JP5130830B2 - 脱穀装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀装置に関する。
コンバインは穀稈の刈取装置と、脱穀装置と、脱穀後一時的に穀粒を貯留するグレンタンクと、グレンタンクに貯留されている穀粒を排出するオーガなどから構成される。
脱穀装置の主脱穀部である扱室には刈取装置で刈り取った穀稈が挿入され、穀稈は扱室に軸架された扱胴の表面に多数設けられた扱歯と扱網との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網を通過して、選別室の揺動棚で受け止められ、二番穀粒(二番物という場合がある)や藁屑などを分離して穀粒のみをグレンタンクに搬送する。
二番穀粒は扱室の側方に設けられた二番処理室に送られ二番処理胴により穀粒、枝梗粒などに分離され、再び揺動棚に落下して比重選別や送風選別されて穀粒、藁屑などに分離される。扱室で発生した藁くずなど短尺のものは排塵処理室に搬送され、排塵処理胴により処理される。
脱穀装置の中で最初に穀稈が挿入される扱室においては、被処理物が搬送されながら扱胴が回転することで穀稈の大部分が脱穀される。そして、扱室から落下する被処理物は、選別室において、上下前後方向に揺動する揺動棚上を移動しながら、後方のシーブで唐箕からの送風を受けて風力選別される。
選別室においては、揺動棚上を移動してきた被処理物や扱室から一番棚板上と二番棚板上に落下する被処理物を濾過選別し、排藁などは機外に排出し、枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒などと単粒とを分別して枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒のみ二番処理室に送り、単粒はグレンタンクへ送る。
下記特許文献1〜3に記載された構成では脱穀装置の選別室を加温させて穀粒を棚板上で移送し易くしている。特許文献1には一番棚板と二番棚板の間から選別室内に向けてエンジン排気ガスを送る構成が開示されている。特許文献2には選別室の揺動選別体中途部の段差部にエンジンマフラーからの排気風を吹き出す構成が開示されている。更に、特許文献3にはエンジンの冷却風の排気ダクトによる放熱を吸収した排風を選別風路に供給する構成が開示されている。
特開平7−322750号公報 実公昭62−45564号公報 特開昭58−175415号公報
上記特許文献1によれば、送風ファン上の排風口から2番螺旋コンベアの上方側しか熱風が供給されず、また特許文献2記載の構成によっても、揺動選別体の段差部しか暖められない。また特許文献3記載の構成によれば、エンジンの冷却フィンから遠い位置には熱風が行き渡らない。そして、特許文献1から特許文献3記載の構成によれば、脱穀装置の選別室内に直接エンジン排気ガス等が流れ込むため、穀粒が排気ガスで汚染されるおそれがある。
本発明の課題は、穀粒の乾燥を選別室内でまんべんなく、かつ汚染させないで行うことができる脱穀装置を提供することである。
上記課題は次の解決手段により解決できる。
請求項1記載の発明は、穀稈を処理する扱胴(69)を軸架した扱室(66)と、該扱室(66)下方に設けられ、該扱室(66)から落下する被処理物を後方に搬送しながら選別する揺動棚(51)を有する選別室(50)と、前記選別室(50)内の揺動棚(51)の下方に設けられ被処理物を送風選別するための風を送る唐箕(79)とを備え、前記揺動棚(51)と唐箕(79)との間に唐箕(79)の上部を覆う唐箕ケース(78)を設け、該唐箕ケース(78)は空間部を間に形成した二重構造とし、該二重構造の空間部に脱穀装置駆動用のエンジン(21)から排出される排気ガスを流す排気ガス流路を形成し、該排気ガス流路がジグザグ状になるように唐箕ケース(78)内に第1仕切り板(110a〜110g)を設けると共に、各第1仕切り板(110a〜110g)の間隔を、揺動棚(51)から漏下する被処理物の多い唐箕ケース(78)の右側壁(78R)側から被処理物の少ない左側壁(78L)側に至るほど広く設定したことを特徴とする脱穀装置である。
請求項2記載の発明は、平面視で前記各第1仕切り板(110a〜110g)に略直交する第2仕切り板(115)を、前記第1仕切り板(110a〜110g)における前後方向での中央部に設け、該第2仕切り板(115)の右端を排気ガス入口(26a)を備えた右側壁(78R)に密着させて配置すると共に、前記第2仕切り板(115)の左端は左側壁(78L)との間に隙間(116)を有するように配置し、排気ガスが通過する室を前側の第1排気ガス通過室(112a〜112g)と後側の第2排気ガス通過室(112a〜112g)とに分割したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置である。
請求項1記載の発明によれば、選別室(50)内の揺動棚(51)と唐箕(79)との間に唐箕(79)の上部を覆う唐箕ケース(78)を設け、この唐箕ケース(78)を、空間部を間に形成した二重構造とし、この空間部にエンジンから排出される排気ガスを流すことにより、選別室(50)内を汚染することなく、唐箕(79)からの選別風の温度を上げることができる。そのため、藁屑などの被選別物の乾燥を促進でき、選別作業の精度および能率を向上させることができる。また、藁屑が選別室(50)の構成部材に付着するのを防止することができ、三番ロス(三番物中に含まれる穀粒が脱穀装置の外部へ排出されて損失となること)の増大と穀粒の選別不良を防止することができる。更に唐箕ケース(78)の上にある揺動棚(51)の移送部も熱くなり、移送部における藁屑の付着も防止できるので、穀粒などの詰まり、選別不良を防止できる。更に揺動棚(51)上で移送される被処理物が熱せられるため、唐箕(79)から遠くにある被処理物も揺動棚(51)により移送される被処理物と合流することで温められ、藁屑などの被選別物の乾燥を選別室(50)内でまんべんなく行うことができる。
さらに、排気ガスの熱風が唐箕ケース(78)の内部に設けた仕切り板(110)に当たってジグザグ状の流路を形成するため、排気ガスは唐箕ケース(78)内に滞留し、唐箕ケース(78)内が十分に熱せられるとともに排気ガスの温度も均一になる。そして、排気ガスの熱風を効率よく利用でき、また熱風の効果も持続できる。
したがって、選別風も効率良く均一に十分熱せられ、例えば選別網やシーブの乾きをより一層促進し、これらの部材に藁屑が付着するのを防止することができ、三番ロスの増大と穀粒の選別不良を防止することができる。
また、上記排気ガスが唐箕ケース(78)内に滞留する効果が左側壁(78L)側から右側壁(78R)側にかけて徐々に高まることで、被処理物の多い側と被処理物の少ない側で徐々に熱風の効果を異ならしめることができ、被処理物量に合わせた熱風の温度調節が可能となり、熱効率を更に高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、分岐管(26)を経て唐箕ケース(78)の右側壁(78R)前方側にある排気ガス入口(26a)から導入された排気ガスは唐箕ケース(78)前方側をジグザク状に流れて、左側壁(78L)に達すると左側壁(78L)と第2仕切り板(115)間の隙間(116)から唐箕ケース(78)後方側に移動し折り返してジグザク状に流れ、再び右側壁(78R)側に戻り右側壁(78R)後方側にある排気ガス出口(29)から排出される。 こうして排気ガスが唐箕ケース78内に長く滞留するため、熱風の効果が持続できる。
本発明の実施例を図面と共に説明する。図1には本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの右側面図を示し、図2には図1のコンバインの平面図を示し、図3には図1のコンバインの脱穀装置の左側面断面図を示し、図4には図3のA−A線断面図、図5には図3のB−B線断面図、図6には図3のC−C線断面図、図7には図1のコンバインの脱穀装置の天井分壁面を取り外した状態での平面図を示し、図8には図1のコンバインの脱穀装置の揺動棚などを含む部分の一部切り欠き平面図を示す。
なお、本明細書ではコンバインの前進方向を前、後進方向を後、前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右という。
図1ないし図8に示すコンバイン1の走行フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ4を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置3を備え、走行フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、走行フレーム2の上部にはエンジン21(図9参照)、脱穀装置15、操縦席20およびグレンタンク30を搭載する。
刈取装置6は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置6全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7を、その背後に傾斜状にした穀稈引き起こし装置8を、その後方底部には刈刃(図示せず)を配置している。刈刃と脱穀装置15のフィードチェン14の始端部との間に、図示しない前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
コンバイン1の刈取装置6の作動は次のように行われる。まず、エンジン21を始動して主変速レバー22や、操向用などの操作レバー(図示せず)をコンバイン1が前進するように操作し、刈取・脱穀クラッチ(図示せず)を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム2を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具7によって分草作用を受け、次いで穀稈引き起こし装置8の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
次いで、穀稈は供給搬送装置からフィードチェン14の始端部に受け継がれ、脱穀装置15に供給される。脱穀装置15は、上側に扱胴69を軸架した扱室66を配置し、扱室66の下側に選別室50を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。
脱穀装置15に供給された穀稈は、後で詳細に説明するが、主脱穀部である扱室66に挿入され、扱室66に軸架され回転する扱胴69の多数の扱歯69aと、フィードチェン14による移送と、扱網74との相互作用により脱穀され、被処理物(穀粒や藁くず)は脱穀装置15内の選別室50の揺動棚51で受け止められ、上下前後方向に揺動する揺動棚51上を寄せ板88で揺動棚51の幅方向に均一な層厚になるように拡散されて後方へ送られながら、唐箕79からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はチャフシーブ53および選別網63から漏下して、一番棚板64上を流下し、一番螺旋65aから搬送螺旋65b(図5参照)を内蔵している一番揚穀筒65を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。
脱穀装置15の扱室66の終端に到達した脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものは、排藁チェーン80に挟持搬送されて脱穀装置15の後部の排藁処理室95に投入され、排藁処理室95に設けられた藁用カッター81a、81b(図3、図7)にて切断され、圃場に放出される。
グレンタンク30内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋(図示せず)を設け、グレンタンク螺旋を駆動する螺旋駆動軸(図示せず)に縦オーガ18および横オーガ19からなる排出オーガを連接し、グレンタンク30内に貯留した穀粒をオーガ排出口19aからコンバイン1の外部に排出する。グレンタンク螺旋、縦オーガ螺旋(図示せず)および横オーガ螺旋(図示せず)は、エンジン21の動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれの螺旋羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。
刈取装置6で刈り取った穀稈は刈取装置6に装着された扱深さ調節装置で扱深さなどが調節され、脱穀装置15の主脱穀部である扱室66内に挿入される。扱室66に軸架された扱胴69は、その表面に多数の扱歯69aが設けられており、エンジン21からの動力が図示しない扱胴・処理胴入力ギアケース内の伝動機構を経由して扱胴69の回転軸69bに伝達され、矢印B方向(図4)に回転する。
扱室66に挿入された穀粒の付いた穀稈は、移動するフィードチェン14とフィードチェン挟扼杆12(図3から図5)との間に挟扼され、図7の矢印A方向に移送されながら、矢印B方向に回転する扱胴69の扱歯69aと扱網74との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網74を矢印C1方向(図4)に通過して、揺動棚51で受け止められる。
揺動棚51は扱室66の扱網74の下方に配置した複数個の断面三角形状の移送突起52aを備えた移送棚52とその後方に配置した上方のチャフシーブ53とその下方の選別網63と最後端部に配置したストローラック62などから構成されている。
扱網74の前方の約1/3の領域で漏下する脱穀初期に脱粒した穀粒は単粒であり夾雑物も含んでいないので図3などに示すチャフシーブ53上で粗選別する必要が無く、直接選別網63で唐箕79からの送風により風選することができ、チャフシーブ53の負荷を軽くし、能率的な脱穀が可能となる。唐箕79からの送風は、送風流路に設けた風割部105によって上下に分割される。
また、揺動棚51は揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向(図3)に移動しながら、移送棚52上に漏下した比重の重い穀粒は選別網63を矢印E方向に通過し、一番棚板64で集積され、一番螺旋65aから一番揚穀筒65を経てグレンタンク30へ搬送される。グレンタンク30に貯留された穀粒は、オーガ18、19を経由してコンバイン1の外部へ搬送される。
揺動棚51の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚51の揺動作用と唐箕79のファン79aによる送風に吹き飛ばされて、移送棚52からチャフシーブ53に向けて矢印D方向(図3)に移動し、ストローラック62の上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に漏下して二番棚板85上を通り、二番螺旋86の設置部分に集められ、二番還元筒87へ搬送され、さらに軽いものは横断流ファン91で機外に排出される。
揺動棚51に取り付けたストローラック62は、揺動棚51の後部側で、二番螺旋86の略上方位置にその前側の基部が取り付けられ、ストローラック62の後部側を自由端とする構成である。そして、ストローラック62から漏下した被処理物は二番棚板85側に集められ、二番螺旋86で二番還元筒87(図4)へ搬送される。
図3及び図4に示すように扱胴69に隣接して二番処理胴70を配置し、該二番処理胴70は扱室66を構成する壁面の前壁である前板66aと中板66bとの間に設けている。なお、中板66bは二番処理胴70の後端部に位置し、該中板66bと後板66cとの間に連通口66x(図7)を形成する。即ち、中板66bは、二番処理室58側と排塵処理室59側とを仕切る壁となる。
図3のA−A線矢視図である図4に示すように二番処理胴70を扱室66内に配置すると脱穀装置15をコンパクトにできる。
前記二番穀粒(二番物)は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番還元筒87の中を搬送螺旋87aにより上方に揚送されて、二番処理室58の後端上部に開口した入口から斜め前方へ向けて放出される。前記二番処理室58の下部に軸架する二番処理胴70に設けられた二番処理歯70aによって搬送される間に穀粒の分離と枝梗粒からの枝梗の除去を行い、一部の被処理物は盲板75の前方から漏下して揺動棚51に落下して扱室66からの被処理物と合流して再選別される。
なお、扱室66の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物は、図7に示す連通口66xから矢印A1方向に搬送されて排塵処理室59に入り、該排塵処理室59では回転する排塵処理胴71(二番処理胴70と同軸)の歯71aにより搬送されながら解砕、処理される。この被処理物中には、少量ながら枝梗の付着した穀粒が含まれており、この枝梗付着粒および小さな藁屑は、格子状の受け網(濾過部材)72(図6)を漏下して揺動棚51に落下する。
さらに詳細に説明すると、揺動棚51におけるチャフシーブ53の前部から選別網63上へ漏下した被処理物は、唐箕79からの選別風を下側から受けて細かな藁屑が吹き飛ばされながら後方に移送され、この移送中に選別網63から漏下したものが一番螺旋65aに取り込まれる。このように、選別網63から漏下して一番螺旋65aに取り込まれる被処理物は、桔梗付着の少ない穀粒(清粒)が主である。
一方、この選別網63から漏下しないものは、この選別網63上を後方へ移送されて該選別網63の後端部から二番螺旋86側に供給される。選別網63から漏下せずに二番螺旋86側に供給される被処理物は、枝梗付着粒や小さな藁屑等が主である。
また、チャフシーブ53の前部から漏下しない被処理物は、このチャフシーブ53上を後方へ移送されて該チャフシーブ53の後部またはストローラック62から漏下して、二番螺旋86側に供給される。このように、チャフシーブ53の後部やストローラック62から漏下して二番移送螺旋86に取り込まれるものは、主として藁屑である(僅かに穀粒も含まれる)。これら枝梗付着粒や藁屑を二番還元して再処理する。
また、ストローラック62から漏下せずに該ストローラック62の後端まで移送されたものは、矢印F方向(図3)にそのまま脱穀装置の外へ排出される。この中には僅かな穀粒が含まれていることがあり、この量(比率)によって、脱穀装置の選別精度が評価される。
このように、一番螺旋65a又は二番螺旋86にはそれぞれ、主に清粒、枝梗付着粒、藁屑といった大きさ(目合いを漏下するか否か)及び形状(選別風の影響を受け易いか)によって選別された被処理物が供給される。
また、図4に示すように二番処理胴70の回転軸70bを扱胴69の回転軸(軸心)69bよりも下方に設け、二番還元筒87の排出口87bは扱胴69の軸心とほぼ高さを等しくしている。
このように、二番処理胴70の軸心70bを扱胴69の軸心69bより下方に設けることで、扱室66内からの濾過物を扱網74の上方部位から広範囲に二番処理胴70に導くことができ、枝梗・カギ又の単粒化や藁塵の単粒化が促進される。さらに二番還元筒87の排出口87bは扱胴69の軸心69bとほぼ同一高さに配置しているので、扱室66内に扱室66の下方壁面から突入している二番還元筒87(図4参照)の長さを極力短くすることができ、機体前後方向で二番還元筒87の排出口87bを中板66b寄りとしているので、二番物の処理に二番処理胴70の長手方向を有効に使用でき、処理効率がよい。
二番処理胴70の歯70aの送塵方向は機体後方から機体前方に向き、排塵処理胴71の前端部に該処理胴71からの排出部(排出羽根部71a1:図3)を設けている。
小型の脱穀装置では、扱室66内の扱胴69の長さが短く、扱室66内の処理物の回収時間が短く、高効率化が困難であったが、二番処理胴70の送塵方向を機体後方から前方へとすることで、二番処理物を揺動棚51の前方部に還元でき、揺動棚51での処理物の回収が良好に行われ、揺動棚51の前方部での浮遊選別距離も長く行える。
また、排塵処理胴71の終端部に排出羽根部71a1を設けることで、揺動棚51上の処理物の均分化も促進されることとなる。
また、二番処理胴70の下方には処理物の搬送を案内する無孔のガイド板(盲板)75(図3)を設けるとともに、図3に示すようにガイド板75の前端は揺動棚51上の寄せ板88より前方に設けている。
処理物の搬送樋となる無孔のガイド板75を設けることで二番処理胴70での処理物の処理が良好に行われ、機体前方へと送塵されるが、ガイド板75の前端より揺動棚51上の寄せ板88を後方とすることで、二番処理胴70から多量の処理物が揺動棚51上に送られてきても処理物の均分化が促進され、揺動棚51の処理物の回収が良好に行われる。
本発明の一実施形態によれば、図9の脱穀装置15の選別室50の左側断面図と図10の脱穀装置15の選別室50とグレンタンク30の背面図に示すように、揺動棚51と唐箕79との間に唐箕79の上部を覆う唐箕ケース78を設け、該唐箕ケース78は空間部を間に形成した二重構造(モナカ状)とし、該二重構造の空間部(二重空間部)に脱穀装置駆動用のエンジン21から排出される排気ガスを流す構成とした。
上記二重空間部に脱穀装置15の右側面部からエンジン21の排気ガス管25より分岐管26を介して排気ガスを矢印J方向に導入し、二番棚板85の下方の機体後方から機外に排気ガスを矢印K方向に排出する構成にしている。
唐箕ファン79aからの選別風は外気温であるため、湿った作物を脱穀した場合、揺動棚51上にある藁屑が付着して選別不良の原因になっていたが、上記ケース78を二重空間部として、この空間部内にエンジン排気ガスを流すことにより、選別室50内を汚染することなく、唐箕ファン79aからの選別風の温度を上げることができる。そのため、選別網63やシーブ53、53’の乾きを促進し、これらの部材に藁屑が付着するのを防止することができ、三番ロスの増大と穀粒の選別不良、選別性能の低下を防止することができる。
また、唐箕79のケース78が熱くなることで、その上にある揺動棚51の移送部も熱くなり、移送棚52上への藁屑の付着も防止できるので、穀粒などの詰まり、選別不良を防止できる。
このように揺動棚51の移送部も熱くなることで移送される被処理物が熱せられるため、唐箕ファン79aから遠くにある被処理物も揺動棚51により移送される被処理物と合流することで温められるため、穀粒の乾燥を選別室50内でまんべんなく行うことができる。
また、排ガス分岐管26の先端部がケース78と接続する部分である唐箕79のケース78の外側の唐箕ファン送風路側の後方壁面78Bは該唐箕ファン79aの送風が選別網63に向かって流れる方向に向いた傾斜面を形成しているので唐箕ファン79aからの暖気送風により選別網63から漏下する穀粒の乾燥を効果的に行うことができる。
また、機体に固定されたエンジン21の排気ガス管25より分岐した分岐管26を設けることで、二重空間部がエンジン21の振動による弊害を受けない。
また、図10に示すように、エンジン21の排気ガスは唐箕79のケース78の右側面部(グレンタンク30側)から左側面部に向けて通しても良い。脱穀装置15のフィードチェン14と反対側から導入した排気ガスは矢印M方向に流れてフィードチェン14側からコンバインの機外に排出される。
本構成を採用することにより、唐箕ケース78が排気ガスにより熱くなるので、選別室50内を汚染することなく、唐箕ファン79aからの選別風の温度を上げることができる。そのため、選別網63やシーブ53、53’の乾きを促進し、これらの部材に藁屑が付着するのを防止することができ、三番ロスの増大と穀粒の選別不良を防止することができる。また、唐箕79のケース78が熱くなることで、その上にある揺動棚51の移送部も熱くなり、移送棚52上への藁屑の付着も防止できるので、穀粒などの詰まり、選別不良を防止できる。また、機体に固定されたエンジン21の排気ガス管25より分岐した分岐管26を設けることで、二重空間部がエンジン21の振動による弊害を受けない。
また、このように排気ガスをフィードチェン14側に排出させることによって、この排気ガスが脱穀装置15とグレンタンク30との間から操縦席20側に流れにくくなり、操縦者の環境を汚染しにくくして、操縦環境を衛生的なものとすることができる。
また、分岐管26を唐箕79の吸気口79c(図13参照)の近傍に設けると良い。
唐箕79の右側(グレンタンク30側)には吸気口79cが配置されており、外気は吸気口79cから唐箕79内に入ってくる。したがって、分岐管26の近くを通過した外気が吸気口79cから唐箕79内に吸い込まれるようにすると、外気が熱せられてから唐箕79内に入るため、より一層、熱効率が高まり選別室50内の温度を上げることができる。
更に、図9に示すように、唐箕ケース78の上面部を揺動棚51の下面の形状に沿うような形状としても良い。本構成を採用することにより、唐箕ケース78の上面部と揺動棚51の下面との間の距離を狭めることができるため、唐箕ケース78内の排気ガスによる熱が揺動棚51の移送部に効率よく伝達されて、より一層、熱効率が高まり選別室50内の温度を上げることができる。
図11には、図9の脱穀装置15の選別室50の平面図を示し、唐箕ケース78の内部が分かるように示したものである。
唐箕ケース78内の排気ガス流路がジグザグ状になるように唐箕ケース78内に仕切り板(第1仕切り板)(110a〜110g)を設けても良い。図11に示すように、唐箕ケース78の内部に唐箕ケース78の左右方向に向けて左右側壁(78R、78L)と並列に仕切り板(110a〜110g)を設けて壁を造り、排気ガス通過室(112a〜112g)を複数形成する。本実施形態によれば、唐箕ケース78の左右方向に向けて左右側壁(78R、78L)と並列に仕切り板(110a〜110g)を7枚設けているが、唐箕ケース78の前後方向に向けて前後壁(78F、78B)と並列に設けても良いし、唐箕ケース78の上下方向に向けて上下壁(78U、78D)と並列に設けても良い。また、仕切り板110の枚数も特に限定しない。
そして、各排気ガス通過室(112a〜112g)に排気ガスが通るように各仕切り板(110a〜110g)に排気ガス通過口(111a〜111g)を設ける。なお、排気ガス通過口(111a〜111g)は穴であっても良いし、仕切り板(110a〜110g)の長さを排気ガス通過室(112a〜112g)の縦、横、高さなどの長さよりも短めにして隣接する排気ガス通過室(112a〜112g)間を一部開放する方法でも良い。
排気ガスが唐箕ケース78の一方の壁(78R、78L…)にある排気ガス入口26aから前記排気ガス通過口(111a〜111g)及び排気ガス通過室(112a〜112g)を経て唐箕ケース78の他方の壁(78L、78R、…)にある排気ガス出口(図示矢線Nの通過位置に形成)への排気ガス流路がジグザグ状になるように仕切り板(110a〜110g)に排気ガス通過口(111a〜111g)を設ける。なお、排気ガス流路がジグザグ状とは、排気ガス流路が迂回路を形成するという意である。
図11に示すように、分岐管26を経て唐箕ケース78の右側壁78Rにある排気ガス入口26aから導入された排気ガスは矢印N方向にジグザグ状に流れて、排気ガス通過口(111a〜111g)から排気ガス通過室(112a〜112g)を経て左側壁78Lにある排気ガス出口から排出される。このように唐箕ケース78内の左右方向に向けて左右側壁(78R、78L)と並列に仕切り板(110a〜110g)を設けて唐箕ケース78内を多層構造とすることで、仕切り板(110a〜110g)が排気ガス流れの抵抗となって、排気ガスの熱風が唐箕ケース78の内部に設けた仕切り板(110a〜110g)に当たり、唐箕ケース78内に滞留するため各排気ガス通過室(112a〜112g)が十分に熱せられるとともに排気ガスの温度も均一になる。
したがって、唐箕79の風洞である唐箕ケース78内が効率良く均一に熱せられ、選別風も均一に十分温まるので、選別網63やシーブ53、53’の乾きをより一層促進し、これらの部材に藁屑が付着するのを防止することができ、三番ロス(三番物中に含まれる穀稈をいう)の増大と穀粒の選別不良を防止することができる。
そして、唐箕ケース78の上にある揺動棚51の移送部も均一に十分熱せられ、移送棚52上への藁屑の付着もまんべんなく防止できるので、穀粒などの詰まり、選別不良を防止できる。このように、唐箕ケース78内に仕切り板(110a〜110g)を設けることで各排気ガス通過室(112a〜112g)に排気ガスが滞留することから、排気ガスの熱風を効率よく利用でき、また熱風の効果も持続できる。
そして、仕切り板(110a〜110g)の間隔を被処理物の多い壁(78R、78L…)側を狭くした構成としても良い。脱穀装置の構造によって、被処理物の多い壁は異なるが、例えば図11に示す例では、仕切り板110の間隔を被処理物の多い右側壁78R側(フィードチェーン14の反対側で二番処理胴70側)を狭くした構成としている。扱胴69は矢印B方向(図4,図5)に回転するため、脱粒物はフィードチェン14とは反対の側に多く飛散するためである。
図11には、右側壁78R近傍の排ガス流路である右側壁78Rと一番右側の仕切り板110aとの間隔や一番右側の仕切り板110aと右から二番目の仕切り板110bとの間隔を、左側壁78L近傍の排ガス流路である左側壁78Lと一番左側の仕切り板110gとの間隔や一番左側の仕切り板110gと左から二番目の仕切り板110fとの間隔よりも狭くした例を示している。この場合、右側の排気ガス通過室112a、112bの方が左側の排気ガス通過室112f、112gよりも狭くなる。
仕切り板(110a〜110g)の間隔を狭くすると、その仕切り板(110a〜110g)間の排気ガス通過室(112a〜112g)が狭くなって排気ガスが流れにくくなり滞留するため、熱風の効果が持続できる。そして、被処理物の多い側の唐箕ケース78を熱くすることでその上にある揺動棚51の移送部も熱くなるので、移送棚52上への藁屑の付着が防止でき、送塵不良による詰まりや選別不良を効率よく防止できる。
本構成を採用することにより、上記排気ガスの滞留効果は被処理物の多い側の方が被処理物の少ない側よりも高まるため、被処理物の多い側と被処理物の少ない側で熱風の効果を異ならしめることができ、被処理物量に合わせた熱風の温度調節が可能となり、熱効率を高めることができる。
そして、被処理物の多い側から被処理物の少ない側にかけて、図11に示す例では、右側壁78R側から左側壁78L側にかけて、仕切り板(110a〜110g)の間隔が徐々に広がるように仕切り板(110a〜110g)を設けても良い。右側壁78R側の排気ガス通過室112aから排気ガス通過室112b、…112gの順に排気ガス通過室が広くなる構成である。
本構成を採用することにより、上記排気ガスの滞留効果が左側壁78L側から右側壁78R側にかけて徐々に高まることで、被処理物の多い側と被処理物の少ない側で徐々に熱風の効果を異ならしめることができ、被処理物量に合わせた熱風の温度調節が可能となり、熱効率を更に高めることができる。
図12には、図11の脱穀装置15の選別室50に、更に仕切り板(第1仕切り板とする)(110a〜110g)に略直交する平面部を有する仕切り板(第2仕切り板)115を追加した場合の平面図を示す。
各第1仕切り板(110a〜110g)に略直交する平面部を有する第2仕切り板115を長手方向が唐箕ケース78の左右方向、前後方向、上下方向などに向くように設けると、排気ガスの入口26aと出口29の位置を唐箕ケース78の同じ壁側にすることができる。
例えば図12に示すように、高温の排気ガスをグレンタンク30側の唐箕ケース78の右側壁78R側から導入、排出する構成とすれば、機体の外側(左側壁78L側)に高温の排気ガスが排出されないため、安全である。
図12に示すように、各第1仕切り板(110a〜110g)に略直交する平面部を有する第2仕切り板115を排気ガス入口26a側の右側壁78Rには密着させて、左側壁78Lには隙間116を設けて第1仕切り板(110a〜110g)の長手方向略中央付近に配置する。このように配置することで各排気ガス通過室(112a〜112g)は第2仕切り板115によって前後に二分割される。そして、前方側の排気ガス通過室(112a〜112g)と後方側の排気ガス通過室(112a〜112g)を排気ガスがジグザグ状に流れるように、各第1仕切り板(110a〜110g)には更に排気ガス通過口(111h〜111n)を設ける。
すなわち、分岐管26を経て唐箕ケース78の右側壁78R前方側にある排気ガス入口26aから導入された排気ガスは唐箕ケース78前方側を矢印P方向にジグザク状に流れて、左側壁78Lに達すると左側壁78Lと第2仕切り板115間の隙間116から唐箕ケース78後方側に移動し折り返して矢印P方向にジグザク状に流れ、再び右側壁78R側に戻り右側壁78R後方側にある排気ガス出口29から排出される。
本構成により、図11の構成に比べて更に排気ガス流路が長くなって排気ガスが唐箕ケース78内に滞留するため、熱風の効果が持続できる。
図13には、本発明の他の実施形態である脱穀装置15の左側面断面図を示し、図14には図13の脱穀装置15のエンジン21と唐箕79との関係を示した平面図を示す。更に、図15には図14の脱穀装置15とエンジン21の一部立面断面図を示す。
本構成は、図13に示すように、分岐管26の外周に多数の放熱板120を設け、該放熱板120を有した分岐管26を唐箕ケース78(側面視で三角形状を呈する閉鎖された部分)内に設けたものである。
唐箕ケース78は揺動棚51の下面の形状に沿って設けられた揺動棚下方ガイド体121と、唐箕ファン79aの送風が選別網63に向かって流れる方向に向いた傾斜面を有する唐箕風ガイド体122と、これら揺動棚下方ガイド体121の前端部と唐箕風ガイド体122の前端部とを繋ぐ縦向きの壁体123からなる。
揺動棚下方ガイド体121は揺動棚51の下面の形状に沿うような形状であるため、唐箕ケース78内の分岐管26の放熱板120から放射される熱が、唐箕ケース78を介して揺動棚51の移送部に効率よく伝達される。また、唐箕風ガイド体122は、唐箕ファン79aの送風が選別網63に向かって流れる方向に向いた傾斜面を形成しているので唐箕ファン79aからの暖気送風により選別網63から漏下する穀粒の乾燥を効果的に行うことができる。
そして、図14に示すように、エンジン21の排気ガス管25を脱穀装置15の側面部とほぼ平行に配置し、分岐管26を排気ガス管25から上方に立ち上げて唐箕ケース78に導入する構成である。
本構成を採用することにより、排気ガス管25を脱穀装置15の側面部とほぼ平行に前後方向に配置することで、排気ガス管25の長さを最小限にできることによって排気ガス流路内の流動抵抗が少なくなり、熱風の導入が容易となる。
また、分岐管26は排気ガス管25から上方に立ち上げて唐箕ケース78に導入しているため、排気ガス管25からそのまま水平方向に導入する場合よりも、分岐管26上に藁屑が堆積しにくくなり、分岐管26上に堆積した藁屑が排気ガスの熱によって高温になるなどの問題の発生を少なくすることができる。
図15に示すように、排気ガス管25内の排気ガスは分岐管26を通り矢印S方向に流れて唐箕ケース78内部を移動し分岐管26の出口部に設けられた出口ガイド125に当たって、下方(矢印S方向)に排出される。このように、排気ガスをフィードチェン14側に排出する構成であっても、この排気ガスを出口ガイド125によって下方へ排出する構成とすれば、フィードチェン14側て手扱ぎ作業を行なう作業者の環境を汚染しにくくなり、作業環境を衛生的なものとすることができる。
また、図13から図15に示すように、分岐管26を脱穀装置15の入力プーリ23の近傍に設けても良い。脱穀装置15の入力プーリ23が回転することによって風が起こり排気ガス管25や分岐管26の周囲にある塵介等が吹き飛ばされるため、排気ガス管25や分岐管26の外周に塵介等が付着して溜ることがない。
排気ガス管25や分岐管26は排気ガスの熱風により熱くなっており、外周に藁屑等が付着するとこの藁屑が排気ガスの熱によって高温になるが、このような不具合を防止でき安全である。また、排気ガス管25や分岐管26の周囲に熱気がこもらないため、操縦席20まで排気ガスの熱気が伝わることがなく操縦者は快適に作業を行うことができる。
そして、分岐管26は、直接、脱穀装置15の外枠15aに接していないので、脱穀装置15の外枠15aが排気ガスによる熱で高温とならず、安全性が高い。
このように、脱穀装置15の内方に導かれた分岐管26は脱穀装置15の外枠15aに接触していないので、藁屑や穀粒が過度に熱されるという不具合が生じない。
また、分岐管26の外周に分岐管26の長手方向に直交する方向に平面部を有する複数の放熱板120を設けると、分岐管26内の排気ガスの熱が分岐管26外周に効率よく放熱されるため、脱穀装置15の内部への入熱効果と分岐管26内の排気ガス温度の低減を効果的に行うことができる。
そして、分岐管26内の排気ガスの熱が放熱板120を通じて揺動棚下方ガイド体121及び唐箕風ガイド体122に効率よく放熱されるため、揺動棚51の移送部や唐箕79上方の選別風などを熱して湿った作物を脱穀した場合でも適応可能である。
また、分岐管26に放熱板120を設けずに分岐管26の表面から直接放熱する場合の放熱面積よりも、分岐管26の外周に多数の放熱板120を設けてこの放熱板120から放熱する場合の放熱面積の方が大きいため、分岐管26内を流れる排気ガスの熱を効率よく利用することができる。
更に、エンジン21からの排気温度(機体後部から機外に排出される排ガス温度(排気ガス管25出口の排ガス温度)のことである)を低減し、馬力の損失を低減できる。すなわち、排ガスの熱としてのエネルギーが何にも利用されず高温のまま外部に排出される場合のエネルギー損失が本構成により低減されて熱エネルギーが有効利用される。
また、図11に示す仕切り板110と同様に、放熱板120の間隔を被処理物の多い側は狭めて被処理物の少ない側は広くすることで、被処理物の多い側の唐箕ケース78は被処理物の少ない側よりも熱くなるため、その上にある揺動棚51の移送部も熱くなり、移送棚52上への藁屑の付着が防止でき、送塵不良による詰まりや選別不良を効率よく防止できる。
本構成を採用することにより、被処理物の多い側と被処理物の少ない側で熱風の効果を異ならしめることができ、被処理物量に合わせた熱風の温度調節が可能となり、熱効率を高めることができる。
更に、被処理物の多い側から被処理物の少ない側にかけて、図14に示す例では、右側壁78R側から左側壁78L側にかけて、放熱板120の間隔が徐々に広がるように放熱板120を設けても良い。
本構成を採用することにより、上記排気ガスの滞留効果が左側壁78L側から右側壁78R側にかけて徐々に高まることで、被処理物の多い側と被処理物の少ない側で徐々に熱風の効果を異ならしめることができ、被処理物量に合わせた熱風の温度調節が可能となり、熱効率を更に高めることができる。
図16には、本発明の他の実施形態である脱穀装置15の右側面断面図を示し、図17には図16の脱穀装置15のエンジン21と唐箕79との関係を示した平面図を示す。更に、図18には図16の脱穀装置15とエンジン21の一部立面断面図を示す。
本実施形態は、図13から図15に示す分岐管26を排気ガス管25ではなくマフラー27に直接設けて導入管28とし、マフラー27からの排気ガスを導入管28から脱穀装置15内に導入する場合を示したものである。
すなわち、エンジン21からの排気ガスはマフラー27の出口で排気ガス管25と導入管28の二つに分かれ、排気ガス管25から機体後方端部に向けて機外に排気ガスが排出され、導入管28からは排気ガスが唐箕ケース内部導入管126に導入される。
図13から図15に示す構成では、排気ガス管25の途中から分岐管26を分岐させていたが、本実施形態のように直接マフラー27から唐箕ケース78内の唐箕ケース内部導入管126へ導入する導入管28を設けることで、排気ガスの流動抵抗を少なくでき、排気ガスの熱風が冷やされることによる熱のロスを低減できる。
また、導入管28の長さも、排気ガス管25から分岐させる場合に比べてマフラー27と唐箕ケース78の距離が近いため短くできる。そして、排気ガス管25から分岐させる場合は分岐部の接続構造が複雑になるが、マフラー27に導入管28を設ける場合は単純な形状で良いため、排気ガス管25の途中から分岐させる場合と比べて簡易な構成になる。
したがって、排気ガスの熱風が冷やされることによる熱のロスが少なくなり、また排気ガスの流動抵抗も低減できエンジンの馬力損失が少ない。すなわち、エンジン21のシリンダから排出されるガスの流動抵抗が減少することによって、排気作動中のピストンに掛かる負荷が低減され、エンジン21の出力トルクが増す。
そして、導入管28とは別に、唐箕ケース78の内部に排気ガスを導入する唐箕ケース内部導入管126を設け、図17に示すように、導入管28の排気ガス出口28aと唐箕ケース内部導入管126の排気ガス導入側が接触しないように隙間を設けてエジェクタ接続130としても良い。
本構成を採用することにより、排気ガスの入熱管である導入管28には脱穀装置15内の振動やコンバイン1の走行時の揺れなどが伝わらないため、これらの振動、揺れなどにより導入管28が破損することを防止できる。また、脱穀装置15への排気ガスの入熱部分をエジェクタ接続130とすることで、脱穀装置15の外枠15aと導入管28の排気ガス出口28aとの間に隙間があることからマフラー27から脱穀装置15への排気ガスの入熱部分が過度に熱せられることがなく安全である。
図19には、本発明の他の実施形態である脱穀装置15とエンジン21の一部立面断面図を示し、図20には、図19のエジェクタ接続部130付近の拡大図を示す。
図17及び図18に示すように導入管28の排気ガス出口28aと唐箕ケース内部導入管126のエジェクタ接続部130にコンバイン1の作業機の作業速度に連動して排気ガス出口28aから唐箕ケース内部導入管126に導入する排気ガス量を調節するための排気弁131を設けても良い。排気弁131は作業速度に連動して開度を調整可能とすれば、排気ガス出口28aから唐箕ケース内部導入管126に導入する排気ガス量を調節できる。
図19及び図20に示すように、排気弁131はアーム131aとアーム131aの一端に固着した切替弁131bとからなり、アーム131aと切替弁131bは一体となって切替弁131bの中心軸133に回動可能に軸支されている。そして、アーム131aの他端にはワイヤー108が接続部材132を介して連結しており、ワイヤー108の他端部はモータ107の動力により作動するラックギア109に連結している。
図19に示すように、車速センサなどの車速検出手段106(図1)からCPU100にセンサ信号等が入力されるとモータ107が回転してラックギア109が作動し、ラックギア109に連結したワイヤー108が上下方向(矢印T方向及び矢印T方向とは反対方向)に移動することでアーム131aは中心軸133を支点として揺動し、同時に切替弁131bは中心軸133を支点として矢印W方向に回動する。なお、引っ張りバネ135によりアーム131aは下方に常時付勢されている。また、引っ張りバネ135を使用しなくても押しと引きの両方向の操作が可能なワイヤー(プッシュプルワイヤー)を用いれば引っ張りバネ135は不要となる。
例えば、作業速度が低速の場合は作物の処理量が少ないため、ワイヤー108を矢印T方向に引いて切替弁131bを閉じて唐箕ケース内部導入管126に排気ガスを導入せず又は切替弁131bを少しだけ開いて少量導入して脱穀装置15内への入熱を制限して過度に熱せられるのを防止し、作業速度が高速の場合は作物の処理量が多いため、切替弁131bを開いて、処理量によっては全開にして唐箕ケース内部導入管126に排気ガスを導入して脱穀装置15内への入熱を積極的に行うことで、湿材適応性を高めることができる。すなわち、湿った作物を脱穀した場合でも適応可能である。
また、植立穀稈が湿っている場合又は乾燥している場合など作物の状態に応じて排気弁131の開度を調整可能としても良い。作物の水分保持量(濡れ具合)を測定する手段を設け、CPU100に電気的に接続することで、作業速度の場合と同様に乾燥作物の脱穀作業又は湿材の脱穀作業に応じて脱穀装置15内への入熱具合を調整でき、条件適応性を高めることができる。
例えば、乾燥作物や乾いた麦ではワイヤー108を矢印T方向に引いて切替弁131bを閉じて(又は少しだけ開いて)唐箕ケース内部導入管126に排気ガスを導入せず(又は少量導入して)脱穀装置15内への入熱を抑制して過度に熱せられるのを防止し、湿材では切替弁131bを開いて(処理量によっては全開にして)唐箕ケース内部導入管126に排気ガスを導入して脱穀装置15内への入熱を積極的に行うことで、効率的に藁屑などの被選別物の乾燥や穀粒の乾燥を行うことができ、脱穀の際のロスの増加を防止できる。
なお、切替弁131bの開度の調整はワイヤー108を上下方向に動かす簡易な構成であるから作業者が手動で行えるようにしても良い。条件等によっては手動にしたい場合もあるため、自動と手動が兼用できると便利である。
本発明の脱穀装置はコンバインなどの収穫した穀粒の処理装置に利用できる。
本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの右側面図である。 図1のコンバインの平面図である。 図1のコンバインの脱穀装置の左側面断面図である。 図3のA−A線断面図である。 図3のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 図1のコンバインの脱穀装置の天井分壁面を取り外した状態での平面図である。 図1のコンバインの脱穀装置の揺動棚などを含む部分の一部切り欠き平面図である。 図1のコンバインの脱穀装置の選別室の左側断面図である。 図9の脱穀装置とグレンタンク部分の背面図である。 図9の脱穀装置の選別室の平面図である。 図11の脱穀装置の唐箕ケース内に、更に仕切り板に略直交する平面部を有する仕切り板を追加した場合の平面図である。 本発明の他の実施形態である脱穀装置の左側面断面図である。 図13の脱穀装置のエンジンと唐箕との関係を示した平面図である。 図14の脱穀装置とエンジンの一部立面断面図である。 本発明の他の実施形態である脱穀装置の右側面断面図である。 図16の脱穀装置のエンジンと唐箕との関係を示した平面図である。 図16の脱穀装置とエンジンの一部立面断面図である。 本発明の他の実施形態である脱穀装置とエンジンの一部立面断面図である。 図19のエジェクタ接続部付近の拡大図である。
符号の説明
1 コンバイン 2 走行フレーム
3 走行装置 4 クローラ
6 刈取装置 7 分草具
8 穀稈引き起こし装置 12 フィードチェン挟扼杆
14 フィードチェン 15 脱穀装置
15a 外枠 18 縦オーガ
19 横オーガ 19a オーガ排出口
20 操縦席 21 エンジン
22 主変速レバー 23 脱穀装置入力プーリ
24 変速装置 25 排気ガス管
26 分岐管 26a 排気ガス入口
27 マフラー 28 導入管
28a 排気ガス出口 29 排ガス出口
30 グレンタンク 50 選別室
51 揺動棚 52 移送棚
52a 移送突起 53、53’ シーブ
58 二番処理室 59 排塵処理室
62 ストローラック 63 選別網
64 一番棚板(板体) 65 一番揚穀筒
65a 一番螺旋(移送螺旋) 65b 搬送螺旋
66 扱室 66a 前板
66b 中板 66c 後板
66d 扱胴カバー 66x 連通口
69 扱胴 69a 扱歯
69b 回転軸 70 二番処理胴
70a 二番処理歯 70b 回転軸
71 排塵処理胴 71a 排塵処理歯
71a1 排出羽根部 72 受け網
74 扱網 75 盲板
78 唐箕ケース
78B,78D,78F,78L,78R,78U 唐箕ケース壁面
79 唐箕 79a 唐箕ファン
79c 吸気口 80 排藁チェーン
81a、81b 排藁カッター 85 二番棚板(板体)
86 二番螺旋(移送螺旋) 86a 二番螺旋回転軸
87 二番還元筒 87a 搬送螺旋
87b 排出口 87d 排出案内板
88 寄せ板 91 排塵ファン
95 排藁処理室 100 CPU
105 風割部 106 車速検出手段
107 モータ 108 ワイヤー
109 ラックギア 110 第1仕切り板
111 排気ガス通過口 112 排気ガス通過室
115 第2仕切り板 116 隙間
120 放熱板 121 揺動棚下方ガイド体
122 唐箕風ガイド体 123 壁体
125 出口ガイド 126 唐箕ケース内部導入管
130 エジェクタ接続部 131 排気弁
131a アーム 131b 切替弁
132 接続部材 133 中心軸
135 引っ張りバネ

Claims (2)

  1. 穀稈を処理する扱胴(69)を軸架した扱室(66)と、該扱室(66)下方に設けられ、該扱室(66)から落下する被処理物を後方に搬送しながら選別する揺動棚(51)を有する選別室(50)と、前記選別室(50)内の揺動棚(51)の下方に設けられ被処理物を送風選別するための風を送る唐箕(79)とを備え、
    前記揺動棚(51)と唐箕(79)との間に唐箕(79)の上部を覆う唐箕ケース(78)を設け、該唐箕ケース(78)は空間部を間に形成した二重構造とし、該二重構造の空間部に脱穀装置駆動用のエンジン(21)から排出される排気ガスを流す排気ガス流路を形成し、
    該排気ガス流路がジグザグ状になるように唐箕ケース(78)内に第1仕切り板(110a〜110g)を設けると共に、各第1仕切り板(110a〜110g)の間隔を、揺動棚(51)から漏下する被処理物の多い唐箕ケース(78)の右側壁(78R)側から被処理物の少ない左側壁(78L)側に至るほど広く設定した
    ことを特徴とする脱穀装置。
  2. 平面視で前記各第1仕切り板(110a〜110g)に略直交する第2仕切り板(115)を、前記第1仕切り板(110a〜110g)における前後方向での中央部に設け、
    該第2仕切り板(115)の右端を排気ガス入口(26a)を備えた右側壁(78R)に密着させて配置すると共に、前記第2仕切り板(115)の左端は左側壁(78L)との間に隙間(116)を有するように配置し、排気ガスが通過する室を前側の第1排気ガス通過室(112a〜112g)と後側の第2排気ガス通過室(112a〜112g)とに分割したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。
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