JP5128831B2 - 表面材付き発泡樹脂ブロックおよび軽量盛土構造物 - Google Patents

表面材付き発泡樹脂ブロックおよび軽量盛土構造物 Download PDF

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本発明は、表面材付き発泡樹脂ブロックに関し、特に、複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板を厚み方向に積層接着してなる直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロックの側面に表面材が設けられた表面材付き発泡樹脂ブロック、および該表面材付き発泡樹脂ブロックを用いてなる軽量盛土構造物に関するものである。
傾斜地の拡幅盛土や自立壁の盛土の工法として、盛土構造の軽量化や土圧軽減等を図るために、盛土材料に超軽量の発泡樹脂ブロックを用いて軽量盛土構造物を構築する工法が知られている。かかる軽量盛土構造物に用いる発泡樹脂ブロックとしては、強度、耐水性の観点等からポリスチレン系樹脂発泡体が多く使用されており、中でも型内発泡法によるビーズ発泡成形体が一般的に使用されている。
ここで、近年においては、傾斜地の拡幅盛土において、例えば図7に示すように、敷設面積の最も小さい最底部を含む少なくとも一層に用いる発泡樹脂ブロックA、および/または、前面壁の背後直後に用いる発泡樹脂ブロックB、および/または、最上層に用いる発泡樹脂ブロックCを、他の部分に用いる発泡樹脂ブロックDに比して圧縮強さの強いものとすることにより、傾斜地の拡幅軽量盛土構造物の安定性を高めることが提案され、また、自立壁の盛土においても、例えば図8に示すように、壁体の背面直後に用いる発泡樹脂ブロックL、および/または、最上層に用いる発泡樹脂ブロックMを、他の部分に用いる発泡樹脂ブロックNに比して圧縮強さの強いものとすることにより、同じく自立壁の軽量盛土構造物の安定性を高めることが提案されている(特許文献1,2)。
また、傾斜地の拡幅盛土において、例えば図9に示すように、一端が傾斜地Hの傾斜面に沿い、かつ、傾斜地Hと反対側の端面が鉛直に揃うように発泡樹脂ブロックIを順次積み上げると共に、上下に位置する発泡樹脂ブロックをピンJ等の連結具によって互いに連結し、かつ、前記傾斜地Hと反対側の端面には表面材付き発泡樹脂ブロックKを用いることにより、H綱杭等によって構成された前面壁を不要とした傾斜地の拡幅軽量盛土構造物が提案さている(特許文献3)。
特許第3450742号公報 特許第3771436号公報 実用新案登録第3128199号公報
上記特許文献1,2に記載された軽量盛土構造物において、一部に使用する発泡樹脂ブロックを他の部分に使用する発泡樹脂ブロックに比して圧縮強さの強いものとする場合、両者を共に型内発泡法によるビーズ発泡成形体とするよりも、高圧縮強さを必要とする部分においては、押出法により製造された押出発泡体、特にポリスチレン系樹脂押出発泡体を使用することが、コスト、強度、更には構築される構造体の安定性等の観点から有利であることが記載れている。
一方、特許文献3に記載されているように、表面材付き発泡樹脂ブロックを積層して壁面を構築する構法にあっては、予め発泡樹脂ブロックに表面材を接着しておく必要があるが、かかる構法において特許文献1,2に記載された一部に使用する発泡樹脂ブロックを他の部分に使用する発泡樹脂ブロックに比して圧縮強さの強いものとした構造物を構築する際には、前記したことから、ポリスチレン系樹脂押出発泡体に表面材を接着する必要が生じる。
ここで、合成樹脂発泡体に表面材のような他部材を接着する際、その合成樹脂発泡体と他部材との間の付着力は、接着剤の性能にもよるが、両者を引き剥がそうとすると、通常は強度が一番弱い合成樹脂発泡体部分で破断することから、合成樹脂発泡体の強度に大きく影響されると考えられる。ここで、合成樹脂発泡体がビーズ発泡成形体である場合には、その強度特性に方向性はあまりなく、どの面に他部材を接着しても付着力のバラツキは少ないと考えられるが、押出発泡体にあっては、その製造時における樹脂の流れ等の影響で、押出方向とそれに垂直な幅方向とでは、強度特性に大きな相違があることが考えられ、他部材との接着面が、付着力の観点から重要な要素となると思われる。
また、押出発泡体は、商業的に製造可能な最大厚みは100〜150mm程度(幅1000mmの場合)であるため、該押出発泡体を盛土材料として用いる場合は、施工性等の観点から、予め工場等で複数枚の押出発泡板を厚み方向に積層接着し、直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロックとする必要があり、該複数枚の押出発泡体の積層物からなる発泡樹脂ブロックへの表面材の接着が必要となる。
本発明は、上述した背景技術に鑑み成されたものであって、その目的は、表面材の付着強さが強いレベルで安定した、複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板を厚み方向に積層接着してなる表面材付き発泡樹脂ブロック、および該表面材付き発泡樹脂ブロックを用いてなる軽量盛土構造物を提案することにある。
本発明者等は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリスチレン系樹脂押出発泡板においては、押出機より押し出された樹脂の側面において、樹脂の流れ方向(押出方向)に平行な側面と、直交する側面とでは引張強さが大きく相違し、引張強さが強い側面に他部材を接着させると、付着強さの強い複合体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックは、複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板を厚み方向に積層接着してなる直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロックの側面に表面材が設けられた表面材付き発泡樹脂ブロックであって、該発泡樹脂ブロックを構成する各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板は、該押出発泡板の押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着されており、該発泡樹脂ブロックの側面のうち、前記押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着された押出発泡板の厚み方向と押出方向にて定まる発泡樹脂ブロックの側面に、上記表面材が接着されており、該発泡樹脂ブロックの厚み方向、押出方向および幅方向の平均気泡径が、下記(1)〜(3)式の条件を満足することを特徴とする。
1.0≦D A /D B ≦1.5・・・(1)
0.8≦D A /D C ≦1.3・・・(2)
0.3≦D A ≦2.0 ・・・(3)
〔但し、式中のD A は厚み方向の平均気泡径(mm)、D B は押出方向の平均気泡径(mm)、D C は幅方向の平均気泡径(mm)を表す。〕
上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックによれば、表面材の付着強さが強いポリスチレン系樹脂押出発泡板の積層物からなる表面材付き発泡樹脂ブロックとなる
以下に、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック、および表面材付き発泡樹脂ブロックの製造方法について、詳細に説明する。
本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、図1に示したように、複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・を厚み方向に積層接着してなる直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロック10の側面に、表面材20が設けられたものである。
上記本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板1に使用されるポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体やスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体等が挙げられる。上記スチレン系共重合体におけるスチレン成分含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。
また、上記ポリスチレン系樹脂としては、本発明の目的、作用、効果が達成される範囲内において、その他の重合体を混合したものであってもよい。その他の重合体としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−エチレン共重合体等が挙げられ、概ね50重量%未満、更に30重量%未満、特に10重量%未満の範囲で目的に応じて混合することができる。
上記ポリスチレン系樹脂は、JIS K 7210(1976)のA法の試験条件8により測定されるメルトフローレイト(以下、MFRという。)が0.5〜30g/10分、更に1〜10g/10分の範囲のものを用いることが、押出発泡体を製造する際の押出発泡成形性に優れ、外観、発泡性等の優れた押出発泡体が得られると共に、機械的強度においても更に優れたものが得られる点から好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板1の製造に使用される発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン等の弗素化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル、メタノール、エタノール等の低級アルコール、塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素等の有機系物理発泡剤、二酸化炭素、窒素、空気、水等の無機系物理発泡剤が使用される。これらの発泡剤は2種以上を混合して使用することができる。
上記発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、目的とする押出発泡体の見かけ密度、ポリスチレン系樹脂の種類等により増減するものであり特定することが難しいが、ポリスチレン系樹脂1kgに対して概ね0.7〜2.5モル、好ましくは0.85〜2.0モル(複数の物理発泡剤を併用する場合は構成発泡剤の合計モル数。)の範囲で添加される。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板1は、通常の押出発泡体を製造する押出発泡成形技術により得ることができる。具体的には、上記したポリスチレン系樹脂を押出機中にて加熱、混練してポリスチレン系樹脂溶融物とし、続いて上記した物理発泡剤を押出機中に圧入して該溶融物と発泡剤とを十分に混練した後、発泡適正温度に冷却することにより発泡性樹脂溶融物を得る。得られた発泡性樹脂溶融物を、フラットダイに導入し、該ダイの口金開口部からダイ先端に取付けられた成形用治具(ガイダー)内に押出して発泡成形させることにより目的の押出発泡体を製造することができる。上記において、口金開口部の間隙や幅、および成形用治具の幅、高さ寸法等は、所望とする押出発泡体の厚み寸法、発泡体の見かけ密度等との関係で適宜選択される。
本発明において押出発泡板の押出方向および幅方向の引張強さは、押出発泡板の上記製造方法に起因して、幅方向の引張強さが押出方向の引張強さを上回る。その理由としてはダイの口金開口部からダイ先端に取付けられた成形用治具内に押出された発泡過程にある樹脂の押出方向と幅方向への流動状態の差異により、得られる押出発泡板の押出方向および幅方向の引張強さに違いが生じていると考えられる。成形用治具の樹脂流路の上下の間隔は、押出発泡板の目的厚みに応じて調整されるが、その際、該間隔が成形用治具内を通過する発泡過程にある樹脂の押出方向への流動に適度な抵抗を与えることになり、得られる押出発泡板の押出方向の平均気泡径が幅方向の平均気泡径よりも小さくなる傾向があり、そのことから成形用治具内に押出された発泡過程にある樹脂の押出方向と幅方向に差異があることが確認できる。なお、押出発泡板の幅方向の引張強さと押出方向の引張強さの差を大きくする方法としては、成形用治具内に押出された発泡過程にある樹脂の押出方向と幅方向への流動状態の差異を大きくすることが考えられる。具体的には、押出機の樹脂の吐出量、発泡性樹脂溶融物の樹脂温度や粘度、成形用治具の樹脂流路形状などをパラメーターにして流動解析する方法が採用できる。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板1は、上記した原料を用いて上記した製法等により、厚みが25〜150mm、見かけ密度が0.02〜0.05g/cm3 の板状体に押出発泡成形され、適宜な幅、長さに切断された後、該ポリスチレン系樹脂押出発泡板1を、厚み方向に複数枚積層接着し、厚さ10〜100cm、幅30〜200cm、長さ30〜200cm程度の直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロック10に形成され、該発泡樹脂ブロック10の側面に、表面材20が積層接着されて表面材付き発泡樹脂ブロック50に形成される。この積層接着される表面材20の付着強さと、表面材20が発泡樹脂ブロック10に形成される際の硬化収縮量などを考慮して、発泡樹脂ブロック10が大きく変形しないように、表面材20が積層接着される面に対して直交する方向の発泡樹脂ブロック10の寸法は30cm以上とすることが好ましい。
なお、本明細書における上記押出発泡体の見かけ密度は、JIS A 9511(2003)に基づいて測定される値である。
上記表面材付き発泡樹脂ブロック50の形成に際しては、発泡樹脂ブロック10を構成する各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・を、該押出発泡板1の押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着し、形成された発泡樹脂ブロック10の側面のうち、上記押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着した押出発泡板の厚み方向と押出方向にて定まる側面により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面に、上記表面材20を接着することが好ましい。なお、発泡樹脂ブロック10を構成する各々の押出発泡板1,1・・の内、2枚以上は押出方向が、同じ方向或いは逆方向となるように積層接着され、該押出発泡板の押出方向が同じ方向および逆方向であるものの合計厚みが、形成する発泡樹脂ブロックの厚さの概ね60%を超える厚さとなるように、好ましくは80%を超える(100%を含む)厚さとなるようにし、次いで、形成された発泡樹脂ブロック10の側面のうち、上記押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層方向を揃えて積層接着した押出発泡板の厚み方向と押出方向にて定まる側面により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面に、上記表面材20を接着することもできる。この場合、同一厚さの3枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板1A,1B,1Cを積層接着する場合には、例えば図2に示したように、少なくとも2枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板1A,1Cの押出方向αが同じ方向となるように積層接着し、形成された発泡樹脂ブロック10の側面のうち、上記押出方向αが同じ方向となるように積層接着した2枚の押出発泡板1A,1Cの厚み方向Xと押出方向αにて定まる側面により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面Xαに、表面材20を接着することができる。また、厚さの異なる4枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板1D(=75mm),1E(=40mm),1F(=75mm),1G(=110mm)を積層接着する場合には、例えば図3に示したように、該押出発泡板の押出方向αが少なくとも形成する発泡樹脂ブロックの厚さ(300mm)の60%を超える厚さとなる2数の押出発泡板1D(=75mm),1G(=110mm)について同じ方向となるように積層接着し、形成された発泡樹脂ブロック10の側面のうち、上記押出方向αが同じ方向となるように積層接着した2枚の押出発泡板1D,1Gの厚み方向Xと押出方向αにて定まる側面により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面Xαに、表面材20を接着することができる。当然、全てのポリスチレン系樹脂押出発泡板1の押出方向αが同じ方向となるように積層接着し、形成された発泡樹脂ブロック10の側面のうち、積層した押出発泡板1の厚み方向Xと押出方向αにて定まる側面により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面Xαに、表面材20を接着することとしてもよい。なお、形成する発泡樹脂ブロックの厚さの概ね60%を超える厚さとなる枚数の押出発泡板1の押出方向αが同じ方向或いは逆方向となるように積層接着するに際しては、形成される発泡樹脂ブロック10において、押出方向αが同じ方向或いは逆方向となる押出発泡板が厚み方向(積層方向)に片寄ることがないように、即ち、上方のみ、或いは下方のみに押出方向αが同じ方向或いは逆方向となる押出発泡板が片寄らないように積層接着することが表面材の付着強さを安定させる観点から好ましい。また、形成する発泡樹脂ブロックの厚さの80%を超える(100%を含む)厚さとなる枚数の押出発泡板について押出方向αが同じ方向或いは逆方向となるように積層接着し、この押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着した押出発泡板の厚み方向と押出方向にて定まる側面により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面に、上記表面材20を接着することは前述の通り好ましい。
なお、複数枚の押出発泡板1,1・・を厚み方向に積層接着する方法としては、熱接着や接着剤を使用する方法が挙げられ、特に、湿気硬化型1液ウレタン系接着剤にて積層接着することが好ましい。
上記発泡樹脂ブロック10の側面に接着する表面材20は、発泡樹脂ブロック10の側面より3〜10mm幅および高さが短く、厚さが10〜30mmに形成することが好ましい。また、表面材20は、コンクリートやモルタル等の様々な水硬性セメントで形成されたセメント硬化物とすることができる。水硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、低硫酸ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、水硬性石灰、ローマンセメント、天然セメント、アルミナセメント、高炉セメント、シリカセメント、膨張セメント、着色セメント等がある。これらの中でも、ポルトランドセメント、水硬性石灰、天然セメント、膨張セメント、着色セメントを用いることが好ましい。
また、表面材20としては、上記水硬性セメントに種々の骨材、補強材、軽量化材、水ガラス、接着性向上のためのポリマー等を加えることができる。
発泡樹脂ブロック10と表面材20との接着(一体化)は、例えば、予めポリスチレン系樹脂押出発泡板1を積層接着することにより形成された発泡樹脂ブロック10を型枠に入れ、その上から所望の形状となるように未硬化のセメントモルタル等の表面材形成材料を流し込み、養生・硬化させて表面材20を形成したり、逆に、型枠中に所定量入れられた表面材形成材料上に、発泡樹脂ブロック10を載置し、養生・硬化させて表面材20を形成したり、発泡樹脂ブロック10と表面材20とを別々に作製し、それらを接着剤を用いて接合することにより達成してもよい。
その場合に、発泡樹脂ブロック10の側面に少なくとも1本の溝を予め形成しておき、該溝を上向きにして型枠に入れ、その上から未硬化の表面材形成材料を流し込み、養生・硬化させて表面材20を形成し、該溝に表面材20の一部である凸条を形成することが付着強さの観点から好ましい。この溝と凸条は、互いにアリ結合されるように形成されているものであれば、発泡樹脂ブロック10と表面材20との接合がより強固なものとなるので好ましい。また、発泡樹脂ブロック10と、裏面に凸条が形成された表面材20を別々に作製し、接着剤により接合することもできる。
上記のようにして形成された本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、図4に示したように、積層されたポリスチレン系樹脂押出発泡板1の厚み方向を基準に該発泡樹脂ブロック10の互いに直交する3方向を厚み方向X、縦方向Y、横方向Zとした場合に、積層された各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・の横方向Zの引張強さに該押出発泡板1の厚み比率(押出発泡板の厚み/発泡樹脂ブロックの厚み)を乗じた値の合計値で表される厚み方向Xと縦方向Yにて定まる発泡樹脂ブロック10の側面XYにおける引張強さが、積層された各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・の縦方向Yの引張強さに該押出発泡板1の厚み比率(押出発泡板の厚み/発泡樹脂ブロックの厚み)を乗じた値の合計値で表される厚み方向Xと横方向Zにて定まる発泡樹脂ブロック10の側面XZにおける引張強さよりも大きな値となり、該引張強さが大きな値である厚み方向Xと縦方向Yにて定まる発泡樹脂ブロック10の側面XYに、上記表面材20が接着されたものとなる。
これは、本発明者等が種々の試験研究を重ねた結果、少なくとも上記した厚みが25〜150mm、見かけ密度が0.02〜0.05g/cm3 のポリスチレン系樹脂押出発泡板にあっては、押出方向αと平行な側面における引張強さと、押出方向αと垂直な側面における引張強さとを測定した場合、その引張強さは、押出方向αと平行な側面における引張強さが『大』であり、この引張強さが『大』である押出方向αと平行な側面に他部材を接着させると、付着強さの大きい複合体が得られることを見出した。そこで、上記した本発明に係る製造方法の如く、発泡樹脂ブロック10を構成する各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・を、該押出発泡板1の押出方向αが少なくとも形成する発泡樹脂ブロックの厚さの概ね60%を超える厚さとなる枚数の押出発泡板について同じ方向或いは逆方向となるように積層接着し、形成された発泡樹脂ブロックの側面のうち、上記押出方向αが同じ方向或いは逆方向となるように積層接着した押出発泡板の厚み方向Xと押出方向αにて定まる側面(押出方向αと平行な側面)により構成される方の発泡樹脂ブロック10の側面Xαに、表面材20を接着する。
即ち、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、該発泡樹脂ブロック10の側面のうち、引張強さが大きい方の側面に表面材20が接着されたものとなり、表面材20の付着強さが強いポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・の積層物からなる表面材付き発泡樹脂ブロックとなる。
上記表面材20が接着された側の発泡樹脂ブロック10の側面XYにおける引張強さは、他の直交する側面XZにおける引張強さの1.3倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることが更に好ましく、1.8倍以上であることが特に好ましい。なお、側面XYにおける引張強さの上限は、他の直交する側面XZにおける引張強さの概ね3.0倍である。また、表面材20が接着された側の発泡樹脂ブロック10の側面XYにおける引張強さは、300〜800kN/m2であることが好ましく、350〜750kN/m2であることが更に好ましく、380〜700kN/m2であることが特に好ましい。
なお、上記発泡樹脂ブロック10の側面における引張強さは、上記したように、積層されたポリスチレン系樹脂押出発泡板1の厚み方向を基準に該発泡樹脂ブロック10の互いに直交する3方向を厚み方向X、縦方向Y、横方向Zとした場合に、積層された各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・の横方向Zの引張強さに該押出発泡板1の厚み比率(押出発泡板の厚み/発泡樹脂ブロックの厚み)を乗じた値の合計値を厚み方向Xと縦方向Yにて定まる発泡樹脂ブロック10の側面XYにおける引張強さとし、積層された各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1,1・・の縦方向Yの引張強さに該押出発泡板1の厚み比率(押出発泡板の厚み/発泡樹脂ブロックの厚み)を乗じた値の合計値を厚み方向Xと横方向Zにて定まる発泡樹脂ブロック10の側面XZにおける引張強さとしたものである。
また、積層された各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板1の横方向Zおよび縦方向Yの引張強さ値は、次の通り求めることができる。
試験片の縦、横、厚み方向が押出発泡板1の縦方向Y、横方向Z、厚み方向Xと一致するように、縦50mm、横50mm、厚み50mmの立方体の試験片70を、押出発泡板1から切り出す。切り出した試験片70の横方向Zに対向する面に図5に示すように治具80をそれぞれ接着し、引張試験機により10mm/分の試験速度で該試験片70を横方向Zに引張り破断させ、最大引張荷重(kN)を測定し、該最大引張荷重(kN)を試験片の断面積(m2)にて割り算することにより該試験片70の横方向Zの引張強さ(kN/m2)を算出する。上記操作を他の試験片70の縦方向Yにおいても行い、各方向における引張強さを求める。なお、試験片の各方向における最大引張荷重の測定は、押出発泡板1の横方向の中央部及び両端部近傍から切り出した合計3個の試験片から各々測定される最大引張荷重の算術平均値をとする。また、押出発泡板1の厚みが薄く厚み50mmの立方体の試験片を切り出せない場合には、できるだけ厚みの厚い直方体の試験片を使用して上記の方法にて各方向の引張強さを求めることとする。
また、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、該発泡樹脂ブロック10の上記厚み方向X、縦方向Yおよび横方向Zの平均気泡径が、下記(1)〜(3)式の条件を満足する。
1.0≦DA/DB≦1.5・・・(1)
0.8≦DA/DC≦1.3・・・(2)
0.3≦DA≦2.0 ・・・(3)
〔但し、式中のDAは厚み方向Xの平均気泡径(mm)、DBは縦方向Yの平均気泡径(mm)、DCは横方向Zの平均気泡径(mm)を表す。〕
上記の式(1)および(2)を満足する発泡樹脂ブロック10は、引張強さ、圧縮強さ等の機械的強度に特に優れるものであり、引張強さの強さは側面に表面材を接着した場合の該表面材の付着強さを強める作用が、圧縮強さの強さは発泡樹脂ブロックを積み上げて使用する際に加わる荷重による歪を小さくする作用がそれぞれ期待される。かかる観点から、DA/DBの値は1.1〜1.4であることが更に好ましく、また、DA/DCの値は0.9〜1.2であることが更に好ましい。
また、厚み方向Xの平均気泡径DAが上記(3)式で示す範囲であれば、比較的均一な気泡構造のものとなり、独立気泡率も高く、圧縮強さ等の機械的強度において優れる発泡樹脂ブロックとなる。かかる観点から、DAの値は0.4〜1.5であることが更に好ましい。
なお、本明細書における上記平均気泡径の測定方法は、それぞれ次の通りである。
発泡樹脂ブロック10の厚み方向Xの平均気泡径DA(mm)及び発泡樹脂ブロック10の横方向Zの平均気泡径DC(mm)は、発泡樹脂ブロック10を構成する各々の押出発泡板1の両表面から該押出発泡板1の厚みの10%の部分を除いた各々の押出発泡体において、押出発泡板1の厚み方向Xと横方向Zにて定まる、横方向垂直断面(発泡板の縦方向Yと直交する垂直断面)を、また発泡樹脂ブロック10の縦方向Yの平均気泡径DB(mm)は、発泡樹脂ブロック10を構成する各々の押出発泡板1の両表面から該押出発泡板1の厚みの10%の部分を除いた各々の押出発泡体において、押出発泡体1の厚み方向Xと縦方向Yにて定まる、縦方向垂直断面(発泡板を横方向Zに二等分し、且つ、発泡板の横方向Zと直交する垂直断面)を、それぞれ顕微鏡等を用いて拡大してスクリーンまたはモニター等に投影し、投影画像上において測定しようとする方向に直線を引き、その直線と交差する気泡の数を計数し、直線の長さ(但し、この長さは拡大投影した投影画像上の直線の長さではなく、投影画像の拡大率を考慮した真の直線の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各方向における各々の押出発泡板1の平均気泡径を求め、各方向におけるそれらの値の算術平均値を発泡樹脂ブロック10の各方向における平均気泡径とする。
更に詳しく説明すると、発泡樹脂ブロック10の厚み方向Xの平均気泡径DA(mm)は、上記の通り、両表面において該押出発泡板1の厚みの10%の部分を除いた、各々の押出発泡板1の横方向垂直断面の中央部及び両端部付近の計3箇所の厚み方向Xに、該押出発泡板1の全厚みに亘る直線を引き、各々の直線の長さ(μm)を(該直線と交差する気泡の数−1)にて割り算することにより、各直線上に存在する気泡の平均径〔直線の長さ(μm)/(該直線と交差する気泡の数−1)〕を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を押出発泡板1の厚み方向Xの平均気泡径とし、次いで各々の押出発泡板1の厚み方向Xの平均気泡径の算術平均値として発泡樹脂ブロック10の厚み方向Xの平均気泡径DA(mm)が求められる。
発泡樹脂ブロック10の横方向Zの平均気泡径DC(mm)は、各々の押出発泡板1の横方向垂直断面の中央部の押出発泡板1を厚み方向に二等分する位置に、長さ3000μmの直線を横方向Zに引き、長さ3000μmの直線を(該直線と交差する気泡の数−1)にて割り算することにより各直線上に存在する気泡の平均径〔3000μm/(該直線と交差する気泡の数−1)〕を押出発泡板1の横方向Zの平均気泡径とし、次いで各々の押出発泡板1の横方向Zの平均気泡径の算術平均値として発泡樹脂ブロック10の横方向Zの平均気泡径DC(mm)が求められる。
発泡樹脂ブロック10の縦方向Yの平均気泡径DB(mm)は、各々の押出発泡板1の縦方向垂直断面の中央部の押出発泡板1を厚み方向に二等分する位置に、長さ3000μmの直線を縦方向Yに引き、長さ3000μmの直線を(該直線と交差する気泡の数−1)にて割り算することにより各直線上に存在する気泡の平均径〔3000μm/(該直線と交差する気泡の数−1)〕を押出発泡板1の縦方向Yの平均気泡径とし、次いで各々の押出発泡板1の縦方向Yの平均気泡径の算術平均値として発泡樹脂ブロック10の縦方向Yの平均気泡径DB(mm)が求められる。
また、上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、発泡樹脂ブロック10と表面材20との付着強さが、100kN/m2以上であることが好ましく、更には、140kN/m2以上であることが好ましい。この範囲の付着強さを有する表面材付き発泡樹脂ブロック50は、表面材20が十分な付着強さで発泡樹脂ブロック10に設けられたものとなり、発泡樹脂ブロックを盛土材料として用いた傾斜地の拡幅盛土や自立壁の盛土のような軽量盛土構造物において、該表面材付き発泡樹脂ブロック50を壁面を構築する側に積層することにより、表面材20によって十分な耐力を有する壁面を構築することができる。なお、該表面材20の付着強さは強いほど良いことから、発泡樹脂ブロック10の材料強度以上に接着剤などを使用して付着強さを強く設定した場合、表面材20の剥離は発泡樹脂ブロック10の材料破壊により起こり、発泡樹脂ブロック10の引張強さに依存することになる。従って、下記の測定により求められる表面材20の付着強さの上限は、概ね発泡樹脂ブロック10の表面材剥離方向の引張強さの上限である800kN/m2である。
なお、本明細書における上記表面材20の付着強さは、発泡樹脂ブロック10を固定し、表面材20を表面材付着面に対して垂直方向に約10mm/分の試験速度で引張ることにより表面材20を剥離させ、或いは発泡樹脂ブロック10を破断させて最大引張荷重(kN)を測定し、該最大引張荷重を表面材20の面積(m2)にて割り算することにより求められる。
また、上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、発泡樹脂ブロック10の厚み方向(積層方向)の圧縮強さが100kN/m2 以上のものであることが好ましく、更には、200kN/m2 以上であることが好ましく、特には、300kN/m2 以上であることが好ましい。発泡樹脂ブロック10の圧縮強さは強いほど良いが、圧縮強さと密度は通常正の相関があるため、圧縮強さが強いほど重量も重くなる傾向にある。そのため、発泡樹脂ブロック10の厚み方向(積層方向)の圧縮強さの上限は、軽量性および施工性の観点から、概ね600kN/m2 である。
なお、本明細書において上記圧縮強さは、JIS K 7220(1999)に従った圧縮試験に基づく変形5%時の圧縮応力とし、積層されたそれぞれの押出発泡体1,1・・から試験片を切り出し、それぞれの圧縮強さの算術平均値を発泡樹脂ブロック10の圧縮強さとする。この際、試験片は、試験片の縦、横、厚み方向が押出発泡板1の縦、横、厚み方向と一致するように、一辺50mmの立方体として押出発泡板から切り出す。また、試験速度は10mm/分とし、変形10%まで変形させて荷重−変形曲線を得る。
続いて、上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を用いてなる軽量盛土構造物の一実施の形態について説明する。
軽量盛土構造物を構築するに際しては、上記本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50以外に、内部を構成する表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック60を用意する。この表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック60には、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50と同等の圧縮強さを有する高圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aと、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50より圧縮強さの劣る低圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Bとを用意する。
表面材が設けられていない高圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aは、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50の発泡樹脂ブロック10と同様に、複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板を厚み方向に積層接着してなる直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロックを用いることができる。また、表面材が設けられていない低圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Bとしては、型内発泡法による成形されたポリスチレン系樹脂のビーズ発泡成形体を用いることができる。表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック60A,60Bの外径寸法は、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50と同様に、厚さ10〜100cm、幅30〜200cm、長さ30〜200cmの直方体形状或いは立方体形状とすることが施工性等の観点から好ましい。低圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Bの厚み方向の圧縮強さは、概ね40kN/m2 以上、200kN/m2 以下のもので、軽量盛土構造物の構造に応じて本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50および高圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aの圧縮強さより小さい値のものを適宜選定して用いる。
なお、上記発泡樹脂ブロック60Aの圧縮強さは発泡樹脂ブロック10と同様にして求められる値であり、発泡樹脂ブロック60Bの圧縮強さは、JIS K 7220(1999)に従った圧縮試験に基づく変形5%時の圧縮応力から求められる値である。
上記した発泡樹脂ブロック50,60A,60Bを用いて、図6に示した軽量盛土構造物100は、以下のようにして構築される。
先ず、平地101の土砂を削ったり、平地101に土盛りした後、砂や砂利を敷き、それを突き固め、その上からコンクリートを打設して基礎102を形成する。その際に、適宜本数の鉄筋103を、基礎102に植設する。
次いで、基礎102上に、外側表面を形成する部位に、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を、表面材20が外側に位置するように、一段または複数段(実施の形態では、厚さが50cmである表面材付き発泡樹脂ブロックを2段)積み重ね、その背後に、表面材が設けられていない高圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aを、前記表面材付き発泡樹脂ブロック50と同じ段数に積み重ねる。そのときの高圧縮強さの発泡樹脂ブロック50,60Aの高さは、30cm〜150cmであることが好ましく、その高さは、一段または複数段で形成され、発泡樹脂ブロックへの集中荷重の大きさに応じて高圧縮強さの発泡樹脂ブロック50,60Aの段数、つまり高さが調整される。
次いで、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50および高圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aの上面に、上記したと同様の方法で、外側表面を形成する部位には、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を、その背後には、低圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Bを必要高さ(実施の形態では、7段)に積み重ねる。次いで、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50および低圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aの上面に、やはり上記したと同様の方法で、外側表面を形成する部位には、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を、その背後には、高圧縮強さの発泡樹脂ブロック60Aを最上段または最上段を含む複数段(実施の形態では、厚さが50cmの発泡樹脂ブロックを1段)積み重ねる。そのときの発泡樹脂ブロックの高さは、30cm〜100cmであることが好ましく、その高さは、一段または複数段で形成され、上部の路面等の重量などによる発泡樹脂ブロックへの集中荷重の大きさに応じて発泡樹脂ブロックの段数、つまり高さが調整される。
上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50および表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック60を積み重ねる際には、各ブロック同士の突合せ部が最下段から最上段まで貫通することのないように、上部と下部のブロック同士の突合せ部をずらすようにして積み重ねることが好ましい。
また、上記積層作業の間、積み上げた上下の発泡樹脂ブロックにピン104を挿通させ、上下の発泡樹脂ブロックを互いに結合させる。該ピン104は、少なくとも表面材付き発泡樹脂ブロック50に挿通されれば、表面材付き発泡樹脂ブロック50のずれを防止することができるので、表面材20の起伏を防ぐことができ、つまりは外観を良好に維持することができるために好ましい。当然ながら、ピン104は、表面材付き発泡樹脂ブロック50に加えて、内部を構成する表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック60に挿通されてもよい。
また、図6に示したように、積層した発泡樹脂ブロック50,60の上面を均一な平面とし、上からの荷重を均一にするために、発泡樹脂ブロック50,60の積層の途中には、コンクリート板105を積層することが好ましい。このコンクリート板105は、積層した発泡樹脂ブロック50,60の高さ200〜300cmに一層設けることが好ましく、厚みは10〜30cm程度である。
また、発泡樹脂ブロック50,60と傾斜地106の傾斜面との間には、排水材層107が形成されていることが好ましい。
この排水材層107は、ブロック状の埋め込み材を使用して発泡樹脂ブロックと傾斜面との間に埋め込まれる。ブロック状の埋め込み材としては、特に、複数の熱可塑性樹脂発泡体片を結合して得られた、圧縮強さや排水性に優れる発泡体片成形体であることが好ましい。
上記排水材層107の埋め込み材として好適な発泡体片成形体は、複数の熱可塑性樹脂発泡体片を結合することによって得られる。該熱可塑性樹脂該発泡体片(以下、単に発泡体片ともいう。)を構成する熱可塑性樹脂として、例えば、スチレン単独重合体、スチレンと共重合可能な単量体成分との共重合体等のポリスチレン系樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレンと共重合可能な単量体成分との共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、発泡が容易で、軽量性、圧縮強さに優れるものが得られる点でポリスチレン系樹脂を50重量%以上含むものが好ましい。尚、ポリスチレン系樹脂には脆性改善効果や圧縮クリープ特性改善効果を目的として上記範囲内でオレフィン成分やゴム成分が共重合或は混合されていることが好ましい。また、脆性、圧縮クリープ特性や圧縮強さに優れるものが得られる点でポリプロピレン系樹脂を50重量%以上含むものが好ましが、熱可塑性樹脂はこれらに制限されるものではない。
発泡体片の形状としては、発泡体粉砕物からなる不定形状、筒型粒子状、チップ形状などが挙げられ特に制限はないが、筒型粒子状或はチップ形状が好ましい。筒型粒子状或はチップ形状の発泡体片を用いると圧縮強さ、排水性共に優れたものを容易に得ることができ、特に、チップ形状の発泡体片を用いると排水性等に特に優れる発泡体片成形体を容易に得ることができる。
また、発泡体片の大きさは、発泡体片形状がチップ形状の場合、発泡体片成形体を成形する際の成形型充填性および高い空隙率と強い圧縮強さとを兼備する発泡体片成形体を得る上で、最長部分の平均長さにおいて5〜50mmが好ましく、10〜35mmがより好ましい。また、発泡体片形状が筒型粒子状の場合、発泡体片の大きさは、チップ状のものと同様の理由により最長部分の平均長さにおいて2〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。また、発泡体粉砕物のような不定形状の場合、発泡体片の大きさは、チップ状のものと同様の理由により成形に使用される発泡体片全重量の30重量%以上のものが最長部分の長さにおいて5〜50mmであることが好ましく、10〜35mmであることがより好ましい。
なお、本明細書における発泡体片の最長部分の長さとは、発泡体片のあらゆる方向において外形寸法をノギスにより測定した際の最大寸法を意味する。そして、最長部分の平均長さとは、複数(少なくとも50個以上)の発泡体片の最長部分の長さの算術平均値を意味する。
上記発泡体片の製造法に制限はなく、樹脂の種類に応じて従来公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いてチップ形状の発泡体片を製造する場合、次のような方法で発泡体片を製造することが好ましい。
熱可塑性樹脂と気泡調整剤、更に必要に応じて添加される添加剤とを押出機に供給して、加熱、溶融、混練してから、ブタン、ペンタン、二酸化炭素等の発泡剤を圧入し更に混練しながら、溶融樹脂温度を調整し発泡性溶融樹脂を得る。得られた発泡性溶融樹脂をダイから水中に円柱状に押出して発泡性円柱樹脂とし、該発泡性円柱樹脂が軟化状態を維持している(約100℃)段階でニップロールにより押し潰して断面を楕円形状とした後、押出方向と直角にカッターで切断して、断面が楕円形状の発泡性チップを得る。この発泡性チップを水蒸気で発泡させれば、チップ形状の発泡体片を得ることができる。
なお、本明細書においてチップ形状とは、円形、楕円形、多角形の円板または鞍形のように該円板がねじれた形状のものを意味する。
その他、熱可塑性樹脂を用いて筒型粒子状の発泡体片を製造する場合、例えば、次のような方法で発泡体片を製造することが好ましい。
熱可塑性樹脂をタルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウム等の無機物等の添加剤と共に押出機内で加熱、溶融、混練して筒型の溶融樹脂押出口断面形状を有するダイから押出し冷却し、一定長さに切断して未発泡の筒型の樹脂粒子を製造する。次いで上記の筒状の樹脂粒子を物理発泡剤、水と共にオートクレーブ等の密閉容器内に入れ水に分散させ、該樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、該粒子内に発泡剤を含浸させた後、容器内の圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持し、該容器内の水面下の一旦を開放し、軟化状態の該樹脂粒子と水とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することにより、筒型粒子状の発泡体片が得られる。
発泡体片成形体は、上記発泡体片を空隙を有するように結合することによって形成される。空隙を有するように結合する方法に制限はなく、樹脂の種類に応じて従来公知の方法を適宜選択することができる。例えば、発泡体片を金型のキャビティ内に充填し、次いで、型締めを行なった後に加圧蒸気を上記キャビティ内に導入し、発泡体片個々の表面を溶融させて該発泡体片同士を互いに融着させることにより、空隙を有する発泡体片成形体を製造する方法や、発泡体片を無端走行する上下のベルト間に挟んで加圧蒸気にて加熱し、該発泡体片同士を互いに融着させることにより、空隙を有する発泡体片成形体を製造する方法等が挙げられる。
発泡体片成形体の形状や大きさに制限はないが、通常は板状が好ましく、その寸法は縦1820〜2000mm、横910〜1000mm、厚さ25〜700mmである。
また、発泡体片成形体の透水係数は0.1cm/秒以上であり、0.2〜5cm/秒であることが好ましく、0.2〜3cm/秒であることが更に好ましい。該透水係数が0.1cm/秒未満の場合は、雨が激しく降った場合、土圧が上昇して擁壁が倒れたり、補強鉄骨が変形することを防ぐことができない。上記透水係数は発泡体片成形体を構成する熱可塑性樹脂の種類、発泡体片成形体の空隙率、発泡体片形状、発泡体片の大きさにより調整できる。
なお、本明細書における上記透水係数は、JIS A1218(1993)に準じて、試料としての砂を発泡体片成形体に代え、変水位式透水性測定試験により測定される値である。
発泡体片成形体の圧縮強さは30kN/m2 以上であり、好ましくは40kN/m2 以上である。該圧縮強さが30kN/m2 未満の場合は、土圧により発泡体片成形体が損傷する虞がある。一方、圧縮強さが強すぎること自体は特に問題はないが、圧縮強さが強いものは発泡体片成形体の見かけ密度が大きいもの、或いは空隙率の小さいものとなる傾向にある為、圧縮強さの上限は概ね300kN/m2 であることが好ましい。上記圧縮強さは発泡体片成形体の見かけ密度、空隙率、発泡体片形状、発泡体片の大きさにより調整できる。
なお、本明細書における上記圧縮強さは、JIS K 7220(1999)に準拠して求められる5%圧縮強さの値である。
また、発泡体片成形体の空隙率は、圧縮強さと透水係数との兼ね合いから、好ましくは10〜50%であり、更に好ましくは15〜40%であり、特に好ましくは20〜35%である。
なお、本明細書における空隙率(A)は次式によって算出される。
A(%)=〔(B−C)/B〕×100
但し、Bは発泡体片成形体の見かけ体積(cm3 )、Cは発泡体片成形体の真の体積(cm3 )である。見かけ体積Bは発泡体片成形体の外形寸法から算出される発泡体片成形体の体積であり、見かけ体積には空隙部の体積が含まれる。真の体積Cは発泡体片成形体の見かけ体積から空隙部の体積を除いた体積である。また真の体積Cは発泡成型体を液体(例えば水)中に沈めた時の増量した体積を測定することによって求めることができる。
発泡体片成形体の見かけ密度は、好ましくは10〜50kg/m3 であり、より好ましくは12〜30kg/m3 であり、更に好ましくは12〜20kg/m3 である。該見かけ密度が10kg/m3 未満の場合は、機械的強度、特に圧縮強さの低下により発泡体片成形体が損傷し、傾斜地拡幅構造物が陥没する等の虞がある。一方、見かけ密度が50kg/m3 を超える場合は、重すぎて施工性が悪化し、土圧の上昇に繋がる虞がある。
図6に示した排水材層107は、上記した発泡体片成形体を用いて構成されている。特に、チップ形状の発泡体片からなる発泡体片成形体は滑り抵抗性能において優れることから、該チップ形状の発泡体片成形体にて排水材層107が形成されていることが好ましく土圧低減効果等により更に構造等の簡素化を図ることができる。また、発泡体片成形体は、排水材層107の下面に形成されている不織布等からなる透水層を簡略或いは省略しても良好な排水性能を維持できる為、その点からも構造の簡略化を図ることが可能となる。排水材層107は、積層した発泡樹脂ブロック50,60と傾斜地106の傾斜面との間に、例えば、縦方向に複数枚の発泡体片成形体を積み重ね水平方向に複数枚の発泡体片成形体を列設すること等により、隙間なく構成されていることが好ましい。排水材層107の厚みは50〜700mm、更に70〜500mm、特に100〜300mmが好ましい。また排水材層107と傾斜地106の傾斜面との間に、必要に応じて透水性を有する不織布、織布、ジオテキスタイル、割布を敷設して透水層(図示せず)が形成される。なお、透水層を形成する場合、その厚みは50〜200mmが好ましい。また、透水層を形成する透水材は、通常幅約1m、長さ約2mのものを使用する。
積層した発泡樹脂ブロック50,60および排水材層107の上面には、図6に示したように、被覆層108が形成され、該被覆層108が路面としての機能を有し、被覆層108の上を人が移動したり車両が走行することができる。被覆層108の材料としては、アスファルト、コンクリート、砂利、土砂、土、タイル等が挙げられる。また、被覆層108は単層に限らず、複数層形成することもできる。
上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を用いた軽量盛土構造物100は、敷設面積の最も小さい最底部を含む少なくとも一層に用いる発泡樹脂ブロック50,60A、および外側表面を形成する部位に用いる発泡樹脂ブロック50、および最上層に用いる発泡樹脂ブロック50,60Aを、他の部分に用いる発泡樹脂ブロック60Bに比して圧縮強さの強いものとしたため、安定性の高い軽量盛土構造物となるとともに、外側表面を形成する部位に本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を用いたため、強固に付着した表面材20によって十分な耐力を有する壁面を構築することができる。また、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡体を厚み方向に積層接着した発泡樹脂ブロック10により構成されているため、型内発泡法によるビーズ発泡成形体からなる発泡樹脂ブロックに比して安価に高圧縮強さの発泡樹脂ブロックが得られ、上記した安定性の高い軽量盛土構造物を経済的に構築することができる。
また、上記した軽量盛土構造物100は、発泡樹脂ブロック50,60と傾斜地106の傾斜面との間に、発泡体片成形体からなる排水材層107を形成したため、軽量性、排水性および滑り抵抗性に優れた排水材層107を構築でき、傾斜地拡幅構造物において問題となる土圧低減効果に優れ、雨が激しく降っても土圧の上昇を効果的に押さえることができ、H綱杭等によって構成された前面壁を設けない設計が可能となり、上記した本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を外側表面を形成する部位に積層することによって、信頼性の高い壁面を有する軽量盛土構造物を構築することができる。
本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は、図6に示した構造の軽量盛土構造物100のみならず、種々の軽量盛土構造物に用いることができるものであり、例えば、図6に示した軽量盛土構造物において、最下層のみ、最上層のみ、或いは外側表面を形成する部位のみ、更には前記3者の適宜な2者の組み合わせ部位のみを高圧縮強さの発泡樹脂ブロックで構成したもの、或いは図8に示した自立壁の盛土構造物において、H綱杭等によって構成された壁面を構築することなく、上記した軽量盛土構造物100と同様に、発泡樹脂ブロックの積層によって構造物を構築することとし、その外側表面を形成する部位に、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50を用いることもできる。また更には、鉄道のプラットホーム、歩道橋の昇降スロープ、車道接続歩道部の拡幅等の軽量盛土構造物の外側表面を形成する部位に、本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロック50は用いることができる。
以下、本発明の表面材付き発泡樹脂ブロックについての作用、効果を実施例と比較例とを比較することにて具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例、比較例の具体的な態様によって本発明の表面材付き発泡樹脂ブロックの有意性を開示するものであって、本発明の権利範囲が当該態様によって制限されるものではない。
−実施例−
3枚の厚み100mm、縦1000mm、横1000mmの密度35kg/m3のポリスチレン樹脂押出発泡板1を、湿気硬化型1液ウレタン系接着剤を使用して厚み方向に積層接着することにより、厚み300mm、縦1000mm、横1000mmの発泡樹脂ブロック10を形成した。
なお、ポリスチレン樹脂押出発泡板1の縦方向が該押出発泡板の押出方向、横方向が該押出発泡板の幅方向と各々一致しており、該押出発泡板1の積層接着は、各押出発泡板1の押出方向が同じ方向となるように行った。
次いで、形成した発泡樹脂ブロック10の厚み方向Xと縦方向Y(押出発泡板の押出方向と同じ)により定まる発泡樹脂ブロック10の側面XYに、はけ塗りにてポリマーセメントモルタル層を形成し、該発泡樹脂ブロック10を形成したポリマーセメントモルタル層が上方を向くように型枠に入れ、その上から未硬化の軽量モルタルを流し込み、硬化したポリマーセメントモルタル層が形成されている発泡樹脂ブロック10の側面XY上に、軽量モルタルからなる厚み約2cmの表面材20を積層した図4に示すような表面材付き発泡樹脂ブロック50を得た。得られた表面材付き発泡樹脂ブロック50の諸物性を、表1に示す。
なお、表1に示した諸物性は、上記した各方法でそれぞれ測定したものである。
−比較例−
表面材20の積層接着面を発泡樹脂ブロック10の厚み方向Xと横方向Z(押出発泡板の幅方向と同じ)により定まる発泡樹脂ブロック10の側面XZとした以外は、上記実施例と同様にして表面材付き発泡樹脂ブロックを得た。得られた表面材付き発泡樹脂ブロックの諸物性を、表1に併記する。
Figure 0005128831
表1に示されるように、引張強さの小さな発泡樹脂ブロックの側面XZに表面材を積層接着した比較例の表面材付き発泡樹脂ブロックに比べて、引張強さの大きな発泡樹脂ブロックの側面XYに表面材を積層接着した実施例の表面材付き発泡樹脂ブロックの方が、表面材の付着強さにおいて優れる結果となった。
本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックの一実施の形態を示した斜視図である。 本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックの製造方法の一実施の形態を概念的に示した図であって、(a)はポリスチレン系樹脂押出発泡板の積層工程を示した概念的な斜視図、(b)は形成した発泡樹脂ブロックに表面材を接着する工程を示した概念的な斜視図である。 本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックの製造方法の他の実施の形態を概念的に示した図であって、(a)はポリスチレン系樹脂押出発泡板の積層工程を示した概念的な斜視図、(b)は形成した発泡樹脂ブロックに表面材を接着する工程を示した概念的な斜視図である。 本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックの一実施の形態を示した斜視図であって、特に表面材の接着側面を示した図である。 引張強さの測定方法を概念的に示した斜視図である。 本発明に係る表面材付き発泡樹脂ブロックを用いて構築した軽量盛土構造物の一実施の形態を示した概念的な縦断面図である。 従来の軽量盛土構造物の一例を示した概念的な縦断面図である。 従来の軽量盛土構造物の他の例を示した概念的な縦断面図である。 従来の軽量盛土構造物の更に他の例を示した概念的な縦断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C.1D,1E,1F,1G ポリスチレン系樹脂押出発泡板
10 発泡樹脂ブロック
20 表面材
50 表面材付き発泡樹脂ブロック
60 表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック
60A 高圧縮強さの表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック
60B 低圧縮強さの表面材が設けられていない発泡樹脂ブロック
70 試験片
80 治具
100 軽量盛土構造物
101 平地
102 基礎
103 鉄筋
104 ピン(連結具)
105 コンクリート板
106 傾斜地
107 排水材層
108 被覆層
X 厚み方向
Y 縦方向
Z 横方向
α 押出方向
XY 厚み方向と縦方向にて定まる発泡樹脂ブロックの側面
XZ 厚み方向と横方向にて定まる発泡樹脂ブロックの側面
Xα 厚み方向と押出方向にて定まる発泡樹脂ブロックの側面

Claims (4)

  1. 複数枚のポリスチレン系樹脂押出発泡板を厚み方向に積層接着してなる直方体形状或いは立方体形状の発泡樹脂ブロックの側面に表面材が設けられた表面材付き発泡樹脂ブロックであって、該発泡樹脂ブロックを構成する各々のポリスチレン系樹脂押出発泡板は、該押出発泡板の押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着されており、該発泡樹脂ブロックの側面のうち、前記押出方向が同じ方向或いは逆方向となるように積層接着された押出発泡板の厚み方向と押出方向にて定まる発泡樹脂ブロックの側面に、上記表面材が接着されており、該発泡樹脂ブロックの厚み方向、押出方向および幅方向の平均気泡径が、下記(1)〜(3)式の条件を満足することを特徴とする、表面材付き発泡樹脂ブロック。
    1.0≦D A /D B ≦1.5・・・(1)
    0.8≦D A /D C ≦1.3・・・(2)
    0.3≦D A ≦2.0 ・・・(3)
    〔但し、式中のD A は厚み方向の平均気泡径(mm)、D B は押出方向の平均気泡径(mm)、D C は幅方向の平均気泡径(mm)を表す。〕
  2. 上記表面材がセメント硬化物であり、該表面材の付着強さが100kN/m 2 以上であることを特徴とする、請求項1に記載の表面材付き発泡樹脂ブロック。
  3. 上記発泡樹脂ブロックの厚み方向の圧縮強さが、100kN/m 2 以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の表面材付き発泡樹脂ブロック。
  4. 上記請求項1〜3のいずれかに記載の表面材付き発泡樹脂ブロックを用いてなることを特徴とする、軽量盛土構造物。
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