JP2019106388A - 蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量劣化を抑えた蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法の提供。【解決手段】正極及び負極が重なった状態で巻回された巻回体22を有する電極体を備え、負極は、シート状の導電部241と該導電部に重なる活物質層242とを有し、且つ巻回体22の最内周と最外周とに位置し、負極の最内周側の端部245及び最外周側の端部246は、正極の対応する端縁235A、236Aより巻回方向に延び、前記対応する端縁より延びた負極の端部245、246における導電部241の該対応する端縁側を向いた面上に、該負極の他の部位の活物質層242より薄い活物質層242Aを有し又は活物質層を有しない、蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法。【選択図】図7

Description

本発明は、正極及び負極が重なった状態で巻回された電極体を備える蓄電素子、及び前記蓄電素子の製造方法に関する。
従来から、正極シートと負極シートとが積層状態で巻回された電極体を備える二次電池が知られている(特許文献1参照)。この二次電池において、前記正極シートは、シートの厚み方向の両側に電極活物質が塗布された塗工部と、前記電極活物質が塗工されていない未塗工部とを有し得ている。これら塗工部と未塗工部とは、前記正極シートの幅方向に並んでいる。また、前記負極シートは、前記正極シートと同様に、塗工部と未塗工部とを有している。
上記の二次電池では、電池容量を確保するため、前記負極シートは、通常、前記正極シートよりも長く、且つ、前記正極シートと共に巻回したときにこれら正極シート及び負極シートを巻回したものの最内周と最外周とに位置している。そして、前記負極シートの長手方向における最内周側の端部と最外周側の端部とは、前記正極シートの対応する端縁からはみ出すように延びている。即ち、前記電極体では、前記負極シートの長手方向の端部は、正極シートと対向していない。
このような二次電池(例えば、リチウム二次電池)では、充電の際に前記負極シートにおいて、前記端部を除く他の部位(前記正極シートと対向している部位)の電位が下がるが、前記端部の電位は維持されるため前記端部(前記正極シートと対向していない部位)と前記他の部位との間に電位差が生じる。このため、前記負極において、前記他の部位にあるリチウムイオンが前記端部に移動し、これにより、充放電に寄与する前記他の部位におけるリチウムイオンの数が減少する。このリチウムイオンの数の減少は、充放電が繰り返されることによって顕著になり、その結果、前記二次電池の容量が大きく低下する、即ち、前記二次電池において容量劣化が生じる。
特開2015−56257号公報
そこで、本発明は、容量劣化を抑えた蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る蓄電素子は、
帯状の正極及び負極が重なった状態で巻回された巻回体を有する電極体を備え、
前記負極は、シート状の導電部と該導電部に重なる活物質層とを有し、且つ前記巻回体の最内周と最外周とに位置し、
前記負極の巻回方向における最内周側の端部及び最外周側の端部の少なくとも一方の端部は、前記正極の対応する端縁より巻回方向に延び、
前記対応する端縁より延びた前記負極の端部は、該対応する端縁側を向いた前記導電部の面上に、該負極の他の部位の活物質層より薄い前記活物質層を有し、又は、前記活物質層を有しない。
かかる構成によれば、負極の端部(正極の対応する端縁より延びた部位、即ち、正極と対向していない部位)の活物質層が薄い又は活物質層がないため、蓄電素子の充放電時において、前記端部と前記他の部位(正極と対向している部位)との間に電位差が生じても、前記他の部位から前記端部に移動できるイオンの数が抑えられ、これにより、この負極内でのイオンの移動に起因する蓄電素子の容量劣化を抑えることができる。
また、負極が前記端部における導電部の前記対応する端縁側を向いた面上に前記他の部位の活物質層より薄い活物質層を有している場合には、前記面上に活物質層が無い場合に比べて負極の前記端部の剛性が高くなるため、該端部が折れ曲がる等による予定位置からのずれや短絡を抑えることができる。
また、前記蓄電素子では、
前記対応する端縁より延びた端部は、前記負極の最内周側の部位及び最外周側の部位に設けられ、
前記負極は、前記最内周側の部位の前記導電部における内側を向いた面上の範囲であって巻回方向における前記最内周側の端縁から前記正極に挟まれる位置に到達するまでの範囲、及び、前記最外周側の部位の前記導電部における外側を向いた面上の範囲であって巻回方向における前記最外周側の端縁から前記正極に挟まれる位置に到達するまでの範囲において、前記他の部位の活物質層より薄い活物質層を有し、又は、前記活物質層を有しなくてもよい。
かかる構成によれば、負極において、最内周側の部位の導電部における内側(巻回中心側)を向いた面(正極と対向していない部位)上、及び最外周側の部位の導電部における外側(巻回中心と反対側)を向いた面(正極と対向していない部位)上に、正極と対向している部位の活物質層より薄い活物質層を有し又は活物質層が無いため、蓄電素子の充放電時に、負極における前記最内周側の部位及び前記最外周側の部位と、これら最内周側の部位及び最外周側の部位を除いた部位との間に電位差が生じても、前記最内周側の部位及び前記最外周側の部位へのイオンの移動が抑えられる。これにより、前記イオンの移動に起因する蓄電素子の容量劣化がより効果的に抑えられる。
また、前記蓄電素子では、
前記正極の対応する端部より延びた前記負極の端部は、前記導電部の両面上に、該負極の他の部位の活物質層より薄い前記活物質層をそれぞれ有してもよい。
かかる構成によれば、前記負極の端部における導電部の両面上に前記他の部位の活物質層より薄い活物質層をそれぞれ有しているため、前記両面上に活物質層が無い場合又は片面の上のみに前記薄い活物質層を有する場合に比べて前記負極の端部の剛性が高くなり、これにより、該端部が折れ曲がる等による予定位置からのずれや短絡をより確実に抑えることができる。
また、本発明に係る蓄電素子の製造方法は、
シート状の導電部と該導電部に重なる活物質層とを有する帯状の負極において長手方向の途中位置に設けられた薄肉部であって、前記導電部の面上に該負極の他の部位の活物質層より薄い活物質層を有する又は前記活物質層を有しない薄肉部を、該負極の短手方向に沿って切断することと、
前記切断後に前記負極の長手方向の端部を構成する前記薄肉部が帯状の正極の長手方向における一方の端縁及び他方の端縁のうちの少なくとも一方の端縁から該長手方向に延びた状態で該正極及び該負極が重ねられ、該重ねられた状態の正極及び負極を前記一方の端縁側から巻回することと、を備える。
かかる構成によれば、充放電時の負極における正極と対向する部位から対向してない部位へのイオンの移動に起因する容量劣化が抑えられた蓄電素子が得られる。具体的には、以下の通りである。
上記構成によれば、負極の巻回方向における最内周側の端部及び最外周側の端部の少なくとも一方の端部が正極の対応する端縁より巻回方向に延びると共に、負極の前記対応する端縁より延びた端部の導電部における前記対応する端縁側を向いた面上に該負極の他の部位の活物質層より薄い活物質層を有し又は活物質層を有しない電極体、を備えた蓄電素子が得られる。この蓄電素子では、電極体において負極の端部(正極の対応する端縁より延びた部位、即ち、正極と対向していない部位)の活物質層が薄い又は活物質層が無いため、該蓄電素子の充放電時において、前記端部と前記他の部位(正極と対向している部位)との間に電位差が生じても、前記他の部位から前記端部に移動できるイオンの数が抑えられる。これにより、前記イオンの移動に起因する蓄電素子の容量劣化が抑えられる。
また、前記蓄電素子の製造方法では、
前記負極は、前記長手方向に連続する前記活物質層の非被覆部を有してもよい。
長手方向に連続する非被覆部を有する負極を幅方向に切断する場合、活物質層が形成された部分と非被覆部との境界において負極の全体の厚みが変化しているため、活物質層が形成された部分と非被覆部との境界近傍において、バリ及び切粉(詳しくは、活物質層が形成された部分に加わる応力と非被覆部に加わる応力との違いに起因するバリ及び切粉)が発生し易くなる。しかし、上記構成によれば、非被覆部と非被覆部以外の部位との境界における負極の全体の厚みの変化を活物質層を薄くし又は無くすことによって小さくした薄肉部を切断するため、切断するときの前記バリ及び切粉の発生を抑えることができる。即ち、活物質層が厚いと活物質層が形成された部分と非被覆部との境界における負極の全体の厚みの変化が大きいため、負極の切断時に導電部のバリ及び切粉が発生し易くなるが、上記構成のように切断部位における活物質層の厚さ寸法を抑える又は活物質層を無くすことで、前記切断時の導電部のバリ及び切粉の発生を抑えることができる。
この場合、
前記負極の活物質層が、前記導電部よりビッカース硬さの大きい成分を含んでいると、負極の切断時の導電部におけるバリ及び切粉の発生が抑えられる効果がより顕著になる。
即ち、活物質層が導電部よりビッカース硬さの大きい成分を含んでいると、負極の切断時に導電部が前記成分によって押されるためにバリ及び切粉がより発生し易くなるが、活物質層の厚さを抑えることによって、活物質層が前記成分を含んでいても前記切断時の導電部におけるバリ及び切粉の発生が効果的に抑えられる。
以上より、本発明によれば、容量劣化を抑えた蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、図1のII―II線位置の断面図である。 図3は、前記蓄電素子の分解斜視図である。 図4は、前記蓄電素子の電極体の構成を示す斜視図である。 図5は、前記電極体を構成する正極の断面図である。 図6は、前記電極体を構成する負極の断面図である。 図7は、前記電極体を構成する巻回体の構成及び該巻回体を構成する正極及び負極を説明するための模式図である。 図8は、前記蓄電素子の集電体の斜視図である。 図9は、前記蓄電素子における一対のクリップ部材の斜視図である。 図10は、前記一対のクリップ部材の斜視図である。 図11は、図9のXI―XI線位置の断面図である。 図12は、所定の長さに切断する前の前記負極を説明するための断面図である。 図13は、巻回前の重ねた状態の正極と負極との位置関係を示す図である。 図14は、前記蓄電素子の製造方法のフロー図である。 図15は、他実施形態における所定の長さに切断する前の負極を説明するための断面図である。 図16は、前記蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図14を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子は、図1〜図4に示すように、帯状の正極23及び負極24が重なった状態で巻回された巻回体22を有する電極体2を備える。また、本実施形態の蓄電素子1は、電極体2を収容するケース3、ケース3の外側に配置される外部端子4、及び電極体2と外部端子4とを導通させる集電体5等も有する。
電極体2は、巻芯21と、正極23と負極24とが互いに絶縁された状態で巻回された巻回体22であって、巻芯21の周囲に巻回(配置)された巻回体22と、を備える。この電極体2においてリチウムイオンが正極23と負極24との間を移動することにより、蓄電素子1が充放電する。
巻芯21は、通常、絶縁材料によって形成される。巻芯21は、筒形状である。本実施形態の巻芯21は、偏平な筒形状である。この巻芯21は、可撓性又は熱可塑性を有するシートを巻回することによって形成される。
前記シートは、合成樹脂によって形成され、電解液に対して耐性を有する。前記シートは、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)によって構成される。シートの厚さは、例えば、50μm〜200μmである。
巻回体22は、正極23及び負極24が積層された(重ねられた)状態で巻芯21の周囲に巻回されることによって形成される。
正極23は、図4及び図5に示すように、シート状の導電部231と、導電部231に重なる正極活物質層232と、を有する。本実施形態の正極23において、導電部231は、帯状の金属箔であり、正極活物質層232は、金属箔231の両面上に形成(積層)されている。この金属箔231は、例えば、アルミニウム箔である。正極23は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層232の非被覆部(即ち、正極活物質層232を有しない部位)233を有する。この非被覆部233は、正極23の長手方向に連続して延びている。尚、図5では、金属箔231及び正極活物質層232の厚さを誇張して現している。また、以下では、正極23において正極活物質層232が形成されている部位(即ち、正極活物質層232を有する部位)を被覆部234と称する。
前記正極活物質層は、正極活物質と、バインダーと、を有する。
前記正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiaMebOc(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiaCoyO2、LiaNixO2、LiaMnzO4、LiaNixCoyMnzO2等)、LiaMeb(XOc)d(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiaFebPO4、LiaMnbPO4、LiaMnbSiO4、LiaCobPO4F等)である。本実施形態の正極活物質は、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2である。
前記正極活物質層に用いられるバインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
前記正極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の正極活物質層は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極24は、図4、図6及び図7に示すように、シート状の導電部241と、導電部241に重なる負極活物質層(活物質層)242と、を有する。この負極24は、巻回体22の最内周と最外周とに位置する。即ち、負極24は、正極23より長い。負極24の巻回方向における最内周側の端部245及び最外周側の端部246の少なくとも一方は、正極23の対応する端縁(長手方向の端縁)235A、236Aより巻回方向に延びている。本実施形態の負極24の最内周側の端部245は、巻回体22の外側(巻芯21と反対側)に位置する正極23の最内周側の端縁235Aより巻回方向に延び(はみ出ており)、最外周側の端部246は、巻回体22の内側(巻芯21側)に位置する正極23の最外周側の端縁(長手方向の端縁)236Aより巻回方向に延びている(はみ出ている)。即ち、負極24における正極23の最内周側の端縁235Aより延びた端部245は、負極24の最内周側の部位に設けられ、負極24における正極23の最外周側の端縁236Aより延びた端部246は、負極24の最外周側の部位に設けられる。尚、図6では、導電部241及び負極活物質層242の厚さを誇張して現している。
本実施形態の負極24において、導電部241は、帯状の金属箔であり、負極活物質層242は、金属箔241の両面上に形成(積層)されている。この金属箔241は、例えば、銅箔である。負極24は、帯形状の短手方向である幅方向の他方(正極23の非被覆部233と反対側)の端縁部に、負極活物質層242の非被覆部(即ち、負極活物質層242を有しない部位)243を有する。この非被覆部243は、負極24の長手方向に連続して延びている。負極24の被覆部(負極活物質層242を有する部位)244の幅は、正極23の被覆部234の幅よりも大きい。
負極24の端部245、246は、正極23の対応する端縁235A、236Aを向いた金属箔241の面上に、負極24の他の部位の負極活物質層242より薄い負極活物質層(以下、「薄層部」とも称する。)242Aを有している。即ち、本実施形態の負極24の最内周側の端部245は、外側を向いた部位(詳しくは、金属箔241の外側の面上)に、薄層部242Aを有し、最外周側の端部246は、内側を向いた部位(詳しくは、金属箔241の内側を向いた面上)に、薄層部242Aを有している。尚、図7では、金属箔231、241、正極活物質層232、負極活物質層242及び薄層部242Aの厚さを誇張して現している。
この負極24は、最内周側の部位の金属箔241における内側を向いた面上の範囲であって、巻回方向における最内周側の端縁245Aから巻回体22において正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲において、薄層部242Aを有している。また、負極24は、最内周側の部位の金属箔241における外側を向いた面上の範囲であって、巻回方向における最外周側の端縁246Aから巻回体22において正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲において、薄層部242Aを有している。
本実施形態の巻回体22では、負極24の最内周側の端部245の金属箔241における外側を向いた面上において、正極23の対応する端縁235Aより僅かに巻回方向に延びた(はみ出た)位置から端縁245Aまで、薄層部242Aが設けられている。また、負極24の最外周側の端部246の金属箔241における内側を向いた面上に、正極23の対応する端縁236Aより僅かに巻回方向に延びた(はみ出た)位置から端縁246Aまで、薄層部242Aが設けられている。
尚、負極24は、薄層部242Aのない構成、即ち、負極24の該部位の金属箔241が負極活物質層242及び薄層部242Aのいずれにも覆われていない構成でもよい。
負極活物質層242は、負極活物質と、バインダーと、を有する。本実施形態の負極活物質層242は、金属箔241よりもビッカース硬さが大きい成分を含んでいる。
前記負極活物質は、例えば、グラファイト、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、及び易黒鉛化炭素などの炭素材、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などのリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極活物質層に用いられるバインダーは、正極活物質層に用いられたバインダーと同様のものである。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
前記負極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の負極活物質層は、導電助剤を有していない。
図4に示すように、本実施形態の巻回体22では、以上のように構成される正極23と負極24とがセパレータ25によって絶縁された状態で巻回されている。即ち、巻回体22では、正極23、負極24、及びセパレータ25が積層された状態で巻回されている。セパレータ25は、絶縁性を有する部材である。セパレータ25は、正極23と負極24との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、巻回体22)において、正極23と負極24とが互いに絶縁される。また、セパレータ25は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ25を挟んで交互に積層される正極23と負極24との間を移動する。
セパレータ25は、帯状である。セパレータ25は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。セパレータ25は、SiO2粒子、Al2O3粒子、ベーマイト(アルミナ水和物)等の無機粒子を含んだ無機層を、多孔質膜によって形成された基材の上に設けることで形成されてもよい。本実施形態のセパレータ25は、例えば、ポリエチレンによって形成される。セパレータの幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極24の被覆部244の幅より僅かに大きい。セパレータ25は、被覆部234、244同士が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極23と負極24との間に配置される。このとき、正極23の非被覆部233と負極24の非被覆部243とは重なっていない。即ち、正極23の非被覆部233が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極24の非被覆部243が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向(正極23の非被覆部233の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極23、負極24、及びセパレータ25が巻回されることによって、巻回体22が形成される。正極23の非被覆部233又は負極24の非被覆部243のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。本実施形態の非被覆積層部26は、図3及び図4に示すように、巻回された正極23、負極24、及びセパレータ25の巻回中心方向視において、中空部27を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に形成される。即ち、正極23の非被覆部233のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極の非被覆積層部を構成し、負極24の非被覆部243のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極の非被覆積層部を構成する。
図1〜図3に戻り、ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間33に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。本実施形態のケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
前記電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO4、LiBF4、及びLiPF6等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5の割合で調整した混合溶媒に、1mol/LのLiPF6を溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部34と、蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間33を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部34と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
ケース本体31は、板状の閉塞部311と、閉塞部311の周縁に接続される筒状の胴部312とを備える。
閉塞部311は、開口が上を向くようにケース本体31が配置されたときに、ケース本体31の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体31の底壁となる)部位である。閉塞部311は、該閉塞部311の法線方向視において、矩形状である。
本実施形態の胴部312は、角筒形状を有する。詳しくは、胴部312は、偏平な角筒形状を有する。胴部312は、閉塞部311の周縁における長辺から延びる一対の長壁部313と、閉塞部311の周縁における短辺から延びる一対の短壁部314とを有する。即ち、一対の長壁部313は、閉塞部311の短辺方向に間隔(詳しくは、閉塞部311の周縁における短辺に相当する間隔)を空けて対向し、一対の短壁部314は、閉塞部311の長片方向に間隔(詳しくは、閉塞部311の周縁における長辺に相当する間隔)を空けて対向する。短壁部314が一対の長壁部313の対応(詳しくは、前記短辺方向に対向)する端部同士をそれぞれ接続することによって、角筒状の胴部312が形成される。
以上のように、ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。
蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。具体的に、蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐようにケース本体31に当接する。より具体的には、蓋板32が開口を塞ぐように、蓋板32の周縁部がケース本体31の開口周縁部34に重ねられる。
蓋板32は、Z軸方向視において、ケース本体31の開口周縁部34に対応した輪郭形状を有する。即ち、蓋板32は、閉塞部311の長辺方向に長い矩形状の板材である。
外部端子4は、他の蓄電素子の外部端子又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子4は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子4は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。この外部端子4は、バスバ等が溶接可能な面41を有する。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。本実施形態の集電体5は、図3に示す外部端子4とクリップ部材50とを通電可能に接続する。具体的に、集電体5は、図3及び図8に示すように、外部端子4と通電可能に接続される第一接続部51と、電極体2と通電可能に接続される第二接続部52と、第一接続部51と第二接続部52とを接続する屈曲部53と、を有する。集電体5では、屈曲部53がケース3内の蓋板32と短壁部314との境界近傍に配置され、第一接続部51が屈曲部53から蓋板32に沿って延びると共に、第二接続部52が屈曲部53から短壁部314に沿って延びる。即ち、集電体5は、L字状に形成される。本実施形態の集電体5は、所定形状に裁断された板状の金属材料を曲げ加工することによって形成される。
以上のように構成される集電体5は、蓄電素子1の正極と負極とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極の非被覆積層部26と、負極の非被覆積層部26とにそれぞれ接続される。
正極の集電体5と負極の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
図3、図9〜図11に示すクリップ部材50は、電極体2の非被覆積層部26(詳しくは、二分された非被覆積層部261)において積層された正極23又は負極24を束ねるように挟む。これにより、クリップ部材50は、非被覆積層部26において積層される正極23同士、又は負極24同士を導通させる。具体的に、クリップ部材50は、二分された非被覆積層部261(積層された正極23又は負極24)を挟んで対向する一対の対向片501と、対向片501の対応する一方の端部同士を連結する連結部502と、を有する。クリップ部材50は、導電性を有する部材によって形成される。本実施形態では、電極体2の正極の非被覆積層部26に二つのクリップ部材50が配置されると共に、負極の非被覆積層部26に二つのクリップ部材50が配置される。
蓄電素子1は、電極体2とケース3とを絶縁する絶縁部材6等を備える。本実施形態の絶縁部材6は、例えば、絶縁カバーである。図2及び図3に示すように、絶縁部材6は、ケース3(詳しくはケース本体31)と電極体2との間に配置される。絶縁部材6は、絶縁性を有する部材によって形成される。絶縁部材6は、シート状の部材によって構成される。本実施形態の絶縁部材6は、例えば、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂によって形成される。本実施形態の絶縁カバー6は、所定の形状に裁断された絶縁性を有するシート状の部材を折り曲げることによって袋状に形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、袋状の絶縁部材6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、蓄電素子1の製造方法について図12〜図14も参照しつつ説明する。
先ず、正極23と負極24とを所定長さに切断する(ステップS1)。ここで、切断前の正極23は、長手方向の各位置において、一定の厚さを有する。一方、切断前の負極24は、長手方向の途中位置に、他の部位よりも薄い(詳しくは、他の部位よりも負極24の全体の厚さ寸法の小さな)薄肉部240を有する。ここで、薄肉部240とは、「負極24における金属箔241と薄層部242Aとを有する部位」と、「負極24において金属箔241を有するが、負極活物質層242(薄層部242Aを含む)を有さない部位」とを含む概念である。
本実施形態の薄肉部240は、負極24の他の部位(負極24における薄肉部240を除いた部位)の負極活物質層242より薄い負極活物質層(薄層部242A)を有する。具体的に、負極24の薄肉部240では、負極24の一方側の部位(図12における金属箔241の上面上)における薄層部242Aの長さ方向の一部と、負極24の他方側の部位(図12における金属箔241の下面上)における薄層部242Aの長さ方向の一部とが、厚さ方向に重なっている。即ち、薄肉部240では、図12に示すように、金属箔241の両側において、長手方向の一部が厚さ方向に重なる位置に、薄層部242Aがそれぞれ設けられている。尚、本実施形態の薄層部242Aは、金属箔241上に積層された負極活物質層242の長手方向の一部を、剥離、削る等によって薄くすることで形成されてもよい。また、薄層部242Aは、金属箔241上に負極活物質層242を積層(形成)する際に、長手方向の一部を薄く積層することで形成されてもよい。また、図12では、金属箔241、負極活物質層242、及び薄層部242Aの厚さを誇張して現している。
このように構成される負極24は、薄層部242Aが金属箔241を挟んで厚さ方向に重なっている位置(図12に示す例ではαの位置)を、短手方向に沿って切断される。この切断後の図12におけるIで示す範囲の負極活物質層は、正極23と共に巻回することで形成された巻回体22において、負極24の最内周側の端部245の金属箔241における外側を向いた面(巻芯21と反対側を向いた面)上に配置される薄層部242Aを構成する。また、IIで示す範囲の負極活物質層は、前記巻回体22において、負極24の最内周側の部位の金属箔241における内側を向いた面(巻芯21側を向いた面)上の範囲であって、最内周側の端縁245Aから巻回体22において正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲に設けられる(配置される)薄層部242A(図7参照)を構成する。また、IIIで示す負極活物質層は、前記巻回体22において、負極24の最外周側の端部246の金属箔241における内側を向いた面上に配置される薄層部242Aを構成する。また、IVで示す範囲の負極活物質層は、前記巻回体22において、負極24の最外周側の部位の金属箔241における外側を向いた面上の範囲であって、最外周側の端縁246Aから巻回体22において正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲に設けられる(配置される)薄層部242A(図7参照)を構成する。
次に、負極24において薄層部242Aが配置された部位が長手方向に短い側の面が、巻回したときの最内周側の端部245では外側を向き、最外周側の端部246では内側を向くように、正極23及び負極24を重ね、この重ねられた正極23及び負極24を巻回する(ステップS2)。即ち、負極24の巻始め側の端部245では前記短い側の面が正極23側を向き(図13参照)、且つ、巻終わり側の端部246では前記短い側の面が正極23と反対側を向くように正極23と負極24とを重ね、この重ねられた状態で正極23と負極24とを巻回する(図13の矢印β参照)。これにより、電極体2が形成される。尚、図13では、金属箔231、241、正極活物質層232、負極活物質層242、及び薄層部242Aの厚さを誇張して現している。
形成された電極体2に集電体5を接合する(ステップS3)。具体的に、電極体2の各極の非被覆積層部26(詳しくは、二分された非被覆積層部261)において積層された正極23(又は負極24)をクリップ部材50によって束ねるように挟み、このクリップ部材50と集電体5とを重ねた状態で超音波接合する。これにより、電極体2、クリップ部材50、及び集電体5が接合される。
電極体2が接続された集電体5、及び外部端子4等を蓋板32に組み付け(ステップS 4)、電極体2及び集電体5等が絶縁部材6によって覆われた状態で、これら電極体2及び集電体5をケース本体31内に挿入しつつ、ケース本体31の開口を蓋板32によって塞ぐ(ステップS5)。そして、ケース本体31と蓋板32との境界部を溶接(例えばレーザ溶接)することで(ステップS6)、蓄電素子1が完成する。
以上の製造方法によって製造される蓄電素子1によれば、負極24の端部(正極23の対応する端縁235A、236Aより延びた(はみ出た)部位、即ち、正極23と対向していない部位)245、246の負極活物質層が薄層部242Aである。このため、蓄電素子1の充放電時において、負極24の端部245、246と、負極24の他の部位(正極23と対向している部位:本実施形態の例では、端部245、246間の部位)と、の間に電位差が生じても、前記他の部位から端部245、246に移動できるイオンの数が抑えられる。これにより、蓄電素子1では、負極24(詳しくは、負極活物質層)内でのイオンの移動に起因する蓄電素子1の容量劣化が抑えられる。
また、負極24は、端部245、246の金属箔241における正極23の対応する端縁235A、236A側を向いた面上に薄層部242Aを有しているため、前記面上に負極活物質層が無い場合に比べて負極24(薄肉部240)の剛性が高くなる。このため、蓄電素子1では、負極24の端部245、246が折れ曲がる等による予定位置からのずれや短絡を抑えることができる。
また、本実施形態の蓄電素子1では、負極24は、最内周側の部位の金属箔241における内側を向いた面上の範囲であって巻回方向における最内周側の端縁245Aから巻回体22において正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲に、薄層部242Aを有している(図7参照)。また、負極24は、最外周側の部位の金属箔241における外側を向いた面上の範囲であって巻回方向における最外周側の端縁246Aから正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲に、薄層部242Aを有している(図7参照)。
これらの構成によれば、負極24において、最内周側の部の金属箔241における内側を向いた面(巻芯21側を向いた面:正極23と対向していない面)上、及び最外周側の部位の金属箔241における外側を向いた面(巻芯21と反対側を向いた面:正極23と対向していない面)上の負極活物質層(薄層部)242Aが、正極23と対向している部位の活物質層242より薄い。これにより、蓄電素子1の充放電時に、負極24における前記最内周側の部位及び前記最外周側の部位と、これら最内周側の部位及び災害州側の部位を除いた部位との間に電位差が生じても、前記最内周側の部位及び前記最外周側の部位へのイオンの移動を抑えることができる。その結果、前記イオンの移動に起因する蓄電素子1の容量劣化をより効果的に抑えることができる。
また、本実施形態の蓄電素子1では、負極の端部245、246は、金属箔241の両面上に、薄層部242Aをそれぞれ有している。このため、金属箔241の両面上に薄層部242Aが無い場合又は金属箔241の片面上のみに薄層部242Aを有する場合に比べて負極24の端部245、246の剛性が高くなる。その結果、蓄電素子1において、該端部245、246が折れ曲がる等による予定位置からのずれや短絡をより確実に抑えることができる。
長手方向に連続する非被覆部244を有する負極24を幅方向に切断する場合、負極活物質層242が形成された部分と非被覆部244との境界において負極24の全体の厚みが変化しているため、負極活物質層242が形成された部分と非被覆部244との境界近傍において、バリ及び切粉(詳しくは、負極活物質層242が形成された部分に加わる応力と非被覆部244に加わる応力との違いに起因するバリ及び切粉)が発生し易くなる。 本実施形態の蓄電素子1の製造方法では、所定の長さに切断する前の負極24が、長手方向に連続する非被覆部243を有しているが、非被覆部244と非被覆部以外の部位との境界における負極24の全体の厚みの変化を負極活物質層242Aを薄くした薄肉部240を切断するため、切断するときの前記バリ及び切粉の発生を抑えることができる。即ち、負極活物質層242が厚いと負極活物質層242が形成された部分と非被覆部244との境界における負極24の全体の厚みの変化が大きいため、負極24の切断時に金属箔241のバリ及び切粉が発生し易くなるが、本実施形態の蓄電素子1の製造方法のように切断部位における負極活物質層242Aの厚さ寸法を抑えることで、前記切断時の金属箔241のバリ及び切粉の発生を抑えることができる。
また、本実施形態のように、負極24の負極活物質層242が、金属箔241よりビッカース硬さの大きい成分(本実施形態の例では、ハードカーボン)を含んでいると、負極24の切断時の金属箔241におけるバリ及び切粉の発生の抑制がより顕著になる。即ち、負極活物質層242が金属箔241よりビッカース硬さの大きい成分を含んでいると、ビッカース硬さの小さな成分(例えば、グラファイト)と比較して、負極24の切断時に金属箔241が前記ビッカース硬さの大きい成分によって押されるためにバリ及び切粉がより発生し易くなるが、負極活物質層242Aの厚さを抑えることによって、負極活物質層242Aが前記ビッカース硬さの大きい成分を含んでいても前記切断時の金属箔241におけるバリ及び切粉の発生が効果的に抑えられる。
尚、本発明の蓄電素子及び蓄電素子の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態の負極24では、長手方向(巻回方向)の両端部245、246に薄層部242Aが設けられているが、この構成に限定されない。負極24の一方の端部(最内周側の端部245又は最外周側の端部246)のみに薄層部242Aが設けられてもよい。
また、上記実施形態の負極24では、長手方向の端部245、246の両面(厚さ方向の両面)に、薄層部242Aが設けられているが、この構成に限定されない。薄層部242Aは、負極24において、最内周側の端部245における外側の部位、及び、最外周側の端部246における内側の部位の少なくとも一方に設けられていればよい。さらに、負極24において、薄肉部240は、負極活物質層242(薄層部242Aを含む)を有さない構成であってもよい。これらの構成によっても、蓄電素子1の充放電時において、負極24の端部245、246と他の部位(正極23と対向している部位)との間に電位差が生じても、前記他の部位から端部245、246に移動できるイオンの数が少なくなるため、負極24(詳しくは、負極活物質層242)内でのイオンの移動に起因する蓄電素子1の容量劣化を抑えることができる。
また、上記実施形態の負極24では、内側を向いた部位において、巻回方向における最内周側の端縁245Aから巻回体22における正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲の略全体に、薄層部242Aを有しているが、この構成に限定されない。薄層部242Aは、負極24の内側を向いた部位において、巻回方向における端縁245Aから正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲の一部に設けられてもよい。同様に、上記実施形態の負極24では、外側を向いた部位において、巻回方向における最外周側の端縁246Aから巻回体22における正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲の略全体に、薄層部242Aを有しているが、この構成に限定されない。薄層部242Aは、負極24の外側を向いた部位において、巻回方向における端縁246Aから正極23に挟まれる位置に到達するまでの範囲の一部に設けられてもよい。
また、上記実施形態の負極24では、金属箔241の両面上に負極活物質層242が直接的に形成(積層)されている構成であったが、これの構成に限定されない。負極活物質層242は、金属箔241の面上に間接的に形成(積層)されている構成であってもよい。例えば、金属箔241と負極活物質層242との間の密着性又は電子導電度を向上させることを目的として、金属箔241の面上に導電層を形成(積層)させ、該導電層の面上に負極活物質層242が形成(積層)されていてもよい。
上記実施形態の蓄電素子1の製造方法において、所定の長さに切断する前の負極24の薄肉部240では、金属箔241を挟んで両側に設けられる薄層部242Aは、長手方向の一部が厚さ方向に重なるようにずれているが、この構成に限定されない。図15に示すように、負極24の薄肉部240において、負極24の厚さ方向の一方側の部位における薄層部242Aと、負極24の厚さ方向の他方側の部位における薄層部242Aとが、厚さ方向に重なっている、即ち、長手方向の位置が一致していてもよい。尚、図15では、金属箔241、負極活物質層242、薄層部242Aの厚さを誇張して現している。
また、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法において、切断される薄肉部240は、負極活物質層242が他の部位よりも薄い薄層部242Aであったが、この構成に限定されない。切断される薄肉部240は、負極活物質層242を有しない構成であってもよい。負極24が、長手方向に連続する非被覆部243を有する構成である場合、負極活物質層242を有しない構成とすることによって、幅方向における負極24の全体の厚みの変化を抑えられるため、薄肉部240を切断する際のバリ及び切粉の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、マグネシウムイオン電池又はナトリウムイオン電池等の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子(例えば電池)は、図16に示すような蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)11に用いられてもよい。蓄電装置11は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材12と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
1…蓄電素子、2…電極体、21…巻芯、22…巻回体、23…正極、231…金属箔(導電部)、232…正極活物質層、233…非被覆部、234…被覆部、235A…最内周側の端縁、236A…最外周側の端縁、24…負極、240…薄肉部、241…金属箔(導電部)、242…負極活物質層、242A…薄層部、243…非被覆部、244…被覆部、245…最内周側の端部、245A…最内周側の端縁、246…最外周側の端部、246A…最外周側の端縁、25…セパレータ、26…非被覆積層部、261…二分された非被覆積層部、27…中空部、3…ケース、31…ケース本体、311…閉塞部、312…胴部、313…長壁部、314…短壁部、32…蓋板、33…内部空間、34…開口周縁部、4…外部端子、41…面、5…集電体、50…クリップ部材、501…対向片、502…連結部、51…第一接続部、52…第二接続部、53…屈曲部、6…絶縁部材(絶縁カバー)、11…蓄電装置、12…バスバ部材

Claims (6)

  1. 帯状の正極及び負極が重なった状態で巻回された巻回体を有する電極体を備え、
    前記負極は、シート状の導電部と該導電部に重なる活物質層とを有し、且つ前記巻回体の最内周と最外周とに位置し、
    前記負極の巻回方向における最内周側の端部及び最外周側の端部の少なくとも一方の端部は、前記正極の対応する端縁より巻回方向に延び、
    前記対応する端縁より延びた前記負極の端部は、該対応する端縁側を向いた前記導電部の面上に、該負極の他の部位の活物質層より薄い前記活物質層を有し、又は、前記活物質層を有しない、蓄電素子。
  2. 前記対応する端縁より延びた端部は、前記負極の最内周側の部位及び最外周側の部位に設けられ、
    前記負極は、前記最内周側の部位の前記導電部における内側を向いた面上の範囲であって巻回方向における前記最内周側の端縁から前記正極に挟まれる位置に到達するまでの範囲、及び、前記最外周側の部位の前記導電部における外側を向いた面上の範囲であって巻回方向における前記最外周側の端縁から前記正極に挟まれる位置に到達するまでの範囲において、前記他の部位の活物質層より薄い活物質層を有し、又は、前記活物質層を有しない、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記正極の対応する端部より延びた前記負極の端部は、前記導電部の両面上に、該負極の他の部位の活物質層より薄い前記活物質層をそれぞれ有する、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. シート状の導電部と該導電部に重なる活物質層とを有する帯状の負極において長手方向の途中位置に設けられた薄肉部であって、前記導電部の面上に該負極の他の部位の活物質層より薄い活物質層を有する又は前記活物質層を有しない薄肉部を、該負極の短手方向に沿って切断することと、
    前記切断後に前記負極の長手方向の端部を構成する前記薄肉部が帯状の正極の長手方向における一方の端縁及び他方の端縁のうちの少なくとも一方の端縁から該長手方向に延びた状態で該正極及び該負極が重ねられ、該重ねられた状態の正極及び負極を前記一方の端縁側から巻回することと、を備える、蓄電素子の製造方法。
  5. 前記負極は、前記長手方向に連続する前記活物質層の非被覆部を有する、請求項4に記載の蓄電素子の製造方法。
  6. 前記負極の活物質層が、前記導電部よりビッカース硬さの大きい成分を含む、請求項5 に記載の蓄電素子の製造方法。
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