、酸化チタン系、ジルコニウム系、又はチタン酸バリウム系からなるものを用いることができる。
この場合であっても、第二コンデンサ素子が第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さくなるように構成すれば、高周波領域におけるサージ電圧を十分に吸収することができる。
上記第一コンデンサ素子は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部とを有し、
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されており、
かつ、上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの内側に配されるとともに上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設される軸芯を有し、
該軸芯は、互いに絶縁された、上記正極側電極部と電気的に接続される正極軸部と、上記負極側電極部と電気的に接続される負極軸部とからなり、
上記第二コンデンサ素子は、上記正極軸部と上記負極軸部との間に配設されていることを特徴とするコンデンサ単素子にある(請求項2)。
その他、第一の発明と同様の作用効果を得ることができる。
上記第一コンデンサ素子は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部とを有し、
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されており、
かつ、上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの内側に配されるとともに、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設される一本の棒状体からなる軸芯を有し、
該軸芯は、上記正極側電極部又は上記負極側電極部と電気的に接続しており、
上記正極側電極部及び上記負極側電極部のうち上記軸芯と電気的に接続していない方の電極部は、上記軸方向端部よりも上記巻回軸方向に突出した部分の軸芯を覆うように形成された筒部を有し、
該筒部と上記軸芯とは、その間に上記第二コンデンサ素子を把持するとともに、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とするコンデンサ単素子にある(請求項3)。
その他、第一の発明と同様の作用効果を得ることができる。
本発明のコンデンサ単素子、及びコンデンサモジュール、並びにこれを用いた電力変換装置について、図1〜図5とともに説明する。
本例のコンデンサ単素子3は、図1(a)、図2、図3に示すように、正電荷を帯電させる正極層311と負電荷を帯電させる負極層312とを電気的絶縁性を有する絶縁部313を介して互いにずらした状態で積層してなる金属化フィルム311を巻回してなる第一コンデンサ素子30aを備える。
上記のコンデンサ単素子3は、図5に示すようなコンデンサモジュール2に内蔵されるものである。
そして、このコンデンサモジュール2は、電力変換回路を構成する電力変換装置1に組み込まれている。
また、電力変換装置1は、図6に示すように、バッテリ10と、コンデンサモジュール2と、DC−DCコンバータ11と、インバータ12と、スイッチング素子13と、モータジェネレータ14とを有する。
また、かかるインバータ12により、回生制動に伴いモータジェネレータ14において発電された電力をバッテリ10に戻す。
また、インバータ12は、複数のスイッチング素子13を有する。
バッテリ10は、例えばニッケル水素又はリチウムイオン等の二次電池などとすることができる。
本例のコンデンサモジュール2は、一又は二以上のコンデンサ単素子3を内側に収納するためのケース20を有している。
また、コンデンサモジュール2におけるケース20とコンデンサ単素子3との間には、例えばエポキシ樹脂からなるモールド材などが充填されておらず、空気が介在しているだけである。
なお、コンデンサモジュール2におけるケース20は、電力変換装置1の一部とすることもできる。
コンデンサ単素子3は、コンデンサモジュール2におけるケース20の内側において複数個配置されている。
本例においては、金属化フィルム31の内側には、正極側電極部321及び負極側電極部322よりも巻回軸方向に突出するよう配設される軸芯33が配設されている。具体的には、金属化フィルム31の巻回軸方向に直交する方向における断面において金属化フィルム31の重心位置Gに軸芯33が配置されている。
上記いずれの場合であっても、軸芯33にてコンデンサ単素子3を所定の位置に配置することにより、金属化フィルム31において発生する振動を十分に抑制することができる。
なお、コンデンサ単素子3は、上記とは異なり、複数枚の金属化フィルム31を複数回にわたって巻回して形成することもできる。
このメタリコン金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、これらの合金などを用いることができる。
なお、本例においては、第一コンデンサ素子30aは、例えば、0〜10kHzの電圧変動を吸収することができる。
そして、第二コンデンサ素子30bは、例えば、10〜100kHzのサージ電圧を吸収することができる。
一方、第二コンデンサ素子30bが100kHzを超えるサージ電圧しか吸収できない場合には、10〜100kHzのサージ電圧を吸収できず、上記と同様にスイッチング素子13などの耐圧性能を向上させる必要が生じるおそれがある。
また、前述したとおり、コンデンサ単素子3は、軸芯33のみにおいてバスバ4に固定されて所定の位置に配置されている。
そして、正極軸部331と負極側軸部332とは、互いに電気的に絶縁されており、この絶縁された空間である正極軸部331と負極軸部332との間に第二コンデンサ素子30bが配設されている。
また、正極軸部331は正極バスバ41にて固定され、負極軸部332は負極バスバ42にて固定されている。
また、正極側バスバ41と電気的に接続している正極軸部331から正極側電極部321を介して正極層311へと正電荷が流れる。一方、負極側バスバ42と電気的に接続している負極軸部332から負極側電極部322を介して負極層312へと負電荷が流れる。
また、本例のコンデンサ単素子3においては、軸芯33を有するものを示したが、例えば、金属化フィルム31を巻回した後に金属化フィルム31の内側に軸芯33を挿入してもよいし、軸芯33が金属化フィルム31の内側に配されるように軸芯33の周りに金属化フィルム31を巻回していってもよい。
かかる場合であっても、本発明の作用効果を十分に発揮することができる。
正極側電極部321と負極側電極部322との間の最短距離となる空間300には、第一コンデンサ素子30aよりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子30bが正極側電極部321及び負極側電極部322と電気的に並列接続された状態で配設されている。このため、高周波領域におけるサージ電圧を効率良くかつ十分に吸収することのできるコンデンサ単素子3を得ることができる。
このように、上記構成を採用することで、高周波領域におけるサージ電圧を効率良く十分に吸収することができる。
そのため、かかるコンデンサ単素子3を組み込んだ電力変換装置1の低コスト化を図ることができる。
本例の場合には、電力変換回路を流れる高周波領域におけるサージ電圧を効率良くかつ十分に吸収することのできるコンデンサモジュール2を内蔵する電力変換装置1を得ることができる。
また、このように電力変換回路に加わる高周波領域におけるサージ電圧を十分に吸収することにより、電力変換回路を構成するスイッチング素子13などの耐圧性能を向上させる必要がなくなる。したがって、電力変換装置1の低コスト化を図ることができる。
このため、正極軸部331が正極側電極部321として機能し、負極軸部332が負極側電極部322として機能するため、正極軸部331と負極軸部332との間の空間300が、実質的に正極側電極部321と負極側電極部322との間の最短距離となる空間300となる。したがって、正極軸部331と負極軸部332との間に第二コンデンサ素子30bを組み込むことで、正極側電極部321と負極側電極部332との間の最短距離となる空間300に、第二コンデンサ素子30bを容易に組み込むことができる。
本例は、図6に示すように、金属化フィルム31の内側に配されるとともに正極側電極部321及び負極側電極部322よりも巻回軸方向に突出するよう配設される一本の棒状体からなる軸芯33を有するコンデンサ単素子3の例である。
そして、筒部323と軸芯33とは、その間に、例えばセラミックコンデンサやフィルムコンデンサからなる第二コンデンサ素子30bを把持するとともに、互いに電気的に絶縁されている。具体的には、筒部323と軸芯33との間には、例えばPETやPPなど前述した樹脂やセラミックスからなる絶縁体34が配設されている。
その他の構成は、実施例1と同様である。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
2 コンデンサモジュール
3 コンデンサ単素子
30a 第一コンデンサ素子
300 空間
30b 第二コンデンサ素子
31 金属化フィルム
310 軸方向端部
311 正極層
312 負極層
313 絶縁部
321 正極側電極部
322 負極側電極部
Claims (6)
- 正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる金属化フィルムを巻回してなる第一コンデンサ素子を備えたコンデンサ単素子であって、
上記第一コンデンサ素子は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部とを有し、
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されており、
かつ、上記第二コンデンサ素子は、セラミック基板を有するセラミックコンデンサであることを特徴とするコンデンサ単素子。 - 正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる金属化フィルムを巻回してなる第一コンデンサ素子を備えたコンデンサ単素子であって、
上記第一コンデンサ素子は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部とを有し、
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されており、
かつ、上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの内側に配されるとともに上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設される軸芯を有し、
該軸芯は、互いに絶縁された、上記正極側電極部と電気的に接続される正極軸部と、上記負極側電極部と電気的に接続される負極軸部とからなり、
上記第二コンデンサ素子は、上記正極軸部と上記負極軸部との間に配設されていることを特徴とするコンデンサ単素子。 - 正電荷を帯電させる正極層と負電荷を帯電させる負極層とを電気的絶縁性を有する絶縁部を介して積層してなる金属化フィルムを巻回してなる第一コンデンサ素子を備えたコンデンサ単素子であって、
上記第一コンデンサ素子は、外部に配される正極電源と電気的に接続されるとともに上記金属化フィルムの巻回軸方向における両端部である軸方向端部の一方において上記正極層と接触する正極側電極部と、外部に配される負極電源と電気的に接続されるとともに他方の上記軸方向端部において上記負極層と接触する負極側電極部とを有し、
上記正極側電極部と上記負極側電極部との間の最短距離となる空間には、上記第一コンデンサ素子よりもインピーダンスが小さい第二コンデンサ素子が上記正極側電極部及び上記負極側電極部と電気的に並列接続された状態で配設されており、
かつ、上記金属化フィルムの巻回軸方向に直交する方向における断面において上記金属化フィルムの内側に配されるとともに、上記正極側電極部及び上記負極側電極部よりも上記巻回軸方向に突出するよう配設される一本の棒状体からなる軸芯を有し、
該軸芯は、上記正極側電極部又は上記負極側電極部と電気的に接続しており、
上記正極側電極部及び上記負極側電極部のうち上記軸芯と電気的に接続していない方の電極部は、上記軸方向端部よりも上記巻回軸方向に突出した部分の軸芯を覆うように形成された筒部を有し、
該筒部と上記軸芯とは、その間に上記第二コンデンサ素子を把持するとともに、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とするコンデンサ単素子。 - 請求項1〜3のいずれか一項において、上記第二コンデンサ素子は、電気的絶縁性を有するフィルム材に金属層を蒸着してなる金属化フィルムを有するフィルムコンデンサであることを特徴とするコンデンサ単素子。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンデンサ単素子を少なくとも一つ内蔵することを特徴とするコンデンサモジュール。
- 電力変換回路を構成するとともに、請求項5に記載のコンデンサモジュールを有することを特徴とする電力変換装置。
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