JP5131076B2 - 同軸二輪車及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車に関し、より詳細には、電源と、電源の充電量を検出する充電量検出部と、を備えた同軸二輪車及びその制御方法に関するものである。
従来、運転者が搭乗する分割ステップと、車両本体と、車両本体に回転可能に支持された一対の車輪と、その一対の車輪を独立して回転駆動する一対の車輪駆動部と、分割ステップの姿勢を変化させるハンドルと、を備える同軸二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−315666号公報
ところで、同軸二輪車は、二車輪でバランスをとっているため、一般的に、三輪以上の車両と比較して不安定となるが、フィードバック制御等を行うことで安定化を実現している。しかしながら、上記従来の同軸二輪車において、例えば、バッテリーの充電量が大きく低下した場合に、車輪の駆動力を適切に制御できなくなるため、転倒する虞が生じ得る。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、より安全性を向上させた同軸二輪車及びその制御方法を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、電源と、該電源の充電量を検出する充電量検出部と、前記電源からの電力により駆動する車輪駆動部と、を備え、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車であって、前記充電量検出部により検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、前記車輪駆動部の駆動を停止させる停止制御を実行する制御装置を備える、ことを特徴とする同軸二輪車である。この一態様によれば、同軸二輪車の安全性をより向上させることができる。
また、この一態様において、前記制御装置は、前記停止制御後に、搭乗者の降車を補助する降車補助制御を実行してもよい。
他方、上記目的を達成するための本発明の一態様は、電源と、該電源の充電量を検出する充電量検出部と、を備え、前記電源からの電力により駆動し、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車であって、前記充電量検出部により検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、当該同軸二輪車の倒立制御の開始を停止する制御装置を備える、ことを特徴とする同軸二輪車であってもよい。
また、これら態様において、前記充電量検出部により検出された前記電源の充電量が第2所定量以下となるとき、搭乗者に警告を行う警告部を更に備えていてもよい。
さらに、これら態様において、前記制御装置は、当該同軸二輪車の制御状態に応じて、前記第1所定量及び/又は前記第2所定量を可変させてもよい。
なお、これら態様において、搭乗者の足を乗せるステップ部と、少なくとも前後への移動を操作可能な操作部を更に備え、前記制御装置は、搭乗者の降車方向に対する、前記ステップ部の傾斜角度を増加させる前記降車補助制御を実行してもよい。
これら態様において、前記制御装置は、前記操作部によって前記ステップ部を前後に傾斜させた場合に、傾斜方向に当該同軸二輪車が移動するように制御してもよい。
これら態様において、前記制御装置は、前記停止制御後に、接地部材を路面に接地させてもよい。
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、電源の充電量を検出する充電量検出工程と、前記電源からの電力により駆動する車輪駆動工程と、を含み、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車の制御方法であって、前記充電量検出工程で検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、車輪駆動を停止させる停止制御を実行する制御工程を含む、ことを特徴とする同軸二輪車の制御方法であってもよい。
さらに、上記目的を達成するための本発明の一態様は、電源の充電量を検出する充電量検出工程を含み、前記電源からの電力により駆動し、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車の制御方法であって、前記充電量検出工程で検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、当該同軸二輪車の倒立制御の開始を停止する制御工程を含む、ことを特徴とする同軸二輪車の制御方法であってもよい。
本発明によれば、同軸二輪車の安全性をより向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施形態を挙げて説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車の構成を示す正面図であり、図1(b)は、本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車の構成を示す側面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車のシステム構成の一例を示すブロック図である。
図1(a)、(b)及び図2に示すように、この同軸二輪車10の構成は、上述の特許文献1に記載された構成と略同一の構成となっている。なお、本明細書において、ピッチ軸とは、一対の車輪13L,13Rの車軸に相当する軸である。また、ロール軸とは、車両本体12の中心を通り、同軸二輪車10の走行方向と平行をなす軸である。さらに、ヨー軸とは、車両本体12の中心を通り、同軸二輪車10が走行する路面と垂直をなす軸である。
同軸二輪車10は、車両本体12と、車輪13L,13Rと、車輪駆動ユニット14L,14Rと、操作ハンドル15と、を備えている。
操作ハンドル15は、これを前後方向に傾けることによって、同軸二輪車10の前進又は後退操作が実行され、ロール方向へ傾けることによって、同軸二輪車10の旋回操作が実行される操作部である。
かかる操作ハンドル15は、その下端部が操作レバーブラケット24に固定されている。具体的には、操作ハンドル15は、ハンドルポスト35と、ハンドルポスト35の上端部に設けられたハンドルレバー36と、から構成されている。
ハンドルレバー36の一方の突起部の上端部には、一対の車輪駆動ユニット14L,14Rの駆動を制御できる旋回操作リング37が配設されている。この旋回操作リング37を、運転者が旋回したいと思う所望の方向へ回動することにより、その操作量に応じた操作信号が、後述する制御装置46に対して出力される。
これにより、制御装置は、旋回操作リング37からの操作信号に応じて、一対の車輪駆動ユニット14L,14Rの駆動を制御し、左右の車輪13L,13Rに回転差を生じさせる。これにより、同軸二輪車10は、所望の速度及び方向で旋回走行することができる。
ハンドルレバー36の他方の突起部の上端部には、降車スイッチ38が設けられている。降車スイッチ38は、降車補助制御を実行させるトリガとなる降車補助開始トリガ信号を発生させるスイッチである。
搭乗者が降車スイッチ38を押下すると、降車補助開始トリガ信号が制御装置46に対して供給される。制御装置46は、降車補助開始トリガ信号に応じて、降車補助制御の実行を開始する。
車両本体12は、操作ハンドル15をロール方向へ回転自在に支持する。また、一対の車輪13L,13Rは、車両本体12の走行方向と直交する方向の両側において同軸上に配置されると共に当該車両本体12に回転自在に支持されている。
車両本体12の上面には、操作ハンドル15の左右両側に2つのステップ部11L,11Rが設けられている。ステップ部11L,11Rは、搭乗者が片足ずつ乗せて搭乗するステップであり、人の足裏の大きさと同程度か少し大きく形成された一対の板体により構成される。
各ステップ部11L,11Rには、ステップセンサ39L,39Rが夫々設けられている。ステップセンサ39L,39Rは、例えば重量センサにより構成され、ステップ部11L,11Rのそれぞれに搭乗者の足が乗っているか否かを検出し、足が乗っている場合に足検知信号を制御装置46に対して供給する。
車両本体12は、特許文献1に記載されている平行リンク構造を有する。車両本体12は、互いに平行をなして上下に配置された車体上部材16及び車体下部材17と、互いに平行をなして左右に配置されると共に車体上部材16及び車体下部材17と回動可能に連結された一対の側面部材18L,18Rと、を有する平行リンク機構として構成されている。
この平行リンク機構の車体上部材16と車体下部材17との間には、車体上部材16及び車体下部材17と、一対の側面部材18L,18Rと、が成す角度をそれぞれ直角に維持するようにばね力を発生する、一対のコイルばね19L,19Rが介在されている。
一対の側面部材18L,18Rの各外面には、車輪駆動ユニット14L,14Rが夫々取り付けられている。車輪駆動ユニット14L,14Rは、一対の車輪13L,13Rを独立して回転駆動する車輪駆動部である。車輪駆動ユニット14L,14Rは、例えば、車輪駆動モータと、その車輪駆動モータの回転軸に動力伝達可能に連結された減速ギアと、によって構成することができる。
また、一対の側面部材18L,18Rの上端部は、ステップ部11L,11Rが夫々独立して取り付けられている。一対のステップ部11L,11Rは、車軸方向である左右方向に所定の隙間をあけて、同じ高さ位置において水平に展開するように設けられている。
車両本体12の回動支持軸25には、操作ハンドル15の操作量(回動量)を検出するための角度検出センサ31が取り付けられている。角度検出センサ31としては、例えば、ポテンショメータやバリコン構造のセンサ等を適用することができる。
操作ハンドル15の基部である操作レバーブラケット24の上面には、一対の車輪駆動ユニット14L,14R、制御装置46、その他の電子機器、電気装置等に対して電力を供給する電源の一具体例を示すバッテリー40が設けられている。バッテリー40は、電源カバー41によって覆われている。
バッテリー40には、例えば、高容量かつ高電圧の二次電池システムが採用されている。また、バッテリー40は、電池パック内に過充電や過放電から二次電池セルを保護するための補助システムが搭載されている。
バッテリー40には、バッテリー40の充電量を検出する充電量検出部42の一具体例を示す電圧センサ42が設けられている。電圧センサ42は制御装置46に接続されており、検出したバッテリー40の充電量を、電圧信号として制御装置46に供給する。
ハンドルレバー36には、搭乗者に対して警告を行う警告部43の一具体例を示す警告灯(インジケータ)43が設けられている。警告灯43は制御装置46に接続されており、制御装置46からの警告信号に応じて点灯又は点滅を行う。
例えば、制御装置46は、電圧センサ42からの電圧信号に基づいて、バッテリー40の充電量が第2所定量N2以下であると判断したとき、警告灯43に警告信号を送信する。警告灯43は、制御装置46から警告信号を受信すると、点灯又は点滅を行うことで、搭乗者に対して「バッテリーの充電量が低下したので以降、注意して操縦するように」との旨の警告を行う。
なお、警告部43の一具体例として警告灯43を例示したが、これに限らず、例えば、ハンドルレバー36等を振動させて、警告を行う振動装置(モータ等)であってもよく、警告音を発生して警告を行うスピーカであってもよい。また、警告部43はハンドルレバー36に設けられているが、搭乗者が視認できれば任意の位置に設けることが可能である。
車体上部材16の筐体部には、一対の車輪駆動ユニット14L,14R等を駆動する駆動回路44L,44Rが内蔵されている。また、車体下部材17には、車両本体12や操作ハンドル15等の姿勢を検出してそれらの検出信号を出力する姿勢検出手段である姿勢センサユニット45と、一対の車輪駆動ユニット14L,14R等を駆動制御するための制御信号を出力する制御装置46が設けられている。
制御装置46は、姿勢センサユニット45からの検出信号、角度検出センサ31からの検出信号、降車スイッチ38からの降車補助開始トリガ信号、ステップセンサ39から足検出信号、電圧センサ42からの電圧信号、等に基づいて所定の演算処理を実行し、必要な制御信号を一対の車輪駆動ユニット14L,14R等に対して出力する。
図2に示すように、制御装置46は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路47と、プログラムメモリ、データメモリ、その他のRAM、ROM等を有する記憶装置48と、を備えている。
制御装置46には、バッテリー40と一対の駆動回路44L,44Rが接続されている。また、バッテリー40と一対の駆動回路44L,44Rとは、非常停止スイッチ49を介して接続されている。一対の駆動回路44L,44Rは、一対の車輪13L,13Rの回転速度や回転方向等を独立して制御するもので、これらに一対の車輪駆動ユニット14L,14Rが個別に接続されている。
制御装置46には、角度検出センサ31からの検出信号と、姿勢センサユニット45からの検出信号と、降車スイッチ38からの降車補助開始トリガ信号と、ステップセンサ39から足検出信号と、電圧センサ42からの電圧信号と、が供給される。制御装置46は、通常の姿勢制御に加えて、降車補助開始トリガ信号や足検出信号に基づいて降車補助制御を実行する。
姿勢センサユニット45は、同軸二輪車10の走行時における角速度や加速度を検出するのもで、例えば、ジャイロセンサと、加速度センサとから構成される。操作ハンドル15を前方または後方に傾けると、ステップ部11L,11Rが同方向に傾くことになるが、この姿勢センサユニット45は、かかる傾斜に対応した角速度や加速度を検出する。
そして、制御装置46は、姿勢センサユニット45によって検出された角速度や加速度に基づいて、操作ハンドル15の傾斜方向に車両が移動するように、車輪駆動ユニット14L,14Rを駆動制御する。
ところで、従来の同軸二輪車において、例えば、バッテリーの充電量が大きく低下した場合に、車輪の駆動力を適切に制御できなくなるため、転倒する虞が生じている。そこで、第1実施形態に係る同軸二輪車10において、制御装置46は、電圧センサ42により検出された電圧信号に基づいて、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき、車輪駆動ユニット14L,14Rの駆動を安全に停止させる安全停止制御を実行する。
これにより、バッテリー40の充電量が低下した場合でも、必要最低限のバッテリー40の充電量を確実に確保して、車輪13L,13Rの駆動力を適切に制御することで、同軸二輪車10を安全かつ確実に停止させることができる。すなわち、同軸二輪車10の安全性をより向上させることができる。
次に、第1実施形態に係る同軸二輪車10の上記制御処理フローについて、詳細に説明する。図3は、第1実施形態に係る同軸二輪車の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、制御装置46は、バッテリーチェックタスクを実行する(ステップS100)。このバッテリーチェックタスクにおいて、制御装置46は、所定周期(例えば、数秒〜10数秒)で、電圧センサ42から電圧信号に基づいてバッテリー40の充電量を検出し、記憶装置48に逐次記憶する。
次に、制御装置46は、検出したバッテリー40の充電量が第2所定量N2以下であるか否かを判断する(ステップS101)。ここで、第1所定量N1<第2所定量N2となっている。制御装置46は、バッテリー40の充電量が第2所定量N2以下でないと判断したとき(ステップS101のNO)、上述の(ステップS100)に戻る。
一方、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第2所定量N2以下であると判断したとき(ステップS101のYES)、警告灯43を点灯又は点滅させ(ステップS102)、搭乗者に対して警告を行う。これにより、搭乗者は、バッテリー40の充電量が低下し、注意した操縦が必要であることを認識できる。
さらに、制御装置46は、検出したバッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であるか否かを判断する(ステップS103)。ここで、第1所定量N1は、同軸二輪車10が安全に停止するために必要な消費電力以上の値であり、例えば、搭乗者の体重、路面の勾配等の負荷状態、電圧センサ42の測定誤差、安全係数等を総合的に考慮して、設定される。また、第2所定量N2は、例えば、第1所定量N1よりも大きな安全係数が設定されている。
なお、制御装置46は、同軸二輪車10の過去の制御状態のデータに基づいて現在の走行負荷を予測し、この予測結果に基づいて、第1所定量N1を最適な値に可変させてもよい。これにより、バッテリー40の電力を効率的に活用した走行が可能となり、同軸二輪車10の走行距離を伸ばすことができる。
制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下でないと判断したとき(ステップS103のNO)、上述の(ステップS100)に戻る。一方、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき(ステップS103のYES)、車輪駆動ユニット14L,14Rの安全停止制御を実行する(ステップS104)。
制御装置46は、この安全停止制御を実行すると、同軸二輪車10の車速度を0に収束させるように、車輪駆動ユニット14L,14Rを制御する。これにより、搭乗者は同軸二輪車10から安全に降車することができる(ステップS105)。
このように、バッテリー40の充電量が低下した場合でも、必要最低限のバッテリー40の充電量を確実に確保して、車輪13L,13Rの駆動力を適切に制御することで、同軸二輪車10を安全に停止させることができる。
なお、制御装置46は、上記安全停止制御を実行し、同軸二輪車10が停止したと判断したとき、車両本体12に設けられるスタンド等の接地部材(不図示)を可動させ、路面に接地させてもよい。これにより、同軸二輪車10が停止したときの安定性が向上し、より安全かつ確実な停止が実現する。
以上、本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車10において、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき、車輪駆動ユニット14L,14Rの安全停止制御を実行する。これにより、バッテリー40の充電量が低下した場合でも、必要最低限のバッテリー40の充電量を確実に確保して、車輪13L,13Rの駆動力を適切に制御できる。すなわち、同軸二輪車10の安全性をより向上させることができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車10の変形例について、説明する。
上記第1実施形態において、制御装置46は、安全停止制御の実行後に、降車補助制御を実行させてもよい。制御装置46は、この降車補助制御において、搭乗者の降車方向に対する、ステップ部11L,11Rの傾斜角度を増加させる制御を行う。
具体的には、搭乗者が同軸二輪車10に対して前方に降りる場合には、ステップ部11L,11Rの前傾角度を増加させる。一方、搭乗者が同軸二輪車10に対して後方に降りる場合には、ステップ部11L,11Rの後傾角度を増加させる。これにより、搭乗者の降車動作を補助し、不自然な姿勢をとらずとも降車できる。すなわち、同軸二輪車10の安全性をより向上させることができる。
(第2実施形態)
上述の如く、第1実施形態に係る同軸二輪車10において、制御装置46は、所定周期(数秒〜10数秒)で、バッテリーチェックタスクを実行している。そして、制御装置46は、安全停止制御を実行したとしても、停止後、搭乗者が同軸二輪車10に乗車すると、所定周期の間(例えば、数秒程度)、再度走行が可能となり得る。
そこで、第2実施形態に係る同軸二輪車10において、制御装置46は、安全停止制御の実行後に、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき、同軸二輪車10の倒立制御の開始を停止する。これにより、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であり、車輪13L,13Rの駆動力を制御するのに十分とはいえないときに、搭乗者による同軸二輪車10への乗車が強制的に不能となる。
ここで、上記倒立制御とは、例えば、搭乗者を乗せた状態又は搭乗者を乗せない状態で同軸二輪車10を自立させる姿勢制御である(特開2007−331443号参照)。
また、ステップ部11L,11Rには、搭乗者が同軸二輪車10へ乗車するための乗車スイッチが設けられていてもよい。乗車スイッチは、乗車補助制御を実行させるトリガとなる乗車開始トリガ信号を発生させるスイッチである。なお、この乗車スイッチは、ハンドルレバー36に設けられていてもよい。また、制御装置46は、ステップセンサ39L,39Rからの足検知信号を、乗車開始トリガ信号として用いてもよい。
例えば、搭乗者がステップ部11L,11Rに足を載せて、乗車スイッチを押下すると、乗車開始トリガ信号が制御装置46に対して供給される。制御装置46は、通常、乗車開始トリガ信号を受信すると、乗車補助制御の実行を開始してシステムを走行可能状態へ移行させる、倒立制御を開始する。
第2実施形態に係る同軸二輪車10において、他の構成は第1実施形態に係る同軸二輪車10と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
図4は、第2実施形態に係る同軸二輪車の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。図4に示すように、搭乗者がステップ部11L,11Rに足を載せて、乗車スイッチを押下すると、乗車開始トリガ信号が制御装置46に供給される(ステップS200)。
次に、制御装置46は、乗車スイッチから乗車開始トリガ信号を受信すると、バッテリーチェックタスクを実行する(ステップS201)。
その後、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であるか否かを判断する(ステップS202)。
制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき(ステップS202のYES)、倒立制御の開始を停止し、上記(ステップS200)に戻る。
このとき、制御装置46は、乗車スイッチが押下され、乗車スイッチから乗車開始トリガ信号を継続的に受信している間において、車輪駆動ユニット14L,14Rの車輪駆動モータの制御目標値を、速度0となるように制御する。これにより、車輪13L,13Rの回転を確実に停止させ、スリップ等を防止することができる。
例えば、制御装置46が倒立制御を停止しているにもかかわらず、搭乗者が同軸二輪車10に乗車した場合でも、車輪13L,13Rの回転を確実に停止させることができる。したがって、搭乗者による同軸二輪車10への乗車をより安全かつ確実に防止することができる。
一方、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下でないと判断したとき(ステップS202のNO)、通常の倒立制御を開始して(ステップS203)、走行可能状態へ移行する(ステップS204)。これにより、搭乗者は、同軸二輪車10を通常通り、走行させることができる。
以上、第2実施形態に係る同軸二輪車10において、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき、倒立制御の開始を停止する。これにより、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であり、車輪13L,13Rの駆動力を制御するのに十分とはいえないときに、搭乗者による同軸二輪車10への乗車が強制的に不能となる。すなわち、同軸二輪車10の安全性をより向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る同軸二輪車10の変形例について、説明する。
上記第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、制御装置46は、バッテリー40の充電量が第2所定量N2以下であるか否かを判断してもよい。制御装置46は、バッテリー40の充電量が第2所定量N2以下であると判断したとき、警告灯43を点灯又は点滅させる。これにより、搭乗者は、バッテリー40の充電量が低下し、注意した操縦が必要であることを事前に認識できる。
上記第2実施形態において、制御装置46は、安全停止制御の実行後に、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき、同軸二輪車10の倒立制御の開始を停止しているが、これに限らず、安全停止制御の実行前に、バッテリー40の充電量が第1所定量N1以下であると判断したとき、同軸二輪車10の倒立制御の開始を停止してもよい。
なお、本発明を実施するための最良の形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
(a)本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車の構成を示す正面図である。(b)本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車の構成を示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車のシステム構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る同軸二輪車の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る同軸二輪車の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 同軸二輪車
11L,11R ステップ部
12 車両本体
13L,13R 車輪
14L,14R 車輪駆動ユニット
15 操作ハンドル
16 車体上部材
18L,18R 側面部材
24 操作レバーブラケット
31 角度検出センサ
38 降車スイッチ
39 ステップセンサ
40 バッテリー(電源)
41 電源カバー
42 電圧センサ(充電量検出部)
43 警告部(警告灯)
44L,44R 駆動回路
45 姿勢センサユニット
46 制御装置
47 演算回路
48 記憶装置
49 非常停止スイッチ

Claims (8)

  1. 電源と、該電源の充電量を検出する充電量検出部と、前記電源からの電力により駆動する車輪駆動部と、を備え、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車であって、
    前記充電量検出部により検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、前記車輪駆動部の駆動を停止させる停止制御を実行する制御装置と、
    搭乗者の足を乗せるステップ部と、少なくとも前後への移動を操作可能な操作部と、
    を備え
    前記制御装置は、前記停止制御後に、搭乗者の降車を補助する降車補助制御を実行し、
    搭乗者の降車方向に対する、前記ステップ部の傾斜角度を増加させる前記降車補助制御を実行する
    ことを特徴とする同軸二輪車。
  2. 電源と、該電源の充電量を検出する充電量検出部と、を備え、
    前記電源からの電力により駆動し、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車であって、
    前記充電量検出部により検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、当該同軸二輪車の倒立制御の開始を停止する制御装置と、
    搭乗者の足を乗せるステップ部と、少なくとも前後への移動を操作可能な操作部と、
    を備え
    前記制御装置は、前記停止制御後に、搭乗者の降車を補助する降車補助制御を実行し、
    搭乗者の降車方向に対する、前記ステップ部の傾斜角度を増加させる前記降車補助制御を実行する
    ことを特徴とする同軸二輪車。
  3. 請求項1又は2記載の同軸二輪車であって、
    前記充電量検出部により検出された前記電源の充電量が第2所定量以下となるとき、搭乗者に警告を行う警告部を更に備える、ことを特徴とする同軸二輪車。
  4. 請求項1乃至のうちいずれか1項記載の同軸二輪車であって、
    前記制御装置は、当該同軸二輪車の制御状態に応じて、前記第1所定量及び/又は前記第2所定量を可変させる、ことを特徴とする同軸二輪車。
  5. 請求項1又は2記載の同軸二輪車であって、
    前記制御装置は、前記操作部によって前記ステップ部を前後に傾斜させた場合に、傾斜方向に当該同軸二輪車が移動するように制御する、ことを特徴とする同軸二輪車。
  6. 請求項1記載の同軸二輪車であって、
    前記制御装置は、前記停止制御後に、接地部材を路面に接地させる、ことを特徴とする同軸二輪車。
  7. 電源の充電量を検出する充電量検出工程と、前記電源からの電力により駆動する車輪駆動工程と、を含み、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車の制御方法であって、
    前記充電量検出工程で検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、車輪駆動を停止させる停止制御を実行する制御工程を含み、
    前記停止制御後に、搭乗者の降車を補助する降車補助制御を実行し、
    搭乗者の降車方向に対する、搭乗者の足を乗せるステップ部の傾斜角度を増加させる前記降車補助制御を実行する、
    ことを特徴とする同軸二輪車の制御方法。
  8. 電源の充電量を検出する充電量検出工程を含み、前記電源からの電力により駆動し、搭乗者を乗せて移動する同軸二輪車の制御方法であって、
    前記充電量検出工程で検出された前記電源の充電量が第1所定量以下となるとき、当該同軸二輪車の倒立制御の開始を停止する制御工程を含み、
    前記停止制御後に、搭乗者の降車を補助する降車補助制御を実行し、
    搭乗者の降車方向に対する、搭乗者の足を乗せるステップ部の傾斜角度を増加させる前記降車補助制御を実行する、
    ことを特徴とする同軸二輪車の制御方法。
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