JP5128849B2 - パワーウィンドウおよび窓ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、パワーウィンドウおよび窓ガラスに関し、とくに、静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウ、および、そのようなパワーウィンドウ用の窓ガラスに関する。
車両等のパワーウィンドウは、ウィンドウレギュレータによって窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるように構成されている。ウィンドウレギュレータについては、搭乗者の身体等が窓ガラスで挟まれるのを防止するための制御が行われる。
そのような制御の一手法として、窓ガラスと窓枠の間の静電容量を利用して人体の接触を検出し、挟み込みを回避するようにしたものがある。人体接触の有無の判定は、静電容量の値を所定の閾値と比較することによって行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−110574号公報
静電容量検出用の電極は、窓ガラスの端面に沿って連続的に設けられる。このような電極は、窓ガラスの最も外側に位置するので、磨耗等による断線が生じやすい。電極が断線すると、静電容量検出が正しく行えなくなるので、挟み込み回避に支障をきたす。
そこで、本発明の課題は、静電容量検出用電極の断線が検知可能なパワーウィンドウ、および、そのようなパワーウィンドウ用の窓ガラスを実現することである。
上記の課題を解決するための請求項1に係る発明は、静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウであって、窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する窓ガラス部分の端面から窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の側面にわたって連続的に設けられた静電容量検出用の電極を有する窓ガラスと、前記電極を通じて検出された静電容量に基づいて前記電極の断線を検知する断線検知手段を具備することを特徴とするパワーウィンドウである。
上記の課題を解決するための請求項2に係る発明は、前記側面の電極は、前記端面の電極の長さ以上の長さを持つことを特徴とする請求項1に記載のパワーウィンドウである。
上記の課題を解決するための請求項3に係る発明は、前記側面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の両側面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のパワーウィンドウである。
上記の課題を解決するための請求項4に係る発明は、前記端面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の最奥の端面を経由して前記側面の電極と連続することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のパワーウィンドウである
である。
上記の課題を解決するための請求項5に係る発明は、静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウ用の窓ガラスであって、窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する窓ガラス部分の端面から窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の側面にわたって連続的に設けられた静電容量検出用の電極を具備することを特徴とする窓ガラスである。
上記の課題を解決するための請求項6に係る発明は、前記側面の電極は、前記端面の電極の長さ以上の長さを持つことを特徴とする請求項5に記載の窓ガラスである。
上記の課題を解決するための請求項7に係る発明は、前記側面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の両側面に設けられることを特徴とする請求項5に記載の窓ガラスである。
上記の課題を解決するための請求項8に係る発明は、前記端面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の最奥の端面を経由して前記側面の電極と連続することを特徴とする請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の窓ガラスである。
請求項1に係る発明によれば、静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウは、窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する窓ガラス部分の端面から窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の側面にわたって連続的に設けられた静電容量検出用の電極を有する窓ガラスと、前記電極を通じて検出された静電容量に基づいて前記電極の断線を検知する断線検知手段を具備するので、静電容量検出用電極の断線が検知可能なパワーウィンドウを実現することができる。
請求項5に係る発明によれば、静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウ用の窓ガラスは、窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する窓ガラス部分の端面から窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の側面にわたって連続的に設けられた静電容量検出用の電極を具備するので、静電容量検出用電極の断線が検知可能なパワーウィンドウ用の窓ガラスを実現することができる。
請求項2または請求項6に係る発明によれば、前記側面の電極は、前記端面の電極の長さ以上の長さを持つので、端面の電極の断線による静電容量の変化を顕著にすることができる。
請求項3または請求項7に係る発明によれば、前記側面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の両側面に設けられるので、端面の電極の断線による静電容量の変化を顕著にすることができる。
請求項4または請求項8に係る発明によれば、前記端面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の最奥の端面を経由して前記側面の電極と連続するので、ガラスランによる側面の電極の磨耗を回避することができる。
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、発明を実施するための最良の形態に限定されるものではない。図1に、パワーウィンドウの一例のブロック図を示す。本パワーウィンドウは、発明を実施するための最良の形態の一例である。本パワーウィンドウの構成によって、パワーウィンドウに関する発明を実施するための最良の形態の一例が示される。
図1に示すように、パワーウィンドウは、ウィンドウ100、ウィンドウレギュレータ200および制御装置300によって構成される。
ウィンドウ100は窓ガラス102を有する。ウィンドウレギュレータ200はモータ202と昇降機構204を有し、モータ202により昇降機構204を介して窓ガラス102を昇降させるようになっている。制御装置300は、ウィンドウレギュレータ200による窓ガラス102の昇降を制御する。
制御装置300はCPU302を有する。CPU302は制御装置300の中枢であり、所定のプログラムに基づいてウィンドウレギュレータ200を制御する。CPU302はメモリ312を有し、プログラム実行の過程で適宜データの書込および読出を行う。
CPU302は、モータ駆動回路304を介してモータ202を制御する。モータ202の回転量は、パルス発生器306とカウンタ308を通じてCPU302にフィードバックされる。CPU302は、カウンタ308計数値に基づいて窓ガラス位置を認識する。窓ガラス102には電極320が設けられている。電極320の静電容量が静電容量検出部330によって検出され、静電容量検出信号がCPU302に入力される。
複数のパワーウィンドウを有する車両では、ウィンドウ100とウィンドウレギュレータ200からなる系統は複数系設けられ、それに対応して、パルス発生器306、カウンタ308および静電容量検出部330も複数系統設けられる。図1では、そのうちの1系統だけを示す。CPU302は、ウィンドウとウィンドウレギュレータの複数系統について、窓ガラス102の昇降を個々に制御する。
CPU302には、スイッチ310を通じて窓ガラス昇降指令が入力される。スイッチ310の操作は使用者によって行われる。オートモードでは、スイッチ310のワンタッチ操作により窓ガラスの上昇または下降が行われる。マニュアルモードでは、スイッチ310を投入している間だけ窓ガラスの上昇または下降が行われる。
スイッチ310は、複数のウィンドウに対応した複数のスイッチを有する。それらのスイッチは運転席の近傍に集中的に設けられ、複数のウィンドウのどれもが運転席から開閉できるようになっている。
図2に、このようなパワーウィンドウを備えた車両用ドアの一例を示す。ここでは、セダン形車両の前部ドアの例を示すが、他のドアも基本的には同様な構成となっている。車両用ドアは、ドア本体110の上部がウィンドウ100となっている。ウィンドウ100は、ドア本体110側から昇降する窓ガラス102により窓枠104で形成される開口部を開閉する構造となっている。窓ガラス102を昇降させるウィンドウレギュレータ200とその制御装置300はドア本体110内に設けられる。
窓枠104は、上枠104a、前枠104bおよび後枠104cを有する。上枠104aは概ね水平になっている。前枠104bは概ね前下がりに傾斜している。後枠104cは概ね垂直になっている。窓ガラス102の電極320は、例えば、上枠104aおよび前後枠104b,104cに対応する三辺にかけて設けられる。
図3に、窓ガラス102における電極320の配置を示す。図3に示すように、電極320は、窓ガラス102の上辺から前後辺にかけて、それらの端面に連続的に設けられる。電極320は、例えば導電材料等を用いて構成される。電極320に対応する窓枠側の電極は、窓枠のガラスランの中に設けられる。
なお、図3においては、電極320は、挟み込み検出に関わる部分だけについて示す。電極320は、このほかに、挟み込み検出には関わらない延長部分を有する。この延長部分の構成と作用については、後にあらためて説明する。
図4に、窓ガラス側電極と窓枠側電極の具体的配置の一例を示す。図4に示すように、窓枠104には、車外側にサイドバイザ148が設けられ、それよりも内側にガラスラン144が設けられる。ガラスラン144には、2つの垂下部分のうちの車内側の先端部に電極146が埋設される。以下、電極146を窓枠電極ともいう。
窓ガラス102の端面には、電極320が設けられる。電極320は、挟み込み検出用の窓ガラス側の電極であり、窓枠電極146との間の静電量Cxが挟み込み検出に利用される。以下、電極320を窓ガラス側電極ともいう。
窓枠電極146はグラウンド電位にあるので、静電容量cxはグラウンドに対する静電容量となる。グラウンドに対する静電容量は、電極320に例えば搭乗者の手や指等の人体が触れたときに増大する。
これは、図5に等価回路で示すように、電極320の静電容量cxに人体の静電容量cx’が並列接続されるためである。電極320の静電容量cxは例えば80pF程度であり、人体の静電容量cx’は例えば400pF程度であるので、等価回路の静電容量は大幅に増大することになる。このような静電容量の変化が人体の接触の検出に利用される。
図6に、静電容量の変化を検出する回路の一例を示す。本回路は、静電容量検出部330の主要部を構成する。図6に示すように、本回路は、差動増幅器332を用いて構成される。差動増幅器332には例えばVC=+5V、VE=0Vの片極性の直流電源が供給されている。
差動増幅器332は、非反転入力端子とグラウンドの間にキャパシタcxと抵抗Rxが並列に接続され、反転入力端子とグラウンドの間にキャパシタciが並列に接続され、反転入力端子と出力端子が抵抗Rfで接続されている。
キャパシタcxは窓ガラスの電極320の静電容量cxである。キャパシタciは、補償用のキャパシタであり、人体等が接触しないときの電極320の静電容量に相当する静電容量を持つものである。抵抗Rxは抵抗Rfと値が等しい。
このような差動増幅器332の非反転入力端子および反転入力端子に、電圧発生器334の電圧Viが、抵抗Ri+およびRi−を通じてそれぞれ入力される。抵抗Ri+およびRi−は値が等しい。
差動増幅器332は、非反転入力端子の電圧V+と反転入力端子の電圧V−の差を増幅率Rf/Riで増幅した電圧を出力する。この電圧が抵抗RoとキャパシタCoからなる平滑回路で平滑されて出力電圧Voとなる。出力電圧Voは静電容量検出信号としてCPU302に入力される。
図7および図8に、電圧Vi、V−、V+およびVoの波形の一例を示す。両図に示すように、電圧Viは単極性の定周期の矩形波パルスである。電圧V−およびV+は、それぞれ、電圧ViによるキャパシタCiおよびCxの充電電圧となる。電圧VoはV+とV−の差の増幅値を平滑したものとなる。
図7は窓ガラスの電極320に対して人体等の接触がない場合であり、キャパシタCxとCiの静電容量に差がないことにより、電圧V+およびV−は波形も振幅も同一となり、それらの差を増幅および平滑して得られる電圧Voは0Vとなる。
図8は窓ガラスの電極320に対して人体等の接触がある場合であり、キャパシタCxの静電容量の増加により電圧V+の波形や振幅が変わるので、V+とV−の差を増幅かつ平滑して得られる電圧Voは0Vから増加したものとなる。増加量はキャパシタCxの静電容量の増加に対応する。
図9に、窓ガラス102の昇降過程を示す。図9に示すように、窓ガラス102は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の順に上昇する。下降はこの逆順になる。(a)は窓ガラス102が下死点にある状態を示し、(e)は上死点にある状態を示す。(b)、(c)、(d)は途中の状態を示す。
各状態についてさらに説明すれば、(a)はパワーウィンドウの全開状態(下死点)である。(b)は窓ガラス102が上昇し始めた状態である。この状態では、窓ガラス102の上辺および辺がそれぞれ上枠104aおよび前枠104bに対して隙間を生じている。なお、窓ガラス102の辺は昇降の全過程を通じて後枠104cの中にある。
(c)は窓ガラス102の上辺および辺がそれぞれ上枠104aおよび前枠104bに接近した状態である。(d)は窓ガラス102の上辺および辺がそれぞれ上枠104aおよび前枠104bに進入し始める状態である。(e)は窓ガラス102の上辺および辺がそれぞれ上枠104aおよび前枠104bに完全に進入した状態である。これはパワーウィンドウの全閉状態(上死点)である。
(d)および(e)の状態をさらに詳細に示せば、例えば図10のようになり、(d)の状態では、窓ガラス102の上辺および辺が上枠104aおよび前枠104bのガラスラン144に接触し、(e)の状態では、窓ガラス102の上辺および辺が上枠104aおよび前枠104bのガラスラン144内に完全に進入する。ガラスラン144は例えばゴムやプラスチック等の絶縁材料で構成される。
図11に、窓ガラス102の昇降に伴う静電容量検出信号の変化を示す。図11は、窓ガラス位置を横軸とし静電容量検出信号の信号強度を縦軸とするグラフである。横軸の各所に付した符号a−eは、図9に示した窓ガラス位置(a)−(e)に対応する。以下、窓ガラスをガラスともいい、窓ガラス位置をガラス位置ともいう。また、静電容量検出信号を単に静電容量あるいは検出信号ともいう。
検出信号は、位置aからcまでは信号強度が小さく変化の少ないものとなる。これは電極320と窓枠104との間に十分な間隔があるためである。位置cからdまでは信号強度が急増する信号となる。これは電極320が窓枠104に入り込むためである。位置dからeまでは信号強度が大きく変化の少ない信号となる。これは電極320が窓枠104に完全に入り込んだためである。
このような検出信号について、人体の接触ないし挟み込みの有無を判定するための閾値が設定されている。閾値としては、窓ガラス102が窓枠に入り込まないときの検出信号強度より大きく、窓ガラス102が窓枠に入り込んだときの検出信号強度より小さく、かつ、一点鎖線で示すような人体接触等による検出信号の増加を確実に判別できる値が、例えば破線で示すように設定される。閾値はガラス位置ごとに設定するようにしてもよい。閾値はメモリ312に記憶され、CPU302による挟み込み判定に利用される。CPU302は、挟み込みと判定したとき窓ガラス102を降下させて挟み込みを回避させる。
以上は、挟み込み回避の基本動作であるが、本装置は、電極320の断線を検知するための仕組みを備えている。以下に、それについて説明する。
図12に、窓ガラス102への電極320の取付けの一例を示す。電極320が取り付けられた窓ガラス102は、発明を実施するための最良の形態の一例である。窓ガラス102の構成によって、窓ガラスに関する発明を実施するための最良の形態の一例が示される。
図12に示すように、電極320は、窓ガラス102の前辺から上辺を経て後辺まで、それらの端面に連続的に設けられ、さらにその先の延長部が、窓ガラス102の下部の側面に沿って設けられている。延長部は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分に設けられる。この部分は、破線で示すベルトライン以下の部分に相当する。
窓ガラス102の前辺、上辺および後辺の端面は、窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する部分であり、挟み込みが発生し得る部分である。電極320は、これらの部分における挟み込みの検出に関与する。これに対して、電極320の延長部分は、ベルトライン以下に位置するので挟み込みの検出には関与しない。
以下、電極320のうち、挟み込み検出に関わる部分を検出電極320aと呼び、挟み込み検出に関わらない延長部分を延長電極320bと呼ぶ。電極320の全長に占める延長電極320bの長さの比は、0.5以上となっている。すなわち、延長電極320bは、検出電極320aの長さ以上の長さを有する。逆に言えば、検出電極320aは、電極320の全長に占める長さの比が0.5以下であり、延長電極320bの長さ以下の長さを有する。
このような二部分構成の電極320の、検出電極320a側の始端に、ハーネス322を通じて制御装置300接続される。制御装置300においては、静電容量検出部330が電極320の静電容量を検出し、その検出信号に基づいてCPU302が挟み込みの有無を判定する。
挟み込みが発生しないときの静電容量は、電極320の長さで決まる。どこにも断線が発生しないときは、電極320の長さは正規の長さであり、静電容量も正規の値となる。これに対して、どこかが断線したときは、電極320の有効長はそこまでとなり、正規の長さよりも短くなるので、静電容量が減少する。
断線が検出電極320aにおいて発生すると、静電容量は正規の値の1/2以下に減少する。これは、電極320の全長の1/2以下の長さしかない検出電極320aがさらに短くなるためである。CPU302は、このような静電容量の変化に基づいて、電極320の断線を検知する。断線時の静電容量が、正規の値の1/2以下と顕著に変化するので、断線検知は高い確度で行われる。検知された断線は、適宜の方法で搭乗者に報知される。静電容量検出部330およびCPU302からなる部分は、本発明における断線検知手段の一例である。
断線が延長電極320bで発生すると、静電容量の変化は検出電極320aが断線したときよりも小さくなるので、相対的に検知しにくくなる。延長電極320bが断線しやすいのは、電極320の取り付けが窓ガラス102の端面から側面に移行する部分である。
図13に、電極320の取り付けが端面から側面に移行する部分の構成の一例を示す。図13の(a)は側面図、(b)はガラスランを含めた移行部分のBB断面図である。(b)に示すように、電極320の表面に、ガラスラン144のリップが接触する。このため、窓ガラス102が昇降するたびに電極320が擦られ、次第に磨耗して断線に至るおそれがある。
図14に、その事態が生じないようにした構成の一例を示す。図14の(a)は側面図、(b)はAA断面図である。(a)に示すように、端面から側面への取り付けの移行は窓ガラス102の最下端部を過ぎたところで行われる。このようにすれば、(b)に示すように、電極320はガラスラン144のリップと接触しなくなり、磨耗による断線を避けることができる。
図15に、窓ガラス102の側面への延長電極320bの取り付けの他の例を示す。図15の(a)は側面図、(b)は後面図である。図15に示すように、延長電極320bは、並列な2つの延長電極320b1,320b2で構成され、一方は窓ガラス102の表面に設けられ、他方は裏面に設けられる。
このようにしたとき、延長電極320b全体としての有効長は、2つの延長電極320b1,320b2の長さの和となるので、個々の延長電極320b1,320b2の長さは、延長電極320の必要長の半分とすることができる。このような構成は、窓ガラス102のベルトライン以下の面積が小さい場合に効果を発揮する。
以上は、窓ガラスが上下に昇降するパワーウィンドウの例であるが、パワーウィンドウは、窓ガラスが水平方向に往復するものであっても良い。その場合、ベルトラインという概念は無くなるが、ベルトライン以下の窓ガラス部分は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分がそれに相当する。また、窓ガラスの最下端は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の最奥の端面に相当する。
本発明を実施するための最良の形態の一例のウィンドウレギュレータ制御装置を使用するパワーウィンドウのブロック図である。 本発明を実施するための最良の形態の一例のウィンドウレギュレータ制御装置を使用するパワーウィンドウの構成を示す図である。 窓ガラスにおける電極の配置を示す図である。 窓ガラスと窓枠における電極の具体的配置の一例を示す図である。 電極の静電容量を示す等価回路図である。 静電容量検出部の主要部の回路図である。 静電容量検出部の主要部の回路中の電圧波形を示す図である。 静電容量検出部の主要部の回路中の電圧波形を示す図である。 窓ガラスの昇降状態を示す図である。 窓ガラスとガラスランの関係を示す図である。 窓ガラス位置と静電容量検出信号の関係を示す図である。 窓ガラスへの電極の取付けの一例を示す図である。 電極の取り付けが端面から側面に移行する部分の構成の一例を示す図である。 電極の磨耗が生じないようにした構成の一例を示す図である。 窓ガラスの側面への延長電極の取り付けの他の例を示す図である。
符号の説明
100 : ウィンドウ
102 : 窓ガラス
104 : 窓枠
104a : 上枠
104b : 前枠
104c : 後枠
110 : ドア本体
144 : ガラスラン
146 : 窓枠電極
148 : サイドバイザ
200 : ウィンドウレギュレータ
202 : モータ
204 : 昇降機構
300 : 制御装置
302 : CPU
304 : モータ駆動回路
306 : パルス発生器
308 : カウンタ
310 : スイッチ
312 : メモリ
320 : 電極
320a : 検出電極
320b : 延長電極
322 : ハーネス
330 : 静電容量検出部
332 : 差動増幅器
334 : 電圧発生器

Claims (8)

  1. 静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウであって、
    窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する窓ガラス部分の端面から窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の側面にわたって連続的に設けられた静電容量検出用の電極を有する窓ガラスと、
    前記電極を通じて検出された静電容量に基づいて前記電極の断線を検知する断線検知手段
    を具備することを特徴とするパワーウィンドウ。
  2. 前記側面の電極は、前記端面の電極の長さ以上の長さを持つ
    ことを特徴とする請求項1に記載のパワーウィンドウ。
  3. 前記側面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の両側面に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のパワーウィンドウ。
  4. 前記端面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の最奥の端面を経由して前記側面の電極と連続する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のパワーウィンドウ。
  5. 静電容量を利用した挟み込み検出信号に基づいて人体の挟み込みを回避しつつ窓枠で形成される開口部を閉じた位置と開いた位置の間で窓ガラスを往復させるパワーウィンドウ用の窓ガラスであって、
    窓枠で形成される開口部を閉じたときに窓枠に接近する窓ガラス部分の端面から窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の側面にわたって連続的に設けられた静電容量検出用の電極
    を具備することを特徴とする窓ガラス。
  6. 前記側面の電極は、前記端面の電極の長さ以上の長さを持つ
    ことを特徴とする請求項5に記載の窓ガラス。
  7. 前記側面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の両側面に設けられる
    ことを特徴とする請求項5に記載の窓ガラス。
  8. 前記端面の電極は、窓枠で形成される開口部を閉じたときでも窓枠外に留まる窓ガラス部分の最奥の端面を経由して前記側面の電極と連続する
    ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の窓ガラス。
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